JP2009300361A - 測位方法、プログラム及び測位装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】方位のばらつきに起因する測位位置の直進性の低下を防止すること。
【解決手段】携帯型電話機1において、第1のKF(カルマンフィルタ)測位処理により求めた携帯型電話機1の移動速度が所定の閾値速度未満であることを検出した場合に、当該検出直前の携帯型電話機1の移動速度を保持する。そして、第1のKF測位処理により求めた携帯型電話機1の位置、移動速度及び方位を観測情報とする第2のKF測位処理を行って測位するが、この際、保持されている方位を観測情報としてKF処理を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、測位方法、プログラム及び測位装置に関する。
測位用信号を利用した測位システムとしては、GPS(Global Positioning System)が広く知られており、携帯型電話機やカーナビゲーション装置等に内蔵された測位装置に利用されている。GPSでは、自機の位置を示す3次元の座標値と、時計誤差との4つのパラメータの値を、複数のGPS衛星の位置や各GPS衛星から自機までの擬似距離等の情報に基づいて求める測位演算を行うことで、自機の現在位置を測位する。
測位演算としては、最小二乗法を用いた測位演算や、カルマンフィルタを用いた測位演算が知られている。このカルマンフィルタに関連する技術として、例えば特許文献1には、速度センサ及び方位センサにより検出された測位装置の移動速度及び方位をカルマンフィルタの入力として用いて、測位装置の状態を推定する技術が開示されている。
米国特許第4680715号公報
特許文献1に開示されている技術は、速度センサや方位センサといった慣性航法用センサを搭載した測位装置がカルマンフィルタに基づく測位演算を行うための技術である。しかし、慣性航法用センサを具備しない測位装置であっても、測位装置が測位用衛星から測位用信号を受信した際の受信周波数の変化等に基づいて、測位装置の移動速度や方位を演算することが可能であり、かかる技術は広く用いられている。
しかし、このような測位用信号に基づいて測位装置の移動速度や方位を演算する場合の問題の1つとして、例えば測位装置が低速で移動している場合や停止している場合に、方位のばらつきが大きくなることが挙げられる。このばらつきの大きな方位の情報を用いてカルマンフィルタを用いた測位演算を行うと、実際には測位装置は真っ直ぐに移動しているのに測位位置は真っ直ぐな軌跡を描かず、直進性が劣化するという問題があった。
本発明は、上述した課題に鑑みて為されたものである。
以上の課題を解決するための第1の発明は、測位装置の位置、移動速度及び方位を観測情報とするカルマンフィルタ処理を行って測位することと、前記測位装置の移動速度が所定の速度条件を満たしたことを検出することと、前記検出時又は前記検出直前の前記測位装置の方位を保持することと、を含み、前記測位することは、前記保持されている方位を前記観測情報として前記カルマンフィルタ処理を行って測位することを含む測位方法である。
また、他の発明として、自測位装置の位置、移動速度及び方位を観測情報とするカルマンフィルタ処理を行って測位する測位部と、自測位装置の移動速度が所定の速度条件を満たしたことを検出する検出部と、前記検出部の検出時又は検出直前の自測位装置の方位を保持する保持部と、を備え、前記測位部は、前記保持部により保持されている方位を前記観測情報として前記カルマンフィルタ処理を行って測位する測位装置を構成してもよい。
この第1の発明によれば、測位装置の移動速度が所定の速度条件を満たしたことを検出した場合に、当該検出時又は当該検出直前の測位装置の方位を保持する。そして、測位装置の位置、移動速度及び方位を観測情報とするカルマンフィルタ処理を行って測位するが、この際、保持されている方位を観測情報としてカルマンフィルタ処理を行う。例えば、測位装置の移動速度が所定の閾値速度未満となった場合に、その時点又はその直前の移動速度を保持することで、低速移動時における方位のばらつきを抑えることができる。また、保持されている方位を観測情報としてカルマンフィルタ処理を行うことで、ばらつきのない方位の情報を位置計算に活用することが可能となり、測位位置の直進性が向上する。
また、第2の発明として、第1の発明の測位方法であって、前記測位することは、前記検出がなされている間、前記保持されている方位を前記観測情報として前記カルマンフィルタ処理を行って測位することを含む測位方法を構成してもよい。
この第2の発明によれば、測位装置の移動速度が所定の速度条件を満たしたことを検出している間、保持されている方位を観測情報としてカルマンフィルタ処理を行って測位する。例えば、測位装置が低速移動している間は、保持されている方位を用いてカルマンフィルタ処理を行うことにすれば好適である。
また、第3の発明として、第1又は第2の発明の測位方法であって、測位用衛星からの衛星信号を受信することと、前記受信した衛星信号を用いた所定の測位演算を行って前記測位装置の位置、移動速度及び方位を演算することと、を更に含み、前記測位することは、前記演算された前記測位装置の位置、移動速度及び方位を前記観測情報として前記カルマンフィルタ処理を行って測位することを含み、前記保持することは、前記演算された前記測位装置の方位を保持することを含む測位方法を構成してもよい。
この第3の発明によれば、測位用衛星から受信した衛星信号を用いた所定の測位演算を行って、測位装置の位置、移動速度及び方位を演算する。そして、演算された測位装置の位置、移動速度及び方位を観測情報としてカルマンフィルタ処理を行って測位するとともに、演算された方位を保持する。従って、慣性航法用センサを用いずとも、カルマンフィルタ処理で用いる観測情報を取得することができる。
また、第4の発明として、第1〜第3の何れかの発明の測位方法であって、前記カルマンフィルタ処理は、前記測位装置の位置、移動速度、方位及び所定の単位時間当たりの方位の変化分を成分とする状態ベクトルに対する所定の予測演算と補正演算とを行うことで測位する処理である測位方法を構成してもよい。
この第4の発明によれば、測位装置の位置、移動速度、方位及び所定の単位時間当たりの方位の変化分を成分とする状態ベクトルに対する所定の予測演算と補正演算とを行うことで測位する。単位時間当たりの方位の変化分を状態ベクトルの成分としたことで、方位の演算精度を高めることができる。
また、第5の発明として、第1〜第4の何れかの発明の測位方法であって、前記測位装置の運動状態を示すモードとして、停止モードと移動モードとの2つの運動モードが予め定められており、前記測位装置の運動モードが、前記移動モードから前記停止モードに変化したことを検出することを更に含み、前記保持することは、前記移動モードから前記停止モードへの変化が検出された場合に、当該検出時又は当該検出直前の前記測位装置の方位を保持することを含む測位方法を構成してもよい。
この第5の発明によれば、測位装置の運動モードが、移動モードから停止モードに変化したことを検出した場合に、当該検出時又は当該検出直前の測位装置の方位を保持する。この場合も、第1の発明と同様の効果が発揮される。
また、第6の発明として、第1〜第5の何れかの発明の測位方法であって、前記測位することは、方位センサにより検出された前記測位装置の方位を前記観測情報として用いて前記カルマンフィルタ処理を行って測位することを含み、前記保持することは、前記方位センサにより検出された方位を保持することを含む測位方法を構成してもよい。
この第6の発明によれば、方位センサにより検出された測位装置の方位を観測情報として用いてカルマンフィルタ処理を行って測位するとともに、方位センサにより検出された方位を保持する。
また、第7の発明として、第1〜第6の発明の測位方法を、測位装置に内蔵されたコンピュータに実行させるためのプログラムを構成してもよい。
