JP2009503176A - 合成樹脂上に金属部材を固定するためのニトリルゴム−ブレンドをベースとする接着剤シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 少なくとも3種類の合成ニトリルゴムS1、S2及びS3、及びそれ自体で、他の反応性樹脂と及び/又はニトリルゴムS1、S2及びS3と架橋することができる少なくとも1種類の反応性樹脂よりなるブレンドを含む接着剤を施した熱活性化性接着フィルムであって、
a)該ニトリルゴム−ブレンドが微細相分離されいる、該熱活性化性接着フィルムにおいて、DSC−サーモグラム(動的走査熱量法)において少なくとも3種類の異なるガラス転位温度があり、
b)熱活性化性フィルムのブレンドが少なくとも3つのガラス転位温度を有し、そのとき少なくとも1つのガラス転位温度が10℃より高くそして一つのガラス転位温度が−20℃よりも低く、
c)ニトリルゴム又はニトリルゴム類S1が35%以上のアクリルニトリル部分を有し、
d)ニトリルゴム又はニトリルゴム類S2が25%より多く35%より少ないアクリルニトリル部分を有し、
e)ニトリルゴム又はニトリルゴム類S3が25%以下のアクリルニトリル部分を有することを特徴とする、上記熱活性化性接着フィルム。
Description
a)熱可塑性熱活性化性フィルム
b)反応性熱活性化性フィルム。
a)該ニトリルゴム−ブレンドが微細相分離されている、該熱活性化性接着フィルムにおいて、
DSC−サーモグラム(動的走査熱量法)において少なくとも3種類の異なるガラス転位温度があり、
b)熱活性化性フィルムのブレンドが少なくとも3つのガラス転位温度を有し、そのとき少なくとも1つのガラス転位温度が10℃より高くそして一つのガラス転位温度が−20℃よりも低く、
c)ニトリルゴム又はニトリルゴム類S1が35%以上のアクリルニトリル部分を有し、
d)ニトリルゴム又はニトリルゴム類S2が25%より多く35%より少ないアクリルニトリル部分を有し、
e)ニトリルゴム又はニトリルゴム類S3が25%以下のアクリルニトリル部分を有する
ことを特徴とする、上記熱活性化性接着フィルムによって解決される。
ニトリルブタジエンゴムはEni Chem社のEuroprene(R)又はBayer 社のKrynac(R)及びPerbunan(R)又はZeon 社のBreon(R)及びNipol N(R)の登録商標で市販されている。水素化ニトリルブタジエンゴムはBayer 社のTherban(R)及びZeon 社のZetpol(R)の登録商標で市販されている。ニトリルブタジエンゴムは熱間又は冷間で重合される。ニトリルブタジエンゴムは熱間又は冷間重合される。ニトリルゴムS1は35重量%より多くアクリルニトリル分を有している。完全に相分離するのを回避するためには、アクリルニトリル分はS1の全体量を基準として60重量%より少なくあるべきである。ニトリルゴムS1の別の基準はガラス転位温度である。ミクロ相分離を達成するために、有利な一つの実施態様においてはDSCでの静的ガラス転位温度は−20℃以上、特に有利には−15℃より高いあるべきである。ニトリルゴムS1の別の基準はムーニー粘度である。低温で高い柔軟性を保証しなければならないので、ムーニー粘度は120以下であるべきである(100℃でのムーニーML1+4)。このようなニトリルゴムの市販例には例えばZeon Chemicals社のNipol(R)N40-5がある。
ニトリルブタジエンゴムはEni Chem社のEuroprene(R)又はBayer 社のKrynac(R)及びPerbunan(R)又はZeon 社のBreon(R)及びNipol N(R)の登録商標で市販されている。水素化ニトリルブタジエンゴムはBayer 社のTherban(R)及びZeon 社のZetpol(R)の登録商標で市販されている。ニトリルブタジエンゴムは熱間又は冷間で重合される。ニトリルブタジエンゴムは熱間又は冷間重合される。ニトリルゴムS2は35重量%より少なくそして25%より多くアクリルニトリル分を有している。ニトリルゴムS2の別の基準はガラス転位温度である。ミクロ相分離を達成するために、有利な一つの実施態様においてはDSCでの静的ガラス転位温度は−20℃より低く、特に有利には−25℃より低くあるべきである。ニトリルゴムS2の別の基準はムーニー粘度である。低温で高い柔軟性を保証しなければならないので、ムーニー粘度は100以下であるべきである(100℃でのムーニーML1+4)。このようなニトリルゴムの例には例えばZeon Chemicals社のBreon(R)N33C50がある。
