JP2009298832A - 白色フィルム及び金属積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱性が高く、可視光領域において反射率が高く、及び高温熱負荷環境下、UV照射下における反射率の低下が少なく、大面積化に対応可能なLED実装用プリント配線基板に使用可能な白色フィルム及び金属箔積層体を提供すること。
【解決手段】結晶融解ピーク温度260℃以上のポリアリールケトン樹脂、及び非晶性ポリエーテルイミド樹脂からなる樹脂組成物100質量部に対して、無機充填材5〜100質量部を含有する組成物からなり、波長400〜800nmにおける平均反射率が70%以上であり、キセノンウェザーメータによる耐光性試験後の波長470nmにおける反射率の低下率が6%以下であって、かつ200℃で4時間熱処理した後の波長470nmにおける反射率の低下率が10%以下であることを特徴とする白色フィルム。
【選択図】図1

Description

本発明は、耐熱性に優れ、かつ高い反射率特性を備えた白色フィルム及び該白色フィルムを用いた金属積層体に関し、より詳細には、紫外線(UV)環境下、高温熱負荷環境下においても、反射率低下が抑制され、発光ダイオード(Light Emitting diode、LED)等を実装可能とする白色フィルム等に関する。
プリント配線基板のパターン上に直接素子を実装し、樹脂封止されたチップタイプLEDは小型化、薄型化に有利なことから、携帯電話のテンキー照明や、小型液晶ディスプレーのバックライトなど電子機器に幅広く使用されてきた。
近年、LEDの高輝度化技術の向上が著しく、LEDはより高輝度化しているが、それに伴いLED素子自体の発熱量も増大し、プリント配線基板等周辺にかかる熱負荷も増大しており、LED素子周辺温度は100℃超になる場合もあるのが現状である。また、LED搭載基板の製造工程において、封止樹脂の熱硬化処理や、鉛(Pb)フリー半田の採用が進み、リフロー工程においても、260〜300℃程度の温度がかかる場合があり、高温の熱環境下にさらされる。そういった熱負荷の環境下では、従来使用されてきた熱硬化系樹脂組成物からなる白色のプリント配線基板では、黄変するなど白色度が低下し、反射効率が劣る傾向が見られ、今後の次世代高輝度LED搭載向け基板としては、依然改良の余地があった。また、従来の白色のプリント配線板を搭載した製品は、光照射下、特に紫外線照射下で黄変するなど白色度が低下し、反射率が劣る傾向が見られ、依然改良の余地があった。それに対し、セラミック基板については、耐熱性の点では優れているものの、硬く脆い性質から大面積、薄型化には限界があり、今後の一般照明用途や、ディスプレー用途向けの基板としては対応が困難になる可能性があり、高温熱負荷下、UV照射下で、変色しない、反射率の低下しない、大面積化に対応可能な、耐熱性を有する白色プリント配線板の開発が求められていた。
これらの問題に対し、特許文献1には、熱可塑性樹脂100重量部、特定の珪素化合物0.001〜10重量部、及び平均粒径0.05〜1.0μmで、アルミナ水和物、ケイ酸水和物から選ばれた少なくとも1種の化合物で表面処理された結晶形態がルチル形の酸化チタン0.05〜25重量部からなる熱可塑性樹脂組成物について記載され、該熱可塑性樹脂組成物からなる成形品(具体的には、前記熱可塑性樹脂組成物を射出成形させた100×100×2mmの角板)は、90%程度と高い反射率で、かつ分散性、表面外観、機械的強度に優れ、幅広い産業分野で好適に使用できる旨の記載がある。
また、特許文献2には、面倒な工程を必要とせず、かつ高い反射率を有する、照明や表示装置等に使用される反射体として、結晶性樹脂に、平均粒径0.05μm〜5μmの白色顔料、及び平均粒径が0.5μm〜10mmの無機フィラーを含む樹脂組成物からなる表面粗さが0.5〜50μmである反射体が記載されており、例えば、ポリアリールケトン、酸化チタン、及びガラス繊維を含有させた樹脂組成物を射出成形させた3cm角1mmの角板が開示されている。
また、特許文献3には、特定のポリアミド樹脂100質量部に対して、酸化チタンを5〜100質量部、水酸化マグネシウムを0.5〜30質量部、及び繊維状充填材や針状充填材等の強化剤を20〜100質量部含有するLEDリフレクター成形用ポリアミド樹脂組成物について記載されており、具体的には、前記ポリアミド樹脂組成物を射出成形させた厚さ1mm、幅40mm、長さ100mmの板が開示されている。前記樹脂組成物からなるリフレクターは、熱負荷下(170℃で2時間)でも、反射率が低下せずに、高い白色度が維持される。
さらに、特許文献4には、シアン酸エステル化合物とノボラック型エポキシ樹脂と二酸化チタンの含有する樹脂組成物と基材からなるプリプレグ及び銅張積層板が開示されている。
特許第3470730号 特開2007−218980号公報 特開2006−257314号公報 特開2007−131842号公報
