JP2009299553A - プロペラファン - Google Patents

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賢哲 安嶋
Yukihiro Takano
幸裕 高野
Yuuji Fujimoto
裕地 藤本
Koji Takiguchi
浩司 滝口
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F05INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
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Abstract

【課題】プロペラファンへの流入する流体が偏流状態となり迎え角が増大する時でも、ファン騒音を低減できるプロペラファンを提供する。
【解決手段】ボス72の外周に複数の翼71を配設したプロペラファン70において、各翼の負圧面71eの前縁71a側に沿って突起71gを設けたことにより、迎え角が大きくても主流が突起の表面を沿って流れるので、負圧面からの剥離渦の発生が抑制され、騒音が低くすることが出来る。
【選択図】図3

Description

本発明は、プロペラファンの翼形状に係り、特に、自動販売機の前扉のようにファンの流入口の一部に流体障害物があり、流体が偏った速度分布で流入するプロペラファンに利用される。
従来、プロペラファンの低騒音化を図るために、翼端(翼外径周縁部)を流れの前方側に傾斜した小翼を設け、翼の裏側面である圧力面から翼端を周って翼の表側面である負圧面に流れ込む翼端渦の発生を抑制し、騒音を低減させる方法が知られている(例えば、特許文献1)。
また、プロペラファンの翼負圧面全体に2重ディンプルを形成させ、翼負圧面上に発生する剥離渦を抑制し、空力性能および低騒音化を図る方法が知られている(例えば、特許文献2)。
また、プロペラファンの翼後縁をノコギリ歯状に形成させ、翼後縁における速度欠損を低減させ、翼の後流へ移送する後流渦の発生を抑制し、低騒音化、高効率化を図る方法が知られている(例えば、特許文献3)。
特開平6−173895号公報 特開平6−159297号公報 特開平8−189497号公報
しかしながら、いずれの方法もプロペラファンの前方より偏流なく流入する流体が翼の先端部、翼面部、後縁部において発生する渦を抑制させるものであり、流体が偏った速度分布で流入するプロペラファンに利用される技術に関する開示はない。
例えば、自動販売機に使用されるプロペラファンは、自動販売機の前扉の下方に位置する商品の取出口のさらに下方に設けられた流入口より流入する流体を吸い込み、凝縮器を冷却して後方へ排出するものである。この場合、プロペラファンの径に対して前扉の形成された流入口は比較的小さい。このため、プロペラファンの中心より下部領域には多くの風量が流入し、一方、プロペラファンの上部領域では風量が少ないといった偏流の態様となる。
このときの流れの様子を従来のプロペラファン80を例として、図7,8を参照しつつ説明をする。図7はプロペラファン80の正面図であり、図8は、図7の同心円上B−Bの断面に関して、(a)は適正風量の場合における翼面周りの流れを示す模式図であり、(b)は風量が少ない場合における翼面周りの流れを示す模式図である。
プロペラファン80は、5枚の翼71とその翼71の根元部を取設するボス72により構成され、不図示のモータにより図中Cの方向に回転をして、紙面の手前より奥側に流体を送風する。翼71は、低騒音用の前進翼の形状であり、回転方向側を前縁71a、その反対を後縁71c、半径方向の先端を先端部71b、ボス72との付け根を翼根部71dで囲われた曲面を形成し、流れの前方側に負圧面71eを、その反対側に圧力面71fを有している。
