JP2009300347A - 鋳型特性の評価方法及び鋳型特性評価用テストピース - Google Patents

鋳型特性の評価方法及び鋳型特性評価用テストピース Download PDF

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Abstract

【課題】鋳型の熱間抗圧力(耐熱性)となりより性を同時に評価することができる新規な鋳型特性の評価方法と、その評価方法に用いられる鋳型特性評価用テストピースを提供すること。
【解決手段】鋳型特性評価用テストピース10として、鋳型造型に用いられる鋳物砂組成物にて形成されていると共に、全体として柱状を呈し、且つその軸方向の中間の部位に、軸直角方向に延びるスリット14を有するものを用いるようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、特殊な形状のテストピースを用いた鋳型特性の評価方法と、その鋳型特性評価用テストピースに関するものである。
従来より、鋳物に生ずる欠陥として、鋳物の表面にコブ状の塊ができる「すくわれ」や鋳型表面の砂を巻き込む「砂かみ」が、知られている。そして、それらの鋳物欠陥を防止するために、これまで、注湯時に溶湯が鋳型に強く当たらないようにする等の対策が採られてきているが、鋳型開発の観点からは、鋳型自体の物性、特に、鋳型の熱間抗圧力(耐熱性)や、なりより性(鋳型の柔軟性;溶湯が凝固して収縮する際、鋳型が、その収縮に伴って変形できる性能)を改善せしめることが、必要となる。
ところで、上述の如き鋳型の熱間抗圧力やなりより性の評価を行うに際しては、従来より、それぞれ、別々の評価試験が行われてきている。具体的には、熱間抗圧力の評価試験としては、熱間クリープ試験が採用されているのである。そして、そのような熱間クリープ試験では、例えば、図8に示される如き構造の装置が用いられ、そこでは、押圧ロッド2にて、テストピース4に一定の圧縮荷重が加えられる一方、かかる定荷重が加えられたテストピース4が、600℃〜1200℃の範囲内の温度に加熱された可動式電気炉6の窒素ガス気流中若しくは大気雰囲気中に曝されることにより、熱間曝熱されるようになっている。
また、かかる熱間クリープ試験では、定荷重下におけるテストピース4の変位が、曝熱開始からテストピース4が破断乃至は破壊するまで測定されて、テストピース毎に、図9のグラフに示される如き時間−変位曲線(クリープ曲線)が得られることとなる。更に、そのクリープ曲線から、テストピース4が潰れて、変位が急激に変化する時間(破断時間)が求められ、この破断時間の値が大きい程、熱間抗圧力が高いと評価されている。例えば、図9では、テストピース(i)からテストピース(ii)、更にはテストピース(iii)・・・と、その番号が大きくなるに従って、熱間抗圧力が大きくなっている、と評価されるのである。
そして、そのような熱間クリープ試験では、従来より、テストピース4として、図10に示される如き円柱状の鋳型片が用いられてきているのであるが、そのような円柱状のテストピース4を用いて熱間クリープ試験を行うと、通常、どのテストピース4も、破断直前まで殆ど変形しない。このため、曝熱開始から破断直前までの変位は僅かであり、図9に示されるように、Aの部分において、(i)〜(v)の各テストピース同士の間には、変位の差が殆ど見られないのである。
また一方、鋳型のなりより性の評価方法としては、例えば、特許文献1(国際公開第2007/049645号公報)に記載される方法が、採用されている([0056]、[0057]及び図1参照)。そこでは、テストピースとして、断面矩形状の長手の鋳型片が用いられ、その一端部が支持台にセットされて、水平に固定された後、鋳型片の長手方向中部近傍に配置された発熱体(エレマ棒)が、200℃から徐々に加熱されて、800℃まで昇温せしめられる一方、支持台に固定されていない他端部側にセットされたレーザ変位計で、試験片の最大撓み量が測定され、その得られた最大撓み量に基づいて、かかる値が大きい程、鋳型のなりより性が大きいと評価されているのである。
このように、鋳型の熱間抗圧力となりより性を評価するに際しては、それぞれ、別個にテストピースを作製して、別々の評価試験を行う必要があったのであるが、それらの評価試験を同時に行い得るようにすれば、鋳型開発に費やされる手間やコストが大きく低減され得て、開発品の評価がより一層簡便に行われ得ることとなる。
