JP2009293293A - 渦流式分水装置およびそれを用いた雨水貯留システム - Google Patents

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Abstract

【課題】分水槽内の異物を簡単に除去することができる新規な渦流式分水装置及び雨水貯留システムを提供する。
【解決手段】分水槽12は、たとえば、有底円筒状に形成され、その接線方向に雨水流入管102が接続される。給水手段16,104は、分水槽12の外部に流出した雨水を雨水貯留槽100に供給する。また、第1排出手段14,106は、分水槽12内に残る異物を当該分水槽12の底部から水とともに一気に排出させる。このような渦流式分水装置10では、雨水流入管102から分水槽12へ流入した雨水が、渦流を形成しながら分水槽12の内部を螺旋状に流動し、この渦流によって、雨水に混入している異物が分離される。そして、異物が除去された処理水が雨水貯留槽100に供給される。雨水流入管102から分水槽12への雨水の流入が終了すると、たとえば分水槽12内の残留水とともに、雨水から分離された異物が排出される。
【選択図】図1

Description

この発明は渦流式分水装置およびそれを用いた雨水貯留システムに関し、特にたとえば、流入する雨水から混入している異物を分離して、異物を除いた処理水を雨水貯留槽に供給する、渦流式分水装置およびそれを用いた雨水貯留システムに関する。
近年、都市化が進んだこと等による環境の変化に伴い、局地的な大雨や台風時の大雨による浸水被害が増加している。この被害を防止するための対策として、雨水貯留槽を地下に埋設し、雨水を一時的に貯留した後、雨水管や河川に放流する、或いはそのまま地中に緩やかに浸透させる対策が実施されている。しかし、雨水貯留槽内に集められる雨水には、落ち葉や土砂などの異物が含まれるので、雨水貯留槽内には、異物が溜まり易い。雨水貯留槽内に異物が溜まると、その機能を適切に維持できない恐れがあるので、定期的な点検および清掃を実施して、雨水貯留槽内に堆積した異物を適宜除去する必要がある。
たとえば、特許文献1に開示される雨水の地下貯留浸透タンク(雨水貯留槽)では、貯留タンクの下に汚泥ピットを設けている。そして、貯留タンク内に流入した夾雑物(異物)を、汚泥ピット内に沈殿させ、吸引ホースを用いて、堆積した沈殿物を吸い取って除去している。しかし、吸引ホースを用いて沈殿物を除去するという作業は、手間がかかる上、吸引ホース等の特別な機器を別途用意しなければならない。さらに、貯留タンクの内部構造は複雑であり、流入する異物も、雨水中を浮遊する密度(比重)の小さいものから、貯留タンク内に留まって移動しない密度の大きいものまであるので、貯留タンク内に流入した全ての異物を汚泥ピットに集めることは難しい。このため、特許文献1の技術では、汚泥ピット内の沈殿物の除去とは別に、何らかの手段を用いて貯留タンク内を清掃する必要が生じると思われる。
雨水貯留槽内に異物を溜めないための対策として、雨水貯留槽の上流側で雨水を事前に処理し、雨水貯留槽内には、異物を除去した雨水(処理水)を流入させることが考えられる。たとえば、雨水貯留槽内に雨水を流入させる雨水流入管に、沈砂槽を設けることが一般的に行われている。この場合、密度の大きい異物は、沈砂槽に沈殿させることにより除去し、密度の小さい浮遊異物は、網状のフィルタを利用して除去する。しかし、この場合でも、沈砂槽に堆積した異物を、吸引ホース等によって定期的に除去しなければならない。また、フィルタは、目詰まりを起こし易いので、定期的な清掃が必要となる。
また、合流式下水道の分野では、渦流式分水装置が知られている。渦流式分水装置は、流入する水に渦流を生じさせることによって、水に含まれる異物を分離するものである。たとえば、特許文献2に開示される水処理装置(渦流式分水装置)は、下水が流入するマンホールと、下水を処理水と汚水とに分離する分離装置と、汚水を排出するボルテックバルブとを備えている。そして、特許文献2の技術では、処理水は、流出管から河川等へ排出され、汚水は、ボルテックバルブを介して出口管部からそのまま下水処理場に送られる。
また、たとえば、特許文献3に開示される中央流入雨水用の渦流型の分離装置は、分離容器と、分離容器内に設けられる円筒状の導流板と、導流板に接続されて雨水を流入させる流入管と、沈殿物の再浮上を防ぐ孔付き斜板と、分離容器に接続されて雨水を流出させる流出管とを備えている。そして、特許文献3の技術では、導流板の内部での下向きの渦流と、導流板の外部での上向きの渦流とによって、雨水から浮遊物や固形物(異物)を分離し、分離された雨水を流出管から流出させる。また、分離容器内に残る異物は、分離容器の上部に設けられる分離物除去孔から除去される。
特開2006−322149号公報 [E03F 1/00] 特開2003−80241号公報 [C02F 1/38] 特開2007−32267号公報 [E03F 5/14]
上述のように、特許文献1の技術や、雨水貯留槽の上流に沈砂槽を設ける技術では、吸引ホース等を用いて異物を除去する作業などが必要となり、維持管理に手間がかかる。
また、特許文献2の技術では、流入異物が、ボルテックバルブを通らずに、処理槽の底部に拡散して堆積してしまう可能性がある。堆積した異物は、作業者が処理槽内に入る等して、吸引ホース等を用いて除去する必要があるので、やはり維持管理に手間がかかる。
