JP2009297100A - 毛髪保持具及び毛髪染毛具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の毛髪保持具1は、一端2aの開口部21から他端2bの開口部22に向けて毛髪束Hを挿入可能なようにシート23,23により構成された筒状体2を有し、該筒状体2内に染毛剤を供給して、該筒状体2の内部で毛髪束Hに対して染色処理を施すことができるようになされており、前記筒状体2を構成する前記シート23,23は、前記染毛剤を供給する際の圧力で容易に変形する低剛性シートからなり、前記一端2a側の端部に、曲げ剛性が1.0cN・cm2/cm以上の高剛性部材3が固定され、該一端2aの近傍が、前記毛髪束Hの挿入時に容易に変形しないようになされている。
【選択図】図1
Description
本発明の毛髪染毛具によれば、本発明の毛髪保持具の液漏れ防止性を一層向上させることができる。
本発明の第1実施形態である毛髪保持具1は、図1及び図2に示すように、一端2aの開口部21から他端2bの開口部22に向けて毛髪束Hを挿入可能なようにシート23、23により構成された筒状体2を有している。そして、毛髪保持具1は、筒状体2内に染毛剤を注入(供給)して、該筒状体2の内部で、該毛髪束Hに対して染毛処理を施すことができるになされている。尚、本発明にいう染毛剤には、染毛剤の他に、脱色剤も含まれる。
筒状体2は、図1に示すように、縦長であり、一端2aの開口部21から他端2bの開口部22に向けて毛髪束Hを挿入可能なように構成されている。また、筒状体2は、一対の縦長矩形状のシート23、23により構成されている。一対のシート23、23は、それぞれの長手方向の側端部24a,24bにおいて互いに接合されている。接合方法としては、ヒートシール、超音波シール、高周波シール、接着剤等の各種公知の接合方法を採用できる。
ここで、このような効果を得る観点から、筒状体2を構成する一対のシート23,23は、それぞれ、曲げ剛性が0.1cN・cm2/cm未満であることが好ましく、0.003〜0.1cN・cm2/cmであることがより好ましく、0.01〜0.05cN・cm2/cmであることが更に好ましい。
シート23、23の形成材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレンといったポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレートといったポリエステル、ナイロン、ポリスチレン、塩化ビニル等の合成樹脂単体で製造されたフィルム、あるいは前記フィルムを多層にラミネートした合成樹脂フィルム等が好ましく用いられるが、曲げ剛性が上記の範囲となるようなものを用いる。
高剛性部材3,3は、筒状体2の長手方向の長さL1〔図2(a)参照〕が、1〜30mmであることが好ましく、5〜20mmであることがより好ましい。
また、筒状体2は、シート23,23が高剛性部材3,3によって被覆されていない部分の長さL2(図3参照)が、20mm以上であることが好ましく、より好ましくは80〜600mm、更に好ましくは200〜500mmである。
高剛性部材3は、筒状体2の一端2a側の端縁3aが、筒状体2の端縁2aと同じ位置にあるか、該端縁2aよりも延出していることが好ましい。また、そのような状態は、筒状体2の一端2a側の開口部の全周に亘って成立することが好ましい。筒状体2の端縁2aの方が高剛性部材3の端縁3aよりも延出している場合、その延出長さは、30mm以下であることが好ましく、より好ましくは10mm以下である
本発明において曲げ剛性とは、純曲げ試験機(カトーテック株式会社製のKES FB2−AUTO−A)を用いて測定された値をいう。
〔曲げ剛性の測定法〕
長さ20cm、幅20cmの試験片を準備し、試験台に取りつけ、1cmの間隔のチャックに試験片を把持する。試験片に対して、曲率K=−2.5〜+2.5cm-1の範囲で、等速度曲率の純曲げを行う。変形速度は0.50cm-1/secで、1サイクル変形を行う。曲げ剛性値は、曲率0.5〜1.5及び−0.5〜−1.5間の曲げモーメントの傾斜より算出する。
曲げ剛性(cN・cm2/cm)=dM(曲げモーメント:cN・cm/cm)/dK(曲率:cm-1)
シートの曲げ剛性が試験機の測定許容範囲を超えてしまうときは、試験片の幅を調整(狭く)することで測定を可能にし、その条件で得られた測定値に、比〔幅20cm/調整した試験片の幅(cm)〕を掛けることで補正する。通常、試験片の幅の補正は、事前に測定条件を入力することで試験機が自動的に行う。
