JP2009504520A - 容易に詰め替え可能な対小児安全容器 - Google Patents
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Abstract
少なくとも1つのアイテムを保持する対小児安全容器(10,11)が提供される。容器(10,11)は、上壁及び下壁、並びに、上壁と下壁との間の少なくとも1つの開放側部、を備えたハウジングを有する。又、容器(10,11)は、トレイ(20,20’)をも有し、該トレイは該トレイ内に摺動可能に配置された引き出しを有する。引き出しは、アイテムを収容するためのものである。トレイは、アイテムへのアクセスを防止するようにトレイ及び引き出しがハウジング内に収容される第1の位置と、引き出し及びアイテムを露出させるようにトレイ(20,20’)がハウジングの開放側部を通り抜けて延在する第2の位置と、の間を移動できるように、軸結合部においてハウジング(18)に旋回可能に結合される。
Description
関連出願の相互参照
本願は、2005年8月10日出願の米国仮出願番号60/707,010の利益を請求するものである。
本願は、2005年8月10日出願の米国仮出願番号60/707,010の利益を請求するものである。
発明の背景
本発明は、対小児安全容器(小児用安全容器)、より詳細には、それぞれが錠剤(タブレット)又はカプセルを収容するブリスターの配列を有する取り外し可能なブリスターパックを格納するための容易に詰め替え(再装填)可能な対小児安全容器に関するものである。
本発明は、対小児安全容器(小児用安全容器)、より詳細には、それぞれが錠剤(タブレット)又はカプセルを収容するブリスターの配列を有する取り外し可能なブリスターパックを格納するための容易に詰め替え(再装填)可能な対小児安全容器に関するものである。
錠剤及びカプセルなどの多くの医薬品は、子供がその製品を手に入れ、そして飲み込んでしまうことを阻止するため、少量の薬剤をコスト効率のよいパッケージにて提供するため、及び投薬治療サイクル全体を通じてのコンプライアンスを可能にするために、ブリスターパック内に包装されている。又、ブリスターパックは、特定の薬物の医師用のサンプルとして一般的に利用され、そして必ずしも対小児安全パッケージ/容器(子供には開けられないパッケージ/容器)内に包装されていない。このようなブリスターパックの設計者は、相反する要求に直面している。ブリスターパックは、子供にとって安全であると同時に、不合理な困難性を伴わずに開けることができるべきである。典型的なブリスターパックは、依然として監視されていない子供に対する抑止とはなり得ないにも拘わらず、一部の大人にとっては開けることが困難であることが知られている。更に、ブリスターパックは、使用者が、長期間に亘って摂取する、それらの人の毎日の薬品投与量を追跡するのを助けるために、しばしば利用される。
ブリスターパックを格納するための対小児安全容器は、第2層の安全を提供する。効果的であるためには、この容器は、ブリスターパックの内容物へのアクセスを試みる監視されていない子供の能力を超える程度の認知力及び手先の器用さを必要とするものであるべきであり、又大人にとっては使用し易いものであるべきである。ブリスターパックにアクセスするために、両手の協調した使用、並びに、ラッチ及びロックアセンブリの両方に同時に力を加えることを必要とする容器、例えば、米国公開特許公報番号US2005/0115862A1の下に公開され、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる、2004年9月14日出願の米国特許出願番号10/941,588に開示される発明の容器は、必須レベルの保護をもたらす。
上記米国特許出願の容器は上述の問題を解決するものであるが、対小児安全容器に関してはいくつかの不都合が依然として存在する。即ち、その製造プロセスは、ブリスターパックを対小児安全容器に固定するための追加の工程を必要とする。例えば、ブリスターパック内の穴を、対応する保持ピンと正確に整列させなければならない。この工程は、ブリスターパックを適切に取り付けるために必要とされる正確さに起因して、時間のかかるものになろう。他の製造プロセスは、ブリスターパックを容器に固定するために、ブリスターパックに接着剤を適用することを必要とする。接着剤の適用は、時間がかかるというだけでなく、接着剤とブリスターパック内に収容された薬剤との間の潜在的に有害な化学反応の危険性をもたらす。
