以下、本発明をその一種であるパチンコ遊技機に具体化した一実施形態を図1〜図11にしたがって説明する。
図1には、パチンコ遊技機10の機表側が略示されており、機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開閉及び着脱自在に組み付けられている。中枠12の前面側には、機内部に配置された遊技盤13を透視可能な状態で保護するためのガラス枠を備えた前枠14と上球皿15を有する上皿ユニット15aが共に横開き状態で開閉可能に組み付けられている。前枠14の前面側及び遊技盤13の遊技領域13aには、点灯(点滅)又は消灯し、発光装飾に基づく遊技演出(発光演出)を行う装飾ランプ16が設けられている。外枠11の下部(パチンコ遊技機10の下部)には、各種音声を出力し、音声出力に基づく遊技演出(音声演出)を行うスピーカ17が配置されている。中枠12の下部には、下球皿18を有する下皿ユニット18a及び発射装置19が装着されている。そして、遊技者が発射装置19を操作することにより、上球皿15に貯留されている遊技球が遊技盤13の遊技領域13aに発射されるようになっている。なお、遊技領域13aに向けて発射される遊技球は、発射装置19の操作量に応じて発射の強弱が設定される。
遊技盤13の前面には、発射装置19の操作によって発射された遊技球を誘導し、かつパチンコ遊技の主体となるほぼ円形の遊技領域13aを形成する誘導レール20が円形渦巻き状に敷設されている。この誘導レール20によって遊技盤13には、該遊技盤13の左下方から左上方に向かって延びる遊技球の誘導路21が形成されるとともに、誘導レール20の内側に遊技領域13aが形成される。そして、誘導路21の下方には、中枠12に装着されるとともに、発射ユニットの作動によって打球される遊技球を案内する図示しない発射レールが配置されている。また、遊技盤13の前面であって誘導レール20の外側となる遊技領域13a外は、パチンコ遊技に直接関与しない非遊技領域13bとされている。
遊技盤13の遊技領域13aのほぼ中央(センター)には、各種の表示装置や各種の飾りを施した表示枠体(センター役物)23が装着されている。表示枠体23の略中央には、正面視横長矩形に開口するセット口23aが形成されており、当該セット口23aに整合して表示枠体23には液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する表示手段としての演出表示装置H2が装着されている。演出表示装置H2には、複数種類の図柄を変動させて行う図柄変動ゲームを含み、該ゲームに関連して実行される各種の表示演出(遊技演出)が画像表示されるようになっている。本実施形態において演出表示装置H2の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。なお、演出表示装置H2の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための演出用の図柄となる飾り図柄(表示図柄)を用いて行われる。
また、表示枠体23の下方には、特別図柄表示装置H1が配置されている。本実施形態の特別図柄表示装置H1は、7セグメントLED式の表示装置とされている。特別図柄表示装置H1には、複数種類の図柄を変動させて行う図柄変動ゲームが発光表示されるようになっている。なお、特別図柄表示装置H1の図柄変動ゲームは、大当りか否かの内部抽選(大当り抽選)の結果を示す報知用の図柄となる特別図柄を用いて行われる。
特別図柄表示装置H1と演出表示装置H2では、図柄変動ゲームの開始により同時に図柄(特別図柄と飾り図柄)の変動が開始される。具体的には、図柄変動ゲームの開始に伴って、特別図柄表示装置H1では特別図柄の変動が開始する一方で、演出表示装置H2では各列の飾り図柄の変動が開始する。そして、特別図柄表示装置H1と演出表示装置H2には、大当り抽選の抽選結果に基づき、図柄変動ゲームの終了によって同時に大当り図柄又ははずれ図柄が確定停止表示される。このとき、特別図柄表示装置H1と演出表示装置H2では、大当り抽選の抽選結果が大当りである場合には何れの表示装置にも大当り図柄が確定停止表示され、大当り抽選の抽選結果がはずれである場合には何れの表示装置にもはずれ図柄が確定停止表示される。大当り図柄は、大当り抽選の抽選結果が大当りである場合に図柄変動ゲームで確定停止表示されるものであり、はずれ図柄は、大当り抽選の抽選結果がはずれである場合に図柄変動ゲームで確定停止表示されるものである。
本実施形態において特別図柄表示装置H1には、複数種類の特別図柄の中から1つの特別図柄が表示されるようになっている。本実施形態における複数種類の特別図柄は、大当りを認識し得る大当り図柄と、はずれを認識し得るはずれ図柄とに分類される。また、大当り図柄には、大当り抽選に当選し、大当り遊技を構成する規定ラウンド数が15回に設定されている15ラウンド大当り遊技の付与が決定された場合に選択される大当り図柄と、大当り遊技を構成する規定ラウンド数が2回に設定されている2ラウンド大当り遊技の付与が決定された場合に選択される大当り図柄とがある。また、はずれ図柄には、大当り抽選に当選しなかった場合に行う小当り抽選に当選した場合に選択されるはずれ図柄と、前記小当り抽選に当選しなかった場合に選択されるはずれ図柄とがある。なお、以下の説明においては、はずれ図柄のうち、小当り遊技に当選した場合に選択されるはずれ図柄を「小当り図柄」と示す場合もある。
その一方、本実施形態において演出表示装置H2には、各列毎に、[1]〜[9]までの数字図柄Nと○(まる)の形を模したブランク図柄Qが飾り図柄として表示されるようになっている。ブランク図柄Qは、各数字図柄Nの間に配置される図柄であり、ブランク図柄Qのみの組合せでは大当り表示結果を構成しないようになっている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、演出表示装置H2の表示領域(画像表示面)を特別図柄表示装置H1の表示領域よりも大きく形成し、演出表示装置H2を遊技者の正面に目立つように配置している。このため、遊技者は、特別図柄表示装置H1よりも自身の目の前で多彩な画像によって表示演出が行われる演出表示装置H2の表示内容に注目し、該演出表示装置H2の図柄変動ゲームで導出されて確定停止表示される図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識することになる。
また、本実施形態の演出表示装置H2の画像表示部GHには、図2に示すように9つの図柄表示位置D1〜D9が定められているとともに、上列(第1図柄列)R1と、中列(第2図柄列)R2と、下列(第3図柄列)R3の3つの図柄列が変動表示されるようになっている。これら9つの図柄表示位置D1〜D9は、縦方向に上段、中段、下段となるよう3行に配置されているとともに、横方向に左、中、右となるよう3列に配置されている。そして、遊技者側から見て最も右に位置する第1列用右図柄表示位置D1と、遊技者側から見て中央に位置する第1列用中図柄表示位置D2と、遊技者側から見て最も左に位置する第1列用左図柄表示位置D3は、上列R1に対応する図柄表示位置とされ、上列R1の図柄配列において連続する3個の飾り図柄が表示されるようになっている。また、遊技者側から見て最も右に位置する第2列用右図柄表示位置D4と、遊技者側から見て中央に位置する第2列用中図柄表示位置D5と、遊技者側から見て最も左に位置する第2列用左図柄表示位置D6は、中列R2に対応する図柄表示位置とされ、中列R2の図柄配列において連続する3個の飾り図柄が表示されるようになっている。また、遊技者側から見て最も右に位置する第3列用右図柄表示位置D7と、遊技者側から見て中央に位置する第3列用中図柄表示位置D8と、遊技者側から見て最も左に位置する第3列用左図柄表示位置D9は、下列R3に対応する図柄表示位置とされ、下列R3の図柄配列において連続する3個の飾り図柄が表示されるようになっている。
この構成により、本実施形態の演出表示装置H2では、中列R2の上段に上列R1が配置されるとともに、該中列R2の下段に下列R3が配置され、これらの各列R1〜R3では、各列毎に、遊技者から見て右方向から左方向に向かって横方向に変動表示(横スクロール表示)されるようになっている。なお、各列R1〜R3では、中央の図柄表示位置を挟む左右の図柄表示位置に数字図柄Nが停止表示されると中央の図柄表示位置にブランク図柄Qが停止表示され、中央の図柄表示位置に数字図柄Nが停止表示されると中央の図柄表示位置を挟むブランク図柄Qが停止表示される。
なお、上列R1の図柄は、…9→○→8→○→7→○→6→○→5→○→4→○→3→○→2→○→1→○→9…というように数字図柄Nとブランク図柄Qとが交互に変動するとともに9から順番に数字が小さくなっていき、1となった場合には9に戻るような順番で変動するようになっている。一方、中列R2及び下列R3は、…1→○→2→○→3→○→4→○→5→○→6→○→7→○→8→○→9→○→1…というように数字図柄Nとブランク図柄Qとが交互に変動するとともに1から順番に数字が大きくなっていき、9となった場合には1に戻るような順番で変動するようになっている。(○はブランク図柄Qを示す)。
そして、演出表示装置H2では、第1列用右図柄表示位置D1、第2列用右図柄表示位置D4、及び第3列用右図柄表示位置D7に表示された3つの図柄の図柄組み合わせが有効とされ、これら3つの図柄表示位置D1,D4,D7によって図柄組み合わせが有効となる有効ラインL1が形成される。また、演出表示装置H2では、第1列用中図柄表示位置D2、第2列用中図柄表示位置D5、及び第3列用中図柄表示位置D8に表示された3つの図柄の図柄組み合わせが有効とされ、これら3つの図柄表示位置D2,D5,D8によって図柄組み合わせが有効となる有効ラインL2が形成される。また、演出表示装置H2では、第1列用左図柄表示位置D3、第2列用左図柄表示位置D6、及び第3列用左図柄表示位置D9に表示された3つの図柄の図柄組み合わせが有効とされ、これら3つの図柄表示位置D3,D6,D9によって図柄組み合わせが有効となる有効ラインL3が形成される。
また、演出表示装置H2では、第1列用右図柄表示位置D1、第2列用中図柄表示位置D5、及び第3列用左図柄表示位置D9に表示された3つの図柄の図柄組み合わせが有効とされ、これら3つの図柄表示位置D1,D5,D9によって図柄組み合わせが有効となる有効ラインL4が形成される。また、演出表示装置H2では、第1列用左図柄表示位置D3、第2列用中図柄表示位置D5、及び第3列用右図柄表示位置D7に表示された3つの図柄の図柄組み合わせが有効とされ、これら3つの図柄表示位置D3,D5,D7によって図柄組み合わせが有効となる有効ラインL5が形成される。
有効ラインL1は演出表示装置H2の右側において縦方向へ直線的に延びるよう形成されるとともに、有効ラインL2は演出表示装置H2の中央において縦方向へ直線的に延びるよう形成され、さらに有効ラインL3は演出表示装置H2の左側において縦方向へ直線的に延びるよう形成される。また、有効ラインL4は演出表示装置H2の右上がりの斜め方向(又は左下がりの斜め方向)へ直線的に延びるよう形成されるとともに、有効ラインL5は演出表示装置H2の左上がりの斜め方向(又は右下がりの斜め方向)へ直線的に延びるよう形成される。この構成により、本実施形態のパチンコ遊技機10は、5つの有効ラインL1〜L5を形成し得る演出表示装置H2を備えた5ライン機とされている。
そして、本実施形態において、上列R1→下列R3→中列R2の順に変動を停止させて図柄を停止表示させた場合、演出表示装置H2には、次のようなリーチ状態を表示することが可能である。有効ラインL1〜L3上には、同時にリーチ状態が表示されることなく、有効ラインL1、有効ラインL2又は有効ラインL3のうち何れか1本の有効ライン上に1つのリーチ状態(シングルリーチ)が表示可能とされている。また、有効ラインL4及び有効ラインL5上には、同時にリーチ状態を表示可能であって、2本の有効ラインL4,L5上に2つのリーチ状態(ダブルリーチ)が表示可能とされている。なお、リーチ状態は、複数列のうち、特定列(本実施形態では上列R1と下列R3)の飾り図柄が同一種類となって停止表示され、かつ特定列以外の列(本実施形態では中列R2)の飾り図柄が変動表示されている状態である。このリーチ状態を認識できる図柄組み合わせが飾り図柄によるリーチの図柄組み合わせとなる。
そして、本実施形態では、大当り図柄とはずれ図柄は、有効ラインL1〜L5上のいずれかに表示される3列の飾り図柄で構成される。例えば、大当り図柄は全列が同一の飾り図柄からなる組み合わせで構成される一方で、はずれ図柄は全列が同一の飾り図柄にならない組み合わせで構成される。
なお、内部抽選で確変2ラウンド大当り遊技の付与が決定されている場合には、飾り図柄の図柄組み合わせとして、はずれを認識し得る図柄組み合わせのうち、予め定めた特定の図柄組み合わせ(特定のはずれ図柄(チャンス目))が有効ラインL1〜L5上に確定停止表示される。特定の図柄組み合わせは、リーチを形成しないはずれの図柄組み合わせ(例えば[123][086])やブランク図柄Qのみからなる図柄組み合わせ、リーチ図柄を含むはずれ図柄の組み合わせからなる(例えば、[232])。また、内部抽選で小当り遊技の付与が決定されている場合も、確変2ラウンド大当り遊技の時と同様に、予め定めた特定の図柄組み合わせ(チャンス目)が有効ラインL1〜L5上に確定停止表示される。そして、大当りの表示結果が確定停止表示されると、遊技者には、図柄変動ゲームの終了後に大当り遊技が付与される。