以下、図面を参照して、測位装置を備えた電子機器の一種である携帯型電話機に本発明を適用した場合の各実施形態について説明する。但し、本発明を適用可能な実施形態がこれらに限定されるわけではない。
図1は、各実施形態に共通する携帯型電話機1の機能構成を示すブロック図である。携帯型電話機1は、GPSアンテナ10と、GPS受信部20と、TCXO(Temperature Compensated Crystal Oscillator)40と、ホストCPU(Central Processing Unit)50と、操作部60と、表示部70と、携帯電話用アンテナ80と、携帯電話用無線通信回路部90と、ROM(Read Only Memory)100と、RAM(Random Access Memory)110とを備えて構成される。
GPSアンテナ10は、GPS衛星から発信されているGPS衛星信号を含むRF(Radio Frequency)信号を受信するアンテナであり、受信した信号をGPS受信部20に出力する。尚、GPS衛星信号は、衛星毎に異なる拡散符号の一種であるPRN(Pseudo Random Noise)コードで直接スペクトラム拡散方式により変調された1.57542[GHz]の通信信号である。PRNコードは、コード長1023チップを1PNフレームとする繰返し周期1msの擬似ランダム雑音符号である。
GPS受信部20は、GPSアンテナ10から出力された信号に基づいて携帯型電話機1の現在位置を測位する測位回路であり、いわゆるGPS受信機に相当する機能ブロックである。GPS受信部20は、RF(Radio Frequency)受信回路部21と、ベースバンド処理回路部30とを備えて構成される。尚、RF受信回路部21と、ベースバンド処理回路部30とは、それぞれ別のLSI(Large Scale Integration)として製造することも、1チップとして製造することも可能である。
RF受信回路部21は、RF信号の処理回路ブロックであり、TCXO40により生成された発振信号を分周或いは逓倍することで、RF信号乗算用の発振信号を生成する。そして、生成した発振信号を、GPSアンテナ10から出力されたRF信号に乗算することで、RF信号を中間周波数の信号(以下、「IF(Intermediate Frequency)信号」と称す。)にダウンコンバートし、IF信号を増幅等した後、A/D変換器でデジタル信号に変換して、ベースバンド処理回路部30に出力する。
ベースバンド処理回路部30は、RF受信回路部21から出力されたIF信号に対して相関処理等を行ってGPS衛星信号を捕捉・抽出し、データを復号して航法メッセージや時刻情報等を取り出して測位演算を行う回路部である。ベースバンド処理回路部30は、演算制御部31と、ROM35と、RAM37とを備えて構成される。また、演算制御部31は、メジャメント取得演算部32と、測位演算部33とを備えて構成される。
尚、メジャメント取得演算部32と、測位演算部33とは、それぞれ別のLSIとして製造することも、1チップとして製造することも可能である。また、本実施形態においては現在位置の測位演算そのものは測位演算部33で実行することとして説明するが、測位演算部33で実行する処理の一部又は全部をホストCPU50で実行することとしてもよいのは勿論である。
メジャメント取得演算部32は、RF受信回路部21から出力された受信信号(IF信号)から、GPS衛星信号の捕捉・追尾を行う回路部であり、相関演算部321を備えて構成されている。メジャメント取得演算部32は、捕捉・追尾したGPS衛星信号の受信周波数やコード位相等の情報を取得し、メジャメント実測値として測位演算部33に出力する。
相関演算部321は、受信信号に含まれるPRNコードとレプリカコードとの相関を、例えばFFT演算を用いて算出し積算する相関演算処理を行って、GPS衛星信号を捕捉する。レプリカコードとは、擬似的に発生させた捕捉しようとするGPS衛星信号に含まれるPRNコードを模擬した信号である。
捕捉しようとするGPS衛星信号が間違いなければ、そのGPS衛星信号に含まれるPRNコードとレプリカコードとは一致し(捕捉成功)、間違っていれば一致しない(捕捉失敗)。そのため、算出された積算相関値のピークを判定することによってGPS衛星信号の捕捉が成功したか否かを判定でき、レプリカコードを次々に変更して、同じ受信信号との相関演算を行うことで、GPS衛星信号を捕捉することが可能となる。
また、相関演算部321は、上述した相関演算処理を、レプリカコードの発生信号の周波数、及び、PRNコードとレプリカコードとを相関演算する際の位相を変更しつつ行っている。レプリカコードの発生信号の周波数と受信信号の周波数とが一致し、且つ、PRNコードとレプリカコードとの位相が一致した場合に、積算相関値が最大となる。
より具体的には、捕捉対象のGPS衛星信号に応じた所定の周波数及び位相の範囲をサーチ範囲として設定する。そして、このサーチ範囲内で、PRNコードの開始位置(コード位相)を検出するための位相方向の相関演算と、周波数を検出するための周波数方向の相関演算とを行う。サーチ範囲は、周波数についてはGPS衛星信号の搬送波周波数である1.57542[GHz]を中心とする所定の周波数掃引範囲、位相についてはPRNコードのチップ長である1023チップのコード位相範囲内に定められる。
測位演算部33は、メジャメント取得演算部32から入力したメジャメント実測値を用いて、カルマンフィルタ(以下、「KF(Kalman Filter)」と称す。)に基づく測位演算を行うことで、携帯型電話機1の現在位置を測位するプロセッサである。測位演算部33は、測位演算により求めた出力位置をホストCPU50に出力する。
TCXO40は、所定の発振周波数で発振信号を生成する温度補償型水晶発振器であり、生成した発振信号をRF受信回路部21及びベースバンド処理回路部30に出力する。
ホストCPU50は、ROM100に記憶されているシステムプログラム等の各種プログラムに従って携帯型電話機1の各部を統括的に制御するプロセッサである。ホストCPU50は、測位演算部33から入力した出力位置をプロットしたナビゲーション画面を、表示部70に表示させる。
操作部60は、例えばタッチパネルやボタンスイッチ等により構成される入力装置であり、押下されたキーやボタンの信号をホストCPU50に出力する。この操作部60の操作により、通話要求やメールの送受信要求等の各種指示入力がなされる。
表示部70は、LCD(Liquid Crystal Display)等により構成され、ホストCPU50から入力される表示信号に基づいた各種表示を行う表示装置である。表示部70には、ナビゲーション画面や時刻情報等が表示される。
携帯電話用アンテナ80は、携帯型電話機1の通信サービス事業者が設置した無線基地局との間で携帯電話用無線信号の送受信を行うアンテナである。
携帯電話用無線通信回路部90は、RF変換回路、ベースバンド処理回路等によって構成される携帯電話の通信回路部であり、携帯電話用無線信号の変調・復調等を行うことで、通話やメールの送受信等を実現する。
ROM100は、ホストCPU50が携帯型電話機1を制御するためのシステムプログラムや、ナビゲーション機能を実現するための各種プログラムやデータ等を記憶している。
RAM110は、ホストCPU50により実行されるシステムプログラム、各種処理プログラム、各種処理の処理中データ、処理結果などを一時的に記憶するワークエリアを形成している。
1.第1実施形態
1−1.データ構成
図2は、第1実施形態においてベースバンド処理回路部30のROM35に格納されたデータの一例を示す図である。ROM35には、測位演算部33により読み出され、第1のベースバンド処理(図6参照)として実行される第1のベースバンド処理プログラム351が記憶されている。また、第1のベースバンド処理プログラム351には、第1のKF測位処理(図7参照)として実行される第1のKF測位プログラム3511と、第2のKF測位処理(図8参照)として実行される第2のKF測位プログラム3512とがサブルーチンとして含まれている。