国際公開第2007/049645号公報
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決すべき課題とするところは、鋳型の熱間抗圧力(耐熱性)となりより性を同時に評価することができる新規な鋳型特性の評価方法と、その評価方法に用いられる鋳型特性評価用テストピースを提供することにある。
そして、本発明者等は、そのような課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、所定のスリットを設けたテストピースを用いて熱間クリープ試験を行うことにより、測定開始直後からテストピースが撓み始め、破断乃至は破壊に至るまでの間に、各テストピースの変位量に差が生じると共に、かかる破断前における各テストピースの変位量が、従来のなりより性の評価試験の結果に対応し、従来のなりより性の評価試験でなりより性が大きいと評価された順に、破断前における変位量が大きくなることを見出したのである。
従って、本発明は、かくの如き知見に基づいて完成されたものであって、その要旨とするところは、鋳型造型に用いられる鋳物砂組成物にて形成されたテストピースに対して、その軸方向に一定の圧縮荷重を加える一方、該テストピースを熱間曝露して、該テストピースが破断するまでの時間と変位とを測定し、それら時間と変位との関係から鋳型特性を評価する方法にして、前記テストピースが、全体として柱状を呈し、且つその軸方向の中間の部位に、軸直角方向に延びるスリットを有していることを特徴とする鋳型特性の評価方法にある。
なお、かかる本発明に従う鋳型特性の評価方法の好ましい態様の一つによれば、前記テストピースの前記スリットが、少なくとも該テストピースの軸心に達する深さにおいて形成されている。
また、本発明に従う鋳型特性の評価方法の別の好ましい態様の一つによれば、前記テストピースが、水平状態において、且つ前記スリットの開口部が下方となるように保持されることとなる。
そしてまた、本発明においては、上述の如き評価方法に用いられるテストピースであって、鋳型造型に用いられる鋳物砂組成物にて形成されていると共に、全体として円柱状を呈し、且つその軸方向の中間の部位に、軸直角方向に延びるスリットを有していることを特徴とする鋳型特性評価用テストピースをも、その要旨とするものである。
このように、本発明に従う鋳型特性の評価方法においては、鋳型特性評価用テストピースとして、鋳型造型に用いられる鋳物砂組成物にて形成される、従来とは異なる特殊な形状の鋳型片が用いられているところから、具体的には、全体として柱状を呈し、且つその軸方向の中間の部位に、軸直角方向に延びるスリットが設けられたものが、用いられているところから、破断前におけるテストピースの撓み量も測定することが可能となり、鋳型の熱間抗圧力(耐熱性)の評価だけでなく、鋳型のなりより性の評価も同時に行うことができるようになるのである。
また、本発明に従う鋳型特性評価用テストピースにあっては、上述のように、軸直角方向に延びるスリットが設けられているところから、熱間で圧縮荷重を加えられた際、かかるスリット形成部位において撓み易くなって、破断前においてもテストピースが変形し、その破断前における変位量(撓み量)を測定することによって、鋳型のなりより性の評価を行うことができるのである。しかも、同一の試験で得られる破断時間に基づいて、従来と同様に、鋳型の熱間抗圧力の評価を行うこともできるのである。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
先ず、図1には、本発明に従う鋳型特性の評価方法において採用されるテストピース(試験片)の一実施形態が、斜視図において、概略的に示されている。そこにおいて、10は、鋳型造型に用いられる鋳物砂組成物にて形成されたテストピースであって、かかるテストピース10は、図1からも明らかなように、軸方向(図1中、上下方向)の中間の部位が、軸方向の両端側の部位よりも細くされた薄肉部12とされている。
