JP2009297341A - 冷媒の処理装置および処理方法並びに冷凍サイクル装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】テトラフルオロプロペン(HFO−1234)からなる冷媒に酸素を供給した状態において紫外線照射を行い、テトラフルオロプロペン(HFO−1234)炭素分子の二重結合を切断してカルボン酸構造(R−COOH)にすることによりテトラフルオロプロペン(HFO−1234)を不燃化する。
【選択図】図1
Description
そこで、ODP及びGWPが共に低い冷媒として、自然冷媒系以外の可燃性を有するテトラフルオロプロペン(HFO−1234)を用いた冷媒が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、可燃性冷媒を用いる冷媒回路(冷凍サイクルに同じ)において、可搬性がよく、簡易に安全に冷媒を回収することができる冷媒回収装置が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
図1は本発明の実施形態1に係る冷媒処理方法を説明するテトラフルオロプロペンの分子結合変化を示す化学式であって、図1(a)は紫外線照射前、図1(b)は紫外線照射後である。すなわち、紫外線が照射されテトラフルオロプロペン(HFO−1234)炭素分子の二重結合が切断される付加反応が生じることにより、そこに酸素分子が結合したカルボン酸構造(R−COOH)が生成されているから、テトラフルオロプロペン(HFO−1234)は不燃性の物質になっている。なお、酸素の替わりに水を供給しても同様の不燃化物質を生成することができる。このような物質をここでは付加反応物質と呼ぶこととする。
図2は本発明の実施形態2に係る冷媒処理装置を模式的に説明する構成図であって、図2(a)は処理後の冷媒を大気中に放出するもの、図2(b)は処理後の冷媒を貯蔵するもの、図2(c)は処理前の冷媒と処理後の冷媒とを選択的に貯蔵するものである。なお、以下の図において共通する部材については同一の符号を付し、説明を一部省略する。また、冷媒の流れを矢印付き一点鎖線で、酸素の流れを矢印付き点線で、不燃化された冷媒の流れを矢印付き実線で、それぞれ表示している。なお、本発明は実施の形態2に示す形態に限定されるものではない。
このようにテトラフルオロプロペンを含む混合冷媒の場合には可燃性を抑制した上で貯蔵手段33に貯蔵し、処分業者による適切な処理が必要である。
したがって、冷媒処理装置(冷媒放出装置に同じ)30cは、不燃化された冷媒を貯蔵することができると共に、不燃化された冷媒に替えて、不燃化される前の冷媒を選択的に貯蔵(回収)することができる。すなわち、可燃性を有するままの冷媒を、そのまま回収することができるから、当該冷媒は、当然に再使用可能である。
図3は本発明の実施形態3に係る冷凍サイクル装置を模式的に説明するものであって、空気調和機における冷房運転時の回路構成図である。なお、実施の形態2(図2)と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図3において、空気調和機(冷凍サイクル装置に同じ)100は、室外機10と、室内機20と、冷媒処理装置30c(図2(c)参照)とを有している。すなわち、室外機10の圧縮機11において圧縮された冷媒は、外気熱交換器12において凝縮され、凝縮された冷媒は膨張弁13において膨張して低温低圧の冷媒となる。そして、低温低圧の冷媒は室内機20に流入して、室内熱交換器21において熱交換(室内空気に冷熱を奪われ)され、室外機10の圧縮機11に戻ってくる(循環する)。
ポート14には冷媒処理装置30cの導入配管34が接続されている。通常サイクル運転時にはポート14は、室外機10及び室内機20で構成される循環回路を開通状態にして、導入配管34への冷媒の流入を阻止するものである。
一方、冷媒を封入する時及び冷媒を排出(回収)する時にはポート14は、導入配管34側にも開放され3方向が「開状態」となる。したがって、冷媒は冷媒処理装置30cに流入する。
図4は本発明の実施形態4に係る冷凍サイクル装置を模式的に説明するものであって、空気調和機における冷房運転時の回路構成図である。なお、実施の形態2、3(図2、3)と同一部分または相当部分には同一符号を付し、一部の説明を省略する。
