JP2009505440A - 開回路電圧が上昇した有機感光性装置 - Google Patents

開回路電圧が上昇した有機感光性装置 Download PDF

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Abstract

感光性装置は、アノードとカソードとの間で電気的に接続されたドナー−アクセプタヘテロ接合を形成する第1の有機材料および第2の有機材料を含み、当該第1の有機材料および第2の有機材料は、それぞれ0.5eV未満のフランク−コンドンシフトを有する。好ましくは、当該第1の有機材料および第2の有機材料の一方または双方が、0.2eV未満、より好ましくは0.1eV未満のフランク−コンドンシフトを有する。

Description

アメリカ合衆国政府の権利
本発明は、契約番号339−6002として米国空軍科学研究局により交付された、および契約番号341−4141として米国エネルギー省再生可能エネルギー研究所により交付された米国政府による支援を受けてなされたものである。米国政府は、本発明に関して一定の権利を有する。
共同研究契約
特許請求されている発明は、大学−企業の共同研究契約の以下の1以上の当事者のために、および/またはこれらと関連してなされたものである:プリンストン大学、南カリフォルニア大学、およびグローバル フォトニック エナジー コーポレイション(Global Photonic Energy Corporation)。特許請求されている発明がなされた日以前に当該契約は発効しており、かつ、特許請求されている発明は、当該契約の範囲内でなされた活動の結果としてなされたものである。
発明の分野
本発明は、大まかに言って、有機感光性光電子装置に関する。より詳細には、本発明は、電荷−キャリア励起後のフランク−コンドンシフトを低減させるべく選択された材料および材料配置から形成される有機ドナー−アクセプタヘテロ接合を有する有機感光性光電子装置に関する。
背景
光電子装置は、電磁波を電子的に製造もしくは検出するために、または環境の電磁波から電気を生成するために、材料の光学特性または電子特性に依存する。
光電子装置は、電磁波を電気的信号または電力へと変換する。光起電(PV)装置とも称される太陽電池は、特に電力を生成するのに用いられる1種の感光性光電子装置である。光伝導体セルは、吸収光による変化を検出する目的で装置の抵抗をモニターする信号検出回路と併用される1種の感光性光電子装置である。光検出器(これはバイアス電圧が印加されてもよい)は、当該光検出器が電磁波に曝された際に生成する電流を測定する電流検出回路と併用される1種の感光性光電子装置である。
これらの3種の感光性光電子装置は、以下で定義される整流接合が存在するかどうかによって、そして、当該装置が外部印加電圧(バイアスまたはバイアス電圧とも称される)を用いて運転されるかどうかによっても区別されうる。光伝導体セルは整流接合を有さず、通常はバイアスを用いて運転される。PV装置は少なくとも1つの整流接合を有し、運転にバイアスは用いられない。光検出器は少なくとも1つの整流接合を有し、必ずではないが通常はバイアスを用いて運転される。
本明細書で用いられる場合、「整流」との語は、特に界面が非対称の伝導特性を有すること、すなわち、界面によって好ましくは一方向への電荷輸送が支持されることを意味する。「半導体」との語は、熱励起または電磁励起によって電荷担体が誘導された場合に電気を通しうる材料を意味する。「光伝導性」との語は、一般的には、電磁波が吸収されることにより電荷担体の励起エネルギーへと変換し、材料中で当該担体が電荷を伝導(すなわち、輸送)できるようになるプロセスに関する。「光伝導性材料」との語は、電磁波を吸収して電荷担体を生成するその特性を利用される半導体材料を意味する。本明細書で用いる場合、「最上(top)」とは、基板から最も離れていることを意味し、これに対し「最下(bottom)」とは、基板に最も近いことを意味する。第1の層が第2の層と「物理的に接触している」と特記しない限り、中間層が存在してもよい。
適当なエネルギーを有する電磁波が有機半導体材料に入射すると、光子が吸収されて分子励起状態が生じる。有機光伝導性材料では、生成する分子状態は一般的に「励起子」、すなわち、擬似粒子として輸送される束縛状態の電子−ホール対であると考えられている。励起子は対再結合(「クエンチング」、もとの電子とホールとが互いに再度結合すること、他の対のホールまたは電子との再結合との対語である)までにかなり長い寿命を有しうる。光電流を生成させるには、励起子を生成した電子−ホールを通常は整流接合によって分離する。
感光性装置の場合には、上記整流接合は光起電ヘテロ接合とも称される。有機光起電ヘテロ接合の種類としては、ドナー材料とアクセプタ材料との界面に形成されるドナー−アクセプタヘテロ接合や、光伝導性材料と金属との界面に形成されるショットキー障壁ヘテロ接合が挙げられる。
図1は、ドナー−アクセプタヘテロ接合の一例を示すエネルギーレベル図である。有機材料の場合、「ドナー」および「アクセプタ」との語は、2つの接触した異なる有機材料の最高被占分子軌道(HOMO)および最低空分子軌道(LUMO)のエネルギーレベルの相対的な位置を意味する。他の材料に接触したある材料のLUMOのエネルギーレベルがより低ければ、その材料はアクセプタである。そうでなければ、その材料はドナーである。外部バイアスがない状態では、ドナー−アクセプタ接合にある電子はアクセプタ材料へと移動することがエネルギー的に好ましい。
本明細書で用いられる場合、第1のHOMOまたはLUMOのエネルギーレベルが第2のHOMOまたはLUMOのエネルギーレベル「よりも大きい」または「よりも高い」とは、当該第1のエネルギーレベルが真空エネルギーレベル10により近いことを意味する。より高いHOMOのエネルギーレベルは、真空レベルと比較してより小さい絶対エネルギーを有するイオン化ポテンシャル(「IP」)に対応する。同様に、より高いLUMOのエネルギーレベルは、真空レベルと比較してより小さい絶対エネルギーを有する電子親和力(「EA」)に対応する。標準的なエネルギーレベル図では、真空レベルが最上部に位置するため、ある材料のLUMOのエネルギーレベルは当該材料のHOMOのエネルギーレベルよりも高い。
ドナー152またはアクセプタ154への光子6の吸収により励起子8が生成した後、この励起子8は整流界面において解離する。ドナー152はホール(白丸)を輸送し、アクセプタ154は電子(黒丸)を輸送する。