第1のベースバンド処理とは、測位演算部33が、第1のKF測位処理を行ってECEF(Earth Centered Earth Fixed)座標系における携帯型電話機1の位置及び移動速度ベクトルを求め、このECEF座標系における処理結果に対して所定の座標変換演算を行うことで、ENU(East North Up)座標系における携帯型電話機1の位置、移動速度及び方位を求める処理である。そして、測位演算部33は、求めた位置、移動速度及び方位を観測情報とする第2のKF測位処理を行うことで、ENU座標系における携帯型電話機1の位置を計算し、その測位位置をホストCPU50に出力する。
ECEF座標系は、地球中心地球固定座標系として知られ、地球の中心(地球重心)を原点とし、地球自転軸の方向をZ軸、グリニジ子午面と赤道面とが交わる方向をX軸、これらの2軸と直交する方向をY軸とする3次元直交座標系である。また、ENU座標系は、東北上座標系として知られ、地表面付近のある点を原点として、天頂方向(地表面に対する垂直線の上方向)をU軸、東方向をE軸、北方向をN軸とする3次元直交座標系である。
ENU座標系における携帯型電話機1の位置、移動速度及び方位は、ECEF座標系において求められた携帯型電話機1の位置及び移動速度ベクトルに対して公知の座標変換演算(行列演算)を行うことで求めることができる。尚、本明細書では、「移動速度」というときは方位を含まないスカラー量を表すものとし、「移動速度ベクトル」というときは方位を含むベクトル量を表すものとする。
第1のKF測位処理とは、測位演算部33が、メジャメント取得演算部32により取得演算されたGPS衛星信号の受信周波数及びコード位相についての情報であるメジャメント実測値を観測情報とするKF測位処理を行うことで、ECEF座標系における携帯型電話機1の位置及び移動速度ベクトルを求める処理である。
また、第2のKF測位処理とは、ENU座標系における携帯型電話機1の位置、移動速度及び方位を観測情報とするKF測位処理を行うことで、ENU座標系における携帯型電話機1の位置、移動速度、方位及び時間毎方位を求める処理である。これらの処理については、フローチャートを用いて詳細に後述する。
図3は、第1実施形態においてベースバンド処理回路部30のRAM37に格納されるデータの一例を示す図である。RAM37には、第1のKFパラメータデータ371と、第2のKFパラメータデータ373と、捕捉衛星別メジャメントデータ375と、計測履歴データ377とが記憶される。
第1のKFパラメータデータ371は、第1のKF測位処理において用いられる各種パラメータ(以下、「第1のKFパラメータ」と称す。)の値が記憶されたデータであり、第1のKF測位処理において測位演算部33により更新される。
第2のKFパラメータデータ373は、第2のKF測位処理において用いられる各種パラメータ(以下、「第2のKFパラメータ」と称す。)の値が記憶されたデータであり、第2のKF測位処理において測位演算部33により更新される。
図4は、捕捉衛星別メジャメントデータ375のデータ構成の一例を示す図である。捕捉衛星別メジャメントデータ375は、第1のKF測位処理において用いられる観測情報及び観測情報の予測値のデータであり、各捕捉衛星3751について、メジャメント実測値3753と、メジャメント予測値3755とが対応付けて記憶される。
捕捉衛星3751には、当該捕捉衛星の番号が記憶され、メジャメント実測値3753及びメジャメント予測値3755には、当該捕捉衛星から受信したGPS衛星信号の受信周波数及びコード位相の実測値及び予測値がそれぞれ記憶される。例えば、捕捉衛星「S1」についてのメジャメント実測値は、受信周波数が「SFreq1」、コード位相が「SCP1」であり、メジャメント予測値は、受信周波数が「EFreq1」、コード位相が「ECP1」である。
第1のKF測位処理では、測位演算部33は、メジャメント取得演算部32からGPS衛星信号の受信周波数及びコード位相の情報を取得してメジャメント実測値3753とし、捕捉衛星別メジャメントデータ375に記憶させる。また、予測演算によって算出した状態ベクトルの予測値と所定の観測行列とを用いてGPS衛星信号の受信周波数及びコード位相の情報を予測してメジャメント予測値3755とし、捕捉衛星別メジャメントデータ375に記憶させる。
図5は、計測履歴データ377のデータ構成の一例を示す図である。計測履歴データ377は、ENU座標系における携帯型電話機1の位置、移動速度及び方位についてのデータであり、各測位時刻3771について、東方向の位置3772と、北方向の位置3773と、東方向の移動速度3774と、北方向の移動速度3775と、測位平面上の移動速度3776と、測位平面上の方位3777と、天頂方向の位置3778と、天頂方向の移動速度3779とが対応付けて記憶される。
東方向の位置3772は、ENU座標系における東西方向の位置座標であり、北方向の位置3773は、ENU座標系における南北方向の位置座標である。また、東方向の移動速度3774は、ENU座標系における東西方向の移動速度であり、北方向の移動速度3775は、ENU座標系における南北方向の移動速度である。
測位平面上の移動速度3776は、例えばENU座標系において天頂方向の位置座標を“0”とした場合における東西南北の2次元平面(この平面を「測位平面」と定義する。)における移動速度であり、測位平面上の方位3777は、測位平面における方位である。また、天頂方向の位置3778は、ENU座標系における天頂方向の位置座標であり、天頂方向の移動速度3779は、ENU座標系における天頂方向の移動速度である。
例えば、測位時刻「t1」においては、東方向の位置として「EastPos1」、北方向の位置として「NorthPos1」、東方向の移動速度として「EastVel1」、北方向の移動速度として「NorthVel1」、測位平面上の移動速度として「Speed1」、測位平面上の方位として「Heading1」、天頂方向の位置として「UpPos1」、天頂方向の移動速度として「UpVel1」がそれぞれ記憶されている。
1−2.処理の流れ
図6は、測位演算部33によりROM35に記憶されている第1のベースバンド処理プログラム351が読み出されて実行されることで、携帯型電話機1において実行される第1のベースバンド処理の流れを示すフローチャートである。第1のベースバンド処理は、RF受信回路部21によるGPS衛星信号の受信と併せて、測位演算部33が、操作部60に測位開始指示の操作がなされたことを検出した場合に実行を開始する処理であり、各種アプリケーションの実行といった各種の処理と並行して行われる処理である。
尚、携帯型電話機1の電源のON/OFFとGPSの起動/停止とを連動させ、携帯型電話機1の電源投入操作を検出した場合に処理の実行を開始させることにしてもよい。原則として、測位演算は「1秒」毎に行われるものとする。また、特に説明しないが、以下の第1のベースバンド処理の実行中は、GPSアンテナ10によるRF信号の受信や、RF受信回路部21によるIF信号へのダウンコンバート、メジャメント取得演算部32によるGPS衛星信号の受信周波数やコード位相の情報の取得・算出等が随時行われている状態にあるものとする。
先ず、測位演算部33は、初期設定を行う(ステップA1)。具体的には、第1のKFパラメータ及び第2のKFパラメータを初期化し、RAM37の第1のKFパラメータデータ371及び第2のKFパラメータデータ373にそれぞれ記憶させる。次いで、測位演算部33は、ROM35に記憶されている第1のKF測位プログラム3511を読み出して実行することで、第1のKF測位処理を行う(ステップA3)。
