JP2009294177A - 近赤外線分光分析用の分析用具および近赤外線分光分析方法 - Google Patents

近赤外線分光分析用の分析用具および近赤外線分光分析方法 Download PDF

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Abstract

【課題】試料水溶液を収容するための開口面積が大で洗滌が容易であり、かつ測定コストを上昇させない安価な近赤外線分光分析用の分析用具および分析方法を提供すること。
【解決手段】固体試料に近赤外線を照射し、その正反射光を測定するための測定ユニット3を使用し、その試料台4上に試験管立て9に試料水溶液を収容したミニ試験管6を直立させる。すなわち、内径2〜5mmのミニ試験管6内に試料水溶液7を収容し、試料水溶液7中に光路長を設定するための円柱状SUS反射体8を沈めた状態とする。斜め左下方の発光部から照射する近赤外線はミニ試験管6の底壁ガラスを透過して試料水溶液7内へ入射され、円柱状SUS反射体8によって試料水溶液7内へ反射され、ミニ試験管6の底壁ガラスを透過して斜め右下方の受光部で受光され、設定された光路長の試料水溶液7を透過した近赤外線の吸光度スペクトルが得られる。
【選択図】 図3

Description

本発明は近赤外線分光分析用の分析用具、およびその分析用具を使用する近赤外線分光分析方法に関する。
近赤外線分光光度計による吸光度の測定は粉末試料や固体試料についても行われるが、観測される多くの吸収バンドは水素を含む官能基の振動に由来するものであるから、試料水溶液に適した分析方法であるとされている。そして近赤外線は物質を透過し易く、近赤外線分光分析は非破壊の分析であり、無侵襲の分析であるから、化学工業、農業、医療、食品管理や土木などの広い分野において、試料を時間的に連続して分析し得るほか、問題を生じている現場へ近赤外線分光光度計を持ち運び、その場で直ちに近赤外線分光分析を行い得ることから広く採用されている。
そして近赤外領域の吸収バンドは一般的な赤外領域の吸収バンドに比べて遥かに損失されにくいので、光路長数mmのガラスセルまたは石英セルが使用されており、例えば、モモの果汁について光路長2mmのセルを使用してモモの渋味を判別する方法が検討されている(非特許文献1を参照)。そして、試料水溶液に含まれている試料成分の濃度が高い場合には、光路長1mmのセルを使用しても吸光度を充分に観測することができる。
そのほか、試料水溶液に向けて近赤外線を照射し、その反射光を受光して近赤外線分析光度計へ導くための近赤外ファイバープローブを使用することが可能であり、そのようなプローブは市販されている(サーモフィッシャー・サイエンティフィック株式会社、商品名:SabIR近赤外ファイバープローブ)。
園学研6(1):137−143,2007
上記のような近赤外ファイバープローブは極めて高価であるから、大抵の場合には試料水溶液の測定用容器として、例えば光路長が1mmとなる内法1mmの角筒型ガラスセルを使用して、透過光の吸光度が測定される。然しながら、光路長1mmの角筒型ガラスセルはかなり高価であるから使い捨てにすることはできない。そうだとしても、このような細い角筒型ガラスセルを洗滌して繰り返して使用することはかなり面倒な作業であり、かつ人手を要する作業である。人手による洗滌に換えて自動洗滌機を導入することも考えられるが、経費を要し測定コストを上昇させる。また、プラスチックスのセルは近赤外領域に吸吸を持っているので近赤外外領域に吸収を持たないガラスセルの代替として採用することできない。そのほか、内法1mmの角筒型ガラスセルは高粘度の試料水溶液を収容することが困難であるという問題もある。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その第1の目的は、試料水溶液を収容するための開口面積が大で洗滌が容易であり、測定コストを上昇させない近赤外線分光分析用のガラス容器による分析用具を提供することにある。そして第2の目的は、上記のような分析用具を使用する近赤外線分光分析方法を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明の請求項1の近赤外線分光分析用の分析用具は、測定試料を試料台上へ水平に載置し、測定試料の下方に配置した発光部から被測定試料に向けて近赤外線を照射する時に、測定試料への入射点上に立つ法線に対し所定の入射角度で入射する近赤外線が、入射点から入射角度と同じ角度で入射光とは反対方向に反射する正反射光を受光する位置に受光部が配置されている測定系によって試料水溶液を近赤外線分光分析する場合の分析用具であって、試料水溶液を収容するガラス容器を試料台へ載置した時に、ガラス容器の底面による正反射光が受光部で受光されないようにするための水平でない底面を有するガラス容器と、ガラス容器に収容した試料水溶液中における近赤外線の光路長を設定するための試料水溶液中に沈める金属製反射体とからなることを特徴とする分析用具である。