有機半導体における重要な性質は、担体の移動性である。移動性とは、電界に応答して電荷担体がどの程度容易に伝導性材料中を移動しうるかの指標である。有機感光性装置の場合、電子の移動性が高く電子を優先的に伝導する材料は、電子輸送材料と称されうる。ホールの移動性が高くホールを優先的に伝導する材料は、ホール輸送材料と称されうる。移動性および/または装置内での位置に起因して電子を優先的に伝導する層は、電子輸送層(「ETL」)と称されうる。移動性および/または装置内での位置に起因してホールを優先的に伝導する層は、ホール輸送層(「HTL」)と称されうる。必ずしもそうとは限らないが好ましくは、アクセプタ材料が電子輸送材料であり、ドナー材料がホール輸送材料である。
光起電ヘテロ接合においてドナーおよびアクセプタとして機能する2つの有機光伝導性材料が、担体の移動性並びにHOMOおよびLUMOの相対的なレベルに応じてどのように組をなすかについては、本技術分野において周知であるためここでは割愛する。
本明細書で用いられる場合、「有機」との語は、オプトエレクトロニクス装置を製造するのに用いられうる低分子有機材料に加えて、高分子材料をも包含する。「低分子」とは、高分子ではない任意の有機材料を意味し、「低分子」は実際にはかなり大きくてもよい。場合によって、低分子は繰り返し単位を含んでもよい。例えば、置換基として長鎖アルキル基を用いても、その分子が「低分子」の群から除外されるわけではない。低分子はまた、例えば高分子主鎖上のペンダント基として、または主鎖の一部として、高分子中に組み込まれてもよい。低分子はまた、デンドリマー(コア部分上に構築された一連の化学的シェルからなる)のコア部分として機能しうる。デンドリマーの当該コア部分は、蛍光性またはリン光性の低分子エミッタでありうる。デンドリマーは「低分子」でありうる。一般的に、低分子は分子間で同一の分子量を示す所定の化学構造を有するのに対し、高分子は分子間で分子量が変動する所定の化学構造を有する。本明細書で用いる場合、「有機」とは、ヒドロカルビルリガンドおよびヘテロ原子で置換されたヒドロカルビルリガンドの金属錯体を包含する。
有機感光性装置に関するさらなる背景の説明および技術水準の記述については、フォレスト(Forrest)らに対する米国特許第6657378号、フォレスト(Forrest)らに対する米国特許第6580027号、ブロビッチ(Bulovic)らに対する米国特許6352777号が、一般的な構成、特性、材料および特徴を含めて、参照により本明細書に引用される。
発明の概要
有機感光性装置において電力変換効率(η)の低下を生じる要因の1つにフランク−コンドンシフト(FCS)があることが研究により明らかとなった。このFCSは、電荷担体がドナーおよび/またはアクセプタとして用いられる有機分子の再組織化を引き起こす際に起こる非放射性の損失機構である。光伝導性材料が受けるフランク−コンドンシフトが増加するにつれて、感光性装置の電力変換効率(η)は低下する。
本発明の実施形態による感光性装置は、アノードとカソードとの間で電気的に接続されたドナー−アクセプタヘテロ接合を形成する第1の有機材料および第2の有機材料を含むことができ、この際前記第1および第2の有機材料は、当該感光性装置中に配置された際に、それぞれ0.5eV未満のフランク−コンドンシフトを有する。好ましくは、前記第1および第2の有機材料の一方または双方が、当該感光性装置中に配置された際に、0.2eV未満、より好ましくは0.1eV未満のフランク−コンドンシフトを有する。
低いFCSを達成するには、種々の材料または材料配置が用いられうる。前記第1および第2の有機材料の少なくとも一方がJ−凝集体を形成するように装置中に配置されてもよいし、少なくとも3つの分子の規則的なスタックとして装置中に配置されてもよい。規則的なスタックとして配置される場合、当該スタックの分子はその平面が平行となるように配向し、上述した規則的なスタックには崩壊、積層欠陥および転位がない。前記第1および第2の有機材料の少なくとも一方は、単結合のペンダント側基を持たない分子または縮合環を有する平面状分子などの堅い分子を含有しうる。縮合環を有するかような平面状分子は、例えば、ベンゼン、ポルフィリン、フタロシアニン、およびポリアセンからなる群から選択されうる。「平面状」とは、当該分子の共役電子系がほぼ平面状に存在することを意味する。
上記ドナー−アクセプタヘテロ接合は、それぞれドナー−アクセプタヘテロ接合を有する複数のPVセルのスタックとして配置されて、第1のPVセルを形成しうる。各セル間には導電性材料が配置されてもよいし、これらのセルは中間領域/層なしに積層されてもよい。当該導電性材料は、例えば、当該スタックの外部への電気的接続を持たない電荷移動層として、当該スタックの外部への電気的接続を持たない再結合領域として、または当該スタックの外部への電気的接続を有する中間電極として配置されうる。スタックが複数の導電領域/層を含む場合、導電性材料の各領域は同一のタイプ(例えば、電荷移動、再結合、電極)として配置されてもよいし、他とはタイプが異なる導電領域があってもよい。
セルのドナー−アクセプタヘテロ接合は、バルクヘテロ接合、混合ヘテロ接合、平面ヘテロ接合、またはハイブリッドヘテロ接合を形成するように配置されうる。セルがスタックとして配置される場合、各セルは同一のタイプのヘテロ接合を含んでもよいし、他とはタイプが異なるセルがあってもよい。
装置を形成するための関連する方法は、第1の導電層を準備すること、前記第1の導電層上に第1の有機材料および第2の有機材料を配置して、ドナー−アクセプタヘテロ接合を形成すること、および、前記第1および第2の有機材料上に第2の導電層を形成することを含みうる。前記第1および第2の有機材料はそれぞれ、ドナー−アクセプタヘテロ接合を形成するように配置された際、前記第2の導電層の形成後に測定した場合に、それぞれ0.5eV未満のFCSを有する。好ましくは、前記第1および第2の有機材料の一方または双方が、ドナー−アクセプタヘテロ接合を形成するように配置された際、前記第2の導電層の形成後に測定した場合に、0.2eV未満、より好ましくは0.1eV未満のFCSを有する。
上記方法は、前記第1および第2の有機材料の少なくとも一方を、これがJ−凝集体を形成するように、および/または少なくとも3つの分子の規則的なスタックとして、組織化することをさらに含んでもよい。規則的なスタックとして組織化される場合、当該スタック中の各分子は並列−平面配置として配置され、当該規則的なスタックには崩壊、積層欠陥、および転位がない。前記第1および第2の有機材料の少なくとも一方は、単結合のペンダント側基を持たない分子または縮合環を有する平面状分子などの堅い分子を含有しうる。縮合環を有するかような平面状分子は、例えば、ベンゼン、ポルフィリン、フタロシアニン、およびポリアセンからなる群から選択されうる。
ドナー−アクセプタヘテロ接合を形成するような上記第1の有機材料および上記第2の有機材料の配置としては、当該材料をバルクヘテロ接合、混合ヘテロ接合、平面ヘテロ接合、またはハイブリッドヘテロ接合を形成するように配置することが挙げられる。
