JP2009303365A - 電動モータの保護装置および電動式油圧ショベル - Google Patents
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Abstract
【課題】電動モータの固定子コイルの異常な温度上昇の検知精度を向上させることができる電動モータの保護装置を提供すること。
【解決手段】コントローラ44は、外気温度センサ41により検出された電動モータ11の外気温度と、コイル温度センサ42により検出された電動モータ11のコイルエンド14aの温度とに基づき電動モータ11の固定子コイル14の上昇温度Trを算出する。さらに、消費電流センサ43により検出された電動モータ11の消費電流(モータ負荷)に対応する規定上昇温度Tsを算出する。さらに、上昇温度Trが規定上昇温度Ts以上かどうかを判定し、上昇温度Trが規定上昇温度ts以上であるという判定結果を得たときに、報知装置48を制御して注意警報表示灯48bを点灯させる。
【選択図】図3
【解決手段】コントローラ44は、外気温度センサ41により検出された電動モータ11の外気温度と、コイル温度センサ42により検出された電動モータ11のコイルエンド14aの温度とに基づき電動モータ11の固定子コイル14の上昇温度Trを算出する。さらに、消費電流センサ43により検出された電動モータ11の消費電流(モータ負荷)に対応する規定上昇温度Tsを算出する。さらに、上昇温度Trが規定上昇温度Ts以上かどうかを判定し、上昇温度Trが規定上昇温度ts以上であるという判定結果を得たときに、報知装置48を制御して注意警報表示灯48bを点灯させる。
【選択図】図3
Description
本発明は、電動モータの過熱を検知して報知する電動モータの保護装置、およびこの電動モータの保護装置を備えた電動式油圧ショベルに関する。
従来の電動モータの保護装置は、固定子鉄心の温度を温度センサで検出し、その検出された固定子鉄心の温度(以下「鉄心温度」という)に基づき演算処理装置により固定子コイルの温度(以下「コイル温度」という)を算出する。そして、コイル温度が規定温度に達したかどうかを判定し、規定温度に達したと判定したことを、固定子コイルの過熱を検知したこととして報知する。なお、規定温度は、固定子コイルに焼損等の致命的な損傷が生じるとされるコイル温度よりも低く、コイル温度の正常範囲よりも高い温度に設定されている。
電動モータの構造上、温度センサを固定子コイルの中心部に設けてコイル温度を検出するのは困難である。このため、従来の電動モータの保護装置では、前述のように、温度センサにより検出された鉄心温度に基づき演算処理装置がコイル温度を算出するという検出方法が採用されている。この検出方法において、コイル温度の算出は、コイル温度と鉄心温度との予め設定された対応関係、例えばコイル温度の75%が鉄心温度であるという関係に基づいて行われる。その対応関係は、コイル温度の検出精度を向上させるため、固定子鉄心の位置、電動モータの外気温度、モータの冷却効率などを考慮した調整が可能になっていることもある。
この種の従来の電動モータの保護装置については特許文献1を参照されたい。
実開平6−77469号公報
ところで、前述した従来の電動モータの保護装置において、過熱の報知の基準となる規定温度が固定値であるため、過負荷や冷却効率の低下などに起因する電動モータの異常な温度上昇を、コイル温度が規定温度に達することが伴わなければ検知できないという問題がある。
この問題を具体的な例を挙げて説明する。
電動モータの一般的な使用条件の一例としては、「負荷率が100%(80%)での電動モータの連続使用時における外気温度の上限値が40℃(60℃)である」という使用条件がある。この使用条件に対応する電動モータにおいて、過熱の報知の基準となる規定温度は例えば150℃に設定される。このように規定温度が150℃に設定された電動モータを、外気温度が−20℃の環境下において負荷率が80%の状態で連続使用した場合、その外気温度「−20℃」と外気温度の上限値「60℃」との差が80℃と大きいため、過負荷や冷却効率の低下などに起因して電動モータの固定子コイルに異常な温度上昇が生じても、これに伴う上昇温度(温度上昇に伴う温度変化の幅)が80℃を超えなければコイル温度は規定温度「150℃」に達さず、検知されないことになる。