さらに、特許文献2の技術では、異物を多く含む汚水を、ボルテックバルブを介して出口管部からそのまま下水処理場に排出するようにしている。しかし、雨水貯留槽に流入される雨水は、一時的に貯留したり、排出のタイミングを遅らせたりする必要がある雨水、つまり、すぐに排出してしまうと浸水被害が発生する恐れのある雨水を含んでいる。したがって、雨水の一部(汚水)をそのまま排出してしまう特許文献2のような技術を雨水貯留槽の上流側に設けると、浸水被害を防止できない可能性が高まる等の不具合が生じてしまう。
また、特許文献3の技術においても、分離容器内に残る異物は、吸引ホース等を用いて除去する必要があるため、維持管理に手間がかかる。
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、渦流式分水装置およびそれを用いた雨水貯留システムを提供することである。
この発明の他の目的は、分水槽内の異物を簡単に除去することができる、渦流式分水装置およびそれを用いた雨水貯留システムを提供することである。
この発明のさらに他の目的は、雨水貯留槽の維持管理の負担を軽減できる、渦流式分水装置およびそれを用いた雨水貯留システムを提供することである。
この発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号および補足説明などは、本発明の理解を助けるために後述する実施の形態との対応関係を示したものであって、この発明を何ら限定するものではない。
第1の発明は、流入する雨水から混入している異物を分離して、異物を除いた処理水を雨水貯留槽に供給する渦流式分水装置であって、雨水に渦流を生じさせることによって異物を分離し、処理水を分水する分水槽、処理水を分水槽から雨水貯留槽に供給するための供給手段、および分水槽内に残る異物を、当該分水槽から水とともに排出させるための第1排出手段を備える、渦流式分水装置である。
第1の発明では、渦流式分水装置(10)は、分水槽(12)を含み、雨水から混入している異物を分離して、異物を除いた処理水を雨水貯留槽(100)に供給する。分水槽は、たとえば、有底円筒状に形成され、その接線方向に雨水流入管(102)が接続される。給水手段(16,104)は、たとえば外槽(16)と雨水貯留浸透槽とを接続する雨水流出管(104)を含み、分水槽の外部に流出した処理水を雨水貯留槽に供給する。また、第1排出手段(14,106)は、たとえば分水槽の底部に設けられる第1バルブ(14)を含み、当該分水槽内に残る異物を水とともに一気に排出させる。このような渦流式分水装置では、雨水流入管から分水槽へ流入した雨水が、渦流を形成しながら分水槽の内部を螺旋状に流動し、この渦流によって、雨水に混入している異物が分離される。そして、異物が除去された処理水が、給水手段によって雨水貯留槽に供給される。雨水流入管から分水槽への雨水の流入が終了すると、当該分水槽の内部には、雨水から分離された異物が残る。そして、雨水から分離された異物が、第1排出手段によって、たとえば分水槽内の残留水とともに排出される。
第1の発明によれば、分水槽の内部に残っている異物を簡単に除去することができる。
第2の発明は、第1の発明に従属し、第1排出手段は、分水槽内に残る異物を当該分水槽内に残る水によって掃流する掃流手段である。
第2の発明では、第1排出手段(14,106)は、分水槽(12)内に残る異物を、当該分水槽内の残留水によって掃流する掃流手段である。このような渦流式分水装置(10)では、雨水流入管から分水槽への雨水の流入が終了すると、当該分水槽の内部には、雨水から分離された異物と分水槽の外部に流出しなかった残留水とが残る。そして、雨水から分離された異物が分水槽内の残留水とともに一気に掃流される。
第2の発明によれば、異物を排出するための水を別途用意する必要がなく、任意のタイミングで分水槽の内部に残っている異物を除去することができる。
第3の発明は、第1または第2の発明に従属し、分水槽の中央上部に設けられる浮遊異物収集部をさらに備える。
第3の発明では、渦流式分水装置(10)は、浮遊異物収集部(26)をさらに備える。浮遊異物収集部は、たとえばラッパ状に形成され、分水槽(12)の槽本体(20)の中央上部に設けられる。このような渦流式分水装置では、雨水に混入している浮遊異物は、渦流によって分水槽の中心付近に集められ、浮遊異物収集部の内部に滞留する。
第3の発明によれば、雨水に混入している浮遊異物を適切に分離することができる。
第4の発明は、第1ないし第3の発明のいずれかに従属し、分水槽の内部に設けられる傾斜仕切板をさらに備える。
第4の発明では、渦流式分水装置(10)は、傾斜仕切板(36)をさらに備える。傾斜仕切板は、たとえば、その外縁部から中央部に向かう下り傾斜を有するすり鉢状に形成され、分水槽(12)の槽本体(20)の内部に設けられる。傾斜仕切板の中央部には、開口(38)が形成され、さらにその開口の周囲には、複数の小孔(40)が形成される。このような渦流式分水装置では、雨水に混入している沈殿異物は、渦流によって分水槽の中心付近に集められ、傾斜仕切板の開口を通って分水槽の底部に沈殿した後、当該傾斜仕切板によって上方に流動しないようにとどめられる。
第4の発明によれば、雨水に混入している沈殿異物を適切に分離することができる。
第5の発明は、第1ないし第4の発明のいずれかに従属し、雨水貯留槽内に貯留された処理水を、分水槽内を通して排出させるための第2排出手段をさらに備える。
第5の発明では、渦流式分水装置(10)は、雨水貯留槽(100)内に貯留されている雨水を分水槽(12)の内部を通して排出させるための第2排出手段(70,104)をさらに備える。このような渦流式分水装置では、雨水貯留槽内に貯留されている雨水は、分水槽(12)の底部に流入する。そして、分水槽の底部に流入した雨水は、当該分水槽内の異物とともに排出される。