筒状体を構成するシート23の曲げ剛性が0.1cN・cm2/cm未満であるとは、該シート23を、毛髪保持具1(あるいは筒状体2)の長手方向に直交する線で折り曲げたときの曲げ剛性値、及び該シート23を、毛髪保持具1(あるいは筒状体2)の長手方向に延びる線で折り曲げたときの曲げ剛性値の何れもが、0.1cN・cm2/cm未満であることを意味する。
高剛性部材(プレート3)の曲げ剛性が1.0cN・cm2/cm以上であるとは、該高剛性部材(プレート3)を、毛髪保持具1の長手方向に直交する線で折り曲げたときの曲げ剛性が1.0cN・cm2/cm以上であることを意味する。高剛性部材(プレート3)は、毛髪保持具1の長手方向に延びる線で折り曲げたときの曲げ剛性も1.0cN・cm2/cm以上であることが好ましい。
この種の毛髪挿入具は公知であり、図4に示すものに制限されることなく、同様の構成を有する各種公知の毛髪挿入具を用いることができる。例えば、特開平2003−93133号公報や米国特許出願公開第2004−216759号の明細書等に記載のもの等を用いることもできる。
このような説明が付属したセット商品は、本発明の毛髪染毛具の一実施形態である。
シール部25,25は、筒状体2を構成する2枚のシート23,23の内面同士を接合して形成されており、シール部25,25間に形成されるシート23,23同士が接合されていない部分の両側の縁部がテーパー状になされている。また、シール25,25間に形成される挿入部26の内面の周長は、他端2bから離れるに従って漸減しており、その比率は、ノズル43の外面の周長が先端43aに向かって漸減する比率と同じである。
このような構成を有するため、第2実施形態の毛髪保持具1Aによれば、他端2bからの染毛剤41の漏れ出しが一層効果的に防止される。
毛髪保持具1A及びノズル付き容器4をセットにしたセット商品は、本発明の毛髪染毛具の一実施形態である。
尚、第2実施形態の毛髪保持具1Aについて特に説明しない点は、第1実施形態の毛髪保持具1と同様であり、毛髪保持具1についての説明が適宜適用される。
クリップ6は、クリップ6は、一対の挟持部61,62が支軸63で回動可能に結合されており、且つ支軸63に設けられたバネ(図示せず)により一対の挟持部61,62間が閉じる方向に付勢されているものである。そして、その一対の挟持部61,62それぞれが、上述したシート23,23の外面に固定されている。筒状体2の一端2aからクリップ6の該一端2a側の端縁6aまでの距離L6〔図7(a)参照〕は、3mm以下が好ましく、より好ましくは2mm以下、更に好ましくは1mm以下である。クリップ6の端縁6aは、筒状体2の端縁2aと同じ位置にあるか、該端縁2aよりも延出していることも好ましい。クリップ6の端縁6aは、筒状体2と重なる部分又は筒状体の長手方向の延長線上に位置する部分の端縁である。
第3実施形態の毛髪保持具1Bにおいても、筒状体2を構成する一対のシート23,23それぞれが、染毛剤41を供給する際の圧力で容易に変形する低剛性シートからなり、筒状体2の一端2a側の端部に、曲げ剛性が1.0cN・cm2/cm以上のクリップ6が固定され、該一端2aの近傍が、毛髪束Hの挿入時に容易に変形しないようになされている。従って、第3実施形態の毛髪保持具1Bによれば、第1実施形態の毛髪保持具1と同様の作用効果が奏し得られる。
第3実施形態の毛髪保持具1Bについて特に説明しない点は、第1実施形態の毛髪保持具1と同様であり、毛髪保持具1についての説明が適宜適用される。
尚、図7に示すクリップ6は、一対の挟持部61,62が、固定点64(挟持部61の固定点のみを示す)において、熱融着、接着剤等の公知の接合手段によりシート23,23に脱着不可能に固定されているが、クリップ6は、一対の挟持部61,62が、シート23,23に対して脱着自在に固定されているものであっても良い。
染毛剤の粘度は、B型粘度計、TCローター、10rpmに基づき測定される。
〔筒状体〕
表1に示す材質からなり表1に示す曲げ剛性を有するシートを用いて、第1実施形態における筒状体2と同様の構成を有する筒状体を製造した。
尚、筒状体のシール部を除く幅L5〔図5(c)参照〕は、筒状体の全長に亘って30mmとした。筒状体2の長さは、染毛剤が保持でき、更に毛髪挿入時の筒状体一端部における引っ掛かりや変形を確認できれば良いので300mm以上あれば良い。
