JP2009299782A - エンジンマウント - Google Patents

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Abstract

【目的】ストッパ作動時のショック感をなくし、同時に小型化を可能にする。
【構成】液封本体部2からインシュレータ3の外方を囲むストッパ金具16を設け、その内側に外側ストッパ20を形成し、すぐり穴21を設ける。外側ストッパ20と第1の取付金具4の周囲に形成された内側ストッパ5の間には微小クリアランス25を形成する。第1の取付金具4が前後方向へ移動すると、速やかに微小クリアランス25をつぶしてゼロクリアランスとなり、その後すぐり穴21をつぶすことにより外側ストッパ20をせん断変形させるのでバネを弱くしてショック感をなくす。外側ストッパ20がつぶれると圧縮変形に変わるので、バネを急上昇させて変位規制できる。しかも、外側ストッパ20を軟らかくしないで済むので、小型化できる。
【選択図】図2

Description

この発明は、エンジンを防振支持するエンジンマウントに係り、特に変位規制するストッパを設けたものに関する。
エンジンへ取付けられる第1の取付部材と、車体へ取付けられる第2の取付部材と、これら第1及び第2の取付部材を弾性的に連結して防振主体をなす本体ゴムと、主たる振動の入力方向と直交する方向へ移動する第1の取付部材を変位規制するストッパゴムを第2の取付部材に取付け、このストッパゴムの肉厚内に設けた中空部により、せん断変形と圧縮変形からなる2段当たりのストッパ機能を発揮するようにしたエンジンマウントが公知である(特許文献1参照)。
またストッパゴムを第1の取付部材側に設けたものもある(一例として特許文献2参照)。
特公昭60−2541号公報 特開2005−221015号公報
上記中空部を有するストッパゴムを設けると、2段当たりのストッパ機能を発揮して、変位量に応じてストッパゴムのバネが増大するので、小さな変位には柔らかく受け止め、大きな変位には硬いバネで確実に受け止めるように、適切なバネ変化を実現する。しかし、ストッパゴムと第1又は第2の取付部材との間に比較的大きなクリアランスがあるので、急な加減速時などにおいて、第1の取付金具が移動開始すると、当初はストッパゴムを変形させることなくクリアランス分だけ第1の取付部材が移動し、その後クリアランスが無くなった時点でストッパゴムの弾性変形が始まり急激にバネが増大するためショック感を生じることがある。このショック感は乗り心地に影響するため、発生を阻止することが望まれている。
そこで本願発明は、ショック感を緩和でき、かつ装置を小型化できるエンジンマウントの実現を目的とする。
上記課題を解決するためエンジンマウントに係る請求項1の発明は、エンジンへ取付けられる第1の取付部材と、車体へ取付けられる第2の取付部材と、これら第1及び第2の取付部材を弾性的に連結して防振主体をなす弾性部材からなるインシュレータと、主たる振動の入力方向と直交する方向へ移動する第1の取付部材を変位規制するため第1及び第2の取付部材の間に配置される弾性部材からなる弾性ストッパとを備え、この弾性ストッパの肉厚内に設けた中空部により、せん断変形と圧縮変形からなるストッパ機能を有するエンジンマウントにおいて、
前記弾性ストッパは、前記第1の取付部材に設けられる内側ストッパと、この内側ストッパに対面して前記第2の取付部材に設けられる外側ストッパからなり、これら内側ストッパ又は外側ストッパの少なくともいずれか側に前記中空部を設けるとともに、
これら内側ストッパと外側ストッパの対面する部分間にクリアランスを設け、このクリアランスのうち最小部分を中立状態のとき略ゼロとしたことを特徴とする。
請求項2の発明は上記請求項1において、前記クリアランスは、前記内側ストッパ及び外側ストッパを互いに圧縮変形させて嵌合することにより前記最小部分がゼロになっていることを特徴とする。
請求項3の発明は上記請求項2において、前記嵌合時の圧縮変形量が1mm以下であることを特徴とする。
請求項4の発明は上記請求項1において、前記中空部に臨む部分に前記中空部内へ突出する複数の凸部を設けたことを特徴とする。
請求項5の発明は上記請求項1において、前記内側ストッパの外周部で前記外側ストッパに臨む部分の上部及び下部にテーパーを設け、かつ下部側のテーパーが上部側のテーパーよりも大きいことを特徴とする。