第5の発明によれば、雨水貯留槽内の雨水を任意のタイミングで外部に排出することができる。さらに、雨水貯留槽内の貯留水が分水槽を通って排出されるため、分水槽内の異物を十分な量の水によって掃流することができる。
第6の発明は、第1ないし第5の発明のいずれかに従属し、分水槽内の雨水の旋回を補助するための旋回補助手段をさらに備える。
第6の発明では、渦流式分水装置(10)は、分水槽(12)内を流動する雨水の旋回を補助するための旋回補助手段(66,68)をさらに備え、実施例では、旋回補助手段はサイフォン管(66)である。このような渦流式分水装置では、いわゆるサイフォン現象によって、分水槽内の雨水がサイフォン管に吸引されることにより、分水槽内を流動する雨水の旋回が補助される。
第6の発明によれば、分水槽内に適切な渦流を形成することができる。
第7の発明は、第1ないし第6のいずれかの発明の渦流式分水装置を地中に埋設し、その渦流式分水装置を介して雨水流入施設と前記雨水貯留槽とを接続した、雨水貯留システムである。
第7の発明では、渦流式分水装置(10)は、たとえば雨水貯留槽(100)の近傍の地中に埋設される。渦流式分水装置では、雨水を流入させるための雨水流入施設として、分水槽(12)の接線方向に雨水流入管(102)が接続される。また、渦流式分水装置と雨水貯留槽とは、たとえば雨水流出管(104)によって接続され、当該渦流式分水装置の分水槽によって異物を除去された処理水のみが雨水貯留槽に供給される。
第7の発明によれば、吸引ホース等を用いて雨水貯留槽内の異物を除去する作業が不要である。したがって、雨水貯留槽の維持管理の負担を軽減することができる。
この発明によれば、雨水から分離された異物を、たとえば分水槽内の残留水によって一気に排出することができる。したがって、分水槽の内部に残っている異物を簡単に除去することができる。
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
図1を参照して、この発明の一実施例である渦流式分水装置(以下、単に「分水装置」という。)10は、分水槽12および第1バルブ14を含み、雨水に混入している異物を分離して、雨水貯留槽100に異物を除いた雨水(処理水)を供給するものである。
図1に示すように、分水装置10は、雨水貯留槽100の近傍に埋設され、この分水装置10には、道路脇の側溝や雨水桝などから集めた雨水が流入する雨水流入管(以下、単に「流入管」という。)102、およびその雨水を分水槽12で処理した処理水を雨水貯留槽100に供給する雨水流出管(以下、単に「流出管」という。)104が接続される。換言すると、流入管102と雨水貯留槽100とは、分水装置10を介して接続されている。また、分水装置10には、雨水から分離した異物を水と共に雨水本管や合流式下水道管などに放流する異物排出管(以下、単に「排出管」という。)106が接続される。
なお、分水装置10は、雨水貯留槽100を新設する際に設けてもよいし、既設の雨水貯留槽100に追加で設けてもよい。
先ず、雨水貯留槽100について簡単に説明する。雨水貯留槽100は、浸水被害の発生の防止を主たる目的として地下に埋設されるものであり、たとえば、プラスチック製の要素部材を組み立て、その周囲を遮水シート或いは透水シートで覆うことにより形成される。このような雨水貯留槽100は、側溝や雨水桝などから雨水を集め、その雨水を一時的に貯留した後、雨水本管などに放流したり、そのまま地中に緩やかに浸透させたりする。これにより、集中豪雨の際などに、河川や雨水本管などに対して雨水の流入が集中することを抑制し、浸水被害の発生を防止する。なお、貯留した雨水は、植物への散水用水や災害時の非常用水などに有効利用することもできる。
具体的には、雨水貯留槽100としては、たとえば、本願出願人等によって製造販売されている各種の雨水貯留槽(参照;http://www.kuHotH-ci.co.jp/rHin/ind_H.html <http://www.kubota-ci.co.jp/rain/ind_b.html>)を採用できる。また、先に挙げた特許文献1に開示される雨水貯留槽など、材質(合成樹脂製やコンクリート製など)や形状を問わず、従来公知の様々な雨水貯留槽に分水装置10を接続するようにもできる。
なお、雨水貯留槽100は、機能の面から分類して、一時貯留の機能を主として有する「貯留型」と、浸透の機能を主として有する「浸透型」と、一時貯留および浸透の双方の機能を有する「貯留浸透型」との3つのタイプに分類することができるが、この発明でいう雨水貯留槽100とは、これら3つのタイプの全てを含む概念である。
以下には、一例として、「浸透型」の雨水貯留槽100に接続する分水装置10について説明する。
図2に示すように、分水装置10は、雨水から異物を分離する分水槽12、分水槽12に設けられる第1バルブ14、およびこれらを収容する外槽16を備える。
外槽16は、合成樹脂、コンクリート或いは金属などによって直方体状や円筒状などに形成され、詳細は後述するが、分水槽12から溢れ出した処理水を受水する部位である。外槽16の上部には、点検孔18が形成され、点検孔18は地表に臨ませられる。点検孔18は、通常時は蓋(図示せず)によって閉じられているが、蓋を外すことによって、地表からの外槽16内の点検が可能となり、場合によっては外槽16内への人の出入りを可能にする。
