JP2009296741A - グロメット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ワイヤハーネスの電線群を密着させて貫通する内筒と、前記内筒に連結すると共に、大径側の外周面に車体係止凹部を環状に設けている拡径状の外筒を備え、該外筒に線材の第1貫通穴を設け、該第1貫通穴の周縁から外方および内方に突出するガイド用外管およびガイド用内管を直管状に連通させて設け、前記ガイド用外管の内径を前記線材の外径と同等してシール状態で貫通させる一方、前記ガイド用内管の内面の一部から前記線材の外径と同等な通し穴を有するシール壁を突設し、該シール壁の通し穴に前記線材を貫通し、前記ガイド用内管から貫通穴を通してガイド用外管へと貫通する前記線材を所要間隔をあけた2カ所でシールすると共に支持している。
【選択図】図4
Description
この種のグロメットとして、例えば、特開平11−260175号公報(特許文献1)には、図8(A)に示すグロメット100Aが提案されている。該グロメット100Aはワイヤハーネスを密着して貫通させる小径筒部101と連続する拡径筒部102に線材の貫通穴103を設け、該貫通穴103の周縁から筒部104を突設している。拡径筒部の大径側の外周面には車体係止凹部105を環状に設けている。該グロメット100Aではケーブルやホースからなる線材200を貫通穴103を通し、筒部104でガイドしている。
また、図8(B)に示すグロメット100Bは、拡径筒部102の先端側に閉鎖面部106を設け、該閉鎖面部106の中央にワイヤハーネスを密着して貫通させる第2小径筒部107を連続して設けている。該グロメット100Bでは、拡径筒部102の小径側に貫通穴103を設けていると共に、閉鎖面部106に貫通穴108を設け、該貫通穴108の周縁から筒部109を突設している。該グロメット100Bでは、線材200は筒部109、貫通穴108、103を通し、筒部109でガイドしている
近時、自動車に搭載される電装品の急増に伴いワイヤハーネスの配索スペースが減少している。よって、車体パネルの貫通穴を貫通させたワイヤハーネスが真っすぐに配索すると搭載品と干渉する場合がある。特に、車室側ではワイヤハーネスが引き出されるインストルメントパネル内に搭載される電装品が急増しているため、90度曲げ等の急激に曲げられる場合が増加している。同様に、エンジンルーム側でも90度近く屈曲される場合がある。
前記ワイヤハーネスの電線群を密着させて貫通する内筒と、
前記内筒に連結すると共に、大径側の外周面に車体係止凹部を環状に設けている拡径状の外筒を備え、
前記外筒に線材の第1貫通穴を設け、該第1貫通穴の周縁から外方および内方に突出するガイド用外管およびガイド用内管を直管状に連通させて設け
前記ガイド用外管の内径を前記線材の外径と同等にしてシール状態で貫通させる一方、前記ガイド用内管の内面の一部から前記線材の外径と同等な通し穴を有するシール壁を突設し、該シール壁の通し穴に前記線材を貫通し、前記ガイド用内管から貫通穴を通してガイド用外管へと貫通する前記線材を所要間隔をあけた2カ所でシールすると共に支持していることを特徴とするグロメットを提供している。
また、前記内筒と外筒との間に設けるガイド用内管の先端は開口端とし、かつ、該開口端より所要寸法離れた内部に前記シール壁を設けている。
よって、ガイド用外管と内管とを突設した外筒と連結した内筒がワイヤハーネスにより曲げられ、それに追従して外筒に曲げが生じても、外筒に設けているガイド用外管とガイド用内管とは、若干傾斜しても直管状に連通している。よって、この区間で線材はストレートに支持でき、直管状に連通するガイド用外管とガイド用内管との間に隙間が発生せず、浸水の発生を防止できる。
かつ、ガイド用外管のストレート管部からなるシール部は、該ストレート管部の内径を線材の外径と同等とし、言わばシール管としている。このシール管で線材を線接触でシールしているのではなく、所要寸法の区間を面接触でシールしているため、よりシール性を高めることができる。