より具体的には、テストピース10は、全体として、円柱形状を呈し、その軸方向の中間の部位(ここでは、軸方向の中央部位)に、軸直角方向に延びる、換言すれば径方向の一端側(図1中、右側)から他端側(図1中、左側)に向かって延びる、断面が略U字状の略一定の幅:Wのスリット14が、所定の深さ:Dにおいて設けられている。これにより、かかるスリット形成部位が、図2に示されるように、他の部位よりも薄肉とされた断面弓形乃至は略半円状の薄肉部12となっている。このように、本実施形態においては、薄肉部12が、中心から径方向一方側(図1中、左側)に偏倚して設けられているところから、熱間でテストピース10に圧縮荷重を加えた際に、かかる薄肉部12において、テストピース10がより一層撓み易くなっているのであり、その結果として、鋳型のなりより性の評価が更に有利に行われ得るようになる。
ここで、スリット深さ:Dとしては、特に限定されるものではないものの、スリット深さ:Dが浅すぎると、テストピース10が撓み難くなるところから、好適には、少なくともテストピース10の軸心:Cに達する深さ、ここでは、テストピース10が全体として円柱状とされているところから、テストピース10の半径:r(図2参照)と同じか、それ以上の深さとされることが望ましく、そのようなスリット深さ:Dを採用することによって、図2に示されるように、薄肉部12における断面積が、スリット非形成部位の断面積の半分以下の面積となる。その結果、熱間でテストピース10に圧縮荷重を加えた際に、テストピース10が破断に先立ち、より一層撓み易くなって、鋳型のなりより性の評価が有利に行われ得るようになる。なお、スリット深さ:Dの上限は、テストピース10の大きさ等に応じて適宜に設定され得るものの、スリット深さ:Dがあまりにも深すぎて、薄肉部12における断面積が小さくなりすぎると、短時間で破断しやすくなって、熱間抗圧力の評価が困難となる傾向があるところから、スリット深さ:Dの上限としては、好適には、テストピースの直径に対して95%となるような深さとされることが望ましい。
一方、スリット幅:Wとしては、特に限定されるものではないものの、熱間において、テストピース10に対して、その軸方向に所定の圧縮荷重をかけた際に、テストピース10が、図3(a)に示される状態から図3(b)に示される状態に撓んでも、破断まで、スリット14の開口部が閉じない程度の開口幅、換言すればスリット14を間に挟んで対向するスリット壁面16a,16b同士が当接しない程度の幅とされることが望ましい。これは、スリット幅:Wが狭すぎて、破断前にスリット壁面16a,16b同士が当接すると、破断前におけるテストピース10の撓みが制限されて、鋳型のなりより性の評価が困難となるおそれがあるからであり、また、スリット幅:Wが、あまり広すぎると、薄肉部12が長くなって、圧縮荷重を加えた際に、薄肉部12が座屈し易くなって、熱間抗圧力の評価が困難となるおそれがあるからである。なお、そのようなスリット幅:Wは、テストピース10の大きさやスリット深さ:D等に応じて適宜に設定され、例えば、テストピースの直径に対して、5〜100%程度の範囲で設定されることが望ましい。
また、本実施形態のスリット14は、図1や図3(a)に示されるように、断面U字状となっており、スリット14の底部18が、角の無い湾曲面とされている。このため、圧縮荷重が加えられて、薄肉部12に応力が集中しても、角部から亀裂が生じるようなことがなく、テストピース10の撓みが、有利に測定され得るようになっているのである。
その他、テストピース10全体の大きさにあっても、何等限定されるものではなく、従来と同様な大きさが採用され得るのであり、直径は、一般に、5〜100mm程度の範囲において、また、軸方向長さは、一般に、10〜200mm程度の範囲において、適宜に設定され得る。
ところで、上述の如き形状のテストピース10を作製するに際しては、従来から公知の手法が採用され得るところであり、例えば、評価対象となる鋳型造型に用いられる鋳物砂組成物を、上述の如きテストピース10の形状に対応する成形キャビティを有する成形型枠内に充填して、硬化せしめた後、硬化した鋳型を成形型枠から取り出すことにより、作製する手法や、評価対象となる鋳型造型に用いられる鋳物砂組成物を、円柱状の成形キャビティを有する成形型枠内に充填して、硬化せしめた後、硬化した円柱状の鋳型を成形型枠から取り出し、その軸方向中間の部位を削り取って、上述の如きスリット14を形成せしめることにより、作製せしめる手法等を挙げることができる。また、鋳物砂組成物にあっても、鋳型造型に用いられるものであれば、その種類が何等限定されるものではなく、熱硬化性樹脂等からなる有機系粘結剤で被覆された砂(RCS)や無機系粘結剤で被覆された砂が、何れも、その対象とされ得る。
