JP2009502168A - コンピュータ化された要因の実験計画および反応サイトおよび反応サイトのアレイの制御 - Google Patents

コンピュータ化された要因の実験計画および反応サイトおよび反応サイトのアレイの制御 Download PDF

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Abstract

大規模、多因子の細胞培養実験等のコンピュータによって促進される計画、ならびに自動装置を用いたそのような実験を行うための反応サイトおよび/または反応サイトのアレイの制御。特定の例では、本発明は、例えば自動細胞培養装置を用いて、複数の細胞培養実験を制御することを目的としている。一組の実施形態では、細胞培養実験と共に用いるためのデータ構造または「記述子」を提供する。記述子は、例えば、1つ以上の細胞培養実験を制御するため、1つ以上の細胞培養実験を特定するため、および/または、例えばその後の分析または不良品回収用に、1つ以上の細胞培養実験から生じるデータを識別または「タグ付けする」ために用いることができる。

Description

本発明は、全体として、大規模、多因子の細胞培養実験等のコンピュータによって促進される計画、ならびに自動装置を用いたそのような実験を行うための反応サイトおよび/または反応サイトのアレイの制御、ならびにそれらによって得られた実験結果のインデックス付き検索および分析に関する。
細胞は、種々の理由で培養される。細胞は、それらが生成する蛋白質類または他の価値を有する物質類を得ることを目的として培養されることがますます多くなっている。多くの細胞は、制御された環境のような特定の条件を必要とする。温度のような他の因子のみならず、栄養素類、酸素および/または二酸化炭素のような代謝ガスの存在も、細胞の増殖および/または細胞産物の発現に影響を及ぼす可能性がある。細胞は、増殖するのに時間を要し、その間、細胞がさらされる環境条件は、例えば、細胞が特定の蛋白質類を発現するかまたはそれらの蛋白質類を発現しないかといった細胞の生化学的挙動、およびそのような(複数の)産物の量または組成(混合)に影響を及ぼすことになろう。特定の細菌性細胞のような一部の例では、わずか24時間で細胞培養を成功させることができる。特定の哺乳類細胞に関するような別の例では、培養を成功させるのに、約30日以上が必要となるかもしれない。
一般に、細胞培養実験は、必要な栄養素類、例えば、グルコース、グルタミン、ピルビン酸塩、および/または種々のアミノ酸類、ビタミン類、ホルモン類、血清、イオン類、または同種のものを含む様々な種類の培地内で行われる。細胞は通常、例えば、温度、Oおよび/またはCOの濃度、相対湿度等の環境条件を制御することができる培養器のような位置の中で培養される。最近、引用により本明細書に組み込まれる、2001年3月9日に提出され、2001年9月20日に特許文献1として公開された、Juryらによる「Microreactor」と題する国際特許出願第PCT/USO1/07679号に記載されているように、細胞は、とりわけ、多くの培養を並行して行うことができるように、極めて小さい規模(すなわち、約数ミリメートル以下の)でも培養されてきた。
一般に、細胞培養実験を計画、設定、および実行するための現在の手法は、多大な時間と労力を必要とする。例えば、1つの細胞培養実験のために培養器を構成し、培養器の制御装置を設定するのに、何時間もの科学者または技術者の時間が必要となるかもしれない。この「間接費」が、ほとんどの研究者の細胞培養実験の数および費用に制約をもたらしている。所与の細胞株が所望の産物を産生するのに効果的もしくは最適となる条件を予測すること、あるいは、所与の細胞株がそもそも所望の産物を産生するかどうか、または所望の量もしくは純度の産物を産生するかどうかを予測するのは困難である。従って、実験者は、費用および/または時間に制約があることから、自分が通常実行できるかまたは実行を許可されているよりはるかに多くの実験を行うことができるのを望んでいる場合が多い。
さらに、もし、研究者がより多くの費用を要せず、もしくはさらにより少ない費用で、極めて多数の細胞培養実験を行うことができたならば、社会は、より多くの知識、潜在的により少ない薬物発見費用、薬物発見率の上昇等という利益を受けることになろう。しかしながら、それと同時に、得られた大量のデータのマイニング、および費用のかかる繰り返しの回避、または重複実験の実行回避のような分野に課題も出現するであろう。
研究者も、大部分は、自分の組織内の他者による実験についての組織に蓄積された記録に乏しく、他の組織内の他者のものについてはさらに不足している。その結果、研究者は、資源および貴重な時間を浪費して、すでに行われた実験を実施してしまうかもしれない。これらの実験のうちのいくつかには、何百時間もかかる可能性があり、それにより研究者は、不要な実験に数週間を浪費するかもしれない。新たな薬物を特定し、それらを市場に出す一番手となる競争においては、そのような時間の損失は、極めて望ましくない。
場合によっては、単に組織が実験を行う人的資本を欠いているという理由で、実験が行われない。
従って、研究者がより多くの実験を行うことを可能にし、研究者がより多くの実験を並行して行うことを可能にし、かつ付随する人間の実験室作業員の増員なくして、組織がより多くの実験を行うことを可能にする道具が必要である。さらに、組織の内外を問わず、研究者が少なくとも一部の実験の計画および結果を共有することを可能にする道具が必要である。
多大な人数の科学者および/または技術者なくして、上に述べたようなより大きい規模の生物学的実験の実行を促進するためには、ロボットによる実験システムと、そのようなロボットシステムを用いてそのような実験を計画および実行するために研究者が使用可能な方法およびシステムとの両方が必要である。
国際公開第01/68257号パンフレット
本発明は、全体として、大規模、多因子の細胞培養実験等のコンピュータによって促進される計画、ならびに自動装置を用いてそのような実験を行うための反応サイトおよび/または反応サイトのアレイの制御に関する。本発明の主題には、いくつかの例では、相関関係にある産物、特定の問題に対する代替的解決策、および/または1つ以上のシステムおよび/または物品の複数の異なる使用法が含まれる。
一態様では、本発明は、方法である。一組の実施形態では、本方法は、自動細胞培養装置内で複数の細胞培養を行う動作と、各細胞培養に対して、自動細胞培養装置を作動させ、培養によって異なる可能性のある細胞培養の複数の実験因子を表すデータを複数の時点において収集する動作と、各培養に対して、第1の次元が実験因子を表し第2の次元が時間事象を表す2次元のマトリックスを規定するフィールドをコンピュータ可読メモリ内に備える、コンピュータ可読ストア内のデータ構造内に、データを自動細胞培養装置から自動的に記録する動作とを含む。別の組の実施形態では、本方法は、自動細胞培養装置を用いて複数の細胞培養を行う動作を含む。各細胞培養に対して、本方法は、細胞培養の複数の実験因子を表すデータを複数の時点において収集する動作と、該データをデータストア内のデータ構造内に記録する動作も含む。いくつかの例では、データ構造は、各培養に対して、第1の次元が実験因子を表し第2の次元が時間事象を表す2つの次元にアドレス指定可能なマトリックスを規定するフィールドを備える。
本方法は、別の組の実施形態では、細胞培養に対して複数の実験因子を定義する動作と、各実験因子に対して複数のレベルを定義する動作と、各因子に対して、複数のレベルから選択されたそれぞれのレベルを用いて、複数の実験プロトコルを生成する動作と、各実験プロトコルに関して、自動細胞培養装置を用いて、該実験プロトコルを細胞培養に適用する動作とを含む。
本方法は、さらに別の組の実施形態によれば、各々が複数のリアクタを備える複数のリアクタアレイを準備する動作と、各リアクタ上で動作するように単独で選択可能な少なくとも1つの反応係数を定義する動作と、リアクタアレイ内の各リアクタ上で、同時に動作するが単独では動作しない少なくとも1つのアレイ係数を定義する動作と、各反応係数および各アレイ係数に対して複数のレベルを定義する動作と、各反応係数および各アレイ係数に対して、複数のレベルから選択されたそれぞれのレベルを用いて、少なくとも1つのプロトコルが、第1のレベルの反応係数によって作動される第1のリアクタと第2のレベルの反応係数によって作動される第2のリアクタとを備える少なくとも1つのリアクタアレイを含む、複数の実験プロトコルを生成する動作と、各プロトコルに関して、自動装置を用いて、該プロトコルをリアクタアレイに適用する動作とを含む。
別の組の実施形態によれば、本方法は、各々が複数のリアクタを備える複数のリアクタアレイを準備する動作と、実験プロトコルにおいて選択された場合、選択されたリアクタ上で単独に動作することができる少なくとも1つの反応係数を定義する動作と、単一のリアクタアレイ内の各リアクタ上で同時に動作するが単独では動作しない少なくとも1つのアレイ係数を定義する動作と、各反応係数および各アレイ係数に対して複数のレベルを定義する動作と、1つ以上の組のうちの少なくとも1つの組が、(1)複数のリアクタアレイから選択された特定のリアクタアレイの第1のリアクタに適用可能な第1の実験プロトコルと、(2)特定のリアクタアレイの第2のリアクタに適用可能な第2の実験プロトコルとを含むように、複数のリアクタアレイに適用可能な1つ以上の組の実験プロトコルを生成する動作とを含む。いくつかの例では、第1の実験プロトコルおよび第2の実験プロトコルは各々、各選択された反応係数および各選択されたアレイ係数に対して、複数のレベルから選択されたそれぞれのレベルを用いて生成され、第1の実験プロトコルは、第1のレベルの反応係数を含み、第2の実験プロトコルは、第1のレベルとは異なる第2のレベルの反応係数を含む。本方法は、自動装置を用いて、実験プロトコルの組を、対応する特定のリアクタアレイに適用する動作も含むことができる。
別の組の実施形態では、本方法は、要因配置実験を用いて複数の細胞培養プロトコルを生成する動作と、自動細胞培養装置内で、複数の細胞培養プロトコルを用いて複数の細胞培養を行う動作と、複数の細胞培養からもたらされるデータを収集する動作と、各個々の実験用の因子の値をベースライン条件からの偏差の集合として表す要因配置実験のマトリックス表現を備える、機械可読媒体上のデータ構造内に、データを記録する動作とを含む。
さらに別の組の実施形態では、本方法は、細胞培養実験を行う際に用いるための、コンピュータ実行型の方法である。本方法は、コンピュータを作動させて、一組の実験因子、各因子に対する1つ以上のレベル、および1つ以上の因子値を設定し、かつ/または1つ以上の測定値を取得すべき1つ以上の時を受信するためのインタフェースをユーザに提示し、ユーザからの入力として、実験因子の組および1つ以上の時を受信し、要因配置実験を用いて、1つ以上の実験因子および1つ以上の時を含む1つ以上の実験を定義するデータ構造を生成し、かつ各実験プロトコルを、リアクタアレイ内の特定の細胞培養に割り当てる動作とを含む。
本方法は、さらに別の態様では、複数の要素、および、少なくとも1つの群が1つより多い要素を含む、複数の要素を含む複数の群を定義する動作と、各要素因子が各要素上で単独に動作し、各群因子が群内の各要素上で同時に動作するが単独では動作しない、少なくとも1つの要素因子および少なくとも1つの群因子を定義する動作と、各要素因子および各群因子に対して複数のレベルを定義する動作と、各要素因子および各群因子に対して、複数のレベルから選択されたそれぞれのレベルを用いて、各群および各群内の各要素上で動作する、少なくとも1つのプロトコルが少なくとも第1の要素および第2の要素を含み、第1の要素は要素因子の第1のレベルによって作動され、第2の要素は要素因子の第2のレベルによって作動される、少なくとも1つの群を含む、複数のプロトコルを生成する動作とを含む、コンピュータ実行型の方法である。
さらに別の態様では、本方法は、コンピュータを作動させて、各々が複数の要素を含み、少なくとも1つの群が1つより多い要素を含む、複数の群を入力するようにユーザに促す動作と、実験プロトコルにおいて選択された場合、選択された要素上で単独に動作することができる少なくとも1つの反応係数と、単一の群内の各要素上で、同時に動作するが単独では動作しない少なくとも1つの群因子と、各要素因子および各群因子に対する複数のレベルとを含む、コンピュータ実行型の方法である。このコンピュータ実行型の方法は、1つ以上の組のうちの少なくとも1つの組が、(1)複数の群から選択された特定の群の第1の要素に適用可能な第1のプロトコルと、(2)該特定の群の第2の要素に適用可能な第2のプロトコルとを含むように、コンピュータを作動させて、複数の群に適用可能な1つ以上の組のプロトコルを生成する動作も含む。いくつかの例では、第1のプロトコルおよび第2のプロトコルは各々、各選択された要素因子および各選択された群因子に対して、第1のプロトコルが第1のレベルの要素因子を含み、第2のプロトコルが第1のレベルとは異なる第2のレベルの要素因子を含む複数のレベルから選択されたそれぞれのレベルを用いて生成することができる。特定の例では、本方法は、コンピュータを作動させて自動装置に1つ以上の組のプロトコルを発行し、自動装置に、該1つ以上の組のプロトコルを複数の別個の実験を含む実験システムに適用させる動作も含む。
さらに別の態様では、本方法は、細胞培養実験を行う際に用いるためのコンピュータ実行型の方法である。本方法は、実験因子のリスト、各実験因子に対する1つ以上のレベル、および1つ以上の実験因子値を設定し、かつ/または1つ以上の測定値を取得すべき1つ以上の時を受信し、入力、実験因子のリストおよび1つ以上の時を受信するためのインタフェースをユーザに提示する動作と、受信した要因配置実験を用いて、各実験プロトコルが実験因子に対する1つ以上の値および1つ以上の時を含む、受信した1つ以上の実験プロトコルに対応するデータ構造を生成する動作と、各実験プロトコルを、リアクタアレイ内に含まれる特定の細胞培養に割り当てる動作とを含む。
本発明は、別の態様のシステムを含む。一組の実施形態では、本システムは、二次元マトリックスを規定するフィールドを備える少なくとも1つのデータ構造を格納した機械可読媒体を備える自動細胞培養装置を含む。いくつかの例では、第1の次元は実験因子を表し、第2の次元は時間事象を表す。
本発明のさらに別の態様によれば、種々の物品が提供される。一組の実施形態では、この物品は、自動細胞培養装置を作動させる際に用いるための命令および少なくとも1つのデータ構造を含む信号を格納した機械可読媒体を含む。いくつかの実施形態では、データ構造は、第1の次元が実験因子を表し第2の次元が時間事象を表す、二次元マトリックスを規定するフィールドを備える。