上記特許文献1〜3には、熱可塑性樹脂組成物に酸化チタン等を添加して、反射率を高めた成型品について開示されているものの、いずれも具体的に開示されている形態は射出成形された成型品のみであって、フィルム状に加工され、耐熱性、耐UV性等が改善された白色フィルムについては検討されてはいない。特許文献1には結晶融解ピーク温度260℃以上のポリアリールケトン樹脂と非晶性ポリエーテルイミド樹脂を混合しても良いとの記載はあるが、混合した時の効果について詳細な記載はない。また、特許文献4記載の銅張積層板は、従来の基板に比べ、熱負荷下(180℃で1時間)での反射率の低下は抑えられているが(80%から64%に低下)、今後LEDが高輝度下していき、また、Pbフリーの半田リフロー工程を考慮すると、より高温環境下での耐熱性が充分とはいえない。
そこで、本発明の課題は、耐熱性が高く、可視光領域において反射率が高く、及び高温熱負荷環境下、UV照射下における反射率の低下が少ない、大面積化に対応可能な、LED実装用プリント配線基板に使用可能な白色フィルム及び金属箔積層板を提供することである。
本発明者等らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、上記特許文献2に開示されているように、結晶性樹脂であるポリエーテルエーテルケトン樹脂のみに酸化チタン等の白色顔料を充填した樹脂組成物からなる反射体は、耐熱性は良好であるものの、高温熱負荷環境下、及びUV照射下における反射率の低下が大きいこと、また非晶性ポリエーテルイミド樹脂のみに酸化チタン等の白色顔料を充填した樹脂組成物からなる反射体は、高温熱負荷環境下、及びUV照射下における反射率の低下は小さいものの、耐熱性が劣ることを見出した。
そこで、上記問題点をさらに改良すべく、熱可塑性樹脂の構成材料に着目して、鋭意検討した結果、結晶融解ピーク温度260℃以上のポリアリールケトン樹脂、及び非晶性ポリエーテルイミド樹脂からなる樹脂組成物に対して、無機充填材を特定の割合で含有することによって、耐熱性が高く、高温熱負荷環境下、UV照射下における反射率の低下が少ない白色フィルムを得ることできること、及びこの白色フィルムがLED搭載向けプリント配線板として好適に利用可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(1)結晶融解ピーク温度260℃以上のポリアリールケトン樹脂、及び非晶性ポリエーテルイミド樹脂からなる樹脂組成物100質量部に対して、無機充填材5〜100質量部を含有する組成物からなり、波長400〜800nmにおける平均反射率が70%以上であり、以下の耐光性試験後の波長470nmにおける反射率の低下率が6%以下であって、かつ200℃で4時間熱処理した後の波長470nmにおける反射率の低下率が10%以下であることを特徴とする白色フィルムに関する。
(耐光性試験);キセノンウェザーメータを用いて、温度63℃(ブラックパネル温度)、湿度50%、放射照度(295〜400nm)60W/mで50時間照射
また本発明は、(2)無機充填材が、少なくとも酸化チタンを含有することを特徴とする前記(1)記載の白色フィルムや、(3)無機充填材が、平均粒径15μm以下、かつ平均アスペクト比30以上の充填材を少なくとも含有することを特徴とする前記(1)又は(2)記載の白色フィルムや、(4)フィルムの厚みが、3〜500μmであることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか記載の白色フィルムや、(5)260℃で5分間熱処理した後の波長470nmにおける反射率の低下率が、10%以下であることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれか記載の白色フィルムに関する。
さらに本発明は、(6)前記(1)〜(5)のいずれかに記載の白色フィルムの少なくとも片面に金属層を積層してなる金属積層体や、(7)前記(6)記載の金属積層体を用いてなるLED搭載用基板に関する。
本発明によると、耐熱性が高く、可視光領域において反射率が高く、また高温熱負荷環境下、UV照射下における反射率の低下が少ない白色フィルム及び金属積層体を提供することができ、これらはその特性から、LED実装用プリント配線基板に好適に使用可能なものである。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明の範囲がこの実施形態に限定されるものではない。
本発明の白色フィルムとしては、結晶融解ピーク温度260℃以上のポリアリールケトン樹脂、及び非晶性ポリエーテルイミド樹脂からなる樹脂組成物100質量部に対して、無機充填材5〜100質量部を含有する組成物からなり、波長400〜800nmにおける平均反射率が70%以上であり、以下の耐光性試験後の波長470nmにおける反射率の低下率が6%以下であって、かつ200℃で4時間熱処理した後の波長470nmにおける反射率の低下率が10%以下のフィルムであれば、特に制限されず、結晶融解ピーク温度260℃以上のポリアリールケトン樹脂、及び非晶性ポリエーテルイミド樹脂からなる樹脂組成物に対し、無機充填材を添加することにより、高温熱負荷環境下、UV照射下における反射率の低下が極めて少ないという、優れた効果を奏することができる。
(耐光性試験);キセノンウェザーメータを用いて、温度63℃(ブラックパネル温度)、湿度50%、放射照度(295〜400nm)60W/mで50時間照射