また、ガイド用外管の先端を閉鎖し、該閉鎖部を切断して開口としているため、グロメットに線材を貫通させない場合にも共用で用いることができる。
前記傾斜壁部の小径端に前記内筒の軸線方向と平行に延在する引出先端側筒部を設け、該引出先端側筒部の内周面と内筒の外周面との間に前記切り離された空間をあけてもよい。
この切り離し型としたグロメットでは、グロメットから引き出されて車室側に配索されるワイヤハーネスが90度近く急激に屈曲され、内筒が屈曲されても、外筒に直接的に内筒の変形を伝達させないようにすることができる。また、内筒の引出端側から距離をあけた長さ方向の中間位置から環状連結部を介して外筒と連結しているため、内筒の変形は環状連結部でも吸収でき、外筒の大径端側に設けた車体係止凹部に変形の影響を与えないようにすることができる。
よって、外筒に設ける線材貫通用のガイド用内管およびガイド用外管も曲げの影響を受けず、線材との密着性をより高めて止水性を確保することができる。
前記のように、環状連結部をV字状とすると、内筒がワイヤハーネスの曲げにより変形した際に、環状連結部で変形を吸収できる量を増加することができる。
その場合、V字状に屈曲した環状連結部に線材の第2貫通穴を設けると、線材の貫通作業性が悪くなるため、第2貫通穴を設ける部分は屈曲させずに平面状としていることが好ましい。
即ち、グロメットを車体パネルの貫通穴に挿入する際、内筒の押込側から引き出されるワイヤハーネスを作業員が持って押し込んでいる。該内筒には環状連結部を介して外筒を連結しているため、外筒の引出側の傾斜壁部には押し込み力が伝わりにくい。そのため、環状連結部に押しリブを突設し、該押しリブを傾斜壁部の引出側の内周面に押しあてて、押しリブを介して傾斜壁部へ押し込み力を伝達し、グロメットの挿入作業性を高めている。
また、該環状連結部を薄肉としていると共に、径方向に突出させずに、傾斜させて突出させているため、内筒がワイヤハーネスの曲げにより変形した時に環状連結部で変形を吸収させて外筒に変形の影響を及ぼさないようにしている。これにより、押込側のエンジンルーム側でワイヤハーネスが急激に曲げられても、環状連結部で変形を吸収し、外筒に設けた線材の貫通部を変形させないようにすることができる。
また、前記押しリブは全周に連続して設けると、傾斜壁部へ伝える押し込み力を均等に作用させることができるために好ましいが、前記線材を貫通させる必要があるため、該貫通部で分割している。前記押しリブの肉厚は前記環状連結部の肉厚の2〜4倍とし、かつ、前記傾斜壁部の肉厚より大としていることが好ましい。
即ち、外筒に対応する拡径筒部の小径端が内筒に対応する小径筒部に連結されているグロメットにおいて、拡径筒部に線材の貫通穴を設け、該貫通穴の周縁からガイド用外管とガイド用内管とを直管状に連通させて突設し、これらガイド用外管と内管に夫々シール部を設けている。該構成とすると、線材をストレートに保持できる長さが大となり、かつ、2カ所でシールしているため、拡径筒部がワイヤハーネスの曲げにより変形しても、線材をガイド用外管と内管との間のシール性を保持することができる。
図1乃至図6に、本発明のグロメットの第一実施形態を示す。
グロメット1は、図6に示すように、自動車のエンジンルーム(X)から車体パネル2に設けた貫通穴3を通して車室(Y)へと配索されるワイヤハーネスW/Hに装着し、貫通穴3の周縁に係止して車体に取り付けるものである。グロメット1をエンジンルーム側からの押し込み操作で貫通穴3を通して車体に取り付けるワンモーショングロメットとし、グロメット1の一端は押込側P1、他端は引出側P2となる。グロメット1はゴムまたはエラストマーで一体成形している。
ワイヤハーネスW/Hの電線群を密着させて貫通する小径の内筒5と、該内筒5の両端の押込側5P1と引出側5P2に挟まれる長さ方向中間部の外周面5aから突出する環状連結部6と、該環状連結部6の外周に連続する大径の外筒8を備えている。