現在入手可能な、ブリスターパックを保持する対小児安全容器の、別の不都合は、ブリスターパックを迅速に交換できないことである。保持ピンを使用する場合は、使用者は、古いパックを取り外して新しいパックをピンと整列させなければならない。接着剤を使用する場合は、使用者は、パックを取り外して、新しいパックに対して新しい接着剤を適用しなければならない。これらの選択肢の両方とも、ブリスターパックの迅速な交換をもたらさない。
従って、ブリスターパックの取り付け及び取り外しを容易に行うことができる対小児安全容器が必要とされている。
発明の概要
簡潔に述べると、本発明は、少なくとも1つのアイテム(品目,用品,品物)を保持するための対小児安全容器に関するものである。前記容器は、上壁及び下壁、並びに、前記上壁と前記下壁との間の少なくとも1つの開放側部、を備えたハウジングを有する。又、前記容器は、内部に摺動可能に配置された引き出しを備えたトレイを有する。前記引き出しは、前記アイテムを収容するためのものである。前記トレイは、前記アイテムへのアクセスを防止するように前記トレイ及び前記引き出しが前記ハウジング内に収容される第1の位置と、前記引き出し及び前記アイテムを露出させるように前記トレイが前記ハウジングの前記開放側部を通り抜けて延在する第2の位置と、の間を移動できるように、軸結合部において前記ハウジングに旋回可能に結合される。
簡潔に述べると、本発明は、少なくとも1つのアイテム(品目,用品,品物)を保持するための対小児安全容器に関するものである。前記容器は、上壁及び下壁、並びに、前記上壁と前記下壁との間の少なくとも1つの開放側部、を備えたハウジングを有する。又、前記容器は、内部に摺動可能に配置された引き出しを備えたトレイを有する。前記引き出しは、前記アイテムを収容するためのものである。前記トレイは、前記アイテムへのアクセスを防止するように前記トレイ及び前記引き出しが前記ハウジング内に収容される第1の位置と、前記引き出し及び前記アイテムを露出させるように前記トレイが前記ハウジングの前記開放側部を通り抜けて延在する第2の位置と、の間を移動できるように、軸結合部において前記ハウジングに旋回可能に結合される。
上述の概要、並びに、以下の発明の詳細な説明は、添付の図面と併せて読むことで一層良く理解されよう。本発明の例示の目的で、図面には現時点で好ましい実施形態が示されている。しかしながら、本発明は図示された正確な配置及び手段に限定されるものではないことを理解されたい。
発明の詳細な説明
以下の説明では、便宜上の観点のみから、ある用語が使用されるが、これは限定を意味するものではない。「右」、「左」、「下」及び「上」という語は、参照する図面中での方向を指定する。「内方向」、「外方向」という語は、対小児安全容器及びその指定された部分の幾何学的中心に向かう方向、それから離れる方向をそれぞれ示す。上記用語は、上に特に述べた語、その派生語、及び同様の意味の語を含む。
以下の説明では、便宜上の観点のみから、ある用語が使用されるが、これは限定を意味するものではない。「右」、「左」、「下」及び「上」という語は、参照する図面中での方向を指定する。「内方向」、「外方向」という語は、対小児安全容器及びその指定された部分の幾何学的中心に向かう方向、それから離れる方向をそれぞれ示す。上記用語は、上に特に述べた語、その派生語、及び同様の意味の語を含む。
各図面を詳細に参照すると、全体を通じて同様の参照番号は同様の要素(構成部品)を示しており、図1〜図8には、本発明に従う対小児安全容器10の第1の好ましい実施形態が示されている。第1の好ましい実施形態の容器10は、少なくとも1つのアイテム、例えば、それぞれが1回分の薬剤又は錠剤を収容するブリスターの配列(図示せず)を有するブリスターパック(図示せず)を収容するためのものである。当該技術の分野における通常の知識を有する者(当業者)は、ブリスターパックが、通常、略透明の最上層と、湿気又は他の異物がブリスターパックに侵入できないように最上層に固着された略不透明な背面層と、を有することを理解されよう。ブリスターパックの背面層は、最上層、つまり、1回分の薬剤に対して略垂直に力を加えることにより、背面層を通して1回分の薬剤が押し出されるように破ることが可能である。最上層は、典型的には、ポリマー材料で構成され、背面層は、典型的には、ホイル(箔)型の材料、又は内部に少なくとも1層のホイルを有するラミネート(積層体)で構成される。