前記のとおり、本発明の白色フィルムは、波長400〜800nmにおける平均反射率を70%以上とすることができる。一般的に可視光領域の反射率が高いほど、搭載するLEDの輝度が高くなる傾向があるが、上記範囲であれば、白色LED搭載向け基板として好適に利用可能となる。また、青色LEDの平均波長(470nm)に対応した470nm付近の反射率が高いほど輝度が高くなる傾向があるため、470nmにおける反射率を70%以上とすることがより好ましく、75%以上とすることがより好ましい。
上記無機充填材としては、例えば、タルク、マイカ、雲母、ガラスフレーク、窒化ホウ素(BN)、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、チタン酸塩(チタン酸カリウム等)、硫酸バリウム、アルミナ、カオリン、クレー、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、チタン酸鉛、酸化ジルコン、酸化アンチモン、酸化マグネシウム等が挙げられる。これらは1種類を単独で添加してもよく、2種類以上を組み合わせて添加してもよい。
無機充填材は、樹脂組成物への分散性を向上させるために、無機充填材の表面を、シリコン系化合物、多価アルコール系化合物、アミン系化合物、脂肪酸、脂肪酸エステル等で表面処理されたものを使用することができる。その中でもシリコン系化合物(シランカップリング剤)で処理されたものを好適に使用することができる。
本発明の白色フィルムは、上記のとおり、波長400〜800nmにおける平均反射率を70%以上とすることが重要であり、反射率がこの範囲内となれば、添加される無機充填材は特に制限されるものではないが、反射率の値を前記範囲内にする具体的方法としては、上記樹脂組成物100質量部に対して、屈折率差の大きい充填材1(概ね充填材1の屈折率が1.6以上)を少なくとも含有する無機充填材を5〜100質量部用いる方法を挙げることができる。無機充填材が5質量部より少ないと、反射率が低くなり好ましくなく、100質量部を超えると、無機充填材の分散性不良や、フィルムの成形時に破断するといった成形性に問題が生じる場合があり好ましくない。このように、無機充填材として、前記で特定された物性値を有する充填材(充填材1)を含有させることによって、反射率に優れた白色フィルムを得ることができる。
前記充填材1は、ベース樹脂である樹脂組成物との屈折率差が大きい無機充填材である。すなわち、無機充填材として屈折率が大きいもの、基準としては1.6以上の無機充填材が好ましい。具体的には、屈折率が1.6以上である炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化チタン、チタン酸塩等を用いることが好ましく、特に酸化チタンを用いることが好ましい。
酸化チタンは、他の無機充填材に比べて、顕著に屈折率が高く、ベース樹脂である樹脂組成物との屈折率差を大きくすることができるため、他の充填材を使用した場合よりも、少ない配合量で優れた反射性を得ることができる。またフィルムを薄くしても、高い反射性を有する白色フィルムを得ることができる。
酸化チタンは、アナターゼ型やルチル型のような結晶型の酸化チタンが好ましく、その中でもベース樹脂との屈折率差が大きくなるといった観点から、ルチル型の酸化チタンが好ましい。
また酸化チタンの製造方法は、塩素法と硫酸法があるが、白色度の点からは、塩素法で製造された酸化チタンを使用することが好ましい。
酸化チタンは、その表面が不活性無機酸化物で被覆処理されたものが好ましい。酸化チタンの表面を不活性無機酸化物で被覆処理することにより、酸化チタンの光触媒活性を抑制することができ、フィルムが劣化することを防ぐことができる。不活性無機酸化物としては、シリカ、アルミナ、及びジルコニアからなる群から選ばれる少なくとも1種類を用いることが好ましい。これらの不活性無機酸化物を用いれば、高い反射性を損なうことなく、高温溶融時に、樹脂の分子量低下や、黄変を抑制することができる。
また、酸化チタンは、樹脂組成物への分散性を高めるために、その表面がシロキサン化合物、シランカップリング剤等からなる群から選ばれる少なくとも1種類の無機化合物や、ポリオール、ポリエチレングリコール等からなる群から選ばれる少なくとも1種類の有機化合物で表面されたものが好ましい。特に耐熱性の点からは、シランカップリング剤で処理されたものが好ましい。
酸化チタンの粒径は、0.1〜1.0μmであることが好ましく、より好ましくは0.2〜0.5μmである。酸化チタンの粒径が上記範囲であれば、樹脂組成物への分散性が良好で、それとの界面が緻密に形成され、高い反射性を付与することができる。
酸化チタンの含有量は、樹脂組成物100質量部に対し、5質量部以上であることが好ましく、20質量部以上であることがより好ましく、さらには25質量部以上であることが最も好ましい。上記範囲内であれば、良好な反射特性を得られ、またフィルムの厚みが薄くなっても良好な反射特性を得ることが可能である。
