JP2009506777A - 抵抗性の表現型特徴を示す腫瘍細胞を用いた化学療法感受性アッセイ - Google Patents
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Abstract
Description
本出願は、2005年9月1日出願の米国仮特許出願第60/712,815号、および2005年9月1日出願の米国仮特許出願第60/712,814号の利益を主張し、これら双方は、参照として、それらの全体が援用されている。
本発明は、腫瘍細胞集団の実質的な表現型浮動(phenotypic drift)が生じる前にアッセイに使用される腫瘍細胞サンプルを調製する方法に関する。本発明の一実施形態において、コラゲナーゼおよびDNアーゼにより処理された組織外植片から、細胞培養物単層が形成される。他の実施形態において、細胞培養物は、機械的に攪拌した組織外植片から形成される。本発明の方法は、化学療法感受性アッセイおよび化学療法抵抗性アッセイと併せて使用できる。
癌に対してなされた進歩に関わらず、癌は未だに米国において、心臓血管疾患に次いで死因の第2位である。癌に対する闘いにおける主要な障害の1つは、個々の患者に対する化学療法剤の選択が真に個人化されていないことである。「癌」は、多くの特徴を共有しているが、具体的な各々の癌はそれ自体の特定の特徴を有している。遺伝的および環境的因子は、重症度および治療の予後において複雑な関係を有している。
本発明は、実質的な表現型浮動が生じる前に、腫瘍外植片を攪拌して、腫瘍外植片から腫瘍細胞を実質的に遊離させるステップと、遊離した細胞から細胞培養物単層を培養するステップと、および単層細胞から細胞懸濁液を形成するステップと、を含む腫瘍細胞サンプルを調製する方法を開示する。一実施形態において、細胞懸濁液は約4,000から12,000細胞/mlである。一実施形態において、細胞懸濁液は約4,000から9,000細胞/mlである。他の実施形態において、細胞懸濁液は約7,000から9,000細胞/mlである。
以下の実施形態およびそれらの態様は、本発明に含まれたアッセイ、方法、手段およびシステムに関連して説明および例示されており、範囲の限定ではなく、典型的および例示的であることが意図されている。種々の実施形態において、本明細書に記載された問題の1つ以上が減少または除去され、一方、他の実施形態は、本明細書に記載されたアッセイ、方法、手段およびシステムの改善に関する。
バイオテクノロジーおよび化学における場合に一般的なことだが、本方法の説明には、多数の業界用語の使用が必要である。それを徹底的に行うことは実用的ではないが、参照を容易にするために、本明細書にこれらの用語のいくつかについて、定義を提供してある。別に定義しない限り、本明細書に用いられた全ての専門用語および科学用語は、本明細書に記載された方法が属する分野の当業者によって一般に理解されているものと同じ意味を有する。他の用語についての定義もまた、本明細書の他の箇所に記載されている。しかし、本明細書のここおよび他の箇所に提供された定義は常に、その定義された用語の意図された範囲および意味の決定において考慮されるべきである。操作例、または別に指示された場合以外、本明細書および特許請求の範囲に用いられた成分、反応条件などの量に関する全ての数または表現は、全ての例で、用語の「約」によって修飾されたものとして解すべきである。
本明細書に開示された方法の一実施形態において、患者からの組織サンプルを採取し、培養し、患者から得られた培養細胞に対する有効な処置を客観的に同定する目的で、複数の処置および/または治療薬に別個に曝露する。また、本発明の方法の培養法により、インビボでの発現に典型的な様式で細胞マーカー、分泌因子および腫瘍抗原を発現する細胞の単層がもたらされる。また、本発明の培養法により、インビトロでの腫瘍抗原の発現がインビボでの腫瘍抗原の発現に相関しているか、またはそれと同様であるかを確認する目的で、培養された腫瘍細胞による可能な表現型および/または遺伝子型の浮動を検出するために、腫瘍抗原発現または他の腫瘍マーカーをモニタリングすることが可能になる。組織サンプル調製法などの、本明細書に開示された特定の方法により、この方法が理論的に有用であると共に実践的にも有用になる。例えば、米国特許第5,728,541;6,887,680および6,416,967号明細書を参照されたい。
本明細書に開示された、登録商標を有するChemoFx(登録商標)アッセイは、固形腫瘍由来の上皮細胞の単離、短期成長、および薬剤投与処置を含む。腫瘍部位の外科的「デバルキング」または生検(例えば、減圧補助およびコア生検)または微細針吸引の時点で、外科医、放射線科医、または病理学医により固形腫瘍の断片を得、組織培養培地中に入れる。腫瘍を小片へと刻み、細胞増殖のため、小フラスコまたは他の適切なサイズの培養皿に、細胞培養培地(Lifetech、Gibco BRL)と共に入れる。時間が経つと、細胞は腫瘍片から外へ移動し、容器の底に単層を形成する。十分な細胞がエクスビボ外植片から外へ移動したら、それらをトリプシン処理し、ChemoFx(登録商標)アッセイ(下記の1型および2型)または免疫組織化学(IHC)分析のために、マイクロタイタープレート内に再接種する。
ChemoFx(登録商標)アッセイの1型では、培養細胞を1ウェル当たり約100〜500細胞の密度で60ウェルのマイクロタイタープレートに接種し、約24時間、付着および成長をさせる。培養24時間後、細胞を一組の化学療法剤に約2時間曝露する。化学療法剤と共にインキュベーションした最後に、プレートを洗浄して、非接着細胞を除去する。残留細胞を95%エタノールで固定し、DNA介在青色蛍光色素、DAPI、または6−ジアミジノ2−フィリンドールジヒドロクロリド(Molecular Probe、Eugene、オレゴン州、米国)または等価物によって染色する。次いで、オペレーター制御、コンピュータ補助の画像解析システム(Zeiss Axiovision、Thornwood、ニューヨーク州、米国)を用いて、残存細胞をカウントする。次いで、当業界に知られた方法を用いて、細胞毒性指数を算出する。データを細胞毒性指数(CI)としてグラフで示す。次いで、評価された各薬剤または薬剤の組み合わせに関して、用量−応答曲線を作出する。