そして、本発明に従う鋳型特性の評価方法にあっては、テストピースとして、上述の如き特殊な形状のテストピース10を用いるところに大きな特徴を有しているのであり、このようなテストピース10を用いることによって、鋳型の熱間抗圧力(耐熱性)のみならず、鋳型のなりより性の評価も同時に行うことができるようになるのである。
具体的には、本発明に従って鋳型特性の評価試験を行うに際しては、従来と同様な装置が用いられるのであり、ここでは、図4に示される試験装置20を用いて、評価試験を実施する方法について、説明することとする。先ず、上述の如きスリット14を有するテストピース10が、試験装置20にセットされることとなる。より詳細には、テストピース10が、テストピース10の端面の面積よりも大きな面積を有する、L字状ホルダ22の壁部23と押圧ロッド24の先端に設けられた押圧板25との間に、スリット14の開口部が下方となるように(換言すれば、スリット14の底部18が上方となるように)、しかも、テストピース10の軸心:Cが水平方向に移動する押圧ロッド24の軸心と一致するように配置された後、押圧ロッド24が、図示しない公知の押圧機構にて、テストピース10側に前進せしめられて、テストピース10が、その両側の端面において、それぞれ、L字状ホルダ22の壁部23及び押圧ロッド24の押圧板25に当接し、それら壁部23と押圧板25とで挟持されることにより、保持されるようになっている。
このように、本実施形態では、テストピース10が、水平状態において、且つスリットの開口部が下方となるように保持されるところから、テストピース10を試験装置20にセットした後、熱間に曝熱するまでの間、薄肉部12が、加熱されたL字状ホルダ22からの熱の影響を受け難くなるといったメリットや、テストピース10が変形する際に、治具に接触し難くなるために、治具の干渉による測定誤差を可及的に小さく出来るといったメリットを享受できる。
また、テストピース10を試験装置20にセットする際は、テストピース10の変形がL字状ホルダ22にて阻害されるようなことを防止するため、テストピース10を、その側面がL字状ホルダ22に当接せず、宙に浮いた状態となるように挟持することが望ましいが、テストピース10が、L字状ホルダ22の壁部23や押圧板25に対して斜めに挟持されてしまうことを防ぐために、テストピース10の側面をL字状ホルダ22に当接させて、セットするようにしてもよい。
そして、このテストピース10に対して、その軸方向(図4中、矢印Pの方向)に、常時、一定の圧縮荷重を加えた状態で、一定の温度に予熱された可動式の管状電気炉26を、図4の矢印Qの方向に、二点鎖線で示される位置まで移動せしめることにより、テストピース10を窒素ガス雰囲気の熱間に曝露するのである。
この際、テストピース10に対して加えられる圧縮荷重は、テストピース10の大きさに応じて、適宜に設定され、一般に、10〜10000Pa程度とされる。また、テストピース10の曝熱温度は、一般に、600℃〜1200℃程度とされる。
そして、曝露開始からテストピース10が破断するまでの間、テストピース10の変位(撓み)を測定することによって、時間と変位との関係を示すクリープ曲線(時間−変位曲線)が、試験装置20のレコーダ28に記録されることとなる。
このように、本発明に従って、上述せる如き特定の形状のテストピース10を用いて鋳型特性の評価試験を行うことにより、熱間で圧縮荷重を加えられた際、薄肉部12において撓み易くなって、破断時間の他、破断前におけるテストピース10の撓み量も測定することが可能となり、これら破断時間と破断前におけるテストピース10の撓み量に基づいて、鋳型の熱間抗圧力(耐熱性)の評価だけでなく、鋳型のなりより性の評価も同時に行うことができるようになるのである。
より具体的には、本発明手法により、図5に示される如きクリープ曲線が得られることとなる。かかる図5に示されるように、破断前にテストピース10が撓むことにより、破断前においても、テストピース10が変位する。その破断前における撓み量(変位量)が、鋳型のなりより性に応じて異なるところから(図5中、Aの部分を参照)、かかる破断前における撓み量(変位量)を測定することで、鋳型のなりより性の評価を行うことができるのである。また、従来と同様に、破断時間(変位が急激に変化する時間)を測定することで、鋳型の熱間抗圧力(耐熱性)の評価も、同時に行うことができるのである。
以上、本発明について詳述してきたが、これはあくまでも例示に過ぎないのであって、本発明は、上記の記載によって、何等の制約を受けるものではない。