本発明の実施形態は、溶液中で測定される分子のフランク−コンドンシフトに基づくものであってもよい。本発明の実施形態による感光性装置は、アノードとの間で電気的に接続されたドナー−アクセプタヘテロ接合を形成する、溶液の形態で測定した場合に、それぞれ0.5eV未満のフランク−コンドンシフトを有する第1の有機材料および第2の有機材料を含んでもよい。好ましくは、前記第1および第2の有機材料は、溶液の形態で測定した場合に、0.2eV未満、より好ましくは0.1eV未満のFCSを有する。
特定の分子および分子配置は、溶液中よりも構造体として配置された場合に、より低いか同等のFCSを示す傾向がある。装置中のFCSを溶液の形態よりも小さくまたはこれと同等とするには、好ましくは材料および材料配置として、第1のおよび/または第2の有機材料の分子の溶液中での形状が、装置として配置された際の当該分子の形状と実質的に同一となるようなヘテロ接合を形成するようなものを採用するとよい。例えば、結晶構造として配置された第1のおよび/または第2の有機材料は通常、溶液中での分子の配向と比べて分子の構造にねじれ(例えば、ペンダント側基におけるねじれ)がない限りは、格子の規則性に起因して、溶液中の同一材料のFCSと同等かこれより小さいFCSを有することとなる。
前記第1および第2の有機材料の少なくとも一方がJ−凝集体を形成するように配置されてもよいし、少なくとも3つの分子の規則的なスタックとして配置されてもよい。規則的なスタックとして配置される場合、当該スタック中の分子はその平面が平行となるように配向し、上述した規則的なスタックには崩壊、積層欠陥および転位がない。前記第1および第2の有機材料の少なくとも一方は、単結合のペンダント側基を持たない分子または縮合環を有する平面状分子などの堅い分子を含有しうる。縮合環を有するかような平面状分子は、例えば、ベンゼン、ポルフィリン、フタロシアニン、およびポリアセンからなる群から選択されうる。
装置を形成するための関連する方法は、第1の導電層を準備すること、前記第1の導電層上に第1の有機材料および第2の有機材料を配置して、ドナー−アクセプタヘテロ接合を形成すること、および、前記第1および第2の有機材料上に第2の導電層を形成することを含みうる。前記第1および第2の有機材料は、溶液の形態で測定した場合に、それぞれ0.5eV未満のFCSを有する。好ましくは、前記第1および第2の有機材料の一方または双方が、溶液の形態で測定した場合に、0.2eV未満、より好ましくは0.1eV未満のFCSを有する。
上記方法は、前記第1および第2の有機材料の少なくとも一方を、これがJ−凝集体を形成するように、および/または少なくとも3つの分子の規則的なスタックとして、組織化することをさらに含んでもよい。規則的なスタックとして組織化される場合、当該分子はその平面が平行となるように配向し、上述した規則的なスタックには崩壊、積層欠陥および転位がない。前記第1および第2の有機材料の少なくとも一方は、単結合のペンダント側基を持たない分子または縮合環を有する平面状分子などの堅い分子を含有しうる。縮合環を有するかような平面状分子は、例えば、ベンゼン、ポルフィリン、フタロシアニン、およびポリアセンからなる群から選択されうる。
上述した装置および方法のそれぞれにおいて、材料および材料配置の特徴は、低FCSを得るべく、独立してまたは交換して用いられうる。例えば、単結合のペンダント側基を持たない分子または縮合環を有する平面状分子は、J−凝集体または規則的なスタックとして配置されうる。他の例として、縮合環を有する当該平面状分子は、単結合のペンダント側基を持たないものであってもよい。さらに、材料を選択するために溶液中でのFCSの測定が用いられてもよく、装置中に配置された同一材料のFCSを測定することで、装置のFCSが確認される。
図面の簡単な説明
図1は、ドナー−アクセプタヘテロ接合を説明するためのエネルギーレベル図である。
図2は、ドナー−アクセプタヘテロ接合を含む有機感光性装置を示す。
図3は、平面状へテロ接合を形成するドナー−アクセプタ二層を示す。
図4は、ドナー層とアクセプタ層との間の混合ヘテロ接合を含むハイブリッドヘテロ接合を示す。
図5は、バルクヘテロ接合を示す。
図6は、ショットキー障壁ヘテロ接合を示す。
図7は、直列のタンデム感光性セルを示す。
図8は、並列のタンデム感光性セルを示す。
図9は、フランク−コンドンシフトに起因する非放射性エネルギー損失を示す。
図10は、弛緩した分子および電荷キャリア励起後に再編成された分子の概念図である。
図11は、フランク−コンドンシフトを経た一例の分子の吸収スペクトルおよび発光スペクトルの特徴における差異を示す。
図12Aは、分子のランダム配置を示す。
図12Bは、J−凝集体として配置された図12Aの分子を示す。
図13は、分子がJ−凝集体として配置された際に起こりうる吸収スペクトルにおける赤方偏移を示す。
これらの図は、必ずしも縮尺に拘束されるわけではない。
詳細な説明
有機感光性装置は、光が吸収されて励起子を形成する少なくとも1つの光活性領域を含み、当該励起子は続いて電子およびホールへと解離しうる。図2は、感光性光電子装置100の一例を示し、光活性領域150はドナー−アクセプタヘテロ接合を含む。この「光活性領域」は、電磁波を吸収して励起子を生成する感光性装置の一部分であり、当該励起子は解離して電流を発生させうる。装置100は、アノード120、アノード平滑層22、ドナー152、アクセプタ154、励起子ブロッキング層(「EBL」)156、およびカソード170を、基板110上に有する。
EBL156の例は、EBLに関する開示について参照により本明細書中に引用される、フォレスト(Forrest)らに対する米国特許第6,451,415号に記載されている。EBLについてのさらなる背景の説明は、Peumans et al., “Efficient photon harvesting at high optical intensities in ultrathin organic double−heterostructure photovoltaic diodes,” Applied Physics Letters 76,2650−52(2000)にも記載されている。EBLは、ドナー材料および/またはアクセプタ材料からの励起子の移行を阻害することでクエンチングを低減させる。