ChemoFx(登録商標)アッセイの2型では、Resource Allocatorと称される、登録商標を有するソフトウェアを利用して、液体処理装置の作業を指示する論理的スクリプトが作出される。しかし、その操作は、適切なソフトウェアと共に、当業界に知られた任意の液体処理装置を用いて実施できる。このソフトウェアは、アッセイの背後の考え方を用い、複数用量薬物処置の各々に関して、約4,000から12,000細胞/mlの細胞懸濁液平板培養および1用量当たり、1〜10反復を用いて、全ての求められた薬剤の試験を提供する上で必要な細胞の数を算出する。一実施形態において、アッセイは、10の用量の薬剤処置の各々に関して、約8,000細胞/mlおよび1用量当たり、3反復を含む。それらの計算が完了した後、Resource Allocatorにより、細胞の平板培養に必要な使い捨てピペットチップ、8列深型ウェルベイスンおよび384ウェルマイクロプレートの量ならびに液体処理装置のステージ上での消耗品の位置が決定される。最後に、Resource Allocatorにより、平板培養前に、8列深型ウェルベイスンにおける細胞の特定の位置、および平板培養後に384ウェルマイクロプレートにおける細胞の特定の位置が決定される。この情報は、結果を容易に解釈するためにプリント可能な様式で提供される。Resource Allocatorによって提供された情報を用いて、約4,000から12,000細胞/mlの濃度で細胞懸濁液が調製され、液体処理装置のステージ上のリザバーベイスンに送達される。次いで、装置により、384ウェルマイクロプレートのウェル内に、約30から50μlの培地中、約200から400の細胞が、約1〜10反復で接種され、その後、細胞をプレートに接着させ、37℃で約24時間増殖させる。一実施形態において、細胞懸濁液は、約8,000細胞/mlの濃度で調製され、液体処理装置により、マイクロプレートのウェル内に、約40μlの培地中、約320の細胞が、3反復で接種される。
腫瘍が存在しているために患者を治療する場合、当該方法の好ましい実施形態において、非壊死性、非汚染組織の腫瘍生検材料を約15mgまたはそれ以上、当業界に知られた任意の好適な生検または外科的操作によって患者から採取する。例えば、約15mg、約20mg、約25mg、約30mgまたは約35mgまたはそれ以上の腫瘍生検材料を使用できる。本発明の一実施形態において、生検サンプルは約25mgまたはそれ以上である。他の実施形態において、生検サンプルは、少なくとも約15mgから約35mgである。腫瘍サンプルの処理は、一般に、Laminar Flow Hoodの下で、以下のとおり進められる。サンプル調製を開始する前に、試薬用エタノールを用いて、フードの表面を隅々まで拭く。次いで滅菌条件下、滅菌ピンセットを用いて、輸送容器から腫瘍を取り出し、滅菌ペトリ皿内に置き、それを、鋏様の動きで2つの滅菌メス、または機械的に等価な手動、または自動化対向切歯刃を用いて、規則正しく切り刻む。技法により、得られた腫瘍多細胞粒子上に平滑な切断端が作り出されるため、この交差切断は重要であるが、必ずしも必要ではない。一実施形態において、外腫瘍粒子は、0.25mm3から1.5mm3の大きさである。例えば、腫瘍粒子は、約0.25mm3、0.30mm3、0.40mm3、0.50mm3、0.6mm3、0.7mm3、0.75mm3、0.80mm3、0.90mm3、1mm3、1.1mm3、1.2mm3、1.25mm3、1.30mm3、1.40mm3、または1.50mm3の大きさであり得る。腫瘍粒子は各々、およそ1mm3の大きさであることが好ましいが、必ずしもその必要はない。
患者の悪性疾患からの一次培養物が確立されたら、一次培養物を、ある治療法による悪性疾患欠如の処置増殖を示すものとして、通常の供給以外は処置をせずに維持できる。一次培養物の細胞が引き続く任意の試験または処置によって影響されないように、一次培養物から二次培養物が調製される。一次培養物は無処置で置かれることが好ましいが、一次培養物またはその二次培養物のいずれかを、参照培養物として増殖させることができる。参照培養物は、患者の実際の治療法を反映する1種以上の薬剤で処置される培養物である。例えば、患者がある医薬品で処置される場合、参照培養物は同一濃度の同一薬剤で処置される。参照培養物は、患者における悪性疾患の実際の進行を反映させるために、応答の分子予測物質またはマーカーを用いて、遺伝子型または表現型に関してモニターできる。参照培養物の処置は抗癌療法に限定される必要はないが、患者の処置の全てを反映することができる。例えば、限定はしないが、血栓溶解剤または抗血栓形成処置を参照培養物に適用して、患者の処置を反映させることができる。
相当数の非標的細胞の外植片からの出現前に、外植片を除去すると、対象となっている腫瘍細胞集団が豊富な細胞の単層が生じる。例えば、培養腫瘍組織外植片から、順序正しい様式で細胞が単層として現れ、先ず、腫瘍細胞が現れてから、間質性細胞集団が現れることが発見された。腫瘍細胞外植片が培養物中に残留するならば、間質性細胞は、培養物中の腫瘍細胞より優勢であることが判明した。これによって、非標的間質性細胞に富み、インビボ細胞集団を反映しない培養物が作出される。したがって、腫瘍細胞培養において、外植片から相当数の間質性細胞が現れる前に、外植片は増殖培地から除去される。外植片をその培養培地から除去する時間は、培養されている細胞の型、種々の細胞型の出現率および得られる細胞培養物単層の所望の純度に依存する。これは、所与の細胞型に関して経験的に決定できる。腫瘍細胞の場合、多細胞組織外植片は、細胞培養物単層が約10から約50パーセント(またはそれ以上)の集密度の時に除去されることが好ましい。当該方法の一態様において、多細胞組織外植片は、約15から約25パーセントの集密度で除去される。当該方法の他の態様において、外植片は、約20パーセントの集密度で除去される。集密度パーセントは、細胞によって占有された面積を視野の総面積で除算した概算値である。
実際の腫瘍細胞の増殖増強は、本発明の態様の1つにすぎない。増殖率モニタリングシステムもまた、いったん形成された単層の増殖を監視するために使用できる。一次培養およびそれから誘導された二次単層組織培養が開始されたら、化学療法アッセイを開始する時間を確認するため、また、培養細胞の増殖率を判定するために、細胞の増殖をモニターする。
スクリーニング目的で用いられる化学療法感受性アッセイの性能は、反復可能な細胞数をプレートおよび/または一連のプレートの各列に送達する能力、ならびに所与のウェル全体に細胞の均一な分散を達成する能力に依存する。細胞がフラスコからマイクロタイタープレートに反復可能に移され、細胞が各ウェルの表面全体に均一に分散されることは、以下の操作により確実になる。