請求項6の発明は上記請求項1において、前記内側ストッパの前後方向部分が前記外側ストッパ方向へ凸に湾曲する円弧状部をなし、前記外側ストッパの前記円弧状部が接触する縁部が左右方向へ略直線状をなしていることを特徴とする。
クリアランスを略ゼロ(0)にすること(以下、ゼロクリアランスという)とともに内側ストッパ又は外側ストッパの少なくともいずれか側に中空部を設けることにより、内側ストッパの移動当初は、ショック感を生じることなくせん断変形主体の比較的弱いバネをなし、中空部がつぶれた段階で圧縮変形に変わり、バネが増大して変位規制する。
このせん断変形から圧縮変形への変化は連続的であり、ショック感を生じない。したがって、ショック感を解消できる。
さらに弾性ストッパの弾性変形における初期はせん断変形のため、ストッパの変位量が大きい割に発生する応力が低いことから、圧縮変形だけのストッパに対し耐久性が有利であるため、装置を小型化できる。
なおゼロクリアランスは、ゼロのみならず、成形上不可避程度の微小クリアランス(約1mm以下)から圧縮状態で嵌合するマイナス(−)クリアランスまで含む。マイナスクリアランスは圧縮量に関係し、これを1mm以下とすれば当初のバネを体感される程度に増大させないようにできるとともに、クリアランス管理も容易になる。
また、内側ストッパの外周部上下をテーパーにするとともに、下側を上側よりも大きくすれば、上側が硬く、下側が軟らかくなるので、外側ストッパとの当接時に内側ストッパが下側へ逃げることができ、破壊を防止できる。
さらに中空部内に突出する凸部を設けることにより、中空部がつぶれるとき、凸部が中空部を挟む対面側へ圧縮変形しながら接触し、その後中空部全体がつぶれるので、中空部がつぶれるときのショック感の発生をさらに生じにくくすることができる。
また、内側ストッパの前後方向部を前記外側ストッパ方向へ凸に湾曲する円弧状部とし、前記外側ストッパの前記円弧状部が接触する縁部を左右方向へ略直線状にすると、内側ストッパが左右方向へ移動するとき、外側ストッパの略直線状をなす縁部上を滑るので、左右方向におけるバネを低減できる。また、内側ストッパが斜めに左右方向へ移動するときでも内側ストッパがあまり大きく圧縮されないので、やはりバネを低減できる。
以下、図面に基づいて実施例を説明する。図1〜6は第1実施例に係り、図1は平面図、図2は図1の2−2線に沿う縦断面図、図3は図2の3−3線に沿う横断面図、図4はストッパ部の拡大図、図5はすぐり穴部分の拡大図、図6は作用説明図である。
以下の説明では、前後方向及び左右方向を図1のX及びY矢示方向とし、上下方向を図2のZ矢示方向と平行な方向とする。なおZ矢示方向は主たる振動の入力方向である。X、Y及びZ方向はそれぞれ直交する3軸方向である。
また、Z方向に沿う断面(図2)を縦断面、Z方向と直交方向の断面を横断面(図3)とする。
図1〜3において、エンジンマウント1は、液封本体部2を備えた液封式のものである。防振ゴム等公知の弾性材料で構成されて防振主体をなすインシュレータ3により作動液をオリフィス通路11内で移動させ、このとき生じる作動液の液柱共振により高減衰かつ低動バネを実現し、エンジンの振動伝達を遮断する公知の防振装置である。
液封本体部2はドーム状をなすインシュレータ3とその頂部に一体化されている第1の取付金具4と、第1の取付金具4の周囲に一体化されかつインシュレータ3と連続一体の内側ストッパ5と、インシュレータ3の裾部(インシュレータ3を山形に見たてたときにおけるその山裾相当部)に一体化された円筒金具6と、円筒金具6の開口部を覆うダイヤフラム7と、このダイヤフラム7とインシュレータ3の間に形成された液室を主液室8と副液室9に仕切る仕切部材10と、この仕切部材10に設けられて主液室8と副液室9を連通するオリフィス通路11とを有する。液室及びオリフィス通路11内には公知の非圧縮性の液体からなる作動液が封入されている。
円筒金具6はカップ状金具12に嵌合され、カップ状金具12は外周部に取付けられた取付脚13により車体側(図示省略)へボルト付け等で固定される。円筒金具6、カップ状金具12及び取付脚13は第2の取付金具14を構成する。カップ状金具12の上端部は外フランジ15をなし、ここにストッパ金具16の下端部がカシメにより固定されて第2の取付金具14と一体化される。
