JP2009292208A - ヨーレートセンサ内蔵型油圧制御ユニット - Google Patents

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義人 森口
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Abstract

【課題】油圧制御ユニットに備えられるモータの振動が伝わることを抑制し、ヨーレートセンサの誤出力を防止できるようにする。
【解決手段】ヨーレートセンサ内蔵型油圧制御ユニット1において、モータ7の駆動を間欠制御する。これにより、モータ7の振動周波数もしくは逓倍周波数が離調周波数になったとしてもそれに起因する振動を分散させられ、そのピーク値を低下させることが可能となる。このため、ヨーレートセンサ11に対してセンサ値が変化しない許容値以内の振動しか伝わらないようにでき、センサ出力として表されないようにできる。したがって、ヨーレートセンサ11の誤出力の発生を防止することが可能となる。さらに、モータ7を常に間欠制御するのではなく、モータ電圧が間欠切替電圧以上の場合にのみ間欠制御すれば、真にヨーレートセンサ11に伝わる振動レベルが大きくなる場合にのみ間欠制御を行うことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両におけるヨーレートの検出を行うヨーレートセンサがブレーキ制御に用いられる油圧制御ユニットに内蔵されたヨーレートセンサ内蔵型油圧制御ユニットに関するものである。
従来より、車両におけるヨーレートの検出を行うヨーレートセンサがブレーキ制御に用いられる油圧制御ユニットに内蔵されたヨーレートセンサ内蔵型油圧制御ユニットがある。このヨーレートセンサ内蔵型油圧制御ユニットでは、ブレーキ制御のためにポンプ駆動用のモータを作動させたときに、モータ作動振動やポンプ油撃によって油圧ユニットが振動し、その振動がヨーレートセンサに伝わるために、ヨーが発生していないのにヨーが発生したことを示すセンサ信号が出力されるという誤出力が生じることがある。このような誤出力を防止すべく、特許文献1において、ダンパとなる防振部材を配置するなど防振構造設計を行うことにより、ヨーレートセンサにモータの振動が伝わり難くなるようにすることが提案されている。
独国特許出願公開第102006002350号明細書
しかしながら、防振構造設計を行った場合であっても、モータの振動をすべて抑制できる訳ではないため、ヨーレートセンサの誤出力をより防止できるようにする手法が望まれる。また、防振構造設計を行う場合、そのための部品点数の増加などが生じるため、防振構造設計が無くてもヨーレートセンサの誤出力を防止できることが好ましい。
本発明は上記点に鑑みて、油圧制御ユニットに備えられるモータの振動が伝わることを抑制し、ヨーレートセンサの誤出力を防止できるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明者らは、どのような場合にヨーレートセンサの誤出力が生じるかについて検討を行った。その結果、ヨーレートセンサによるヨーレート検出に必要な固有周波数、例えば音叉部の共振点(離調周波数)とモータの振動周波数もしくは逓倍周波数が重なり、ヨーレートセンサの誤出力が発生することが判った。
そこで、請求項1に記載の発明では、ブレーキ液を流動させられる油圧回路が形成されたブロック(4)と、油圧回路内のブレーキ液の吸入吐出を行うポンプ(6)と、ポンプ(6)を駆動するためのモータ(7)と、モータ(7)を駆動するための電子制御装置(8)と、車両のヨーレートの検出するヨーレートセンサ(11)と、を備えたヨーレートセンサ内蔵型油圧制御ユニットにおいて、電子制御装置(8)にて、モータ(7)を駆動するときに、モータ(7)に供給する電流を間欠的に供給することを特徴としている。
このように、モータ(7)の駆動を間欠制御により行うようにしている。したがって、モータ(7)の振動周波数もしくは逓倍周波数が離調周波数になったとしてもそれに起因する振動を分散させられ、そのピーク値を低下させることが可能となる。このため、ヨーレートセンサ(11)に対してセンサ値が変化しない許容値以内の振動しか伝わらないようにでき、センサ出力として表されないようにできる。これにより、ヨーレートセンサ(11)の誤出力の発生を防止することが可能となる。
請求項2に記載の発明では、電子制御装置(8)にて、モータ(7)に印加されるモータ電圧をモニタし、モータ電圧が予め決められた切替電圧以上であれば間欠制御を行い、切替電圧未満であれば間欠制御を行わずに継続的にモータ(7)に対して電流を供給することを特徴としている。