いくつかの実施形態では、物品は、自動細胞培養装置を作動させて、該装置に一連の細胞培養実験を実行させ、かつ該一連の細胞培養実験からデータを収集する際に用いるための命令および少なくとも1つのデータ構造を含む信号を格納した、機械可読媒体を備える。いくつかの例では、データ構造は、各個々の実験に対する因子の値をベースライン条件からの偏差の集合として表す、要因配置実験のマトリックス表現を含む。
いくつかの実施形態では、物品は、プログラムを格納した機械可読媒体である。一実施形態では、プログラムは、実行されると、細胞培養実験に対する実験パラメータを表す複数の因子を定義するユーザ入力を受信する動作、各因子に対して、実験で用いるための複数のレベルを定義する動作、各因子に対して、複数のレベルから選択されたそれぞれのレベルを用いて、複数のプロトコルを生成する動作、および、各プロトコルに関して、プロトコルを細胞培養に適用する動作を遂行するための命令を含む。別の実施形態では、プログラムは、実行されると、細胞培養に対する複数の実験因子を定義する動作、少なくとも一部の実験因子に対して、複数のレベルを定義する動作、各因子に対して、複数のレベルから選択されたそれぞれのレベルを用いて、複数の実験プロトコルを生成する動作、および各実験プロトコルに関して、自動細胞培養装置を用いて、実験プロトコルを細胞培養に適用する動作を遂行するための命令を含む。
さらに別の態様では、プログラムは、実行されると、実験因子のリスト、各実験因子に対する1つ以上のレベル、および1つ以上の実験因子値を設定し、かつ/または1つ以上の測定値を取得すべき1つ以上の時を受信するためのインタフェースをユーザに提示する動作、入力として、実験因子のリストおよび1つ以上の時を受信する動作、受信した要因配置実験を用いて、各実験プロトコルが実験因子に対する1つ以上の値および1つ以上の時を含む、受信した1つ以上の実験プロトコルに対応するデータ構造を生成する動作、および各実験プロトコルをリアクタアレイ内に含まれる特定の細胞培養に割り当てる動作を遂行するための命令を含む。
いくつかの実施形態によれば、プログラムは、実行されると、各々が複数のリアクタを備える複数のリアクタアレイを定義するユーザ入力を受信する動作、各リアクタ上で動作するように単独に選択可能な少なくとも1つの反応係数を定義するユーザ入力を受信する動作、リアクタアレイ内の各リアクタ上で同時に動作するが単独では動作しない少なくとも1つのアレイ係数を定義するユーザ入力を受信する動作、各反応係数および各アレイ係数に関するユーザ入力を受信し、複数のレベルを定義する動作、および、各反応係数および各アレイ係数に対して、複数のレベルから選択されたそれぞれのレベルを用いて、少なくとも1つのプロトコルが、第1のレベルの反応係数によって作動される第1のリアクタと第2のレベルの反応係数によって作動される第2のリアクタとを備える少なくとも1つのリアクタアレイを含む、複数の実験プロトコルを生成する動作を遂行するための命令を含む。
さらに別の態様では、プログラムは、実行されると、各々が複数のリアクタを備える複数のリアクタアレイを準備する動作、実験プロトコルにおいて選択された場合、選択されたリアクタ上で単独に動作することができる少なくとも1つの反応係数を定義する動作、単一のリアクタアレイ内の各リアクタ上で同時に動作するが単独では動作しない少なくとも1つのアレイ係数を定義する動作、各反応係数および各アレイ係数に対して複数のレベルを定義する動作、および、1つ以上の組のうちの少なくとも1つの組が、(1)複数のリアクタアレイから選択された特定のリアクタアレイの第1のリアクタに適用可能な第1の実験プロトコルと、(2)特定のリアクタアレイの第2のリアクタに適用可能な第2の実験プロトコルとを含むように、複数のリアクタアレイに適用可能な1つ以上の組の実験プロトコルを生成する動作を遂行するための命令を含む。第1の実験プロトコルおよび第2の実験プロトコルは各々、各選択された反応係数および各選択されたアレイ係数に対して、複数のレベルから選択されたそれぞれのレベルを用いて生成することができ、第1の実験プロトコルは、第1のレベルの反応係数を含み、第2の実験プロトコルは、第1のレベルとは異なる第2のレベルの反応係数を含む。特定の例では、本方法は、自動装置を用いて、実験プロトコルの組を対応する特定のリアクタアレイに適用する動作も含む。
さらに別の態様では、プログラムは、実行されると、複数の要素、および、少なくとも1つの群が1つより多い要素を含む、複数の要素を含む複数の群を定義するユーザ入力を受信する動作、各要素因子が各要素上で単独に動作し、各群因子が群内の各要素上で同時に動作するが単独では動作しない、少なくとも1つの要素因子および少なくとも1つの群因子を定義するユーザ入力を受信する動作、各要素因子および各群因子に対して複数のレベルを定義する動作、ならびに、各要素因子および各群因子に対して、複数のレベルから選択されたそれぞれのレベルを用いて、少なくとも1つのプロトコルが、少なくとも第1の要素および第2の要素を含む少なくとも1つの群を含み、第1の要素が第1のレベルの要素因子によって作動され、第2の要素が第2のレベルの要素因子によって作動される少なくとも1つの群を含む、各群および各群内の各要素上で動作するための複数のプロトコルを生成する動作を遂行するための命令を含む。
別の態様では、本発明は、本明細書に記載する実施形態のうちの1つ以上を作成する方法を対象としている。さらに別の態様では、本発明は、本明細書に記載する実施形態のうちの1つ以上を用いる方法を対象としている。さらに別の態様では、本発明は、本明細書に記載する実施形態のうちの1つ以上を促進する方法を対象としている。
さらに別の態様では、細胞培養実験を選別する方法は、実行された自動細胞培養実験の複数の記述子、および得られた実験データを、データストア内に収集する動作と、コンピュータを作動させて、提供された記述子基準に適合する記述子を目的としてデータストアを検索する動作とを含む。記述子および実験データを収集する動作は、上述の記述子および実験データを別個に格納する動作を含むことができる。記述子を収集する動作は、多数のソースから、それらのソースによって行われた実験の記述子を集める動作を含むことができる。コンピュータを作動させて検索を行う動作は、コンピュータを作動させて、検索者または検索要求者(置き替え可能に、「検索者」)が検索の許可を得ている記述子のみを検索する動作を含むことができる。データストアの検索、ストアへの記述子の追加、ストアへの実験データの追加、または検索結果と関連する情報の取り出しに対して、料金が課される場合もある。
別の態様は、プロセッサ上で実行されると、前述の方法および装置のうちのいずれかの方法を実行しかつ装置を構成するための動作を定義する信号を記録した、コンピュータ可読媒体である。
さらに別の態様は、自動細胞培養装置に託す実験を定義し、かつ細胞培養実験に望ましい実験条件を符号化するために用いることができる記述子を記録したコンピュータ可読媒体である。
さらに別の態様は、機械可読形式の記述子として、自動細胞培養装置によって直接間接を問わず使用可能なフォーマットで、実験を行うためのパラメータおよび仕様書を記録する動作を含む、細胞培養実験を行う方法である。本方法は、測定値を対応する実験用記述子と関連付ける機械可読形式で、上述の実験によりもたらされた測定値を記録する動作をさらに含んでもよい。解釈プログラム、すなわちパーサを用いて、一組の1つ以上の関連する記述子を一組の所望の実験条件として解釈し、対応する一連のコマンドを生成し、自動システムによって操作されるバイオリアクタ内で対応する実験を実行するよう該自動システムに命令してもよい。このようなインタープリタ、すなわちパーサは、細胞培養装置の記述子フォーマットおよびコマンドセットならびにシンタックスの詳細に特定的なものとなり、その記述または設計方法は、ソフトウェア技術者の平均的技術の範囲内にある。バイオリアクタは、アレイ状に配列することができ、本方法は、実験に必要なアレイの数を最小限にするために、実験パラメータをアレイにマップする動作をさらに含むことができる。
別の態様は、コンピュータを作動させて、ユーザが上述の要因配置実験に対応する一組の機械可読記述子を生成するのを支援する動作を含む、1因子または多因子の実験計画を実行する方法である。このような方法は、記述子を「タグ」として用い、後の検索および分析のために、実験によりもたらされたデータにインデックスを付ける動作をさらに含むことができる。
さらに別の態様は、上述のストア内のデータセットのタグを比較することによって、データストアに記録されている以前の細胞培養実験の結果を検索する動作と、類似度によってランク付けされた結果をクエリタグに返す動作とを含む、効率的な細胞培養実験の実行を促進する方法である。
このような態様は、特定の実施形態では、単独、またはいずれかの矛盾しない組み合わせのように見えるかもしれない。
本発明の他の利点および新規な特徴は、添付の図面と併せて考察すれば、本発明の種々の非限定的実施形態の以下の詳細な説明から明らかとなろう。本明細書および引用により組み込まれる文書に、矛盾しかつ/または一貫性のない開示内容が含まれていた場合、本明細書が支配するものとする。引用により組み込まれる2つ以上の文書に、互いに矛盾しかつ/または一貫性のない開示内容が含まれていた場合、発効日が新しい方の文書が支配するものとする。
概略的で、一律の縮尺に従って描くことを意図していない添付の図面を参照し、例証として、本発明の非限定的実施形態を説明する。図中、各同一またはほぼ同一の構成要素は、通常、単一の数字で表されている。理解しやすいように、すべての図面中のすべての構成要素に名前が付けられているわけではなく、また当業界の通常の技術者に本発明を理解させるのに図解が必要ではない場合、本発明の各実施形態のすべての構成要素が示されているわけでもない。
大規模、多因子の細胞培養実験等のコンピュータによって促進される計画、ならびに自動装置(しばしば「ロボット」と呼ばれる)を用いてそのような実験を行うための反応サイトおよび/または反応サイトのアレイの制御に関するシステムおよび方法を本明細書に提示する。特定の例では、本発明は、例えば自動細胞培養装置を用いて、複数の細胞培養実験を制御することを目的としている。一組の実施形態では、細胞培養実験に関して用いるためのデータ構造または「記述子」を提供する。記述子は、データストア内に保持することができ、例えば、1つ以上の細胞培養実験を制御するため、1つ以上の細胞培養実験を特定するため、および/または、例えばその後の分析または不良品回収用に、1つ以上の細胞培養実験から生じるデータを識別または「タグ付けする」ために用いることができる。別の組の実施形態は、全体として、例えば因子のすべてが単独で動作することができるわけではない要因配置実験、すなわち「制約付き」要因配置実験を用いて、反応サイトおよび/または反応サイトのアレイ(例えば1つ以上の細胞培養を含む)を制御するための実験プロトコルを生成する(例えば実験の枠組み内で)ことを目的としている。例えば、個々の細胞培養について一度に1つを実験するかわりに、多数の反応サイトをアレイ状に配列することができ(例えばチップまたは他の物理的物品内に)、その後、1つの反応サイト上で単独にではなく、反応サイトのアレイ全体上で動作する温度のようないくつかの因子で、反応サイトのアレイを操作することができる。制約付き要因配置実験は、細胞培養または反応サイトアレイのみに限定されるものではなく、1つ以上の因子が群内の各要素上で同時に動作するが単独では動作しない、複数の要素、および複数の要素を含む複数の群が存在するどのような要因配置実験にも用いることができる。記述子は、パーサへの入力として用いることができ、次に、パーサが、自動装置を制御し、実験を行うための対応するコマンドまたは信号を生成する。本発明の他の実施形態は、例えば、実験計画を策定し、自動細胞培養装置を制御するのに用いるための、上述のいずれかを実行する機械および/またはコンピュータ可読媒体、ならびにそのような媒体を作成する方法を対象としている。
類似した構造の記述子を含むデータストアの利用は、研究者が実験を検索して、類似した何らかの実験が以前に行われていないかどうかを判断するためのよりどころとなる。次いで、データストアに対する許可権の管理方法に応じて、クエリを行っている研究者は、先に行われた実験の結果へのアクセスを許可されるか、またはロックアウトされる。クエリを行っている研究者は、例えば、照会者が相手方にアプローチしてデータへのアクセス条件を交渉できるように、先の実験を行った研究者へのコンタクト情報のみを与えられかもしれない。アクセスに対する許可は、第三者が仲介してもよく、研究者の機関が永続的なアクセス合意を確立し、予測可能な2〜3の別形を指定してもよい。データストアは、1実体が所有および維持することができ、経営的意思決定に応じて、そのコンテンツへのアクセスに対して課金しても、アクセスを無料としてもよい。そのようなシステムに付属するものとして、実体は、要求に応じて記述子の1つ以上のデータストアを検索し、検索結果を提供するサービスを行うことができる。結果は、見出された一致に関する単純なはい/いいえの提示から、ある合意を基準とした実際の実験結果の共有までの範囲に及ぶことができる。データストアは、多数の関係者の実験の記述子およびデータを含むことができ、また別の関係を有する一般人または購読者もしくは実体に対する中央サービス事務局となることができる。
本発明の種々の態様は、全体として、例えば1つ以上の反応サイトを含むチップ内に含まれた反応サイト内に配置された、化学試料、生物試料、および/または生化学試料の制御に関する。チップ内の反応サイトは、チップの使用中、その中で物理的、化学的、生化学的、および/または生物学的反応が発生することができるように構築および配置することができる。一態様では、本発明は、1つ以上のハンドリング装置によってアドレス指定可能な、例えば、ハンドリング装置を取り囲むように配置された、1つ以上のモジュール内のチップの制御に関する。いくつかの例では、多くのチップを、数十または数百以上もの反応サイトおよび/またはチップ上で実験(あるいは他の動作)を行うように制御することができる。これらのリアクタは、例えば、自動的にチップを制御して、例えばモジュール間でチップを移動させ、かつ/または実験工程計画もしくは製造工程計画(例えば、対応する記述子に従った)を達成することができる、例えばロボット工学を用いて、例えば順次もしくは並行して制御することができる。例えば、本発明の特定の実施形態は、例えば、薬物類、蛋白質類のような化合物、および/または他の治療物質類の製造のために、例えば、化学的、生物学的、および/または生化学的合成、および/または細胞の培養もしくは増殖、あるいは生物学的な培養または増殖を、実験または製品化の観点から促進または最適化するために用いることができる。従って、本発明の実施形態は、コンピュータ制御下で、複数のリアクタ、例えば数百または数千のリアクタを、必要となるユーザによる動作を最小限にして計画し実施するために用いることができる。かなりの時間の節約がもたらされ、かつ、機器費用を考慮した後でさえも、1実験当たりの費用を大幅に削減することができる。
