JP2009296943A - 養鶏施設の給水装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の養鶏施設の給水装置においては、養鶏施設の各ケージに沿って配管され、養鶏施設内で飼育される鶏に飲み水を供給する給水管を有し、この給水管が所望ピッチで設けられた給水口をその途中に備える養鶏施設の給水装置において、前記給水管は、外管と、該外管の内部空間に配設された内管とからなる二重構造の給水管とし、前記内管には別途冷却された冷水を供給し、前記外管の内部空間で且つ前記内管の外側の隙間には、鶏の飲み水を供給し、前記給水口は、前記外管に取り付けられて、前記外管の内部空間で且つ前記内管の外側の隙間に供給されている飲み水を供給し得るように構成されている。
【選択図】図1
Description
ところで、このような養鶏施設で問題となるのが、夏場等の気温が高い時期の対策である。すなわち、鶏は気温が高くなってくると、夏バテを起こし、鶏卵の生産が落ちり、さらには熱射病により死んでしまったりする。そこで、対策としては、養鶏施設内の温度を下げる方法と、鶏に水を飲ませて体温を下げる方法が考えられる。
そのために、養鶏施設内の温度を下げる方法としては、養鶏施設内を冷房する方法が提案されている。
そこで、給水管内の水温を監視し、水温がある一定以上に上がると、給水管内の水を捨てて新しい水に入れ換える給水方法が提案されている。
一方、後者の水を入れ換える方法の場合、給水管内の水を捨てて新しい水に入れ換えるようになっているため、水が大量に必要となり、コストがかかるとともに、夏場などは上水道の温度もかなり高くなっており、新しい水と入れ換えるだけでは十分とはいえない。
しかし、特許文献1に記載の発明は、鶏が飲んだ残りの排水を回収して、回収した排水を冷却装置で冷やした後に、再び循環させて給水する技術である。
また、排水を回収する際には、排水側に地下タンクを設置して、地下タンクに回収した排水を、ポンプを用いて給水側に送水するように構成されている。地下タンクを設ける理由は、鶏舎の最下段の排水口は、地上からの高さが十分に高くない場合が多いので、その場合でも、排水がタンクに回収されるための十分な高低差を得るためである。また、鶏が飲むためのニップル式給水器が設けられている給水管内の水圧は、1m程度の小さい水圧であるために、十分な高低差を得るためである。
また、特許文献1に記載の発明では、給水管の循環経路が複雑になりやすいので、より簡潔な配管が待望されていた。
さらに、給水管の循環経路の途中で、循環水が外気に触れるので、循環水が外気によって汚染される心配があった。
養鶏施設の各ケージに沿って配管され、養鶏施設内で飼育される鶏に飲み水を供給する給水管を有し、この給水管が所望ピッチで設けられた給水口をその途中に備える養鶏施設の給水装置において、
前記給水管は、外管と、該外管の内部空間に配設された内管とからなる二重構造の給水管とし、
前記内管には別途冷却された冷水を供給し、前記外管の内部空間で且つ前記内管の外側の隙間には、鶏の飲み水を供給し、
前記給水口は、前記外管に取り付けられて、前記外管の内部空間で且つ前記内管の外側の隙間に供給されている飲み水を供給し得るように構成されている。
請求項2では、
前記冷水を冷却するための冷却装置を備え、
該霊薬装置から前記内管まで冷水を導く冷却配管と、
前記内管を通過した冷水を前記冷却装置まで戻す冷却戻し配管とを備え、
前記冷水は、給水管の内管を通過するときに外管との隙間に供給された飲み水を冷却した後、再び、前記冷却装置に戻って循環するように構成されている。
請求項3では、
冷却装置における冷水を、所定の温度以下に保つように、前記冷却装置を運転制御する制御装置を備えている。
請求項4では、
冷却装置の運転を所定のスケジュールに従って制御する制御装置を備えている。
請求項5では、
給水管は、
断面形状が略長方形状の外管の内部空間の約半分に、内管が挿通された二重構造であり、
前記外管の内部空間の残りの約半分には、所定の間隔で給水口が配設されている。
給水管は、外管と、該外管の内部空間に配設された内管とからなる二重構造の給水管とし、前記内管には別途冷却された冷水を供給し、前記外管の内部空間で且つ前記内管の外側の隙間には、鶏の飲み水を供給し、前記給水口は、前記外管に取り付けられて、前記外管の内部空間で且つ前記内管の外側の隙間に供給されている飲み水を供給し得るように構成されているので、冷水を供給し得る給水経路を簡潔に構成することができる。また、無駄が少なく飲み水を冷やすことができる。また、飲み水の水圧は低くし、冷水の水圧は高くすることができるので、地下タンクなどが不要となる。
また、給水管は、断面形状が略長方形状の外管の内部空間の約半分に、内管が挿通された二重構造であり、前記外管の内部空間の残りの約半分には、所定の間隔で給水口が配設されているので、冷水によって飲み水を効率よく冷やすことができるとともに、給水口を適宜配設することができる。
図1〜図4は、本発明にかかる養鶏施設の給水装置の1つの実施の形態をあらわしている。
前記給水管3は、例えば、断面形状が略長方形状の外管31の内部空間の約半分に、内管32が挿通された構造になっている。前記外管31の内部空間の残りの約半分には、所定の間隔でニップル式給水器2が取り付けられている。
図2、3に示したように、