一方、有効ラインL1〜L5上に表示された3列の飾り図柄を同一種類とせずに形成した図柄組み合わせ又はブランク図柄Qを含んで構成される図柄組み合わせを、内部抽選ではずれを決定した場合に演出表示装置H2に確定停止表示させる飾り図柄によるはずれの図柄組み合わせ(飾り図柄のはずれ図柄)としている。3列の飾り図柄が同一種類とならない場合には、3列の飾り図柄の全てが異なる場合や2列の飾り図柄が同一種類で1列の飾り図柄の種類が異なる場合が含まれる。例えば、飾り図柄のはずれの図柄組み合わせは、[115]、[767]や[○89]などである。また、ブランク図柄Qのみからなる図柄組み合わせ([○○○])も、はずれの図柄組み合わせとなっており、有効ラインL1〜L5上に同一のブランク図柄Qが揃っても図柄変動ゲームは大当りとならない。なお、はずれを認識し得る図柄組み合わせは、前記特定の図柄組み合わせを除く組み合せであっても良いし、前記特定の図柄組み合わせを含んでも良い。
また、演出表示装置H2には、特別図柄表示装置H1の表示結果に応じた図柄組み合わせが表示されるようになっている。より詳しくは、特別図柄表示装置H1の特別図柄による図柄と、演出表示装置H2の飾り図柄による図柄組み合わせが対応されており、図柄変動ゲームが終了すると、いずれかの有効ラインL1〜L5上に特別図柄による図柄と飾り図柄による図柄組み合わせが対応して確定停止表示されるようになっている。
図1、図2において、表示枠体23の下方であって、特別図柄表示装置H1の左横には、機内部で記憶した特別図柄用の保留記憶数を遊技者に報知する特別図柄保留記憶表示装置24が配置されている。本実施形態のパチンコ遊技機10は、表示枠体23の下方に配置される始動入賞口(上始動入賞口26と下始動入賞口27)へ遊技球が入球した場合、その入球した遊技球の個数を記憶し、特別図柄用の保留記憶数として機内部(主制御基板35の主制御用RAM35c)で記憶するようになっている。特別図柄用の保留記憶数は、保留中(図柄変動ゲーム待機中)の図柄変動ゲームの回数を示している。特別図柄用の保留記憶数は、始動入賞口に遊技球が入球することで1加算され、図柄変動ゲームの開始により1減算されるようになっている。したがって、図柄変動ゲーム中に始動入賞口へ遊技球が入球すると、特別図柄用の保留記憶数は更に加算され、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積されるようになっている。
特別図柄保留記憶表示装置24は、第1保留ランプ24aと、第2保留ランプ24bと、第3保留ランプ24cと、第4保留ランプ24dからなる4つの保留ランプによって構成されている。そして、特別図柄保留記憶表示装置24は、保留ランプの点灯個数により保留中の図柄変動ゲームの回数を遊技者に報知する構成となっている。例えば、第1保留ランプ24aのみが点灯している場合には1回の図柄変動ゲームが保留中であることを示し、第1〜第4保留ランプ24a〜24dの全てが点灯している場合には4回の図柄変動ゲームが保留中であることを示している。なお、特別図柄用の保留記憶数が「0(零)」の場合は、第1〜第4保留ランプ24a〜24dの全てが消灯している。
表示枠体23の下方であって、特別図柄表示装置H1の右横には、発光型の普通図柄表示装置H3が配置されている。本実施形態の普通図柄表示装置H3は、7セグメントLED式の表示装置とされている。普通図柄表示装置H3には、複数種類の図柄を変動させて行う普通図柄変動ゲームが発光表示されるようになっている。本実施形態において普通図柄表示装置H3の普通図柄変動ゲームでは、1列の普通図柄を導出する。普通図柄変動ゲームは、前述した大当りか否かの大当り抽選とは別に行う当りか否か(開閉羽根28の開動作により下始動入賞口27を開放するか否か)の内部抽選(当り抽選)の抽選結果を表示する。本実施形態においては、当り抽選で当りを決定している場合には普通図柄変動ゲームで当り図柄として[7]の数字からなる普通図柄が表示されるとともに、当り抽選ではずれを決定している場合には普通図柄変動ゲームではずれ図柄として[−(バー)]の符号からなる普通図柄が表示される。
また、表示枠体23の下方であって、普通図柄表示装置H3の右横には、機内部で記憶した普通図柄用の保留記憶数を遊技者に報知する普通図柄保留記憶表示装置25が配置されている。本実施形態のパチンコ遊技機10は、表示枠体23の左方に配置される普通図柄作動ゲート31へ遊技球が入球した場合、その入球した遊技球の個数を記憶し、普通図柄用の保留記憶数として機内部(主制御基板35の主制御用RAM35c)で記憶するようになっている。普通図柄用の保留記憶数は、保留中(普通図柄変動ゲーム待機中)の普通図柄変動ゲームの回数を示している。普通図柄用の保留記憶数は、普通図柄作動ゲート31に遊技球が入球することで1加算され、普通図柄変動ゲームの開始により1減算されるようになっている。したがって、普通図柄変動ゲーム中に普通図柄作動ゲート31へ遊技球が入球すると、普通図柄用の保留記憶数は更に加算され、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積されるようになっている。
また、表示枠体23の下方の遊技領域13aには、遊技球の入球口26aを有する上始動入賞口26と遊技球の入球口27aを有する下始動入賞口27が上下方向に並ぶように配置されている。上始動入賞口26は、常時遊技球の入球を許容し得るように入球口26aを常時開放させた構成とされている。一方で、下始動入賞口27は普通電動役物とされ、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉羽根28を備えており、開閉羽根28が開動作することにより遊技球の入球を許容し得るように入球口27aを開放させる構成とされている。換言すれば、下始動入賞口27は、開閉羽根28が開動作して入球口27aが開放されない限り、遊技球の入球を不能とする構成とされている。
上始動入賞口26と下始動入賞口27の各奥方には、入球した遊技球を検知する始動口センサSW1,SW2(図4に示す)が配設されている。上始動入賞口26と下始動入賞口27は、入球した遊技球を検知することにより、図柄変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。下始動入賞口27は開閉羽根28が開動作すると、入口が拡大されて遊技球が入球し易い状態とされる一方で、開閉羽根28が閉動作すると、入口が拡大されずに遊技球が入球し難い状態とされる。
また、下始動入賞口27の下方の遊技領域13aには、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉29を備えた大入賞口(特別電動役物)30が配設されている。そして、大当り遊技が付与されると、大入賞口扉29の開動作によって大入賞口30が開放されて遊技球の入球が許容されるため、遊技者は、多数の賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。本実施形態において大当り遊技は、多数の賞球を獲得できるチャンスを得られることから、遊技者に有利な状態となる。そして、この大当り遊技は、内部抽選で大当りが決定し、図柄変動ゲームにて大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示されることを契機に付与される。
大当り遊技は、内部抽選で大当りを決定し、図柄変動ゲームで大当り図柄が確定停止表示されて該ゲームの終了後、開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出終了後には、大入賞口扉29の開動作により大入賞口30が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限(本実施形態では15回又は2回)として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、大入賞口扉29の開動作により大入賞口30が開放されてから大入賞口扉29の閉動作により大入賞口30が閉鎖される迄であり、1回のラウンド遊技中に大入賞口30は、規定入球個数の遊技球が入球するまでの間、又は規定時間が経過するまでの間、開放される。そして、大当り遊技は、規定ラウンド数のラウンド遊技の終了後に大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われて終了する。
また、表示枠体23の左方の遊技領域13aには、普通図柄作動ゲート31が配設されている。普通図柄作動ゲート31の奥方には、該普通図柄作動ゲート31へ入球し通過した遊技球を検知するゲートセンサSW3(図4に示す)が設けられている。普通図柄作動ゲート31は、遊技球の通過を契機に、普通図柄変動ゲームの始動条件を付与し得る。
また、遊技盤13の遊技領域13aの最下方(大入賞口30よりも下方)には、遊技領域13aに発射された後、何れの入賞口にも入球しなかった遊技球をアウト球として機外に排出するためのアウト口32が形成されている。アウト口32を通過した遊技球は、パチンコ遊技機10の設置設備(遊技島)に配設されたアウト球タンク(図示しない)に排出される。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、確率変動(以下、「確変」と示す)機能を備えている。確変機能は、大当り遊技終了後に大当りの抽選確率(当選確率)が低確率(通常状態)である通常確率から高確率に変動する確変状態を付与する機能である。確変状態は、予め定めた回数(本実施形態では10000回)の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。本実施形態では、予め定めた回数として10000回を定めているため、確変状態は、実質的に次回の大当りが生起される迄の間付与されることと同等となっている。このように、確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。本実施形態では、大当り遊技終了後に確変状態が付与される大当りが確変大当りであり、確変状態が付与されない大当りが非確変大当りとなる。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、変動時間短縮(以下、「時短」と示す)機能を備えている。時短機能は、大当り遊技終了後に大当りの抽選確率(当選確率)を低確率(通常状態)として、時短状態を特典として付与する機能である。また、時短状態が付与されると、大当りの抽選確率は低確率であるが、時短状態が特典として付与されるようになっている。すなわち、開閉羽根28は、時短状態が付与されている場合、通常状態が付与されている状態に比較して、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。そして、時短状態は、予め定めた回数の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。
以下、本実施形態のパチンコ遊技機10に規定する大当り遊技(15ラウンド大当り遊技と2ラウンド大当り遊技)、及び小当り遊技について説明する。
最初に、本実施形態のパチンコ遊技機10に規定する大当り遊技について説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、上始動入賞口26及び下始動入賞口27で入球検知された各始動保留球に基づく大当り抽選に当選した場合、複数種類の大当り(本実施形態では3種類)の中から1つの大当りが決定され、その決定された大当りに基づいた大当り遊技が付与されるようになっている。
具体的には、大当り遊技を構成する規定ラウンド数が15回に設定されているとともに、大当り遊技終了後に確変状態を付与する確変15ラウンド大当り遊技が該当する。確変15ラウンド大当り遊技では、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に確変状態と、その確変状態の終了時まで時短状態を付与するようになっている。また、大当り遊技を構成する規定ラウンド数が15回に設定されているとともに、大当り遊技終了後に確変状態を付与しない非確変15ラウンド大当り遊技が該当する。非確変15ラウンド大当り遊技では、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後には確変状態を付与せずに、時短状態のみを付与するようになっている。それに加えて、大当り遊技を構成する規定ラウンド数が2回に設定されているとともに、大当り遊技終了後に確変状態を付与する確変2ラウンド大当り遊技が該当する。確変2ラウンド大当り遊技では、大当り抽選の当選時における遊技状態に応じて、大当り遊技終了後に確変状態とその確変状態の終了時まで時短状態を付与する場合と、大当り遊技終了後に確変状態のみを付与する場合とがある。そして、何れの大当りを付与するかは、大当り抽選に当選した際に決定する特別図柄(大当り図柄)の種類に応じて決定されるようになっている。なお、各大当り遊技では、各ラウンド遊技において大入賞口30を「1回」開放させるように設定されているとともに、1回のラウンド遊技の入球上限個数(カウント数)が「9球」に設定されている。