このような近赤外線分光分析用の分析用具は、試料水溶液を収容するガラス容器の底面が水平でないので、発光部から照射される近赤外線のガラス容器の底面による正反射光は受光部で受光されず、ガラス容器の底面を吸収されることなく透過し、試料水溶液をその特性に応じて吸光されて透過し、試料水溶液中に沈めた金属製反射体の反射面で反射され、再び試料水溶液を透過しガラス容器の底面を透過した透過光が受光部に受光されて、所定の光路長とした試料水溶液による近赤外線の吸光度を測定することができ、正確な近赤外線分光分析が可能である。
請求項2の近赤外線分光分析用の分析用具は、請求項1の近赤外線分光分析用の分析用具において、水平でない底面を有するガラス容器が、底面を下方へ凸の半球状とした内径2〜5mm程度の円筒状ガラス容器であり、金属製反射体がほぼ直立させた円筒状ガラス容器の内底面に当接した状態でほぼ水平な反射面を与える柱状物または筒状物であることを特徴とする分析用具である。
このような近赤外線分光分析用の分析用具は、円筒状容器における下方へ凸の半球状の底面板は水平面でないから、測定系の発光部から照射される近赤外線は円筒状ガラス容器の底面で反射される正反射光は受光部に受光されず、試料水溶液による近赤外線の吸光度が正確に測定される。また、内径2〜5mm程度の円筒状のガラス容器は開口部の面積が大きいので内部の洗滌が容易である。
請求項3の近赤外線分光分析用の分析用具は、請求項1の近赤外線分光分析用の分析用具において、水平でない底面を有するガラス容器が平型ガラス容器であり、前記平型ガラス容器の底面の一端側を高くするように、試料台と底面の周縁部との間にスペーサを介在させたものか、または底面の周縁部に突出部を設けたものであり、金属製反射体が、平型ガラス容器の内底面と所定の間隔をあけた状態において内底面とほぼ平行な反射面を有するように、反射面の周縁部に突出部を設けたものか、または反射面の周縁部とガラス容器の内底面との間に支持ピースを介在させたものであることを特徴とする近赤外線分光分析用の分析用具である。
このような近赤外線分光分析用の分析用具は、平型ガラス容器の底面が水平面と傾斜した角度の底面となっているので、測定系の発光部から照射される近赤外線は平型ガラス容器の底面による正反射光は受光部で受光されず、試料水溶液による近赤外線の吸光度が正確に測定される。また、このような平型ガラス容器は開口面積が大きいので内部の洗滌が極めて容易である。
請求項4の近赤外線分光分析方法は、請求項1から請求項3までの何れかに記載のガラス容器と金属製反射体とからなる分析用具を使用する近赤外線分光光度計によって試料水溶液の近赤外線の吸光度を測定することを特徴とする近赤外線分光分析方法である。
このような近赤外線分光分析方法は、試料水溶液を収容するガラス容器の底面が水平面でないので、測定系の発光部から照射される近赤外線のガラス容器の底面による正反射光は受光部で受光されず、試料水溶液による近赤外線の吸光度が正反射光による妨害を受けることなく測定される。また金属性反射体はガラス容器との間において、試料水溶液中における近赤外線の光路長を所定の値に設定することができ、試料水溶液について適切で廉価な分光分析方法を与える。円筒状ガラス容器や平型ガラス容器は開口面積が大きいので使用済み後における洗浄を容易化させる。
請求項5の近赤外線分光分析方法は、請求項4の近赤外線分光分析方法において、ガラス容器内の試料水溶液中に沈めた金属製反射体の底面を反射面として、試料水溶液を透過する近赤外線の光路長をほぼ1〜5mmに設定することを特徴とすする近赤外線分光分析方法である。
このような近赤外線分光分析方法は、試料水溶液に含まれる試料の種類および濃度に応じて、試料水溶液中における近赤外線の光路長を適切に設定することができる。