ニトリルブタジエンゴムはEni Chem社のEuroprene(R)又はBayer 社のKrynac(R)及びPerbunan(R)又はZeon 社のBreon(R)及びNipol N(R)の登録商標で市販されている。水素化ニトリルブタジエンゴムはBayer 社のTherban(R)及びZeon 社のZetpol(R)の登録商標で市販されている。ニトリルブタジエンゴムは熱間又は冷間で重合される。ニトリルブタジエンゴムは熱間又は冷間重合される。ニトリルゴムS3は25重量%より少なくアクリルニトリル分を有している。完全に相分離するのを回避するためには、アクリルニトリル分はS3の全体量を基準として4重量%より多くあるべきである。ニトリルゴムS3の別の基準はガラス転位温度である。ミクロ相分離を達成するために、有利な一つの実施態様においてはDSCでの静的ガラス転位温度は−35℃以上、特に有利には−40℃より低くあるべきである。ニトリルゴムS3の別の基準はムーニー粘度である。低温で高い柔軟性を保証しなければならないので、ムーニー粘度は100以下であるべきである(100℃でのムーニーML1+4)。このようなニトリルゴムの市販例には例えばZeon Chemicals社のNipol(R)1034-60がある。
ニトリルゴムブレンドに本発明に従って反応性樹脂を添加する。反応性樹脂とは、−特に熱的に−活性化しながら化学反応を起こすことができる官能基を持つ樹脂を意味する。本発明に従って使用される反応性樹脂はそれ自体で、他の反応性樹脂と及び/又はニトリルゴムS1、S2及びS3と架橋反応し得る。
接着性及び活性化範囲を最適化させるために、任意の接着力向上性樹脂又は他の反応性樹脂を添加することも可能である。添加する粘着性付与樹脂としては既に公知の及び文献に記載されたあらゆる粘着性付与剤樹脂を例外なく使用することができる。代表例にはピネン樹脂、インデン樹脂及びコロホニウム樹脂、それらの不均化した、水素化した、重合した及びエステル化した誘導体及びその塩及び脂肪族及び芳香族炭化水素樹脂、テルペン樹脂及びテルペン−フェノール樹脂並びにC5−、C9−並びに他の炭化水素樹脂を挙げることができる。得られる接着剤の性質を所望の通りに調整するために、これらの樹脂の及び他の樹脂との任意の組合せも使用することができる。一般にゴムS1及び/又はS2と相容性(溶解性)のあるあらゆる樹脂が使用される。特に脂肪族、芳香族、アルキル芳香族炭化水素樹脂、純粋のモノマーをベースとする炭化水素樹脂、水素化炭化水素樹脂、官能性炭化水素樹脂及び天然樹脂が特に挙げられる。Donatas Satas の“Handbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology(感圧接着剤技術ハンドブック)”(van Nostrand, 1989)の従来技術において明瞭に説明されている。
本発明の熱活性化性接着剤フィルムのためのブレンドは、溶液又は溶融物状態で製造することができる。溶液状態でのブレンドの製造には、成分の少なくとも1種類を良好に溶解する溶剤を使用するのが有利である。混合物を製造するためには公知の攪拌装置、例えばニーダーを使用する。この目的のためには熱を供給することも必要である。このブレンドを次いで溶液又は溶融物の状態で塗布される。溶液状態で塗布した後には乾燥室で溶剤を除去する。溶融状態での被覆では、ブレンドから予めに溶剤が除かれている。特に有利な一つの実施態様においては、溶剤が減圧のもとで濃縮化用押出機を用いて追い出される。この目的のために、例えば好ましくは溶剤が、異なる又は同じ減圧段階で留去されそしてフィーダー予備加熱器を備えている一軸スクリュー式又は二軸スクリュー式押出機を用いることができる。次いで溶融ノズル又は押出ノズルによって塗装する。その際に最適な塗膜厚を達成するために場合によっては接着フィルムを引き延ばす。