本明細書において、「電極」および「コンタクト」との語は、光により生成した電流を外部回路へと輸送するための、または装置にバイアス電流もしくはバイアス電圧を負荷するための媒体を提供する層を表すために、交換して用いられうる。図2に示すようなアノード120およびカソード170がその例である。電極は、金属または「金属代替物」から構成されうる。本明細書において、「金属」との語は、元素的に純粋な金属からなる材料、および元素的に純粋な2以上の金属からなる材料である金属合金の双方を包含するように用いられる。「金属代替物」との語は、通常の定義では金属ではないが、金属のような特性(例えば、導電性)を有する材料を意味し、例えば、ドープ広バンドギャップ半導体、縮退半導体、導電性酸化物、および導電性高分子などである。電極は、単一の層または複数の層を含む(複合電極)ことができ、透明でも半透明でも不透明でもよい。電極および電極材料の例としては、これらの対応する特徴の開示について参照により本明細書に引用される、ブロヴィッチ(Bulovic)らに対する米国特許第6,352,777号およびパルタサラシー(Parthasarathy)に対する米国特許第6,420,031号に開示のものが挙げられる。本明細書で用いられる場合、ある層が、関連した波長の通常の電磁波を少なくとも50%透過すれば、その層は「透明である」とされる。
基板110は、所望の構造的特性を付与しうる任意の適当な基板であればよい。基板は柔軟でも堅くてもよく、平面状でも非平面状でもよい。基板は、透明でも半透明でも不透明でもよい。好ましい堅い基板の材料の例は、堅いプラスチックおよびガラスである。好ましい柔軟な基板の材料の例は、柔軟なプラスチックおよび金属箔である。
アノード平滑層122は、アノード層120とドナー層152との間に配置されうる。アノード平滑層は、この特徴に関連した開示が参照により本明細書に引用される、フォレスト(Forrest)らに対する米国特許第6,657,378号に記載されている。
図2において、光活性領域150は、ドナー材料152およびアクセプタ材料154を含む。この光活性領域において用いるための有機材料としては、シクロメタル化有機金属化合物などの有機金属化合物が挙げられる。本明細書で用いられる場合、「有機金属」との語は当業者により一般的に理解される通りであり、例えばGary L. MiesslerおよびDonald A. Tarrによる「無機化学」(第2版)、プレンティスホール(1999)の第13章に記載されている。
有機層は、真空蒸着、スピンコーティング、有機気相蒸着、インクジェット印刷および本技術分野において公知の他の方法を用いて作製されうる。
種々のタイプのドナー−アクセプタヘテロ接合の例を図3〜図5に示す。図3は、平面状のヘテロ接合を形成するドナー−アクセプタ二層を示す。図4は、ドナー材料およびアクセプタ材料の混合物を含む混合ヘテロ接合153を有するハイブリッドヘテロ接合を示す。図5は、理想的な「バルク」ヘテロ接合を示す。理想的な光電流の場合、バルクヘテロ接合はドナー材料252とアクセプタ材料254との間に連続した単一の界面を有するが、実際の装置では複数の界面が存在するのが一般的である。混合ヘテロ接合およびバルクヘテロ接合は、複数の材料ドメインを有する結果、複数のドナー−アクセプタ界面を有しうる。逆のタイプの材料により包囲されたドメイン(例えば、アクセプタ材料により包囲されたドナー材料のドメイン)は電気的に分離されるため、かようなドメインは光電流には寄与しない。他のドメインはパーコレーション経路(連続した光電流経路)により接続されてもよく、これによりかような他のドメインは光電流に寄与しうる。混合へテロ接合とバルクヘテロ接合との違いは、ドナー材料とアクセプタ材料との相分離の程度による。混合へテロ接合では相分離がほとんどまたは全くない(ドメインは非常に小さい、例えば、数nmである)のに対し、バルクヘテロ接合では顕著な相分離が見られる(例えば、数〜100nmのサイズのドメインを形成する)。
小分子の混合ヘテロ接合は、例えば、真空蒸着または蒸着を用いてドナー材料およびアクセプタ材料を共蒸着させることにより形成されうる。小分子のバルクヘテロ接合は、例えば、制御成長、蒸着後アニーリングを伴う共蒸着、または溶解処理により形成されうる。高分子の混合ヘテロ接合またはバルクヘテロ接合は、例えば、ドナー材料およびアクセプタ材料のポリマーブレンドの溶解処理により形成されうる。
感光性領域が混合層(153)またはバルク層(252、254)、並びにドナー層(152)およびアクセプタ層(154)の一方または双方を含む場合には、当該感光性小域は「ハイブリッド」ヘテロ接合を有するといえる。図4における層の配置がその例である。ハイブリッドヘテロ接合のさらなる説明については、2004年8月4日に出願された、「ハイブリダイズされた混合−平面ヘテロ接合を用いた高効率有機光起電セル」と称するJiangeng Xueらによる米国特許出願第10/910,371号が、参照により本明細書に引用される。
一般的に、平面状のヘテロ接合はキャリア伝導性には優れているが、励起子の解離には劣る;混合層はキャリア伝導性には劣り、励起子の解離には優れ、バルクヘテロ接合はキャリア伝導性に優れ励起子の解離にも優れるが、材料の末端において、効率を低下させる電荷のビルドアップ、「クルドサック」が起こりうる。そうでないと特記しない限り、本明細書に開示の実施形態を通して、平面状ヘテロ接合、混合ヘテロ接合、バルクヘテロ接合およびハイブリッドヘテロ接合は、ドナー−アクセプタヘテロ接合として交換して用いられうる。
図6は、感光性領域350がショットキー障壁ヘテロ接合の一部である有機感光性光電子装置300の一例を示す。装置300は、透明コンタクト320、有機光伝導性材料358を含む光活性領域350、およびショットキーコンタクト370を有する。ショットキーコンタクト370は通常、金属層として形成される。光伝導性層358がETLである場合には仕事関数の大きい金などの金属が用いられうるのに対し、光伝導性層がHTLである場合には仕事関数の小さいアルミニウム、マグネシウム、またはインジウムなどの金属が用いられうる。ショットキー障壁セルでは、当該ショットキー障壁に関連した内蔵電界が励起子中の電子およびホールを別々に引き寄せる。一般に、この電界支援型の励起子の解離は、ドナー−アクセプタ界面での解離ほど効率的ではない。
図示した装置は、素子190に接続されている。当該装置が光起電装置である場合には、素子190は電力を消費または貯蔵する負荷抵抗である。当該装置が光検出器である場合、素子190は、当該光検出器が光に曝された際に発生する電流を測定し、当該装置にバイアスを印加しうる電流検出回路である(例えば、2005年5月26日に公開された、フォレスト(Forrest)らによる米国特許出願公開第2005−0110007A1に記載されている)。当該装置から整流接合が除かれた場合には(例えば、光活性領域として単一の光伝導性材料を用いる)、得られる構造は光伝導性セルとして用いられ、この場合に素子190は、光の吸収による当該装置をわたる抵抗変化をモニターするための信号検出回路である。そうでないと特記しない限り、これらの配置および修飾はそれぞれ、本明細書に開示の図面および実施形態のそれぞれにおける装置に採用されうる。