本発明の近赤外線分光分析用の分析用具によれば、水平でない底面を有するガラス容器と、ガラス容器に収容した試料水溶液中における近赤外線の光路長を設定するための試料水溶液中に沈める金属製反射体とからなるので、測定試料の下方に配置した発光部から測定試料に向けて近赤外線を照射し、その正反射光を受光する位置に受光部が配置されている測定系において、試料水溶液を収容するガラス容器を試料台へ載置した時に、ガラス容器の底面による正反射光は受光部で受光されず、ガラス容器内の試料水溶液を透過し、金属製反射体で反射され、再び試料水溶液を透過した近赤外線が受光部で受光され、試料水溶液による近赤外線の吸光度が正確に測定される。そして、従来の内法1mmの角筒型ガラスセルと比較して、ガラス容器は測定後における洗滌が極めて容易であり、ガラス容器を繰り返し再使用することが可能なため測定コストを上昇させない。またガラス容器への高粘度の試料水溶液の注入、排出も容易である。
発光部から照射される近赤外線のガラス容器の底面による正反射光が受光部で受光されないように、試料台に載置した時に底面が水平にならないガラス容器を使用するのは、底面が水平なガラス容器による正反射光は強度が大であるために、ガラス容器内の試料水溶液を透過して受光部で受光される近赤外線の吸光度を正確に測定出来ないからである。
水平でない底面を有するガラス容器の一つの具体例はとしては、市販されている内径2〜5mm程度のミニ試験管がある。ミニ試験管の底面は下方へ凸の半球状であるために、斜め下方の発光部から照射される近赤外線のミニ試験管の底面による正反射光が受光部で受光されることはない。正確に言えば、受光部で受光される近赤外線の中にはミニ試験管の底面からの正反射光が一部含まれるが、その程度の正反射光は強度が小さく試料水溶液の吸光度の測定に障害とはならないので、本発明においては許容される。なお、ミニ試験管は自立性がないので、専用の試験管立てにミニ試験管をほぼ直立させた状態で試料台に載置される。
そして、内径2〜5mm程度のミニ試験管であっても近赤外線を一方の側面から他方の側面へ透過させるような測定方法では、従来の内法1mmの角筒型ガラスセルに比して光路長が過大であるために吸光は飽和した状態となり正確な吸光度は得られない。従って、ミニ試験管に応じた光路設定を行う必要がある。そのために、吸光度の測定系には、固形試料を試料台上に水平に載置し、斜め下方に配置した発光部から照射される近赤外線が固形試料の水平な面によって反射される正反射光を受光する位置に受光部を配置した測定ユニットを使用する。このような測定系は医薬品の錠剤、合成樹脂のペレット、ないしは人体の指などを測定試料として吸光度スペクトルを採取する場合に使用されるものである。
そして、上記のような測定系を利用し、ミニ試験管内に収容した試料水溶液中にほぼ水平な反射面を与える金属製反射体を沈めることにより、光路長を適切に設定することができる。なお、ガラスは近赤外線を吸収しない。従って、斜め下方の発光部から所定の角度で照射される近赤外線の入射光はガラス容器を透過し、試料水溶液を透過して、金属製反射体の底面である反射面で反射されて、反射光は再び試料水溶液を透過しガラス容器を通過して受光部に受光されて、その間の試料水溶液中における入射光の光路長と反射光の光路長との和が光路長として設定され、その光路長による吸光度が測定される。好ましい光路長は、試料水溶液中に含まれる試料の濃度によっても異なるが、ほぼ1〜5mmの範囲内にある。
水平でない底面を有するガラス容器の他の具体例として、試料台上に底面を水平でないように載置した平型ガラス容器、例えばシャーレがある。すなわち、載置するシャーレの底面の一端側と試料台との間にスペーサを介在させて、底面を傾斜させたシャーレとする。そのほか、シャーレの一端側が高くなるように、底面に高台(糸底とも称される)を設けたシャーレとしてもよい。高台は分割された割り高台であってもよい。そしてシャーレの底面の水平面に対する傾斜角度は、通常的には5〜10度の範囲内とされる。
底面を傾斜させたシャーレを使用する場合にも、ミニ試験管を使用する場合と同様、測定系には上記した発光部からの近赤外線が固形試料の水平な面によって反射される正反射光を受光する位置に受光部を配置した測定系を使用する。また同様に、シャーレに収容した試料水溶液に金属製反射体を沈めて、シャーレの内底面と反射体の底面である反射面との間に存在する試料水溶液に適切な光路長を設定する。