試験方法:
落下試験A)(これについては図1及び3参照)
接合面積は2cm2である。幅2cmで1.5mmの厚さのアルミニウム板(1)を幅2cmで層厚3mmのポリカーボネート(PC)板(2)と、本発明の熱活性化性接着フィルム(3)を用いて貼り合わせる。
接着強度は動的剪断試験を用いて測定する(図2参照)。接着面積は2cm2である。幅2cmで1.5mmの厚さのアルミニウム板(1)を幅2cmで層厚3mmのポリカーボネート(PC)板(2)と、本発明の熱活性化性接着フィルム(3)によって貼り合わせる。
−20℃で0%の湿度;
23℃で50%の湿度;
50℃で50%の湿度。
熱活性化性フィルムを、ポリカーボネート製セルホーンケーシングにアルミニウム−トリムピースを接合するために200μmの層厚で使用する。接合面積は約4cm2である。接合するために加熱プレス装置を180℃、5bar及び5秒間の硬化時間使用する。24時間後にセルホーンシェルを接合後に−20℃に冷却する。次いでこの試料をこの温度で互いに反対側に捻じる。
平均分子量Mw(重量平均)の測定をゲルパーミッションクロマトグラフィーで次のパラメータに応じて行う:
溶離液:THF/0.1容量%のトリフルオロ酢酸;
予備カラム:PSS−SDV、10μ、内径8.0mm×50mm
カラム:PSS−SDV、10μ直線状物、内径8.0mm×300mm
ポンプ:TSP P100
流速:0.5mL/分
試料濃度:1.5g/L
注入システム:100μLの注入容積を持つTSP AS3000
温度:25℃
検出器:Shodex RI 71。
キャリブレーションはポリスチレン標準を用いてカラムの分離領域で実施した。公知のマークホウビク(Mark Houwink)係数a及びKを利用したポリスチレンーキャリブレーションを一般にPMMA−キャリブレーションに換算した。
全ての表示は“PMMA−モル質量当量”である。
50重量%の Breon N36 C80 (ニトリルゴム、製造元:ゼオン社)、8%のHMTA(Rohm & Haas社)を混入した40重量%のフェノール−ノボラック樹脂Durez 33040 及び10重量%のフェノールレゾール樹脂9610 LW(製造元:Bakelite社)をニーダー中で30%メチルエチルケトン溶液として製造する。混練時間は20時間である。次いで熱活性化性接着剤をグラシン剥離紙上に溶液状態で塗布しそして100℃で10分間乾燥する。乾燥後に層厚は100μmである。次にこのような二枚の層を、ロール式積層装置を用いて100℃で積層する。その後、層厚は200μmである。
50重量%のNipol N1094-80 (ニトリルゴム、製造元:ゼオン社)、8%のHMTA(Rohm & Haas社)を混入した40重量%のフェノール−ノボラック樹脂Durez 33040 及び10重量%のフェノールレゾール樹脂9610 LW(製造元:Bakelite社)をニーダー中で30%メチルエチルケトン溶液として製造する。混練時間は20時間である。次いで熱活性化性接着剤をグラシン剥離紙上に溶液状態で塗布しそして100℃で10分間乾燥する。乾燥後に層厚は100μmである。次にこのような二枚の層を、ロール式積層装置を用いて100℃で積層する。その後、層厚は200μmである。
17重量%のNipol 40-5(ニトリルゴム、製造元:ゼオン社)、17重量%のBreon N33 C50(ニトリルゴム、製造元:ゼオン社)、16重量%のNipol N1034-60(ニトリルゴム、製造元:ゼオン社)、8%のHMTA(Rohm & Haas社)を混入した40重量%のフェノール−ノボラック樹脂Durez 33040 及び10重量%のフェノールレゾール樹脂9610 LW(製造元:Bakelite社)をニーダー中で30%メチルエチルケトン溶液として製造する。混練時間は20時間である。次いでこの熱活性化性接着剤をグラシン剥離紙上に溶液状態で塗布しそして100℃で10分間乾燥する。乾燥後に層厚は100μmである。次にこのような二枚の層をロール式積層装置を用いて100℃で積層する。その後、層厚は200μmである。