当業者は、本開示内容から、錠剤又はカプセル以外の内容物又はアイテムを、本発明の容器10内に収容できることを理解されよう。例えば、液状又は粒状の医薬品、液体内に浮遊させられたコンタクトレンズ、又は潜在的に子供又は大人に有害な同様のアイテムを、本発明の容器10を使用して、容易にアクセス可能で且つ便利な方法で、安全に収容することができる。従って、以下、容器10の第1の好ましい実施形態は、ブリスターパックを保持するためのトレイ20を有するものとして説明されるが、当業者は、本開示内容から、本発明がブリスターパックを収容するための容器に限定されるものではないことを理解されよう。
容器10は、本発明の精神及び範囲から逸脱せずに、他の内容物を収容するために使用することができる。ブリスターパック以外の内容物を収容するために容器10に対して必要となる変更は、本開示内容を考慮すれば、当業者には明らかであろう。従って、簡潔にするために、以下の開示内容は、本発明がブリスターパック又は錠剤を収容することに限定されないとの理解の下に、錠剤の配列を有するブリスターパック用の容器10に向けられる。
図1〜図4を参照すると、容器10は、ハウジング18、トレイ20、ラッチ22、及びロックアセンブリ24を有する。ハウジング18は、略矩形形状を有する。しかしながら、当業者は、本開示内容から、本発明の容器10は如何なる特定形状のハウジングを有する容器にも限定されるものではないことを理解されよう。例えば、ハウジング18は、本発明の範囲から逸脱せずに、円筒形状、三角形状、立方体形状などとすることができる。好ましくは、矩形形状のハウジング18は、それぞれが略弧状(アーチ形)形状を有する第1、第2、第3及び第4の角部18a、18b、18c、18dを有する。第1の角部18aは、好ましくは、第2、第3及び第4の角部18b、18c、18dより大きな曲率半径を有し、第2及び第4の角部18b、18dに隣接する。後で更に説明するように、当業者は、より大きな曲率半径を有する第1の角部18aによって、使用者が容器10の向きを容易に確認できるようになることを理解されよう。又、当業者は、使用者が容器10の向きを決定できるようにするために採用することのできる、他の多くの方法、例えば、切子面角部、又は織り目状(テクスチャード加工)の表面の使用などがあることを理解されよう。従って、本発明は、向きを決定するための唯一の方法として、その内の1つが他のものと区別できる曲率半径の違いを有する弧状の角部を使用することに限定されるものではない。
ハウジング18は、基部、即ち、下壁(下方壁)26と、上部、即ち、上壁(上方壁)28と、少なくとも1つの閉鎖側部30と、少なくとも1つの開放側部32と、を有する。基部26及び上部28は、半円形の切り欠き部110を有し、この切り欠き部110は、互いに接合して、詳しくは後述する円形のキーホール(鍵穴)94の最外縁部を形成する。当業者は、キー(鍵)(後述する)が切り欠き部分を通して適合できるならば、この切り欠き部110は他の形状及び寸法であってよいことを認識するであろう。少なくとも1つの閉鎖側部30は、基部26の周縁部36の第1の部分34に沿って、基部26と上部28との間に延在する。少なくとも1つの開放側部32は、基部26の周縁部36の第2の部分38に沿って、且つ、少なくとも第4の角部18dから第1の角部18aまでに亘り、基部26と上部28との間に延在する。好ましくは、少なくとも1つの閉鎖側部30は、基部要素30aと、上部要素30bと、を有する。基部要素30aは、基部26から上方向へ延在し、上部要素30bは、上部28から下方向に延在する。図4を参照すると、少なくとも1つの閉鎖側部30の基部要素30aの壁の内側部分40aは、内方向に突出するリップ(へり)44aを備えたラベット(相欠きはぎ用切り込み)42aを有する。少なくとも1つの閉鎖側部30の上部要素30bの底縁部40bは、少なくとも1つの閉鎖側部30の壁内側部分40aの対応するラベット42a及びリップ44aとスナップフィット結合式に嵌合する、外方向に突出するリップ44bを備えたラベット42bを有する。基部要素30aは更に、基部要素30aと上部要素30bとを更に固定するために、上部要素30bの雄型要素47b(図5)と嵌合する雌型要素47a(図4)を有する。雌型要素47a及び雄型要素47bは、これらの2つの要素が嵌合する時に、緊密な摩擦適合が形成されるような寸法にされる。