384の等価ウェルを含むアッセイには、標準的な組織培養プレートが利用できる。各ウェルがおよそ120μlの溶液を保持できる。当業者であれば分かることだが、種々のサイズの組織培養プレートを使用できる。例えば、80μlだけを保持するように、ウェルのサイズを小さくできる。一実施形態において、プレートは成型プラスチックから作製される。標準的なカバースリップ厚のガラス底プレートを使用できる。このような場合、ガラス底プレートは、コラーゲン、ビトロゲン、フィブロネクチンなどの細胞外マトリックス材料の薄層で予備処理できる。
試験する各薬剤に関し、アッセイに使用される最初の10の濃度の用量範囲を決定する(下記を参照)。患者由来の腫瘍細胞を、指示された用量の指示された1種以上の薬剤により、約25時間から200時間の期間処置する。一実施形態において、処置期間は72時間である。しかし、試験薬剤は、より短い、またはより長い期間を指示できる。例えば、生物学的薬剤は、伝統的な医薬品よりも長い処置期間を必要とし得る。
当業者は、先述のアッセイまたは類似したアッセイに使用するための併用における個々の医薬品の適切な量を選択できる。選択された量が、薬剤/化合物の特定の併用に関して「有効量」であるかどうかを決定するために、化学療法剤の代謝、薬剤の輸送、細胞のアポトーシス、細胞増殖、DNA修復または他の生物学的活性(遺伝子発現を含む)における変化が用いられる。
患者の細胞が組織のインサイチュ位置から取り出されてインビトロ培養される場合、細胞は、表現型および遺伝子型の浮動に供される。すなわち、それらは、時には、遺伝子発現の変化、または変異遺伝子の発現の結果、それらの元の組織または器官のいくつかの特徴をうちの形態的特徴(および構成部分)のいくつかを失い始めることが認められている。この不安定性は、培養条件の変化、集団における一部の細胞の選択的増殖、および遺伝子変化の結果である。細胞集団が経時的にできるだけ安定のままであるように、培養物を標準化することが重要であるため、外植片および細胞培養物の原液は保存されることが多い。細胞の保存は、培養物における遺伝子型および表現型の浮動を最少化し、老化を回避することに役立ち、汚染を防ぎ、「作業」培養物が汚染されたり、変化したり、他に使用できなくなった場合に原培養物を提供する。例えば、米国特許第5,587,297号明細書および米国特許第6,528,309号明細書を参照されたい。
表現型の変化は、公共的に利用でき、当業者に周知の技法および方法を用いて、種々の仕方でモニターされる。本発明に含まれる一態様において、表現型アッセイは、培養条件への応答を評価するために使用され、また、化学療法剤に対する受容性および/または耐性を評価するために、および、表現型浮動発生の指標としても使用できる。表現型アッセイは、培養細胞を用いてインビトロで実施される。表現型アッセイはまた、組織サンプル中に見られる他の細胞からの腫瘍細胞の同定および分離、ならびに化学療法および/または放射線照射処置および/または免疫療法処置に対して応答する腫瘍細胞のモニタリングを可能にする。例えば、倍増速度の測定、増殖アッセイ、細胞分裂停止、細胞死、細胞接着、遺伝子発現、細胞運動性、細胞侵襲性のモニタリングなど、当業界で知られた方法を用いて、生きた腫瘍細胞の直接的な測定およびモニタリングが実施される。また、直接的測定としては、アポトーシス、老化および壊死の測定およびモニタリングに関するアッセイなどの公知のアッセイが挙げられる。また、表現型アッセイでは、応答の分子予測物質における変化も測定できる。
遺伝子学は、遺伝子、それらの組成およびそれらの発現パターンの学問として定義される。したがって、遺伝子分析は、DNA変異などの遺伝子変異性または単一ヌクレオチド多型(SNP)、ならびにRNAレベルにおける遺伝子発現の変化を包含する。より具体的には、薬剤遺伝子学は、薬剤応答に及ぼす遺伝子変異性の効果を包含する。比較的新しい実践法ではあるが、薬剤遺伝子学は、高血圧、喘息および癌などの種々の疾患タイプに罹っている患者に適用することができる。癌の薬剤遺伝子学の場合、化学物質応答性に影響を及ぼし得る、例えば、薬剤の代謝、吸収、溶出、活性化および解毒に関与する経路、ならびに標的遺伝子発現およびDNA修復機序などの種々の分子要因がある。したがって、化学療法に対する応答には、複数の遺伝子が役割を果たしており、薬剤経路の遺伝子内での遺伝子変化は、薬剤の効果に対する臨床的耐性に関連していることが多い。これらの遺伝子変化は、SNPおよび/または遺伝子発現の変化として検出されることが多い。
患者の腫瘍外植片から採取した細胞を、約4,000から12,000細胞/mlの濃度、1ウェル当たり、30〜55μlの細胞懸濁液で、黒色壁、透明底の384マイクロプレートに接種できる。一実施形態において、外植片を、約8,000細胞/ml、1ウェル当たり、40μlの細胞懸濁液で接種できる。細胞は、腫瘍学者により求められた薬剤処置数に従って接種でき、各薬剤の1用量当たり、三重反復とする。培地の蒸発を防ぐため、マイクロプレート上のウェルの最外リングを、緩衝液、例えば、約80μlのハンクス平衡塩類溶液(HBSS)で満たすことができる。次いで、細胞を、24時間のインキュベーション時間、マイクロプレートの底部に付着させることができる。初期インキュベーション後、各薬剤または薬剤の組み合わせの用量を、1ウェル当たり、約30μlから50μlの用量で患者のプレートに加えることができ、10用量当たり、増殖培地で処置した1つの対照ウェルとする。
固定および染色は、多数の好適な方法によって行うことができるが、以下は代表的なものである。細胞を固定し染色する他の方法は、公共的に利用でき、当業者によく知られており、本明細書に開示された方法の実行に任意選択として使用されるものとする。
上皮マーカーに対する標的薬剤の結合は、関連した染色操作および可視表示を与える反応と共に、マーカー結合が生じたことを明らかにする。マーカー結合が生じたかどうかを明らかにする種々の技法がすでに利用できる。抗体結合試薬が用いられる場合、この可視化を達成する公知の一方法は、「標識ストレプトアビジン操作」によるものである。この操作において、検体が標的抗原に特異的な抗体に曝露された後、第2の「結合」抗体が加えられる。第2のビオチン化「結合」抗体は、たいていの一次モノクローナルまたはポリクローナル抗体に普遍的に結合する抗マウスおよび抗ウサギ抗体からなる。第2の試薬上のビオチンとストレプトアビジン/ペルオキシダーゼ結合体上のストレプトアビジンとの間の化学的結合を介して、「結合」は第3の試薬(ペルオキシダーゼ標識ストレプトアビジン)にも関係する。クロモゲンの存在下、検体および第1、第2および第3の薬剤をインキュベートし、その結果、ペルオキシダーゼおよびクロモゲンが肉視できる沈殿を形成することによって染色が完了する。あるいは、一次抗体を可視化するためにフルオレセインベースの検出システムを使用できるか、または、当業界でジゴキシゲニン結合検出システムとして知られている第3の代替法が使用できる。