次に、本実施形態のパチンコ遊技機10に規定する小当り遊技について説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、前記大当り抽選にはずれた場合に行われる大当り抽選とは異なる小当り抽選に当選した場合、小当りが決定され、その決定された小当りに基づいた小当り遊技が付与されるようになっている。小当り遊技は、規定ラウンド数が「1回」に設定されているとともに、1回のラウンド遊技の入球上限個数(カウント数)が「9球」に設定されている。また、小当り遊技の1回のラウンド遊技では、大入賞口30を「2回」開放させるように設定されている。すなわち、本実施形態では、小当り遊技の1回のラウンド遊技において、確変2ラウンド大当り遊技に設定したラウンド回数と同一回数分、大入賞口30を開放させるようになっている。
また、小当り遊技では、当該小当り遊技終了後の遊技状態を、小当り抽選の当選時における遊技状態で継続させるようになっている。すなわち、小当り遊技では、小当り抽選の当選時の遊技状態が確変状態であれば小当り遊技終了後の遊技状態を確変状態に継続させるとともに、小当り抽選の当選時の遊技状態が時短状態であれば小当り遊技終了後の遊技状態を時短状態に継続させる。また、小当り遊技では、小当り抽選の当選時の遊技状態が非確変状態であれば小当り遊技終了後の遊技状態を非確変状態に継続させるとともに、小当り抽選の当選時の遊技状態が非時短状態であれば小当り遊技終了後の遊技状態を非時短状態に継続させる。
本実施形態では、確変2ラウンド大当り遊技を付与する図柄変動ゲームの変動停止から確変2ラウンド大当り遊技を経て次の図柄変動ゲームが開始する迄の時間と、小当り遊技を付与する図柄変動ゲームの変動停止から小当り遊技を経て次の図柄変動ゲームが開始する迄の時間が、同一時間に設定されている。したがって、本実施形態において、確変2ラウンド大当り遊技、小当り遊技が終了するまでは、大入賞口30の開閉動作態様や時間からその差異を遊技者が判別不能となっている。すなわち、遊技者は、確変2ラウンド大当り遊技及び小当り遊技の何れが付与されたのかを大入賞口30の開閉動作や時間からは判別し得ない。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、1回の図柄変動ゲームにおいて、図柄の変動開始から図柄の変動停止までを1回とする変動演出としての変動サイクルを複数回、連続して実行可能な連続予告演出(擬似連続予告(擬似連))を実行可能に構成されている。なお、連続予告演出は、特別図柄表示装置H1と演出表示装置H2で行われる1回の図柄変動ゲームにおいて、演出表示装置H2のみで演出として表現される。1回の図柄変動ゲームは、図柄(特別図柄と飾り図柄)の変動開始によって開始し、図柄の変動が停止した後に図柄が確定停止表示されることによって終了する。この1回の図柄変動ゲームは、1球の始動保留球に対応して実行されるものである。すなわち、連続予告演出を伴う1回の図柄変動ゲームは、内部制御において1回の図柄変動ゲームを、恰も複数回の図柄変動ゲームが連続して行われているかのように擬似的に演出表現してなされるものである。そして、本実施形態の連続予告演出を伴う1回の図柄変動ゲームは、当該ゲームを構成する変動サイクルの実行回数(本実施形態では1回〜4回の範囲)によって大当り表示結果(大当り図柄)が表示されるか否かの可能性(大当り信頼度)が変化するように構成されている。すなわち、本実施形態のパチンコ遊技機10は、大当り抽選に当選した場合には大当り抽選に当選していない場合に比して変動サイクルの実行回数が多い連続予告演出を伴って図柄変動ゲームが行われ易くなっている。つまり、連続予告演出の実行回数が多くなるほど大当り信頼度が上昇するようになっている。
図柄の変動とは、特別図柄表示装置H1及び演出表示装置H2における表示図柄の種類を変化させながら図柄又は図柄列が動作している状態を示す。例えば、演出表示装置H2における図柄の変動は、画像表示部GHにおいて図柄列が予め定めた表示順序にしたがって図柄をスクロール表示させるように動作している状態を示す。スクロール表示には、全ての図柄列が画像表示部GHを上下方向に横切る縦スクロール表示と、全ての図柄列が画像表示部GHを左右方向に横切る横スクロール表示がある。また、図柄の変動停止とは、特別図柄表示装置H1及び演出表示装置H2において図柄が停止して表示されている状態を示す。そして、演出表示装置H2における図柄の停止には、一旦停止状態での表示(一旦停止表示)と確定停止状態での表示(確定停止表示)がある。一方、特別図柄表示装置H1における図柄の停止には、確定停止状態での表示(確定停止表示)のみがある。
図3は、連続予告演出を伴わない図柄変動ゲームの態様と連続予告演出を伴う図柄変動ゲームの態様を模式的に示す。図3に示すように、図柄変動ゲームの終了時の保留記憶数が「4」の状態において、次の図柄変動ゲームが連続予告演出を伴わない場合には、当該ゲームの開始時に保留記憶数が1減算されて「3」となり、画像表示部GHにおいて各列の図柄の変動が開始する。なお、図3では、図柄の変動が開始することを「始動」と示している。そして、開始した図柄変動ゲームは、各列の図柄の変動が停止し、変動開始から所定時間が経過することにより図柄が確定停止表示されて終了する。すなわち、連続予告演出を伴わない図柄変動ゲームは、1回の変動サイクルのみで構成されているとも言える。
次に、図柄変動ゲームの終了時の保留記憶数が「3」の状態において、次の図柄変動ゲームが連続予告演出を伴う場合には、当該ゲームの開始時に保留記憶数が1減算されて「2」となり、画像表示部GHにおいて各列の図柄の変動が開始する。図3には、連続予告演出を伴う図柄変動ゲームとして、3回の変動サイクルで構成した図柄変動ゲームを示している。そして、開始した図柄変動ゲームは、各列の図柄の変動が停止して図柄が一旦停止表示され、その状態から2回目の変動サイクルの開始に伴って図柄が再び変動を開始する。そして、2回目の変動サイクルにおいて各列の図柄の変動が停止して図柄が一旦停止表示され、その状態から3回目の変動サイクルの開始に伴って図柄が再び変動を開始する。その後、3回目の変動サイクルでは、左列と右列の図柄が同一図柄となって一旦停止表示されることによりリーチが形成され、リーチ演出が行われる。そして、図柄変動ゲームは、リーチ演出により中列の図柄が導出されることにより各列の図柄の変動が停止した後、図柄が確定停止表示されて終了する。この図柄変動ゲームが行われている間、保留記憶数は、始動入賞口に新たな入球が無い場合、図柄変動ゲームの開始時の「2」を維持し、変動サイクルの開始に伴って保留記憶数が減算されるようには変化しない。なお、始動入賞口に新たな入球があった場合には、保留記憶数が1加算されて増加する。このような連続予告演出を伴う図柄変動ゲームでは、3回目の変動サイクル、すなわち最終回の変動サイクルにて最終的な表示結果(大当り図柄又ははずれ図柄)が導出され、最終回の変動サイクルよりも前の全ての回の変動サイクルにてはずれ図柄が導出される。
次に、図柄変動ゲームの終了時の保留記憶数が「2」の状態において、次の図柄変動ゲームが連続予告演出を伴わない場合には、当該ゲームの開始時に保留記憶数が1減算されて「1」となり、画像表示部GHにおいて各列の図柄の変動が開始する。そして、開始した図柄変動ゲームは、各列の図柄の変動が停止し、変動開始から所定時間が経過することにより図柄が確定停止表示されて終了する。
次に、パチンコ遊技機10の電気的構成について図4にしたがって説明する。
パチンコ遊技機10の機裏側には、パチンコ遊技機10全体を制御する主制御基板35が装着されている。主制御基板35は、パチンコ遊技機10全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御指令としての制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、サブ統括制御基板36と、表示制御基板37と、音声・ランプ制御基板38が装着されている。
サブ統括制御基板36は、主制御基板35が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、表示制御基板37、音声・ランプ制御基板38を統括的に制御する。表示制御基板37は、主制御基板35とサブ統括制御基板36が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示装置H2の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)を制御する。また、音声・ランプ制御基板38は主制御基板35とサブ統括制御基板36が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、各種ランプ(装飾ランプ16)の発光態様(点灯(点滅)/消灯のタイミングなど)、及びスピーカ17の音声出力態様(音声出力のタイミングなど)を制御する。
以下、主制御基板35、サブ統括制御基板36、表示制御基板37について、その具体的な構成を説明する。
主制御基板35には、制御動作を所定の手順で実行することができる主制御用CPU35aと、主制御用CPU35aのメイン制御プログラムを格納する主制御用ROM35bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM35cが設けられている。主制御用CPU35aには、主制御用ROM35bと主制御用RAM35cが接続されている。
また、主制御用CPU35aには、上始動入賞口26に入球した遊技球を検知する始動口センサSW1と、下始動入賞口27に入球した遊技球を検知する始動口センサSW2と、普通図柄作動ゲート31を通過した遊技球を検知するゲートセンサSW3が接続されている。また、主制御用CPU35aには、特別図柄表示装置H1と、普通図柄表示装置H3と、特別図柄保留記憶表示装置24と、普通図柄保留記憶表示装置25が接続されている。そして、主制御用CPU35aは、特別図柄用の当り判定用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を主制御用RAM35cの設定領域に記憶(設定)することで更新前の値を書き換えており、乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。特別図柄用の当り判定用乱数は、大当りとするか否かの大当り抽選(大当り判定)で用いる乱数であるとともに、大当り抽選に当選しなかった場合に小当りとするか否かの小当り抽選(小当り判定)で用いる乱数である。また、主制御用CPU35aは、時間を計測するタイマを更新する。主制御用RAM35cには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
主制御用ROM35bには、メイン制御プログラムに加え、複数種類の変動パターンと各種判定値(大当り判定値、小当り判定値など)が記憶されている。変動パターンは、図柄(特別図柄及び飾り図柄)が変動を開始(図柄変動ゲームが開始)してから図柄が確定停止表示(図柄変動ゲームが終了)される迄の間の遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンを示すものである。変動パターンには、該変動パターン毎に、図柄変動ゲームの開始から終了までの変動時間が定められている。また、変動パターンは、大当り演出、はずれリーチ演出、及びはずれ演出からなる演出内容毎に分類されている。大当り演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て最終的に大当り図柄を確定停止表示させるように展開される演出である。はずれリーチ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるように展開される演出である。はずれ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経ることなく最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるように展開される演出である。
大当り判定値は、大当り抽選で用いる判定値であり、特別図柄用の当り判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。さらに、大当り判定値は、遊技状態が非確変状態(低確率抽選状態)の時の大当り抽選で用いる低確率用の大当り判定値と、遊技状態が確変状態(高確率抽選状態)の時の大当り抽選で用いる高確率用の大当り判定値とがあり、確変状態時の大当り判定値の数は、非確変状態時の大当り判定値の数よりも多く設定されている。一方、小当り判定値は、小当り抽選で用いる判定値であり、特別図柄用の当り判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。
図5は、本実施形態のパチンコ遊技機10において主制御用ROM35bに記憶される変動パターンを示す。
変動パターンP1は、1回の変動サイクルからなる図柄変動ゲームにおいて1回の連続予告演出を実行可能であるとともに、リーチ状態を形成せずにはずれ図柄を導出し、図柄変動ゲームを終了させるパターンとされている。リーチ状態は、第1停止列(本実施形態では上列R1)と第2停止列(本実施形態では下列R3)に同一図柄を導出して形成されるものであって、リーチ演出において第3停止列(本実施形態では中列R2)の図柄を導出させる。そして、変動パターンP1は、最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるはずれ演出用の変動パターンである。