本明細書において使用する「マイクロバイオリアクタアレイ」または「チップ」は、1つ以上の反応サイトを含む物品である。一般に、チップは通常、平坦または平面的な物品(すなわち、他の寸法と比較して相対的に小さい寸法を有する物品)であるが、いくつかの例では、チップは非平坦である。反応サイトは、チップの形状に応じて、その上に、任意の適切な構成、例えば、直線的に、マトリックス構成または直線構成に配列することができる。チップは、任意の適切な製造技術または技術を組み合わせたものを用いて製造することができる。潜在的に適切な製造工程の非限定的例には、ウェットエッチング、化学蒸着、高深度反応性イオンエッチング、陽極接合、射出成形、ホットプレス、および/またはLIGAが含まれる。例えば、チップは、少なくとも部分的に、例えば標準的リソグラフィ技術によって、シリコンまたは他の基板をエッチングするか、もしくは型に入れて作ることによって製造することができる。チップは、マイクロアセンブリ法またはマイクロマシニング法、例えばステレオリソグラフィ、レーザ化学による三次元書き込み法、モジュラー組み立て法、レプリカ成形技術、射出成形技術、ミリング技術、および当業界の通常の技術者に知られている同様の技術を用いて製造することができる。チップを形成するのに用いることができる材料の例には、高分子、シリコーン、ガラス、金属、セラミック、無機物、および/またはこれらまたは他の材料を任意に組み合わせたものが含まれる。
本発明と共に用いるのに潜在的に適したチップの非限定的例には、各々が引用により本明細書に組み込まれる、2002年4月10日に提出され、2003年4月24日に2003/0077817として公開された、Zarurらによる「Microfermentor Device and Cell Based Screening Method」と題する米国特許出願第10/119,917号、2003年8月1日に提出され、2004年6月24日に2004/0121454として公開された、Juryらによる「Microreactor」と題する米国特許出願第10/633,448号、2003年6月5日に提出され、2004年3月25日に2004/0058437として公開された、Rodgersらによる「Materials and Reactor Systems having Humidity and Gas Control」と題する米国特許出願第10/457,049号、2003年6月5日に提出され、2004年3月25日に2004/0058407として公開された、Millerらによる「Reactor Systems Having a Light−Interacting Component」と題する米国特許出願第10/457,015号、2003年9月16日に提出され、2004年7月8日に2004/0132166として公開された、Millerらによる「Determination and/or Control of Reactor Environmental Conditions」と題する米国特許出願第10/664,046号、2003年9月16日に提出され、2005年2月3日に2005/0026134として公開された、Millerらによる「Systems and Methods for Control of pH and Other Reactor Environmental Conditions」と題する米国特許出願第10/664,068号、2003年6月16日に提出され、2005年2月10日に2005/0032204として公開されたRodgersらによる「Microreactor Architecture and Methods」と題する米国特許出願第10/664,067号、2004年6月7日に提出された、Johnsonらによる「Reactor Mixing」と題する米国暫定特許出願第60/577,986号、2004年6月7日に提出されたRodgersらによる「Gas Control in a Reactor」と題する米国暫定特許出願第60/577,977号、2004年9月14日に提出された、Millerらによる「Inlet Channel Volume in a Reactor」と題する米国暫定特許出願第60/609,721号、または2004年12月14日に提出された、Johnsonらによる「Creation of Shear in a Reactor」と題する米国暫定特許出願第60/636,420号に開示されているものが含まれる。
反応サイトは、反応サイトの使用中、物理的、化学的、生化学的、および/または生物学的反応を生成するように構築および配置されたチップ内に規定された位置である。いくつかの例では、1つより多い反応サイトがチップ内に存在することができる。特定の実施形態では、反応サイトは、1つ以上の生体物質、例えば、細胞および/または組織も含むことができる。
一実施形態では、多くの細胞培養反応に対して、反応サイトの容積を非常に小さくすることができる。具体的には、種々の実施形態で、反応サイトは、1リットル未満、約100ml未満、約10ml未満、約5ml未満、約2ml未満、約1ml未満、約300マイクロリットル未満、約100マイクロリットル未満、約30マイクロリットル未満、または約10マイクロリットル未満の容積でさえも有することができる。特定の例では、反応サイトは、約5マイクロリットル未満、または約1マイクロリットル未満の容積を有することもできる。反応サイトは、任意の有利な大きさおよび/または形状を有することができる。1チップ内に1つより多い反応サイトが存在する場合、各反応サイトは、同一の大きさおよび/または形状、もしくは異なる大きさおよび/または形状を別個に有することができる。
一組の実施形態では、本発明のシステムは、限定するものではないが、細胞および/または組織を含む化学物質、生化学物質、および/または生体物質を制御するようになっているクラスタツール型の装置を備えることができる。本明細書において使用する「クラスタツール」とは、対象物が異なる試験条件および/または処理条件で保管されているか、またはそれらの条件にさらされている場合に、対象物を、異なる位置間、一般に「モジュール」間で移動させることができる装置である。クラスタツールは、モジュールによってほぼ取り囲まれた(例えば放射状に)縦軸を中心として回転することができる1つ以上の自動アクチュエータ(例えばハンドリング装置)を含むことができ、種々の試験および/または処理ステップのために、対象物をモジュールの内外へ導入・除去することができる。いくつかの例では、ハンドリング装置は、例えば1つ以上のチップを解放可能に把持するための機械的爪を有する、多関節アームとすることができる。本明細書において使用する「自動」システムまたは装置は、例えば以下にさらに説明するような、人間の命令なくして機能することができるシステムまたは装置を指す。すなわち、例えばコンピュータに命令を入力することによって、機能を促進するための何らかの行動を人間が取り終えた後の期間中は、自動システムが機能を実行することができるのである。一般に、自動システムは、この時点の後、反復機能を実行することができる。本システムの制御を促進するために、センサ、制御システム、または類似のものも配置することができる。このようなシステムの一非限定的例は、引用により本明細書に組み込まれる、2004年6月7日に提出され、2005年2月17日に米国特許出願公開第2005−0037485として公開された、Rodgersらによる「System and Method for Process Automation」と題する米国特許出願第10/863,585号に開示されている。
ここで図を参照する。図1では、システム100(図式的に上面図で示す)は、ハンドリング装置20と、ハンドリング装置によってアドレス指定可能となるように配置された複数のモジュール31、32、33、34、35(図示の実施形態では全体としてハンドリング装置を取り囲む)とを含む。ハンドリング装置20は、自動化および/または手動制御することができる。図1では、ハンドリング装置20は、縦の(紙の平面に入り込んだ)軸上で枢動する中央枢動機構21と、種々のモジュールをアドレス指定するための、中央枢動機構から出るアーム22と、試料(例えばチップ)を固定して、ハンドリング装置20によってアドレス指定可能なモジュールのうちの少なくとも1つ、好ましくは全部に、該試料を導入および/または除去するように構築・配置された試料固定機構23を含む。固定機構23は、クランプ、デテント機構、チップ内の対応するくぼみに挿入可能な突起を含む機構、または同種のものとすることができる。図に示すように、チップ10は、固定機構23によって固定されており、ハンドリング装置20は、システム100を中心としてチップ10を移動させることができる。枢動機構21は、紙の平面に垂直な軸を中心としてチップ10を回転させることができ(矢印2で示す、軸は機構21の中心に位置合わせされている)、一方で、アーム22は、該軸にほぼ垂直な方向(すなわち、矢印4で示すように、該軸に向かうかまたはそれから離れる半径方向に)および/または該軸とほぼ平行な方向(すなわち、紙の平面に垂直な方向に、方向は図示せず)にチップ10を移動させることができる。
ハンドリング装置20の周りに半径方向に配置されているのは、一連のモジュール31、32、33、34、35である。これらのモジュールは、ハンドリング装置20がモジュールのいずれかにチップを追加または除去することができるように配列されている。図1は、単独で軸を中心としてチップを回転させ、かつ該軸にほぼ垂直な方向のうちの少なくとも1つの方向、および該軸とほぼ平行な方向にチップを平行移動させることができる回転装置を示しているが、別の実施形態では、別の装置を用いて、チップを1つのモジュールから別のモジュールへ移動させることができることに留意されたい。非限定的例を挙げれば、ハンドリング装置は、モジュール内からチップを取り出し、かつ/またはモジュール内にチップを配置することができるように、十分に関節をなした1つ以上のアームを有する多軸関節ロボットを含むことができる。例えばハンドリング装置は、1つ以上のアーティキュレート関節(例えば、肩関節、肘関節、および/または腕関節)を有する「アーム」を含むことができる。追加の非限定的例を挙げれば、ハンドリング装置は、円筒状装置、線形平行移動試料台、昇降機構、コンベヤベルト等を含むことができる。
ハンドリング装置は、ハンドリング装置に近接して配置された1つ以上のモジュールを往復して、1つ以上のチップを固定および/または移送することができる(例えば、以下にさらに論じるように、実験記述子に従って)。ハンドリング装置は、例えば、ユーザに応答して、または自動シーケンスで、チップを制御することができる。例えば、図1では、ハンドリング装置20は、チップを第1のモジュール(ハンドリング装置20にアクセスしやすい、いずれのモジュールでもよい)に配置し、該モジュールにチップ上での操作を実行させ(例えば、以下に説明する試験および/または処理)、次いで、チップを第1のモジュールから第2のモジュールへ移動させることができる。一実施形態では、ハンドリング装置は、チップを固定するか、またはモジュールからチップを「つかみ取り」、かつ/またはモジュール内にチップを配置することができる1つ以上のエフェクタ機構を含むことができる。当業界の通常の技術者は、チップを固定および/または配置することができる適切な機構を選択することができるであろう。
いくつかの実施形態では、本システムは、例えば図2に示すように、1つより多いハンドリング装置を含むことができる。この図では、システム100は、2つのハンドリング装置20、25と、2つのハンドリング装置の周りに配置された一連のモジュールとを含む。モジュール31、32、33、および34は、ハンドリング装置20にアクセスしやすいように配列され、モジュール35、36、37、38、および39は、ハンドリング装置25にアクセスしやすいように配列されている。コンベヤシステム24は、ハンドリング装置20とハンドリング装置25との間でチップを移送するのに用いることができる。
ハンドリング装置は、例えば、本明細書においてさらに説明する実験プロトコル、ユーザからの命令、センサの測定値等に応答して、モジュール間でチップを移動させることができる。本明細書において使用する「モジュール」は、チップ上での操作を含み、かつ/または実行することができる装置である。例えば、モジュールは、チップを保持し(例えば、有限期間、または特定の環境もしくは他の条件下で)、チップを加熱および/または冷却し、チップ(またはチップ内の構成要素または物質)の同一性を判定し、チップ上で測定を行い、チップに物質を追加するかまたはチップから物質を取り出し、チップ上でアッセイを行い、チップのpHを制御し、チップ内で反応および/または相互作用を生じさせ、チップ内の1つ以上の化学種(酸素、二酸化炭素、窒素、試薬類、細胞類、培地、または栄養素類、例えば、グルコース、グルタミン、ピルビン酸塩、および/または種々のアミノ酸類、ビタミン類、ホルモン類、血清、イオン類等)の濃度を測定し、かつ/または、例えば産物価、蛋白価、抗体価、細胞価、ホルモン価、小分子(すなわち、約1000Da未満の分子量を有する分子)価、ペプチド価、リガンド価等で、チップ内の被検体を測定することができる。別の例を挙げれば、チップが1つ以上の細胞を含んでいる場合、モジュールは、該細胞の1つ以上の特性、例えば、細胞濃度、細胞密度、細胞の生存度、細胞の収量(例えば産物の)、細胞増殖率、細胞型、細胞形態学、細胞粘着等を測定することができる。本システム内の上述のモジュールのいずれも、例えば、特定のアプリケーションのニーズにかなうように、交換または置き換えることができる。いくつかの例では、モジュールは、交換可能に設計されている。これらのモジュールは、本システムの動作周期の間で交換することができ、かつ/または本システムが動作している間でさえも交換することができる。特定の実施形態では、1つ以上のモジュールおよび/またはハンドリング装置をハウジング内に入れ、例えば、モジュールの内部および/またはモジュール内に含まれるあらゆるチップの清浄度および/または無菌状態を維持することができる。