当業者は、本開示内容から、少なくとも1つの閉鎖側部30の基部要素30aと上部要素30bが、それぞれ基部26と上部28の一体的な部分として形成されることが好ましいことを理解されよう。又、当業者は、基部要素30aと上部要素30bとが、他の周知の各種固定方法、例えば、締まりばめ、ねじ、接着剤などによって、相互に固定可能であることを理解されよう。更に、当業者は、基部要素30aと上部要素30bとが、それぞれ基部26と上部28の一体的な部分として形成される必要は無く、むしろ、本発明の精神及び範囲から逸脱せずに、上述の方法によって、基部26と上部28にそれぞれ固定される別個の構造であってよいことを理解されよう。
図5及び図8を参照すると、軸部46は、トレイ20を貫通して、基部26と上部28との間に延在する。軸部46は、好ましくは、ハウジング18の第4の角部18dに隣接して配置され、そして第1の円筒構造46aと第2の円筒構造46bとを有する。第1の円筒構造46aは、基部と一体的になっており、基部26から上方向に延在する。第2の円筒構造46bは、上部28と一体的になっており、上部28から下方向に延在し、そして杭が穴に入ったような結合状態(peg-in-hole like union)で第1の円筒構造46aと係合する。当業者は、本開示内容から、本発明の精神及び範囲から逸脱せずに、軸部46が、接続された構造体間における角変位を可能にする、他の周知の各種連結具の内の任意のものであってよいことを理解されよう。
図4を参照すると、トレイ20は、好ましくは基部26の形状にほぼ合致する形状を有し、そして好ましくは矩形形状である。トレイ20は、ハウジング18に、旋回可能(枢動可能)に結合されている。好ましくは、トレイ20は、それを貫通する軸穴48を有し、この軸穴48は、軸部46で軸受けされて、軸結合を形成する。詳しくは後述するように、トレイ20は、アイテム、即ち、ブリスターパックへのアクセス(アイテムの入手)を防止するようにトレイ20がハウジング18内にある第1の位置(即ち、閉鎖位置)50(図1)と、引き出し80及びアイテム、即ち、ブリスターパックを露出させるようにトレイ20がハウジング18の少なくとも1つの開放側部32を通り抜けて延在する(突き出している)第2の位置(即ち、開放位置)52(図2)と、の間で旋回可能である。トレイ20は、トレイ20の周縁部58の第1の部分56に沿って上方向に延在し、且つ、ハウジング18の少なくとも1つの開放側部32に対応する、少なくとも1つの側部54を有する。周縁部58は、トレイ20の中間部分に中空空間59を形成する。当業者は、本開示内容から、少なくとも1つの側部54は、必ずしもそうである必要はないが、トレイ20の周縁部の全体の周りに延在するのが好ましいことを理解されよう。
トレイ20は更に、詳しくは後述するように、ブリスターパックの移動を制限し、即ち、ブリスターパックを固定するための、引き出し80の上に延在する保持棒、即ち、制限棒90を有する。保持棒90は、中空空間59内にて実質的に中心に配置され、第1の部分上部56aから後方部分57へと延在する。当業者は、ブリスターパックが適切に固定されるならば、保持棒90の位置と向きとは変更可能であることを認識されよう。更に、トレイ20は、トレイ20の内部側壁47上に配置された上部隆起部(リッジ)96及び底部隆起部98を有する。上部隆起部96と底部隆起部98とは、トレイ20の両側部に溝部(通路,チャネル)91を形成し、そして各溝部91は、トレイ20の後方部分57及び周縁部58を貫通して延在するキーホール94と整列される。当業者は、溝部91が、本発明の精神及び範囲から逸脱せずに、他の方法で形成することができ、或いは排除することができることを認識されよう。
図6を参照すると、ラッチ(掛け金)22は、トレイ20に設けられた可撓性部材64と、ハウジング18に設けられたノッチ(切り欠き)66と、を有する。可撓性部材64は、トレイ20の少なくとも1つの側部54と一体的である第1の端部64aと、外方向に突出しているタング68を備えた第2の端部64bと、を有する。可撓性部材64は、弾性的に外方向に付勢(偏倚)されている。ノッチ66は、ハウジング18の少なくとも1つの閉鎖側部30の内方向に面している表面内にある。ノッチ66は、ハウジングの第1の角部18aに最も近く、そしてトレイ20が第1の位置50(図1)にある時にタング68に解放可能に係合するように配置されている。ラッチ22の外方向に面している表面は、必ずしもそうである必要はないが、好ましくは、織り目状(テクスチャード加工)の表面である。当業者は、本開示内容から、ラッチ22が、本発明の精神及び範囲から逸脱せずに、種々の周知の係止装置(掛け金手段)、例えば、スライダー又はスナップなどの1つであってよいことを理解されよう。
