JP2009290243A - 投影露光装置及びデバイスの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 走査型の投影露光装置において、2次光源の有効半径の変化を伴う露光条件が変更されても被照射面上の積算露光量の均一性が損なわれないような露光を実現すること。
【解決手段】 第1物体上のスリット状の照明領域を照明光学系のスリットを介して光源からの光で照明し、前記第1物体のパターンを投影光学系を介して第2物体上に投影し、前記第1物体と前記第2物体とを同期走査して、前記第1物体のパターンで前記第2物体を露光する投影露光装置において、
前記第1物体は、該第1物体上での走査方向の光強度分布が周辺に傾斜部を持つように、前記光で照明され、
前記照明光学系の2次光源の有効半径をR、前記スリットと前記第1物体またはその共役面との距離をdとするとき、
Rの変更に応じてdを変更する制御手段を有し、
前記制御手段は、前記Rを減少させる場合には前記dを増大させて、前記Rを増大させる場合には前記dを減少させること。
【選択図】 図1

Description

本発明は第1物体上のパターンを第2物体(感光基板)上に結像転写(投影露光)する投影露光装置及びデバイス製造方法に関するものである。特にICやLSI 等の半導体デバイスやCCD 等の撮像デバイス、液晶パネル、磁気ヘッド等のデバイスを製造するリソグラフィー工程に好適なものである。
近年、ICやLSI 等の半導体デバイスの高集積化はますます加速度を増しており、これに伴い半導体ウェハの微細加工技術の進展にも著しいものがある。微細加工技術の中核をなす投影露光装置には、円弧状の露光域を持つ等倍のミラー光学系によりマスクと感光基板を同時に走査しながら一括露光する等倍露光装置(ミラープロジェクションアライナー)が知られている。この他、マスクのパターン像を屈折光学系により感光基板上に形成し、該感光基板をステップアンドリピート方式で露光する縮小投影露光装置(ステッパー)が知られている。
これらの投影露光装置でステッパーは解像力や重ね合せ精度の点でミラープロジェクションアライナーに比べ有利な方式として知られている。最近では新しい方式として、高解像力が得られかつ画面サイズを拡大できるステップアンドスキャン方式(走査型)のステッパーが提案されている(特許文献1、2)。
ステップアンドスキャン方式の投影露光装置は例えばOplusE 誌の1993年2 月号の96〜99頁に詳しく紹介されている。ステップアンドスキャン方式の露光装置はスリット状の露光領域を有し、各ショットに対し該スリットをスキャン(走査)して走査露光が行なわれる。1つのショットの走査露光が終了するとウェハは次のショットにステップし、次のショットの走査露光が開始される。このように次ショットへのステップと露光のためのスキャンを繰り返すことによりウェハ全体の露光が完了する。
投影露光装置では現在0.5 μm 以下の寸法のパターン像の形成のため、解像力の向上が図られており、投影光学系の高NA化や、露光光の短波長化が行なわれている。一般に露光波長が短波長になると、硝材の透過率が悪くなり、投影光学系に使用できる硝材の種類がきわめて少なくなる。硝材の種類が少ないと投影光学系の色収差の補正が困難となり、色収差の影響が無視できる程度に露光波長の波長幅を狭くする必要が生じる。例えば300nm 以下の波長域の光束を用いる投影光学系では使用できる硝材が石英や蛍石に限られるため、露光用光源としてレーザが使用されるのが普通である。この種のレーザのうちエキシマレーザはエネルギーが非常に高く、高スループットが期待できるため、投影露光装置の短波長用の光源として広く採用されている。
特開昭60-158449 号公報 特開平7-230949号公報
しかしながらエキシマレーザはパルスレーザであるため投影露光装置の光源として用いるには種々の問題点がある。特にミラープロジェクションアライナーやステップアンドスキャン方式のステッパーのような走査型の投影露光装置においては、走査速度やパルス発光のタイミングにより、マスク面上やウェハ面上で露光むらが発生することがある。