本発明と共に用いることができるモジュールの例には、限定するものではないが、任意選択的に無菌環境でチップを格納もしくは含むことができる「スタック」モジュールまたは「保持」モジュール、チップを滅菌する(例えば、温度を上昇させるか、または電離放射線の照射によって)ことができる滅菌モジュール、特定のチップを検出または断定することができる(例えば、色またはバーコード、高周波タグ、もしくはメモリまたは他の半導体チップのような識別特性を用いて)識別モジュール、チップからデータを読み取るかチップにデータを書き込むことができるデータ転送モジュール、物質(例えば、流体または流体内に含まれる物質)、例えば試薬類、化学物質類、細胞類、培地、pHバッファ類、イニシエータ等をチップに追加し、かつ/またはチップから取り出することができる流体移送モジュール、環境条件、例えばpH、温度、大気条件(例えば、気体濃度)、湿度、溶存酸素濃度または溶存二酸化炭素濃度、チップ内の(例えば、培地内の)栄養素類または他の化学物質類の濃度、細胞密度、細胞の生存度、細胞形態学または他の細胞特性のような、チップ内の条件を測定および/または記録することができるセンサモジュール、チップまたは反応サイトのようなチップの一部の画像を取得する(例えば、任意選択的に蛍光によるなどして)ことができる撮像モジュール、冷凍モジュール、温度および/または他の大気条件(相対湿度のような)を所定のレベルに維持し、例えば、所望の環境条件または環境条件の範囲を提供することができる培養モジュール、チップから物質(例えば、培地、細胞、産物等)を取り出すことができるサンプリングモジュール、チップ上で化学アッセイまたは生物学的アッセイを行うことができるアッセイモジュール、チップを物理的に操作する(例えば撹拌しながら)ための作動モジュール、または同種のものが含まれる。これらおよび/または他のモジュールを組み合わせたもの、例えば、チップを充填しかつ温めるモジュールも企図される。これらおよび他のモジュール機能のさらに別の例を、以下にさらに説明する。
モジュール機能の一例を挙げれば、いくつかの実施形態では、例えば、ハンドリング装置が別のチップを操作している間、もしくはチップを次のステップおよび/または次のモジュールへ移動させることが可能となるまでに一定の時間が必要な場合に、モジュールのうちの少なくとも1つは、一定の長さの時間、チップを保持または収容しておくことができる(例えば、「保持」モジュールまたは「スタッキングモジュール」モジュール)。例えば、保持モジュールは、他のモジュールを必要とする他の活動の間で試料をねかせ、かつ/または格納するために用いることができる。
モジュール機能の別の例を挙げれば、モジュールは、その中に含まれた1つ以上のチップを識別することができる。一実施形態では、モジュールは、バーコード、通し番号のようなチップと関連付けられた識別タグ、カラータグ、無線タグ、磁気タグ、高周波タグ、またはメモリもしくは他の半導体チップ、または他の識別特性を読み取ることができる識別システムを有する。
モジュール機能のさらに別の例を挙げれば、モジュールは、チップにデータを書き込み、かつ/またはチップからデータを読み取ることができるデータ転送モジュールとすることができる。例えば、チップに読み書きされるデータは、識別データ、動作条件または環境条件データ、アッセイまたは他のチップに対する操作の結果等を含むことができる。
モジュールの機能の別の例では、場合によって、モジュールは、モジュール内(例えば「感知」モジュール)内、および/またはチップ(もしくは反応サイト内のようなチップの一部)内の内部環境を測定および/または制御することができる。モジュール内および/またはチップ内の環境の測定および/または制御は、例えば、モジュール上および/またはモジュール内および/またはモジュールに近接して配置された1つ以上のセンサ、プロセッサ、および/またはアクチュエータを用いて達成することができる。
モジュールの機能のさらに別の例では、モジュールは、チップ、または反応サイトのようなチップ内の構成要素に、化学種を追加(例えば、「充填」モジュール)もしくは取り出す(例えば「サンプリング」モジュール)ことができる。いくつかの例では、モジュールは、チップへの化学種の追加と取り出しの両方を行うことができる。例えば、モジュールは、例えばアクチュエータおよび/またはセンサに応答して、チップまたはその構成要素へ、かつ/またはチップ、または反応サイトのようなその構成要素から、流体もしくは流体内に含まれた物質を、追加および/または取り出すことができる流体移送システムを含むことができる。例えば、流体移送システムは、指定量の化学物質類、イニシエータ、原材料類、液体類、pHバッファ類、細胞類、培地、試薬類、産物類等を追加および/または取り出すことができる。別の例を挙げれば、流体移送システムは、例えば分析のため、またはその後の処理のために、チップから試料を取り出すことができる。
モジュールの機能のさらに別の例では、モジュールは、チップを滅菌する、例えば、チップ内の生体細胞(例えばバクテリア)、ウイルス等を殺すかまたは他の方法で非活性化することができる滅菌システムを含むことができる。滅菌システムは、化学物質類、放射線(例えば、紫外線および/または電離放射線によって)、熱処理(例えば、温度を水の沸騰点より上まで上昇させる)、または同種のものを用いて、チップを滅菌することができる。適切な滅菌技術は、当業界の通常の技術者に知られている。
モジュールの機能のさらに別の例では、モジュールは、チップをモジュール内に配置することができる配置システムを含むことができる。当業界の通常の技術者は、モジュール内で用いるための適切な配置システムが分かるであろう。
上述の機能および/または他の機能を組み合わせたものを、モジュールに含めてもよい。従って、一実施形態では、モジュールは、例えば、センサ、プロセッサ、制御システム等を組み合わせたものを用いて、チップ、または反応サイトのようなチップ内の構成要素上でアッセイを行うことができるように設定されている。例えば、モジュールは、チップ上で(またはチップ内の構成要素上で)、ELISA、免疫学的アッセイ、親和結合アッセイ、ブロッティングアッセイ、光度定量、偏光測定等のような生物学的アッセイを行うように設定することができる。例えば、モジュールは、センサによるチップの監視または感知と併せて、生物学的、化学的、および/または生化学的アッセイを自動的に実行することができるように設定することができる。当業界の通常の技術者には、本発明に関する使途に適合させることができる他のアッセイが容易に企図されるであろう。
チップを操作するために特定の実施形態に提供することができるモジュールの他の非限定的例には、特定の市販の装置、例えば、各々Tecan(スイス、Maennedorf所在)が提供している、Freedom EVO、Genesis RSP、またはGenesis NPSが含まれる。特定の実施形態では、上述の1つ以上のモジュールおよび/またはハンドリング装置を、オペレータ(例えば、機械システムまたは自動システム、もしくは人間のユーザ)によって制御することができる。特定の実施形態によるシステムは、本明細書にさらに説明するように、例えば、ユーザインターフェース(コントロールパネルのような)またはコンピュータを用いて、人間のユーザがモジュールおよび/またはハンドリング装置の動作を制御することができる(手動または自動で)ように設定することができる。しかしながら、別の実施形態では、例えば、本システムが特定の条件に自動的に応じることができるように、または特定のレベルの生産性に到達することができるように、本システムをプログラム可能とし、かつ/または自動化することができる。もちろん、いくつかの実施形態では、例えば、ユーザが自動プログラムを無効にするか、または変更することができる場合、本システムは、ユーザ制御とすることも、自動とすることもできる。
いくつかの実施形態では、本システムは、実験のいずれかの局面、または本システムによって実行中の一連の実験を、ユーザに計画および/または制御させ、かつ/または監視させるように設定することができる、ユーザインタフェース(例えば、おそらくはビデオディスプレイ画面12およびキーボードならびにマウスのような1つ以上の入力装置を有する、適切に設定またはプログラムされたコンピュータもしくは単なるコントロールパネルによって提供される)を含む。例えば、ユーザインタフェースは、モジュールのうちのいずれかまたは全部、および/またはハンドリング装置の自動制御もしくは手動制御を可能にするように設定することができる。ユーザインタフェースは、いくつかの例では、自動または少なくとも部分的に自動での、本システムによって生成されたデータの分析、測定、格納、ロギング、検索、ハンドリング、タグ付け等を可能にすることもできる。いくつかの例では、例えば本システムによって実験が行われている間に、データをリアルタイムで測定および/または分析することができる。同一のコンピュータを用いて、実験を「構築」し、実験の実行を制御および/または監視するためのユーザインタフェースを提供してもよく、異なるコンピュータおよび/またはインタフェースを用いてもよい。実際には、実験を計画するために用いるコンピュータ/インタフェースは、それらの間における通信リンクの有無にかかわらず、システム100と共に共同設置してもよく、それから離れていてもよい。非限定的例を、図1に示す。この図では、コンピュータ5が、本システムを制御および/または監視するために用いることができる、ユーザインターフェース、またはUI(例えば、UIを生成するコンピュータプログラム)を提供する。本明細書においてさらに論じるように、任意選択的に、コンピュータは、ユーザに実験を計画−すなわち、本システムによって実行されることになる1つ以上の実験プロトコルを生成させてもよい。コマンドは、コンピュータ5から、リンク7(例えば、システムバス、ケーブル、ワイヤレスインタフェース)を経由して、ハンドリング装置20に送信することができる。コンピュータは、任意の適切な言語、例えば、限定するものではないが、Java(登録商標)、Perl、C、C#、またはC++、FORTRAN、Pascal、Eiffel、Basic、COBOL、機械語等、または種々のそれらの組み合わせのうちのいずれかでプログラムすることができる。
いくつかの実施形態では、本システムは、コンピュータ5,または同一の位置に配置されるか、または適切に相互接続された別のコンピュータに、データ管理システム(例えば、適切なコンピュータプログラミングおよび(複数の)データストア6)を含むことができる。データ管理システムは、例えば、本システムによって生成されたデータの検索を可能にするように設定することができる。そのようなデータには、実験計画データおよび実験の測定値が含まれる。いくつかの例では、例えば、以下にさらに説明するように、記述子を用いて、タグ付け、検索、および/またはデータの格納を促進することができる。すなわち、以前の実験および結果を検索して判断するのを促進するために、実験を構造化方式、(複数の)ファイルまたは(複数の)記録にして記録することができるのである。本システムによって生成されるデータは、限定するものではないが、1つ以上の初期状態、1つ以上の物質(例えば、試薬類、栄養素類等)の経時濃度、細胞系の種類(もしあれば)、経時細胞密度、培地の種類、pH、システム内もしくはシステム内のチップ内の経時温度または圧力、pHまたは他の制御条件の設定点、システム内もしくはシステム内のチップ内の環境または他の条件(大気条件のような)、システム内のチップの識別(例えば、バーコード等を用いた)、センサまたはアッセイモジュールから取得したデータ、視像または蛍光像のような画像、時間データ(例えばタイムスタンプ)等を含むことができる。場合によっては、データは、さらに分析するために、他のプラットフォームにエクスポートすることもできる。特定の例では、多数の反応サイトおよび/またはチップからのデータを比較することもできる。実験用記述子は、いずれもデータをそれを生成した実験工程(すなわち、プロトコル)と関連付け、かつ過去の実験のプロトコルおよび実験結果の調査を検索することができる、分析可能、検索可能な同一のフォーマットで生成されるのが好ましい。
特定の実施形態では、ユーザインタフェースは、例えば要因配置実験におけるような、多数の因子または因子の大きなリストを分析できるように設定することができる。ユーザインタフェースは、さらに進んだ研究、および/またはその後のスケールアップおよび/または「ナンバリングアップ」のために、最適解につながる因子(例えば、反応速度、化学収率、エナンチオ選択性、または細胞の場合には、細胞増殖、細胞収率、細胞分裂、1つ以上の所望の化合物の産生等)を選択することができるように設定することができる。一例を挙げれば、以下により詳細に論じるように、例えば、プログラムされた時刻に条件または実験因子が変化する、いくつかのレベルにわたる要因配置実験または制約付き要因配置実験を用いて、いくつかの(数十、数百または数千もの因子)の各々が計画的または無作為に変更される1つの実験および/または一連の実験を行うことができる。従って、数百または数千の条件の組み合わせが試験されるかもしれない。
システム内に細胞が存在する非限定的例を挙げれば、測定することができる実験因子には、限定するものではないが、温度、圧力、初期pH、反応時のpH、培地組成(例えば、グルタミン、糖類、炭水化物類、ホルモン類、ビタミン類、血清、窒素源および/または炭素源等)、流速、溶解気体濃度(例えば、O、CO、N等)、細胞型、細胞密度、細胞周期位置、細胞寸法、基質、剪断速度、気体濃度、相対湿度、細胞合成速度または細胞産生速度、細胞複製速度等が含まれる。最適条件は、例えば、さらに進んだ研究、もしくはスケーリングまたは「ナンバリングアップ」のために選択することができるであろう。特定の実施形態では、本明細書に説明するように、1つより多いチップを同時に処理することが可能である。いくつかの例では、準備されるアレイの数は、特定量の化学種または産物を産生するように、または特定の速度で特定量の反応物質を処理することができるように選択することができる。従って、本発明の特定の実施形態は、スケーラビリティおよび並列化に適している。
いくつかの態様では、本発明は、ユーザが多数の実験を計画する(例えば実験の枠組み内で)ことを可能にし、それらを自動化することができ、任意選択的に、そのような実験を行うためのシステム−−例えば、先に述べたクラスタツール型の装置を例えば含むシステムをプログラムすることができる。例えば、ユーザは、変更対象の特定の実験因子(例えば、多数のレベルを含む)を計画し、次いで、装置によって実行することができる1つ以上の実験プロトコルを生成することができ(例えばコンピュータプログラムを用いて)、その中で、因子のうちの1つ以上が変更される。例えば、細胞培養および他の類似した化学反応、生化学反応および/または生体反応では、細胞培養または他の反応のための実験プロトコルを、すなわち、温度、圧力、試薬の濃度、産物の濃度、撹拌条件または混合条件、細胞の栄養素類、細胞密度、蛋白質産生、蛋白質抽出または類似の事柄に関して、最適化する必要があるかもしれない。多くの場合、最適化工程では、反応の最適化に関する種々の因子の影響を評価するために、多数の実験を行う必要がある可能性がある。従って、いくつかの態様では、本発明は、そのような実験用のプロトコルを自動的に準備し、場合によっては、そのような実験を実行もするシステムおよび方法を提供する。