ストッパ金具16はインシュレータ3の外側を覆う略円筒の部材であり、その上端部には内フランジ17が中央穴18を囲んで形成されている。中央穴18から第1の取付金具4の上部が上方へ突出し、エンジン(図示省略)へ取付けられるブラケット(同)へ締結される。中央穴18は図1に示すように、前後方向へ長い長円状をなす。ストッパ金具16の内側には、インシュレータ3と同様もしくは硬度等が異なるゴムからなる外側ストッパ20が焼き付け一体化されている。
外側ストッパ20の上端は内フランジ17の下面へ一体化されている。また、外側ストッパ20の肉厚内には中空部であるすぐり穴21が下方へ開放されて形成されている。すぐり穴21は下方へ拡大するテーパー状をなし、下端の開口部は、インシュレータ3の裾部側上方に位置する。
インシュレータ3はゴム等の適宜弾性体からなる防振主体をなす公知の部材である。第1の取付金具4の中心を通り主たる振動の入力方向Zに平行するインシュレータの中心線を中心軸線Cとする。
図3〜5に示すように、外側ストッパ20は前後に形成され、内側ストッパ5に面する部分は、左右方向へ略直線状をなす内側縁部23になっている。内側縁部23は、ストッパ金具16を形成する円を横切る弦に相当する。
第1の取付金具4の中心を通って前後方向に延びる中心線であるストッパ軸線L上において、内側縁部23と内側ストッパ5は近接して略ゼロクリアランスをなしている。また、前後の外側ストッパ20にはそれぞれ、ストッパ軸線Lにおいて、第1の取付金具4を挟んで対称位置にすぐり穴21が形成されている。
第1の取付金具4は略四角形断面をなす金属製であるが、前後方向は、前方又は後方へ凸に湾曲し、ストッパ軸線L上が最大突出部31をなす。
第1の取付金具4の左右方向は逆に第1の取付金具4の中心方向へ凹入する凹部32をなし、この凹部32を囲む前後が左右方向外方へ突出する凸部33になっている。凹部32は内フランジ17へ他部品を取付けるボルト38(図3)の逃げ部をなす。
第1の取付金具4の周囲には内側ストッパ5が一体化されている。内側ストッパ5は外側ストッパ20に対面する部分である前後方向部分が厚肉の円弧状部34をなしている。円弧状部34のうち最大突出部31の外側へ重なる部分が内側ストッパ5における前後方向への最大突出部35となっている。また円弧状部34のうち最大突出部35を挟む両側部分が円弧状部側方部分36をなす。第1の取付金具4の左右部分にも内側ストッパ5が形成されて左右部分37をなすが、この左右部分37は薄肉である。なお、第1の取付金具4及び内側ストッパ5の左右部分37とストッパ金具16の間は空間になっている。
このように、内側ストッパ5の前後方向部分を円弧状部34とし、対面する外側ストッパ20の縁部を左右方向へ略直線状をなす内側縁部23とすることで、円弧状部34の最大突出部35を内側縁部23へ点接触状に接触させ、第1の取付金具4が左右方向へ移動する場合、最大突出部35が内側縁部23の上を滑らせるようにして左右方向のバネを著しく小さくできる。また第1の取付金具4が斜めに左右方向へ移動する場合も圧縮量があまり大きくならないので同様にバネを低減できる。
特に、図3中へ仮想線Eで示したように、外側ストッパ20が円弧状に第1の取付金具4の外側を囲む従来例では、第1の取付金具4が左右方向もしくは前後方向と左右方向の中間となる斜め方向へ移動したときのバネが大きく、かつ接触音が大きくなるが、内側ストッパ5の円弧状部34と外側ストッパ20の略直線状をなす内側縁部23を組み合わせることにより、係る従来例におけるような事態の発生を防止できる。
円弧状部34における最大突出部35の厚さは、第1の取付金具4における最大突出部31の突出量を調整することにより変化させて前後方向におけるバネのチューニングを図ることができる。
凹部32も内側ストッパ5の一部である左右部分37で外側を覆われているため、仮に凹部32がボルト38へ当接しても異音の発生を防止できるようになっている。
凸部33も内側ストッパ5の一部をなす円弧状部側方部分36と左右部分37との接続部で外側を覆われ、図1〜3では明らかでないが、この部分を覆う弾性材料は内フランジ17の下面へ当接し、Z方向におけるストッパとなっている。さらに図3において明らかなように、凸部33と最大突出部31との間における第1の取付金具4の外周部は内方へ凹入するよう湾曲しており、これによりこの湾曲部外側における円弧状部側方部分36の肉厚を部分的に大きくしてX方向におけるバネを調整することで耐久性を高めるようになっている。