本実施形態では、変動パターンP1が選択されると、連続予告演出(1回)の実行可否が抽選で決定され、実行可の場合には連続予告演出が実行されるとともに、実行否の場合には連続予告演出が実行されないようになっている。すなわち、変動パターンP1において、連続予告演出の実行否が決定された場合、当該変動パターンP1に基づく図柄変動ゲームは連続予告演出を伴わずにはずれ図柄を導出して終了する。連続予告演出の実行可否は、後述するサブ統括制御基板36の統括制御用CPU36aによって決定される。なお、連続予告演出は、変動サイクルにおいて、第1停止列の変動が停止する前(第1停止列に図柄が導出される前)に実行される。
変動パターンP2,P3は、1回の変動サイクルからなる図柄変動ゲームにおいて1回の連続予告演出を実行可能であるとともに、リーチ状態を形成してリーチ演出を行うパターンとされている。そして、変動パターンP2は、最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるはずれリーチ演出用の変動パターンであり、変動パターンP3は、最終的に大当り図柄を確定停止表示させる大当り演出用の変動パターンである。
本実施形態では、変動パターンP2,P3が選択されると、連続予告演出(1回)の実行可否が抽選で決定され、実行可の場合には連続予告演出が実行されるとともに、実行否の場合には連続予告演出が実行されないようになっている。すなわち、変動パターンP2,P3において、連続予告演出の実行否が決定された場合、当該変動パターンP2,P3に基づく図柄変動ゲームは連続予告演出を伴わずにリーチを形成し、リーチ演出が行われる。連続予告演出の実行可否は、後述するサブ統括制御基板36の統括制御用CPU36aによって決定される。なお、連続予告演出は、変動サイクルにおいて、第1停止列の変動が停止する前(第1停止列に図柄が導出される前)に実行される。以下の説明では、説明の便宜上、「変動パターンP2」と「変動パターンP3」を纏めて「変動パターンPA」と示す場合もある。
変動パターンP4,P5は、1回の変動サイクルからなる図柄変動ゲームにおいて1回の連続予告演出を実行可能であるとともに、リーチ状態を形成することなく、前述のはずれ図柄の中から予め定めた特定のはずれ図柄(チャンス目)が導出されることによってリーチ演出に発展させるパターンとされている。そして、変動パターンP4は、最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるはずれリーチ演出用の変動パターンであり、変動パターンP5は、最終的に大当り図柄を確定停止表示させる大当り演出用の変動パターンである。
本実施形態では、変動パターンP4,P5が選択されると、連続予告演出(1回)の実行可否が抽選で決定され、実行可の場合には連続予告演出が実行されるとともに、実行否の場合には連続予告演出が実行されないようになっている。すなわち、変動パターンP4,P5において、連続予告演出の実行否が決定された場合、当該変動パターンP4,P5に基づく図柄変動ゲームは連続予告演出を伴わずにチャンス目を経由してリーチ演出が行われる。一方、変動パターンP4,P5において、連続予告演出の実行が決定された場合、当該変動パターンP4,P5に基づく図柄変動ゲームは1回の連続予告演出を実行し、リーチ状態を形成することなく、はずれ図柄の中から前述の特定のはずれ図柄(チャンス目)が導出されることによってリーチ演出が行われる。なお、連続予告演出は、変動サイクルにおいて、第1停止列の変動が停止する前(第1停止列に図柄が導出される前)に実行される。以下の説明では、説明の便宜上、「変動パターンP4」と「変動パターンP5」を纏めて「変動パターンPB」と示す場合もある。本実施形態では、変動パターンP4,P5に基づき実行される図柄変動ゲームの演出態様(1回の変動サイクルにおける演出態様)が、連続予告演出を伴う変動演出の演出態様としての第2態様となる。
変動パターンP6,P7は、2回の変動サイクルからなる図柄変動ゲームにおいて2回の連続予告演出を実行し、2回目の変動サイクルにおいてリーチ状態を形成してリーチ演出を行うパターンとされている。変動パターンP6,P7に基づく図柄変動ゲームでは、1回目の変動サイクルにおいてはずれ図柄が導出される。そして、変動パターンP6は、最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるはずれリーチ演出用の変動パターンであり、変動パターンP7は、最終的に大当り図柄を確定停止表示させる大当り演出用の変動パターンである。
本実施形態では、変動パターンP6,P7が選択されると、必ず連続予告演出(2回)が実行されるようになっている。なお、連続予告演出は、各変動サイクルにおいて、第1停止列の変動が停止する前(第1停止列に図柄が導出される前)に実行される。以下の説明では、説明の便宜上、「変動パターンP6」と「変動パターンP7」を纏めて「変動パターンPC」と示す場合もある。本実施形態では、変動パターンP6,P7に基づき実行される図柄変動ゲームの演出態様(2回目の変動サイクルにおける演出態様)が、連続予告演出を伴う変動演出の演出態様としての第1態様となる。
変動パターンP8,P9は、3回の変動サイクルからなる図柄変動ゲームにおいて3回の連続予告演出を実行し、3回目の変動サイクルにおいてリーチ状態を形成してリーチ演出を行うパターンとされている。変動パターンP8,P9に基づく図柄変動ゲームでは、1回目及び2回目の各変動サイクルにおいてはずれ図柄が導出される。そして、変動パターンP8は、最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるはずれリーチ演出用の変動パターンであり、変動パターンP9は、最終的に大当り図柄を確定停止表示させる大当り演出用の変動パターンである。
本実施形態では、変動パターンP8,P9が選択されると、必ず連続予告演出(3回)が実行されるようになっている。なお、連続予告演出は、各変動サイクルにおいて、第1停止列の変動が停止する前(第1停止列に図柄が導出される前)に実行される。以下の説明では、説明の便宜上、「変動パターンP8」と「変動パターンP9」を纏めて「変動パターンPD」と示す場合もある。
変動パターンP10は、4回の変動サイクルからなる図柄変動ゲームにおいて4回の連続予告演出を実行し、4回目の変動サイクルにおいてリーチ状態を形成してリーチ演出を行うパターンとされている。変動パターンP10に基づく図柄変動ゲームでは、1回目、2回目及び3回目の各変動サイクルにおいてはずれ図柄が導出される。そして、変動パターンP10は、最終的に大当り図柄を確定停止表示させる大当り演出用の変動パターンである。本実施形態では、変動パターンP10が選択されると、必ず連続予告演出(4回)が実行されるようになっている。なお、連続予告演出は、各変動サイクルにおいて、第1停止列の変動が停止する前(第1停止列に図柄が導出される前)に実行される。
本実施形態において連続予告演出は、当該連続予告演出を伴う変動サイクルにおいてはずれ図柄が導出されることにより、連続予告演出を伴う変動サイクルが継続する可能性がある。すなわち、はずれ図柄が導出されることが、連続予告演出が継続する契機となっている。また、本実施形態において連続予告演出は、当該連続予告演出を伴う変動サイクルにおいてリーチ状態が形成されてリーチ演出に移行することにより、終了する。すなわち、リーチ状態が形成されることが、連続予告演出の終了の契機となっている。
変動パターンPAでは、連続予告演出が実行された1回の変動サイクルにおいてリーチ状態が形成されることにより連続予告演出が終了している。また、変動パターンPC,PD,P10では、連続予告演出が実行された変動サイクルにおいてはずれ図柄が導出されることによって連続予告演出が継続して実行され、リーチ状態が形成されることによって連続予告演出が終了している。なお、変動パターンP1の場合は、連続予告演出が実行されてはずれ図柄が導出されても連続予告演出が継続することなく、またリーチ状態も形成されずに図柄変動ゲームが終了するパターン(ガセパターン)となっている。
そして、本実施形態においては、変動パターンP1(1回の連続予告演出(ガセパターン))<変動パターンPA(1回の連続予告演出)<変動パターンPC(2回の連続予告演出)<変動パターンPD(3回の連続予告演出)<変動パターンP10(4回の連続予告演出)の順に、大当り信頼度を高く設定している。すなわち、1回の図柄変動ゲーム中に実行可能な連続予告演出の実行回数が多いほど、大当り信頼度を高く設定している。大当り信頼度は、図柄変動ゲームが大当りとなる可能性の大小を示すものである。そして、大当り信頼度は、はずれの場合に出現する割合と大当りの場合に出現する割合を合算したトータルの出現割合に対して、大当りの場合に出現する割合を増加させることによって高めることができる。
なお、本実施形態において、変動パターンP10に基づく演出(4回の連続予告演出)は、大当りの場合のみ出現するようになっている。すなわち、変動パターンP10に基づく演出は、大当りが確定する確定演出となる。その一方で、変動パターンP1に基づく演出(1回の連続予告演出)、変動パターンPAに基づく演出(1回の連続予告演出)、変動パターンPCに基づく演出(2回の連続予告演出)、及び変動パターンPDに基づく演出(3回の連続予告演出)は、何れもはずれの場合と大当りの場合にそれぞれ出現可能とされている。そして、本実施形態では、変動パターンP1,PA,PC,PDに基づく演出について、連続予告演出の実行回数が多い順に大当り信頼度を上昇させる設定(大当りの場合の出現割合を増加させる、又ははずれの場合の出現割合を減少させる)がなされている。
また、本実施形態では、変動パターンP1のように連続予告演出が実行された1回の変動サイクルにおいてはずれ図柄が導出されても連続予告演出が継続せず、またリーチ状態も形成されないが、チャンス目が導出されることを契機にリーチ演出へ発展させる変動パターンPBが設けられている。そして、本実施形態において、変動パターンPBに基づく演出(1回の連続予告演出+チャンス目)の大当り信頼度は、連続予告演出の実行回数が1回多く設定されている変動パターンPCに基づく演出(2回の連続予告演出)の大当り信頼度よりも高く設定されている。一方、変動パターンPBに基づく演出の大当り信頼度は、連続予告演出の実行回数が2回多く設定されている変動パターンPDに基づく演出(3回の連続予告演出)の大当り信頼度よりも低く設定されている。なお、変動パターンPBに基づく演出(1回の連続予告演出+チャンス目)は、はずれの場合と大当りの場合にそれぞれ出現可能とされている。
また、本実施形態において、変動パターンP1,PA,PB,PC,PD,P10に基づく演出は、これらの演出を経て生起される当り遊技(大当り遊技と小当り遊技)の種類と関連付けられている。
本実施形態では、当り遊技として、確変15ラウンド大当り遊技と、確変2ラウンド大当り遊技と、非確変15ラウンド大当り遊技と、小当り遊技の4種類が設定されている。そして、これらの当り遊技は、小当り遊技<非確変15ラウンド大当り遊技<確変2ラウンド大当り遊技<確変15ラウンド大当り遊技の順に、遊技者が獲得し得る利益が大きくなっている。なお、確変2ラウンド大当り遊技は、大当り遊技終了後に確変状態が付与されて大当りが生起され易くなるため、確変状態を継続させれば複数回の大当り遊技を連続して得られるチャンス(連チャンのチャンス)がある。また、確変状態が継続しない場合でも、非確変15ラウンド大当り遊技が付与された場合は、確変状態を経ずに非確変状態中に非確変15ラウンド大当り遊技に当選した場合と同数の賞球を獲得することができる。したがって、トータル的に考えると確変2ラウンド大当り遊技は非確変15ラウンド大当り遊技と比べて、賞球獲得数において利益が大きくなる可能性が高い。
本実施形態において、変動パターンP1は、内部抽選で、はずれ演出の実行を決定した場合に加えて、小当り遊技及び確変2ラウンド大当り遊技に当選した場合にも選択されるようになっている。また、変動パターンP2,P4は、内部抽選で、はずれリーチ演出の実行を決定した場合に加えて、小当り遊技及び確変2ラウンド大当り遊技に当選した場合にも選択されるようになっている。さらに、変動パターンP3,P5は、内部抽選で、確変15ラウンド大当り遊技及び非確変15ラウンド大当り遊技に当選した場合に選択されるようになっている。
すなわち、変動パターンP1に基づく演出(1回の連続予告演出)が行われた場合には、図5に示すように、小当り遊技及び確変2ラウンド大当り遊技の2種類の何れかが生起される可能性がある。また、変動パターンPAに基づく演出(1回の連続予告演出)が行われた場合には、図5に示すように、確変15ラウンド大当り遊技、確変2ラウンド大当り遊技、非確変15ラウンド大当り遊技、及び小当り遊技の4種類の何れかが生起される可能性がある。同様に、変動パターンPBに基づく演出(1回の連続予告演出+チャンス目)が行われた場合には、図5に示すように、確変15ラウンド大当り遊技、確変2ラウンド大当り遊技、非確変15ラウンド大当り遊技、及び小当り遊技の4種類の何れかが生起される可能性がある。
変動パターンP6は、内部抽選で、はずれリーチ演出の実行を決定した場合に加えて、確変2ラウンド大当り遊技に当選した場合にも選択されるようになっている。また、変動パターンP7は、内部抽選で、確変15ラウンド大当り遊技及び非確変15ラウンド大当り遊技に当選した場合に選択されるようになっている。すなわち、変動パターンPCに基づく演出(2回の連続予告演出)が行われた場合には、図5に示すように、確変15ラウンド大当り遊技、確変2ラウンド大当り遊技、及び非確変15ラウンド大当り遊技の3種類の何れかが生起される可能性がある。