また、白色フィルムの片面に金属層との積層体とした場合にはカールや反り等の問題が生じる場合があるため、平均粒径15μm以下、かつ平均アスペクト比(平均粒径/平均厚み)30以上の充填材2を添加することにより、白色フィルムのMD(フィルムの流れ方向)及びTD(流れ方向と直交する方向)の線膨張係数の平均値を35×10−6/℃以下とすることが好ましい。MD(フィルムの流れ方向)及びTD(流れ方向と直交する方向)の線膨張係数の平均値を35×10−6/℃以下とすることで、寸法安定性に優れ、かつ反射率が高く、また高温熱負荷環境下における反射率の低下が極めて少ないという、優れた効果を奏することができる。線膨張係数が35×10−6/℃を超えると、例えば、片面に金属箔を積層した場合にカールや反りを生じやすく、また寸法安定性が不十分となる場合がある。より好適な線膨張係数の範囲は、使用する金属箔の種類や、表裏面に形成する回路パターン、積層構成によっても異なるが、概ね10×10−6〜30×10−6/℃程度である。また、MD、TDの線膨張係数差は20×10−6/℃以下であることが好ましく、15×10−6/℃以下であることがより好ましく、さらには10×10−6/℃以下であることが最も好ましい。このように異方性(MD、TDの線膨張係数差)を小さくさせることによって、線膨張係数が大きい方にカールや反りを生じたり、寸法安定性が不十分となったりする問題がない。
前記平均粒径15μm以下、かつ平均アスペクト比(平均粒径/平均厚み)30以上の充填材2としては、例えば、合成マイカ、天然マイカ(マスコバイト、フロゴパイト、セリサイト、スゾライト等)、焼成された天然又は合成のマイカ、ベーマイト、タルク、イライト、カオリナイト、モンモリロナイト、バーミキュライト、スメクタイト、及び板状アルミナ等の無機鱗片状(板状)充填材や、鱗片状チタン酸塩を挙げることができる。これらの充填材2によれば、平面方向と厚み方向の線膨張係数比を低く抑えることができる。また、光反射性を考慮した場合には、鱗片状チタン酸塩が、屈折率が高いためより好ましい。なお、前記充填材は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。アスペクト比の高い鱗片状充填材を用いることにより、フィルムへの透湿(吸湿)を抑えることができ、樹脂組成物の高熱環境下での酸化劣化を防止し、反射率の低下を抑えることが可能であり、また、フィルムの剛性も向上し、より薄型の基板に使用することが可能である。
前記充填材2の含有量は、樹脂組成物100質量部に対し、10質量部以上であることが好ましく、20質量部以上であることがより好ましく、さらには30質量部以上であることが好ましい。上記範囲であれば、得られる白色フィルムの線膨張係数を所望の範囲にまで低下させることが可能である。
前記充填材1と充填材2の組み合わせとしては、反射率と線膨張係数のバランスを取る上で、上記酸化チタンと鱗片状の無機充填材を適宜配合することが好ましい。
上記のとおり本発明の白色フィルムは、結晶融解ピーク温度260℃以上のポリアリールケトン樹脂、及び非晶性ポリエーテルイミド樹脂からなる樹脂組成物と、無機充填材とを含有する組成物より構成されていることが重要である。結晶融解ピーク温度260℃以上のポリアリールケトン樹脂又は非晶性ポリエーテルイミド樹脂を単独で用いた場合よりも、耐熱性に優れ、高温熱負荷環境下及びUV照射下での反射率低下が少ないといった特徴を有し、LED搭載基板として好適に使用可能となるからである。
前記結晶融解ピーク温度260℃以上のポリアリールケトン樹脂は、その構造単位に芳香族核結合、エーテル結合及びケトン結合を含む熱可塑性樹脂である。その具体例としては、ポリエーテルケトン(ガラス転移温度〔以下、「Tg」という〕:157℃、結晶融解ピーク温度〔以下、「Tm」という〕:373℃)、ポリエーテルエーテルケトン(Tg:143℃、Tm:334℃)、ポリエーテルエーテルケトンケトン(Tg:153℃、Tm:370℃)等を挙げることができる。これらの中では、耐熱性向上の観点から、結晶性を示し、Tmが260℃以上、特に300〜380℃のものが好ましい。また、本発明の効果を阻害しない限り、ビフェニル構造、スルホニル基等又はその他の繰り返し単位を含むものであってもよい。
前記ポリアリールケトン樹脂の中でも、下記構造式(1)で表される繰り返し単位を有するポリエーテルエーテルケトンを主成分とするポリアリールケトン樹脂が特に好ましく用いられる。ここで主成分とは、その含有量が50質量%を超えることを意味する。市販されているポリエーテルエーテルケトンとしては、VICTREX社製の商品名「PEEK151G」(Tg:143℃、Tm:334℃)、「PEEK381G」(Tg:143℃、Tm:334℃)、「PEEK450G」(Tg:143℃、Tm:334℃)等を挙げることができる。なお、ポリアリールケトン樹脂は、単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
Figure 2009298832
上記非晶性ポリエーテルイミド樹脂としては、具体的に下記構造式(2)又は(3)で表される繰り返し単位を有する非晶性ポリエーテルイミド樹脂が挙げられる。
Figure 2009298832
Figure 2009298832