図7は、第1のKF測位処理の流れを示すフローチャートである。
先ず、測位演算部33は、第1のKF測位処理用の状態ベクトル「X1」及び誤差共分散行列「P1」のKF初期値を設定する(ステップB1)。第1のKF測位処理では、ECEF座標系における携帯型電話機1の位置ベクトル「(x,y,z)」及び移動速度ベクトル「(u,v,w)」と、クロックバイアス「b」と、クロックドリフト「d」とを成分とする、次式(1)に示すような8×1の行列で表される状態ベクトル「X1」を用いて、予測演算及び補正演算を行う。
Figure 2009300361
また、誤差共分散行列「P1」は、状態ベクトル「X1」の8次元の各成分の誤差の共分散を示す8×8の行列である。状態ベクトル「X1」及び誤差共分散行列「P1」の初期値は、例えば1時刻前の第1のKF測位処理で求められた状態ベクトル「X1」及び誤差共分散行列「P1」の補正値「X 1」及び「P 1」とすることができる。
次いで、測位演算部33は、次式(2)及び(3)に従って予測演算を行って、状態ベクトルの予測値「X 1」及び誤差共分散行列の予測値「P 1」を算出する(ステップB3)。
Figure 2009300361
Figure 2009300361
但し、各式における添え字の「−」は予測値、「+」は補正値であることを示しており、「T」は転置行列であることを示している。また、「φ」は、状態遷移行列と呼ばれる8×8の行列であり、「Q」は、プロセスノイズ行列と呼ばれるKFモデルのモデル誤差の共分散を示す8×8の行列である。また、「t」は測位時刻を示している。
その後、測位演算部33は、メジャメント取得演算部32から各捕捉衛星についてのGPS衛星信号の受信周波数及びコード位相の情報を取得して、メジャメント実測値3753としてRAM37の捕捉衛星別メジャメントデータ375に記憶させる。そして、当該メジャメント実測値を成分とする、次式(4)に示すような2×1の行列を第1のKF測位処理用の観測ベクトル「Z1」とする(ステップB5)。
Figure 2009300361
また、測位演算部33は、ステップB3で算出した状態ベクトルの予測値「X 1」に所定の観測行列「H1」を乗算することで、観測ベクトルの予測値「H1 1」を算出し、メジャメント予測値3755としてRAM37の捕捉衛星別メジャメントデータ375に記憶させる(ステップB7)。
観測行列「H1」は、状態ベクトルの予測値「X 1」の各成分を用いて、各捕捉衛星についてのGPS衛星信号の受信周波数及びコード位相の予測値を求めるための行列である。観測行列「H1」は2×8の行列であり、状態ベクトルの予測値「X 1」は8×1の行列であるため、観測ベクトルの予測値「H1 1」は2×1の行列として求めることができる。
次いで、測位演算部33は、次式(5)〜(7)に従って補正演算を行って、状態ベクトルの補正値「X 1」及び誤差共分散行列の補正値「P 1」を算出して(ステップB9)、第1のKF測位処理を終了する。
Figure 2009300361
Figure 2009300361
Figure 2009300361
但し、「K1」はカルマンゲイン行列と呼ばれる8×2の行列であり、「R1」は、観測ベクトル「Z1」の各成分の誤差の共分散を示す観測誤差共分散行列と呼ばれる2×2の行列である。また、「I」は単位行列である。
図6の第1のベースバンド処理に戻って、第1のKF測位処理を行った後、測位演算部33は、第1のKF測位処理で算出した状態ベクトルの補正値「X 1」に含まれるECEF座標系における位置ベクトル「(x,y,z)」に対して所定の座標変換演算を行って、ENU座標系における東方向の位置「EastPos」、北方向の位置「NorthPos」及び天頂方向の位置「UpPos」を算出し、現在の測位時刻と対応付けてRAM37の計測履歴データ377に記憶させる(ステップA5)。
同様に、測位演算部33は、状態ベクトルの補正値「X 1」に含まれるECEF座標系における移動速度ベクトル「(u,v,w)」に対して所定の座標変換演算を行って、ENU座標系における東方向の移動速度「EastVel」、北方向の移動速度「NorthVel」及び天頂方向の移動速度「UpVel」を算出し、現在の測位時刻と対応付けてRAM37の計測履歴データ377に記憶させる(ステップA7)。
次いで、測位演算部33は、ステップA7で算出した東方向の移動速度「EastVel」及び北方向の移動速度「NorthVel」を用いて、次式(8)及び(9)に従って、測位平面上の携帯型電話機1の移動速度「Speed」及び方位「Heading」を算出し、現在の測位時刻と対応付けてRAM37の計測履歴データ377に記憶させる(ステップA9)。
Figure 2009300361
Figure 2009300361
その後、測位演算部33は、ステップA9で算出した測位平面上の移動速度「Speed」が所定の閾値速度(例えば「10km/h」)未満であるか否かを判定し(ステップA11)、閾値速度以上であると判定した場合は(ステップA11;No)、ステップA15へと処理を移行する。また、閾値速度未満であると判定した場合は(ステップA11;Yes)、RAM37の計測履歴データ377において、1時刻前の測位平面上の方位で、現在の測位時刻の測位平面上の方位を更新する(ステップA13)。1時刻前とは、現在の測位時刻から見て1つ前の測位時刻のことを指す。
測位平面上の移動速度が閾値速度に満たない場合は、携帯型電話機1は停止しているか低速移動中であるものと判定し、1時刻前の方位を保持することにより、方位のばらつきが生じないようにしたものである。その後、測位演算部33は、ROM35に記憶されている第2のKF測位プログラム3512を読み出して実行することで、第2のKF測位処理を行う(ステップA15)。
図8は、第2のKF測位処理の流れを示すフローチャートである。
先ず、測位演算部33は、第2のKF測位処理用の状態ベクトル「X2」及び誤差共分散行列「P2」のKF初期値を設定する(ステップC1)。第2のKF測位処理では、ENU座標系における携帯型電話機1の東方向の位置「EastPos」、北方向の位置「NorthPos」、測位平面上の移動速度「Speed」、測位平面上の方位「Heading」、測位平面上の時間毎方位「dHeading」を成分とする、次式(10)に示すような7×1の行列で表される状態ベクトル「X2」を用いて、予測演算及び補正演算を行う。特徴的であるのは、時間毎方位を状態ベクトルの成分とすることで、方位の演算精度を高めている点である。
Figure 2009300361
また、誤差共分散行列「P2」は、状態ベクトル「X2」の7次元の各成分の誤差の共分散を示す7×7の行列である。状態ベクトル「X2」及び誤差共分散行列「P2」の初期値は、例えば1時刻前の第2のKF測位処理で求められた状態ベクトル「X2」及び誤差共分散行列「P2」の補正値「X 2」及び「P 2」とすることができる。
次いで、測位演算部33は、状態ベクトル「X2」及び誤差共分散行列「P2」について、第1のKF測位処理と同様に式(2)及び(3)に従って予測演算を行い、状態ベクトルの予測値「X 2」及び誤差共分散行列の予測値「P 2」を算出する(ステップC3)。この際、状態ベクトル「X2」の7次元の各成分については、次式(11)〜(17)に従って予測演算を行う。
Figure 2009300361
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Figure 2009300361
Figure 2009300361
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Figure 2009300361
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但し、「dt」は、現在時刻と1時刻前との時刻差を示している。