有機感光性光電子装置はまた、透明な電荷移動層、電極または電荷再結合領域を有してもよい。電荷移動層は有機でも無機でもよく、光伝導について活性でも不活性でもよい。電荷移動層は電極に類似しているが、装置の外部へ電気的に接続はしておらず、光電子装置のある小区分から隣接する小区分へと電荷を輸送するのみである。電荷再結合領域は電荷移動層に類似しているが、高電子装置の隣接する小区分間での電子とホールとの再結合を許容する。電荷再結合領域は、例えばそれぞれの再結合領域の材料および構造についての開示が参照により本明細書に引用される、フォレスト(Forrest)らに対する米国特許第6,657,378号;2004年8月11日に出願された、ランド(Rand)らによる「有機感光性装置」と称する米国特許出願第10/915,410号;および2004年11月3日に出願された、フォレスト(Forrest)らによる「積層型有機感光性装置」と称する米国特許出願第10/979,145号に記載されているように、ナノクラスター、ナノ粒子、および/またはナノロッドを有する半透明な金属または金属代替物の再結合中心を含みうる。電荷再結合領域は、再結合中心が包埋される透明なマトリックス層を含んでも含まなくてもよい。電荷移動層、電極、または電荷再結合領域は、光電子装置の小区分のカソードおよび/またはアノードとして機能しうる。電極または電荷移動層は、ショットキーコンタクトとして機能しうる。
図7および図8に、かような透明な電荷移動層、電極および電荷再結合領域を有するタンデム装置の例を示す。図7の装置400においては、光活性領域150および150’が、中間導電領域460と電気的に直列に積層されている。図示するように外部との電気的接続がないため、中間導電領域460は電荷再結合領域であってもよいし、電荷移動層であってもよい。再結合領域として、領域460は、透明マトリックス層とともに、またはこれなしに、再結合中心461を有する。マトリックス層がない場合、当該領域を形成する材料は領域460に亘って連続していなくてもよい。図8の装置500には、電気的に並列に積層された光活性領域150および150’が図示されており、上部セルは反転した配置となっている(すなわち、カソードが下部)。図7および図8のそれぞれにおいて、光活性領域150および150’並びにブロッキング層156および156’は、用途に応じて、同一の対応する材料から形成されてもよいし異なる材料から形成されてもよい。同様に、光活性領域150および150’はヘテロ接合のタイプ(すなわち、平面状、混合、バルク、ハイブリッド)が同一であってもよいし、異なるタイプであってもよい。
上述した装置のそれぞれにおいては、励起子ブロッキング層などの層が省略されてもよい。反射層または追加の光活性層などの他の層が付加されてもよい。層の順序は変更されてもよいし、反転されてもよい。例えば、参照により本明細書に引用される、フォレスト(Forrest)らに対する米国特許第6,333,458号およびピューマンズ(Peumans)らに対する米国特許第6,440,769号に開示されているように、効率を増加させるべく集光器や捕捉構造が採用されてもよい。例えば、参照により本明細書に引用される、2004年6月1日に出願された、ピューマンズ(Peumans)らによる「非同調多層誘電体スタック」と称する米国特許出願第10/857,747号に開示されているように、光学エネルギーを装置の所望の領域に集中させるために、コーティングが用いられうる。このタンデム装置においては、透明絶縁層がセル間に形成されてもよく、この場合セル間の電気的接続は電極を介することとなる。またこのタンデム装置において、光活性領域の1または2以上はドナー−アクセプタヘテロ接合ではなくショットキー障壁ヘテロ接合であってもよい。具体的に上述したもの以外の配置が用いられてもよい。
現在、小分子光電池の開回路電圧(VOC)は低く、これにより電力変換効率(η)も低い。これは主に、励起状態にある分子の大きな再組織化によって大きなフランク−コンドンシフト(FCS)が引き起こされるためであると考えられる。一般に、これらの影響によって吸収エネルギーから0.5〜1.0Vが失われ、仮にかような影響が除去できれば、現在のVOC約0.5VがVOC>1.5Vにまで改善され、ηも3倍向上しうる。
フランク−コンドンシフト(FCS)を引き起こす励起状態の分子の再組織化によれば、非放射性エネルギー損失が発生する。例えば、図9に示すように、時刻tにおいて励起子がHOMOレベルからLUMOレベルへと励起されると(901)、時刻tにおいて分子の構造が変化することにより、電荷キャリアエネルギーが失われる(902)。さらに、HOMOレベルがより高い方向に移動する可能性もあり(903)、この場合には励起電子と対応するホールとの間のエネルギー差が相対的に減少する。この分子再組織化の例を図10に示す。時刻tにおいて、分子(1001)は実質的に平面状であるが、時刻tにおいてエネルギーを吸収し、LUMOを効果的に低下させつつ、分子(1001’)の形状は歪む。通常、分子の極性が低いほどFCSも小さいのに対し、分子の極性が大きくなるとFCSも大きくなる。
分子のフランク−コンドンシフトの大きさは、赤外線、可視光線および紫外線の波長領域に亘るアクセプタ/ドナー分子の主要吸収ピークと主要発光ピークとのエネルギー差により決定されうる。図11は、例としての分子の吸収波長スペクトルおよび発光波長スペクトルを示し、主要吸収ピーク1101および主要発光ピーク1102が見られる。これらの主要ピークは、それぞれ「特性吸収波長」および「特性発光波長」と称されることもあり、これらは最大吸収ピークおよび最大発光ピークに対応する。
FCSはほぼ、それぞれのピーク間のエネルギー差である。エネルギーE(eV)と波長λ(m)との関係は:
Figure 2009505440
である。式中、hはプランク定数(6.626×10−34J・s)であり、cは真空中での光の速度(2.998×10m/s)であり、qは電子電荷(1.602×10−19J/eV)である。フランク−コンドンシフトの性質および測定に関するさらなる背景の説明は、マーチン ポープ(Martin Pope)およびチャールズ スウェンバーグ(Charles Swenberg)による「有機結晶および高分子における電子的プロセス(Electronic Process in Organic Crystals and Polymers)」、第2版、オックスフォード大学出版(1999)に見られる。