構造式(2)又は(3)で表される繰り返し単位を有する非晶性ポリエーテルイミド樹脂は、4,4’−[イソプロピリデンビス(p−フェニレンオキシ)]ジフタル酸二無水物とp−フェニレンジアミン又はm−フェニレンジアミンとの重縮合物として、公知の方法により製造することができる。これらの非晶性ポリエーテルイミド樹脂の市販品としては、ゼネラルエレクトリック社製の商品名「Ultem 1000」(Tg:216℃)、「Ultem 1010」(Tg:216℃)又は「Ultem CRS5001」(Tg226℃)等が挙げられ、これらの中でも、前記構造式(3)で表される繰り返し単位を有する非晶性ポリエーテルイミド樹脂が特に好ましい。なお、ポリエーテルイミド樹脂は、単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
上記ポリアリールケトン樹脂及び非晶性ポリエーテルイミド樹脂の混合割合としては、非晶性ポリエーテルイミド樹脂を混合することによって、ポリアリールケトン樹脂単独で用いた場合に比べ、熱負荷下、UV照射下での反射率の低下が抑制されるのであって、必ずしも制限されるものではないが、金属層を積層した場合の密着性を考慮すると、ポリアリールケトン樹脂を20質量%以上、80質量%以下含有し、残部を非晶性ポリエーテルイミド樹脂及び不可避不純物とした混合樹脂組成物を用いることが好ましい。より好ましくは30質量%以上、75質量%以下、さらに好ましくは、40質量%以上、70質量%以下である。ポリアリールケトン樹脂の含有率の上限を前記範囲内とすることで、白色フィルムを構成する樹脂組成物の結晶性が高くなるのを抑えることができ、多層化する際の密着性の低下を防ぐことができる。また、ポリアリールケトン樹脂の含有率の下限を前記範囲内とすることで、白色フィルムを構成する樹脂組成物の結晶性が低くなるのを抑えることができ、多層化して作製した多層基板のリフロー耐熱性の低下を防ぐことができる。
本発明の白色フィルムは、200℃で4時間熱処理した後の波長470nmにおける反射率の低下率が10%以下であることを必要とし、また中でも、260℃で5分間熱処理した後の波長470nmにおける反射率の低下率が10%以下であることが好ましい。
前記条件の根拠について以下に記載する。LED搭載基板を製造する際に、導電接着剤やエポキシ、シリコン樹脂等の封止剤の熱硬化工程(100〜200℃、数時間)、半田付け工程(Pbフリー半田リフロー、ピーク温度260℃、数分間)やワイヤボンディング工程等、高熱負荷がかかる状況にある。また実際の使用環境下においても、高輝度LEDの開発が進み、基板への熱負荷は高まる傾向にあり、LED素子周辺温度は100℃超になる場合もある。今後このような高熱負荷環境下においても、変色することなく、高い反射率を維持することが重要になってきている。また波長470nmは青色LEDの平均波長である。
したがって、前記条件下(200℃、4時間後、260℃、5分間後)での波長470nmにおける反射率の低下率が10%以下であれば、製造工程での反射率の低下を抑制することが可能であり、また、実際の使用時の反射率の低下を抑制することが可能であるため、LED搭載基板として好適に使用できる。より好ましくは5%以下であり、さらに好ましくは3%以下であり、特に好ましくは2%以下である。
上述のとおり、本発明の白色フィルムは、キセノンウェザーメータにより、63℃(ブラックパネル温度)、湿度50%、照射波長295〜400nm、60W/mで50時間照射後の波長470nmにおける低下率が6%以下であることが重要である。
前記条件の根拠について以下に記載する。白色LEDの発光方法には、青色LEDと黄色蛍光体を併用したタイプ、赤色、青色、緑色LEDの3原色併用タイプ、紫外LEDと蛍光体を併用したタイプがある。紫外LEDは勿論のこと、赤色、青色、緑色LEDにおいても、放射量は少ないものの紫外線も含まれており、従来の白色基板では黄変するなどして反射率が低下する傾向にある。今後益々長期の信頼性が要求される液晶ディスプレー用途や照明用途の分野では、耐UV性も重要になってきており、UV照射下においても高い反射率を維持することが重要になってきている。
したがって、上記UV照射下での波長470nmにおける反射率の低下率が6%以下であれば、実際の使用時の反射率の低下を抑制することが可能であるため、LED搭載基板として好適に使用できる。より好ましくは5%以下であり、さらに好ましくは4%以下であり、特に好ましくは3%以下である。
本発明の白色フィルムの厚みは、3〜500μmであることが好ましい。より好ましくは、10〜300μmであり、さらには20〜100μmである。かかる範囲であれば、薄型が要求される携帯電話用バックライトや、液晶ディスプレー用バックライト用の面光源として使用されるチップLEDとして好適に使用することができる。
本発明の白色フィルムを構成する組成物には、その性質を損なわない程度に、他の樹脂や無機充填材以外の各種添加剤、例えば、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、核剤、着色剤、滑剤、難燃剤等を適宜配合しても良い。また本発明の組成物の調製方法としては、特に制限されるものではなく、公知の方法を用いることができる。例えば、(a)各種添加剤をポリアリールケトン樹脂及び/又は非晶性ポリエーテルイミド樹脂などの適当なベース樹脂に高濃度(代表的な含有量としては10〜60重量%)に混合したマスターバッチを別途作製しておき、これを使用する樹脂に濃度を調整して混合し、ニーダーや押出機等を用いて機械的にブレンドする方法、(b)使用する樹脂に直接各種添加剤をニーダーや押出機等を用いて機械的にブレンドする方法などが挙げられる。上記混合方法の中では、(a)のマスターバッチを作製し、混合する方法が分散性や作業性の点から好ましい。さらに、フィルムの表面にはハンドリング性の改良等のために、エンボス加工やコロナ処理等を適宜施しても良い。