図4は前方側の内側ストッパ5と外側ストッパ20との近接部を拡大して示す。なお後方側は前方側と対称に形成される。この図に明らかなように、ストッパ軸線L上において、内側縁部23の交点が左右方向中間部24をなし、内側ストッパ5の円弧状部34との交点が前方への最大突出部35をなしている。最大突出部35と左右方向中間部24との間は間隔aなる微小クリアランス25をなす。
この微小クリアランス25は成形上不可避的に生じる程度のクリアランスであり、例えば、0.5mm程度のものであってほぼゼロクリアランスをなしている。すなわち、前後方向への微小入力で直ちに最大突出部35が外側ストッパ20の内側縁部23へ当接してクリアランスが無くなる程度であって、実質上ゼロクリアランスと等しいものである。このような範囲は、1mm以下であれば、略ゼロクリアランスの条件を充足する。1mmより大きなクリアランスは成形上不可避的に生じるものではなくなり、任意に調整可能なものになる。なお、左右方向中間部24の表面には波形等をなす微小凸部26が形成されている。
図5に明らかなように、すぐり穴21は内側ストッパ5側が内側縁部23と略平行な直線部27をなし、ストッパ金具16側は中間部が直線部27へ向かって凸部28をなす曲線部29であり、直線部27には曲線部29に向かって突出する複数の微小凸部30が一体に形成されている。なお、微小凸部30の形状・寸法・数等は任意に選択できる。
次に、本実施例の作用を説明する。急加速や急ブレーキ時において、エンジンの移動により第1の取付金具4が前後方向へ移動する。そこで、例えば前方移動を考えたとき、まず最大突出部35は左右方向中間部24との間に微小クリアランス25を形成しているので、図6のAに示すように、この微小クリアランス25を速やかに埋めて左右方向中間部24へ当接する。
このとき、左右方向中間部24上に形成されている微小凸部26がつぶれながら左右方向中間部24、さらにはその近傍の内側縁部23へ、内側ストッパ5の最大突出部35及び周辺部が接触するので、微小クリアランス25の解消時におけるショック感を抑制できる。また円弧状部34と外側ストッパ20の接触時における接触音の発生を防止できる効果もある。
図6のBに示すように、内側ストッパ5の最大突出部35及び周辺部が内側縁部23へ当接すると、外側ストッパ20を圧縮方向へ変形させようとするが、すぐり穴21が存在するため、当初はすぐり穴21をつぶしながら内側ストッパ5を変形するので、このときの外側ストッパ20における変形はせん断変形となる。したがって、比較的小さなバネとなり、ショック感を生じさせない。
すぐり穴21がほぼつぶれると、微小クリアランス25の微小凸部30がつぶれながら曲線部29へ接触するので、すぐり穴21が完全につぶれるまでの時間を長くすることができ、急激なすぐり穴21のつぶれを防ぎ、ある程度の時間をかけてつぶれるようにする。このため、すぐり穴21がつぶれるときのショック感を抑制する。また微小凸部30による曲線部29への接触時における接触音の発生を防止できる効果もある。
また、内側ストッパ5の最大突出部35と凸部28がストッパ軸線Lの上に位置するので、すぐり穴21がつぶれるとき直線部27は最初に最大突出部35部分が左右方向中間部24を介して凸部28へ当接し、その後左右方向へ広がりながら接触する。したがって、この点でもすぐり穴21の急速なつぶれを防ぎ、時間をかけてつぶれるようにしてショック感を抑制する。
図6のCに示すように、すぐり穴21が完全につぶれると、外側ストッパ20は圧縮変形となる。これ以降、内側ストッパ5がさらに前方へ移動するためには、内側ストッパ5及び外側ストッパ20の各ゴムボリューム部分を圧縮変形させる必要があるので、急激にバネが大きくなり、確実な変位規制を可能とする。しかし、すぐり穴21がつぶれるまでのせん断変形、微小凸部26及び30の変形により徐々にバネが高くなるのでショック感を緩和できる。
また、外側ストッパ20の内側縁部23は、ストッパ金具16の横断面における円の弦をなすように(図3)左右方向へ略直線状をなし、一方、内側ストッパ5の内側縁部23に対面する部分は円弧状部34をなしているから、内側ストッパ5の内側縁部23に対する接触面積は、当初の点接触状から次第に増大する。