その後、測位演算部33は、RAM37の計測履歴データ377に記憶されている現在時刻における携帯型電話機1の東方向の位置「EastPos」、北方向の位置「NorthPos」、測位平面上の移動速度「Speed」、測位平面上の方位「Heading」、天頂方向の位置「UpPos」及び天頂方向の移動速度「UpVel」を成分とする、次式(18)で表される6×1の行列を第2のKF測位処理用の観測ベクトル「Z2」とする(ステップC5)。
Figure 2009300361
また、測位演算部33は、ステップC3で算出した状態ベクトルの予測値「X 2」に所定の観測行列「H2」を乗算することで、観測ベクトルの予測値「H2 2」を算出する(ステップC7)。観測行列「H2」は、状態ベクトルの予測値「X 2」の各成分を用いて、東方向の位置「EastPos」、北方向の位置「NorthPos」、測位平面上の移動速度「Speed」、測位平面上の方位「Heading」、天頂方向の位置「UpPos」及び天頂方向の移動速度「UpVel」を予測するための行列である。観測行列「H2」は6×7の行列であり、状態ベクトルの予測値「X 2」は7×1の行列であるため、観測ベクトルの予測値「H2 2」は6×1の行列として求めることができる。
次いで、測位演算部33は、状態ベクトル「X2」及び誤差共分散行列「P2」について、第1のKF測位処理と同様に式(5)〜(7)に従って状態ベクトルの補正値「X 2」及び誤差共分散行列の補正値「P 2」を算出する(ステップC9)。第2のKF測位処理の補正演算では、7×6の行列で表されるカルマンゲイン行列「K2」と、観測ベクトル「Z2」の各成分の誤差の共分散を示す6×6の観測誤差共分散行列「R2」とを用いて補正演算を行う。補正演算を行った後、測位演算部33は、第2のKF測位処理を終了する。
図6の第1のベースバンド処理に戻って、測位演算部33は、第2のKF測位処理で算出した状態ベクトルの補正値「X 2」に含まれる東方向の位置「EastPos」、北方向の位置「NorthPos」及び天頂方向の位置「UpPos」で表される位置を出力位置に決定する(ステップA17)。そして、測位演算部33は、決定した出力位置をホストCPU50に出力する(ステップA19)。
その後、測位演算部33は、操作部60を介してユーザにより測位終了指示がなされたか否かを判定し(ステップA21)、なされなかったと判定した場合は(ステップA21;No)、ステップA3に戻る。また、測位終了指示がなされたと判定した場合は(ステップA21;Yes)、第1のベースバンド処理を終了する。
1−3.作用効果
第1実施形態によれば、第1のKF測位処理により求めた携帯型電話機1の移動速度が所定の閾値速度未満であることを検出した場合に、当該検出直前の携帯型電話機1の移動速度を保持する。そして、第1のKF測位処理により求めた携帯型電話機1の位置、移動速度及び方位を観測情報とする第2のKF測位処理を行って測位するが、この際、保持されている方位を観測情報としてKF処理を行う。携帯型電話機1の移動速度が低速となった場合に、その直前の移動速度を保持するようにしたことで、低速移動時や停止時における方位のばらつきを防止することができる。また、保持されている方位を観測情報としてKF処理を行うことで、ばらつきのない方位の情報を測位演算に活用することが可能となり、測位位置の直進性が向上する。
2.第2実施形態
2−1.データ構成
第2実施形態は、ベースバンド処理回路部30のROM35に、第2のベースバンド処理(図10及び図11参照)として実行される第2のベースバンド処理プログラムが格納された実施形態である。また、第2のベースバンド処理プログラムには、IMM(Interactive Mixing Model)演算処理(図12及び図13参照)として実行されるIMM演算プログラムと、第2のKF測位処理(図8参照)として実行される第2のKF測位プログラム3512とがサブルーチンとして含まれている。
IMM演算処理とは、測位演算部33が、インタラクティブミキシングモデル(IMM)に基づく測位演算を行って、携帯型電話機1の位置及び移動速度ベクトルを算出する処理である。IMMとは、複数のKFモデルそれぞれに基づくKF測位処理の処理結果を、モデル確率「μ」と呼ばれる重みを用いて合成することで、最終的な出力値を決定するモデルである。
図9は、第2実施形態におけるIMM演算の概略を説明するための図である。ここでは、説明を分かりやすくするため、複数の処理回路ブロックにおける演算によってIMM演算を行うものとして説明する。本実施形態では、携帯型電話機1の移動状態を示すKFモデルとして、停止状態にあることを示す定点KFモデルと、等速移動状態にあることを示す等速度KFモデルと、定加速度状態にあることを示す定加速度KFモデルとの3種類のKFモデルを用意し、これらの各KFモデルに基づくKF測位処理の処理結果を合成することで、携帯型電話機1の現在位置を測位する。
IMM演算では、ミキサが、各KFモデル間の遷移確率を示すモデル間遷移確率行列「p」と、1つ前のステップにおいてモデル確率更新部により算出・更新されたモデル確率「μj:μ1,μ2,μ3」と、1つ前のステップにおいて各KFモデルそれぞれについて算出された状態ベクトルの計算値「Xj:X1,X2,X3」及び誤差共分散行列の計算値「Pj:P1,P2,P3」とを用いて、各KFモデルそれぞれの状態ベクトルの今回の計算における初期値「X0j:X01,X02,X03」と、誤差共分散行列の今回の計算における初期値「P0j:P01,P02,P03」とを算出する。そして、算出した初期値を、対応するKFモデルにそれぞれ出力する。
各KFモデルは、ミキサから入力した対応する状態ベクトルの初期値「X0j」及び誤差共分散行列の初期値「P0j」と、メジャメント取得演算部32から取得したメジャメント実測値である観測ベクトル「Zj:Z1,Z2,Z3」とを用いて、公知のカルマンフィルタと同様、予測演算と補正演算とを行うことで、状態ベクトルの今回の計算値「Xj」及び誤差共分散行列の今回の計算値「Pj」を算出して、モデル確率更新部及びミキサに出力する。
また、各KFモデルは、尤度「λj:λ1,λ2,λ3」と重み係数「βj:β1,β2,β3」と呼ばれる値を算出して、モデル確率更新部に出力する。尤度「λ」は、尤度関数と呼ばれる関数を用いて算出される観測ベクトル「Z」の尤もらしさを示す指標値であり、重み係数「β」は、尤度関数の係数部分の値である。
モデル確率更新部は、ミキサから入力した規格化ベクトル「CNj:C1,C2,C3」と、各KFモデルから入力した尤度「λ」及び重み係数「β」とを用いて、モデル確率「μj」を新たに算出・更新する。そして、各KFモデルから入力した状態ベクトルの計算値「Xj」及び誤差共分散行列の計算値「Pj」を、算出したモデル確率「μj」で重み付けして合成することで、状態ベクトルの出力値「X」及び誤差共分散行列の出力値「P」を算出する。
定点KFモデルに対応するモデル確率「μ1」が「1」に近い値であるほど、携帯型電話機1は停止していると判断することができる。同様に、等速度KFモデルに対応するモデル確率「μ2」が「1」に近い値であるほど、携帯型電話機1は等速度で移動していると判断することができ、定加速度KFモデルに対応するモデル確率「μ3」が「1」に近い値であるほど、携帯型電話機1は定加速度で移動していると判断することができる。
2−2.処理の流れ
図10及び図11は、測位演算部33によりROM35に格納されている第2のベースバンド処理プログラムが読み出されて実行されることで、携帯型電話機1において実行される第2のベースバンド処理の流れを示すフローチャートである。
先ず、測位演算部33は、初期設定を行う(ステップD1)。具体的には、IMM演算処理に使用するパラメータを初期化するとともに、第2のKFパラメータを初期化する。また、測位演算部33は、フラグをOFFに設定する。そして、測位演算部33は、ROM35に格納されているIMM演算プログラムを読み出して実行することで、IMM演算処理を行う(ステップD3)。