本発明の白色フィルムの製膜方法としては、公知の方法、例えばTダイを用いる押出キャスト法やカレンダー法等を採用することができ、特に限定されるものではないが、シートの製膜性や安定生産性等の面から、Tダイを用いる押出キャスト法が好ましい。Tダイを用いる押出キャスト法での成形温度は、組成物の流動特性や製膜性等によって適宜調整されるが、概ね融点以上、430℃以下である。また、耐熱性を付与するための結晶化処理方法は、特に限定されるものではないが、例えば、押出キャスト時に結晶化させる方法(キャスト結晶化法)や製膜ライン内で、熱処理ロールや熱風炉等により結晶化させる方法(インライン結晶化法)及び製膜ライン外で、熱風炉や熱プレス等により結晶化させる方法(アウトライン結晶化法) などを挙げることができる。
本発明の金属積層体としては、上記白色フィルムの少なくとも片面に金属層を積層したものであれば特に制限されず、金属層としては、例えば、銅、金、銀、アルミニウム、ニッケル、錫等の、厚さ5〜70μm程度の金属箔を使用することができる。これらの中でも、金属箔としては、通常銅箔が使用され、さらに表面を黒色酸化処理等の化成処理を施したものが好適に使用される。導体箔は、接着効果を高めるために、フィルムとの接触面(重ねる面)側を予め化学的又は機械的に粗化したものを用いることが好ましい。表面粗化処理された導体箔の具体例としては、電解銅箔を製造する際に電気化学的に処理された粗化銅箔などが挙げられる。
上記金属箔の積層方法については、接着層を介することのない熱融着方法として、加熱、加圧による方法であれば公知の方法を採用することができ、特に限定されるものではないが、例えば、熱プレス法や熱ラミネートロール法、押出した樹脂にキャストロールで積層する押出ラミネート法、又はこれらを組み合わせた方法を好適に採用することができる。
本発明のLED搭載用基板としては、上記金属積層体を用いてなるものであれば、特に制限されることはなく、例えば、両面基板やアルミ板との複合基板が挙げられる。従来の熱硬化系樹脂からなる白色基板は、ガラスクロスを含有しているため、製造工程において、ボイド(気泡)が残りやすい等の問題が生じたり、薄型化は難しく、またセラミック基板においても、硬く脆い性質から薄型化は困難であるが、本発明の白色フィルム及びそれからなる金属積層体を使用することにより、より薄型化が可能であり、薄型化の要求が激しい携帯電話のバックライト用基板として好適に使用可能である。また、充填材として、特定された物性値を有する各種充填材(充填材1及び充填材2)を含有させることにより、反射特性、寸法安定性、剛性のバランスの取れた両面基板を提供することが可能である。
また、LEDの高輝度化に伴い、より放熱性が要求される場合には、特に制限はされないが、銅板、アルミ板等の金属材料、窒化アルミなどのセラミック、又は黒鉛板等の熱伝導率の高い材料と複合化することにより放熱性を向上させることも可能である。例えば、アルミ板と複合化することにより放熱性を向上させることも可能である。アルミ板との複合基板の構成としては、アルミ板全面に本発明の白色フィルムからなる金属積層体を積層する場合や、本発明の白色フィルムからなる金属積層体にキャビティー(凹部)構造用の窓枠を抜き、積層する場合が挙げられる。使用するアルミについては、組成物を構成する樹脂との密着性を考慮すると粗化されていることが望ましいが、キャビティー構造を考慮した場合には、LEDからの光を効率よく反射させるために鏡面アルミを用いることが好ましい。また放熱性を向上させる点においては、フィルムの厚みは薄い方が好ましい。本発明の組成物からなるフィルムであれば、樹脂フローを抑えることができ、キャビティー構造の形状を保持しつつ、鏡面アルミを使用しても接着信頼性の確保が可能である。
本発明のLED搭載用基板の製造方法としては、特に制限されるものではなく、両面基板の場合には、例えば、図1に示す方法にしたがって製造することができる。図1に示すように、(a)まず、白色フィルム(100)と、金属層となる2枚の銅箔(10)とを用意し、(b)白色フィルム(100)の両面に銅箔(10)を真空プレスにより積層して金属積層体を製造し、(c)銅箔(10)をエッチング又は銅上にメッキして配線パターン(20)を形成し、金メッキ加工を施してLED搭載用基板とする。この基板に、(d)LED(200)を実装させ、ボンディングワイヤ(30)により導体パターン(20)と接続させて使用する。