この接触面積の増大に伴って、変形する微小凸部26も左右方向中間部24から側方のものまで拡大する。このため、ストッパの変位量に対するバネ変化を大きくすることができる。この接触面積の変化及び変形する微小凸部26の数量変化は図6のAから同Cの段階まで継続して生じる。
図11は、ストッパ軸線Lに沿って第1の取付金具4へ入力される荷重と第1の取付金具4の変位量との関係を示すグラフであり、図のAに示す特性曲線は本実施例におけるものである。後述する比較例の特性であるC及びDと比較すれば明らかなように、変位が0.5mm程度でクリアランスが無くなる微小クリアランスである。一方、Cは5mm程度になってからクリアランスを解消してPに示すようなショック部を形成する。本実施例は微小クリアランスによりこのようなショック部Pを解消し、より緩やかなバネ変化で変位規制をすることができる。また、Dのようにだらだらとバネ上昇せず、大荷重ではCに近い硬いバネになって確実に変位規制できるため、外側ストッパ20を小型にできる。
図9は図11の特性曲線Cを与える第1比較例であり、図2の上部に相当する部分を示している。なお、符号は本実施例と共通符号を用いるものとする。この例では、外側ストッパ20にすぐり穴を設けず、かつ外側ストッパ20と内側ストッパ5との間に5mm程度の寸法cなる比較的大きなクリアランス50を設けてある点で相違し、他は同様構造である。
第1の取付金具4が前方へ移動すると、当初は比較的大きなクリアランス50分だけ内側ストッパ5が外側ストッパ20と接触せずに移動し、クリアランス50分だけ移動すると内側ストッパ5が外側ストッパ20へ接触して圧縮変形を開始する。したがって、クリアランス50が無くなった時点で急激にバネが増大してショック感を生じる。図11の特性曲線Cに示すように、クリアランス50が無くなって外側ストッパ20へ接触したときに生じる急激な変曲部であるショック部Pがショック感の発生を示している。
図10は、図9と同様な部位を示す第2比較例であり、この例では、すぐり穴を設けない外側ストッパ20に対して内側ストッパ5を接触させてゼロクリアランスにしてある。この場合、乗り心地を良好にするためには、第1の取付部材4の比較的小さな変位を許容することが必要であるから、外側ストッパ20と内側ストッパ5のバネは柔らかくしておかなければならない。
図11の特性曲線Dはこの比較例のものであり、ショック部は存在しないものの、小荷重領域をAやCと同程度のバネに設定すると、バネ値は変位量に対して一様であるから、大荷重領域では著しく変位量が大きくなり、AやCと同程度の荷重で変位規制するためには、変位量の増大分に対応できるように大型化することになる。
すなわち、第1比較例は比較的小型化できるがショック感を解消しなければならず、第2比較例はショック感を解消できるが、変位規制をするためにはゴムボリュームを著しく大きくして実用上困難な程度に大型化しなければならない。しかし、本実施例では図11のAに示すように、小荷重領域では第1比較例のショック感を解消して第2比較例と同程度の柔らかいバネとなり、高荷重領域では第1比較例程度の変位量で変位規制できるので、第1比較例と同程度に小型化できることになる。
図7,8は第2実施例に係り、図7は図2に対応し、図8は図7の8−8線断面図であり図3に対応する。前実施例と共通部は共通符号を用いる。この例では、左右方向中間部24と最大突出部35を含む各近傍部が予め圧縮された状態で内側ストッパ5と外側ストッパ20が嵌合している点で前実施例と相違する。
嵌合前の圧縮前状態と圧縮した嵌合時との差を圧縮量bとすると、この圧縮量は嵌合による内側ストッパ5と外側ストッパ20の重ね合わせ量でもある。この圧縮量bは3mm以下であれば、内側ストッパ5及び外側ストッパ20のバネにほとんど影響を与えず、かつクリアランス管理を容易にできる。圧縮量bが3mmを越えると、ストッパの初期バネに影響を生じ硬くなって乗り心地変化を感じるようになる。
このようにすると、当初から内側ストッパ5と外側ストッパ20が接触しているため、前実施例のように当初の微小クリアランスがない分だけ、内側ストッパ5が外側ストッパ20側へ移動する初期ではバネが若干大きくなるが、微小クリアランスがないことにより、ショック感を全く感じないようにすることができる。
したがって、中立時に内側ストッパ5と外側ストッパ20が所定の圧縮量で予め嵌合しているため、図11のグラフBに示すように、前実施例のグラフAより、若干バネが高くなる程度であって、ショック感が無くかつ変位規制できしかも比較的小型のストッパを構成できる。