従って、一態様では、ユーザが、各因子(例えば、温度に対しては、36℃、37℃、38℃等)に対する多数のレベルまたは値を含む、変更することが所望される実験因子(例えば、温度、圧力等)を選択し(例えばリストから)、コンピュータに実験の枠組みを入力する。レベルは、因子の種類に応じて、連続的であっても(例えば、温度、濃度等)、離散的(例えば、触媒の有無、細胞型等)であってもよいことに留意されたい。その後、コンピュータが、これらの入力に基づき、各々が変更対象の各因子に対して選択された1つ以上のレベルを用いて、1つ以上の実験プロトコルを生成する。因子は、例えば、各々単独に、または相互に依存して、コンピュータによって変更することができる。もちろん、そのように所望する場合、1つ以上の実験プロトコルを重複してもよい(例えば、各実験プロトコルを、2回、3回、4回、5回等実行してもよい)。
実験プロトコルを構築した後、例えば、自動システム、例えば上述のクラスタツール型装置および/または自動細胞培養装置を含むシステムを用いて、該実験プロトコルを、手動または自動で実行することができる。コンピュータは、1つ以上の実験プロトコルが1つ以上のチップ内の1つ以上の反応サイトにマップされる「マッピング」動作を実行することができる。場合によっては、マッピングは、各チップ(1より多い反応サイト、およびチップにマップされた1つより多い実験プロトコルを含むことができる)が絶対に矛盾する条件または一貫性のない条件にさらされないようにするために実行することができる。例えば、本明細書においてさらに論じる、制約付き要因配置実験を用いてもよい。
先へ進む前に、コンピュータは、実験プロトコルを適切に実行することができることを検証することもできる。例えば、実験プロトコルは、現在利用できない機器を必要とするかもしれない。一例を挙げれば、利用できるポンプをシステムがまだ4つしか所有していないかもしれないのにもかかわらず、実験プロトコルは、5つのポンプを必要とするかもしれない。別の例を挙げれば、実験プロトコルは、ポンプが生成することができる最大流速より高い流速を必要とするように生成されるかもしれない。コンピュータは、適切な供給量、例えば、試薬量、細胞数等が実験プロトコルを実行するのに入手可能であることを検証することもできる。コンピュータは、実験プロトコルを実行するのに必要な時間を測定(および報告)する(例えば、1つ以上のGanttチャートを用いて)こともできる。矛盾する制約または資源の欠如によって、実験プロトコルの特定の条件が不可能であるかまたは少なくとも実際的ではないとコンピュータが断定した場合、コンピュータは、ユーザに警告することができ、ユーザは、必要に応じて、実験プロトコルおよび/またはシステムを変更することができる。
次いで、コンピュータは、実験プロトコルを、自動システムに送信されることになる一連のコマンドに作成または変換することができる。例えば、一連のコマンドは、先に述べたクラスタツール型装置内のハンドリング装置に送信することができる。ハンドリング装置によって実行されると、本システムは、それに従って、実験プロトコルによって指定された実験を行うことができる。
いくつかの例では、必要なチップ数を最小限に抑えるために、多数の実験プロトコルをハンドリング装置によって同時に、かつ/または連続して、例えば、多数の実験を1つのチップ上および/または多数のチップ上で実行するようにコンピュータを最適化することができる。
非限定的例として、この工程のフローチャートを、図6A〜図11と関連させて考察すべき図3Aに示す。図6A〜図11は、本明細書に教示する手法の態様ならびにシステムおよび方法の一例に対するソフトウェアの態様を実行する典型的なユーザインタフェース上にユーザが見ることができる、画面または画面の一部を示している。準備事項として、ユーザに、図6Aの90に示すような画面を提示し、それに記入して実験的記述を提供するように求めることができる。この情報は、実験用記述子の一部となるのが好ましいであろう。関連情報には、例えば、実験名、細胞系、用いられるバイオリアクタアレイの種類(可能な限り、(複数の)バーコードからの(複数の)識別子、リアクタの特性、実験持続時間、実験の種類、供給方式およびコメントのような具体的なアレイ情報を含む)これらのパラメータのうちのいくつかは、自由形式で入力することができ、他は、あらかじめポピュレートされたプルダウンリストから選択することができる。ブロック40で、システム構成(例えば、図1または図2に示すような自動細胞培養装置を定義する)がコンピュータまたは類似の装置、例えばコントロールパネルに入力され、自動システムにおいて利用可能な資源が定義される。(このブロックは後で実行することができるが、ブロック45の前には実行する必要があることに留意されたい。)システム構成は、ユーザによって入力することができる。あるいは、いくつかの例では、本システムは、適切に組み立てられると、コンピュータ内に自動的に構成される「スマート」システム、例えば「プラグアンドプレイ」システムである。図6Bに示すように、一実施形態は、ユーザにメニュー110を提示することができる。1つのメニューピックは、「システム構成」112とすることができる。この項目を選択すると、1つ以上のUI画面を呼び出すことができ、ユーザが実験に必要な物理資源を構成することが可能となる。例えば、図7に示すように、システム構成情報の入力のために、画面114を表示することができる。例えば、用いる各モジュールに対して、チェックボックスを選択することができる(一例として、チェックボックス116を参照されたい)。ボタン118のようなボタンによって呼び出されるさらに別の画面を介して、モジュールの属性を設定することができる。120で、培養器の数を設定することができ、センシングホイールの設定は、122で入力することができる。入力は、フィルタ波長に関する。一般に、システム構成には、用いることになるモジュールの定義、それらの構成方法。液体源の設定方法および定義方法(例えば、どのポンプがどの流体を供給するか)が含まれる。
多数の実験の枠組みに対して同一のシステムが用いられる場合、システム構成は、記憶装置、例えば、コンピュータメモリからハードドライブ上、記憶媒体(例えば磁気媒体)上に格納されている、あらかじめ保存されたファイルのようなデータストアから入力することができる。
ブロック41で、ユーザは、変更することを所望する1つ以上の因子を含むことができる、実験の枠組みを入力する。実験の枠組みには、それらの因子の各々に対する多数のレベルが含まれる。対応する一連の例示的な画面が図8〜図11に提示される。図8の画面130に示すように、培養器制御を確立することができる。例えば、環境変数の初期設定点を、それらの設定点の変更およびそれらの変更を行う時刻と共に入力することができる。図9の画面140に示すように、測定対象変数、測定の種類、試料を採取するポート、使用方法、(すなわち、測定工程のうちの1つに対する呼び出しを有する、測定工程の定義済みライブラリがあるかもしれない)、測定頻度および変更時点を含む測定を設定することができる。定期測定に対しては、図10の150に示すようなページに、測定間隔、周期、および他の因子を特定し、記入することができる。定期サンプリングに対しては、図11の160に示すような画面に記入することができる。そのような画面上に入力すべき一般的な因子の中に、ポート識別情報(試料を回収することができる)、間隔、取得すべき試料の量(満杯になったチャンバを示す「収穫」は空にする必要がある)、および収穫数がある。チャンバ制御に対しては、入力すべき一般的な因子の中に、制御すべき変数、使用対象のチャンバ設定用の既存モデルファイル、設定点の変更頻度がある。チャンバスケジューリングのうちの1つ以上、流体供給(例えば用いるポート、供給量、供給頻度、および定期洗浄サービス)を制御するための入力を設定するために、類似の種類の画面を提供してもよい。
ブロック42で、コンピュータは次に、ユーザ入力(例えば、説明したばかりのユーザ入力のうちのいくつかまたは全部、もしくは他のユーザ入力)を用いて、計画的または無作為に各実験因子のレベルを変更し、1つ以上の実験プロトコルを生成する。本明細書においてさらに説明するように、いくつかの例では、実験プロトコルは、記述子を含むか、またはそれと関連付けることができる。任意選択的にではあるが、ブロック43に示すように、コンピュータは次に、実験プロトコルを現在のシステム構成で適切に実行することができることを検証する符号を実行し、適切に実行することができない場合、ユーザに信号を送り、必要に応じてシステムおよび/または実験の枠組みを変更させることができるのが好ましい。検証後、ブロック44で、コンピュータは、各実験プロトコルを、1つ以上の反応サイトおよび/または1つ以上のチップにマップする。ブロック45で、コンピュータは次に、実験プロトコルおよび/または記述子を例えば後の使用に備えて保存し、かつ/または任意選択的に、例えばハンドリング装置によって実行されるように、(例えば自動化された)システム(システム構成によって先に定義済みの)に送信することができる一連のコマンドに実験プロトコルを変換することができる。場合によっては、コマンドは直列でもよく、システムによる実験プロトコルの実行に先立って、または実行中にハンドリング装置にアップロードすることができる。
構成および/または実験計画データは、保存が所望されるならば、任意の有用な形式で保存することができる。1つの例示的な例では、1つ以上のファイルをデータストア6に記録することができる。コンピュータ/自動装置のオペレーティングシステムが Microsoft Corporationが提供しているWindows(登録商標)ベースのオペレーティングシステムである場合、保存対象の1つの有益な形式は、*.iniファイルである。図12に、そのような.iniファイルの一部の一例200を示す。このファイル構造に関しては、特筆すべきことはない。これは、実験をカプセル化し、実験を行うために自動装置を作動させるために用いることができる記述子の一例である。
図3Bを参照し、別の例を挙げる。ブロック46で、一連の直列コマンド(例えば、図3Aで生成された)がハンドリング装置に送信される。いくつかの例では、この一連の直列コマンドは、記述子を用いて、コンピュータおよび/またはハンドリング装置によって生成することができる。ハンドリング装置は、コマンドをパースし(すなわち、解釈し)、ブロック47でコマンドを実行する。このコマンドによって、システムは、1つ以上の実験プロトコルを実行する(同時に、かつ/または順次に)ことができる。例えば、ハンドリング装置は、1つ以上のモジュール間で1つ以上のチップを操作することができ、それによって、チップを様々な試験条件および/または処理条件にさらすことができる。ハンドリング装置は、一度に1つより多い実験プロトコルを実行することができる。例えば、1つのチップが複数の反応サイトを有することができ、この場合、1つ以上の反応サイトが第1の実験プロトコルを適用され、1つ以上の反応サイトが第2の実験プロトコルを適用され...等々となる。いくつかの例では、多数のチップを同時に処理することができ、アプリケーションに応じて、それらの各々に同一または異なる(複数の)実験プロトコルを適用することができる。
記述子ファイル内のコマンドのパースの詳細は、システム100用の記述子の構文およびコマンド言語の構文によって異なる。それらの詳細は計画実施の問題であり、当業者は、ひとたび本システム用の記述子のデータ用フォーマットおよびコマンド構文が分かれば、容易にパーサを開発することができるであろう。従って、そのような詳細は、本発明の一部ではない。
データは、ブロック48に示すように、任意選択的にタグ付けまたは記述子で識別され(本明細書においてさらに説明するように)、もしくは他の方法で実験プロトコルと関連付けられた(例えば1つ以上のリアクタに対して、例えば記述子に対して相互に関連しているタグを用いて)、モジュールから収集することができる。実験プロトコルは、データを生成するために用いられ、その後、ブロック49で、例えば、後の分析のため、他の実験プロトコルおよび/または同一の実験プロトコルの他の重複物との比較のため、法規制の順守(例えば、FDA、ISO、および/またはGMP基準等の)を示すため、品質管理の目的、または同種の目的のために、機械可読媒体またはコンピュータ可読媒体に格納もしくは「記録」される。例えば、一実施形態では、記述子は、例えば法規制の目的で、イベントログと比較して、実験プロトコルの実行を検証することができる。別の例を挙げれば、記述子は、実験データを検索するために用い、かつ/または実験間でデータを比較する(例えば、同一または異なる実験プロトコルから)ために用いることができる。例えば、データは、温度、圧力、時間、反応物質、産物、細胞型(細胞が存在する場合)、実験番号、pH、O濃度、CO濃度、大気条件、相対湿度、チップおよび/または反応サイトの識別、または同種のもののような実験因子に基づいて検索することができる。
一組の実施形態では、要因配置実験は、実験の枠組みから実験プロトコルを指定するために用いることができる。本発明と共に用いるのに適した要因配置実験には、文字どおり利用可能なもの、例えば、一つ一つの順列および/または因子の組み合わせを用いる要因配置実験、またはその単なるサブセット、および本明細書においてさらに説明する手法が含まれる。各因子内のレベルは、要因配置実験に応じて、連続的または無作為に選択することができる。
別の組の実施形態では、本発明は、制約付き要因配置実験の方法を提供する。制約付き要因配置実験では、各々が複数のレベルを有する複数の要因が選択される。各実験プロトコルに対して、複数の因子の各々から1つのレベルが選択され、実験プロトコルに適用される。しかしながら、制約付き要因配置実験では、因子のすべてを単独で各実験に適用できるわけではない。従って、第1の実験に対して選択されたレベルは、第2の実験に対して選択されるレベルを制約することができる。この方法は、単一のチップ内の反応サイトに適用可能であるのみならず、各々が複数の要素を含む多数の群を有し、それらの群のうちの少なくとも1つが1つより多い要素を含む他のシステムにも適用可能であることに留意されたい。
一例を挙げれば、多数の実験を、単一のチップ内の多数の反応サイト内で同時に行うことができる。いくつかの因子は、1つのチップ内の他の反応サイトとは無関係に、そのチップ内の各個々の反応サイトに適用することができ、一方で、他の因子は、単一のチップ内のすべての反応サイトに同時に適用される。各反応サイトに単独で適用することができる因子の非限定的例は、物質の濃度である。すなわち、第1の反応サイト内の物質の濃度は、第2の反応サイト内の物質の濃度(ゼロ濃度を含む)とは無関係である。1つのチップ内の各反応サイトに同時に影響を与え、一般的にはそのチップ内の各反応サイトに関して単独では測定することができない因子の非限定的例は、温度である。