通例的療法では、残留腫瘍細胞は、化学的抵抗性により、またはこれらの細胞が血管化に乏しい低酸素領域に位置し、通例的な処置に接触できないことにより、損傷を受けないままである。遺伝子の不安定性および腫瘍の異質性は、それらが適合して、療法に対する耐性を発現することを可能にする。化学療法の有益な効果は、腫瘍組織が薬剤の毒性を回避することを可能にする細胞機序によって損なわれ得る。いくつかの場合、種々の非関連薬剤に対する多面的な耐性が見られており、この現象は多剤耐性と称されている。多剤耐性と戦うために、および治療の有効性を高めるために、1種以上の薬剤からなる療法(併用療法)が開発されている。
腫瘍細胞におけるアポトーシスの誘導は、化学療法、放射線照射、免疫療法およびサイトカインなどの大抵の抗腫瘍療法の重要な機序であることは、現在、十分に文書化されている。最近の研究では、化学的感受性の判定に対するアポトーシス応答の測定が適用されている。抗増殖ではなく、薬剤誘導アポトーシスの測定により、化学療法剤に対する腫瘍応答が予測できることを、これらの研究は示している。さらに、腫瘍細胞死に関連しているアポトーシスのマーカーを使用することにより、化学療法剤の生理学的用量に曝露された腫瘍細胞のインビトロ応答を、感受性または抵抗性に関して試験することができる。アポトーシスを誘導、測定およびモニタリングする方法は、当業界に知られており(例えば、国際出願第PCT/US04/039650号を参照)、本明細書に開示された本発明に含まれたアッセイ、方法、手段およびシステムと関連させて、任意に使用される。
本発明に含まれた一態様において、化学療法の方針が、化学療法感受性、表現型、遺伝子型および/またはアポトーシスのアッセイから得られた結果に基づいて選択される。本発明は、化学療法剤が患者の悪性疾患の治療に有効であるかどうかの可能性評価を含む。アポトーシスアッセイと任意に組み合わせた遺伝子型アッセイと任意に組み合わせた表現型アッセイからの結果の評価、ならびに応答の少なくとも1つの分子予測物質の評価は、腫瘍が抵抗性である化学療法剤または化学療法剤の組み合わせを患者に投与する危険性を最小化する働きをする。本発明の一態様において、細胞の表現型に及ぼす効果が見られ、抵抗性に関連した遺伝子型の特徴は見られない治療のために、化学療法剤または化学療法剤の組み合わせが選択される。本発明の他の態様において、細胞の表現型に及ぼす効果が見られず、抵抗性に関連した遺伝子型の特徴は見られる治療のために、化学療法剤または化学療法剤の組み合わせが選択される。本発明の別の一態様において、細胞表現型と細胞の遺伝子型の双方に及ぼす効果が見られるか、または見られない治療のために、化学療法剤または化学療法剤の組み合わせが選択される。
本明細書に用いられる応答の分子予測物質は、1つ以上の生化学的経路における1つ以上の遺伝子の発現または発現産物である。発現および/または関連SNPが化学療法に対する応答に役割を果たしていると考えられるほぼ60の遺伝子が同定されている。この候補遺伝子のリストは、以下のことに関与する遺伝子を含む:化学療法剤の代謝(例えば、YP3A4、CYO3A5、CYP2D6、CYP2C8およびCYP2C9)、薬剤輸送(例えば、ABCB1、ABCC2およびABCG2)、細胞アポトーシス(例えば、BCL2、BAD、BAXおよびBAKI)、細胞増殖(例えば、EGRI、CYR61、p21/WAFおよびTP53)、およびDNA修復(例えば、RCC1、ERCC2、MLH1およびMSH2)。使用される分子予測物質は以下からなる群から選択される:
実施例1.一次培養の開始
患者から非壊死、非汚染組織のおよそ100mgの腫瘍生検材料を、外科的生検により採取し、標準的な輸送用コンテナで実験室まで移送した。生検サンプルの調製は、以下のとおり進めた。試薬用エタノールを用いて、層流フードの表面を隅々まで拭いた。次いで、滅菌条件下、輸送用コンテナから腫瘍を取り出し、2つの滅菌メスを用い、鋏様の動きで規則正しく切り刻んだ。各主要粒子は約1mm3の測定値であった。腫瘍の各四半分を切り刻んだ後、攪拌させた、または攪拌させなかった粒子を、滅菌パスツールピペットを用いて培養フラスコに平板培養した(1個のT−25フラスコ当たりおよそ9つの外植片、または1個のT−75フラスコ当たりおよそ20の粒子)。次いで、各フラスコに、患者コード、外植の日付および任意の他の識別データを標識する。外植片は、フラスコの底面全体にわたって均一に分散させ、37℃のインキュベーター内で5〜10分間、最初の反転インキュベーション、引き続いて、約5〜10mlの滅菌増殖培地を添加して、定位の非反転位で、さらにインキュベーションを行った。フラスコを、37℃、5%CO2の加湿インキュベーター内に置いた。フラスコは、増殖および汚染に関して毎日チェックした。適切な量の増殖培地を毎週、除去し交換しながら、数週間の期間にわたって、外植片は増殖して単層となった。
0%から最大細胞死を含むレベルまでの細胞死を得る目的で、適切な用量範囲を確立するために、384ウェルマイクロタイタープレートおよび4つのATCC細胞系を含む多段階薬剤希釈操作を用いた。各細胞系に特異的な培地中に薬剤を希釈し、10種の薬剤濃度を提供するために連続希釈を行った。次いで、4つの主要な腫瘍タイプ:卵巣、乳房、肺および結腸の各々から単離した少なくとも20人の患者由来の細胞系について、段階1の薬剤用量を検証した。低端および高端双方について、0%から最大細胞死を含むレベルまでを得るように、用量を調整した。最後に、384ウェルマイクロプレートを用いて、新たに決定された用量を患者細胞でさらに検証し、0%から最大細胞死を含むレベルまでの可能な応答の全範囲を得るように調整した。単独剤として試験するいくつかの薬剤に関する72時間用量レベルを確立した後、併用療法を扱う新規な方法を開発した。
4つのヒト卵巣腫瘍検体の残留組織からの個別に50mgのサンプルを、培地中、滅菌鋏でおよそ1mm3の粒子サイズに切り刻み、粒子サイズ分散を約0.25mm3と約1.5mm3との間にする。切り刻んだサンプルを、完全培地を有する少なくとも1つで、複数でもあり得る組織培養フラスコに入れ、粒子が各フラスコの底部に沿って均一に分散していることを肉視確認し、フラスコを、37℃、5%CO2のインキュベーター内に入れた。フラスコは、増殖および汚染に関して毎日チェックした。数週間の期間にわたって、増殖培地を毎週、除去し、交換すると、粒子は増殖して単層となった。