適正風量の場合には、図8(a)に示すように前縁71aと後縁71cを結んだ基準線83(図中の破線)と流入速度84との角度である迎え角85が小さく、流入する流体は、翼の負圧面71eに沿って流れるため、負圧面71eからの剥離渦が少なく、プロペラファン80は高効率、低騒音で回転する。一方、風量が不足すると、図8(b)に示すように迎え角85aが大きくなるため、流入速度84aで流入する流体は翼の負圧面71aを離れた主流86となり、前縁71aで渦が発生するとともに、翼の負圧面71eからも剥離渦87が発生して、失速状態となりやすく乱流騒音である広帯域騒音が増大する。すなわち、プロペラファン80の下部領域では風量が多く流入し迎え角85が小さく、プロペラファン80の下部領域では風量が少なく流入し迎え角85aが大きくなる。したがって、プロペラファン80の下部領域では小負荷,上部領域では過負荷となり流入バランスが崩れ、迎え角85aが大きい箇所(上部領域)では前縁での渦や翼面での剥離が増加し騒音が増大する問題がある。
本発明は、上記に鑑みてプロペラファンへの流入する流体が偏流状態となり迎え角が増大する時でも、ファン騒音を低減できるプロペラファンを提供することを目的とする。
上記した目的を達成するために、請求項1に係る発明のファンは、ボスの外周に複数の翼を配設したプロペラファンにおいて、各翼の負圧面前縁を厚肉としたことを特徴とする。
また、請求項2に係る発明のファンは、厚肉は負圧面前縁側に沿った突起で形成されたことを特徴とする。
また、請求項3に係る発明のファンは、前記突起の断面形状が半円形であり、その半径が2.5〜6.5mmであることを特徴とする。
また、請求項3に係る発明のファンは、前記突起と翼が樹脂製にて一体に形成されていることを特徴とする。
本発明にかかる請求項1、2に係る発明のファンは、ボスの外周に複数の翼を配設したプロペラファンにおいて、各翼の負圧面前縁を厚肉を設けたことにより、または、その厚肉が各翼の負圧面前縁側に沿って突起であることにより、迎え角が大きくても主流が突起の表面を沿って流れるので、負圧面からの剥離渦の発生が抑制され、騒音が低くすることが出来る。
本発明にかかる請求項2に係る発明のファンは、突起の形状が半円形であり、その半径が2.5〜6.5mmとすることにより、迎え角が大きくても主流が半円形の突起の表面を沿って流れるので、さらに負圧面からの剥離渦の発生が抑制され、騒音が低くすることが出来る。
本発明にかかる請求項4に係る発明のファンは、突起と翼を樹脂で一体に形成することにより、コストを低く抑えることができる。
以下に添付図面を参照して、本発明にかかるプロペラファンの好適な実施例を詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
図1は本発明の実施例に係るプロペラファンを適用した自動販売機を示す斜視図、図2は、図1に示した自動販売機の下部側断面図である。図3は本発明の実施例に係るプロペラファンの平面図であり、図4は、図3のA−A断面のおける翼面周りの流れを示す模式図である。図5、6は本発明の実施例に係るプロペラの騒音実験結果を示す特性図である。
これら図において、自動販売機は、前面が開口した直方状の断熱体として形成された本体キャビネット10と、その前面に設けられた外扉20および内扉30と、本体キャビネット10の内部を上下2段に底板11にて区画形成し、上部を例えば2つの断熱仕切板40wによって仕切られた3つの独立した商品収納室40a、40b、40cと、下部に商品収納室40a、40b、40cを冷却もしくは加熱する冷却/加熱ユニット60を収納する機械室50と、外扉20の内側に配設され、商品収納室(冷蔵室)40a、40b、40c内の温度センサにより自動販売機の冷却、加熱運転などを制御する制御手段100と、を有して構成されている。また、プロペラファン70は、外扉20の後方で機械室50内の前側に設置されている。
より詳細に説明すると、外扉20は、本体キャビネット10の前面開口を開閉するためのものであり、図には明示していないが、この外扉20の前面には、販売する商品の見本を展示する商品展示室、販売する商品を選択するための選択ボタン、貨幣を投入するための貨幣投入口、払い出された商品を取り出すための商品取出口21等々、商品の販売に必要となる構成が配置してある。また、自動販売機の前扉20の下方に位置する商品の取出口21のさらに下方に流入口である通気孔22が設けられている。