図4を参照すると、対小児安全容器10は、トレイ20内に適合する寸法にされた取り外し可能な引き出し80をも有する。引き出し80は、前壁(前方壁)84と、後壁(後方壁)88と、2つの対向する(反対側の)側壁86と、を有する。壁84、86、88は、ブリスターパックの個々のブリスターのためのアクセス穴60を有する中央部分83を包囲する。好ましい実施形態においては、4行6列のアクセス穴60があるが、当業者は、アクセス穴60の数及び位置はブリスターパックの構成に応じて変更し得ることを認識されよう。壁84、86、88は、個々のブリスターが壁84、86、88と同じ高さか又は壁84、86、88より低い高さになるよう、中央部分83より十分高く延在している。後壁88は、中央又はその付近に、その中に適合すべき保持棒90のための開口部89を有する。保持棒90を収容し、且つ、保持棒90が個々のブリスターと干渉するのを防ぐために、中央部分83は、前壁84と後壁88との間に、開口部89と整列された開放空間81を有する。側方拡張部87は、側壁86の外側部分の全長に沿って、各側壁86から延在している。各側方拡張部87は、三角形状のラッチ82で構成された先端部(遠位端部)を有する。各ラッチ82は、キーホール94内に適合する寸法にされている。側方拡張部87は、トレイ20の溝部91に摺動可能に係合できるような形状と寸法にされている。引き出し80は更に、後壁88及び前壁84から内方向に延在するリブ85を有する。リブ85は、ブリスターパックの基部がリブ85の下に適合できるように、中央部分83の上部表面から十分に間隔を開けて配置されている。当業者は、ブリスターパックが適切に固定され得るならば、リブ85の数及び位置は変更可能であることを認識されよう。
操作においては、ブリスターパックを引き出し80の中央部分83に配置し、ブリスターパックの縁部をリブ85の下に配置してブリスターパックを固定することによって、引き出し80にブリスターパックが装填される。次に、引き出し80は、側方拡張部87のラッチ82を溝部91内に配置して、ラッチ82がトレイ20のキーホール94内のピン92(図8)と係合するまで引き出し80を溝部91を通してキーホール94内へと押し込むことによって、トレイ20内へと挿入される。引き出し80は、トレイ20が第1の位置50及び第2の位置52のいずれの位置にあっても、トレイ20内へと装填することができる。好ましい実施形態においては、ピン92は、円筒形であり、そしてトレイ20から延在する。当業者は、他の形状も代用可能であることを認識されよう。更に、当業者は、ラッチ82は、トレイ20を越えて延在して、トレイ20の代わりに上部28又は基部26から延在するピンと係合してもよいことを認識されよう。
図8を参照すると、引き出し80は、少なくとも1つのラッチ82によって、該ラッチ82のピン92に対する係合を介して、トレイ20に解放可能に連結される。引き出し80は、ラッチ82をピン92から解放するように、引き出しキー100をキーホール94を通してハウジング18内へと係合させることによって、トレイ20から解放することができる。引き出しキー100は、対小児安全容器10の2つの対向する閉鎖側部30の周囲に少なくとも部分的に適合するような寸法とされた第1の側部106a及び第2の側部106bを備えた本体、即ち、基部102を有する。又、本体102は、キーホール94と係合するための、少なくとも第1の拡張部104a、及び、好ましくは第2の拡張部104bを有する。第1の拡張部104a及び第2の拡張部104bはテーパー(先細形状)が付けられており、これによりそのテーパーが付けられた端部が、ラッチ82のテーパーが付けられた端部と合致するようになっている。当業者は、ラッチ82のテーパーが付けられた表面に対して十分な力を伝えられれば、第1及び第2の拡張部104a、104bを他の形状にしてもよいことを認識されよう。
操作においては、引き出しキー100を対小児安全容器10に適用することによって、引き出し80はトレイ20から解放される。第1及び第2の拡張部104a、104bがラッチ82のテーパーが付けられた部分に接触するように、第1及び第2の拡張部104a、104bは、キーホール94と整列され、そして容器10に向けて押される。これによって、ラッチ82は弾性的に変形させられ、ラッチ82がピン92から解除され、従って、引き出し80はトレイ20の外部に押し出される。その後、必要であれば、引き出し80は、新しいブリスターパックを有する交換用の引き出しによって迅速に置換され得る。