卵巣腫瘍組織を受け取り、およそ5mm3の断片に切り刻んだ。各切断検体を、Ca2+およびMg2+を有するハンクス平衡塩類溶液(HBSS)中、10mlの0.25%コラゲナーゼIIおよび0.001%のDNアーゼIを含有する15mlの円錐管に入れた。次いで検体を、揺動台上、37℃のインキュベーター内で約15分から30分間インキュベートした。
本明細書に開示された方法の一実施形態において、本明細書に開示された方法により化学的抵抗性であると判定された腫瘍細胞を、ChemoFx(登録商標)アッセイV1またはV2プロトコルに従って培養できる。本明細書に開示された方法によって得られた化学的抵抗性細胞を、本明細書に開示された他の方法、アッセイ、手段またはシステムのいずれかにおいて、またはそれと共に、または当業界に知られた任意の方法、アッセイ、手段またはシステムと共に使用できる。当業界に知られた他の方法によって化学的抵抗性であると判定された腫瘍細胞もまた、本明細書に開示されたChemoFx(登録商標)アッセイV1またはV2プロトコルに従って培養できる。いずれの場合にも、培養された化学療法抵抗性腫瘍細胞に対して、さらなる化学療法感受性試験および/または遺伝子型および/または表現型および/またはアポトーシスのアッセイおよび/または応答の1種以上の分子予測物質の評価を引き続いて実施する。
結腸腫瘍組織(輸送培地中)を受け取り、3、4回静かに振とうした。輸送培地を腫瘍から流し出し、50mlの円錐管に移し、これを800×gで3分間遠心分離した。遠心分離後、生じたペレットから上澄み液を流し出した。ペレットを含有する管を後の使用のために取って置いた。
細胞毒性指数スコアは、アッセイされた細胞の出発数の変動を考慮して正規化した。細胞をウェル、すなわち隔離部位に入れた24時間後、プレートをインキュベーターから取り出し、画像化システム上に置いた。画像化システムによってプレートの各ウェルを画像化して、可視光および蛍光の画像を捕捉した。各画像を分析し各ウェルにおける細胞数を判定した。
T終末 無処置 T24 処置
Claims (91)
- (a)腫瘍外植片を攪拌して、前記腫瘍外植片から腫瘍細胞を実質的に遊離させるステップと、
(b)前記遊離細胞を培養して、細胞培養物単層を生じさせるステップと、
(c)腫瘍細胞集団の実質的な表現型浮動が生じる前に、前記単層の細胞からの細胞懸濁液を形成するステップと
を含む腫瘍細胞サンプルを調製する方法。 - 前記細胞懸濁液が約4,000〜12,000細胞/mlである請求項1に記載の方法。
- 前記細胞懸濁液が約4,000〜9,000細胞/mlである請求項1に記載の方法。
- 前記細胞懸濁液からの細胞を、少なくとも1つの隔離部位に接種するステップをさらに含む請求項2に記載の方法。
- 各隔離部位が約102個から104個の細胞を含む請求項4に記載の方法。
- 各隔離部位が約102個から約103個の細胞を含む請求項5に記載の方法。
- 各隔離部位が約200個から約1000個の細胞を含む請求項6に記載の方法。
- 前記細胞を少なくとも1種の医薬品に接触させるステップをさらに含む請求項5に記載の方法。
- 薬剤との接触前に、前記細胞が約4時間から約30時間培養される請求項5に記載の方法。
- 薬剤との接触前に、前記細胞がカウントされる請求項5に記載の方法。
- さらに、前記細胞が約4時間から約30時間培養された後、かつ、前記薬剤との接触前に、前記細胞がカウントされる請求項9に記載の方法。
- 少なくとも1種の医薬品が、前記細胞に、約25時間から約200時間接触する請求項8に記載の方法。
- さらに、前記少なくとも1種の医薬品が、前記細胞に、約25時間から約200時間接触した後に、前記細胞がカウントされる請求項12に記載の方法。
- 前記細胞が、可視光、UV光および蛍光の1つ以上を用いて自動細胞画像システムによりカウントされる請求項10、11および13のいずれか一項に記載の方法。
- 自動細胞画像システムが、薬剤との接触前、接触中および/または接触後に、所定の間隔で可視光、UV光および蛍光の1つ以上を用いて細胞画像を撮る請求項5に記載の方法。
- 少なくとも1つの医薬品に対する用量応答曲線を作成する請求項8に記載の方法。
- 細胞生存度が、約25時間から約200時間維持される請求項12に記載の方法。
- 培地および非接着細胞が、約25時間から約200時間の終末に除去される請求項17に記載の方法。
- 続いて、前記培地および非接着細胞が、約25時間から約200時間の終末に分析される請求項18に記載の方法。
- 接着細胞が分析される請求項17に記載の方法。
- 前記細胞が、少なくとも1つの医薬品と接触前または接触中に1回または複数回画像化される請求項8に記載の方法。
- 生存または非生存細胞数を定量化するステップをさらに含む請求項21に記載の方法。
- 前記定量化が、可視光、UV光および蛍光の1つ以上によってなされる請求項22に記載の方法。
- 25時間から200時間後の接着細胞の遺伝子型または表現型の状態を分析するステップをさらに含む請求項12に記載の方法。
- 少なくとも1つの医薬品を、約25時間から約200時間細胞に接触させた後に、細胞毒性指数が算出される請求項12に記載の方法。
- 前記細胞毒性指数が、薬剤との処置前に得られた細胞数を用いて正規化される請求項25に記載の方法。
- 少なくとも1つの併用処置をさらに含む請求項9に記載の方法。
- 各併用処置が、少なくとも2種の薬剤を含む請求項27に記載の方法。
- 各併用処置が、各薬剤に関する1〜20用量レベルの連続希釈シリーズを含む請求項27に記載の方法。
- 0%から最大細胞死を含むレベルまでを得るように、各薬剤の用量レベル調整するステップをさらに含む請求項29に記載の方法。
- 各薬剤が、インビボで腫瘍周囲の細胞外液体中にあると判定される範囲の下から上の用量レベルで最初に使用される請求項29に記載の方法。
- 細胞集密度パーセントが測定される請求項1に記載の方法。
- 少なくとも1つの医薬品が標的薬剤である請求項8に記載の方法。
- 前記標的薬剤がマーカーを標的にする請求項33に記載の方法。
- 前記マーカーが、間充織細胞、上皮細胞、腫瘍細胞および組織特異的マーカーのマーカーである請求項34に記載の方法。
- 前記マーカーが、ビメンチン、デスミン、S100、フィブロネクチンおよびコラーゲン、細胞接着分子およびサイトケラチン、p53、サイクリン、ras、src、成長因子受容体、ホルモン受容体、シグナル伝達に関与する分子、CA125、PSA、PSM、乳タンパク質、界面活性剤およびホメオボックス核蛋白質における全レベルおよび変種からなる群から選択される請求項34に記載の方法。