外槽16の側面には、雨水貯留槽100と接続される流出管104が取り付けられており、この流出管104から外槽16内の処理水が雨水貯留槽100に供給される。流出管104の内径は、雨水の想定流入量に応じて適宜設定され、たとえば200mmである。
図3および図4に示すように、分水槽12は、塩化ビニルなどの合成樹脂によって形成され、有底円筒状の槽本体20を含む。槽本体20の大きさは、雨水貯留槽100の大きさや、分水槽12に流入する雨水の想定流入量などによって適宜設定されるが、この実施例では、たとえば、分水槽12の外径は630mmであり、その長さ(高さ)は1000mmである。
分水槽12は、垂直上方向に向けて開口しており、その上方開口のレベルL1は、詳細は後述する、オーバーフロー管108の上方開口のレベルL2よりも低位に設定されるとともに、雨水貯留槽100における上限水位のレベルL3よりも高位に設定されている(図7参照)。
また、分水槽12の上方開口には、天板22が設けられる。天板22は、その中央部に開口を有するドーナツ板状に形成され、その開口縁から下方に延びる円筒状の外筒部24を有する。
さらに、分水槽12の中央上部には、ラッパ状に形成される浮遊異物収集部26が設けられる。具体的には、浮遊異物収集部26は、分水槽12の上方開口(外筒部24)に挿通される内筒部28と、その内筒部28の下端から円錐状に拡径する円錐部30とを有する。浮遊異物収集部26(内筒部28)の上端は、たとえば垂直上方向に向けて開口しており、その上方開口の高さのレベルL4は、分水槽12の上方開口のレベルL1よりも高位に設定される(図7参照)。また、内筒部28の外径は、天板22の外筒部24の内径よりも小さく設定され、内筒部28と外筒部24との間には、隙間32が形成される。また、内筒部28の外側面には、係止部34が形成され、この係止部34と天板22とを接合することにより、天板22に浮遊異物収集部26が固定的に取り付けられる。この実施例では、係止部34は、内筒部28の外側面から突出する三角板状に形成されるが、内筒部28と外筒部24との間の隙間32を閉塞することなく、天板22或いは槽本体20に浮遊異物収集部26を固定できれば、係止部34の形状および配置位置は特に問わない。
また、分水槽12の内部には、傾斜仕切板36が設けられる。図5に示すように、傾斜仕切板36は、その外縁部から中央部に向かう下り傾斜を有するすり鉢状に形成され、その中央部に形成される開口38、および開口38の周囲に形成される複数の小孔40を有している。開口38の径は、たとえば100mmであり、小孔40の径は、たとえば20mmである。
また、分水槽12には、流入管102が接続される。流入管102は、外槽16を貫通して分水槽12まで延び、分水槽12(槽本体20)に対して接線方向に接続される。すなわち、流入管102と雨水貯留槽100とは、分水装置10を介して接続されている。流入管102は、雨水が流入しない、または雨水の流速が低下するのを防ぐために、少なくとも分水槽12の底面のレベルL5よりも高位の位置に接続され、たとえば浮遊異物収集部26と傾斜仕切板36との間の高さに接続される(図7参照)。流入管102の内径は、雨水の想定流入量に応じて適宜設定され、たとえば150mmである。このように、雨水の想定流入量に合わせて、流入管102の内径を適宜変更することにより、雨水から異物を分離するのに最適な渦流を形成することができる。
また、分水槽12には、複数、この実施例では3つの脚部42が設けられる。脚部42は、たとえば塩化ビニルなどの合成樹脂によって円筒状に形成され、分水槽12の底面における高さのレベルL5が排出管106の管底の高さのレベルL6よりも高くなるように、槽本体30を支持している。これにより、分水槽12内に残った水や異物は、排出管20から速やか(滑らか)に排出されることになる。
さらに、分水槽12の底部には、第1バルブ14が設けられ、この第1バルブ14を介して分水槽12に排出管106が接続される。第1バルブ14は、図6に示すように、バルブ本体44と当該バルブ本体44に挿し込む栓部材46とを備えており、塩化ビニル等の合成樹脂によって形成される。バルブ本体44は、有底円筒状に形成され、その上端開口は地表に臨ませられる。バルブ本体44の上端開口は、通常時は蓋(図示せず)によって閉じられているが、蓋を外すことによって、後述する栓部材46の着脱が可能になり、地表からのバルブ本体44内の点検が可能になる。バルブ本体44の内径は、分水槽12の大きさに応じて適宜設定され、たとえば210mmである。
バルブ本体44の底部には、排出管106と接続される管接続部48が形成され、それより少し上方に分水槽12と接続される槽接続部50が形成される。また、バルブ本体44の内部には、栓受部52が形成される。栓受部52は、漏斗状に形成され、バルブ本体44の内側面から斜め下方向に突出する傾斜部54と、当該傾斜部54の下端から延びる直管部56とを含む。直管部56の内径は、たとえば130mmである。
なお、槽接続部50側の栓受部52の傾斜部54上端は、槽接続部50の底面と同じ高さ、或いは槽接続部50の底面より下に配置される。また、栓受部52の直管部56の下端は、管接続部48の上端付近の高さに配置され、バルブ本体44の底面に近づきすぎないようにされる。これにより、槽接続部50からバルブ本体44内に流入した水や異物は、バルブ本体44内でその流れが阻害されること無く、管接続部48から速やか(滑らか)に排出されることになる。