また、電動式油圧ショベルには原動機として電動モータが搭載されている。電動式油圧ショベルは生産ラインの設備の一部として用いられる。生産ラインの各設備のいずれか1つでも故障で停止すれば生産ライン全体が停止して、生産性の低下を招くため、生産ラインに対しては定期点検が行われる。この定期点検の際、電動式油圧ショベルの電動モータの点検も行われる。電動式油圧ショベルに従来の電動モータの保護装置を採用した場合、固定子コイルが規定温度以上に過熱されなければ固定子コイルの異常な温度上昇が検知されないため、定期点検前に異常な温度上昇が生じていたとしても、定期点検時に電動モータに異常がないと判断され、異常な温度上昇の原因が取り除かれないまま生産ラインの稼働が再開されることがある。このため、生産ラインの稼働中に、前回の定期点検で見逃がされた異常が原因となって再び異常な温度上昇が生じ、これに伴って固定子コイルが規定温度以上に過熱し、この過熱が電動モータの保護装置で検知されることがある。固定子コイルの過熱が検知されれば、電動式油圧ショベルを停止させ、すなわち生産ライン全体を停止させ、電動モータの点検・修理を行うことになる。
電動式油圧ショベルのうちでも超大型のものは、僻地で用いられるため、専門性の高い点検や整備を日常的に行うことは困難である。また、その僻地が寒冷地や冬季で気温が非常に低い環境の場合、屋外での点検・整備に非常な労力を要する。さらに、超大型電動式油圧ショベルでは、電動モータも超大型であるため、電動モータの交換が困難である。これらのことから、超大型電動式油圧ショベルの電動モータの異常に対しては、点検・整備の専門性が低いこと、点検・整備に要する労力も少なくて済むこと、および、電動モータを交換しなくて済むことが要望されている。これらの要望に応じるためには、固定子コイルの規定温度以上の過熱が生じにくい気温の低い環境下であっても異常な温度上昇の発生を把握でき、異常の原因をその異常の初期段階で除去できることが望ましい。
本発明は前述の事情を考慮してなされたものであり、その目的は、電動モータの固定子コイルの異常な温度上昇の検知精度を向上させることができる電動モータの保護装置、および、この電動モータの保護装置を備えた電動式油圧ショベルを提供することにある。
前述の目的を達成するために、本発明の電動モータの保護装置は次のように構成されている。
〔1〕本発明の電動モータの保護装置は、電動モータの過熱を検知して報知する電動モータの保護装置において、前記電動モータの固定子コイルの上昇温度を検出する上昇温度検出手段と、この上昇温度検出手段により検出された上昇温度が規定上昇温度以上かどうかを判定する上昇温度判定手段と、この上昇温度判定手段により前記検出された上昇温度が前記規定上昇温度以上であると判定されたことを報知する報知手段とを備えたことを特徴とする。
この「〔1〕」に記載の本発明は、上昇温度検出手段により固定子コイルの上昇温度を検出し、その検出された上昇温度が規定上昇温度以上かどうかを、上昇温度判定手段により判定する。これにより、固定子コイルの異常な温度上昇の検知精度を向上させることができる。
〔2〕 本発明は「〔1〕」に記載の電動モータの保護装置の発明において、前記電動モータの負荷を検出する負荷検出手段と、前記電動モータの負荷と前記規定上昇温度との予め設定された対応関係に基づいて、前記負荷検出手段により検出された負荷に対応する規定上昇温度を算出する規定上昇温度算出手段と、を備えたことを特徴とする。
この「〔2〕」に記載の本発明は、負荷検出手段により電動モータの負荷を検出し、その検出された負荷に対応する規定上昇温度を規定上昇温度算出手段により算出する。これにより、固定子コイルの温度上昇の異常を、電動モータの負荷と固定子コイルの温度上昇との関係を踏まえて判定することができる。