本発明の実施形態によれば、有機感光性光電子装置100、400、500のドナー−アクセプタヘテロ接合を形成する有機ドナー材料(例えば、層152、153、252の材料)および有機アクセプタ材料(例えば、層154、153、254の材料)は、ドナーおよびアクセプタがそれぞれ0.5eV未満のフランク−コンドンシフトを有するように選択される。好ましくは、これらの材料の一方または双方が、ドナーおよび/またはアクセプタが0.2eV未満、より好ましくは0.1eV未満のFCSを有するように、選択される。
分子の再組織化は当該分子のフランク−コンドンシフトに直接的に影響しうるため、再組織化を制限する構造中の分子と自由分子とでFCSの測定値は異なりうる。例えば、溶液中で有機分子を保持する溶媒が蒸発してアモルファス固体が形成され分子がねじれると、電荷が分子上に位置する場合に再度ねじれることとなり、FCSが増加しうる。同様に、溶液中でねじれやすい分子は固体として配置されると周囲の分子により拘束されうる。
よって、どの分子が0.5eV、0.2eV、または0.1eV未満のFCSを有するかを決定するには、2つのアプローチが採用されうる。第1のアプローチは、層のスタックとして配置された際の材料のFCSを測定することである(例えば、装置中に配置された際の材料の発光ピークおよび吸収ピークを測定する、または、FCSに起因するスタック構造を亘る電圧降下を測定する)。第2のアプローチは、溶液形態での(すなわち、自由分子としての)材料のFCSを測定し、溶液から固体へとFCSがどのように変化するかを考慮することである。これらの第1および第2のアプローチが組み合わされてもよい。
本技術分野においては、多くの材料の構造中に配置された際の吸収特性および発光特性についてのデータが存在する。例えば、溶液中および固体薄膜中でのPTCDAの吸収スペクトルおよび蛍光スペクトルを開示する、ブロビッチ(Bulovic)らによる「2,3,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物(PTCDA)Iにおける局在拡張励起子の研究.薄膜および溶液のスペクトル特性」、Chemical Physics 210,1−12(1996)を参照。
他の材料について、構造中に配置された際に測定された材料のデータを文献として容易に入手することはできないかもしれず、材料を選択するにはさらなる試験が必要とされる。発光(例えば、フォトルミネセンス、エレクトロルミネセンスなど)スペクトルおよび吸収スペクトルの測定方法は、本技術分野において周知である。多層の光活性領域中の特定の層による吸収は正確に測定できないかもしれないが、所望の単層を含む試験構造を用いて、層として配置された際の材料の吸収スペクトルを測定してもよい。
他の選択肢は、溶液中の材料の吸収スペクトルおよび発光スペクトルを用いて装置用の材料を選択することである。溶液中の分子についての吸収データおよび発光データは広く入手可能である。かような溶液のデータによれば、構造中でのFCSがどの程度かを予測することが可能である。
多くの材料および材料構造について、構造中でのFCSは溶液中でのFCSと同等かこれより小さく、予想通り効率が改善された装置が得られ、材料の選択および試験も単純化される。溶液中での低いFCSが、確実に装置中でのFCS未満かこれと同等となるように、溶液中でのドナー/アクセプタ分子の形状が装置として配置された際の分子の形状と実質的に同一であるヘテロ接合を形成するように材料および材料配置を採用することが好ましい。
装置中での低いFCSを達成するために、種々の材料または材料配置が用いられうる。低いFCSを示すドナー/アクセプタの材料配置の一例は、J−凝集体である。凝集体は、規則的な分子の1次元、2次元または3次元の配置である。J−凝集体は、規則的に配置され緩く結合し、単一の分子として振舞う少なくとも3つの分子の純粋な物体である。J−凝集体は、J−凝集体を形成する分子が溶液中またはアモルファス固体中で有するのと同等かこれより小さいFCSを示す。図12Aは分子の緩い結合を示すのに対し、図12BはJ−凝集体として配置された同一の分子を示す。単一分子の緩い結合の吸収バンド(1301、図13)と比較して、J−凝集体として配置された分子の吸収バンド(1302)は長波長側へシフトし、鋭くなりうる(スペクトルは狭くなる)。J−凝集体はスリップスタック(slip stack)として配置されてもよく、スリップスタックにおいて各スタックは分子の1次元配置である。J−凝集体は一般的に、広いスペクトル範囲を示さない。
J−凝集体を形成するには種々の方法のいずれが用いられてもよい。例えば、溶液中の染料濃度を上げる、高濃度の電解質溶液を用いる、特定の高分子電解質を添加するといった、水溶液中での凝集体形成を誘導するための種々の方法が開発されている。例えば、ディクソン(Dixon)らによる「クレーナノ粒子上のシアニン染料の自己組織化」3 American Journal of Undergraduate Reserch 29−34(2005)を参照。
図13における吸収スペクトルの赤方偏移により示されるように、緩く配置された分子(例えば、図12A)はJ−凝集体を形成するように配置された場合よりも大きいFCSを示す。ある分子のJ−凝集体の特性はFCSの減少であり、0.5eV、0.2eV、または0.1eVといった好ましい閾値を超えるFCSを有する分子であってもJ−凝集体として配置されると対応する閾値未満のFCSを示すようになる。よって、FCSが大きく電力変換効率に劣るために一見するとドナーおよびアクセプタとしての使用に適さないと思われる有機分子であっても、J−凝集体を形成するように配置すると高効率の装置が得られうる。
小さいFCSを有するドナー/アクセプタの材料配置の他の例は、分子の規則的なスタックである。スタックは、平面状の分子がその平面が平行となるように積層された一連の1次元凝集体である。規則的なスタックは、崩壊、積層欠陥および転位のない少なくとも3つの分子の配置である。材料を蒸着させてスタックを形成する方法の一例がPTCDAであり、フォレスト(Forrest)による「有機分子ビーム蒸着および関連技術により成長した有機超薄膜」97 Chemical Review 1793−1896(1997)に記載されている。分子を規則的なスタックに配置すると、溶液中またはアモルファス固体中の同一の分子と比べてFCSが減少する傾向にある。J−凝集体と同様に、ある分子は規則的なスタックとして配置されると吸収スペクトルの赤方偏移を示す。よって、規則的なスタックを形成するように配置された分子が、スタックの外部で測定した場合には0.5eV超、0.2eV超、および0.1eV超の好ましい閾値を超えるFCSを単独では示しても、当該分子が規則的なスタックとして配置されると対応する閾値未満のFCSを示すこともある。