変動パターンP8は、内部抽選で、はずれリーチ演出の実行を決定した場合に加えて、確変2ラウンド大当り遊技に当選した場合にも選択されるようになっている。また、変動パターンP9は、内部抽選で、確変15ラウンド大当り遊技に当選した場合に選択されるようになっている。すなわち、変動パターンPDに基づく演出(3回の連続予告演出)が行われた場合には、図5に示すように、確変15ラウンド大当り遊技、及び確変2ラウンド大当り遊技の2種類の何れかが生起される可能性がある。
変動パターンP10は、内部抽選で、確変15ラウンド大当り遊技に当選した場合に選択されるようになっている。すなわち、変動パターンP10に基づく演出(4回の連続予告演出)が行われた場合には、図5に示すように、確変15ラウンド大当り遊技のみが生起される。
このような演出と当り遊技の関連付けによれば、1回の図柄変動ゲーム中に実行可能な連続予告演出の実行回数が多いほど、図柄変動ゲームを経て生起される可能性がある当り遊技の種類が遊技者にとって利益が大きい当り遊技となるように段階的に限定されていることになる。そして、本実施形態においては、前述のように、連続予告演出の実行回数が多いほど、大当り信頼度が高くなっている。このため、連続予告演出が実行されるほど、大当り信頼度の上昇に加えて、生起される可能性がある当り遊技の種類も利益が大きくなり、連続予告演出の実行回数に対する興趣を向上し得る。
また、変動パターンPBに基づく演出(1回の連続予告演出+チャンス目)と変動パターンPCに基づく演出(2回の連続予告演出)を比較した場合、変動パターンPBに基づく演出は、変動パターンPCに基づく演出よりも連続予告演出の実行回数が少なくても大当り信頼度は高くなる。換言すれば、変動パターンPCに基づく演出は、変動パターンPBに基づく演出よりも連続予告演出の実行回数が多くても大当り信頼度は低くなる。その一方で、変動パターンPBに基づく演出は、変動パターンPCに基づく演出よりも連続予告演出の実行回数が少ないことから、当該演出を経て生起される可能性がある当り遊技の種類が多くなり、遊技者にとって利益の小さい当り遊技(小当り遊技)が生起される可能性がある。しかし、変動パターンPCに基づく演出は、当該演出を経て生起される可能性がある当り遊技の種類が、変動パターンPBに基づく演出よりも少なく、しかも遊技者にとって利益が大きい当り遊技に限定されているので、大当り信頼度は低いが、当った時の利益は大きくなる。
次に、図4に基づきサブ統括制御基板36について説明する。
サブ統括制御基板36には、制御動作を所定の手順で実行することができる統括制御用CPU36aと、統括制御用CPU36aの制御プログラムを格納する統括制御用ROM36bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる統括制御用RAM36cが設けられている。統括制御用CPU36aには、統括制御用ROM36bと統括制御用RAM36cが接続されている。そして、統括制御用CPU36aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。
次に、図4に基づき表示制御基板37について説明する。
表示制御基板37には、制御動作を所定の手順で実行することができる表示制御用CPU37aと、表示制御用CPU37aの制御プログラムを格納する表示制御用ROM37bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる表示制御用RAM37cが設けられている。表示制御用CPU37aには、演出表示装置H2が接続されている。また、本実施形態の表示制御用CPU37aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。表示制御用ROM37bには、各種の画像データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。
以下、主制御基板35、サブ統括制御基板36及び表示制御基板37が実行する制御内容を説明する。
最初に、主制御基板35について説明する。
主制御基板35の主制御用CPU35aは、上始動入賞口26又は下始動入賞口27へ遊技球が入球し、該遊技球を検知した始動口センサSW1,SW2が出力する検知信号を入力すると、主制御用RAM35cに記憶されている特別図柄用の保留記憶数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かの保留判定を行う。保留判定の判定結果が肯定(特別図柄用の保留記憶数<4)の場合、主制御用CPU35aは、特別図柄用の保留記憶数を1加算(+1)し、特別図柄用の保留記憶数を書き換える。また、主制御用CPU35aは、特別図柄用の保留記憶数の書き換えに伴って該書き換え後の前記保留記憶数に対応する数の保留ランプを点灯させる。例えば、主制御用CPU35aは、書き換え後の特別図柄用の保留記憶数が「3」の場合、3つの保留ランプを点灯させる。また、主制御用CPU35aは、保留判定を肯定判定している場合、特別図柄用の当り判定用乱数の値を主制御用RAM35cから取得し、その値を特別図柄用の保留記憶数に対応付けて主制御用RAM35cの所定の記憶領域に格納する。なお、主制御用CPU35aは、保留判定の判定結果が否定(保留記憶数=4)の場合、上限数を超える特別図柄用の保留記憶数の書き換えを行わないとともに、特別図柄用の当り判定用乱数の値も取得しない。
そして、主制御用CPU35aは、図柄変動ゲームの開始直前に、主制御用RAM35cの所定の記憶領域に格納した特別図柄用の当り判定用乱数の値を読み出し、該値と主制御用ROM35bに記憶されている大当り判定値とを比較し、大当りか否かの大当り判定を行う。なお、大当り判定において主制御用CPU35aは、遊技状態が通常状態である場合には、低確率用の大当り判定値と特別図柄用の当り判定用乱数の値を比較し、遊技状態が確変状態である場合には、高確率用の大当り判定値と特別図柄用の当り判定用乱数の値を比較する。大当り判定の判定結果が肯定(特別図柄用の当り判定用乱数の値と大当り判定値とが一致)の場合、主制御用CPU35aは、大当りを決定する。大当りを決定した主制御用CPU35aは、特別図柄表示装置H1で行われる図柄変動ゲームで確定停止表示させる特別図柄として大当り図柄を決定する。特別図柄の大当り図柄は、前述したように大当り遊技の種類毎に設定されていることから、大当り図柄を決定することによって遊技者に付与する大当り遊技の種類を決定したことになる。また、大当りを決定した主制御用CPU35aは、特別図柄から特定される大当り遊技の種類をもとに変動パターンを選択し、決定する。
具体的に言えば、主制御用CPU35aは、特別図柄が確変15ラウンド大当り遊技に対応する大当り図柄の場合、確変15ラウンド大当り遊技の当選時に選択可能な変動パターンの中から一つの変動パターンを選択し、決定する。また、主制御用CPU35aは、特別図柄が非確変15ラウンド大当り遊技に対応する大当り図柄の場合、非確変15ラウンド大当り遊技の当選時に選択可能な変動パターンの中から一つの変動パターンを選択し、決定する。また、主制御用CPU35aは、特別図柄が確変2ラウンド大当り遊技に対応する大当り図柄の場合、確変2ラウンド大当り遊技の当選時に選択可能な変動パターンの中から一つの変動パターンを選択し、決定する。
また、主制御用CPU35aは、大当り判定の判定結果が否定(特別図柄用の当り判定用乱数の値と大当り判定値とが不一致)の場合、特別図柄用の当り判定用乱数の値と主制御用ROM35bに記憶されている小当り判定値を比較して、小当りか否かの小当り判定を行う。小当り判定の判定結果が肯定(特別図柄用の当り判定用乱数の値と小当り判定値とが一致)の場合、主制御用CPU35aは、小当りを決定する。小当りを決定した主制御用CPU35aは、特別図柄表示装置H1で行われる図柄変動ゲームで確定停止表示させる特別図柄として小当り図柄を決定する。また、小当りを決定した主制御用CPU35aは、小当り遊技の当選時に選択可能な変動パターンの中から一つの変動パターンを選択し、決定する。
また、主制御用CPU35aは、小当り判定の判定結果が否定(特別図柄の当り判定用乱数の値と小当り判定値とが不一致)の場合、はずれを決定する。そして、主制御用CPU35aは、特別図柄表示装置H1で行われる図柄変動ゲームで確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定する。また、はずれを決定した主制御用CPU35aは、はずれリーチ演出を実行するか否かを決定する。この判定結果が肯定(はずれリーチ演出を実行する)の場合、主制御用CPU35aは、はずれリーチ演出の当選時に選択可能な変動パターンの中から一つの変動パターンを選択し、決定する。一方、前記判定結果が否定(はずれリーチ演出を実行しない)の場合、主制御用CPU35aは、はずれ演出の当選時に選択可能な変動パターンの中から一つの変動パターンを選択し、決定する。
特別図柄及び変動パターンを決定した主制御用CPU35aは、所定の制御コマンドを生成し、その生成した制御コマンドを所定のタイミングでサブ統括制御基板36(統括制御用CPU36a)に出力する。具体的に言えば、変動パターンを決定した主制御用CPU35aは、変動パターンを指示するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを生成し、該変動パターン指定コマンドを図柄変動ゲームの開始に際して最初に出力する。また、特別図柄を決定した主制御用CPU35aは、特別図柄を指示する特別図柄用の停止図柄指定コマンドを生成し、該停止図柄指定コマンドを前記変動パターン指定コマンドの出力後、次に出力する。そして、主制御用CPU35aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に図柄変動ゲームの終了(図柄の確定停止)を指示する図柄停止コマンドを生成し、該図柄停止コマンドを前記変動時間の経過に伴って出力する。
また、主制御用CPU35aは、図柄変動ゲームの開始時に特別図柄用の保留記憶数を1減算(−1)し、特別図柄用の保留記憶数を書き換える。そして、主制御用CPU35aは、特別図柄用の保留記憶数の書き換えに伴って該書き換え後の前記保留記憶数に対応する数の保留ランプを点灯させる。また、主制御用CPU35aは、図柄変動ゲームの開始に伴って特別図柄表示装置H1の表示内容を制御する。すなわち、主制御用CPU35aは、図柄変動ゲームの開始により特別図柄の変動を開始させ、決定した変動パターンに定められている変動時間の経過時に決定した特別図柄(大当り図柄又ははずれ図柄)を確定停止表示させる。
次に、主制御用CPU35aが実行する制御内容として、大当り遊技時及び小当り遊技時の制御内容を説明する。
主制御用CPU35aは、大当り遊技及び小当り遊技の各開始時にオープニングコマンドを出力するとともに、各ラウンド遊技の開始時にラウンドコマンドを出力し、さらに終了時にエンディングコマンドを出力する。オープニングコマンドはオープニングの開始を指示し、ラウンドコマンドはラウンド遊技の開始を指示し、エンディングコマンドはエンディングの開始を指示する。
また、各大当り遊技を終了させた主制御用CPU35aは、大当り遊技終了後に確変状態を付与するか否かの状態移行判定の判定結果に基づき、前記判定結果が肯定の場合には確変状態を付与し、前記判定結果が否定の場合には確変状態を付与しない。本実施形態では、確変15ラウンド大当り遊技及び確変2ラウンド大当り遊技に当選している場合、前記状態移行判定が肯定判定される。そして、主制御用CPU35aは、大当り遊技の終了後、遊技状態を確変状態とする場合には高確率指定コマンドを出力し、時短状態とする場合には時短作動コマンドのみを出力する。つまり、主制御用CPU35aは、特別図柄の種類を決定することによって、大当り判定の判定結果が肯定の場合に大当り遊技からなる特典の種類を決定することになる。一方、小当り遊技の場合、小当り当選時の遊技状態が維持されることから、主制御用CPU35aは、小当り遊技中も小当り当選時の遊技状態で制御し、かつ小当り遊技終了後には遊技状態を指定するコマンドを出力しない。すなわち、主制御用CPU35aは、小当り遊技に当選した場合、確変状態を付与するか否かの状態移行判定を行わない。
次に、サブ統括制御基板36について説明する。
サブ統括制御基板36の統括制御用CPU36aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドを表示制御基板37、音声・ランプ制御基板38に出力する。また、統括制御用CPU36aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドを入力すると、該コマンドを表示制御基板37に出力する。また、統括制御用CPU36aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドを入力すると、該コマンドに対応する特別図柄の停止図柄指定に応じて演出表示装置H2に確定停止表示させる飾り図柄を決定する。また、統括制御用CPU36aは、図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを表示制御基板37、音声・ランプ制御基板38に出力する。同様に、統括制御用CPU36aは、オープニングコマンド、ラウンドコマンド及びエンディングコマンドを入力すると、当該オープニングコマンド、ラウンドコマンド及びエンディングコマンドに対応した演出指示コマンドを表示制御基板37、音声・ランプ制御基板38にそれぞれ出力する。