特許文献1には、パルス発光の影響によるこの露光むらを軽減した投影露光装置が提案されている。同公報では被照射面上の走査方向の光強度分布を実質的に等脚台形又は二等辺三角形とすることで走査速度とパルス発光の同期精度を緩和している。また、走査方向の光強度分布を所望の形状にするための制御は照明系の光路中にNDフィルター等の減光素子を挿入して行なっている。光強度分布の形状は等脚台形又は二等辺三角形に限らず、重ね合せたときに露光量のばらつきが小さくできるものであればよいことも開示されている。
特許文献2は先に提案した投影露光装置を改良した投影露光装置を提案している。同公報では被照射面の走査方向と照明光学系の光軸を含む平面内において照明光の光束の主光線が被照射面から光軸方向に所定距離だけ離れた位置に集光され、被照射面上の光束にぼけによる傾斜領域を生じさせる。該傾斜領域の光強度分布を所望の形状にすることで、照明の効率低下を防止しつつ露光量のばらつきを小さくできる照明装置、及びそれを用いた投影露光装置を実現している。同提案を用いれば、投影露光装置において走査速度のばらつきやパルス発振のタイミングのずれに起因する積算光量のばらつきを最小にするように被照射面の走査方向の光強度分布形状を定めることができる。しかしながら、一般に投影露光装置は様々な照明条件で使用されるのが通例である。照明条件を変更した場合、例えば有効光束を絞った場合には該傾斜領域の形状が変化してぼけの幅が減少し、走査露光における被照射面上の積算露光量の均一性が損なわれることがある。
図6はパルス発振するレーザ光源により走査露光する際、走査方向の光強度分布が不適切である場合に走査方向で生じる露光むらの発生状況を示す図である。縦軸は光強度、横軸は走査方向の位置座標を示す。パルス発振であるため露光は離散的で1パルス毎に露光される光強度分布がずれて重なり合い全体の光強度分布が形成される。ずれ量と光強度分布の関係が不適切だと、図6のような周期的露光むらが発生する。図7はずれ量と光強度分布の関係が適切になった場合で、積算露光量が均一に保たれていることが分かる。
本発明はパルス発振するレーザ光源を用いて走査露光する際に、2次光源面での光束の大きさ,形状にかかわらず、被照射面の走査方向の光強度分布を所望の形状にすることのできる投影露光装置及びデバイス露光方法の提供を目的としている。なおここで2次光源とは被照射物体を照明するために形成されている光源像の実効的な大きさを示すものである。例えば照明装置内に設けられたオプティカルインテグレータの射出面に形成される光源像、及び該光源像の全体としての大きさを決定する絞りによって決定されるものである。
請求項1の発明の投影露光装置は、第1物体上のスリット状の照明領域を照明光学系のスリットを介して光源からの光で照明し、前記第1物体のパターンを投影光学系を介して第2物体上に投影し、前記第1物体と前記第2物体とを同期走査して、前記第1物体のパターンで前記第2物体を露光する投影露光装置において、
前記第1物体は、該第1物体上での走査方向の光強度分布が周辺に傾斜部を持つように、前記光で照明され、
前記照明光学系の2次光源の有効半径をR、前記スリットと前記第1物体またはその共役面との距離をdとするとき、
Rの変更に応じてdを変更する制御手段を有し、
前記制御手段は、前記Rを減少させる場合には前記dを増大させて、前記Rを増大させる場合には前記dを減少させることを特徴としている。
請求項2の発明のデバイスの製造方法は、請求項1に記載の投影露光装置を用いて基板を露光する工程と、該露光された基板を現像する工程と、を有することを特徴としている。
本発明では、投影露光装置の照明条件の変更により生じる照明光学系の2次光源から射出する主光線の有効半径Rの変化に応じて次の如く各要素を調整している。即ち前記照明光学系内のスリットの光軸方向の距離、レーザの発振周波数、走査速度の3つのパラメータを単独もしくは複合して調整し所定の関係を満足させている。これによりレチクル面上での走査方向の光強度分布を最適形状に保ち、種々の照明条件で走査露光したときの露光量均一性を保つことを可能としている。又、本発明では実際の強度分布を測定してその結果を上記3つの調整パラメータに単独もしくは複合して反映させることにより、更に高精度な投影露光方法及び投影露光装置を実現することを可能としている。
本発明によれば、ウェハ面上に形成される像の均一性は更に向上し、より精度の高いデバイスを製造することが可能となる。