外筒8は環状連結部6の外周との連続位置から引出側P2へと延在し、該連続位置に厚肉部9を設け、厚肉部9に連続して引出側P2へ縮径する傾斜壁部11を延在させている。厚肉部9と傾斜壁部11の大径端との境界に車体係止凹部10を外周面に環状に開口して設けている。また、傾斜壁部11の小径端に内筒5の軸線方向と平行に延在する引出先端側筒部12を連続させている。
前記屈曲部11cでは突条15を周方向の連続させた仮想外径を車体パネル2の貫通穴3の内径と同等としている。
また、車体係止凹部10の引出側面10bの先端に位置する突条15の大径端側では、図1に示すように、頂面15aの先端および両側の3面を傾斜させた3面カット部15cとしている。また、突条15に挟まれた傾斜壁部11の外面には、突条15の根元部分と中央部分とに軸線方向の溝15k、15iを設けて、傾斜壁部11を撓み易くしている。
オープナーケーブル21をグロメット1に貫通させるため、傾斜壁部11に貫通穴24を設けると共に、給水ホース22に貫通させるために貫通穴25を設けている。貫通穴24と25とは直交方向に設けている。これらの貫通穴24、25は引出側の第1貫通穴となる。
前記ガイド用外管26とガイド用内管28は貫通穴24を介して連通した直管状としている。同様に、前記ガイド用外管27とガイド用内管29は貫通穴25を介して連通した直管状としている。
前記環状連結部6を図示のようにV字状に屈曲させているが、前記貫通穴31、32を向けた部分は径方向に延在する平面部6e、6fとしている。
即ち、前記図8に示す従来のワンモーション型グロメット100では、拡径筒部の小径側を小径筒部と連続させていたのに対して、本発明のグロメットでは拡径筒部に対応する外筒8の大径側を環状連結部6を介して内筒5と連結している。
押しリブ18を厚肉としているのは、グロメット1を車体パネル2の貫通穴3に押し込む挿通作業時に、押しリブ18の突出端18aが傾斜壁部11の内周面に当接し、押し込み力を外筒8に伝達する役割を持たせていることによる。また、グロメット1を車体パネル2に取り付けた状態で、押しリブ18の突出端18aは傾斜壁部11の内周面と当接するように突出端18aと傾斜壁部11の内周面に近接させている。これにより、押しリブ18、内筒5、環状連結部6、外筒8に囲まれた遮音空間Bを形成できるようにしている。
グロメット1の貫通穴3への挿入作業は、エンジンルーム(X)側から貫通穴3に内筒5の引出端5P2を挿入し、エンジンルーム(X)側から、グロメット1に取り付けてワイヤハーネスW/Hを作業員が持ってグロメット1を押し込んでいく。この一方側からの押し込み操作のみのワンモーションでグロメット1を貫通穴3に挿入係止している。
しかしながら、内筒5の押込側P1から引き出されるワイヤハーネスW/Hを作業員が持って押し込み作業すると、ワイヤハーネスW/Hに密着した内筒5が引き出し方向のP2側に前進する。該内筒5の移動により、内筒5に連結した環状連結部6の押しリブ18も外筒5の傾斜壁部11の内面に向けて前進し、その突出端18aは傾斜壁部11の内周面に突き当たる。このように、傾斜壁部11が押しリブ18により押されて前進するため、傾斜壁部11を設けた外筒が貫通穴3を通して車室(Y)側へと前進する。
オープナーケーブル21および給水ホース22は環状連結部の貫通穴31、32を通し、ガイド用内管28、29、貫通穴24、25、ガイド用外管26、27を夫々通してグロメット1に貫通している。この状態で、前記のように、オープナーケーブル21および給水ホース22は、それぞれ直管状に連続するガイド用内管とガイド用外管とによって、所要長さストレートに支持され、かつ、該ストレートの支持部の両側でシールされる。
エンジンルーム側でワイヤハーネスが曲げられた場合も、V字状に屈曲した環状連結部6で変形を吸収でき、外筒8に変形の影響を及ぼさないため、前記線材の貫通ガイド部も変形せず、シール性を確保することができる。
図7(A)に示すグロメット1−1は、前記図8(A)のグロメット100Aと同様な形状で、引出側P2で傾斜壁部の小径端を内筒50に連結した連結タイプのグロメットである。