また、図6では、バルブ本体44の底面が水平方向に形成される第1バルブ14を例示してあるが、バルブ本体44の底面には、管接続部48に向かう下り傾斜やインバート(導流用の溝)を形成してもよく、これにより、水や異物をより滑らかに流すことができる。
栓部材46は、バルブ本体44内で水の流れを堰き止める際に使用される部材であり、バルブ本体44に対して着脱可能に取り付けられる。栓部材46は、円筒状に形成され、バルブ本体44の栓受部52から地表面近くまで延びる長さ(高さ)を有している。また、栓部材46の下部には、縮径部58が形成される。縮径部58の外径は、たとえば130mmであり、上述した直管部56の内径に対応させて設定される。また、縮径部58の外側面には、周方向に延びる環状の溝が形成され、この溝には、シール部材60が装着される。
このような第1バルブ14は、市販品を組み合わせることによっても製作することができる。たとえば、上方と側方と下方とに開口を有するドロップ枡と3本の塩ビ管(第1塩ビ管,第2塩ビ管,第3塩ビ管)と円形の塩ビ板を用意する。そして、ドロップ桝の下方開口を囲繞するように、当該ドロップ枡の外周面底部と第1塩ビ管の上方開口とを溶接する。それから、第1塩ビ管の下方開口を塩ビ板によって封止し、さらに当該第1塩ビ管の管壁を穿口して、その穿口に第2塩ビ管の一方開口を溶接する。すると、ドロップ枡の下方開口が栓受部52として機能し、そのドロップ枡の側方開口が管接続部48として機能し、第2塩ビ管の他方開口が槽接続部50として機能する。また、栓部材46は、第3塩ビ管の下端部を絞り加工して、その外面にシール部材60を装着するとよい。
管接続部48には、排出管106が接続される。排出管106は、外槽16を貫通して雨水本管や合流式下水道管などに接続され、その内径は、雨水の想定流入量に応じて適宜設定され、たとえば125mmである。
また、排出管106には、外槽16内において、オーバーフロー管108が設けられる。オーバーフロー管108は、排出管106から垂直上方向に分岐して外槽16内で開口しており、外槽18内に在る処理水を排出管106に導流して、雨水本管や合流式下水道管などに放流する。
ここで、図7を参照して、雨水貯留槽100が満水状態になっていなければ、外槽16内に在る処理水の水位は、雨水貯留槽100内に貯留されている雨水(貯留水)の水位と等しいといえる。このため、オーバーフロー管108の上方開口の高さのレベルL2を雨水貯留槽100における上限水位の高さのレベルL3よりも低位に設定した場合には、雨水貯留槽100内に処理水を貯留することのできない空き空間(デッドスペース)が生じてしまい、当該雨水貯留槽14の貯留空間を有効に活用することができない。これに対し、オーバーフロー管108の上方開口の高さのレベルL2を浮遊異物収集部26の上方開口の高さのレベルL4よりも高位に設定した場合には、浮遊異物収集部26内に滞留している浮遊異物が当該浮遊異物収集部26の上方開口などから外部に流出してしまう可能性がある。したがって、オーバーフロー管108の上方開口の高さのレベルL2を雨水貯留槽100における上限水位の高さのレベルL3よりも高位に設定するとともに、浮遊異物収集部26の上方開口の高さのレベルL4よりも低位に設定すると好適である。
このような分水装置10では、道路脇の側溝や雨水桝などから流入管102へと流れ込んだ雨水が、この流入管102から分水槽12へ接線方向に流入する。すると、分水槽12へ流入した雨水は、渦流を形成しながら分水槽12の内部を螺旋状に流動する。この結果、渦流によって雨水に混入している異物が分離されて、この異物が分水槽12の中心付近に集められる。具体的には、砂礫などの水よりも比重の大きい沈殿異物は、傾斜仕切板36の開口38を通って槽本体20の底部に沈殿し、落ち葉などの水よりも比重の小さい浮遊異物は、浮かび上がって浮遊異物収集部26の内部に滞留する。また、分水槽12の中心付近に集められなかった浮遊異物は、天板22の下方かつ外筒部24の外側に滞留する。そして、分水槽12内の水位が上昇し、異物が除かれた雨水(処理水)が、外筒部24と内筒部28との隙間32から分水槽12の外部に溢れ出す。分水槽12から溢れ出した処理水は、外槽16に受水されて、当該外槽16から流出管104に流れ込み、雨水貯留槽100に供給される。そして、雨水貯留槽100が満水となった場合には、外槽16から雨水貯留槽100への処理水の供給がとまり、当該外槽16内の処理水がオーバーフロー管108によって排出管20に導流される。その後、流入管102から分水槽12への雨水の流入が終了すると、当該分水槽12の内部には、雨水から分離された異物と分水槽12の外部に溢れ出さなかった雨水(残留水)とが残る。そして、栓部材46をバルブ本体44から取り外して第1バルブ14を開くと、分水槽12内の残留水とともに、雨水から分離された異物が一気に排出管106に排出されて、雨水本管や合流式下水道管などに放流される。このように、分水装置10によれば、分水槽12の内部に残っている異物を簡単に除去することができる。
さらに、このような分水装置10と雨水貯留槽100とを組み合わせた雨水貯留システムでは、分水槽12によって異物を除去された処理水のみが雨水貯留槽100に供給される。このため、吸引ホース等を用いて雨水貯留槽100内の異物を除去する作業が不要である。したがって、雨水貯留槽100の維持管理の負担を軽減することができる。
また、この実施例では、雨水から分離された異物が、分水槽12内の残留水によって排出管106に掃流される。このため、異物を排出するための水を別途用意する必要がなく、任意のタイミングで分水槽12の内部に残っている異物を除去することができる。