このように、切替電圧以上である場合にのみモータ(7)を間欠制御することで、真にヨーレートセンサ(11)に伝わる振動レベルが大きくなる場合にのみ間欠制御を行うことができる。これにより、モータ電圧が低く、ポンプ(6)によるブレーキ液の吐出能力が低い時に能力が下がることなく、W/C圧の上昇が遅くなることを防止することもできる。
また、請求項3に記載の発明では、電子制御装置(8)にて、モータ(7)に印加されるモータ電圧をモニタし、モータ電圧が高い程間欠制御を行うときのオン時間を短く設定することを特徴としている。
このように、モータ電圧が高い程間欠制御を行うときのオン時間が短くなるようにすれば、モータ電圧が高い場合にはモータ(7)の振動を分散させることができるようにしつつ、モータ電圧が小さい場合にはオン時間を長くすることで、ポンプ(6)による吐出量を大きくすることが可能となる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
本発明の一実施形態について説明する。図1は、本実施形態にかかるヨーレートセンサ内蔵型油圧制御ユニットの一部断面図である。図2は、図1に示すヨーレートセンサ内蔵型油圧制御ユニットに備えられるモータ駆動回路の概略構成を示した図である。以下、これらを参照して説明する。
図1に示すように、ヨーレートセンサ内蔵型油圧制御ユニット1は、ステー2に対してネジ3にて固定されており、ステー2を介して図示しない車体に取り付けられている。ヨーレートセンサ内蔵型油圧制御ユニット1には、ブレーキ液が流動させられる油圧回路が形成された金属ブロック4と、油圧回路内の各部の連通・遮断などを制御する各種電磁弁5と、油圧回路内のブレーキ液を吸入吐出を行うポンプ6を駆動するためのモータ7と、各種電磁弁5やモータ7の駆動を制御する電子制御装置(以下、ECUという)8と、各種電磁弁5およびECU8などを覆うケース及びカバー9とが備えられている。そして、ECU8が実装された基板10に対してヨーレートセンサ11も実装されている。
このように構成されたヨーレートセンサ内蔵型油圧制御ユニット1では、例えばヨーレートセンサ11の検出信号やその他図示しない各種センサの検出信号に基づいて周知の手法により横滑り防止制御を実行する。そして、横滑り防止制御時には、各種電磁弁5を駆動して制御対象輪のホイールシリンダ(以下、W/Cという)に対して油圧が加えられるように油圧回路を設定すると共に、モータ7を駆動することでポンプ6を作動させ、ブレーキ液を供給することにより制御対象輪に対して制動力を発生させる。
このとき、モータ7への電力供給は、ECU8からの駆動信号に基づいて制御されるようになっている。具体的には、図2に示すように、電源12に対してパワーMOSFET等の半導体スイッチング素子13を介してモータ7が接続されており、半導体スイッチング素子13のオンオフ状態をECU8からの駆動信号に基づいて間欠制御することによりモータ7への電力供給を制御する。半導体スイッチング素子13とモータ7との間の電位は分圧抵抗14、15にて分圧された形でモータ電圧としてECU8に入力され、モータ電圧のレベルに応じてモータ7の駆動信号を調整している。
このような構成では、モータ作動振動やモータ油撃が金属ブロック4やケース及びカバー9などを通じてECU8が実装された基板10に伝わり、ヨーレートセンサ11に伝わることになる。このため、モータ7を駆動する際に、以下のような駆動方法によりモータ駆動を行っている。
図3は、従来のモータ駆動方法とモータ7に対して流す電流および回転数の関係を示したタイミングチャートであり、図4は、従来のモータ駆動方法とした場合のモータ7に対して電力を供給してからの経過した時間sに対するW/C圧と離調周波数における振動レベルおよびヨーレートセンサ11のセンサ出力電圧を示したタイミングチャートである。また、図5は、本実施形態のモータ駆動方法とモータ7に対して流す電流および回転数の関係を示したタイミングチャートであり、図6は、本実施形態のモータ駆動方法とした場合のモータ7に対して電力を供給してからの経過した時間sに対するW/C圧と離調周波数における振動レベルおよびヨーレートセンサ11のセンサ出力電圧を示したタイミングチャートである。