前記第一実施形態の内筒に対応する小径筒部50と、外筒に対応する拡径筒部51の傾斜壁部52の小径端とを連結している。傾斜壁部52に線材20の貫通穴52aを設け、該貫通穴52aから第一実施形態のガイド用外管26と同形状のガイド用外管53を突設し、かつ、第一実施形態のガイド用内管28と同形状のガイド用内管54を突設している。即ち、ガイド用外管53にはシール部となるストレート管部53aを設け、ガイド用内管54には通し穴を設けたシール壁54aを設けている。
第一実施形態と同一部分は同一符号を付して説明を省略する。
閉鎖面部60に線材20の貫通穴68を設け、該貫通穴60から第一実施形態のガイド用外管26と同形状のガイド用外管64を突設し、かつ、第一実施形態のガイド用内管28と同形状のガイド用内管65を突設している。即ち、ガイド用外管64にはシール部となるストレート管部64aを設け、ガイド用内管65には通し穴を設けたシール壁65aを設けている。
第一実施形態と同一部分は同一符号を付して説明を省略する。
なお、図7(A)(B)はいずれも1本の線材の貫通部を図示しているが、第一実施形態と同様に、オープナーケーブルと給水ホースの2本の線材の貫通部を設けている。
2 車体パネル
3 貫通穴
5 内筒
6 環状連結部
8 外筒
9 厚肉部
10 車体係止凹部
11 傾斜壁部
18 押しリブ
20 線材
21 オープナーケーブル
22 給水ホース
24、25 貫通穴(第一貫通穴)
26、27 ガイド用外管
28、29 ガイド用内管
31、32 貫通穴(第二貫通穴)
Claims (6)
- 車体に設けた貫通穴に挿通するワイヤハーネスに外装すると共に線材を貫通させる弾性体からなるグロメットであって、
前記ワイヤハーネスの電線群を密着させて貫通する内筒と、
前記内筒に連結すると共に、大径側の外周面に車体係止凹部を環状に設けている拡径状の外筒を備え、
前記外筒に線材の第1貫通穴を設け、該第1貫通穴の周縁から外方および内方に突出するガイド用外管およびガイド用内管を直管状に連通させて設け、
前記ガイド用外管の内径を前記線材の外径と同等にしてシール状態で貫通させる一方、前記ガイド用内管の内面の一部から前記線材の外径と同等な通し穴を有するシール壁を突設し、該シール壁の通し穴に前記線材を貫通し、前記ガイド用内管から貫通穴を通してガイド用外管へと貫通する前記線材を所要間隔をあけた2カ所でシールすると共に支持していることを特徴とするグロメット。 - 前記線材はボンネット開放用のオープナーケーブルとウォッシャー用の給水ホースとからなり、
前記ガイド用外管は前記第1貫通穴の周縁から縮径しながら突出し、縮径端から前記線材の外径と同等な内径のストレート管部を突出させ、該ストレート管部の先端は閉鎖端とし、該閉鎖端を切除して前記線材を貫通させる一方、
前記内筒と外筒との間に設ける前記ガイド用内管の先端は開口端とし、かつ、該開口端より所要寸法離れた内部に前記シール壁を設けている請求項1に記載のグロメット。 - 前記内筒の両端の押込側と引出側に挟まれた長さ方向中間部の外周から環状連結部を突設し、該環状連結部の外周端に前記外筒の厚肉部を連続させると共に該厚肉部から傾斜壁部を連続させ、前記厚肉部と傾斜壁部との境界に前記車体係止凹部を設け、かつ、前記傾斜壁部の小径端側は前記内筒と空間をあけて切り離し、該内筒部の引出側は前記傾斜壁部より外方へ突出し、
前記線材の第1貫通穴は前記傾斜壁部の小径側に設け、該第1貫通穴の周縁から突設する前記ガイド用内管は傾斜壁部と内筒との間に設け、かつ、前記環状連結部に線材の第2貫通穴を設けている請求項1または請求項2に記載のグロメット。 - 前記環状連結部はV字状に屈曲させていると共に、前記線材の第2貫通穴を設ける部分は軸線方向と直交する平面部としている請求項3に記載のグロメット。
- 前記環状連結部より前記傾斜壁部の内面に向けて押しリブを突設し、該押しリブが当接する傾斜壁部の位置より外径側に前記第1貫通穴を設けている請求項3または請求項4に記載のグロメット。
- 前記外筒の小径端を前記内筒に連結している請求項1または請求項2に記載のグロメット。
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