〔3〕 本発明は「〔1〕」または「〔2〕」に記載の電動モータの保護装置の発明において、前記固定子コイルの温度が安定しているかどうかを判定する温度安定判定手段を備え、前記上昇温度判定手段は、前記温度安定判定手段により前記固定子コイルの温度が安定していると判定されたときに、前記検出された上昇温度が前記規定上昇温度以上であるかどうかの判定を行うよう設定されたことを特徴とする。
この「〔3〕」に記載の本発明は、固定子コイルの温度が安定した状態で上昇温度が規定上昇温度以上であるかどうかを判定するので、異常な温度上昇の検知精度を安定させることができる。
〔4〕 本発明は、原動機として電動モータを備えた電動式油圧ショベルにおいて、「〔1〕」〜「〔3〕」のいずれか1項に記載の電動モータの保護装置を備えたことを特徴とする。
電動式油圧ショベルが生産ラインの設備の一部として用いられることは前述した。「〔4〕」に記載の電動式油圧ショベルは、「〔1〕」〜「〔3〕」に記載の電動モータの保護装置により、生産ラインの定期点検時に、固定子コイルの異常な温度上昇の原因を電動モータから除去することを促すことができるので、電動式油圧ショベルの電動モータの故障に起因する生産ラインの停止頻度の低減に貢献できる。また、「〔1〕」〜「〔3〕」に記載の電動モータの保護装置によれば、電動モータの異常に初期段階のうちに対処することができるようになるので、電動モータの点検・整備の専門性を低くすること、電動モータの点検・整備に要する労力を少なくすること、および、電動モータを交換しなくて済ませることに貢献でき、したがって、僻地で用いられる超大型電動式油圧ショベルとして有用な電動式油圧ショベルを実現できる。
本発明の電動モータの保護装置によれば、電動モータの固定子コイルの異常な温度上昇の検知精度を向上させることができる。特に、寒冷地や冬季等の気温の低い環境下での固定子コイルの異常な温度上昇の検知精度の向上に貢献できる。
本発明の電動式油圧ショベルによれば、電動式油圧ショベルが生産ラインの設備の一部として用いられている場合に、電動式油圧ショベルの電動モータの故障に起因する生産ラインの停止頻度の低減に貢献できる。また、僻地で用いられる超大型電動式油圧ショベルとして有用な電動式油圧ショベルを実現できる。
本発明の一実施形態について説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る超大型電動式油圧ショベルの斜視図である。
この図1に示すように、本実施形態に係る超大型電動式油圧ショベル1(ローディングショベル)は、走行体2と、この走行体2に旋回可能に設けられた旋回体3と、この旋回体3の前部中央に装備されたフロント作業機4とを備えている。
フロント作業機4は、旋回体3に上下方向に回動可能に結合したブーム5と、このブーム5の端部に回動可能に結合したアーム6と、このアーム6の端部に回動可能に結合し開閉可能に構成されたバケット7とを備えている。
旋回体3の後部には、メインポンプやパイロットポンプを構成する複数のポンプからなるポンプ群10と、このポンプ群10の駆動源である電動モータ11と、この電動モータ11からポンプ群10に動力を伝達するポンプトランスミッション20が格納されている。
図2は図1の矢印B方向から見た電動モータおよびその周辺を拡大して示す部分的破断図である。この図2において、18は旋回体3に固定された基台(図1には示していない)である。この基台18上に電動モータ11が固定されている。電動モータ11の出力軸12は、カップリング22によりポンプトランスミッション20の入力軸21と一体的に回転可能に結合している。
電動モータ11は、出力軸12と一体的に回転する回転子13と、この回転子13の外周側に設けられ回転不能な固定子コイル14と、これらを格納するケース15とを備えている。ケース15の外側には、放熱器16が設けられている。この放熱器16は、表面にフィンが形成された本体(図示しない)と、この本体に放熱のための空気を供給する導風体17とを有する。導風体17は、吸気口17a1を含む導風路を形成している吸気管17aと、排気口17b1を含む導風路を放熱器16の本体との間に形成する本体カバー17bとから構成されている。図2において、2点鎖線の矢印は、導風体17により形成された導風路内における空気の流れを示している。