さらに、この実施例では、分水槽12の中央上部に浮遊異物収集部26が設けられる。このため、落ち葉などの水よりも比重の小さい浮遊異物を浮遊異物収集部26の内部に滞留させることができる。したがって、雨水に混入している浮遊異物を適切に分離することができる。
また、この実施例では、分水槽12の内部に傾斜仕切板36が設けられる。このため、雨水から分離した沈殿異物を分水槽12の底部に沈殿させた後、当該沈殿異物が上方に流動しないようにとどめることができる。したがって、雨水に混入している沈殿異物を適切に分離することができる。
さらにまた、この実施例では、分水槽12と当該分水槽12に設けられる第1バルブ14とが、外槽16内に収容されてユニット化されている。したがって、分水装置10の据付、配管作業の削減ひいては施工性の向上が実現される。
なお、上述の実施例では、合成樹脂製の分水槽12を用いたが、これに限定される必要はない。たとえば、レジンコンクリートやプレキャストコンクリートなどによって分水槽12を形成してもよい。また、たとえば、ステンレスなどの金属によって分水槽12を形成してもよい。
また、上述の実施例では、外槽16と雨水貯留槽100とが流出管104によって接続され、この流出管104を介して外槽16内の処理水が雨水貯留槽100に供給されたが、これに限定される必要はない。たとえば、図示は省略するが、外槽16と雨水貯留槽100とを隣接させることによって、外槽16内の処理水を直接雨水貯留槽100に供給することもできる。
さらにまた、上述の実施例では、槽本体20の上端に天板22が設けられ、その天板22に浮遊異物収集部26が固定的に取り付けられたが、これに限定される必要はない。たとえば、図示は省略するが、槽本体20の上面に係止部34を容易には動かないように載置することによって、浮遊異物収集部26を設けてもよい。
さらに、図8および図9に示すように、分水槽12の内部に、雨水に混入している浮遊異物を浮遊異物収集部26に誘導するための誘導部材62を設けることもできる。誘導部材62は、塩化ビニルなどの合成樹脂からなり、槽本体18の内壁面から斜め上方向すなわち浮遊異物収集部26の円錐部30に向かう方向に突出する板状体であり、槽本体18の内壁面に沿った略C字状に形成される。誘導部材62の周方向における一方側端62aは、上面視で分水槽12と流入管102との接続箇所の上方を覆っており、さらにその一方側端62aから他方側端62bに向かうにしたがって、徐々に高さのレベルが低位になるように設けられる。この場合には、流入管102から分水槽12に流入した雨水に混入している浮遊異物は、当該分水槽12に流入すると同時に浮き上がって誘導部材62にぶつかる。そして、誘導部材62に沿って分水槽12内を流動し、その後、渦流によって分水槽12の中心付近に集められて、浮遊異物収集部26に到達する。したがって、雨水に混入している浮遊異物を確実に分離することができる。
さらにまた、図10に示すように、分水槽12の底面に、第1バルブ14の槽接続部50に向かう傾斜を形成することもできる。この場合には、雨水から分離された異物をより速やか(滑らか)に排出管106に排出することができることができる。
また、図11に示すように、分水槽12の底面に、当該分水槽12の中心向かう傾斜を形成し、この中心から第1バルブ14の槽接続部50へと延びる流路64を設けることもできる。この場合にも、雨水から分離された異物をより速やか(滑らか)に排出管106に排出することができることができる。
図12に示すこの発明の他の一実施例である分水装置10は、分水槽12内の雨水の旋回を補助するための旋回補助手段をさらに備える。以下、図1の実施例における分水装置10と同様である部分に関しては、詳細な説明は省略する。
図12に示すように、分水装置10は、第1バルブ14の管接続部48と管接続部50とを連通するサイフォン管66をさらに備える。
サイフォン管66は、塩化ビニルなどの合成樹脂によって曲管状に形成され、その内径は、たとえば30mmである。具体的には、サイフォン管66は、槽接続部50から斜め上方向に立ち上がり、その最上部で水平方向に屈曲して少し延び、そして管接続部48に向けて垂直下方向に屈曲する。サイフォン管66の最上部における管底の高さのレベルL7は、分水槽12に流入した雨水の全てがサイフォン管66に流れてしまわないように、分水槽12の上方開口のレベルL1とほぼ同位に設定されている。また、サイフォン管66の最上部には、当該サイフォン管66とバルブ本体44とを連通する吸気管68が設けられる。吸気管68は、サイフォン管66の最上部から垂直下方向に向けて延び、その最下部で水平方向に屈曲して、バルブ本体44に接続される。このため、吸気管68の最下部における管頂の高さのレベルL8は、分水槽12の上方開口のレベルL1よりも低位に設定されている。
この実施例では、分水槽12内の水位がサイフォン管66の最上部における管底の高さのレベルL7まで上昇すると、いわゆるサイフォン現象によって、槽接続部50から分水槽12内の雨水がサイフォン管66に吸引され、管接続部48から排出管106に排出される。これにより、分水槽12内を流動する雨水の旋回が補助されて、分水槽12内に適切な渦流が形成される。その後、分水槽12への雨水の流入が終了すると、サイフォン管66によって雨水を吸引されている分水槽12内の水位とともにバルブ本体44内の水位が徐々に低下する。そして、バルブ本体44内の水位が吸気管68の最下部における管頂の高さのレベルL8まで降下すると、吸気管68を介してバルブ本体44からサイフォン管66に空気が流入して、サイフォン現象が破られる。