小さいFCSを有するドナー/アクセプタ材料の一例は、励起状態において実質的に再組織化しない堅い分子である。堅い分子の利点としては、通常はJ−凝集体により提供される広範なスペクトル範囲、および混合分子の層を形成する能力が挙げられる。さらに、堅い分子は、溶液とアモルファス固体との双方で類似のFCS値を示し、規則的なスタックまたはJ−凝集体として配置された際には同等かより小さいFCS値を示す傾向にある。堅い分子の一例は、単結合のペンダント側基を持たない分子である。例えば、フルオレセイン27およびローダミン110(表1に示す)上のCOOHは、溶液中で小さいFCSを示し、ある構造(例えば、アモルファス層)として配置された際にはねじれてFCSを増加させる単結合のペンダント側基を有する材料である。これに対し、ピロメテン(例えば、ピロメテン546、556、567、580、597および650)は単結合のペンダント側基を持たないため、ある構造として配置された際にも上述したねじれ機構に起因して溶液と比較してFCSが増加するとは考えられない。堅い分子の他の例は、ベンゼン、ポルフィリン、フタロシアニン、およびポリアセンなどの縮合環を有する平面状分子である。
上述した材料および材料配置の特徴は、小さいFCSを達成するために独立して、または交換して用いられうる。例えば、堅い分子がJ−凝集体または規則的なスタックとして配置されてもよい。他の例として、縮合環を有する平面状分子が単結合のペンダント側基を有さないものであってもよい。
材料の具体例を、表2に示す発光ピークおよび吸収ピークから算出される各材料の溶液中でのFCSとともに、以下の表1に示す:
Figure 2009505440
Figure 2009505440
Figure 2009505440
表1および表2に列挙した材料のさらなる説明、および他の材料は、Hans−Boeckler−Strasse 12,D−37079 Goettingen,Germary所在のラムダ フィジック アクチエンゲゼルシャフト(Lambda Physil AG)により出版された、ウルリッヒ ブラックマン(Ulrich Brackmann)による「ラムダクローム(登録商標)レーザー染料」(第3版、2000年1月)に見られる。ウェブ上からコピーが入手可能である<http://dutch.phys.strath.ac.uk/FRC/stuff/Blue_book/Lambdachrome−laser−dyes.pdf>。このリストが全てと解されるべきではなく、他の適当なアクセプタ材料およびドナー材料が用いられてもよい。
上述したように、FCSの小さい光活性領域はそれぞれ整流ヘテロ接合を有することから、上述したFCSの小さいドナー−アクセプタヘテロ接合を有する装置は、光起電装置または光検出器でありうる。
本明細書には、本発明の例を図示および/または記載した。しかし、本発明の修飾および変更もまた、本発明の思想および範囲を逸脱しない限り、上述した教示により、添付の特許請求の範囲の範囲内で包含される。
図1は、ドナー−アクセプタヘテロ接合を説明するためのエネルギーレベル図である。 図2は、ドナー−アクセプタヘテロ接合を含む有機感光性装置を示す。 図3は、平面状へテロ接合を形成するドナー−アクセプタ二層を示す。 図4は、ドナー層とアクセプタ層との間の混合ヘテロ接合を含むハイブリッドヘテロ接合を示す。 図5は、バルクヘテロ接合を示す。 図6は、ショットキー障壁ヘテロ接合を示す。 図7は、直列のタンデム感光性セルを示す。 図8は、並列のタンデム感光性セルを示す。 図9は、フランク−コンドンシフトに起因する非放射性エネルギー損失を示す。 図10は、弛緩した分子および電荷キャリア励起後に再編成された分子の概念図である。 図11は、フランク−コンドンシフトを経た一例の分子の吸収スペクトルおよび発光スペクトルの特徴における差異を示す。 図12Aは、分子のランダム配置を示す。 図12Bは、J−凝集体として配置された図12Aの分子を示す。 図13は、分子がJ−凝集体として配置された際に起こりうる吸収スペクトルにおける赤方偏移を示す。

Claims (40)

  1. アノードと、
    カソードと、
    前記アノードと前記カソードとの間で電気的に接続されたドナー−アクセプタヘテロ接合を形成する第1の有機材料および第2の有機材料と、
    を有する感光性装置であって、
    前記第1および第2の有機材料が、当該感光性装置中に配置された際に、それぞれ0.5eV未満のフランク−コンドンシフトを有する、感光性装置。
  2. 前記第1および第2の有機材料の双方が、当該感光性装置中に配置された際に、0.2eV未満のフランク−コンドンシフトを有する、請求項1に記載の感光性装置。
  3. 当該感光性装置中に配置された際の前記第1および第2の有機材料の少なくとも一方のフランク−コンドンシフトが0.1eV未満である、請求項2に記載の感光性装置。
  4. 前記第1および第2の有機材料の双方が、当該感光性装置中に配置された際に、0.1eV未満のフランク−コンドンシフトを有する、請求項3に記載の感光性装置。
  5. 前記第1および第2の有機材料が、溶液の形態で測定した場合に、それぞれ0.5eV未満のフランク−コンドンシフトを有する、請求項1に記載の感光性装置。
  6. 前記第1および第2の有機材料の双方が、溶液の形態で測定した場合に、0.2eV未満のフランク−コンドンシフトを有する、請求項5に記載の感光性装置。
  7. 前記第1および第2の有機材料の双方が、溶液の形態で測定した場合に、0.1eV未満のフランク−コンドンシフトを有する、請求項6に記載の感光性装置。
  8. 前記第1および第2の有機材料の少なくとも一方が、J−凝集体を形成するように当該感光性装置に配置される、請求項1に記載の感光性装置。
  9. 前記第1および第2の有機材料の少なくとも一方が、分子の平面が平行となるように配向した少なくとも3つの分子のスタックとして当該感光性装置に配置され、当該スタックには崩壊、積層欠陥および転位がない、請求項1に記載の感光性装置。
  10. 前記第1および第2の有機材料の少なくとも一方が、単結合のペンダント側基を持たない分子からなる、請求項1に記載の感光性装置。
  11. 前記第1および第2の有機材料の少なくとも一方が、縮合環を有する平面状分子からなる、請求項1に記載の感光性装置。
  12. 縮合環を有する前記平面状分子が、ベンゼン、ポルフィリン、フタロシアニン、およびポリアセンからなる群から選択される、請求項11に記載の感光性装置。
  13. 前記ドナー−アクセプタヘテロ接合が第1の光電池を形成し、
    当該装置が、それぞれの光電池がドナー−アクセプタヘテロ接合を含み、前記第1の光電池が当該スタック内に存在する光電池のスタックと、前記スタック中の2つの光電池間の導電性材料と、をさらに含み、