図1に戻り、旋回体3の中央部には、電動モータ11の駆動回路を含む、油圧ショベル1の電気系統の制御盤30が設けられている。
図3は本発明の電動モータの保護装置の一実施形態を示すブロック図である。図3に示において破線で囲んだ部分が、本実施形態に係る保護装置である。外気温度センサ41は図2に示すように吸気管17aの吸気口17a1の縁に取り付けられていて、吸気口17a1から導入される空気の温度を検出し、検出した温度に相応する外気温度信号(電気信号)を出力するようになっている。また、コイル温度センサ42は図2に示すように固定子コイル14のコイルエンドに取り付けられていて、コイルエンド14aの温度を検出し、検出した温度に相応するコイル温度信号(電気信号)を出力するようになっている。さらに、モータの負荷を検出する負荷検出手段としての消費電流センサ43は、電動モータ11での消費電流を検出し、検出した電流に相応する消費電流信号を出力するようになっている。この消費電流センサ43は制御盤30に設けられている。
図1に示すように、旋回体3の前部で運転室3aの下方には、コントローラ44が格納されている。このコントローラ44は、図3に示すように、CPU、RAM、ROMを含む演算処理部45と、外部からの電気信号を入力する入力部46と、外部に制御信号を出力する出力部47とを備えている。入力部46には、外気温度センサ41から出力された外気温度信号、コイル温度センサ42から出力されたコイル温度信号、および、消費電流センサ43から出力された消費電流信号が入力されるようになっている。出力部47は、運転室3aに設けられた報知装置48を制御する報知制御信号と、制御盤30中の電動モータ11の駆動回路を制御するモータ制御信号とを出力するようになっている。
コントローラ44は、演算処理部45のROMに予め記憶されたコンピュータプログラムによって、図4に示す処理を行うようになっている。図4は電動モータの固定子コイルが規定温度以上に過熱した際に、図3に示したコントローラが行う処理の流れを示すフローチャートである。
この図4に示すように、コントローラ44は、コイル温度信号を入力部46に入力してコイル温度の検出値を得ると、そのコイル温度が規定温度以上かどうかを判定する(手順S1→手順S2)。規定温度については、「背景技術」の欄でも述べたが、固定子コイルに焼損等の致命的な損傷が生じるとされるコイル温度よりも低く、コイル温度の正常範囲よりも高い温度に設定されている。
そして、コントローラ44はコイル温度が規定温度以上であると判定すると(手順S2でYES)、電動モータ11を緊急停止させるためのモータ制御信号を、制御盤30に出力するとともに、報知装置48の緊急警報表示灯48aを点灯させるための報知制御信号を、報知装置48に出力する(手順S3)。
コントローラ44はコイル温度が規定温度以上でないと判定すると(手順S2でNO)、手順S1に戻る。つまり、コイル温度が規定温度以上にならない状態では、「手順S1→手順S2→手順S1」のルーチンが繰り返される。
コントローラ44は、演算処理部45のROMに予め記憶されたコンピュータプログラムによって、前述の図4に示す処理に加え、図5に示す処理も行うようになっている。図5は電動モータの固定子コイルに異常な温度上昇が生じた際に、図3に示したコントローラが行う処理の流れを示すフローチャートである。
この図5に示すように、コントローラ44は、第1規定時間T1が経過するまでの間、コイル温度信号、外気温度信号および消費電流信号の入力と、これらの信号から得たコイル温度、外気温度および消費電流のそれぞれの検出値の記憶とを、繰り返し、コイル温度、外気温度および消費電流のそれぞれの検出値を順次蓄積する。つまり、「手順S10,S12,S14→手順S11,S13,S15→手順S16→手順S10,S12,S14」のルーチンを第1規定時間T1だけ繰り返す。
第1規定時間T1が経過すると(手順S16でYES)、第1規定時間T1の経過時点から第2規定時間T2(T2<T1)前までのコイル温度の変化幅が規定幅内かどうかを判定する(手順S17)。つまり、コントローラ44は、コイル温度が安定しているかどうかを判定する温度安定判定手段として機能している。ここで、コイル温度の変化幅が規定幅内ではない、すなわちコイル温度が安定していないと判定すると(手順S17でNO)、ルーチンを手順S10,S12,S14に戻す。