また、統括制御用CPU36aは、高確率指定コマンドを入力すると、確変状態が付与されたことを示す情報(フラグなど)を統括制御用RAM36cに設定する。また、統括制御用CPU36aは、確変終了コマンドを入力するまでの間、統括制御用RAM36cに前記情報を継続的に設定し、確変状態であることを把握している。
次に、本実施形態における統括制御用CPU36aによる飾り図柄及び飾り図柄の図柄組合せを表示させる有効ラインの決定方法を説明する。
統括制御用CPU36aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドを入力すると、該コマンドに対応する特別図柄の停止図柄指定に応じて演出表示装置H2に確定停止表示させる飾り図柄の種類及び飾り図柄の図柄組合せを表示させる有効ラインを決定する。なお、本実施形態において統括制御用CPU36aは、有効ラインL3(第1列用左図柄表示位置D3、第2列用左図柄表示位置D6、第3列用左図柄表示位置D9)を基準ラインとして該有効ラインL3上に表示させる図柄の種類を決定する。このように有効ラインL3上に表示させる図柄を決定すれば、その他の図柄表示位置に表示される図柄の種類は、各列R1〜R3の図柄の表示順序にしたがって必然的に決定されることになる。例えば、有効ラインL1上に[777]の図柄組合せを表示させる場合には、統括制御用CPU36aは、第1列用左図柄表示位置D3に[8]、第2列用左図柄表示位置D6に[6]、第3列用左図柄表示位置D9に[6]を決定する。また、有効ラインL3上に[777]の図柄組合せを表示させる場合には、統括制御用CPU36aは、第1列用左図柄表示位置D3に[7]、第2列用左図柄表示位置D6に[7]、第3列用左図柄表示位置D9に[7]を決定する。なお、本実施形態では、有効ラインL3を図柄決定用の基準ラインとして図柄を決定しているが、前記基準ラインを他の有効ラインに変更しても良い。
そして、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで指定された停止図柄(特別図柄)が、15ラウンド大当り遊技の付与が決定された場合に選択される大当り図柄の場合、統括制御用CPU36aは、飾り図柄の図柄組み合わせとして大当りを認識し得る図柄組み合わせを決定する。加えて、統括制御用CPU36aは、その図柄組合せを表示させる有効ラインを決定する。
また、統括制御用CPU36aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで指定された停止図柄(特別図柄)が、確変2ラウンド大当り遊技に対応する大当り図柄の場合、飾り図柄の図柄組み合わせとして、はずれ図柄のうち前述した特定の図柄組み合わせ(特定のはずれ図柄)を決定するとともに、その図柄組み合わせを表示させる有効ラインを決定する。また、統括制御用CPU36aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで指定された停止図柄(特別図柄)が、小当り図柄の場合には、確変2ラウンド大当り遊技と同様に、特定の図柄組み合わせ(特定のはずれ図柄)を決定するとともに、その図柄組み合わせを表示させる有効ラインを決定する。具体的には、変動パターンP1が指定された場合は、統括制御用CPU36aは、飾り図柄の図柄組み合わせとして、はずれ図柄のうちリーチ図柄を含まない特定のはずれ図柄の図柄組み合わせを決定する。また、変動パターンP2,P4が指定された場合は、統括制御用CPU36aは、飾り図柄の図柄組み合わせとして、はずれ図柄のうちリーチ図柄を含む特定のはずれ図柄の図柄組み合わせを決定する。
また、統括制御用CPU36aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで指定された停止図柄(特別図柄)が、はずれ図柄の場合、はずれを認識し得る図柄組み合わせを決定するとともに、その図柄組合せを表示させる有効ラインを決定する。なお、リーチ状態を形成させる場合には、統括制御用CPU36aは、上列R1及び下列R3に確定停止表示させる飾り図柄を同一の飾り図柄とする一方で、中列R2に確定停止表示させる飾り図柄を上列R1及び下列R3に確定停止表示させる飾り図柄とは異なる飾り図柄(例えば1つ後ろの数字図柄N[787])として決定する。また、統括制御用CPU36aは、リーチ状態を形成させない場合には、3列の飾り図柄を同一種類とせずに形成した図柄組み合わせ又はブランク図柄Qを含んで構成される図柄組み合わせを決定する。そして、統括制御用CPU36aは、有効ラインL3を図柄決定用の基準ラインとして定めるとともに、該有効ラインL3上に表示させる図柄を指定する内容の飾り図柄用の停止図柄指定コマンドを表示制御基板37に出力する。
なお、本実施形態において、統括制御用CPU36aが決定する飾り図柄は、変動パターンとして連続予告演出が実行可となる変動パターン(P1,PA〜PD,P10)が指定されている場合、最終回の変動サイクルにおいて導出される飾り図柄となる。そして、本実施形態においては、最終回の変動サイクルよりも前に実行される変動サイクルで導出されるはずれ図柄は、表示制御基板37(表示制御用CPU37a)で決定するようになっている。
以下、統括制御用CPU36aが実行する連続予告演出の選択に係る制御内容を説明する。
統括制御用CPU36aは、主制御用CPU35aから変動パターン指定コマンドを入力すると、図6に示す予告演出振分けテーブルにしたがって今回の図柄変動ゲームにおいて実行可能な予告演出の種類を決定する。図6は、統括制御用ROM36bに記憶される予告演出振分けテーブルを模式的に示した図である。なお、図6では、「連続予告演出」を「連続予告」と示し、その他の予告演出を「他の予告」と示す。
予告演出振分けテーブルでは、予告演出の種類毎に予告パターン振分け乱数の値が振分けられており、統括制御用CPU36aは変動パターン指定コマンドを入力すると、指定された変動パターンと予告パターン振分け乱数の値によって、予告演出の種類(連続予告演出及びその他の予告演出の何れか)を決定する。予告パターン振分け乱数は、統括制御用CPU36aが所定の周期毎に更新する乱数であって、更新後の値は統括制御用RAM36cの設定領域に記憶(設定)される。本実施形態では、予告パターン振分け乱数の取り得る数値を0〜99の100通りの整数としている。
変動パターンP1〜P5は、1回の連続予告演出を実行可能なパターンであることから、予告演出の種類である連続予告と他の予告の何れも選択し得るように、予告パターン振分け乱数の値が所定個数ずつ振分けられている。具体的に言えば、変動パターンP1,P2,P4には、連続予告に「40(個)」、他の予告に「60(個)」の値が振分けられているとともに、変動パターンP3,P5には、連続予告に「80(個)」、他の予告に「20(個)」の値が振分けられている。この振分けにより、大当り演出用の変動パターンP3,P5が選択された場合には、はずれ演出用の変動パターンP1及びはずれリーチ演出用の変動パターンP2,P4が選択された場合に比して、連続予告演出が選択され易くなっている。
また、変動パターンP6〜P10は、所定回数(2回、3回、4回)の連続予告演出を実行させるパターンであることから、予告演出の種類として連続予告のみを選択し得るように、予告パターン振分け乱数の値が振分けられている。具体的に言えば、変動パターンP6〜P10には、連続予告に「100(個)」の値が振分けられており、他の予告には値が振分けられていない。
次に、予告演出の種類として連続予告を決定した統括制御用CPU36aは、図7に示す連続予告演出の種類抽選テーブルにしたがって、連続予告演出の演出内容を決定する。本実施形態において連続予告演出の演出内容には、連続予告演出を実行しない(実行否)と、実行する場合(実行可)として、図8(a)に示す雷Kが出現する「落雷予告」と、図8(b)に示す図柄変動ゲームが実行されている表示領域を囲う枠Wが振動する「枠揺れ予告」がある。そして、本実施形態では、連続予告演出が「落雷予告」で実行された場合よりも「枠揺れ予告」で実行された場合の方が、大当り信頼度が高くなるように設定されている。図7は、統括制御用ROM36bに記憶される連続予告演出の演出内容を決定する際に使用する連続予告演出の種類抽選テーブルを模式的に示した図である。なお、図7では、連続予告演出を実行しない場合を「なし」と示し、「枠揺れ予告」を「枠揺れ」、「落雷予告」を「落雷」と示す。
連続予告演出の種類抽選テーブルでは、連続予告演出の演出内容毎に演出内容振分け乱数の値が振分けられており、統括制御用CPU36aは指定された変動パターンと演出内容振分け乱数の値によって、連続予告演出の演出内容を決定する。演出内容振分け乱数は、統括制御用CPU36aが所定の周期毎に更新する乱数であって、更新後の値は統括制御用RAM36cの設定領域に記憶(設定)される。本実施形態では、演出内容振分け乱数の取り得る数値を0〜250の251通りの整数としている。
変動パターンP1〜P3は、1回の連続予告演出を実行可能なパターンであることから、連続予告演出の演出内容である「なし」にも所定個数の演出内容振分け乱数の値が振分けられている。具体的に言えば、変動パターンP1には、「なし」に「159(個)」、「枠揺れ」に「32(個)」、「落雷」に「60(個)」の値が振分けられている。また、変動パターンP2には、「なし」に「161(個)」、「枠揺れ」に「1(個)」、「落雷」に「89(個)」の値が振分けられている。また、変動パターンP3には、「なし」に「15(個)」、「枠揺れ」に「30(個)」、「落雷」に「206(個)」の値が振分けられている。この振分けにより、大当り演出用の変動パターンP3が選択された場合には、はずれ演出用の変動パターンP1及びはずれリーチ演出用の変動パターンP2が選択された場合に比して、連続予告演出を実行することが決定され易くなっている。
また、変動パターンP6〜P10は、所定回数(2回、3回、4回)の連続予告演出を実行させるパターンであることから、連続予告演出の演出内容である「なし」には演出内容振分け乱数の値が振分けられていない。なお、本実施形態では、変動パターンP4,P5は1回の連続予告演出を実行可能なパターンであるが、連続予告演出の演出内容である「なし」には演出内容振分け乱数の値が振分けられていない。そして、変動パターンP4,P5には、「枠揺れ」に「251(個)」の値が振分けられており、「落雷」には値が振分けられていない。つまり、変動パターンP4,P5が選択されている場合、連続予告演出は必ず「枠揺れ」の演出内容で実行されることになる。
また、変動パターンP6には、「枠揺れ」に「1(個)」、「落雷」に「250(個)」の値が振分けられている。また、変動パターンP7,P8には、「枠揺れ」に「50(個)」の値が、「落雷」に「201(個)」の値が振分けられている。また、変動パターンP9には、「枠揺れ」に「60(個)」の値が、「落雷」に「191(個)」の値が振分けられているとともに、変動パターンP10には、「枠揺れ」に「30(個)」の値が、「落雷」に「221(個)」の値が振分けられている。つまり、変動パターンP6〜P10が選択されている場合、連続予告演出は「枠揺れ」及び「落雷」の何れかの演出内容で実行されることになる。
そして、連続予告演出の演出内容を決定した統括制御用CPU36aは、演出内容を指示する連続予告指定コマンドを表示制御基板37、及び音声・ランプ制御基板38に出力する。本実施形態では、9種類の連続予告指定コマンドが用意されている。具体的に言えば、「連続予告演出を実行しない」ことを指示する連続予告指定コマンドと、「枠揺れによる1回の連続予告演出の実行」を指示する連続予告指定コマンドと、「枠揺れによる2回の連続予告演出の実行」を指示する連続予告指定コマンドと、がある。また、「枠揺れによる3回の連続予告演出の実行」を指示する連続予告指定コマンドと、「枠揺れによる4回の連続予告演出の実行」を指示する連続予告指定コマンドと、がある。また、「落雷による1回の連続予告演出の実行」を指示する連続予告指定コマンドと、「落雷による2回の連続予告演出の実行」を指示する連続予告指定コマンドと、がある。また、「落雷による3回の連続予告演出の実行」を指示する連続予告指定コマンドと、「落雷による4回の連続予告演出の実行」を指示する連続予告指定コマンドと、がある。
本実施形態では、主制御用CPU35aが、変動サイクルにおいて予め定めた大当り表示結果を表示するか否かを決定する遊技制御手段となる。また、本実施形態では、変動パターンの決定によって連続予告演出の実行可否と実行回数が一義的に決まる場合(変動パターンP6〜P10)と、抽選によって連続予告演出の実行可否と実行回数が決まる場合(変動パターンP1〜P5)がある。このため、本実施形態では、主制御用CPU35aと統括制御用CPU36aにより、連続予告演出を実行するか否かを決定する遊技制御手段が構成される。
次に、表示制御基板37について説明する。
表示制御基板37の表示制御用CPU37aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドに指示される変動パターンに対応する演出内容を選択し、該演出内容で図柄変動ゲームを実行させるように演出表示装置H2の表示内容を制御する。このとき、表示制御用CPU37aは、選択した演出内容をもとに表示制御用ROM37bの画像データを用いて前記演出内容に沿った画像を表示するための表示用データを生成する。