上記したミニ試験管やシャーレは実験用器具として市販されているので廉価に入手することが可能である。そして当然のことながら、ミニ試験管やシャーレは、従来使用されてきた内法1mmの角筒型ガラスセルと比較して開口面積が大きいので、測定後における洗滌は極めて簡易であり容易に再使用することができる。なお、底面に高台を設けて底面を傾斜させたようなシャーレの市販品は見掛けないが、その作成は簡単なガラス細工によって可能である。
金属性反射体に使用する金属としては、鏡面研磨したステンレス鋼が好ましい。勿論、それ以外の鏡面研磨したアルミニウムや銅であってもよい。そして、ガラス容器としてミニ試験管を使用する場合には、その内壁へ接触し得る程度の外径を有する円柱状または円筒状の金属性反射体が使用される。この場合、金属性反射体は底面がほぼ水平となるように沈められる。ガラス容器としてシャーレを使用する場合には、板状の金属反射体が好適である。この場合には、シャーレの内底面上で金属製反射体の底面の外周縁部を突出部または支持ピースで支持して試料水溶液中に適切な光路長を設定することを要する。
以下、図面を参照して、本発明の近赤外線分光分析用の分析用具、およびそれを使用する近赤外線の吸光度測定方法の好適な実施例について説明する。図1は試料水溶液を収容するガラス容器を載置するための試料台4を有する測定ユニット3を備えた近赤外線分光光度計1の概略的な斜視図である。この近赤外線分光光度計1は、本体2と、上述したように、医薬品の錠剤や合成樹脂のペレット等の固体試料を載置する試料台4を有する測定ユニット3とからなり、試料台4の左斜め下方となる測定ユニット3の内部に配置したて発光部から近赤外線を測定試料に向けて照射し、測定試料からの反射光を試料台4の右斜め下方となる測定ユニット3の内部に配置した受光部で受光して測定試料による近赤外線の吸光度を測定するようにしたものである。
なお、従来の内法1mmの角筒型ガラスセルを使用して試料水溶液による近赤外線の吸光度を測定する方法は、図1に示した測定ユニット3とは異なる測定ユニットが使用される。すなわち、角筒型ガラスセルの側方に配置されている発光部から角筒型ガラスセルに向けて照射される近赤外線は角筒型ガラスセルの一方の側壁ガラスを透過し、試料水溶液を透過して他方の側壁ガラスを透過し、発光部と対向して反対側に配置されている受光部で受光される近赤外線によって試料水溶液の吸光度が測定される。
これに対して、本発明の近赤外線分光光度計は、図2に示すように、円筒状ガラス容器として例えば内径2.4mmのミニ試験管6に試料水溶液7を収容し、その試料水溶液7中に光路長を設定するための円柱状の金属製反射体8を沈めた状態で、上記測定ユニット3の試料台4に載置し、ミニ試験管6の斜め下方の発光部から照射される近赤外線がミニ試験管6の半球状の底壁ガラスを透過し、試料水溶液7を透過して金属製反射体8の底面で反射され、再び、試料水溶液7を透過しミニ試験管6の半球状の底壁ガラスを透過して受光部で受光される近赤外線によって試料水溶液の吸光度を測定する方法である。自立性がないミニ試験管6を直立させるために3本の脚を有する専用の試験管立て9を補助具として使用している。
そして、図2に示したミニ試験管6を使用して試料水溶液7による近赤外線の吸光度を測定する場合の要部を拡大して断面図である図3に示した。図3においては、ミニ試験管6内に試料水溶液7が収容されており、その試料水溶液7中に円柱状のSUS反射体8が沈められている。この状態において、ミニ試験管6の左斜め下方に配置された不図示の発光部から近赤外線が照射され、ミニ試験管6の半球状の底壁ガラスを透過し、SUS反射体8の底面の中心に立てた法線Nに対し所定の入射角度α(例えば40〜60度)で試料水溶液7内へ入射され、試料水溶液7を透過して、SUS反射体8の底面において、入射角度αと同じ角度の反射角度αで反射され、再び、試料水溶液7を透過し、ミニ試験管6の半球状の底壁ガラスを透過して、不図示の受光部で受光される。
この場合においては、試料水溶液7を透過した近赤外線の光路長Lは、入射側の光路長Liと反射側の光路長Lrとの和(L=Li+Lr)であるが、ミニ試験管6の内径および円柱状のSUS反射体8の外径を選択することにより、試料水溶液の種類に応じて近赤外線の吸光度を測定するに好ましい1〜5mm程度の光路長Lを適宜設定することができる。なお図3は、入射光の円柱状SUS反射体8の底面による正反射光を受光部が受光する場合を示したが、必ずしも正反射光であることを要する訳ではない。