なお、内側ストッパ5と外側ストッパ20の嵌合以外は、外側ストッパ20及びすぐり穴21の構造等は前実施例と同様である。但し、図7に示すように、内側ストッパ5の外周部の上下部分は、径方向外方へ斜め下がりの上側テーパー部40及び同斜め上がりの下側テーパー部41をなし、下側テーパー部41の方が上側テーパー部40よりも大きくなっている点で相違する。ここで下側テーパー部41が大きいとは、傾斜面の傾斜方向における幅が大きいことをいうものとする。
このようにすると、内側ストッパ5の外周部は、上側のバネが大きく、下側が小さくなる。そこで内側ストッパ5を外側ストッパ20へ強く押しつけると、内側ストッパ5はバネの弱い下方へ逃げることになる。その結果、剛体の内フランジ17から上側テーパー部40が離れ、下側テーパー部41が弾性体であるインシュレータ3へ近接することになるから、変位規制時に内側ストッパ5へ外側ストッパ20及びストッパ金具16側から過大な反力を受けたとき、内側ストッパ5の外周部が下側へ傾いて、過大な反力を逃がすことにより、破壊を防止できる。
なお、本願発明は上記の各実施例に限定されるものではなく、発明の原理内において種々に変形や応用が可能である。例えば、液封部を省略したものでもよい。この場合、インシュレータは筒状又はブロック状等の適宜形状からなる弾性部材とすることができる。また、変位規制方向は、前後方向のみならず左右方向等、使用態様により任意に設定できる。
第1実施例の平面図 図1の2−2線に沿う縦断面図 図2の3−3線に沿う横断面図 ストッパ部の部分拡大図 すぐり穴部分の拡大図 作用説明図 第2実施例に係る図2に対応する図 第2実施例に係る図3に対応する図(図7の8−8線断面図) 第1比較例のエンジンマウントにおける上部断面図 第2比較例のエンジンマウントにおける上部断面図 ストッパ部のバネを示す変位と荷重のグラフ
符号の説明
1:エンジンマウント、2:液封本体部、3:インシュレータ、4:第1の取付金具、5:内側ストッパ、6:円筒金具、16:ストッパ金具、20:外側ストッパ、21:すぐり穴、24:左右方向中間部、25:微小クリアランス、26:微小凸部、30:微小凸部

Claims (6)

  1. エンジンへ取付けられる第1の取付部材と、車体へ取付けられる第2の取付部材と、これら第1及び第2の取付部材を弾性的に連結して防振主体をなす弾性部材からなるインシュレータと、主たる振動の入力方向と直交する方向へ移動する第1の取付部材を変位規制するため第1及び第2の取付部材の間に配置される弾性部材からなる弾性ストッパとを備え、この弾性ストッパの肉厚内に設けた中空部により、せん断変形と圧縮変形からなるストッパ機能を有するエンジンマウントにおいて、
    前記弾性ストッパは、前記第1の取付部材に設けられる内側ストッパと、この内側ストッパに対面して前記第2の取付部材に設けられる外側ストッパからなり、これら内側ストッパ又は外側ストッパの少なくともいずれか側に前記中空部を設けるとともに、
    これら内側ストッパと外側ストッパの対面する部分間にクリアランスを設け、このクリアランスのうち最小部分を中立状態のとき略ゼロとしたことを特徴とするエンジンマウント。
  2. 前記クリアランスは、前記内側ストッパ及び外側ストッパを互いに圧縮変形させて嵌合することにより前記最小部分がゼロになっていることを特徴とする請求項1に記載したエンジンマウント。
  3. 前記嵌合時の圧縮変形量が1mm以下であることを特徴とする請求項2に記載したエンジンマウント。
  4. 前記中空部に臨む部分に前記中空部内へ突出する複数の凸部を設けたことを特徴とする請求項1に記載したエンジンマウント。
  5. 前記内側ストッパの外周部で前記外側ストッパに臨む部分の上部及び下部にテーパーを設け、かつ下部側のテーパーが上部側のテーパーよりも大きいことを特徴とする請求項1に記載したエンジンマウント。
  6. 前記内側ストッパは前後方向部分が前記外側ストッパ方向へ凸に湾曲する円弧状部をなし、前記外側ストッパは前記円弧状部が接触する縁部が左右方向へ略直線状をなしていることを特徴とする請求項1に記載したエンジンマウント。
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