そして、表示制御用CPU37aは、図柄変動ゲームの開始に伴って該ゲームの開始からの経過時間を計時し、その計時した時間と表示用データをもとに演出表示装置H2に映し出す画像を所定の制御周期毎(例えば、4ms毎)に切り替える。そして、表示制御用CPU37aは、図柄変動ゲーム中に図柄停止コマンドを入力すると、飾り図柄用の停止図柄指定コマンドで指示された図柄を演出表示装置H2に確定停止表示させるように演出表示装置H2の表示内容を制御し、図柄変動ゲームを終了させる。
また、表示制御用CPU37aは、確変15ラウンド大当り遊技又は非確変15ラウンド大当り遊技の付与が決定されている場合、特別図柄用の停止図柄指定コマンドから確変15ラウンド大当り遊技及び非確変15ラウンド大当り遊技のうち何れの大当り遊技の付与が決定されているのかを認識し、その結果を報知する報知演出を実行させる。なお、表示制御用CPU37aは、報知演出を、リーチ演出後であって、大当り遊技が開始される前に実行させる。
また、表示制御用CPU37aは、連続予告演出において最終回の変動サイクルより前の変動サイクルで導出させるはずれ図柄の図柄組み合わせを決定する。なお、変動パターン指定コマンドによって変動パターンP4,P5が指定されている場合には、表示制御用CPU37aは、リーチ演出が行われる前に表示させる図柄組み合わせとして前述のはずれ図柄の中から予め定めた特定のはずれ図柄(チャンス目)の図柄組み合わせを決定する。
また、表示制御用CPU37aは、確変15ラウンド大当り遊技及び非確変15ラウンド大当り遊技が付与されている場合、サブ統括制御基板36が出力する演出指示コマンドをもとに、オープニング演出、各ラウンド演出及びエンディング演出を実行させる。
また、表示制御用CPU37aは、確変2ラウンド大当り遊技及び小当り遊技が付与されている場合、サブ統括制御基板36が出力する演出指示コマンドをもとに、オープニング演出、各ラウンド演出及びエンディング演出を実行させる。このとき、表示制御用CPU37aは、演出内容から確変2ラウンド大当り遊技及び小当り遊技の何れが付与されているか分からないように、同一演出内容で演出を実行させる。これにより、本実施形態のパチンコ遊技機10は、大入賞口30の開放態様に加えて、確変2ラウンド大当り遊技中及び小当り遊技中の演出内容からも何れが付与されているのか認識し得ないようになっている。
また、表示制御用CPU37aは、変動パターン指定コマンドと連続予告指定コマンドにしたがって、所定の実行回数分の変動サイクルからなる連続予告演出を画像表示部GHに表示する。
例えば、表示制御用CPU37aは、変動パターンP6を指定する変動パターン指定コマンドと、連続予告指定コマンドを入力すると、次のように画像表示部GHの表示内容を制御する。すなわち、表示制御用CPU37aは、連続予告指定コマンドから変動サイクルの実行回数を把握するとともに、連続予告演出の変動内容(「枠揺れ」か、「落雷」か)を把握する。
そして、表示制御用CPU37aは、1回目の変動サイクルにおける変動内容を表示用データと計時している時間をもとに画像表示する。また、表示制御用CPU37aは、図柄の変動開始からの経過時間が予め定めた第1変動停止時間に達する迄の間に連続予告指定コマンドで指定される演出内容に基づいて「枠揺れ」又は「落雷」のいずれかで1回目の連続予告演出を実行させるように画像表示部GHの表示内容を制御する。そして、表示制御用CPU37aは、経過時間が第1変動停止時間に達すると第1停止列(上列R1)の変動を停止させて図柄を導出する。また、表示制御用CPU37aは、経過時間が予め定めた第2変動停止時間に達すると第2停止列(下列R3)の変動を停止させて図柄を導出するとともに、予め定めた第3変動停止時間に達すると第3停止列(中列R2)の変動を停止させて図柄を導出し、1回目の変動サイクルを終了させる。1回目の変動サイクルの終了時、表示制御用CPU37aは、自身で決定したはずれ図柄を導出し、そのはずれ図柄を一旦停止表示させる。
続いて、表示制御用CPU37aは、2回目の変動サイクルにおける変動内容を、表示用データと計時している時間をもとに画像表示する。なお、変動パターンP6では、最終回の変動サイクルでリーチを形成した後、リーチ演出に発展して図柄組み合わせが導出される。そのため、表示制御用CPU37aは、図柄の変動開始からの経過時間が第1変動停止時間に達する迄の間に連続予告指定コマンドで指定される演出内容に基づいて「枠揺れ」又は「落雷」のいずれかで2回目の連続予告演出を実行させるように画像表示部GHの表示内容を制御する。そして、表示制御用CPU37aは、図柄の変動開始からの経過時間が第1変動停止時間に達すると第1停止列(上列R1)の変動を停止させて図柄を導出し、経過時間が第2変動停止時間に達すると第2停止列(下列R3)の変動を停止させて図柄を導出する。このとき、表示制御用CPU37aは、統括制御用CPU36aが出力した飾り図柄用の停止図柄指定コマンドで指示された図柄を、上列R1と下列R3に導出し、リーチを形成する。
続いて、表示制御用CPU37aは、第3停止列の図柄を導出するためのリーチ演出を表示データと計時している時間にしたがって画像表示する。そして、表示制御用CPU37aは、リーチ演出の開始後、所定時間の経過後に第3停止列の変動を停止させて図柄を導出する。前述したように、表示制御用CPU37aは、はずれ演出用の変動パターンP6が指定されているので、中列R2の変動を停止させて、上列R1と下列R3に導出した図柄と異なる図柄を導出し、はずれ図柄を一旦停止表示する。その後、表示制御用CPU37aは、図柄停止コマンドの入力により、演出表示装置H2に一旦停止表示されているはずれ図柄を確定停止表示させて図柄変動ゲームを終了させる。
本実施形態では、表示制御用CPU37aが、遊技制御手段が決定した変動サイクル及び連続予告演出を演出表示装置H2に実行させる演出制御手段となる。
以下、表示制御用CPU37aが実行する表示制御により演出表示装置H2に画像表示される連続予告演出の演出態様を図9〜図11にしたがって説明する。なお、図9〜図11では、連続予告演出のことを「擬似連」と示している。
図9(a)〜(c)は、変動パターンPAに基づいて連続予告演出が1回実行された場合の演出表示装置H2に画像表示される演出態様を示している。なお、図9(a)〜(c)では、連続予告演出が「落雷」という演出内容で実行されることを前提として説明する。
演出表示装置H2では、図柄変動ゲームが開始すると各列R1〜R3の変動が開始される(図9(a))。そして、図柄の変動開始からの経過時間が第1変動停止時間に達する迄の間に連続予告指定コマンドで指定される演出内容に基づいて、1回目の連続予告演出が「落雷」という演出内容で実行される(図9(b))。その後、図柄の変動開始からの経過時間が第1変動停止時間に達すると上列R1の変動が停止して図柄が導出されるとともに、経過時間が第2変動停止時間に達すると下列R3の変動が停止して図柄が導出される(図9(c))。このとき、表示制御用CPU37aは、統括制御用CPU36aが出力した飾り図柄用の停止図柄指定コマンドで指定された図柄を、上列R1と下列R3に導出し、リーチを形成させる(本実施形態では、3↓3)。これにより、遊技者は、連続予告演出が終了したことを認識するとともに、当りとなる場合には確変15ラウンド大当り遊技、確変2ラウンド大当り遊技、非確変15ラウンド大当り遊技、及び小当り遊技の何れかが付与されることを認識する。
そして、リーチ演出が行われ、所定時間の経過後に中列R2の変動が停止して図柄が導出される。このとき、大当り演出用の変動パターンP3が指定されている場合、中列R2に導出される図柄は、上列R1と下列R3に導出された図柄と同一図柄となり、大当り図柄が一旦停止表示される。一方、はずれリーチ演出用の変動パターンP2が指定されている場合、中列R2に導出される図柄は、上列R1と下列R3に導出された図柄とは異なる図柄となり、はずれ図柄が一旦停止表示される。その後、図柄停止コマンドを入力すると、演出表示装置H2に一旦停止表示されている大当り図柄又ははずれ図柄は確定停止表示されて図柄変動ゲームが終了する。そして、変動パターンP3が指定されている場合、確変15ラウンド大当り遊技、及び非確変15ラウンド大当り遊技の何れかが生起される。一方、確変2ラウンド大当り遊技及び小当り遊技の何れかの当選によって変動パターンP2が指定されている場合、確変2ラウンド大当り遊技及び小当り遊技の何れかが生起される。
図10(a)〜(f)は、変動パターンPCに基づいて連続予告演出が2回実行された場合の演出表示装置H2に画像表示される演出態様を示している。なお、図10(a)〜(f)では、連続予告演出が「落雷」という演出内容で実行されることを前提として説明する。
演出表示装置H2では、図柄変動ゲームが開始すると各列R1〜R3の変動が開始される(図10(a))。そして、図柄の変動開始からの経過時間が第1変動停止時間に達する迄の間に連続予告指定コマンドで指定される演出内容に基づいて、1回目の連続予告演出が「落雷」という演出内容で実行される(図10(b))。その後、図柄の変動開始からの経過時間が第1変動停止時間に達すると上列R1の変動が停止して図柄が導出されるとともに、経過時間が第2変動停止時間に達すると下列R3の変動が停止して図柄が導出され、さらに、経過時間が第3変動停止時間に達すると中列R2の変動が停止して図柄が導出され、1回目の変動サイクルが終了する(図10(c))。なお、1回目の変動サイクルの終了時には、表示制御用CPU37aが決定したはずれ図柄が一旦停止表示される(この例では「351」)。この時点において、遊技者は、はずれ図柄が導出されたことによって連続予告演出が継続するか否かに注目する。
その後、1回目の変動サイクルと同様に、2回目の変動サイクルにおいて各列R1〜R3の変動が再び開始され(図10(d))、図柄の変動開始からの経過時間が第1変動停止時間に達する迄の間に連続予告指定コマンドで指定される演出内容に基づいて、2回目の連続予告演出が「落雷」という演出内容で実行される(図10(e))。その後、図柄の変動開始からの経過時間が第1変動停止時間に達すると上列R1の変動が停止されて図柄が導出され、経過時間が第2変動停止時間に達すると下列R3の変動が停止されて図柄が導出され、上列R1と下列R3でリーチが形成される(図10(f))。これにより、遊技者は、連続予告演出が終了したことを認識するとともに、当りとなる場合には確変15ラウンド大当り遊技、確変2ラウンド大当り遊技、及び非確変15ラウンド大当り遊技の何れかが付与されることを認識する。
そして、リーチ演出が行われ、所定時間の経過後に中列R2の変動が停止して図柄が導出される。このとき、大当り演出用の変動パターンP7が指定されている場合、中列R2に導出される図柄は、上列R1と下列R3に導出された図柄と同一図柄となり、大当り図柄が一旦停止表示される。一方、はずれリーチ演出用の変動パターンP6が指定されている場合、中列R2に導出される図柄は、上列R1と下列R3に導出された図柄とは異なる図柄となり、はずれ図柄が一旦停止表示される。その後、図柄停止コマンドを入力すると、演出表示装置H2に一旦停止表示されている大当り図柄又ははずれ図柄は確定停止表示されて図柄変動ゲームが終了する。そして、変動パターンP7が指定されている場合、確変15ラウンド大当り遊技、及び非確変15ラウンド大当り遊技の何れかが生起される。一方、確変2ラウンド大当り遊技の当選によって変動パターンP6が指定されている場合、確変2ラウンド大当り遊技が生起される。
図11(a)〜(h)は、変動パターンP5に基づいて連続予告演出が1回実行され、かつチャンス目を経由してリーチ演出が行われる場合の演出表示装置H2に画像表示される演出態様を示している。
演出表示装置H2では、図柄変動ゲームが開始すると各列R1〜R3の変動が開始される(図11(a))。そして、図柄の変動開始からの経過時間が第1変動停止時間に達する迄の間に連続予告指定コマンドで指定される演出内容に基づいて、1回目の連続予告演出が「枠揺れ」という演出内容で実行される(図11(b))。その後、図柄の変動開始からの経過時間が第1変動停止時間に達すると上列R1の変動が停止して図柄が導出されるとともに、経過時間が第2変動停止時間に達すると下列R3の変動が停止して図柄が導出され、さらに、経過時間が第3変動停止時間に達すると中列R2の変動が停止して図柄が導出され、1回目の変動サイクルが終了する(図11(c))。なお、1回目の変動サイクルの終了時には、表示制御用CPU37aが決定した所定のはずれ図柄(チャンス目)が一旦停止表示される(この例では「123」)。この時点において、遊技者は、はずれ図柄が導出されたことによって連続予告演出が継続するか否かに注目する。しかし、変動パターンP5に基づく演出は、チャンス目を経由してリーチ演出へ発展するようになっている。
このため、画像表示部GHに表示されていた「123」で示すチャンス目の図柄組合せが表示画面上から消去され、代わりに「××杯」というレースが開始されることを示す、つまり、リーチ演出へ発展したことを示す画像が表示される(図11(d))。そして、演出表示装置H2には、スタートライン上に多種の動物が並んだ画像が表示される(図11(e))。具体的には、前列の画面手前からクマ、クマ、クマ、ゾウ、クマ、クマ、クマという配置で表示されており、前列より後ろにもその他多種の動物が並んでいる。そしてレースが開始されると、演出表示装置H2では、クマとゾウによる競争が起こる(図11(f))。また、図11(f)では、図11(e)の画像に比べて動物の数が少なくなっている。