一方、コイル温度の変化幅が規定幅内である、すなわちコイル温度が安定したと判定すると(手順S17でYES)、次にコントローラ44は、第1規定時間T1の経過時点のコイル温度Tc、すなわち安定した状態のコイル温度を抽出する(手順S18)とともに、第2規定時間T2前から第3規定時間T3(T3=T1−T2,T2<T3)前までの平均外気温度Toaを算出する(手順S19)。そして、コイル温度Tcから平均外気温度Toaを減算して固定子コイル14の上昇温度Tr(Tr=Tc−Toa)を算出する(手順S20)。つまり、コントローラ44は外気温度センサ41とコイル温度センサ42との協働により、固定子コイル14の上昇温度を検出する上昇温度検出手段として機能している。
また、コントローラ44は規定上昇温度算出手段として機能し、この機能により、第2規定時間T2前から第3規定時間T3前までの平均消費電流Ia(モータ負荷)も算出し、さらに、平均消費電流Iaと規定上昇温度Tsとの予め設定された対応関係に基づいて、今回算出した平均消費電流Iaに対応する規定上昇温度Tsを算出する(手順S21→手順S22)。
次に、コントローラ44は上昇温度判定手段として機能し、この機能によって、上昇温度Trと規定上昇温度Tsとを比較し、上昇温度Trが規定上昇温度Ts以上かどうかを判定する(手順S23)。ここで、上昇温度Trが規定上昇温度Ts以上ではないと判定すると(手順S17でNO)、ルーチンを手順S10,S12,S14に戻す。
一方、上昇温度Trが規定上昇温度Ts以上であると判定すると(手順S17でYES)、コントローラ44は報知装置48の注意警報表示灯48bを点灯させるための報知制御信号を出力する(手順S24)。この報知制御信号により報知装置48は注意警報表示灯48bを点灯さる。このときの報知装置48は、固定子コイル14の上昇温度Trが規定上昇温度Ts以上であること報知する報知手段として機能したことになる。なお、このときには、コントローラ44は電動モータ11を緊急停止させるためのモータ制御信号を出力しない。
本実施形態に係る保護装置40によれば次の効果を得られる。
保護装置40は、外気温度センサ41とコイル温度センサ42とコントローラ44との協働による上昇温度検出手段としての機能によって固定子コイル14の上昇温度Trを検出し、その検出された上昇温度Trが規定上昇温度Ts以上かどうかを、上昇温度判定手段としてのコントローラ44により判定する。これにより、電動モータ11の固定子コイル14の異常な温度上昇の検知精度を向上させることができる。特に、寒冷地や冬季等の気温の低い環境下での固定子コイル14の異常な温度上昇の検出精度の向上に貢献できる。
保護装置40は、消費電流センサ43(負荷検出手段)により電動モータの負荷に相応する消費電流を検出し、その検出された消費電流に対応する規定上昇温度Tsを規定上昇温度算出手段としてのコントローラ44により算出する。これにより、固定子コイル14の温度上昇の異常を、電動モータ11の負荷と固定子コイル14の温度上昇との関係を踏まえて判定することができる。
保護装置40は、安定判定手段としてのコントローラ44によりコイル温度が安定したことを確認した後に、上昇温度算出手段としてのコントローラ44が、安定したコイル温度Tcと平均外気温度Toaとから固定子コイル14の上昇温度Trを算出する。そして、上昇温度判定手段としてのコントローラ44が、算出された上昇温度Trが規定上昇温度Ts以上であるかどうかを判定する。これにより、固定子コイル14の異常な温度上昇の検知精度を安定させることができる。
本実施形態に係る超大型電動式油圧ショベル1によれば次の効果を得られる。
超大型電動式油圧ショベル1は、保護装置40の報知装置48の注意警報表示灯48bにより、生産ラインの定期点検時に、固定子コイル14の異常な温度上昇の原因を電動モータ11から除去することを促すことができる。したがって、電動式油圧ショベル1の電動モータ11の故障に起因する生産ラインの停止頻度の低減に貢献できる。