従って、本発明の一組の実施形態は、実験プロトコル内の各チップが実験全体に影響を与える一組の因子によって影響を受けるように、制約付き要因配置実験を用いて、複数の実験プロトコルを生成する方法を提供する。各チップ内で、各反応サイトは、同一または異なる個々の因子、すなわち、各反応サイトに個々に影響を与える因子を有することができる。以下の例で示すように、場合によっては、チップ内の1つ以上の反応サイトを未定義のままにしておいてもよい。
従って、本発明の一組の実施形態は、実験プロトコル内の各チップが実験全体に影響を与える一組の因子によって影響を受けるように、制約付き要因配置実験を用いて、複数の実験プロトコルを生成する方法を提供する。各チップ内で、各反応サイトは、同一または異なる個々の因子、すなわち、各反応サイトに個々に影響を与える因子を有することができる。以下の例で示すように、場合によっては、チップ内の1つ以上の反応サイトを未定義のままにしておいてもよい。
図4Aを参照し、制約付き要因配置実験の一非限定的例を挙げれば、各々がいくつかのレベル−すなわちA〜A、B〜B、C〜CおよびD〜Dを有する一連の因子A、B、C、およびDは、実験の枠組み内に適用されることになる。実際のアプリケーションに応じて、より多い、またはより少ないレベルを各特定の因子に個々に割り当てることができ、かつ因子の数も異なってよいことを理解されたい。特定の非限定的例を挙げれば、因子Aが温度を表し、かつ試みるべき4つの温度がある場合、この例では、4つの温度の各々が4つのレベル(A〜A)のうちの1つに割り当てられることになる。
次いで、要因配置実験は、各々内で各因子のレベルが無作為に適用された(別の要因配置実験では、レベルを、無作為に変更せずに組織的に変更することができるが)実験の枠組み55内に一連の実験プロトコル(行に対応する)を生成するために、図4Bに適用される。従って、実験プロトコルP1は、レベルA、B、C、Dを有することができ、実験プロトコルP2は、レベルA、B、C、Dを有することができる等となる。
この例では、実験プロトコルは、図4Cに示すように、2つの反応サイト51、52のアレイを有するチップ50上の実験に適用することができる。この例では、因子Aは、チップ全体に影響を与え(例えば、周囲温度)、一方で、因子B、C、およびDは各々、チップ内の単一の反応サイトにのみ影響を与える(例えば、化学反応用の種々の試薬の濃度等)。この例における実験プロトコルP1およびP2は、図4に示すように、各々チップアルファ(α)に割り当てることができるが、レベルAおよびAが相互排他的な2つの異なる温度条件を意味するので、同時に共通のチップに適用することができないため、実験プロトコルP3およびP4は各々、共通のチップに割り当てることはできない。しかしながら、図4Dに示すように、実験プロトコルがその後「大域的」因子Aのレベルのような群に共に格納される際に、いくつかのプロトコルを群にすることができることが分かるであろう。しかしながら、必ずしも、各チップ内のすべての反応サイトを実験プロトコルに割り当てる必要はない。例えば、1つだけの実験がレベルAで必要となるので、実験プロトコルP4を割り当て済みのチップ(チップガンマ(γ))は、第2の実験プロトコルを含まない。同様に、レベルAを必要とする実験プロトコルP6は、これも第2の実験プロトコルを含まないチップデルタ(δ)に割り当てられている。詳細には、実験プロトコルP4およびP6は、異なるレベルAおよびA(例えば、温度)を必要とし、かつこれらの因子は単一のチップに同時に適用することができないので、単一のチップ上で結合することはできない。しかしながら、プロトコルP3およびP5は、同一の群ベータ(β)に割り当てることができる。
いくつかの例では、因子入力によって生成された実験プロトコルは、次いで、因子レベルの実際の値によってではなく、むしろ、ベースライン(すなわち、開始時の)実験条件との差異として、データ構造表現で表しかつ記録することができる。例えば、因子Xが時刻「t」において値Xに設定されることになる場合、因子の設定点の値は、Xではなく、Xがベースライン値である(X−X)として記録することができる。特定の例を挙げれば、因子が温度であり、ベースライン温度が25℃である場合、20℃の値は、25℃ではなく、−5℃(20℃から25℃)として記録することができる。温度自体、または1つのレベルから次のレベルへの温度の増分を格納するのではないこの手法は、いくつかの点で極めて有益である。この手法は、特定のデータを生成した実験シーケンスの完全性および再現性を保存する。同時に、この手法は、考慮された時点から後のデータのすべてを無意味にレンダリングすることなく、実験の特定の時点前後における条件を変更しながら、後続の実験を行うことができる方法を提供する。この手法は、実験プロトコルを表すデータのよりコンパクトな格納も促進する。一例を挙げれば、温度が26℃から28℃、31℃、33℃へと次第に変更されることになり、かつその後29℃前後の領域をより注意深く探求することが所望された場合、より高い温度でのデータを無意味にまたは不明瞭にレンダリングすることなく、設定点を29℃で追加することによってそうすることができる。
この手法は、例えば、1実験プロトコル当たりに1行および各マトリックスセル(すなわち、セル用記憶域)内に「デルタ値」を有するマトリックス内(より正確には、マトリックスに相当するデータ構造内)に実験プロトコル(例えば、細胞培養プロトコル)を格納することによって実行することができる。マトリックスは、自動装置、例えばクラスタツール型装置および/または自動細胞培養装置上で実行することができるプログラムに変換することもできる。このプログラムは、実行されると、実験の枠組み全体および/または実験の枠組み内の1つ以上のプロトコルを装置に実行させる。
本発明の一態様では、次いで、実験の枠組み内の1つ以上の実験プロトコルを、1つ以上の反応サイトおよび/または1つ以上のチップにマップすることができる。さらに、いくつかの例では、実験プロトコルを、実験の枠組みの要因配置実験を達成することになる一連の順次処理に変換することもできる。特定の例では、各実験プロトコルを、実験番号またはタグに割り当てることができる。
一例を挙げれば、一組の実施形態では、1つ以上の実験プロトコルが記述子を定義するために用いられ、次いで、該記述子を用いて、例えば上に説明したクラスタツール型装置および/または自動細胞培養装置のようなシステムを制御することができる。例えば、記述子内のデータを用いて、システム内の1つ以上のハンドリング装置を作動させることができる。従って、記述子は、1つ以上の因子が時が経つと変化する、例えば、一回目に1つの因子が変化することができ、二回目に該因子および/または異なる因子が変化することができる実験プロトコルを定義することができる。変化は、例えば、1つのレベルから新たなレベルへの階段状変化または段階的変化とすることができる。従って、記述子は、このような時間基準情報を含むことができる。
記述子は、適切なコンピュータプログラム(例えば、パーサもしくはインタープリタあるいは翻訳プログラム)または内部もしくは外部の自動装置専用ハードウェアを用いて、自動システムに送信されることになる一連のコマンドに変換することができる。コマンドは、実行されると、記述子によって符号化された(複数の)実験プロトコルを実行するよう自動システムに命令するようになっている。実際のコマンド列は、アプリケーションによって異なることになり、システム構成、実験の枠組み、および用いられる信号ならびに(複数の)プログラミング言語によって変化することになる。例えば、システムは、先に述べたような、1つ以上の格納モジュール、1つ以上の温度モジュールまたは培養モジュール、1つ以上の追加モジュール、1つ以上のサンプリングモジュール等を備えることができ、コンピュータプログラムは、記述子を該システムに送信される一連のコマンドに変換することができる。いくつかの実施形態では、コンピュータは、本システムの動作を制御して、適切なコマンドを適時に送信することができ、別の実施形態では、ひとたび本システム内に記述子が導入されば、本システム自体が自立的に機能することができる。
第1の例を挙げれば、システムが培養モジュールを備える場合、記述子は、チップおよび/または反応サイトが第1の時点で第1の条件(例えば、温度、撹拌度等)下で、後の時点で第2の条件で保管されることを指定することができる。次いで、プログラムが記述子をコマンドに変換し、該コマンドが適時にシステムに送信され、該コマンドは、適時に適切な条件を提示するよう培養モジュールに命令する。第2の例を挙げれば、システムが、ハンドリング装置と、保管モジュールと、流体移送モジュールとを備える場合、記述子は、チップおよび/または反応サイトが第1の時点で第1の流体を、第2の時点で第2の流体を充填されることを指定することができる。次いで、プログラムが記述子をコマンドに変換し、該コマンドが適時にシステムに送信され、該コマンドは、例えば、第1の時点でチップを流体移送モジュールへ移動させるようハンドリング装置に命令し、チップおよび/または反応サイトに充填するよう流体移送モジュールに命令し、次いで、チップを保管モジュールに移動させるようハンドリング装置に命令し、第2の時点で、チップを保管モジュールから流体移送モジュールへ移動させるようハンドリング装置に命令し、チップおよび/または反応サイトを空にするよう流体移送モジュールに命令し、チップおよび/または反応サイトに第2の流体を充填するよう流体移送モジュールに命令し、次いで、チップを保管モジュールへ移動させるようハンドリング装置に命令する。当業界の通常の技術者は、例えば先に述べたような他のモジュール、例えば加熱モジュール、冷却モジュール、識別モジュール、測定モジュール、アッセイモジュール等が用いられる場合、必要に応じて、プログラムを適合させることができるであろう。
別の態様では、本発明は、上に述べたような実験プロトコルから得られたデータを記録し、関連付けられた「記述子」または実験に結び付けられた他のラベル、すなわち、該データを生成した実験プロトコルの因子およびレベルの機械可読またはコンピュータ可読媒体における表現を用いて、該データを格納する。すなわち、実験プロトコルから得られたデータには、例えばその後の分析、他のデータ(例えば、同一または異なる実験プロトコルからの)との比較、法規制の順守を示す等の目的でデータを識別または「タグ付けする」ために用いられる、「記述子」を示すラベルを付けることができる。データは、データベース内に格納し、任意選択的に、記述子を用いて検索することができる。いくつかの例では、記述子内のデータは、例えば、限定するものではないが、引用により本明細書に組み込まれる、2004年6月7日に提出され、2005年2月17日に米国特許出願公開第2005−0037485号として公開された、Rodgersらによる「System and Method for Process Automation」と題する米国特許出願第10/863,585号に記載された、自動細胞培養装置または他の自動装置と併せて、1つ以上の実験を制御するために用いられる。別の例では、記述子は、1つ以上の実験から得られたデータを記録するために用いられる。さらに別の例では、記述子は、1つ以上の実験の制御および該実験から得られたデータの記録の両方に用いることができる。さらに別の例では、実験プロトコル、および実験プロトコルに基づいた実験によりもたらされたデータを「タグ付けする」かまたは記述子によって関連付けることができる。あるいは。タグをプロトコルおよびデータ用に用い、許可された関係者のみが利用できる対応表を、その記憶位置に保持してもよい。その方法では、許可されていない関係者は、実験計画と結果を相関させることはできないことになる。
いくつかの例では、記述子は、時間基準情報も含むことができる。例えば、記述子は、マトリックスを含むことができ、該マトリックス内で、各行(または列)は個々の因子(例えば、温度または濃度)を表し、各列(または行)は、時間における瞬間を表す(例えば、明確な一連の時間事象として、1つ以上の因子が変更された時間における瞬間として等)。記述子内で値として表すことができる因子の非限定的例には、温度、気体の濃度(例えば、O、CO、N、空気等)、pH、栄養素の濃度、細胞の生存度(細胞が存在する場合)等が含まれる。マトリックスは、実験の複雑度に応じて、任意数の行および、独立して、任意数の列を有することができる。いくつかの例では、マトリックスの1つの行が列を特定するために用いられる。すなわち、記述子の要素、例えばマトリックスの行を、O、CO、N、pH、細胞の生存度等に指定することができる。
記述子は、個々の因子対時の表現に限定されるものではない。例えば栄養素の濃度、産物の濃度、pH、細胞密度等のような他の変数を、時に加えて、独立変数として用いることができる。従って、一例として、記述子は、(各行および列の意味を定義するデータに加えて)個々の因子(例えば、温度または濃度)を表す行(または列)、および特定の閾値事象(例えば、特定の細胞密度に達した場合、物質の特定の濃度が達成された事象、または同種の事象)を表す各列(または行)を含むマトリックスを含むことができる。
実験プロトコル用の記述子の例を図5に示す。図5Aでは、記述子56は、複数の行および複数の列を有するマトリックスである。このマトリックスでは、列1は時間tを表し(例えば、実験の開始)、列2は時間tを表し、列3は時間tを表す等となる。同様に、行1は第1の因子Xを表し、行2は第2の因子Xを表し、行3は第3の因子Xを表す等となる。各行内の値は、実験プロトコルに応じて、同一であっても異なっていてもよい。従って、例えば、図5Aでは、位置57(時間tにおける第1の因子の値を表す)は第1の値を有することができ、一方で、位置58は、異なる値(例えば、時間tにおいて第1の因子Xに生じる変化を表す)を有することができ、位置59は、位置57または位置58と同一または異なる値を有することができる等となる。実験プロトコル中に記述子内の全ての因子を変更する必要はないこと、すなわち、場合によっては、図5Aの1つ以上の行の位置に格納された値が全て同一である可能性もあることに留意されたい。位置内の値は、絶対値であっても、相対(オフセット)値であってもよい。すなわち、位置57は、絶対値を表すことができ、一方で、位置58、59等は、参照値または前値に追加されることになるオフセットを表す数を格納することができる(従って、「0」の値は、因子が変化しないことを意味する)。さらに、いくつかの例では行および列が逆になった記述子を準備することができる。すなわち、記述子の列が因子を表すことができ、記述子の行が時間を表すものである。もちろん、二次元の記述子マトリックスは、等価の一次元表現に変換することができる。そのような変換は、データストリームをシリアル化してパースし、自動装置に対するコマンドを生成するために行うことができよう。