そして、演出表示装置H2において、ゾウがクマに勝利して1着でゴールした画像が表示されると(図11(g))、その後、各列R1〜R3の変動が停止し、大当り図柄(この例では[777])が一旦停止表示される(図11(h))。その後、図柄停止コマンドを入力すると、演出表示装置H2に一旦停止表示されている大当り図柄は確定停止表示されて図柄変動ゲームが終了する。その後、確変15ラウンド大当り遊技及び非確変15ラウンド大当り遊技のうち何れの大当り遊技の付与が決定されているのかを報知する報知演出が実行され、該報知演出の結果に基づき、確変15ラウンド大当り遊技、及び非確変15ラウンド大当り遊技の何れかが生起される。
因みに、変動パターンP4が選択された場合、図11(g)では、クマがゾウに勝利して1着でゴールした画像が表示され、その後、はずれ図柄が一旦停止表示され、図柄停止コマンドを入力することで確定停止表示される。このとき、確変2ラウンド大当り遊技及び小当り遊技の何れかの当選によって変動パターンP4が指定されている場合、確変2ラウンド大当り遊技及び小当り遊技の何れかが生起される。
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)連続予告演出が実行された場合、該連続予告演出の実行回数が多くなるほど大当り信頼度が上昇するとともに、図柄変動ゲームの結果として生起され得る大当り遊技の種類が、遊技者が獲得し得る利益が大きい大当り遊技となるように段階的に限定されるようにした。このことにより、連続予告演出の実行回数が多くなるほど、大当り信頼度及び遊技者が獲得し得る大当り遊技の有利度合いを上昇させ、連続予告演出実行中における遊技者の興趣を向上させることができる。
(2)変動パターンPBに基づく演出(1回の連続予告演出+チャンス目)が実行された場合は、変動パターンPCに基づく演出(2回の連続予告演出)が実行された場合に比して連続予告演出の実行回数が少なくても大当り信頼度が高くなるように設定した。その一方、変動パターンPCに基づく演出(2回の連続予告演出)が実行された場合は、変動パターンPBに基づく演出(1回の連続予告演出+チャンス目)が実行された場合に比して連続予告演出の実行回数が多くても大当り信頼度が低くなるように設定した。このことにより、連続予告演出が実行された後にリーチが形成されなかった後には、その後、連続予告演出が継続する場合、又は連続予告演出が継続しない(ガセ)場合のいずれの場合であっても、その後、リーチ演出が実行される場合もある。そのため、遊技者は単に連続予告演出が継続することのみに期待するのではなく、連続予告演出中における遊技者の興趣を損なうことがない。
(3)変動パターンP4,P5に基づいて連続予告演出が行われる場合、「枠揺れ」という大当り信頼度の高い演出内容で連続予告演出が実行されるように設定した。その一方で、変動パターンP4,P5に基づいて連続予告演出が実行される場合は、当該連続予告演出が大当り信頼度の低い演出内容(「落雷」)では実行されないように設定した。したがって、遊技者は大当り信頼度の高い演出内容で連続予告演出が実行された場合に大当りを期待するので、変動パターンP4,P5に基づいて連続予告演出が実行されると、遊技者が抱く大当りへの期待感を高めることができる。また、変動パターンP4,P5に基づいて連続予告演出が実行された場合は、1回目の連続予告演出が行われた時点では、当該演出が、単に、連続予告演出の実行回数が多くなっていく演出なのか、チャンス目が表示されたことを契機としてリーチ演出が行われる演出なのかが分からない。したがって、連続予告演出の内容が単調なものではなくなり、遊技者の興趣を向上させることができる。
(4)連続予告演出では、1回の図柄変動ゲームにおいて図柄の変動から図柄の変動停止までを1回とする変動サイクルが複数回、連続して実行されるようにした。このことにより、連続予告演出を図柄変動ゲームの始動契機となる始動保留球記憶数に左右されることなく行うことができる。
(5)変動パターンP2,P3が選択された場合、図6に示す予告演出振分けテーブルと、図7に示す連続予告演出の種類抽選テーブルによって、予告演出の種類や連続予告演出の演出内容を決定するようにした。このことにより、変動パターンP2,P3が選択された場合には、予告演出の組み合わせとして4通りの組み合わせを作り出すことができるとともに、予告演出の選択率に関して、予告演出振分けテーブルで大まかに分け、さらに連続予告の種類抽選テーブルで細分化することができ、連続予告演出の出現率を細かく調整することができる。
(6)変動パターンの変動内容として、連続予告演出の実行回数も対応付けた。このことにより、サブ振分けによって変動内容とは別に連続予告演出の実行回数を決定する場合に比べて、変動内容に対応した実行回数を新たに設定する手間が省くことができるとともに、制御基板に係る負担を軽減することができる。
(7)1つの変動パターンに対して、連続予告演出の内容として「枠揺れ」、「落雷」という2つの演出内容を対応付け、2つの演出内容のうちいずれかで連続予告演出が実行されるように設定した。このことにより、変動パターンと連続予告演出の内容を1対1の関係で設定する必要がなく、演出の多様化を実現し得る。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 実施形態において、図柄の変動方向を縦スクロールとしても良い。
○ 実施形態において、変動パターンP6〜P10のように連続予告演出を複数回実行させるような変動パターンに対しても、変動パターンP4,P5のように最終回の変動サイクルにおいてチャンス目を経由してからリーチを形成するようにしても良い。
○ 実施形態において、連続予告演出の演出内容は「枠揺れ」と「落雷」の2種類に限られず、3種類以上であっても良い。また、連続予告演出の演出内容は1種類のみであっても良い。
○ 実施形態では、例えば、連続予告演出の実行回数が2回に設定されている場合、連続予告演出の演出内容が「落雷」なら2回とも「落雷」となるように設定したが、毎回、抽選で「落雷」「枠揺れ」のどちらかを行うかを決定しても良い。
○ 実施形態において、変動パターンP4,P5が選択され、予告演出の種類として連続予告演出が決定された場合、図7に示す連続予告演出の種類抽選テーブルにおいて、連続予告演出の実行「なし」に、演出内容振分け乱数の値を振分けても良い。
○ 実施形態において、変動パターンP4,P5に基づいて連続予告演出が実行される場合、大当り信頼度が高く設定された「枠揺れ」のみで連続予告演出が実行されるようにしたが、「落雷」という演出内容で連続予告演出が実行されるように設定しても良い。この場合、変動パターンP4,P5に基づいて連続予告演出が実行されると、どちらの演出内容で連続予告演出が実行されるのかが分からなくなるので、遊技者の興趣を高めることができる。
○ 実施形態において、変動パターンP4,P5が選択された場合であっても、変動パターンP2,P3と同様に連続予告演出が実行される場合と実行されない場合の両方の状態が設定されるようにしても良い。この場合、連続予告演出が実行されるか否かが分からなくなるので、遊技者の興趣を高めることができる。
○ 実施形態では、特別図柄と飾り図柄を用いるパチンコ遊技機10に具体化したが、特別図柄のみを用いるパチンコ遊技機に具体化しても良い。
○ 実施形態において、変動パターンPBに基づく演出(1回の連続予告演出+チャンス目)が実行された場合、連続予告演出の実行回数が少ないことにより大当り図柄が導出されることによって生起される可能性がある大当り遊技の種類が多く、遊技者にとって利益の小さい大当り遊技が生起される可能性が高くなるように設定しても良い。同様に、変動パターンPCに基づく演出(2回の連続予告演出)が実行された場合、連続予告演出の実行回数が多いことにより大当り図柄が導出されることによって生起される可能性がある大当り遊技の種類が少なく、遊技者にとって利益の大きい大当り遊技が生起される可能性が高くなるように設定しても良い。このようにすることで、変動パターンPBに基づく演出(1回の連続予告演出+チャンス目)が実行された場合は、大当り信頼度は高くなるが遊技者にとって利益の小さい大当り遊技が生起される可能性が高くなり、その状態においても、遊技者は利益の大きい大当り遊技に当選することを望むことになる。また、変動パターンPCに基づく演出(2回の連続予告演出)が実行された場合は、大当り信頼度は低くなるが遊技者にとって利益の大きい大当り遊技が生起される可能性が高くなるので、遊技者は利益の大きい大当り遊技に当選することへの期待感を高めた状態で大当り当選を望むことになる。
○ 実施形態において、非確変15ラウンド大当り遊技と確変2ラウンド大当り遊技を比較した場合、これらの大当り遊技が生起された時だけの賞球獲得数の面では非確変15ラウンド大当り遊技の方が利益は大きいと言える。したがって、小当り遊技<確変2ラウンド大当り遊技<非確変15ラウンド大当り遊技<確変15ラウンド大当り遊技の順に、遊技者が獲得し得る利益が大きいと定義づけても良い。そして、このような当り遊技の種類における利益に関する定義を定めた上で、1回の図柄変動ゲーム中に実行可能な連続予告演出の実行回数が多いほど、図柄変動ゲームを経て生起される可能性がある当り遊技の種類が遊技者にとって利益が大きい当り遊技となるように段階的に限定すれば良い。
○ 実施形態において、遊技者に付与される利益は、上述の4種類の当り遊技に限られず、例えば、連続予告演出の実行回数が増加するにしたがって大当り遊技を構成するラウンド遊技の数が多い大当り遊技に段階的に限定されていくようにしても良い。また、時短状態が付与される図柄変動ゲームの数が多くなる大当り遊技に段階的に限定されていくようにしても良い。
○ 実施形態は、大当り図柄の種類から確変大当り及び非確変大当りを認識可能であって、かつ再抽選演出を実行可能なパチンコ遊技機に具体化しても良い。例えば、数字図柄Nを「1」〜「9」とした場合、確変大当りを認識できる大当り図柄は同一の奇数の数字図柄Nで構成される一方で、非確変大当りを認識できる大当り図柄は同一の偶数の数字図柄Nで構成される。また、再抽選演出は、図柄組み合わせゲームにおいて、大当り図柄を一旦停止表示させた後、その大当り図柄を再変動させて最終的に確定停止表示させる大当り図柄を導出する演出である。この再抽選演出は、非確変大当りを認識し得る大当り図柄が、確変大当りを認識し得る大当り図柄に昇格するか否かを遊技者に期待させる演出として行われる。そして、本実施形態のパチンコ遊技機10のように、連続予告演出の実行回数に応じて大当り遊技(当り遊技)の種類を限定して行く場合には、連続予告演出の対象とする最終回の変動サイクルで導出するリーチ図柄を、非確変大当りを認識できる図柄とする。これにより、遊技者は、再抽選演出の存在により、リーチ演出中は、確変15ラウンド大当り遊技及び非確変15ラウンド大当り遊技の何れも付与される可能性があることを認識し得る。例えば、図9(c)及び図10(f)の段階で、リーチ図柄が非確変大当りを認識し得る図柄の場合、遊技者は、確変15ラウンド大当り遊技、確変2ラウンド大当り遊技、非確変15ラウンド大当り遊技、及び小当り遊技の全ての当り遊技を認識し得る。再抽選演出を行う場合、一旦停止表示される大当り図柄(仮図柄)と最終的に確定停止表示される大当り図柄は、何れも統括制御用CPU36aが決定する。
○ 実施形態において、変動パターンP4,P5が指示された場合のチャンス目を形成する特定のはずれ図柄や、連続予告演出における最終回よりも前の変動サイクルで導出するはずれ図柄を、統括制御用CPU36aで決定するようにしても良い。
○ 実施形態において、確変15ラウンド大当り遊技や非確変15ラウンド大当り遊技に当選した場合、大当り遊技中に、確変大当りであるのか、非確変大当りであるのかを報知する演出を行わせても良い。この演出は、1回のラウンド遊技を対象として行っても良いし、複数回のラウンド遊技を跨いで行っても良い。
○ 実施形態では、5本の有効ラインを形成し得る演出表示装置を備えた5ライン機のパチンコ遊技機10に具体化したが、有効ライン数が1本の1ライン機に具体化しても良い。
○ 実施形態では、確変機能を搭載したパチンコ遊技機10に具体化したが、時短機能のみを付与し得る時短機に具体化しても良い。
○ 実施形態において、連続予告演出では、1回の図柄変動ゲームにおいて図柄の変動から図柄の変動停止までを1回とする変動サイクルが複数回、連続して実行されるようにしたが、当該連続予告演出を複数回の図柄変動ゲームを跨いで実行させるようにしても良い。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)図柄の変動開始から図柄の変動停止までを1回とする変動演出を表示手段に表示し、当該変動演出における図柄の変動停止によって導出された図柄が大当り図柄である場合には遊技者に有利となる大当り遊技が生起され、前記変動演出において前記大当り図柄が導出されるか否かの可能性を示唆する予告演出を実行可能な遊技機において、前記予告演出には、連続する複数回の変動演出で実行可能な連続予告演出を含み、前記大当り遊技には、遊技者が獲得し得る利益が異なる複数種類の大当り遊技が設定されており、前記連続予告演出は、前記変動演出において第1停止列の図柄の変動が停止する迄の間に実行されるとともに、前記連続予告演出が実行された変動演出でリーチが形成されるリーチ演出が実行されることによって終了し、前記変動演出ではずれ図柄が導出されることによって連続する次の変動演出でも継続して実行される可能性があり、前記連続予告演出を伴う変動演出の演出態様には、第1停止列に導出された図柄と第2停止列に導出された図柄でリーチを形成せずに、第3停止列に図柄を導出させてはずれ図柄のうち、予め定めた所定のはずれ図柄を導出させることによってリーチ演出を実行する変動態様があることを特徴とする遊技機。