前記飲み水配管5には、水道水もしくは井戸水から供給される飲み水が飲み水本管51から分岐して配管されており、その配管の途中には、減圧装置52と水位表示用浮き53が設けられている。前記飲み水本管51の途中には、必要に応じて送水ポンプ(図示せず)が設けられ、この送水ポンプは、飲み水本管51に設けられた圧力センサ(図示せず)によって一定以上の水圧に上昇したこと検知すると停止するようになっている。
前記冷水配管4は前記給水管3の内管32に接続され、前記飲み水配管5は前記給水管3の外管31に接続されている。
したがって、給水管3の外管31と内管32との隙間を流れる飲み水は、内管32を流れる冷水によって冷却される。前記飲み水は、内管32の表面と接触するので、十分な接触面積が得られ、十分に冷やされる。前記給水管3の流出側にはドレン用の水栓54が設けられている。
前記外管31は、熱伝導率の低い素材を用い、前記内管32は熱伝導率の高い素材を用いるとよい。
冷水タンク6の冷水は、循環ポンプ61によって、冷水本管41、冷水配管4、給水管3の内管32を通って冷水戻り本管42から再び前記冷水タンク6に戻ってくるように構成されている。
以上の構成において、冷水タンク6の内部の水は、チラーや氷蓄熱材等を用いた冷却装置7との間を、冷却循環ポンプ71によって循環させることによって冷却される。
そして、冷却された冷水タンク6内の冷水は、冷水本管41を通って鶏舎の多段ケージに送水され、分岐して、冷水配管4を通って各給水管3の内管32に供給される。
そして、各給水管3の内管32を通過した冷水は、冷水戻り本管42にまとめられて冷水タンク6に戻される。
図4において、8は例えば図示したような5段構成の多段ケージであり、例えば、鶏舎の建屋内に例えば図示したように3列の多段ケージ8が配設されている。
そして、冷水タンク6から循環ポンプ61と冷水本管41とを介して各多段ケージ8に冷水が供給され、各多段ケージ8においては、図1、2、3に示したような構造の給水管3によって飲み水配管を冷やした後、冷水戻り本管42を通って前記冷水タンク6に戻ってくる。
前記冷水タンク6内の冷水は、冷却循環ポンプ71によって、冷却装置7との間で循環させられて、十分に冷却される。
そして、給水管3の各部屋に臨む位置には、ニップル式給水器2が設けられている。
制御装置9は、冷却水の温度を適温に保つ温度制御機能と、冷却装置7の運転停止を所定のスケジュールに従って制御するスケジュール運転機能とを備えている。
スケジュール運転機能は、夜間など、鶏が眠りにつきほとんど水を飲まない時間になると、冷却装置7の稼働を停止し、朝になり、鶏が活動する時間になると冷却装置7を稼働させるようになっている。
また、冷却装置7としては、冷媒を用いた冷凍サイクル式の冷却装置でもよいが、氷蓄熱装置を用いて、夜間電力で氷を造っておき、昼間にその冷熱を利用して冷却してもよい。鶏は夜間は水を飲まないため、夜間に氷蓄熱装置で冷水や氷を造っておき、その冷熱を昼間に利用するのである。
したがって、夏場などの気温が高い時期であっても、鶏が給水管3から冷やされた飲み水を十分摂取することができるので、熱射病や脱水症状によって死ぬと言った問題を解消できる。
勿論、養鶏施設内を冷房する必要もなく、コストダウンを図れる。
上記の実施の形態では、養鶏施設内のケージが3列であったが、4列以上としても構わないし、2列以下でも構わない。
2 給水口、ニップル式給水器
3 給水管
31 外管
32 内管
Claims (5)
- 養鶏施設の各ケージに沿って配管され、養鶏施設内で飼育される鶏に飲み水を供給する給水管を有し、この給水管が所望ピッチで設けられた給水口をその途中に備える養鶏施設の給水装置において、
前記給水管は、外管と、該外管の内部空間に配設された内管とからなる二重構造の給水管とし、
前記内管には別途冷却された冷水を供給し、前記外管の内部空間で且つ前記内管の外側の隙間には、鶏の飲み水を供給し、
前記給水口は、前記外管に取り付けられて、前記外管の内部空間で且つ前記内管の外側の隙間に供給されている飲み水を供給し得るように構成されていることを特徴とする養鶏施設の給水装置。 - 前記冷水を冷却するための冷却装置を備え、
該霊薬装置から前記内管まで冷水を導く冷却配管と、
前記内管を通過した冷水を前記冷却装置まで戻す冷却戻し配管とを備え、
前記冷水は、給水管の内管を通過するときに外管との隙間に供給された飲み水を冷却した後、再び、前記冷却装置に戻って循環するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の養鶏施設の給水装置。 - 冷却装置における冷水を、所定の温度以下に保つように、前記冷却装置を運転制御する制御装置を備えている請求項1または請求項2に記載の養鶏施設の給水装置。
- 冷却装置の運転を所定のスケジュールに従って制御する制御装置を備えている請求項1または請求項2に記載の養鶏施設の給水装置。
- 給水管は、
断面形状が略長方形状の外管の内部空間の約半分に、内管が挿通された二重構造であり、
前記外管の内部空間の残りの約半分には、所定の間隔で給水口が配設されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の養鶏施設の給水装置。
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