図3に示すように、従来のモータ駆動方法では、横滑り制御時のようにモータ7を駆動する際に、半導体スイッチング素子13を完全にオンさせることでモータ7に対して電力供給を行っている。この場合、モータ7に流れる電流は供給初期から徐々に低下して一定電流値になり、モータ7の回転数は回転初期時から徐々に上昇して一定回転数に至る。すなわち、図4に示すように、モータ7の負荷となるW/C圧が徐々に低下するため、モータ7の回転数が上昇して行く。
そして、モータ7の振動周波数もしくは逓倍周波数が徐々に変わって離調周波数になると、それがヨーレートセンサ11に伝わったときに、ヨーレートセンサ11に対してセンサ値が変化しない許容値を超えた振動が伝わり、センサ出力として表される。このため、ヨーレートセンサ11の誤出力が発生する。
一方、図5に示すように、本実施形態のようなモータ駆動方法では、横滑り制御時のようにモータ7を駆動する際に、半導体スイッチング素子13を完全にオンさせるのではなく、間欠制御することによりモータ7に対して電力供給を行っている。この場合、モータ7に流れる電流はオン毎に高くなって徐々に低下するという動作を繰り返し、モータ7の回転数は回転初期時から徐々に上昇して一定回転数に至ったのち、オフ毎に若干低下してオン毎に再び一定回転数に戻るという動作を繰り返す。この場合にも、モータ7が停止する訳ではないため、図6に示すようにモータ7の負荷となるW/C圧は従来の場合と同様に徐々に低下していく。
そして、モータ7の振動周波数が絶えず変化するため、従来と同様に離調周波数になり得るが、モータ7の駆動を間欠制御にて行うようにしているため、モータ7の振動周波数もしくは逓倍周波数が離調周波数になったとしてもそれに起因する振動を分散させられ、そのピーク値を低下させることが可能となる。このため、図6に示したように、モータ7の振動がヨーレートセンサ11に伝わったとしても、ヨーレートセンサ11に対してセンサ値が変化しない許容値以内の振動しか伝わらないようにでき、センサ出力として表されないようにできる。このため、ヨーレートセンサ11の誤出力の発生を防止することが可能となる。
このように、モータ7を間欠制御することにより、ヨーレートセンサ11に伝わる振動を分散させられ、そのピーク値を低下させることが可能となる。このようなモータ7の間欠制御をすべての状況において行うこともできる。しかしながら、すべての場合にモータ7を間欠制御するようにすると、ブレーキ液の吐出能力が低下し、その分W/C圧の上昇を遅くすることになる。その一方で、モータ7の振動レベルが大きくなるのは、電源12の電圧が十分に高くてモータ電圧が高い時であり、モータ電圧が低い時には振動レベルが大きくなく、ヨーレートセンサ11の誤出力の発生も生じにくいため間欠制御を実行する必要も無い。また、モータ電圧が高い場合は、ポンプ6によるブレーキ液の吐出量も十分にあるため間欠制御を許容したとしても問題なく、モータ電圧が低い場合には、ポンプ6によるブレーキ液の吐出量が少なめであるため間欠制御を許容することが難しい。
そのため、本実施形態では、ECU8に対して分圧抵抗14、15の間の電位が入力されるようにし、この電位に基づいてモータ電圧をモニタすることで、ECU8内でモータ7を間欠制御するか否かを判定している。図7は、モータ電圧とモータ7を間欠制御するか否かの判定に用いるマップを示したものであり、このマップがECU8に内蔵されたROM等に記憶されている。
この図に示されるように、モータ7は、モータ電圧が最小値(min作動電圧)から最大値(max作動電圧)の間で動作するが、その間の電圧を間欠切替電圧として設定し、間欠切替電圧未満であればモータ7に対して電流を継続的に流し続けて100%駆動させ、間欠切替電圧以上であればモータ7に対して電流を間欠的に流して間欠駆動させる。このため、ECU8内でモータ電圧が間欠切替電圧以上であるか否かを判定し、肯定判定された場合にのみモータ7の間欠制御を行い、否定判定された場合にはモータ7の間欠制御を行わないようにしている。
以上説明したように、本実施形態では、ヨーレートセンサ内蔵型油圧制御ユニット1において、モータ7の駆動を間欠制御により行うようにしている。したがって、モータ7の振動周波数が離調周波数になったとしてもそれに起因する振動を分散させられ、そのピーク値を低下させることが可能となる。このため、ヨーレートセンサ11に対してセンサ値が変化しない許容値以内の振動しか伝わらないようにでき、センサ出力として表されないようにできる。これにより、ヨーレートセンサ11の誤出力の発生を防止することが可能となる。