- 少なくとも1つの遺伝子発現に関して細胞をアッセイするステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
- 前記少なくとも1つの遺伝子が、ABCB1; ABCC1; ABCC2; ABCG2; ABL1; ACLY; ADH1A; ADPRT; ADSS; AKAP2; AKT1; AKT2; ALDH1A1; ALDH4; ANK3; ANXA8; AP2B1; APAF-1; APH-1A; API5; APOE; ATF5; ATP7B; B4-2; BAD; BAG1; BAK1; BARX2; BAX; BBC3; BCL2; BCL2L1; BCL2L2; BNIP3; BRCA1; BRCA2; BRF2; BTF3; BUB1; BUB3; C8orf2; CASP2; CBR1; CCNL2; CCNB1; CCNE2; CD44; CD68; CDA; CDC45L; CDK9; CEACAM6; CEGP1; CENPA; CES1; CFFM4; CFLAR; COL1A1; COL4A2; COX17; CPR2; CREM; CSNK2B; CTSL2; CUL1; CYP1B1; CYP2A6; CYP2B6; CYP2C8; CYP2C9; CYP2C19; CYP2D6; CYP3A4; CYP3A5; CYR61; DC13; DCK; DCTD; DD96; DDB1; DIA4; DLC1; DNAJD1; DPYD; DPYS; ECGF1; ECT2; EFEMP1; EGR1; EMP-1; EPB42; EPRS; ER; ERBB2; ERCC1; ERCC2; ERCC4; ERG; ESM1; EXT1; FAAH; FCGRT; FDXR; FGF18; FGFR2; FLJ10948; FLJ11190; FLJ11196; FLJ13855; FLJ14299; FLJ20323; FLJ20585; FLNA; FLT1; FN 1; GADD34; GADD153; GBX2; GJB1; GNAZ; GMPS; GRB7; GSR; GSTM1; GSTM3; GSTP1; GTF2H3; HBOA; HCFC1; HEC; HER2; HLA-C; HMG1; HN1; HSPC134; IGFBP5; IL4R; ISGF3G; ITGA5; Ki67; KIAA0175; KIAA0281; KIAA0303; KIAA1041; KIAA1067; KIAA1442; KIP2; KIT; KLK4; KNTC2; KPNA2; KRT13; L2DTL; LAMB1; LCHN; LDHA; LOC51061; LOX; MAD2Ll; MAP2K4; MAP4; MAPT; MCM2; MCM6; MGMT; MGST1; MLH1; MMP9; MMP11; MP1; MPO; MSH2; MSN; MUC1; MYBL2; MYC; NDP; NFAT5; NFATC3; NFKB1; NME1; NME2; NMT1; NMU; NPM 1; NR1I2; ORC6L; ORM1/2; OXCT; p21/WAF; PAPPA; PB1; PCDHB2; PCSK7; PECI; PGK1; PGR; PK428; PLD3; POLA2; POLB; POLE; POLH; POR; PP591; PPP2R1A; PRC1; PRKDC; PRPSAP1; PSME 1; PTK2; PTPRC; RAB6B; RAB11FIP1; RALGDS; RFC4; RNF2; RPL27; RRM1; RRM2; RTKN; SCARA3; SCUBE2; SEC61A1; SERF1A; SIAH2; SLC2A3; SLC7A10; SLC28A1; SLC28A2; SLC29A1; SLC29A2; SLC35B1; SM20; SOD1; SPARC; STK15; STOML1; SURF4; SURVIVIN; TBPL1; TCEB3; TDP1; TFRC; TGFB3; TIMP1; TIMP3; TLOC1; TNC; TNF; TNFSF6; TOP1; TOP2A; TP53; TRAG3; TUBB/TUBA2; TWIST; TXN; TYMS; UBE2M; UBCH10; UBPH; UCH37; UMP-CMPK; UMPS; UP; UPB1; USP22; WISP1; XIAP; XIST; XPA; XPB 及び XRCC1からなる群から選択される請求項37に記載の方法。
- 少なくとも1つの遺伝子からの少なくとも1つのSNPに関して細胞をアッセイするステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
- 前記少なくとも1つの遺伝子が、ABCB1; ABCC1; ABCC2; ABCG2; ABL1; ACLY; ADH1A; ADPRT; ADSS; AKAP2; AKT1; AKT2; ALDH1A1; ALDH4; ANK3; ANXA8; AP2B1; APAF-1; APH-1A; API5; APOE; ATF5; ATP7B; B4-2; BAD; BAG1; BAK1; BARX2; BAX; BBC3; BCL2; BCL2L1; BCL2L2; BNIP3; BRCA1; BRCA2; BRF2; BTF3; BUB1; BUB3; C8orf2; CASP2; CBR1; CCNL2; CCNB1; CCNE2; CD44; CD68; CDA; CDC45L; CDK9; CEACAM6; CEGP1; CENPA; CES1; CFFM4; CFLAR; COL1A1; COL4A2; COX17; CPR2; CREM; CSNK2B; CTSL2; CUL1; CYP1B1; CYP2A6; CYP2B6; CYP2C8; CYP2C9; CYP2C19; CYP2D6; CYP3A4; CYP3A5; CYR61; DC13; DCK; DCTD; DD96; DDB1; DIA4; DLC1; DNAJD1; DPYD; DPYS; ECGF1; ECT2; EFEMP1; EGR1; EMP-1; EPB42; EPRS; ER; ERBB2; ERCC1; ERCC2; ERCC4; ERG; ESM1; EXT1; FAAH; FCGRT; FDXR; FGF18; FGFR2; FLJ10948; FLJ11190; FLJ11196; FLJ13855; FLJ14299; FLJ20323; FLJ20585; FLNA; FLT1; FN 