図1〜図5及び図7を参照すると、ロックアセンブリ24は、ハウジング18に結合されており、好ましくは、可撓性の上部タブ24aを有する。上部タブ24aは、好ましくは、上部28の部分的な切り欠きで形成され、そしてハウジング18の上部28と一体的である第1の端部72aと、自由端である第2の端部72bと、を有する。上部タブ24aは、弾性的に外方向に付勢されており、そして内方向に変位可能である。図7を参照すると、ロックアセンブリ24は、ハウジング18の上部壁28に移動可能に搭載されており、そして先端部にフック形状部材25aを備えた上部タブ24aから下方向に延在するアーム25を有する。ロックアセンブリ24は、ロック位置と解放位置との間で移動可能である。ロックアセンブリ24は、トレイ20が待避位置(引っ込んだ位置)にあり、且つ、ロックアセンブリ24がロック位置にある時に、ハウジング18内でトレイ20と係合して、これをロックする。ロックアセンブリ24は更に、トレイ20上のカム面25b及び肩部25cを有する。好ましい実施形態において、カム面25b及び肩部25cは、トレイ20の1つ角部に隣接してトレイ20の側部54内に一体的に成形される。当業者は、本開示内容から、本発明の精神及び範囲から逸脱せずに、第1の位置50にトレイ20をロックするために他の方法、例えば、ハウジング18の上部28の穴内で摺動可能な、外方向に付勢されたボルトなどを使用することができることを理解されよう。
操作においては、カム面25bは、トレイ20が露出位置(露出された位置)から待避位置に向けて旋回する時に、ロックアセンブリ24をロック位置から解放位置へと移動させる。ロックアセンブリ24は、トレイ20が待避位置にある時に肩部25cと係合し、これによってトレイ20を待避位置にロックする。トレイ20を待避位置から解放するためには、上部タブ24aがトレイ20に向けて押され、これによってフック形状部材25aが肩部25cとの係合が解除されるように移動され、ラッチ22が作動され、そしてトレイ20が、解除されて、回転力(トルク)が適用されることによって開放位置に向けて旋回する。トレイ20を開放位置から待避位置へと戻す時には、カム面25bがフック形状部材25aと接触し、上部タブ24aをロック位置から解放位置へと移動させる。フック形状部材25aがカム面25aをクリア(通過)すると、弾力性のある上部タブ24aはフック形状部材25aをロック位置へと付勢し、それによってフック形状部材25aを肩部25cと係合させ、そしてトレイ20を待避位置にロックする。
ロックアセンブリ24の上部タブ24aは、容器10上の上部タブ24の位置に使用者の注意を向けるように、その外面に施された、例えば星印又は的などの、装飾デザインを有していてよい。更に、必ずしもそうである必要はないが、好ましくは、容器10の上部28は、その装置をどのように操作するかについて使用者にガイダンス(案内)を提供するための他のマークを有していてよい。上部タブ24a上の装飾デザインは、星印又は的に限定されるものではなく、ロックアセンブリ24を作動させるように使用者に指示を与えることのできる、ほとんど全ての装飾的な形状又はパターンを採用することができる。
当業者は、上述の開示内容から、ラッチ22及びロックアセンブリ24によってトレイ20が第1の位置50に固定され、又、ラッチ22の可撓性部材64及びロックアセンブリ24の上部タブ24aに対して内方向に向かう力を同時に加えて、トレイ20に対して回転力を加えることによって、トレイ20が第1の位置50から第2の位置52に向けて角変位可能であることを理解されよう。
必ずしもそうである必要はないが、好ましくは、上述した容器10の構成要素は、金型で形成可能なポリマー材料で作製される。しかしながら、これらに限定されるものではないが、アルミニウム又はステンレス鋼などの金属を含む広範囲の周知の材料を、本発明の範囲及び精神から逸脱せずに使用することができる。