内扉30は、商品収納室40a、40b、40cの前面を開閉し、内部の商品を保温するものであり、上下2段に分割され内部に断熱体を有する箱型形状の構造体である。上側の内扉30aは、一端を外扉20に枢軸し、他端を外扉20に係着して、外扉20の開放と同時に上側の内扉30aを開放させて、商品の補充を容易にするものである。下側の内扉30bは、一端を本体キャビネット10に枢軸し、他端を本体キャビネット10に不図示の掛金にて掛着して、外扉20を開放したときには、閉止した状態であり、商品収納室40a、40b、40c内の冷気もしくは暖気が流出することを防ぎ、メンテナンス時など必要に応じて開放できるものである。
商品収納室40a,40b,40cは、缶入り飲料やペットボトル入り飲料等の商品を所望の温度に維持した状態で収容するためのものであり、その収納庫の容量は商品収納室40a、40c、40bの順番に大きな態様で配分されている。その商品収納室40a,40b,40cには、それぞれ、商品を上下方向に沿って並ぶ態様で収納し、販売信号により1個ずつ商品を排出するための商品搬出機構を備えた商品収納ラックR、排出された商品を外扉の取出口21へ搬出する商品搬出シュート42を有している。
機械室50は、図1,2で示すように、前面(図1では手前側、図2では左側)および背面側に開口部51,52を有する箱型形状の構造体で、その内部に冷却/加熱ユニット60を収容している。冷却/加熱ユニット60は、機械室50の前面より装着が可能となっている。また、機械室50には、外扉20の下部に穿孔された通気孔22と連通して前面の開口部51より背面側の開口部52に至る空気通路が形成されている。
冷却/加熱ユニット60は、冷凍サイクルを構成する圧縮機62、凝縮器63、膨張弁64、アキュムレータ65と、底板11を跨いで庫内の蒸発器61とを冷媒配管で連結した冷却部と,蒸発器61の前方に取設したヒータ(不図示)による加熱部から構成され、ユニットベース68に取設されている。冷却/加熱ユニット60は、販売モードに応じて、庫内に冷風または温風を循環させて商品収納ラックR内の商品を冷却または加熱するものである。
凝縮器63は、いわゆるフィンアンドチューブ型の熱交換器であり、水平方向に配置された複数の熱交換パイプと、その熱交換パイプに垂直方向に熱結合したフィンを有して構成されている。凝縮器63の後方にはファンモータ取付具79によりファンモータ73が取設され、ファンモータ73の中心にプロペラファン70が取設されている。凝縮器63内の空気は、水平方向に配置された熱交換パイプと垂直方向に配置されフィンとの間で形成される空間により整流されて、プロペラファン70に移送される。
プロペラファン70は、外扉20の通気口22より機械室50の前面開口部51を経由して空気を吸入し、凝縮器63による凝縮熱を吸入するとともに、圧縮機62の排熱を吸収して、機械室50の背面開口部52へ排気するためのものである。
プロペラファン70は、図3に示すように5枚の翼71とその翼71の根元部を取設するボス72により構成され、ファンモータ73により図中Cの方向に回転をして、紙面の手前より奥側に流体を送風する。翼71は、低騒音用の前進翼の形状であり、回転方向側を前縁71a、その反対を後縁71c、半径方向の先端を先端部71b、ボス72との付け根を翼根部71dで囲われた曲面を形成し、流れの前方側に負圧面71eを、その反対側に圧力面71fを有している。また、負圧面71eの前縁71aに沿って翼根部71dから翼端部71bの近傍まで、突起半径Rを有する突起71gが形成されている厚肉形状を有している。また、突起71gの端部は前縁71aとほぼ同位置に位置している。なお、5枚のブレード71、ボス部72とは、突起71gを含めて樹脂にて一体に成形され、プロペラファン70の外形寸法は、厚さ70mm、外径200mmである。
制御手段100は、図1に示すように外扉20の内側に取設され、内部に主制御部、メモリなどを有し、蒸発器61の上方に取設してある庫内センサの温度を検知して、冷却/加熱ユニット60およびプロペラファン70などの運転を制御して、各商品収納庫40a,40b,40cの商品を所定の温度にするためのものである。各商品収納庫40a,40b,40cの冷却加熱の選択は運転モードSWにより行われる。
かかる構成にて、自動販売機を制御手段100により稼働すると、商品収納室40a,40b,40cが冷却され、各ラックRに収容した商品が冷却されることになる。商品収納室40a,40b,40cが冷却されると、凝縮器63からの凝縮熱がプロペラファン70の回転駆動により排気される。