また、アルミ板との複合基板の場合には、例えば、図2及び3に示す方法にしたがって製造することができる。図2に示すように、(a)白色フィルム(100)の片面に銅箔(10)を積層して金属積層体を製造し、(b)銅箔(10)をエッチングして配線パターン(20)を形成し金メッキ加工を施し、(c)配線パターン(20)が形成された面とは反対面にアルミ板(300)を真空プレスにより積層してLED搭載用基板とする。この基板に、(d)LED(200)を実装させ、ボンディングワイヤ(30)により導体パターン(20)と接続させて使用する。なお、前記アルミ板との積層方法については、真空プレス法に制限されず、例えば、上述した金属箔との積層方法と同様の方法を挙げることができる。
さらに、図3に示すように、(a)白色フィルム(100)の片面に銅箔(10)を積層して金属積層体を製造し、(b)銅箔(10)をエッチングして配線パターン(20)を形成し金メッキ加工を施し、さらに白色フィルム(100)をビク型を用いてキャビティー枠に打ち抜き(40)、(c)配線パターン(20)が形成された面とは反対面にアルミ板(300)を真空プレスにより積層してLED搭載用基板とする。この基板に、(d)LED(200)を実装させ、ボンディングワイヤ(30)により導体パターン(20)と接続させて使用する。なお、キャビティー枠に打ち抜く方法としては、上記ビク型を用いる方法に制限されるものではなく、例えば、レーザーを用いて形成することもできる。
(実施例)
以下、実施例及び比較例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、本明細書中に示されるフィルム等についての種々の測定値及び評価は以下のようにして求めた。
[結晶融解ピーク温度(Tm)]
示差走査熱量計「DSC−7」(パーキンエルマー製)を用いて、JIS K7121に準じて、試料10mgを加熱速度10℃/分で昇温したときのサーモグラフから求めた。
[平均反射率]
分光光度計(「U−4000」、(株)日立製作所製)に積分球を取りつけ、アルミナ白板の反射率が100%としたときの反射率を、波長400nm〜800nmにわたって、0.5nm間隔で測定した。得られた測定値の平均値を計算し、この値を平均反射率とした。
[加熱処理後の反射率]
得られた白色フィルムを260℃のピーク温度で30分間真空プレス器にて熱処理(結晶化処理)した後に、熱風循環式オーブンに、200℃で4時間、260℃で5分間加熱処理し、加熱処理後の反射率を上記の方法と同様に測定して、470nmにおける反射率を読みとった。
[キセノンウェザーメータによる試験]
得られた白色フィルムをスガ試験機(株)製のキセノンウェザーメータ(型式:SX−75)を用いて、温度63℃(ブラックパネル温度)、湿度50%、放射照度(295〜400nm)60W/mで50時間照射し、その後上記の方法と同様に反射率を測定し、470nmにおける反射率を読みとった。
[線膨張係数測定]
セイコーインスツルメンツ(株)製の熱応力歪み測定装置TMA/SS6100を用いて、フィルムから切り出した短冊状の試験片(長さ10mm)を引張荷重0.1gで固定し、30℃から5℃/分の割合で300℃まで昇温させ、MD(α1(MD))とTD(α1(TD))の熱膨張量の降温時の30℃〜140℃の温度依存性を求めた。
[平均粒径]
(株)島津製作所製の型式「SS−100」の粉体比表面測定器(透過法)を用い、断面
積2cm、高さ1cmの試料筒に試料3gを充填して、500mm水柱で20ccの空
気透過時間を計測し、これより酸化チタンの平均粒径を算出した。
[耐熱性試験]
白色フィルムの片側に、銅箔(18μm、表面粗化箔)を重ね、真空プレスにより、240℃5MPa30分の条件下で、熱圧着し、片面銅張り板を作製し、JIS C 6481の常態のハンダ耐熱性に準拠し、260℃のハンダ浴に試験片の銅箔側がハンダ浴に接触する常態で10秒間浮かべた後、ハンダ浴から取り出して室温まで放冷し、その膨れや剥がれ箇所の有無を目視観察し、その良否を判断した。膨れ剥がれ等がない場合は○、膨れ剥がれ等がある場合は×とした。
ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK450G、Tm=335℃)40質量%、及び非晶性ポリエーテルイミド樹脂(Ultem 1000)60質量%からなる樹脂組成物100質量部に対して、塩素法で製造された酸化チタン(平均粒径0.23μm、アルミナ処理、シランカップリング剤処理)を67質量部混合して得られた組成物を溶融混練し、Tダイを備えた押出機を用いて設定温度380℃で、厚さ100μmのフィルムを作製した。その評価結果を表1に示す。
ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK450G、Tm=335℃)60質量%、及び非晶性ポリエーテルイミド樹脂(Ultem 1000)40質量%からなる樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして厚さ100μmのフィルムを作製した。その評価結果を表1に示す。
酸化チタン41質量部と、平均粒径5μm、平均アスペクト比50の合成マイカ23質量部とを混合して得られた組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして厚さ100μmのフィルムを作製した。その評価結果を表1に示す。