細胞培養実験に有益な記述子の非限定的例を、図5Bに示す。この図では、記述子56内で、列1(「前平衡」ステップと表す)は時間0hを表し、列2(「シーディング」ステップと表す)は時間6hを表し、列3(「変更」ステップと表す)は時間12hを表し、列4は時間216h(すなわち9日)での実験の終了を表している。行1は時間(時間での)を表し、行2はpHを表し、行3は酸素(O)含有量を表し(mmHgで)、行5は細胞計数を表している。この実験プロトコルでは、pHは、前平衡ステップおよびシーディングステップに対して7.0にとどまっており、その後、変更ステップ63(すなわち、12h後)で13に上昇されている。これとは対照的に、酸素含有量は、実験プロトコル(64、65、66)全体を通して180mmHgで一定に保たれている。
また、図5Bでは、「細胞計数」のラベルを付けられた行(67、68、69、70)が埋められていないことに留意されたい。代わりに、これらの位置は、実験のデータ格納用に用いられる。例えば時間0h、6h、12hおよび216hで実験の細胞計数を測定することができ(例えば、光学技術または電子技術を用いて)、そのようなデータを記述子56内に格納することができる。
いくつかの実施形態では、第3の次元を記述子に追加し、例えば、一連の実験の結果を格納することができる。一例を挙げれば、図5Cの記述子56は、各々が一連の行および列を有する、一連の層で構成されている。図5C内の各層は、異なる実験を表している。例えば、各層は、同一の実験プロトコルおよび/または異なる実験プロトコルの複製を表すことができる。
図5の記述子は本来例示的であることを意味しており、限定するものではない。当業界の通常の技術者は、特定の(複数の)アプリケーションより、必要に応じて行および/または列を追加または修正することができるであろう。例えば、記述子は、特定の実験に応じて、より多い、またはより少ない列を有してもよく、あるいは、例えば先に述べたような、CO濃度、N濃度、相対湿度、栄養素類(例えば、グルコース、グルタミン、ピルビン酸、および/または種々のアミノ酸類、ビタミン類、ホルモン類、血清、イオン類、または同種のもの)の濃度、温度、圧力、細胞型、細胞密度、細胞周期位置、細胞寸法、基質、剪断最終結果、または同種のものを表す追加の行を足すこともできるであろう。
さらに、本明細書に開示する記述子は、細胞培養実験に限定されず、少なくとも1つの因子が実験中に変更されるどのような実験(または一連の実験)にもより一般的に用いることができる。例えば、記述子は、化学反応(または一連の化学反応)用に準備することができる。一例を挙げれば、記述子は、1つ以上の時、および試薬濃度、反応条件、産物濃度、または同種のものを表す行を含むことができる。
本発明のいくつかの実施形態を本明細書に説明し、例証してきたが、当業界の通常の技術者は、機能を実行し、かつ/または、結果および/または本明細書に説明した利点のうちの1つ以上を取得するための種々の他の手段および/または構造を容易に企図するであろう。また、そのような変形および/または修正は、本発明の範囲内であると見なされる。より一般的に述べれば、当業者は、本明細書に記載したすべてのパラメータ、寸法、材料、および構成は例示的であることを意味しており、実際のパラメータ、寸法、材料、および/または構成は、本発明の教示が用いられる特定の1つのアプリケーションまたは複数のアプリケーションによって異なることが容易に分かるであろう。当業者は、日常的なことに過ぎない実験を用いて、本明細書に説明した本発明の特定の実施形態の多くの等価物を認識するか、または把握することができるであろう。従って、前述の実施形態はほんの一例として提示されるものであり、添付の特許請求の範囲およびその等価物の範囲内で、具体的に説明し請求されるものとは別の方法で、本発明を実施することができることを理解されたい。本発明は、各個々の特徴、システム、物品、材料、キット、および/または本明細書に説明する方法を対象としている。さらに、そのような特徴、システム、物品、材料、キットおよび/または方法が相互に矛盾しない場合、2つ以上のそのような特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法のいずれの組み合わせも、本発明の範囲内に含まれる。
本明細書において定義されかつ用いられるすべての定義は、辞書の定義、引用により本明細書に組み込まれる文書における定義、および/または定義済み用語の通常の意味を支配すると理解されたい。
本明細書および特許請求の範囲において使用する不定冠詞「一、1つの」は、反対のものを明確に示さない限り、「少なくとも1つ」を意味すると理解されたい。
本明細書および特許請求の範囲において使用する語句「および/または」は、そのように結合された要素、すなわち、いくつかの例では連結的に存在し、別の例では分離して存在する要素の「一方または両方」を意味すると理解されたい。「および/または」と共に記載されている多数の要素は、同様に、すなわち、そのように結合された要素のうちの「1つ以上」と解釈されたい。「および/または」句によって明確に特定された要素以外の他の要素は、明確に特定された要素との関連性の有無に関わらず、必要に応じて存在することができる。従って、非限定的例を挙げれば、「を備える」のようなオープンエンドの言語と併せて用いられる際の「Aおよび/またはB」への言及は、一具体的表現ではAのみ(任意選択的にB以外の要素を含む)、別の具体的表現ではBのみ(任意選択的にA以外の要素を含む)、さらに別の具体的表現ではAとBの両方(任意選択的に他の要素を含む)を指すことができる等となる。
本明細書および特許請求の範囲において使用する「または」は、上に定義した「および/または」と同じ意味を有すると理解されたい。例えば、リスト中の項目を分離する場合、「または」もしくは「および/または」は、包含的、すなわち、いくつかの要素または要素のリストのうちの少なくとも1つを含むが、いくつかの要素または要素のリストのうちの1つより多くも含み、および任意選択的に、追加のリストされていないものも含むと解釈されたい。「のうちの1つのみ」または「のうちのまさに1つ」、もしくは特許請求の範囲で用いられた場合の「からなる」のような、反対のものを明確に示した用語のみが、いくつかの要素または要素のリストのうちのまさに1つの要素を含んでいることを指すことになる。全体として、本明細書において使用する用語「または」は、「いずれか一方の」、「のうちの1つ」、「のうちの1つのみ」もしくは「のうちのまさに1つ」のような、排他性を示す用語が先行する場合、排他的代替(すなわち、「いずれか一方であるが両方ではない」を示しているとのみ解釈するものとする。特許請求の範囲で用いられた場合の「本質上〜からなる」は、特許法の分野で用いられる通常の意味を有するものとする。
1つ以上の要素のリストに関連して本明細書および特許請求の範囲で用いる語句「少なくとも1つ」は、要素のリスト内の要素のうちのいずれか1つまたはそれ以上から選択された少なくとも1つの要素を意味するが、必ずしも要素のリスト内に具体的に記載されたすべての要素のうちの少なくとも1つを含む必要はなく、また要素のリスト内の要素のいずれの組み合わせも排除するものではないことを理解されたい。この定義は、具体的に特定された要素との関連の有無に関わらず、語句「少なくとも1つ」が指す要素のリスト内の具体的に特定された要素以外の要素が任意選択的に存在できることも可能にする。従って、非限定的例を挙げれば、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」(もしくは、同等に、「AまたはBのうちの少なくとも1つ」あるいは、同等に、「Aおよび/またはBのうちの少なくとも1つ」は、一実施形態では、Bが存在しない、少なくとも1つの、任意選択的に1つより多く含む、A(および任意選択的にB以外の要素を含む)を、別の実施形態では、Aが存在しない、少なくとも1つの、任意選択的に1つより多く含む、B(および任意選択的にA以外の要素を含む)を、さらに別の実施形態では、少なくとも1つの、任意選択的に1つより多く含む、A、および少なくとも1つの、任意選択的に1つより多く含む、B(および任意選択的に他の要素を含む)等を指すことができる。
反対のものを明確に示さない限り、1つより多いステップまたは動作を含む、本明細書において主張するいずれの方法においても、本方法のステップまたは動作の順序は、必ずしも本方法に列挙されたステップまたは動作の順序に限定されないことも理解されたい。
上述の明細のみならず、特許請求の範囲においても、「を備える」、「を含む」、「を担持する」、「を有する」、「を含有する」、「を包含する」、「を保持する」、「で構成される」、および同類のもののようなすべての移行句はオープンエンドであること、すなわち、限定するものではないが〜を含む、を意味することを理解されたい。移行句「〜からなる」および「本質上〜からなる」のみが、それぞれ、the United States Patent Office Manual of Patent Examining Procedures、第2111.03節に記載される閉鎖移行句または半閉鎖移行句であるものとする。
図1は、本発明の一実施形態による、化学試料、生物試料、および/または生化学試料を制御するためのシステムの上面図を示している。 図2は、複数のハンドリング装置を含む、本発明の別の実施形態によるシステムの上面図を示している。 図3A〜図3Bは、本発明の一実施形態の使用法を示すフローチャートである。 図3A〜図3Bは、本発明の一実施形態の使用法を示すフローチャートである。 図4A〜図4Dは、本発明の別の実施形態による制約付き要因配置実験の一例を示している。 図4A〜図4Dは、本発明の別の実施形態による制約付き要因配置実験の一例を示している。 図4A〜図4Dは、本発明の別の実施形態による制約付き要因配置実験の一例を示している。 図4A〜図4Dは、本発明の別の実施形態による制約付き要因配置実験の一例を示している。 図5A〜図5Cは、本発明の特定の他の実施形態による記述子の例を示している。 図5A〜図5Cは、本発明の特定の他の実施形態による記述子の例を示している。 図5A〜図5Cは、本発明の特定の他の実施形態による記述子の例を示している。 図6Aは、ユーザに実験の記述を入力させるために用いることができるようなユーザインタフェース画面の一部の一例の説明図である。 図6Bは、実験に必要な物理資源の構成のような選択肢をユーザに選択させるために用いることができるようなユーザインタフェース画面の一部の一例の説明図である。 図7は、ユーザに少なくとも一部のシステム構成情報を入力させるために用いることができるようなユーザインタフェース画面の一部の一例の説明図である。 図8は、ユーザに培養器制御データを入力させるために用いることができるようなユーザインタフェース画面の一部の一例の説明図である。 図9は、ユーザに測定情報を入力させるために用いることができるようなユーザインタフェース画面の一部の一例の説明図である。 図10は、ユーザに定期測定パラメータを入力させるために用いることができるようなユーザインタフェース画面の一部の一例の説明図である。 図11は、ユーザに定期サンプリング動作用パラメータを入力させるために用いることができるようなユーザインタフェース画面の一部の一例の説明図である。 図12は、実験用に可能な*.ini型記述子ファイルの一部の一例の説明図である。

Claims (64)

  1. 自動細胞培養装置を用いて複数の細胞培養を行う動作と、
    各細胞培養に対し、該自動細胞培養装置を作動させて、所望のデータに適したセンサを用い、該細胞培養の複数の実験因子を表す該データを複数の時点において収集する動作と、
    コンピュータ可読データストア内のデータ構造内に、該データを該自動細胞培養装置から自動的に記録する動作であって、該データ構造は、各培養に対して、第1の次元が実験因子を表し第2の次元が時間事象を表す2つの次元にアドレス指定可能なマトリックスを規定するフィールドをコンピュータ可読メモリ内に備える、動作と
    を含む、方法。
  2. 前記データを記録する動作は、ベースライン条件からの偏差として、前記データを前記データ構造内に記録する動作を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記複数の細胞培養を行う動作は、前記複数の細胞培養のうちの少なくとも一部を操作して、前記実験因子のうちの1つ以上に変化をもたらすようロボットに命令する動作を含む、請求項1または請求項2に記載の方法。
  4. 前記複数の細胞培養を行う動作は、複数の反応アレイ上で、複数の細胞培養を行う動作を含み、該複数の反応アレイのうちの1つ以上が細胞培養に適した2つ以上の位置を含む、請求項3に記載の方法。
  5. 前記複数の細胞培養を行う動作は、複数の反応アレイ上で、複数の細胞培養を行う動作を含み、該複数の反応アレイのうちの1つ以上が細胞培養に適した2つ以上の位置を含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記1つ以上の反応アレイ上で複数の細胞培養を行う動作は、該細胞培養を行うために必要な多くの反応アレイを最小限にするために、該細胞培養を該反応アレイにマップする動作を含む、請求項4または請求項5に記載の方法。
  7. 要因配置実験を用いて前記複数の細胞培養を生成する動作をさらに含む、請求項1、2、または5のいずれか1項に記載の方法。
  8. 細胞培養実験を行う際に用いるためのコンピュータ実行型の方法であって、コンピュータを作動させて、
    一組の実験因子、各実験因子に対する1つ以上のレベル、および1つ以上の時間であって、該1つ以上の時間において、1つ以上の実験因子の値が設定され、かつ/または1つ以上の測定値が取得されるべき、1つ以上の時間を受信するためのインタフェースをユーザに提示し、
    該ユーザからの入力として、該一組の実験因子および該1つ以上の時間を受信し、
    受信された要因配置実験を用いて、各々が該実験因子に対する1つ以上の値、および1つ以上の時間を含む、受信された1つ以上の実験プロトコルに対応するデータ構造を生成し、
    各実験プロトコルを、リアクタアレイ内に含まれる特定の細胞培養に割り当てる、
    動作を含む、方法。
  9. 前記データ構造は、第1の次元が前記実験因子を表し、第2の次元が時間を表す2つの次元にアドレス指定可能なマトリックスを規定するフィールドを備える、請求項8に記載の方法。
  10. 自動細胞培養装置にコマンドを発行する動作をさらに含み、該コマンドは、該装置によって作用されると、該装置に、1つ以上のリアクタアレイ上で前記実験プロトコルのうちの少なくとも一部を実行させる、請求項8に記載の方法。