プロペラファン70が回転駆動すると、プロペラファン70は、外扉20の下部に設けられた通気口22より空気を流入し、その直後に設けられた凝縮器63の前面より空気を流入して熱交換を行い、熱交換した後の空気を圧縮機62の表面の送風してから後方に流出する。通気口22より流入してプロペラファン70を通過する流体の風量は、通気口22の寸法に対してプロペラファン70の径が大きいことからプロペラファン70の下部領域で多く、上部領域で少ない態様となる。
プロペラファン70の下部領域を回転する翼71には、流入する流量が多いので、図8(a)に示すような小さな迎え角85が形成される結果、プロペラファン70に流入する流体は、翼の負圧面71aに沿って流れるため、負圧面71aからの剥離渦が少なく、高効率、低騒音で回転する。
一方、プロペラファン70の上部領域を回転する翼71は、風量が不足して迎え角75が大きくなるが、図4に示すように厚肉形状である半円形状の突起71gにより前縁71aでの渦の発生を抑制するとともに、突起71gより下流側においては、縦渦76が発生することにより、主流77が負圧面側71eから離れることなく、適正な乱流境界層が形成される。その結果、負圧面71eから発生する騒音を低減することができる。
発明者らの実験によれば、図5に示す騒音の周波数解析結果に示すように、突起71gを有するプロペラファン70と突起71gのない従来のプロペラファン80とを比較したときには、750Hz以上の周波数範囲での広帯域に関する乱流騒音に低減の効果があり、全体では1.5dB低減することができた。
また、突起71gの半径Rを変えた実験では、図6に示すように従来のプロペラファン80とを比較して、突起71gの半径Rが2.5mm〜6.5mmの範囲のときに1dB以上の低減効果があり、突起71gの半径Rが4mmのときに1.5dB以上低減をしている。これは、半円形状突起71gの半径Rが小さすぎると主流77の剥離を抑制するための十分な縦渦76を生成することができず、また、半円形状の半径Rが大きすぎると突起71gの下流側において、よりスケールの大きい縦渦76が発生するため、主流77が負圧面71eより離間して適正な境界層を形成できないと推測される。よって、突起71gの半径Rが2.5mm〜6.5mmの範囲が騒音低減効果に最適の範囲となる。
また、突起71gの半径Rが2.5mm〜6.5mmとプロペラファン70の翼71に対して十分に小さい高さであるので、プロペラファン70の翼71と突起71gと同一樹脂で同一の成形型で成形することが可能となる結果、プロペラファン70が低コストで製作できる。
以上のように、本発明に係るのプロペラファンは、自動販売機などの熱交換器用ファンに適している。
本発明の実施例に係るプロペラファンを適用した自動販売機を示す斜視図である。 図1に示した自動販売機の下部側断面図である。 本発明の実施例に係るプロペラファンの平面図である。 図3のAA断面のおける翼面周りの流れを示す模式図である。 本発明の実施例に係るプロペラの騒音実験結果を示す特性図である。 本発明の実施例に係るプロペラの騒音実験結果を示す特性図である。 従来のプロペラファンの正面図である。 図7のプロペラファンにおけるBB断面に関して、(a)は適正風量の場合における翼面周りの流れを示す模式図であり、(b)は風量が少ない場合における翼面周りの流れを示す模式図である。
符号の説明
10 本体キャビネット
20 外扉
30 内扉
40a、40b、 40c 商品収納室
50 機械室
60 冷却/加熱ユニット
62 圧縮機
63 凝縮器
70 プロペラファン
71 翼
71a 前縁
71g 突起
72 ボス
73 ファンモータ

Claims (4)

  1. ボスの外周に複数の翼を配設したプロペラファンにおいて、各翼の負圧面前縁を厚肉としたことを特徴とするプロペラファン。
  2. 厚肉は負圧面前縁側に沿った突起で形成されたことを特徴とするプロペラファン。
  3. 前記突起の断面形状が半円形であり、その半径が2.5〜6.5mmであることを特徴とする請求項1に記載のプロペラファン。
  4. 前記突起と翼が樹脂製にて一体に形成されていることを特徴とする請求項2に記載のプロペラファン。
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