    前記導電性材料が、前記スタックの外部への電気的接続を持たない電荷移動層として、前記スタックの外部への電気的接続を持たない再結合領域として、または前記スタックの外部への電気的接続を有する電極として配置される、請求項1に記載の感光性装置。
  14. 前記ドナー−アクセプタヘテロ接合が、バルクヘテロ接合、混合ヘテロ接合、平面ヘテロ接合、およびハイブリッドヘテロ接合からなる群から選択される、請求項1に記載の感光性装置。
  15. 第1の導電層を準備すること、
    前記第1の導電層上に第1の有機材料および第2の有機材料を配置して、ドナー−アクセプタヘテロ接合を形成すること、および、
    前記第1および第2の有機材料上に第2の導電層を形成すること、
    を含み、前記第1および第2の有機材料が、ドナー−アクセプタヘテロ接合を形成するように配置された際、前記第2の導電層の形成後に測定した場合に、それぞれ0.5eV未満のフランク−コンドンシフトを有する、方法。
  16. 前記第1および第2の有機材料の双方が、ドナー−アクセプタヘテロ接合を形成するように配置された際、前記第2の導電層の形成後に測定した場合に、0.2eV未満のフランク−コンドンシフトを有する、請求項15に記載の方法。
  17. 前記第1および第2の有機材料の少なくとも一方が、ドナー−アクセプタヘテロ接合を形成するように配置された際、前記第2の導電層の形成後に測定した場合に、0.1eV未満のフランク−コンドンシフトを有する、請求項16に記載の方法。
  18. 前記第1および第2の有機材料の双方が、ドナー−アクセプタヘテロ接合を形成するように配置された際、前記第2の導電層の形成後に測定した場合に、0.1eV未満のフランク−コンドンシフトを有する、請求項17に記載の方法。
  19. 前記第1および第2の有機材料が、溶液の形態で測定した場合に、それぞれ0.5eV未満のフランク−コンドンシフトを有する、請求項15に記載の方法。
  20. 前記第1および第2の有機材料の双方が、溶液の形態で測定した場合に、0.2eV未満のフランク−コンドンシフトを有する、請求項19に記載の方法。
  21. 前記第1および第2の有機材料の双方が、溶液の形態で測定した場合に、0.1eV未満のフランク−コンドンシフトを有する、請求項20に記載の方法。
  22. 前記第1および第2の有機材料の少なくとも一方を、これがJ−凝集体を形成するように組織化することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
  23. 前記第1および第2の有機材料の少なくとも一方を、これが分子の平面が平行となるように配向した少なくとも3つの分子のスタックを形成するように組織化することをさらに含み、当該スタックには崩壊、積層欠陥および転位がない、請求項15に記載の方法。
  24. 前記第1および第2の有機材料の少なくとも一方が、単結合のペンダント側基を持たない分子からなる、請求項15に記載の方法。
  25. 前記第1および第2の有機材料の少なくとも一方が、縮合環を有する平面状分子からなる、請求項15に記載の感光性装置。
  26. 前記第1および第2の有機材料を配置してドナー−アクセプタヘテロ接合を形成することは、前記第1および第2の有機材料を配置してバルクヘテロ接合、混合ヘテロ接合、平面ヘテロ接合、またはハイブリッドへテロ接合を形成する、請求項15に記載の感光性装置。
  27. アノードと、
    カソードと、
    前記アノードと前記カソードとの間で電気的に接続されたドナー−アクセプタヘテロ接合を形成する第1の有機材料および第2の有機材料と、
    を有する感光性装置であって、
    前記第1および第2の有機材料が、溶液の形態で測定した場合に、それぞれ0.5eV未満のフランク−コンドンシフトを有する、感光性装置。
  28. 前記第1および第2の有機材料の双方が、溶液の形態で測定した場合に、0.2eV未満のフランク−コンドンシフトを有する、請求項27に記載の感光性装置。
  29. 前記第1および第2の有機材料の双方が、溶液の形態で測定した場合に、0.1eV未満のフランク−コンドンシフトを有する、請求項28に記載の感光性装置。
  30. 溶液形態の前記第1の有機材料の分子の形状が、当該感光性装置に配置された際の前記第1の有機材料の分子の形状と実質的に同一である、請求項27に記載の感光性装置。
  31. 前記第1の有機材料が、分子の平面が平行となるように配向した少なくとも3つの分子のスタックを形成するように当該感光性装置に配置され、当該スタックには崩壊、積層欠陥および転位がない、請求項30に記載の感光性装置。
  32. 溶液形態の前記第2の有機材料の分子の形状が、当該感光性装置に配置された際の前記第2の有機材料の分子の形状と実質的に同一である、請求項30に記載の感光性装置。
  33. 前記第1および第2の有機材料の少なくとも一方が、J−凝集体を形成するように当該感光性装置に配置される、請求項27に記載の感光性装置。
  34. 前記第1および第2の有機材料の少なくとも一方が、単結合のペンダント側基を持たない分子からなる、請求項27に記載の感光性装置。
  35. 第1の導電層を準備すること、
    前記第1の導電層上に第1の有機材料および第2の有機材料を配置して、ドナー−アクセプタヘテロ接合を形成すること、および、
    前記第1および第2の有機材料上に第2の導電層を形成すること、
    を含み、前記第1および第2の有機材料が、ドナー−アクセプタヘテロ接合を形成するように配置された際、溶液の形態で測定した場合に、それぞれ0.5eV未満のフランク−コンドンシフトを有する、方法。
  36. 前記第1および第2の有機材料の双方が、溶液の形態で測定した場合に、0.2eV未満のフランク−コンドンシフトを有する、請求項35に記載の方法。
  37. 前記第1および第2の有機材料の双方が、溶液の形態で測定した場合に、0.1eV未満のフランク−コンドンシフトを有する、請求項36に記載の方法。
  38. 前記第1および第2の有機材料の少なくとも一方を、これがJ−凝集体を形成するように組織化することをさらに含む、請求項35に記載の方法。
  39. 前記第1および第2の有機材料の少なくとも一方を、これが分子の平面が平行となるように配向した少なくとも3つの分子のスタックを形成するように組織化することをさらに含み、当該スタックには崩壊、積層欠陥および転位がない、請求項35に記載の方法。
  40. 前記第1および第2の有機材料の少なくとも一方が、単結合のペンダント側基を持たない分子からなる、請求項35に記載の方法。
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