例えば、本実施形態では、テストピース10に、軸直角方向に延びるスリット14が1つ設けられていたが、スリットの個数は何等限定されるものではなく、例えば、軸方向の中間部位に、軸方向に所定の間隔をあけて、2つ以上のスリットを設けることも可能であって、その一例が、図6(a)及び(b)に示されている。そこにおいて、(a)には、全体として円柱形状を呈し、その軸方向の中間の部位に、軸方向に所定の間隔をあけて、径方向一端側から他端側に向かって延びる、二つのスリット15a,15aが設けられたテストピース11aが示されており、また(b)には、全体として円柱形状を呈し、その軸方向の中間の部位に、軸方向に所定の間隔をあけて、径方向の両端からそれぞれ他端側に向かって延びる、二つのスリット15b,15bが設けられたテストピース11bが示されている。なお、図6(a)に示されるテストピース11aにあっては、図から明らかなように、二つのスリット15a,15aの開口部が下方となるように、試験装置20にセットされることが望ましく、また、図6(b)に示されるテストピース11bにあっては、図のように、二つのうち一方のスリット15bの開口部が下方となるように、他方のスリット15bの開口部が上方を向くように、試験装置20にセットされても、或いは、スリット15b,15bの開口部が、それぞれ水平方向となるように、即ち横方向で逆方向に開口するように、試験装置20にセット(図示せず)されてもよい。
さらには、図7に示されるテストピース30のように、軸直角方向の両端側から、他端側に向かうスリット32,34を設けることもできる。なお、図7においては、2つのスリット32,34のうち、一方のスリット32の深さが、テストピース30の半径以上の深さとなっており、断面略台形乃至は矩形状の薄肉部36が、中心から径方向一方側(図1中、左側)に偏倚して設けられている。このため、図7(c)に示されるように、深いスリット32の開口部を下方に配置して、熱間で圧縮荷重を加えると、薄肉部36が効果的に撓められ、鋳型のなりより性をより一層明確に測定することが可能となる。
また、上例では、スリット幅:Wが、深さ方向に亘って、略一定とされていたが、テストピースの軸方向に所定の圧縮荷重をかけた際に、テストピースが撓んでも、破断までの間、スリットを間に挟んで対向するスリット壁面同士が当接しない程度の幅であれば、スリット幅:Wは、スリットの開口部から底部に行くに従って狭くなっても、或いは、広くなっても構わない。
さらに、上例では、テストピース10の全体形状が、円柱状とされていたが、柱状を呈するものであれば、円柱状に何等限定されるものではなく、例えば、角柱状、多角柱状であっても何等差し支えない。
加えて、上例においては、試験装置20の可動式管状電気炉26において、テストピース10の熱間曝露は、窒素ガス雰囲気下で行なうようにされていたが、本発明は、何等これに限定されるものではなく、かかる熱間曝露を、大気雰囲気下で行なうようにしてもよい。そのような熱間曝露の際の雰囲気は、実際に鋳型を鋳造する際の雰囲気に近付けることが、試験結果と実際の鋳造結果との一致性を高める上で望ましく、目的に応じて適宜に選定されることが望ましい。また、窒素ガス雰囲気では評価する際のテストピースの撓み量(変位量)が大きくなるという特徴があり、一方、大気雰囲気下では測定を容易に行なえるという利点がある。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないところである。
以下に、本発明の実施例を幾つか示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明は、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。
先ず、テストピースを作製するために、下記表1に示される、異なる2種類のフェノール樹脂系粘結剤で被覆された砂を、鋳物砂組成物(No.1,2)として準備した。
Figure 2009300347
そして、準備された鋳物砂組成物(No.1,2)をそれぞれ用いて、スリット入りのテストピースをそれぞれ5個ずつ作製した。具体的には、図1に示される如きテストピース形状に対応する成形キャビティを有する成形型枠を準備し、所製作所製CBマシーン造型機(ブロー:0.4MPa×1秒、ガッシング:0.05MPa×1秒、パージ:0.1MPa×10秒)を用いて、図1に示される如き形状のテストピースを作製した。得られたテストピースの直径、軸方向長さ、スリット幅:W及びスリット深さ:Dは、それぞれ、直径:30mmm、長さ:50mm、W:6mm、D:24mmであった。