図4(a)に示すもので、厚さ1mmのポリエチレンシートを専用の型で打ち抜いて製作した。寸法は、幅15mm、長さ500mm、穴系6mm、切り込み長さ70mmとした。
〔ノズル付き容器〕
ノズルの寸法は先端部の直径が4.2mmで、略テーパー形状を成しており、先端から30mmの直径は10mmである。ノズルの穴径は先端部で1.5mmで、容器をスクイーズすると穴から染毛剤が吐出する。
染毛剤は、花王(株)製の、ブローネ早染め(液1剤/液2剤)とブローネ艶カラー(クリーム1剤/液2剤)を使用した。染毛剤の粘度は、液/液タイプが2−6Pa・sで、液/クリームタイプが5−12Pa・sである。染毛剤の粘度の測定条件は、B型粘度計、TCローター、10rpmである。
〔毛髪束〕
長さ250mmの一般的な中国人毛を無作為に集めた毛束トレスを使用した。本数の条件は110本を第1条件とし、この毛束重量の3倍量、本数で約330本を第2条件、更に9倍量の約1000本を第3条件として挿入性を評価した。なお、部分染毛における毛髪量は、求める仕上がりにより多種多様であり、染毛具の仕様や形態で限定されるものではない。但し、本発明における染毛具の対応可能な本数としては、100本から1000本が妥当な範囲である。
〔試験方法〕
筒状体を横向きにした状態で他端部から前記ノズル付き容器で染毛剤を供給する。ノズルの差し込み量は他端部から30mmとし、染毛剤の使用量は1回当たり10gである。この方法で表1に示す材料で製作した筒状体と前記染毛剤を用いて、全ての組合せにおいて各3回漏れの試験を行った。
判定は、染毛剤を10g吐出し、まったく漏れなかったものを○、筒状体内に10g吐出することはできたが他端部近傍まで染毛剤が広がり、筒状体を横向きから倒立状態にすると漏れてしまう状態のものを△、吐出途中に染毛剤が筒状体外に漏れてしまった条件を×とした。
〔試験方法〕
前記筒状体と毛髪挿入具を用いて、前記毛髪束をそれぞれの条件で3回挿入する。その時、筒状体の一端部が変形して毛髪束が引っ掛かってしまった条件を×と判定し、一端部が僅かに変形はするが、引っ掛かることなく挿入可能な条件を△と判定し、一端部の変形がなく引っ掛からずに挿入できる条件を○と判定した。
2 筒状体
2a 一端
21 一端の開口部
2b 他端
22 他端の開口部
23 筒状体を構成するシート(低剛性シート)
3 高剛性部材
4 ノズル付き容器
41 染毛剤
43 ノズル
5A,5B 毛髪挿入具
6 クリップ
61,62 挟持部
H 毛髪束
Claims (7)
- 一端の開口部から他端の開口部に向けて毛髪束を挿入可能なようにシートにより構成された筒状体を有し、該筒状体内に染毛剤を供給して、該筒状体の内部で毛髪束に対して染色処理を施すことができるようになされている染毛用の毛髪保持具であって、
前記筒状体を構成する前記シートは、前記染毛剤を供給する際の圧力で容易に変形する低剛性シートからなり、前記一端側の端部に、曲げ剛性が1.0cN・cm2/cm以上の高剛性部材が固定され、該一端の近傍が、前記毛髪束の挿入時に容易に変形しないようになされている毛髪保持具。 - 前記低剛性シートは、曲げ剛性が0.1cN・cm2/cm未満である、請求項1記載の毛髪保持具。
- 前記高剛性部材が、合成樹脂からなるプレートである、請求項1又は2記載の毛髪保持具。
- 前記高剛性部材が、前記筒状体に固定されたクリップである、請求項1又は2記載の毛髪保持具。
- 請求項1〜4の何れかに記載の毛髪保持具と、前記染毛剤を収容するノズル付き容器と、使用方法の説明とを備えた毛髪染毛具であって、
前記毛髪保持具における前記筒状体の、前記他端における内周長R1と、前記ノズルの先端から30mmの位置における該ノズルの外周長R2との比(R1/R2)が、1〜2であり、前記使用方法の説明は、前記筒状体における、前記ノズルが挿入された部分を、蛇腹状に変形させて用いることを促す説明を含む、毛髪染毛具。 - 請求項1〜4の何れかに記載の毛髪保持具と、前記染毛剤を収容するノズル付き容器とを備えた毛髪染毛具であって、
前記毛髪保持具における前記筒状体の前記他端の近傍に、前記ノズルの形状と合致する形状の挿入口を形成するシール部が形成されている、毛髪染毛具。 - 前記ノズル付きの容器に収容される染毛剤は、粘度が2〜12Pa.sである、請求項5又は6記載の毛髪染毛具。
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