図4は、図3に示したように、ミニ試験管を使用し、水およびエタノールを試料として得られた近赤外線の吸光度スペクトルである。また図5は、ヘマトクリット毛細管を使用して、同じく水、エタノールを試料として得られた近赤外線の吸光度スペクトルである。ヘマトクリット毛細管は径が小さいので光路長を設定する金属製反射体は挿入せず、内法1mmの角筒型ガラスセルを使用する場合と同様、ヘマトクリット毛細管の一方側壁から他方の側壁へ透過する近赤外線について得られた吸光度スペクトルである。図4と図5の波数6000〜4000cm−1の領域において円で囲った部分を比較して明らかなように、図5のヘマトクリット毛細管を使用した場合には、吸光度は正確に測定されていないが、図4のミニ試験管を使用した場合には、吸光度が細部まで正確に測定されている。
図6は図2と同様な図であり、近赤外線分光光度計1の本体2と測定ユニット3を示すが、図6が図2と異なるところは、試料水溶液7を収容する平型ガラス容器としてのシャーレ11を測定ユニット3の試料台4上に載置したものであり、シャーレ11の底面の一端側と試料台4との間に、シャーレ11の底面を傾斜させるためのスペーザ12を介在させている。測定に際しては、後述するように、試料水溶液7中に板状のSUS反射体13を沈めるが、図6においてはスペーザ12を示すために、板状SUS反射体13の図示を省略している。
図7は図6に示した平型ガラス容器としてのシャーレ11を使用して試料水溶液7による近赤外線の吸光度を測定する場合の要部を拡大して示した断面図である。図7においては、シャーレ11の底面の一端側と試料台4との間にスペーサ12を介在させることによりシャーレ11の底面を傾斜させて試料台4に載置している。そしてシャーレ11内に収容した試料水溶液7中に沈めた板状SUS反射体13を突出部14、15によってシャーレ11の内底面から浮かせて試料水溶液7に近赤外線の光路長を与えている。なお、板状SUS反射体13の反射面は傾斜しているので、受光部は当該反射面からの散乱光を受光することになる。
そして、試料水溶液7を透過する近赤外線の光路長Lは、入射側の光路長Liと反射側の光路長Lrとの和であるから、突出部14、15の高さを選択することにより、試料水溶液7の種類に応じて光路長Lを適宜設定することができる。なお、図7においては突出部14、15の高さを同一としたが、異なる高さにして板状SUS反射体13の反射面が試料台4の水平面に平行となるように沈め、発光部からの近赤外線の正反射光が受光部で受光されるようにしてもよい。
図8は、ガラス容器として図7に示したシャーレを使用し、水、トマトソース、およびマヨネーズを試料として得られた近赤外線の吸光度スペクトルである。何れの試料も波数6000〜4000cm−1の領域において、図4と同様に吸光度は飽和しておらず、正確な吸光度が得られている。
<ガラス容器の変形例>
実施例1においては、試料水溶液を収容するガラス容器として、底面板が下方へ凸の半球状であるミニ試験管を例示したが、これ以外に内径が2〜5mmであって、底面を下方へ凸の円錐状とした円筒形状のガラス容器、ないしは底面を下方へ凸の多角錐状とした多角筒形状のガラス容器も同様に使用することができる。
また、実施例2を示す図7においては、水平面と傾斜した角度の板状底面板を有する平型ガラス容器として、底面の一端側と試料台との間にスペーサ12を介在させたシャーレ11を例示したが、図9に示すように、底面に一端側が高く、他端側が低い傾斜高台18を設けた高台付きシャーレ17としてもよい。図9Aは底面に傾斜高台18を有する高台付きシャーレ17の断面図であり、図9Bは図9Aにおける[B]−[B]線方向の底面図である。なお、図9Aでは、試料台4の水平な面を傾斜した一点鎖線で示している。そのほか、上記の傾斜高台18は円環状のものであるが、これを複数個に分割した割り高台としたものであってもよい。
また、実施例2を示す図7においては、板状SUS反射体13の底面の対抗する外周縁部に設けた突出部14、15で支持する例を示したが、勿論、突出部14、15に替えて支持ピースを挿入するようにしてもよい。
そのほか、これまでに記載したガラス容器には石英ガラス容器も含まれる。