図12及び図13は、IMM演算処理の流れを示すフローチャートである。
先ず、測位演算部33は、モデル間遷移確率行列「p」を取得する(ステップE1)。モデル間遷移確率行列「p」は、次式(19)に示すような3×3の行列で与えられる。
Figure 2009300361
行列の成分「pnm」は、n番目のKFモデルからm番目のKFモデルへの遷移の確率を示している。例えば、行列の成分「p11」は、定点KFモデルから定点KFモデル(自身)への遷移の確率を示しており、行列の成分「p12」は、定点KFモデルから等加速度KFモデルへの遷移の確率を示している。また、各行「i」の成分を合算した値は「1」である。すなわち、「pi1+pi2+・・・+pin=1」である。
次いで、測位演算部33は、次式(20)に従って規格化ベクトル「CN」を算出する(ステップE3)。
Figure 2009300361
式(20)からわかるように、規格化ベクトル「CN」は、モデル間遷移確率行列「p」の転置行列と、モデル確率「μ」の各成分との積で表される。
その後、測位演算部33は、次式(21)に従って、合成確率行列「γ」を算出する(ステップE5)。
Figure 2009300361
式(21)からわかるように、合成確率行列「γ」は、モデル間遷移確率行列「p」の各成分と、モデル確率「μ」の各成分と、規格化ベクトル「CN」の各成分とを用いて算出される。
その後、測位演算部33は、次式(22)及び(23)に従って、各KF測位処理それぞれにおける状態ベクトルの初期値「X0j」及び誤差共分散行列の初期値「P0j」を算出する(ステップE7)。
Figure 2009300361
Figure 2009300361
但し、各式の添え字の「j」は、j番目のKFモデルに対応する変数であることを示している。以下の式についても同様である。
次いで、測位演算部33は、各KFモデルそれぞれについて、ループAの処理を実行する(ステップE9〜E23)。ループAでは、測位演算部33は、状態ベクトル「X」及び誤差共分散行列「P」について、式(2)及び(3)に従って予測演算を行って、状態ベクトルの予測値「X」及び誤差共分散行列の予測値「P」を算出する(ステップE11)。
IMM演算処理では、ECEF座標系における携帯型電話機1の位置ベクトル「(x,y,z)」、移動速度ベクトル「(u,v,w)」及び加速度ベクトル「(ax,ay,az)」と、クロックバイアス「b」と、クロックドリフト「d」とを成分とする、次式(24)に示すような11×1の行列で表される状態ベクトル「X」を用いて、予測演算及び補正演算を行う。
Figure 2009300361
また、測位演算部33は、定点KFモデル用の状態遷移行列として次式(25)で与えられる「φ1」、等速度KFモデル用の状態遷移行列として次式(26)で与えられる「φ2」、定加速度KFモデル用の状態遷移行列として次式(27)で与えられる「φ3」を用いて予測演算を行う。状態遷移行列は、11×11の行列であり、その行と列の並びは、式(22)の状態ベクトル「X」の成分の並びに対応している。
Figure 2009300361
Figure 2009300361
Figure 2009300361
式(25)の状態遷移行列「φ1」では、ECEF座標系における位置ベクトル「(x,y,z)」に対応する3×3の行列部分の対角成分は「1」になっているが、移動速度ベクトル「(u,v,w)」及び加速度ベクトル「(ax,ay,az)」に対応する6×6の行列部分の成分は全て「0」になっており、直感的に、携帯型電話機1が停止状態にあることを表していることがわかる。
また、式(26)の状態遷移行列「φ2」では、位置ベクトル「(x,y,z)」及び移動速度ベクトル「(u,v,w)」に対応する6×6の行列部分の対角成分は「1」になっているが、加速度ベクトル「(ax,ay,az)」に対応する3×3の行列部分の成分は全て「0」になっており、直感的に、携帯型電話機1が等速移動状態にあることを表していることがわかる。
また、式(27)の状態遷移行列「φ3」では、位置ベクトル「(x,y,z)」、移動速度ベクトル「(u,v,w)」及び加速度ベクトル「(ax,ay,az)」に対応する9×9の行列部分の対角成分が「1」となっており、直感的に、携帯型電話機1が定加速度状態にあることを表していることがわかる。
次いで、測位演算部33は、メジャメント取得演算部32からメジャメント実測値を取得して、当該KFモデル用の観測ベクトル「Z」とする(ステップE13)。また、測位演算部33は、ステップE11で算出した状態ベクトルの予測値「X」に、所定の観測行列「H」を乗算することで、メジャメント予測値「HX」を算出する(ステップE15)。
その後、測位演算部33は、補正演算を行って、ステップE11で算出した状態ベクトルの予測値「X」及び誤差共分散行列の予測値「P」を補正して、状態ベクトルの補正値「X」及び誤差共分散行列の補正値「P」を算出する(ステップE17)。補正演算は、式(5)〜(7)に従って行うことができる。
次いで、測位演算部33は、次式(28)に従って、尤度「λ」を算出する(ステップE19)。また、測位演算部33は、次式(29)に従って、重み係数「β」を算出する(ステップE21)。
Figure 2009300361
Figure 2009300361
但し、「N」はメジャメント取得演算部32から取得したメジャメント実測値の個数を示している。
全てのKFモデルについてステップE11〜E21の処理を行った後、測位演算部33は、ループAを終了する(ステップE23)。ループAを終了した後、測位演算部33は、次式(30)に従って、規格化定数「C」を算出する(ステップE25)。
Figure 2009300361
規格化定数「C」は、モデル確率「μ」が[0,1]の範囲の値となるように規格化(正規化)するための定数であり、尤度「λ」の各成分と、規格化ベクトル「CN」の各成分とに基づいて算出される。
そして、測位演算部33は、次式(31)に従って、各KFモデルそれぞれについてモデル確率「μ」を算出する(ステップE27)。
Figure 2009300361
その後、測位演算部33は、ステップE27で算出したモデル確率「μ」を用いて、次式(32)及び(33)に従って、状態ベクトルの出力値「X」及び誤差共分散行列の出力値「P」を決定する(ステップE29)。そして、測位演算部33は、IMM演算処理を終了する。
Figure 2009300361
Figure 2009300361
図10の第2のベースバンド処理に戻って、測位演算部33は、IMM演算処理で算出した状態ベクトルの出力値「X」に含まれるECEF座標系における位置ベクトル「(x,y,z)」に対して所定の座標変換演算を行って、ENU座標系における東方向の位置「EastPos」、北方向の位置「NorthPos」及び天頂方向の位置「UpPos」を算出し、現在の測位時刻と対応付けてRAM37の計測履歴データ377に記憶させる(ステップD5)。
同様に、測位演算部33は、状態ベクトルの出力値「X」に含まれるECEF座標系における移動速度ベクトル「(u,v,w)」に対して所定の座標変換演算を行って、ENU座標系における東方向の移動速度「EastVel」、北方向の移動速度「NorthVel」及び天頂方向の移動速度「UpVel」を算出し、現在の測位時刻と対応付けてRAM37の計測履歴データ377に記憶させる(ステップD7)。
次いで、測位演算部33は、ステップD7で算出した東方向の移動速度「EastVel」及び北方向の移動速度「NorthVel」を用いて、式(8)及び(9)に従って、測位平面上の携帯型電話機1の移動速度「Speed」及び方位「Heading」を算出し、現在の測位時刻と対応付けてRAM37の計測履歴データ377に記憶させる(ステップD9)。