1; GADD34; GADD153; GBX2; GJB1; GNAZ; GMPS; GRB7; GSR; GSTM1; GSTM3; GSTP1; GTF2H3; HBOA; HCFC1; HEC; HER2; HLA-C; HMG1; HN1; HSPC134; IGFBP5; IL4R; ISGF3G; ITGA5; Ki67; KIAA0175; KIAA0281; KIAA0303; KIAA1041; KIAA1067; KIAA1442; KIP2; KIT; KLK4; KNTC2; KPNA2; KRT13; L2DTL; LAMB1; LCHN; LDHA; LOC51061; LOX; MAD2Ll; MAP2K4; MAP4; MAPT; MCM2; MCM6; MGMT; MGST1; MLH1; MMP9; MMP11; MP1; MPO; MSH2; MSN; MUC1; MYBL2; MYC; NDP; NFAT5; NFATC3; NFKB1; NME1; NME2; NMT1; NMU; NPM 1; NR1I2; ORC6L; ORM1/2; OXCT; p21/WAF; PAPPA; PB1; PCDHB2; PCSK7; PECI; PGK1; PGR; PK428; PLD3; POLA2; POLB; POLE; POLH; POR; PP591; PPP2R1A; PRC1; PRKDC; PRPSAP1; PSME 1; PTK2; PTPRC; RAB6B; RAB11FIP1; RALGDS; RFC4; RNF2; RPL27; RRM1; RRM2; RTKN; SCARA3; SCUBE2; SEC61A1; SERF1A; SIAH2; SLC2A3; SLC7A10; SLC28A1; SLC28A2; SLC29A1; SLC29A2; SLC35B1; SM20; SOD1; SPARC; STK15; STOML1; SURF4; SURVIVIN; TBPL1; TCEB3; TDP1; TFRC; TGFB3; TIMP1; TIMP3; TLOC1; TNC; TNF; TNFSF6; TOP1; TOP2A; TP53; TRAG3; TUBB/TUBA2; TWIST; TXN; TYMS; UBE2M; UBCH10; UBPH; UCH37; UMP-CMPK; UMPS; UP; UPB1; USP22; WISP1; XIAP; XIST; XPA; XPB 及び XRCC1からなる群から選択される請求項39に記載の方法。
- 前記腫瘍外植片をコラゲナーゼおよびDNアーゼにより処置するステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
- 溶液が、約0.25%のコラゲナーゼを含む請求項41に記載の方法。
- 溶液が、約0.025%のコラゲナーゼを含む請求項41に記載の方法。
- 溶液が、約0.001%のDNアーゼを含む請求項41に記載の方法。
- 溶液が、約0.25%のコラゲナーゼおよび0.001%のDNアーゼを含む請求項41に記載の方法。
- 溶液が、約0.025%のコラゲナーゼおよび0.001%のDNアーゼを含む請求項41に記載の方法。
- 前記外植片が上皮腫瘍である請求項1に記載の方法。
- 前記上皮腫瘍が癌腫である請求項47に記載の方法。
- 前記上皮腫瘍が卵巣腫瘍である請求項47に記載の方法。
- 前記上皮腫瘍が大腸腫瘍である請求項47に記載の方法。
- 腫瘍外植片から細胞培養物単層を形成する方法であって、
a)前記腫瘍外植片を、コラゲナーゼおよびDNアーゼを含む溶液に曝露させるステップと、
b)複数の曝露された腫瘍外植片を培養して、細胞培養物単層を形成するステップと、を含む方法。 - 前記溶液への曝露前に前記腫瘍移植片を切り刻むステップをさらに含む請求項51に記載の方法。
- 前記腫瘍外植片を前記溶液と共にインキュベートするステップをさらに含む請求項51に記載の方法。
- 前記溶液への曝露後で、かつ腫瘍外植片を培養する前に前記腫瘍外植片を洗浄するステップをさらに含む請求項51に記載の方法。
- 前記溶液が、約0.25%のコラゲナーゼを含む請求項51に記載の方法。
- 前記溶液が、約0.025%のコラゲナーゼを含む請求項51に記載の方法。
- 前記溶液が、約0.001%のDNアーゼを含む請求項51に記載の方法。
- 前記溶液が、約0.25%のコラゲナーゼおよび約0.001%のDNアーゼを含む請求項51に記載の方法。
- 前記溶液が、約0.025%のコラゲナーゼおよび約0.001%のDNアーゼを含む請求項51に記載の方法。
- 前記溶液が、細胞培養培地をさらに含む請求項51に記載の方法。
- 前記溶液が抗生物質をさらに含む請求項51に記載の方法。
- 前記抗生物質が、ゲンタマイシン、ストレプトマイシン、カナマイシン、およびペニシリンからなる群から選択される請求項61に記載の方法。
- 前記溶液が、殺真菌剤をさらに含む請求項51に記載の方法。
- 前記殺真菌剤が、ナイスタチンおよびアンホテリシンBからなる群から選択される請求項63に記載の方法。
- 前記腫瘍外植片が上皮腫瘍である請求項51に記載の方法。
- 前記上皮腫瘍が癌腫である請求項65に記載の方法。
- 前記上皮腫瘍が卵巣腫瘍である請求項65に記載の方法。
- 前記上皮腫瘍が大腸腫瘍である請求項65に記載の方法。
- 候補医薬品を同定する方法であって、
(a)化学療法抵抗性細胞集団を、少なくとも1つの医薬品と接触させるステップと、
(b)前記医薬品に対する前記細胞集団の化学療法応答性を評価するステップと
を含み、所望の化学療法応答性を付与する医薬品が、候補医薬品として同定される方法。 - 前記候補医薬品が、プロトコルのメンバーとして選択される請求項69に記載の方法。
- 前記化学療法抵抗性細胞集団が、腫瘍外植片から得られた単層細胞培養物に由来する請求項69に記載の方法。
- 化学療法応答性の評価が、少なくとも1つの応答の分子予測物質の分析を実施することを含む請求項69に記載の方法。
- 前記応答の分子予測物質が、生化学経路における1つ以上の遺伝子の発現または発現産物である請求項72に記載の方法。
- 前記経路が、薬物代謝経路、薬物吸収経路、薬物活性化経路、薬物解毒経路およびDNA修復経路からなる群から選択される請求項73に記載の方法。