10重量%のNipol 40-5(ニトリルゴム、製造元:ゼオン社)、15重量%のBreon N33 C50(ニトリルゴム、製造元:ゼオン社)、30重量%のNipol N1034-60(ニトリルゴム、製造元:ゼオン社)、8%のHMTA(Rohm & Haas社)を混入した45重量%のフェノール−ノボラック樹脂Durez 33040 及び10重量%のフェノールレゾール樹脂9610 LW(製造元:Bakelite社)をニーダー中で30%メチルエチルケトン溶液として製造する。混練時間は20時間である。次いでこの熱活性化性接着剤をグラシン剥離紙上に溶液状態で塗布しそして100℃で10分間乾燥する。乾燥後に層厚は100μmである。次にこのような二枚の層をロール式積層装置を用いて100℃で積層する。その後、層厚は200μmである。
本発明の熱活性化性接着フィルム3及び4を2つの参考例1及び2と同様に試験する。参考例1は高いアクリルニトリル分(36重量%)を有するニトリルゴムをベースとする熱活性化性フィルムである。参考例2は少ないアクリルニトリル分(23重量%)を有するニトリルゴムをベースとする熱活性化性フィルムである。全ての例はアルミニウムをポリカーボネート(PC)に貼り付けるための理想的な硬化条件のもとで使用している(例えばセルホーンの製造でしばしば現れる用途)。貼り合わせ後に試験体を落下試験に付す。結果を表1に示す。それぞれの落下高さはcmで示した。
2・・・ポリカーボネート板
3・・・熱活性化性接着シート
Claims (7)
- 少なくとも3種類の合成ニトリルゴムS1、S2及びS3、及びそれ自体で、他の反応性樹脂と及び/又はニトリルゴムS1、S2及びS3と架橋することができる少なくとも1種類の反応性樹脂よりなるブレンドを含む接着剤を施した熱活性化性接着フィルムであって、
a)該ニトリルゴム−ブレンドが微細相分離されている、該熱活性化性接着フィルムにおいて、
DSC−サーモグラム(動的走査熱量法)において少なくとも3種類の異なるガラス転位温度があり、
b)熱活性化性フィルムのブレンドが少なくとも3つのガラス転位温度を有し、そのとき少なくとも1つのガラス転位温度が10℃より高くそして一つのガラス転位温度が−20℃よりも低く、
c)ニトリルゴム又はニトリルゴム類S1が35%以上のアクリルニトリル部分を有し、
d)ニトリルゴム又はニトリルゴム類S2が25%より多く35%より少ないアクリルニトリル部分を有し、
e)ニトリルゴム又はニトリルゴム類S3が25%以下のアクリルニトリル部分を有する
ことを特徴とする、上記熱活性化性接着フィルム。 - ニトリルゴム又はニトリルゴム類S1の重量割合が全ニトリルゴム分を基準として5〜50重量%である、請求項1に記載の熱活性化性接着フィルム。
- ニトリルゴム又はニトリルゴム類S2の重量割合が全ニトリルゴム分を基準として10〜90重量%である、請求項1又は2に記載の熱活性化性接着フィルム。
- ニトリルゴム又はニトリルゴム類S3の重量割合が全ニトリルゴム分を基準として5〜50重量%である、請求項1〜3のいずれか一つに記載の熱活性化性接着フィルム。
- 反応性樹脂又は反応性樹脂類の重量割合がニトリルゴムと反応性樹脂との混合物全体を基準として30〜75重量%である、請求項1〜4のいずれか一つに記載の熱活性化性接着フィルム。
- 反応性樹脂としてエポキシ樹脂、ノボラック樹脂、メラミン樹脂、テルペンフェノール樹脂、フェノール樹脂及び/又はポリイソシアネートをベースとする樹脂が使用される、請求項1〜5のいずれか一つに記載の熱活性化性接着フィルム。
- 接着剤に架橋剤及び/又は促進剤が添加されている、請求項1〜6のいずれか一つに記載の熱活性化性接着フィルム。
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