このように、この実施例によれば、サイフォン管66が分水槽12内の雨水を吸引することによって、当該分水槽12内を流動する雨水の旋回が補助されて、分水槽12内に適切な渦流が形成される。
なお、この場合には、分水槽12に流入した雨水の一部がサイフォン管66を介してそのまま排出管106から雨水本管や合流式下水道管などに放流されるが、当該サイフォン管66は、異物を排出するための部位ではないため、流量が許容放出量以下に制限される小径管を適用することができ、雨水をそのまま排出しても上述した特許文献2のような浸水被害が発生する恐れはないといえる。
また、上述の実施例では、分水槽12内の雨水の旋回を補助するための旋回補助手段として、第1バルブ14の管接続部48と管接続部50とを連通するサイフォン管66が設けられたが、これに限定される必要はない。たとえば、分水槽12の下部より雨水の許容放出量以下の排出を行うなどの方法によって、当該分水槽12内の雨水の旋回を補助することができる。
ところで、上述の実施例では、分水装置10を「浸透型」の雨水貯留槽100に接続したが、これに限定される必要はなく、分水装置10を「貯留型」の雨水貯留槽100に接続してもよい。ただし、この場合には、雨水貯留槽100内に貯留されている雨水(貯留水)を地中に浸透させることができないため、この貯留水を雨水貯留槽100の外部に排出する手段が必要である。
そこで、図13に示すこの発明の他の一実施例である分水装置10は、第2バルブ70をさらに備える。以下、図1の実施例における分水装置10と同様である部分に関しては、詳細な説明は省略する。
図13に示すように、分水装置10は、第2バルブ70をさらに備える。第2バルブ70は、分水槽12の底部に設けられ、第1バルブ14と略同形状を有している。ただし、第1バルブ14では、バルブ本体44の底部に排出管106と接続される管接続部48が形成され、それより少し上方に分水槽12と接続される槽接続部50が形成されたが、第2バルブ70では、バルブ本体44の底部に流出管104に向けて外槽16内で開口する流入部72が形成され、それより少し上方に分水槽12と接続される流出部74が形成される。なお、それ以外の第1バルブ14と第2バルブ74との共通する部分については同じ番号を付して、その説明を省略する。
このような分水装置10では、先ず、第1バルブ14を開くと、分水槽12内の残留水とともに、雨水から分離された異物が排出される。続いて、第2バルブ70を開くと、雨水貯留槽100内の貯留水が流入部72に流れ込み、流出部74から分水槽12内に流入する。そして、分水槽12内に残留している異物とともに槽接続部50に流れ込み、管接続部48から排出管106に排出される。この場合には、流出管104の管底の高さのレベルL9を排出管106の管底の高さのレベルL6よりも高位に設定すると、可及的多くの貯留水を排出管106に排出することができ、好適である。
このように、この実施例によれば、雨水貯留槽100内の貯留水を任意のタイミングで当該雨水貯留槽100の外部に排出することができる。さらに、雨水貯留槽100内の貯留水が分水槽12を通って排出管106に排出されるため、分水槽12内に残留している異物を十分な量の水によって確実に排出管106に掃流することができる。
なお、第2バルブ70の流出部74に逆止弁76を設けることもできる。この場合には、流入部72から第2バルブ70に流れ込んだ雨水は、流出部74から分水槽12内に流入するが、分水槽12内の雨水が流出部74から逆流しようとすると、逆止弁76が流出部74を塞ぐ。
また、第2バルブ70の流入部72に、放流量が急増しないように、流量制限オリフィスを設けることもできる。
図14および図15に示すように、雨水貯留槽100内の貯留水を外部に排出する手段として、当該雨水貯留槽100に流出施設110を設けることもできる。
図14に示すように、流出施設110は、マンホール112を含み、雨水貯留槽100の近傍の地中に埋設される。マンホール112は、たとえば有底円筒状に形成され、その下部には、雨水貯留槽100からの雨水をマンホール112に流出させる接続管114が取り付けられる。また、それよりさらに下部には、マンホール112内の雨水を雨水本管や合流式下水道管などに放流する外部流出管116が取り付けられ、外部流出管116は、放流量が急増しないようにするための流量制限オリフィスを有している。
この実施例によれば、雨水貯留槽100内の貯留水は、接続管114からマンホール112に流れ込み、外部流出管116から雨水本管や合流式下水道管などに放流される。したがって、雨水貯留槽100内の貯留水を外部に排出することができる。
さらに、この実施例によれば、たとえ雨水貯留槽100の最下部の高さのレベルL10を流出管104の管底の高さのレベルL9よりも低位に設定している場合(図15参照)であっても、雨水貯留槽100内の貯留水を全て外部に排出することができる。
なお、雨水貯留槽100の貯留水を全て流出施設110から外部に排出した場合であっても、分水槽12内には残留水があるため、第1バルブ14を開くことによって、分水槽12の内部に残っている異物を除去することはできる。
なお、上述の各実施例ではいずれも、オーバーフロー管108は、排出管106から垂直上方向に分岐して外槽16内で開口したが、これに限定される必要はなく、雨水貯留槽100が満水になってオーバーフローしている雨水を雨水本管や合流式下水道管などに放流することができるのであれば、任意の位置に設けることができる。たとえば、図16に示すように、雨水貯留槽100に設けた流出施設96のマンホール98の上部に、水平方向に向けて開口するオーバーフロー管108を設けてもよい。なお、この場合には、オーバーフロー管108の高さのレベルL2には、当該オーバーフロー管76の管底のレベルが適用される。