容器10は、使いやすさのために、以下のように人間工学的に設計されるのが好ましい。トレイ20が第1の位置、即ち、閉鎖位置50にある状態の容器10は、少なくとも1つの閉鎖側部30が使用者の手の掌に面し、上部28が上方向を向いた状態で、左手で握られ、そして左手の親指がロックアセンブリ24の上部タブ24a上に置かれる。使用者の右手の人差し指は、ラッチ22の可撓性部材64上に置かれる。容器10を開けるためには、使用者は、左手の親指と右手の人差し指とを用いて、内方向の力を上部タブ24aと可撓性部材64とにそれぞれ同時に加えて、トレイ20に対して回転力を加える。上部タブ24aに加えられた力により、上部タブ24aは内方向に変位し、それによってその力をアーム25に伝える。続いて、この力によって、アーム25が下方向と外方向に変位して、アーム25aを肩部25cから引き離し(離脱させ)、トレイ20のロック状態を解除する。
内方向の力を可撓性部材64に加えることで、可撓性部材64は内方向に変位させられ、それによってハウジング18の少なくとも1つの閉鎖側部30内のノッチ66からタング68が引き離される。アーム25aとタング68とが同時に解除されることにより、トレイ20は自由に軸部46を中心として角変位できるようになる。上部タブ24a及び可撓性部材64の両者が内方向に変位させられると、トレイ20に回転力を加えることによって、トレイ20は第1の位置(閉鎖位置)50から第2の位置(開放位置)52へと旋回させられる。
トレイ20が開放位置50にある時に、使用者は、既に収容されているブリスターパックのブリスターから錠剤を取り出すことができる。逆向きの回転力をトレイ20に加えることによって、トレイ20は閉鎖位置50に戻る。トレイ20が閉鎖位置50に戻ると、上部タブ24a及び可撓性部材64に加えられる力が無ければ、ラッチ22及びロックアセンブリ24が付勢された位置に配置されることにより、タング68がノッチ66内に挿入され、又アーム25aが肩部25c内に挿入される。
図9〜図13を参照すると、第2の好ましい実施形態の対小児安全容器11が示されている。対小児安全容器11は、第1の実施形態の対小児安全容器10と同一の部品を有しており、これらについては便宜上詳しい説明は省略する。容器11は、ハウジングの後部が円形のキーホールのための切り欠きを有しておらず、その代わりに基部26上に三角形のキーホール132を有していることを除いて第1の実施形態の容器10と同一であるハウジング18を有する。
図11を参照すると、取り外し可能なトレイ20’は、ハウジング18内に適合する寸法にされている。トレイは、前壁140、後壁142、左壁144及び右壁146を有し、これらはブリスターパックと共に使用するためのアクセス穴60’を備えた中央部分148を包囲する。好ましい実施形態においては、均等に間隔が開けられた7列4行のアクセス穴60’があるが、当業者は、アクセス穴の数及び位置は、ブリスターパックの構成に応じて変更し得ることを認識されよう。壁140〜146は、中央部分148が壁140〜146の頂部の下に位置するように、又、個々のブリスターが壁140〜146と同じ高さか又はそれより低くなるように、十分な高さとされている。前壁140及び後壁142は、第1の実施形態において説明したものと同一のリブ85を有する。又、トレイ20’は、前壁140と左壁144とを結合する角部に配置された軸部材164を有する。左壁144の一部分は、内方向に延在して、第1の区画(セクション)120を形成する。先端接触面122aを有する第2の区画122は、左壁144から外方向に延在して、第1の区画120と第2の区画122との間に第1の間隙(ギャップ)150を形成する。第2の区画の接触面122aは、円弧を形成するように十分に凹状(凹面)であり、前壁140の方を向いている。曲面124bを有する第3の区画124は、前壁140から延在し、そして、第3の区画124の先端部124aが実質的に後壁142の方を向いて、第2の区画122と第3の区画124との間に実質的に三角形の第2の間隙152を形成するように、十分に曲げられている。第3の区画124の曲面124bは、接触面122aの円弧と実質的に等しい円弧を有する。第3の区画124の曲面124bと第2の区画122の接触面122aとの間には、実質的に円筒状の軸穴48’が形成されており、これはハウジング18の第1の円筒構造46aに適合するように十分な寸法とされている。
図12及び図13を参照すると、ハウジング18の基部26は、実質的に第2の間隙152と整列されているキーホール132を有する。キーホール132は、ハンドル130aと、延長部130bと、先端部134を備えた接触部分130cと、を有するキー130と適合する寸法にされている。キーホール132、並びに、キー130の接触部分130cの断面は、等しく実質的に三角形であり、接触部分130cがキーホール132内に適合できるような寸法にされている。図13を参照して、キーの接触部分130cは、接触部分130cの断面が三角形の第2の間隙152よりも僅かに大きくなるような寸法とされている。