その後、測位演算部33は、運動モード判定処理を行う(ステップD11)。本実施形態では、携帯型電話機1の運動モードとして、携帯型電話機1が停止しているか、ほぼ停止していることを示す「スタティックモード」と、携帯型電話機1がある程度の速度で移動していることを示す「ダイナミックモード」との2種類の運動モードが予め定められている。
運動モード判定処理では、IMM演算処理で求めたモデル確率「μ」の値に基づいて、携帯型電話機1の運動モードを判定する。例えば、定点KFモデルに対応するモデル確率「μ1」が「0.8以上」である場合は(μ1≧0.8)、携帯型電話機1は完全に停止しているか、ほぼ停止しているものと判断し、運動モードを「スタティックモード」と判定する。また、それ以外の場合は、運動モードを「ダイナミックモード」と判定する。
次いで、測位演算部33は、運動モードがダイナミックモードからスタティックモードに変化したか否かを判定し(ステップD13)、変化しなかったと判定した場合は(ステップD13;No)、ステップD17へと処理を移行する。また、運動モードがスタティックモードに変化したと判定した場合は(ステップD13;Yes)、測位演算部33は、フラグをONに設定する(ステップD15)。
その後、測位演算部33は、運動モードがスタティックモードからダイナミックモードに変化したか否かを判定し(ステップD17)、変化しなかったと判定した場合は(ステップD17;No)、ステップD21へと処理を移行する。また、運動モードがダイナミックモードに変化したと判定した場合は(ステップD17;Yes)、測位演算部33は、フラグをOFFに設定する(ステップD19)。
次いで、測位演算部33は、フラグがONに設定されているか否かを判定し(ステップD21)、OFFに設定されていると判定した場合は(ステップD21;No)、ステップD25へと処理を移行する。また、フラグがONに設定されていると判定した場合は(ステップD21;Yes)、RAM37の計測履歴データ377において、1時刻前の測位平面上の方位で、現在の測位時刻の測位平面上の方位を更新する(ステップD23)。
その後、測位演算部33は、ROM35に記憶されている第2のKF測位プログラム3512を読み出して実行することで、第2のKF測位処理を行う(ステップD25)。第2のKF測位処理は、図8を用いて説明した通りであるため、再度の説明を省略する。
第2のKF測位処理を行った後、測位演算部33は、第2のKF測位処理で算出した状態ベクトルの補正値「X 2」に含まれる東方向の位置「EastPos」、北方向の位置「NorthPos」及び天頂方向の位置「UpPos」で表される位置を出力位置に決定する(ステップD27)。そして、測位演算部33は、決定した出力位置をホストCPU50に出力する(ステップD29)。
その後、測位演算部33は、操作部60を介してユーザにより測位終了指示がなされたか否かを判定し(ステップD31)、なされなかったと判定した場合は(ステップD31;No)、ステップD3に戻る。また、測位終了指示がなされたと判定した場合は(ステップD31;Yes)、第2のベースバンド処理を終了する。
2−3.作用効果
第2実施形態によれば、IMM演算処理により求めたKFモデルのモデル確率に基づいて、携帯型電話機1の運動モードを判定する。そして、運動モードがダイナミックモードからスタティックモードに変化したことを検出した場合に、当該検出直前の携帯型電話機1の移動速度を保持する。そして、IMM演算処理により求めた携帯型電話機1の位置、移動速度及び方位を観測情報とする第2のKF測位処理を行って測位するが、この際、保持されている方位を観測情報として用いて処理を行う。これにより、第1実施形態と同様に、低速移動時や停止時における方位のばらつきを防止し、測位位置の直進性を向上させることが可能となる。
3.第3実施形態
3−1.データ構成
第3実施形態は、ベースバンド処理回路部30のROM35に、第3のベースバンド処理(図14参照)として実行される第3のベースバンド処理プログラムが格納された実施形態である。また、第3のベースバンド処理プログラムには、LS(Least Squared)測位処理(図15参照)として実行されるLS測位プログラムと、第2のKF測位処理(図8参照)として実行される第2のKF測位プログラム3512とがサブルーチンとして含まれている。
3−2.処理の流れ
図14は、測位演算部33によりROM35に格納されている第3のベースバンド処理プログラムが読み出されて実行されることで、携帯型電話機1において実行される第3のベースバンド処理の流れを示すフローチャートである。尚、図6の第1のベースバンド処理と同一のステップについては同一の符号を付して説明を省略し、第1のベースバンド処理とは異なる部分を中心に説明する。
先ず、測位演算部33は、LS測位処理に使用するパラメータの初期設定を行う(ステップF1)。その後、測位演算部33は、ROM35に記憶されているLS測位プログラムを読み出して実行することで、LS測位処理を行う(ステップF3)。
図15は、LS測位処理の流れを示すフローチャートである。
先ず、測位演算部33は、メジャメント取得演算部32からメジャメント実測値を取得し(ステップG1)、取得したメジャメント実測値に含まれるコード位相を用いて、携帯型電話機1とGPS衛星間の擬似距離を算出する(ステップG3)。そして、測位演算部33は、算出した擬似距離を用いて最小二乗法による測位演算を行って、ECEF座標系における携帯型電話機1の位置ベクトル「(x,y,z)」を算出する(ステップG5)。
その後、測位演算部33は、ステップG1で取得したメジャメント実測値に含まれるGPS衛星信号の受信周波数を用いて、単位時間当たりの受信周波数の変化量を算出する(ステップG7)。そして、測位演算部33は、算出した受信周波数の変化量を用いて、ECEF座標系における携帯型電話機1の移動速度ベクトル「(u,v,w)」を算出して(ステップG9)、LS測位処理を終了する。
図14の第3のベースバンド処理に戻って、LS測位処理を行った後、測位演算部33は、ステップG5で算出したECEF座標系における位置ベクトル「(x,y,z)」に対して所定の座標変換演算を行って、ENU座標系における東方向の位置「EastPos」、北方向の位置「NorthPos」及び天頂方向の位置「UpPos」を算出し、現在の測位時刻と対応付けてRAM37の計測履歴データ377に記憶させる(ステップF7)。
同様に、測位演算部33は、ステップG9で算出したECEF座標系における移動速度ベクトル「(u,v,w)」に対して所定の座標変換演算を行って、ENU座標系における東方向の移動速度「EastVel」、北方向の移動速度「NorthVel」及び天頂方向の移動速度「UpVel」を算出し、現在の測位時刻と対応付けてRAM37の計測履歴データ377に記憶させる(ステップF9)。そして、測位演算部33は、ステップA11へと処理を移行する。
3−3.作用効果
第3実施形態によれば、LS測位処理により求めた携帯型電話機1の移動速度が所定の閾値速度未満であることを検出した場合に、当該検出直前の携帯型電話機1の移動速度を保持する。そして、LS測位処理により求めた携帯型電話機1の位置、移動速度及び方位を観測情報とする第2のKF測位処理を行って測位するが、この際、保持されている方位を観測情報としてKF処理を行う。この場合は、第1実施形態や第2実施形態とは違ってKF処理が1段で済むため、演算量を削減することができる。
4.実験結果
図16は、従来の手法で処理を行った場合の各測位時刻における携帯型電話機1の測位平面上の方位と、本願実施形態の手法で処理を行った場合の各測位時刻における携帯型電話機1の測位平面上の方位とをそれぞれプロットしたグラフである。図16において、横軸は測位時刻、縦軸は方位をそれぞれ示しており、同一の移動経路を同一の速度で移動した場合の実験結果を示している。