<熱間クリープ試験>
そして、作製された各テストピースを、それぞれ、図4に示される如き構造の試験装置(横型鋳物砂熱膨張計;オザワ科学株式会社製)に、テストピースのスリット開口部が下方となるように水平に取り付けた。その後、このテストピースに対して常時800gの圧縮荷重をかけながら、予め1000℃に保持された電気炉を移動させて、電気炉内にテストピースを導入した。そして、窒素雰囲気下において曝熱を開始した時点から、テストピースの変位(撓み量)を、変位が急激に変化する時間(破断時間)まで測定した。そして、各テストピースについて、破断前の、変位がほぼ維持される領域における接線と破断時の曝熱時間との交点における変位量及び破断時間を求め、それらの平均値を下記表2にそれぞれ示すと共に、テストピースの変位と曝熱時間との関係を示す代表的なクリープ曲線を、図5に示した。
Figure 2009300347
かかる表2及び図5の結果からも明らかなように、本発明によれば、テストピースが破断前に撓むところから、その変位量を測定することで、鋳型のなりより性を評価することができると共に、破断時間から、鋳型の熱間抗圧力も評価することができる。
本発明に従う鋳型特性評価用テストピースの一実施形態を示す斜視説明図である。 図1におけるII−II断面説明図である。 図1に示される鋳型特性評価用テストピースに対して、熱間で圧縮荷重を加える前と加えている状態を示す正面説明図であって、(a)は、圧縮荷重を加える前の状態を、(b)は、熱間で圧縮荷重を加えている状態をそれぞれ示している。 本発明で用いられる試験装置の概略説明図であって、図1に示される鋳型特性評価用テストピースを取り付けた状態を示している。 実施例において測定された時間と変位(撓み)の関係を表すグラフである。 本発明に従う鋳型特性評価用テストピースの異なる実施形態を示す正面説明図であって、(a)及び(b)は、それぞれ、本発明に従う異なる鋳型特性評価用テストピースの図3(b)に対応する図である。 本発明に従う鋳型特性評価用テストピースの更に別の実施形態を示す正面説明図であって、(a)は、図3(a)に対応する図、(b)は、(a)におけるb−b断面図、(c)は、図3(b)に対応する図である。 従来の熱間クリープ試験で用いられる装置の概略説明図であり、図10に示される熱間抗圧力測定用テストピースを取り付けた状態を示している。 従来の熱間クリープ試験で得られたクリープ曲線を示すグラフである。 従来の熱間クリープ試験で採用される熱間抗圧力測定用テストピースを示す斜視説明図である。
符号の説明
10,11a,11b,30 テストピース
12,13,36 薄肉部
14,15a,15b,32,34 スリット
16a,16b スリット壁面 18 底部
20 試験装置 22 ホルダ
23 壁部 24 押圧ロッド
25 押圧板 26 電気炉
28 レコーダ

Claims (4)

  1. 鋳型造型に用いられる鋳物砂組成物にて形成されたテストピースに対して、その軸方向に一定の圧縮荷重を加える一方、該テストピースを熱間曝露して、該テストピースが破断するまでの時間と変位とを測定し、それら時間と変位との関係から鋳型特性を評価する方法にして、
    前記テストピースが、全体として柱状を呈し、且つその軸方向の中間の部位に、軸直角方向に延びるスリットを有していることを特徴とする鋳型特性の評価方法。
  2. 前記テストピースの前記スリットが、少なくとも該テストピースの軸心に達する深さにおいて形成されている請求項1に記載の鋳型特性の評価方法。
  3. 前記テストピースが、水平状態において、且つ前記スリットの開口部が下方となるように保持される請求項1又は請求項2に記載の鋳型特性の評価方法。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の評価方法に用いられるテストピースであって、鋳型造型に用いられる鋳物砂組成物にて形成されていると共に、全体として柱状を呈し、且つその軸方向の中間の部位に、軸直角方向に延びるスリットを有していることを特徴とする鋳型特性評価用テストピース。
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