操作においては、移動可能なトレイ20がハウジング18内に挿入され、軸部材164が第1の円筒構造146上にスナップフィット式に係合して、第1の位置(閉鎖位置)50’となる。スナップフィット係合の過程で、円筒構造46aは、該円筒構造46aが軸穴48’内に配置されるまで、第2の間隙152を通って移動し、該第2の間隙152内の空間を押し広げ、そして円筒構造46aが軸穴48’内に配置された時点で、該第2の間隙152はその元の寸法に戻る。取り外し可能なトレイ20’は、旋回させてハウジング18から引き離し、第2の位置(開放位置)52’とすることができる。図13を参照して、トレイ20’を取り外すためには、トレイ20’が第1の位置50’にある時に、キー130がキーホール132及び第2の間隙152を通して挿入される。キー130は、第2の部材122と第3の部材124との間の第2の間隙152の空間を押し広げ、これによって第2の部材122が第1の間隙150に向って且つ第1の間隙150内で移動し、又第2の部材122の接触面122aが円筒構造46から離れる(解除される)。その後、使用者は、ロックアセンブリ24及びラッチ22を段落[0033]及び[0034]にて説明したようにして係合させてトレイ20’を引っ張り、これによって、広げられた第2の間隙152を円筒構造46が通って移動し、トレイ20’がハウジング18から取り外されるようになる。当業者は、キーの接触部分130cが第2の間隙152に適合可能であり、又該第2の間隙152を拡張することができるならば、キーホール132、キーの接触部分130c及び第2の間隙152が他の形状及び寸法を採用し得ることを認識されよう。好ましい実施形態において、第2及び第3の区画122、124の材料は、第2の間隙152が拡張可能なように十分な可撓性を有するが、キー130によって部材(区画)122、124に加えられる応力がこれらの部材(区画)122、124の破壊をもたらさないように十分な強度をも有する。
当業者は、本発明の広い概念から逸脱せずに、上述の実施形態に対して変更をなし得ることを理解されよう。従って、本発明はここに開示した特定の実施形態に限定されず、むしろ添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の精神及び範囲内の改変を包括する意図があることを理解されたい。
Claims (7)
- 少なくとも1つのアイテムを保持するための対小児安全容器であって、
上壁及び下壁、並びに、前記上壁と前記下壁との間の少なくとも1つの開放側部、を備えたハウジングと、
内部に摺動可能に配置された引き出しを備えたトレイであって、前記引き出しは前記アイテムを収容するためのものであるトレイと、
を有し、
前記トレイは、前記アイテムへのアクセスを防止するように前記トレイ及び前記引き出しが前記ハウジング内に収容される第1の位置と、前記引き出し及び前記アイテムを露出させるように前記トレイが前記ハウジングの前記開放側部を通り抜けて延在する第2の位置と、の間を移動できるように、軸結合部において前記ハウジングに旋回可能に結合される対小児安全容器。 - 前記引き出しが前記トレイ内に挿入された時に前記引き出しの上に延在して前記少なくとも1つのアイテムの移動を制限する少なくとも1つの制限棒を有する請求項1に記載の対小児安全容器。
- 前記引き出しは、前記トレイに解放可能に連結される請求項1に記載の対小児安全容器。
- 前記引き出しは、少なくとも1つのラッチによって前記トレイに解放可能に連結される請求項3に記載の対小児安全容器。
- 更に、前記ハウジング内のキーホール内へと配置可能な引き出しキーを有し、該引き出しキーの部分は、前記少なくとも1つのラッチを解放するように前記ハウジング内へと延在する請求項4に記載の対小児安全容器。
- 前記引き出しキーは、基部と、前記基部から前記キーホール内及び前記ハウジング内へと延在する少なくとも1つの延長部と、を有する請求項5に記載の対小児安全容器。
- 前記引き出しキーは、前記引き出しキーの前記部分が前記ハウジング内へと延在する時に、前記ハウジングを部分的に包囲する請求項5に記載の対小児安全容器。
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