さらに、モータ7を常に間欠制御するのではなく、モータ電圧が間欠切替電圧以上の場合にのみ間欠制御するようにしている。このため、真にヨーレートセンサ11に伝わる振動レベルが大きくなる場合にのみ間欠制御を行うことができる。これにより、モータ電圧が低く、ポンプ6によるブレーキ液の吐出量が少なめであるときにまで間欠制御を許容することにより、W/C圧の上昇が遅くなることを防止することもできる。
(他の実施形態)
上記実施形態では、ヨーレートセンサ内蔵型油圧制御ユニット1の構造の一例を示したが、他の構造のヨーレートセンサ内蔵型油圧制御ユニットとしても構わない。
また、上記実施形態では、モータ電圧が間欠切替電圧以上の場合に間欠制御を行うようにしたが、モータ電圧が高いほどオン時間を短くするような設定値しても構わない。このようにすれば、モータ電圧が高いほどオン時間を短くすることで、よりモータ7の振動を分散させることができるようにしつつ、モータ電圧が小さい場合にはオン時間を長くすることで、ポンプ6による吐出量を大きくすることが可能となる。
本発明の第1実施形態にかかるヨーレートセンサ内蔵型油圧制御ユニットの一部断面図である。 図1に示すヨーレートセンサ内蔵型油圧制御ユニットに備えられるモータ駆動回路の概略構成を示した図である。 従来のモータ駆動方法とモータ7に対して流す電流および回転数の関係を示したタイミングチャートである。 従来のモータ駆動方法とした場合のモータ7に対して電力を供給してからの経過した時間sに対するW/C圧と離調周波数における振動レベルおよびヨーレートセンサ11のセンサ出力電圧を示したタイミングチャートである。 第1実施形態のモータ駆動方法とモータ7に対して流す電流および回転数の関係を示したタイミングチャートである。 第1実施形態のモータ駆動方法とした場合のモータ7に対して電力を供給してからの経過した時間sに対するW/C圧と離調周波数における振動レベルおよびヨーレートセンサ11のセンサ出力電圧を示したタイミングチャートである。 モータ電圧とモータ7を間欠制御するか否かの判定に用いるマップである。
符号の説明
1…ヨーレートセンサ内蔵型油圧制御ユニット、2…ステー、3…ネジ、
4…金属ブロック、5…各種電磁弁、6…ポンプ、7…モータ、 8…ECU、
9…ケース及びカバー、10…基板、11…ヨーレートセンサ、12…電源、
13…半導体スイッチング素子、14、15…分圧抵抗

Claims (3)

  1. ブレーキ液を流動させられる油圧回路が形成されたブロック(4)と、
    前記油圧回路内のブレーキ液の吸入吐出を行うポンプ(6)と、
    前記ポンプ(6)を駆動するためのモータ(7)と、
    前記モータ(7)を駆動するための電子制御装置(8)と、
    車両のヨーレートの検出するヨーレートセンサ(11)と、を備え、
    前記電子制御装置(8)にて、前記モータ(7)を駆動するときに、前記モータ(7)に供給する電流を間欠的に供給することを特徴とするヨーレートセンサ内蔵型油圧制御ユニット。
  2. 前記電子制御装置(8)にて、前記モータ(7)に印加されるモータ電圧をモニタし、前記モータ電圧が予め決められた切替電圧以上であれば前記間欠制御を行い、前記切替電圧未満であれば前記間欠制御を行わずに継続的に前記モータ(7)に対して電流を供給することを特徴とする請求項1に記載のヨーレートセンサ内蔵型油圧制御ユニット。
  3. 前記電子制御装置(8)にて、前記モータ(7)に印加されるモータ電圧をモニタし、前記モータ電圧が高い程前記間欠制御を行うときのオン時間を短く設定することを特徴とする請求項1に記載のヨーレートセンサ内蔵型油圧制御ユニット。
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WO2020078709A1 (de) * 2018-10-19 2020-04-23 Wabco Gmbh Aktuatormodul und verfahren zur messung und verarbeitung einer fahrdynamische grösse eines fahrzeugs

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WO2020078709A1 (de) * 2018-10-19 2020-04-23 Wabco Gmbh Aktuatormodul und verfahren zur messung und verarbeitung einer fahrdynamische grösse eines fahrzeugs
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