近赤外線分光光度計の本体と、試料台を備えた測定ユニットを示す斜視図である。 ミニ試験管に収容した試料水溶液中に光路長を設定するための円柱状SUS反射体を沈めたものを、測定ユニットの試料台に載置した場合の斜視図である。ミニ試験管を直立させるために試験管立てを使用している。 ミニ試験管と円柱状SUS反射体とを使用する場合の、試料水溶液中における近赤外線の入射光と反射光、および近赤外線の光路長を示す断面図である。 ガラス容器としてミニ試験管を使用し、水、エタノールを試料として得られた近赤外線の吸光度スペクトルを示す図である。 ガラス容器としてヘマトクリット管を使用し、水、エタノールを試料として得られた近赤外線の吸光度スペクトルを示す図である。 シャーレの底面の一端側と測定ユニットの試料台との間にスペーサを介在させ、底面を傾斜させてシャーレを載置した場合の斜視図である。 底面を傾斜させて試料水溶液を収容したシャーレと試料水溶液中に沈めた板状SUS反射体とを使用する場合の、試料水溶液中における近赤外線の入射光と反射光、および近赤外線の光路長を示す断面図である。 平型ガラス容器としてシャーレを使用し、水、トマトソース、およびマヨネーズを試料として得られた近赤外線の吸光度スペクトルを示す図である。 シャーレの変形例、すなわち底面に一端側が高く他端側が低い傾斜高台を設けたシャーレを示す図であり、図9Aは断面図、図9Bは底面図である。
符号の説明
1・・・近赤外線分光光度計、 2・・・本体、
3・・・測定ユニット、 4・・・試料台、
6・・・ミニ試験管、 7・・・試料水溶液、
8・・・円柱状のSUS反射体、 9・・・試験管立て、
11・・・シャーレ、 12・・・スペーサ、
13・・・板状のSUS反射体、 14・・・突出部、
15・・・突出部、 17・・・高台付きシャーレ、
18・・・傾斜高台、

Claims (5)

  1. 測定試料を試料台上へ水平に載置し、前記測定試料の下方に配置した発光部から前記被測定試料に向けて近赤外線を照射する時に、前記測定試料への入射点上に立つ法線に対し所定の入射角度で入射する近赤外線が、前記入射点から前記入射角度と同じ角度で入射光とは反対方向に反射する正反射光を受光する位置に受光部が配置されている測定系によって試料水溶液を近赤外線分光分析する場合の分析用具であって、
    試料水溶液を収容するガラス容器を前記試料台へ載置した時に、前記ガラス容器の底面による正反射光が前記受光部で受光されないようにするための水平でない底面を有するガラス容器と、前記ガラス容器に収容した前記試料水溶液中における近赤外線の光路長を設定するための前記試料水溶液中に沈める金属製反射体とからなることを特徴とする近赤外線分光分析用の分析用具。
  2. 請求項1の近赤外線分光分析用の分析用具において、
    前記水平でない底面を有するガラス容器が、前記底面を下方へ凸の半球状とした内径2〜5mm程度の円筒状ガラス容器であり、前記金属製反射体がほぼ直立させた前記円筒状ガラス容器の内底面に当接した状態でほぼ水平な反射面を与える柱状物または筒状物であることを特徴とする近赤外線分光分析用の分析用具。
  3. 請求項1の近赤外線分光分析用の分析用具において、
    前記水平でない底面を有するガラス容器が平型ガラス容器であり、前記試料台上において前記平型ガラス容器の底面の一端側を高くするように、前記試料台と前記底面の周縁部との間にスペーサを介在させたものか、または前記底面の周縁部に突出部を設けたものであり、前記金属製反射体が、前記平型ガラス容器の内底面と所定の間隔をあけた状態において前記内底面とほぼ平行な反射面を有するように、前記反射面の周縁部に突出部を設けたものか、または前記反射面の周縁部と前記ガラス容器の内底面との間に支持ピースを介在させたものであることを特徴とする近赤外線分光分析用の分析用具。
  4. 請求項1から請求項3までの何れかに記載のガラス容器と金属製反射体とからなる分析用具を使用する近赤外線分光光度計により試料水溶液の近赤外線の吸光度を測定することを特徴とする近赤外線分光分析方法。
  5. 請求項4の近赤外線分光分析方法において、
    前記ガラス容器内の前記試料水溶液中に沈めた前記金属製反射体の底面を反射面として、前記試料水溶液を透過する近赤外線の光路長をほぼ1〜5mmに設定することを特徴とすする近赤外線分光分析方法。
JP2008150637A 2008-06-09 2008-06-09 近赤外線分光分析用の分析用具および近赤外線分光分析方法 Expired - Fee Related JP4950947B2 (ja)

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