- 各遺伝子が、ABCB1; ABCC1; ABCC2; ABCG2; ABL1; ACLY; ADH1A; ADPRT; ADSS; AKAP2; AKT1; AKT2; ALDH1A1; ALDH4; ANK3; ANXA8; AP2B1; APAF-1; APH-1A; API5; APOE; ATF5; ATP7B; B4-2; BAD; BAG1; BAK1; BARX2; BAX; BBC3; BCL2; BCL2L1; BCL2L2; BNIP3; BRCA1; BRCA2; BRF2; BTF3; BUB1; BUB3; C8orf2; CASP2; CBR1; CCNL2; CCNB1; CCNE2; CD44; CD68; CDA; CDC45L; CDK9; CEACAM6; CEGP1; CENPA; CES1; CFFM4; CFLAR; COL1A1; COL4A2; COX17; CPR2; CREM; CSNK2B; CTSL2; CUL1; CYP1B1; CYP2A6; CYP2B6; CYP2C8; CYP2C9; CYP2C19; CYP2D6; CYP3A4; CYP3A5; CYR61; DC13; DCK; DCTD; DD96; DDB1; DIA4; DLC1; DNAJD1; DPYD; DPYS; ECGF1; ECT2; EFEMP1; EGR1; EMP-1; EPB42; EPRS; ER; ERBB2; ERCC1; ERCC2; ERCC4; ERG; ESM1; EXT1; FAAH; FCGRT; FDXR; FGF18; FGFR2; FLJ10948; FLJ11190; FLJ11196; FLJ13855; FLJ14299; FLJ20323; FLJ20585; FLNA; FLT1; FN 1; GADD34; GADD153; GBX2; GJB1; GNAZ; GMPS; GRB7; GSR; GSTM1; GSTM3; GSTP1; GTF2H3; HBOA; HCFC1; HEC; HER2; HLA-C; HMG1; HN1; HSPC134; IGFBP5; IL4R; ISGF3G; ITGA5; Ki67; KIAA0175; KIAA0281; KIAA0303; KIAA1041; KIAA1067; KIAA1442; KIP2; KIT; KLK4; KNTC2; KPNA2; KRT13; L2DTL; LAMB1; LCHN; LDHA; LOC51061; LOX; MAD2Ll; MAP2K4; MAP4; MAPT; MCM2; MCM6; MGMT; MGST1; MLH1; MMP9; MMP11; MP1; MPO; MSH2; MSN; MUC1; MYBL2; MYC; NDP; NFAT5; NFATC3; NFKB1; NME1; NME2; NMT1; NMU; NPM 1; NR1I2; ORC6L; ORM1/2; OXCT; p21/WAF; PAPPA; PB1; PCDHB2; PCSK7; PECI; PGK1; PGR; PK428; PLD3; POLA2; POLB; POLE; POLH; POR; PP591; PPP2R1A; PRC1; PRKDC; PRPSAP1; PSME 1; PTK2; PTPRC; RAB6B; RAB11FIP1; RALGDS; RFC4; RNF2; RPL27; RRM1; RRM2; RTKN; SCARA3; SCUBE2; SEC61A1; SERF1A; SIAH2; SLC2A3; SLC7A10; SLC28A1; SLC28A2; SLC29A1; SLC29A2; SLC35B1; SM20; SOD1; SPARC; STK15; STOML1; SURF4; SURVIVIN; TBPL1; TCEB3; TDP1; TFRC; TGFB3; TIMP1; TIMP3; TLOC1; TNC; TNF; TNFSF6; TOP1; TOP2A; TP53; TRAG3; TUBB/TUBA2; TWIST; TXN; TYMS; UBE2M; UBCH10; UBPH; UCH37; UMP-CMPK; UMPS; UP; UPB1; USP22; WISP1; XIAP; XIST; XPA; XPB 及び XRCC1からなる群から選択される請求項73に記載の方法。
- 前記化学療法抵抗性細胞集団からの約4,000から12,000細胞/mlの細胞懸濁液を調製するステップをさらに含む請求項69に記載の方法。
- 前記細胞懸濁液からの細胞を、少なくとも1つの隔離部位に接種させるステップをさらに含む請求項76に記載の方法。
- 各隔離部位が、接種後約102個から約104個の細胞を含む請求項77に記載の方法。
- 前記細胞と少なくとも1つの医薬品とを接触させるステップをさらに含む請求項78に記載の方法。
- 前記細胞を、前記少なくとも1つの医薬品と接触させる前に約4時間から約30時間培養する請求項79に記載の方法。
- 前記細胞を、前記少なくとも1つの医薬品と約25時間から200時間接触させる請求項79に記載の方法。
- 1つ以上の併用処置をさらに含む請求項80に記載の方法。
- 各併用処置が、少なくとも2種の薬剤を含む請求項82に記載の方法。
- 各医薬品に関して用量応答曲線を作成する請求項79に記載の方法。
- 前記外植片を、溶液中で物理的に攪拌する請求項71に記載の方法。
- 前記外植片を、コラゲナーゼおよびDNアーゼを含む溶液に曝露させる請求項71に記載の方法。
- (a)少なくとも1つの医薬品との接触前に細胞をカウントして、処置前細胞数を判定するステップと、
(b)前記細胞を、少なくとも1つの医薬品と共に特定の長さの時間インキュベートするステップと、
(c)前記少なくとも1つの医薬品と接触後、特定の時間後に前記細胞をカウントして、処置後の細胞カウントを判定するステップと、
(d)細胞毒性指数を決定して、前記細胞毒性指数が化学療法応答性を正規化するステップと、を含む化学療法応答性を正規化する方法。 - 特定の時間前後に対照細胞をカウントするステップをさらに含む請求項87に記載の方法。
- 前記対照細胞が無処置細胞である請求項88に記載の方法。
- 前記処置前細胞カウントが、細胞を隔離部位に入れた24時間後に行われる請求項87に記載の方法。
- 前記細胞毒性指数(CI)が、
CI=T 終末 処置 × T 24 無処置
T終末 無処置 T24 処置
として算出され、T終末は処置後の細胞数であり、T24は処置前の細胞数である請求項87に記載の方法。
Applications Claiming Priority (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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