  11. 前記コマンドは、前記データ構造の読み取りに応答して発行される、請求項10に記載の方法。
  12. 1つ以上のリアクタアレイ内に含まれる細胞培養上で前記実験プロトコルのうちの少なくとも一部を実行する前記自動細胞培養装置をさらに備える、請求項10に記載の方法。
  13. 前記自動細胞培養装置は、前記実験プロトコルのうちの1つの少なくとも一部の動作を行うために、前記リアクタアレイのうちの少なくとも一部を操作して、それらを移動させることができるロボットを備える、請求項10に記載の方法。
  14. 前記ロボットは、軸を中心としてリアクタアレイを回転させ、かつ/または、該軸に実質的に垂直な方向のうちの少なくとも1つの方向で、かつ該軸に実質的に平行な方向にリアクタアレイを平行移動させることができる、請求項13に記載の方法。
  15. 前記ロボットは、リアクタアレイに第1の条件を受けさせる第1のモジュールから、該リアクタアレイに該第1の条件とは異なる第2の条件を受けさせる第2のモジュールへ、該リアクタアレイを移動させることができる、請求項13に記載の方法。
  16. 単一のリアクタアレイ内に含まれる複数の細胞培養に対して、2つ以上の実験プロトコルを実行する、前記自動細胞培養装置をさらに備える、請求項10に記載の方法。
  17. 単一のリアクタアレイ内に含まれる複数の細胞培養の各々に対して、単一の実験プロトコルを実行する、前記自動細胞培養装置をさらに備える、請求項10に記載の方法。
  18. 前記実験プロトコルを実行する動作の一部として、1つ以上のリアクタアレイ内に含まれる前記細胞培養からデータを収集する動作をさらに含む、請求項10に記載の方法。
  19. 前記収集されたデータのうちの少なくとも一部を前記データ構造に割り当てる動作を含む、請求項18に記載の方法。
  20. 前記データ構造を生成する動作は、制約付き要因配置実験を用いて前記データ構造を生成する動作を含む、請求項8に記載の方法。
  21. 各実験プロトコルを割り当てる動作は、
    複数のリアクタアレイを準備する動作と、
    最小数のリアクタアレイが用いられるように、該複数のリアクタアレイ内に含まれる特定の細胞培養に実験プロトコルを割り当てる動作と
    を含む、請求項8に記載の方法。
  22. その上に格納されたプログラムを有する機械可読媒体を備える物品であって、
    該プログラムは、実行されると、コンピュータ駆動システムに、
    細胞培養のための複数の実験因子を定義する動作と、
    少なくとも一部の実験因子に対して、複数のレベルを定義する動作と、
    各因子に対して、該複数のレベルから選択されたそれぞれのレベルを用いて、複数の実験プロトコルを生成する動作と、
    各実験プロトコルに関して、自動細胞培養装置を用いて、該実験プロトコルを細胞培養に適用する動作と
    を実行させるための命令を含む、物品。
  23. 各々が複数のリアクタを備える複数のリアクタアレイを準備する動作と、
    実験プロトコルにおいて選択された場合、選択されたリアクタ上で単独に動作し得る少なくとも1つの反応係数を定義する動作と、
    単一のリアクタアレイ内の各リアクタ上で同時に動作するが単独では動作しない、少なくとも1つのアレイ係数を定義する動作と、
    各反応係数および各アレイ係数に対して、複数のレベルを定義する動作と、
    1つ以上の組のうちの少なくとも1つの組が、(1)該複数のリアクタアレイから選択された特定のリアクタアレイの第1のリアクタに適用可能な第1の実験プロトコルと、(2)該特定のリアクタアレイの第2のリアクタに適用可能な第2の実験プロトコルとを含むように、該複数のリアクタアレイに適用可能な該1つ以上の組の実験プロトコルを生成する動作であって、該第1の実験プロトコルおよび該第2の実験プロトコルは各々、各選択された反応係数および各選択されたアレイ係数に対して、該複数のレベルから選択されたそれぞれのレベルを用いて生成され、該第1の実験プロトコルは、第1のレベルの反応係数を含み、該第2の実験プロトコルは、該第1のレベルとは異なる第2のレベルの反応係数を含む、動作と、
    自動装置を用いて、該実験プロトコルの組を対応する特定のリアクタアレイに適用する動作と
    を含む、方法。
  24. 前記1つ以上の組の実験プロトコルを生成する動作は、コンピュータを用いて実行される、請求項23に記載の方法。
  25. 少なくとも1つのリアクタは、細胞培養を含む、請求項23に記載の方法。
  26. 少なくとも1つの反応係数は、細胞の生存度を含む、請求項25に記載の方法。
  27. 少なくとも1つの反応係数は、細胞の栄養素の濃度を含む、請求項25に記載の方法。
  28. 少なくとも1つの反応係数は、細胞型を含む、請求項23に記載の方法。
  29. 少なくとも1つの反応係数は、pHを含む、請求項23に記載の方法。
  30. 少なくとも1つの反応係数は、化学種の濃度を含む、請求項23に記載の方法。
  31. 少なくとも1つの反応係数は、溶解気体の濃度を含む、請求項23に記載の方法。
  32. 少なくとも1つのアレイ係数は、温度を含む、請求項23に記載の方法。
  33. 少なくとも1つのアレイ係数は、気体の濃度を含む、請求項23に記載の方法。
  34. 前記生成する動作は、コンピュータを用いて1つ以上の組の実験プロトコルを生成する動作を含む、請求項23に記載の方法。
  35. 前記自動装置は、前記特定のリアクタアレイを操作することができるロボットを備える、請求項23に記載の方法。
  36. 前記ロボットは、軸を中心としてリアクタアレイを回転させ、かつ/または、該軸に実質的に垂直な方向のうちの少なくとも1つの方向かつ該軸と実質的に平行な方向に、リアクタアレイを平行移動させることができる、請求項35に記載の方法。
  37. 前記ロボットは、リアクタアレイに第1の条件を受けさせる第1のモジュールから、該リアクタアレイに該第1の条件とは異なる第2の条件を受けさせる第2のモジュールへ、該リアクタアレイを移動させることができる、請求項35に記載の方法。
  38. 前記特定のリアクタアレイからデータを収集する動作をさらに含む、請求項23に記載の方法。
  39. 第1の次元が実験因子を表し第2の次元が時間事象を表す2つの次元にアドレス指定可能なマトリックスを規定するフィールドを備えるデータストア内のデータ構造に、前記データを記録する動作をさらに含む、請求項38に記載の方法。
  40. 前記対応する実験プロトコルを前記データ構造に記録する動作をさらに含む、請求項38に記載の方法。
  41. 前記データを記録する前記動作は、ベースライン条件からの偏差として、前記データを前記データ構造内に記録する動作を含む、請求項38に記載の方法。
  42. その上に格納されたプログラムを有する機械可読媒体を備える物品であって、該プログラムは、実行されると、
    各々が複数のリアクタを備える複数のリアクタアレイを準備する動作と、
    実験プロトコルにおいて選択された場合、選択されたリアクタ上で単独に動作し得る少なくとも1つの反応係数を定義する動作と、
    単一のリアクタアレイ内の各リアクタ上で同時に動作するが単独では動作しない、少なくとも1つのアレイ係数を定義する動作と、
    各反応係数および各アレイ係数に対して、複数のレベルを定義する動作と、
    1つ以上の組のうちの少なくとも1つの組が、(1)該複数のリアクタアレイから選択された特定のリアクタアレイの第1のリアクタに適用可能な第1の実験プロトコルと、(2)該特定のリアクタアレイの第2のリアクタに適用可能な第2の実験プロトコルとを含むように、該複数のリアクタアレイに適用可能な該1つ以上の組の実験プロトコルを生成する動作であって、該第1の実験プロトコルおよび該第2の実験プロトコルは各々、各選択された反応係数および各選択されたアレイ係数に対して、該複数のレベルから選択されたそれぞれのレベルを用いて生成され、該第1の実験プロトコルは、第1のレベルの反応係数を含み、該第2の実験プロトコルは、該第1のレベルとは異なる第2のレベルの反応係数を含む、動作と、
    自動装置を用いて、該実験プロトコルの組を該対応する特定のリアクタアレイに適用する動作と
    を実行するための命令を含む、物品。
  43. 請求項42に記載の物品を備える自動細胞培養装置を備える装置。
  44. 前記自動細胞培養装置は、前記1つ以上の組の実験プロトコルの動作のうちの少なくとも一部を行うためにリアクタアレイを操作することができるロボットを備える、請求項43に記載の装置。
  45. コンピュータ実行型の方法であって、
    複数の群であって、各々が複数の要素を含み、少なくとも1つの群は2つ以上の要素を含む、群と、
    実験プロトコルにおいて選択された場合、選択された要素上で単独に動作し得る、少なくとも1つの反応係数と、
    単一の群内の各要素上で同時に動作するが単独では動作しない、少なくとも1つの群因子と、
    各要素因子および各群因子に対する複数のレベルと
    を入力することをユーザに促すように、
    1つ以上の組のうちの少なくとも1つの組が、(1)該複数の群から選択された特定の群の第1の要素に適用可能な前記第1のプロトコルと、(2)該特定の群の第2の要素に適用可能な前記第2のプロトコルとを含むように該複数の群に適用可能なプロトコルの1つ以上の組を生成し、該第1のプロトコルおよび該第2のプロトコルは、各選択された要素因子および各選択された群因子に対して該複数のレベルから選択されたそれぞれのレベルを用いて各々生成され、該第1のプロトコルが第1のレベルの要素因子を含み、該第2のプロトコルが該第1のレベルとは異なる第2のレベルの要素因子を含むように、
    自動装置に該1つ以上の組のプロトコルを発行するように、
    かつ、該自動装置に、複数の別個の実験を含む実験システムに対して該1つ以上の組のプロトコルを適用させるように、
    コンピュータを作動させる動作を含む、方法。
  46. 前記複数の別個の実験の各々は、実験プロトコルが実行される生物有機体を含む、請求項45に記載の方法。
  47. その上に格納されたプログラムを有する機械可読媒体であって、
    該プログラムは、実行されると、
    実験因子のリスト、各実験因子に対する1つ以上のレベル、および1つ以上の時間であって、該時間において1つ以上の実験因子値が設定され、かつ/または1つ以上の測定値が取得されるべき、1つ以上の時間を受信するためのインタフェースをユーザに提示する動作と、
    入力として、該実験因子のリストおよび該1つ以上の時間を受信する動作と、
    該受信された要因配置実験を用いて、該受信された1つ以上の実験プロトコルに対応するデータ構造を生成する動作であって、各実験プロトコルは、該実験因子に対して1つ以上の値および1つ以上の時間を含む、動作と、
    各実験プロトコルを、リアクタアレイ内に含まれる特定の細胞培養に割り当てる動作と
    を実行するための命令を含む、物品。
  48. 前記データ構造は、第1の次元が実験因子を表し第2の次元が時間を表す2つの次元にアドレス指定可能なマトリックスを規定するフィールドを備える、請求項47に記載の物品。
  49. 前記機械可読媒体は、制約付き要因配置実験を用いて前記データ構造を生成するための命令を含む、請求項47に記載の物品。
  50. 前記機械可読媒体は、
    複数のリアクタアレイを準備するため、および
    最小数のリアクタアレイが用いられるように、該複数のリアクタアレイ内に含まれる特定の細胞培養に実験プロトコルを割り当てるため
    の命令を含む、請求項47に記載の物品。
  51. 細胞培養実験を選別する方法であって、
    実行された自動細胞培養実験の複数の記述子、および得られた実験データをデータストア内に収集する動作と、
    コンピュータを作動させ、提供された記述子の基準に適合する該記述子に関して該データストアを検索する動作と、
    を含む、方法。
  52. 記述子および実験データを収集する動作は、該記述子および該実験データを別個に格納する動作を含む、請求項51に記載の方法。
  53. 記述子を収集する動作は、複数のソースから、それらのソースによって行われた実験の記述子を集める動作を含む、請求項51に記載の方法。
  54. コンピュータを作動させて検索する動作は、コンピュータを作動させて、検索者が許可されている記述子のみを検索する動作を含む、請求項51に記載の方法。
  55. 前記データストアの検索に対して料金を課す動作をさらに含む、請求項51に記載の方法。
  56. 自動細胞培養装置に対して実験を定義し、かつ細胞培養実験に対する所望の実験条件を符号化するために使用可能な記述子がその上に記録されているコンピュータ可読媒体。
  57. 機械可読形式の記述子として、直接的または間接的に自動細胞培養装置によって使用可能なフォーマットで、実験を行うためのパラメータおよび仕様書を記録する動作を含む、細胞培養実験を行う方法。
  58. 前記実験からの測定値を機械可読形式で記録する動作をさらに含み、該形式は、該測定値を該実験のための対応する記述子と関連付ける、請求項57に記載の方法。
  59. 解釈プログラム、すなわちパーサを用いて、一組の1つ以上の関連する記述子を、一組の所望の実験条件として解釈し、自動システムによって操作されるバイオリアクタ内で対応する実験を実行するように、該自動システムに命令するための、対応する一連のコマンドを生成する動作をさらに含む、請求項57に記載の方法。
  60. 前記バイオリアクタは、アレイ状に配列されており、前記方法は、実験に必要なアレイの数を最小限にするために、実験パラメータを該アレイにマップする動作をさらに含む、請求項58に記載の方法。
  61. コンピュータを作動させ、前記要因配置実験に対応する一組の機械可読記述子の生成においてユーザを支援する動作を含む、1因子または多因子の実験計画を実行する方法。
  62. 前記記述子を「タグ」として用いて、後の検索および分析のために、前記実験から得られたデータにインデックスを付ける動作をさらに含む、請求項57に記載の方法。
  63. データストア内のデータセットのタグを比較し、類似度によってランク付けされた結果をクエリタグに返すことによって、該データストア内に記録された以前の細胞培養実験の結果を検索する動作を含む、効果的な細胞培養実験を促進する方法。
  64. プロセッサ上で実行されると、請求項1〜請求項63のうちのいずれかの項に記載の方法を実行し、かつ/または請求項1〜請求項63のいずれかのうちの項に記載の装置を構成するための動作を定義する信号がその上に記録されているコンピュータ可読媒体。
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