また、超大型電動式油圧ショベル1は、保護装置40によって電動モータ11の異常に初期段階のうちに対処することができるようになるので、電動モータ11の点検・整備の専門性を低くすること、電動モータ11の点検・整備に要する労力を少なくすること、および、電動モータ11を交換しなくて済ませることに貢献できる。つまり、超大型電動式油圧ショベル1は、僻地で用いられる超大型電動式油圧ショベルとして好適である。
なお、実施形態を超大型電動式油圧ショベル1を挙げて説明したが、これは、本発明の電動式油圧ショベルを超大型に限定するものでも、ローディングショベルに限定するものでもない。
1 超大型油圧ショベル
2 走行体
3 旋回体
3a 運転室
4 フロント作業機
5 ブーム
6 アーム
7 バケット
10 ポンプ群
11 電動モータ
12 出力軸
13 回転子
14 固定子コイル
14a コイルエンド
15 ケース
16 放熱器
17 導風体
17a 吸気管
17a1 吸気口
17b 本体カバー
17b1 排気口
18 基台
20 ポンプトランスミッション
21 入力軸
22 カップリング
30 制御盤
40 保護装置
41 外気温度センサ
42 コイル温度センサ
43 消費電流センサ
44 コントローラ
45 演算処理部
46 入力部
47 出力部
48 報知装置
48a 緊急警報表示灯
48b 注意警報表示灯
2 走行体
3 旋回体
3a 運転室
4 フロント作業機
5 ブーム
6 アーム
7 バケット
10 ポンプ群
11 電動モータ
12 出力軸
13 回転子
14 固定子コイル
14a コイルエンド
15 ケース
16 放熱器
17 導風体
17a 吸気管
17a1 吸気口
17b 本体カバー
17b1 排気口
18 基台
20 ポンプトランスミッション
21 入力軸
22 カップリング
30 制御盤
40 保護装置
41 外気温度センサ
42 コイル温度センサ
43 消費電流センサ
44 コントローラ
45 演算処理部
46 入力部
47 出力部
48 報知装置
48a 緊急警報表示灯
48b 注意警報表示灯
Claims (4)
- 電動モータの過熱を検知して報知する電動モータの保護装置において、
前記電動モータの固定子コイルの上昇温度を検出する上昇温度検出手段と、
この上昇温度検出手段により検出された上昇温度が規定上昇温度以上かどうかを判定する上昇温度判定手段と、
この上昇温度判定手段により前記検出された上昇温度が前記規定上昇温度以上であると判定されたことを報知する報知手段と
を備えたことを特徴とする電動モータの保護装置。 - 請求項1に記載の発明において、
前記電動モータの負荷を検出する負荷検出手段と、
前記電動モータの負荷と前記規定上昇温度との予め設定された対応関係に基づいて、前記負荷検出手段により検出された負荷に対応する規定上昇温度を算出する規定上昇温度算出手段と
を備えたことを特徴とする電動モータの保護装置。 - 請求項1または2に記載の発明において、
前記固定子コイルの温度が安定しているかどうかを判定する温度安定判定手段を備え、
前記上昇温度判定手段は、前記温度安定判定手段により前記固定子コイルの温度が安定していると判定されたときに、前記検出された上昇温度が前記規定上昇温度以上であるかどうかの判定を行うよう設定された
ことを特徴とする電動モータの保護装置。 - 原動機として電動モータを備えた電動式油圧ショベルにおいて、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の電動モータの保護装置を備えた
ことを特徴とする電動式油圧ショベル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008154275A JP2009303365A (ja) | 2008-06-12 | 2008-06-12 | 電動モータの保護装置および電動式油圧ショベル |
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