また、上述の各実施例ではいずれも、分水槽12内の残留水ないし雨水貯留浸透槽100内の貯留水を用いて排出管106に異物を掃流したが、これに限定される必要はない。たとえば、図17に示すように、雨水等を貯留するタンク118を地上に設けておき、当該タンク118に接続したホース120から分水槽12内に水を供給することよって、排出管106に異物を掃流することもできる。さらにまた、たとえば、図示は省略するが、分水装置10に、別途、分水槽12内に水を供給するためのタンクを設け。当該タンクから供給する水によって分水槽12の内部に残っている異物を掃流してもよい。
さらに、上述の各実施例ではいずれも、分水槽12と当該分水槽12に設けられるバルブ14,70とが、外槽16に収容されたが、これに限定される必要はなく、分水槽12およびバルブ14,70の各々を外槽16の外に別々に埋設することもできる。
さらにまた、上述の各実施例ではいずれも、バルブ14,70には、バルブ本体44の栓受部52に対して、筒状に形成される栓部材46を挿し込む構造が適用されたが、これに限定される必要はなく、分水槽12内の雨水の流れを堰き止めるかつその雨水を一気に排出することができるのであれば、バルブ14,70に任意の構造を適用することができる。
たとえば、図18に示すバルブ14,70の変形実施例では、バルブ本体44の内部に、ドーナツ板状に形成される栓受部52が形成される。また、栓部材46は、円板状に形成される円板体78を備え、当該円板体78の側面にはシール材60が設けられる。また、円板体78の上面には、垂直上方向に延びる棒体80が形成されており、この棒体80を地上から上下させることによってバルブ14,70を開閉する。
また、たとえば、図示は省略するが、バルブ14,70にバタフライバルブの構造を適用することもできる。
なお、上述した径や高さ等の具体的数値は、いずれも単なる一例であり、必要に応じて適宜変更可能である。
この発明の一実施例の分水装置と雨水貯留槽とを組み合わせた雨水貯留システムを示す図解図である。 図1の分水装置を示す断面図である。 図2の分水槽を示す断面図である。 図2の分水槽を示す平面図である。 図2の傾斜仕切板を示す平面図である。 図2のバルブを示す断面図である。 図1の雨水貯留システムにおける高さ位置を示す図解図である。 この発明の別の実施例の分水装置の分水槽を示す断面図である。 図8の分水槽を示す平面図である。 この発明のさらに別の実施例の分水装置の分水槽を示す断面図である。 この発明のさらに別の実施例の分水装置の分水槽を示す断面図である。 この発明のさらに別の実施例の分水装置のバルブを示す断面図である。 この発明のさらに別の実施例の分水装置と雨水貯留槽とを組み合わせた雨水貯留システムの縦断面構造を示す図解図である。 この発明のさらに別の実施例の分水装置と雨水貯留槽とを組み合わせた雨水貯留システムを示す図解図である。 この発明のさらに別の実施例の分水装置と雨水貯留槽とを組み合わせた雨水貯留システムを示す図解図である。 この発明のさらに別の実施例の分水装置と雨水貯留槽とを組み合わせた雨水貯留システムを示す図解図である。 この発明のさらに別の実施例の分水装置と雨水貯留槽とを組み合わせた雨水貯留システムを示す図解図である。 この発明のさらに別の実施例の分水装置のバルブを示す断面図である。
符号の説明
10 …渦流式分水装置
12 …分水槽
14 …第1バルブ
16 …外槽
26 …浮遊異物収集部
36 …傾斜仕切板
70 …第2バルブ
66 …サイフォン管
100 …雨水貯留槽
102 …雨水流入管
104 …雨水流出管
106 …異物排出管
108 …オーバーフロー管

Claims (7)

  1. 流入する雨水から混入している異物を分離して、異物を除いた処理水を雨水貯留槽に供給する渦流式分水装置であって、
    前記雨水に渦流を生じさせることによって異物を分離し、前記処理水を分水する分水槽、
    前記処理水を前記分水槽から前記雨水貯留槽に供給するための供給手段、および
    前記分水槽内に残る異物を、当該分水槽から水とともに排出させるための第1排出手段を備える、渦流式分水装置。
  2. 前記第1排出手段は、前記分水槽内に残る異物を当該分水槽内に残る水によって掃流する掃流手段である、請求項1記載の渦流式分水装置。
  3. 前記分水槽の中央上部に設けられる浮遊異物収集部をさらに備える、請求項1または2記載の渦流式分水装置。
  4. 前記分水槽の内部に設けられる傾斜仕切板をさらに備える、請求項1ないし3のいずれかに記載の渦流式分水装置。
  5. 前記雨水貯留槽内に貯留された前記処理水を、前記分水槽内を通して排出させるための第2排出手段をさらに備える、請求項1ないし4のいずれかに記載の渦流式分水装置。
  6. 前記分水槽内の前記雨水の旋回を補助するための旋回補助手段をさらに備える、請求項1ないし5のいずれかに記載の渦流式分水装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載の渦流式分水装置を地中に埋設し、その渦流式分水装置を介して雨水流入施設と前記雨水貯留槽とを接続した、雨水貯留システム。
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