酸化チタンを25質量部混合して得られた組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして厚さ100μmのフィルムを作製した。その評価結果を表1に示す。
フィルムの厚みを30μmとした以外は実施例1と同様にしてフィルムを作製した。その評価結果を表1に示す。
(比較例1)
ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK450G、Tm=335℃)40質量%、及び非晶性ポリエーテルイミド樹脂(Ultem 1000)60質量%からなる樹脂組成物に代えて、ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK450G、Tm=335℃)100質量%からなる樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にして厚さ100μmのフィルムを作製した。その評価結果を表1に示す。
(比較例2)
ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK450G、Tm=335℃)40質量%、及び非晶性ポリエーテルイミド樹脂(Ultem 1000)60質量%からなる樹脂組成物に代えて、非晶性ポリエーテルイミド樹脂(Ultem 1000)100質量%からなる樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして厚さ100μmのフィルムを作製した。その評価結果を表1に示す。
(比較例3)
酸化チタン41質量部と、平均粒径5μm、平均アスペクト比50の合成マイカ23質量部とを混合して得られた組成物を用いた以外は、比較例1と同様にして厚さ100μmのフィルムを作製した。その評価結果を表1に示す。
(比較例4)
酸化チタン41質量部と、平均粒径5μm、平均アスペクト比50の合成マイカ23質量部とを混合して得られた組成物を用いた以外は、比較例2と同様にして厚さ100μmのフィルムを作製した。その評価結果を表1に示す。
Figure 2009298832
表1に示した結果から分かるように、実施例1〜2や、実施例4〜5においては、反射率特性、加熱試験後の反射率変化、UV照射後の反射率変化、銅箔との密着性、及び耐熱性の点において、いずれも優れた白色フィルムを得ることができ、実施例3においては更に寸法安定性の点にも優れた白色フィルムを得ることができた。一方、比較例1及び3においては、ポリエーテルエーテルケトン樹脂の単独樹脂を使用しているため、UV照射後の反射率変化が大きく、また結晶化速度が速いため、プレス温度240℃では銅箔と接着しなかった。さらに、比較例2及び4においては、非晶性ポリエーテルイミド樹脂の単独樹脂を使用しており、加熱試験後の反射率変化及びUV照射後の反射率変化の点においては優れるが、プレス温度240℃では、銅箔との密着性が十分ではなく、耐熱性の観点からも満足できるものではなく、特にLED基板用途として使用することは困難であると考えられる。
本発明のLED搭載用基板及びその製造方法の一実施形態を示した図である。 本発明のLED搭載用基板及びその製造方法の一実施形態を示した図である。 本発明のLED搭載用基板及びその製造方法の一実施形態を示した図である。
符号の説明
10 銅箔
20 導体パターン
30 ボンディングワイヤ
100 白色フィルム
200 LED
300 アルミ板

Claims (7)

  1. 結晶融解ピーク温度260℃以上のポリアリールケトン樹脂、及び非晶性ポリエーテルイミド樹脂からなる樹脂組成物100質量部に対して、無機充填材5〜100質量部を含有する組成物からなり、
    波長400〜800nmにおける平均反射率が70%以上であり、以下の耐光性試験後の波長470nmにおける反射率の低下率が6%以下であって、かつ200℃で4時間熱処理した後の波長470nmにおける反射率の低下率が10%以下であることを特徴とする白色フィルム。
    (耐光性試験);キセノンウェザーメータを用いて、温度63℃(ブラックパネル温度)、湿度50%、放射照度(295〜400nm)60W/mで50時間照射
  2. 無機充填材が、少なくとも酸化チタンを含有することを特徴とする請求項1に記載の白色フィルム。
  3. 無機充填材が、平均粒径15μm以下、かつ平均アスペクト比30以上の充填材を少なくとも含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の白色フィルム。
  4. フィルムの厚みが、3〜500μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の白色フィルム。
  5. 260℃で5分間熱処理した後の波長470nmにおける反射率の低下率が、10%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の白色フィルム。
  6. 請求項1〜5のいずれか記載の白色フィルムの少なくとも片面に、金属層を積層してなる金属積層体。
  7. 請求項6記載の金属積層体を用いてなるLED搭載用基板。
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