この結果を見ると、従来の手法では、測位時刻の変化に伴って方位に大きなばらつきが生じていることがわかる。一方、本願実施形態の手法では、携帯型電話機1が停止しているか、低速移動中であると判定した場合は、その検出直前の方位を保持するようにしているため、方位のばらつきが小さくなっていることがわかる。
5.変形例
5−1.電子機器
本発明は、測位装置を備えた電子機器であれば何れの電子機器にも適用可能である。例えば、ノート型パソコンやPDA(Personal Digital Assistant)、カーナビゲーション装置等についても同様に適用可能である。
5−2.衛星測位システム
上述した実施形態では、衛星測位システムとしてGPSを例に挙げて説明したが、WAAS(Wide Area Augmentation System)、QZSS(Quasi Zenith Satellite System)、GLONASS(GLObal NAvigation Satellite System)、GALILEO等の他の衛星測位システムであってもよい。
5−3.処理の分化
測位演算部33が実行する処理の一部又は全部を、ホストCPU50が実行することにしてもよい。例えば、メジャメント取得演算部32から取得したメジャメント実測値を用いて、測位演算部33が第1のKF測位処理やIMM演算処理、LS測位処理を行って、観測情報を求める。そして、ホストCPU50は、測位演算部33により求められた観測情報を用いて第2のKF測位処理を行って、出力位置を決定する。また、第1のKF測位処理やIMM演算処理、LS測位処理も含めて、ホストCPU50が全ての処理を行うこととしてもよい。
5−4.方位の保持
上述した実施形態では、携帯型電話機1の移動速度が所定の閾値速度未満となったことを検出した場合や、携帯型電話機1の運動モードがダイナミックモードからスタティックモードに変化したことを検出した場合に、当該検出直前(1時刻前)の方位の情報を、検出がなされなくなるまでの間保持するものとして説明したが、次のようにしてもよい。すなわち、当該検出直前の方位の情報ではなく、当該検出時の方位の情報を、検出がなされなくなるまでの間保持するようにする。
5−5.観測情報の取得
上述した実施形態では、第1のKF測位処理やIMM演算処理、LS測位処理を行って第2のKF測位処理の観測情報とする携帯型電話機1の位置、移動速度及び方位の情報を演算するものとして説明したが、これらの情報を演算することができれば、他の処理としてもよい。
例えば、速度センサや方位センサ等の慣性航法用センサを携帯型電話機1に内蔵しておき、慣性航法用センサの検出結果を用いて観測情報を取得する。この場合は、速度センサにより検出された移動速度と、方位センサにより検出された方位とを用いて、公知の慣性航法演算処理を行って携帯型電話機1の現在位置を求める。そして、慣性航法演算処理により求めた位置と、速度センサにより検出された移動速度と、方位センサにより検出された方位とを観測情報として、第2のKF測位処理を行う。
また、携帯型電話機1の移動速度が所定の閾値速度未満となったことを検出した場合や、携帯型電話機1の運動モードがダイナミックモードからスタティックモードに変化したことを検出した場合には、当該検出直前又は当該検出時に方位センサにより検出された方位を保持し、第2のKF測位処理では、この保持されている方位を観測情報として使用する。
携帯型電話機の機能構成を示すブロック図。 ベースバンド処理回路部のROMに格納されたデータの一例を示す図。 ベースバンド処理回路部のRAMに格納されるデータの一例を示す図。 捕捉衛星別メジャメントデータのデータ構成の一例を示す図。 計測履歴データのデータ構成の一例を示す図。 第1のベースバンド処理の流れを示すフローチャート。 第1のKF測位処理の流れを示すフローチャート。 第2のKF測位処理の流れを示すフローチャート。 IMM演算処理の概要を説明するための図。 第2のベースバンド処理の流れを示すフローチャート。 第2のベースバンド処理の流れを示すフローチャート。 IMM演算処理の流れを示すフローチャート。 IMM演算処理の流れを示すフローチャート。 第3のベースバンド処理の流れを示すフローチャート。 LS測位処理の流れを示すフローチャート。 実験結果の一例を示す図。
符号の説明
1 携帯型電話機 、 10 GPSアンテナ、 20 GPS受信部、
21 RF受信回路部、 30 ベースバンド処理回路部、 31 演算制御部、
32 メジャメント取得演算部、 33 測位演算部、 35 ROM、
37 RAM、 40 TCXO、 50 ホストCPU、 60 操作部、
70 表示部、 80 携帯電話用アンテナ、 90 携帯電話用無線通信回路部、
100 ROM、 110 RAM

Claims (8)

  1. 測位装置の位置、移動速度及び方位を観測情報とするカルマンフィルタ処理を行って測位することと、
    前記測位装置の移動速度が所定の速度条件を満たしたことを検出することと、
    前記検出時又は前記検出直前の前記測位装置の方位を保持することと、
    を含み、
    前記測位することは、前記保持されている方位を前記観測情報として前記カルマンフィルタ処理を行って測位することを含む、
    測位方法。
  2. 前記測位することは、前記検出がなされている間、前記保持されている方位を前記観測情報として前記カルマンフィルタ処理を行って測位することを含む請求項1に記載の測位方法。
  3. 測位用衛星からの衛星信号を受信することと、
    前記受信した衛星信号を用いた所定の測位演算を行って前記測位装置の位置、移動速度及び方位を演算することと、
    を更に含み、
    前記測位することは、前記演算された前記測位装置の位置、移動速度及び方位を前記観測情報として前記カルマンフィルタ処理を行って測位することを含み、
    前記保持することは、前記演算された前記測位装置の方位を保持することを含む、
    請求項1又は2に記載の測位方法。
  4. 前記カルマンフィルタ処理は、前記測位装置の位置、移動速度、方位及び所定の単位時間当たりの方位の変化分を成分とする状態ベクトルに対する所定の予測演算と補正演算とを行うことで測位する処理である請求項1〜3の何れか一項に記載の測位方法。
  5. 前記測位装置の運動状態を示すモードとして、停止モードと移動モードとの2つの運動モードが予め定められており、
    前記測位装置の運動モードが、前記移動モードから前記停止モードに変化したことを検出することを更に含み、
    前記保持することは、前記移動モードから前記停止モードへの変化が検出された場合に、当該検出時又は当該検出直前の前記測位装置の方位を保持することを含む、
    請求項1〜4の何れか一項に記載の測位方法。
  6. 前記測位することは、方位センサにより検出された前記測位装置の方位を前記観測情報として用いて前記カルマンフィルタ処理を行って測位することを含み、
    前記保持することは、前記方位センサにより検出された方位を保持することを含む、
    請求項1〜5の何れか一項に記載の測位方法。
  7. 請求項1〜6の何れか一項に記載の測位方法を、測位装置に内蔵されたコンピュータに実行させるためのプログラム。
  8. 自測位装置の位置、移動速度及び方位を観測情報とするカルマンフィルタ処理を行って測位する測位部と、
    自測位装置の移動速度が所定の速度条件を満たしたことを検出する検出部と、
    前記検出部の検出時又は検出直前の自測位装置の方位を保持する保持部と、
    を備え、
    前記測位部は、前記保持部により保持されている方位を前記観測情報として前記カルマンフィルタ処理を行って測位する、
    測位装置。
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