そして、通常サイクル運転時には、室外機10と室内機20とによって構成される循環回路(閉空間)を循環する冷媒は、冷媒漏洩センサー22が冷媒の漏洩を感知した場合には、冷媒漏洩センサー22の信号に基づきポート14を制御する。すなわち、ポート14を導入配管34が連通するように開き冷媒が冷媒処理装置30a側に流れるようにする。すなわち、ポート14は、導入配管34にも開放され、3方向開状態になる。
以上、本発明の冷媒処理装置が装備される装置として、冷凍サイクル装置を例示しているが、本発明は冷凍サイクル装置に限定するものではなく、テトラフルオロプロペン(HFO−1234)からなる冷媒を使用する装置(たとえば、当該冷媒の製造装置、当該冷媒を使用した発泡材の製造装置ないし処理装置等)であれば、前記冷媒処理装置を装備することができるものである。
Claims (12)
- テトラフルオロプロペン(HFO−1234)を含む冷媒と、
前記冷媒を収容する冷媒収容手段と、
前記冷媒収容手段内に付加反応に寄与する物質を供給する付加反応物質供給手段と、
前記冷媒収容手段内に収容された前記冷媒に紫外線を照射する紫外線照射手段と、
を備える冷媒処理装置。 - 前記冷媒収容手段と接続され、前記冷媒を大気中に放出する放出手段を備える請求項1記載の冷媒処理装置。
- 前記冷媒収容手段と接続され、前記冷媒を貯蔵する貯蔵手段を備える請求項1記載の冷媒処理装置。
- 冷凍サイクル装置の冷媒が導入配管を介して流れ込む冷媒収容手段と、
前記冷媒収容手段内に付加反応に寄与する物質を供給する付加反応物質供給手段と、
前記冷媒収容手段内に収容された前記冷媒に紫外線を照射する紫外線照射手段と、
前記冷媒収容手段の前記冷媒を貯蔵する貯蔵手段と、
前記導入配管内の前記冷媒が流れ込む先を前記冷媒収容手段から前記貯蔵手段に切り換える切換手段と、
を備える冷媒処理装置。 - 前記付加反応に寄与する物質として酸素を用いることを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載の冷媒処理装置。
- 圧縮機と、
前記圧縮機と接続され冷媒を凝縮する凝縮器と、
前記凝縮器と接続され前記冷媒を膨張させる流量制御弁と、
前記流量制御弁と接続され前記冷媒を蒸発させる蒸発器と、
前記蒸発器と前記圧縮機とを繋ぐ配管と導入配管を介して連通する冷媒収容手段と、
前記冷媒収容手段内に付加反応に寄与する物質を供給する付加反応物質供給手段と、
前記冷媒収容手段内に収容された前記冷媒に紫外線を照射する紫外線照射手段と、
前記冷媒収容手段の前記冷媒を大気中に放出する放出手段と、
を備える冷凍サイクル装置。 - 圧縮機と、
前記圧縮機と接続され冷媒を凝縮する凝縮器と、
前記凝縮器と接続され前記冷媒を膨張させる流量制御弁と、
前記流量制御弁と接続され前記冷媒を蒸発させる蒸発器と、
前記蒸発器と前記圧縮機とを繋ぐ配管と導入配管を介して連通する冷媒収容手段と、
前記冷媒収容手段内に付加反応に寄与する物質を供給する付加反応物質供給手段と、
前記冷媒収容手段内に収容された前記冷媒に紫外線を照射する紫外線照射手段と、
前記冷媒収容手段の前記冷媒を貯蔵する貯蔵手段と、
を備える冷凍サイクル装置。 - 前記冷媒の漏洩を検知する冷媒漏洩検知手段と、
前記蒸発器と前記圧縮機とを繋ぐ前記配管と前記導入配管との接続部に設けられた切換手段と、
前記冷媒漏洩検知手段からの冷媒漏洩を示す信号を受信すると前記切換手段により前記配管から前記冷媒収容手段に前記冷媒を流すように制御する制御手段と、
を備える請求項6又は7記載の冷凍サイクル装置。 - 圧縮機と、
前記圧縮機と接続され冷媒を凝縮する凝縮器と、
前記凝縮器と接続され前記冷媒を膨張させる流量制御弁と、
前記流量制御弁と接続され前記冷媒を蒸発させる蒸発器と、
前記蒸発器と前記圧縮機とを繋ぐ配管に設けられ前記配管内の前記冷媒に紫外線を照射する紫外線照射手段と、
前記配管内に付加反応に寄与する物質を供給する付加反応物質供給手段と、
を備える冷凍サイクル装置。 - 前記付加反応に寄与する物質として酸素を用いることを特徴とする請求項6乃至9いずれか記載の冷凍サイクル装置。
- テトラフルオロプロペンを含む冷媒に付加反応に寄与する物質を供給するステップと、
前記冷媒と前記付加反応に寄与する物質との混合物に紫外線を照射して前記テトラフルオロプロペンをカルボン酸構造(R−COOH)にするステップと、
を備える冷媒処理方法。 - 前記付加反応に寄与する物質として酸素を用いることを特徴とする請求項11記載の冷媒処理方法。
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