本発明の実施例1のXY平面での要部概略図 本発明の実施例1のZX平面での要部概略図 本発明の実施例2のZX平面での要部概略図 本発明のデバイスの製造方法のフローチャート 本発明のデバイスの製造方法のフローチャート パルス光源を用いた走査露光で光強度分布が不適当で積算露光量むらが発生する場合の説明図 パルス光源を用いた走査露光で光強度分布が適当で積算露光量むらが発生しない場合の説明図 本発明に係る絞りの開口形状の説明図
図1及び図2は本発明の実施形態1のXY平面内及びZX平面内の要部概略図である。図で光学系は光源からストレートに示されており、光学系の光軸方向をX軸、マスク及び感光基板(ウェハ)の走査方向をZ軸としている。図2は従って図1の光学系を図1の紙面内にあるY方向から見たもので、走査方向における光学系の様子が示されている。図1、図2において1はレーザ光源で、例えばパルス発振する狭帯域化したエキシマレーザである。レーザ光源1から射出されたほぼ平行なレーザ光は入射光をインコヒーレント光として射出させるインコヒーレント部2に入射する。インコヒーレント部2は例えばレーザ光を分割したり、走査したりしてウェハ面7上に干渉縞やスペックルパターン等が発生しないようにするインコヒーレント化処理を有している。更に、レーザ光源1からの光束の形状をオプティカルインテグレータ3の形状にあわせて射出させるビーム整形機能を有している。
インコヒーレント部2からの光束はオプティカルインテグレータ3の入射面3aに入射する。オプティカルインテグレータ3は第1,第2の2つのシリンドリカルレンズ群で構成されている。第1のシリンドリカルレンズ群はXY平面内のみに屈折力を有するシリンドリカルレンズ3bをY軸方向に所定のピッチで配列したものである。これに続き第2のシリンドリカルレンズ群としてXZ平面内のみに屈折力を有する面をもつシリンドリカルレンズ3cがZ軸方向に所定のピッチで配列されて直列につながって配置される。2つのシリンドリカルレンズ群は互いに直交する2つの方向の屈折力がレチクル5面上(第1物体上)に所望の光強度分布を実現できるように設定される。オプティカルインテグレータ3の射出面3dは2次光源面で、該射出面3dより複数の発散光束がコンデンサー光学系4に入射する。コンデンサー光学系4は図1のXY断面内と図2のXZ断面内(走査方向)とで異なった屈折力を有している。図1、図2に示すようにコンデンサー光学系4のXY断面内における焦点距離はf’、XZ断面内における焦点距離はfである。
コンデンサー光学系4はオプティカルインテグレータ3の射出面3dからの光束を集光し、スリット9のスリット開口を介してパターンの形成されたレチクル(マスク)(第1物体)5を照明する。6は投影光学系で、レチクル5に描かれた半導体素子の回路パターンを感光基板(第2物体)としてのウェハ面7(第2物体上)に投影し、回路パターンの投影像を形成する。ここでコンデンサー光学系4によってオプティカルインテグレータ3の射出面3dと投影光学系6の瞳面とはほぼ共役の関係となっている。
図1のXY断面においてはオプティカルインテグレータ3の出射面3dの(2次光源)の各点からの光束はレチクル5面上で重ね合わされている。又図2のXZ断面においてはオプティカルインテグレータ3の出射面3dの各点からの光束はレチクル5より離れた位置に配置したスリット9面上で重ね合わされている。本実施形態ではレチクル5とウェハ7を矢印のように走査方向に一定の関係を維持しつつ移動(同期走査)させて、像の投影転写を行なっている。図1中に実線で示した8はオプティカルインテグレータ3の射出面3dの各点から射出する光束の主光線である。これらの主光線は出射面3dを射出した時点では互いに平行で、コンデンサー光学系4によりスリット9を介しレチクル5の中心に集光される。また主光線8に対してある角度を持つ光線も点線で示したようにレチクル5上の別の点に集光するため、レチクル面5上でのY軸方向の光強度分布の形状は図1に示すようにほぼフラットな矩型分布になっている。
これに対し、図2のXZ平面内ではオプティカルインテグレータ3から同じ角度で射出した光束がコンデンサー光学系4によってスリット9に集光する。スリット9はレチクル5から光軸方向に所定の距離dだけ離れた位置Aに備えられている。図1と同じ理由でスリット9の開口部の位置AでのZ軸方向の光強度分布はほぼ均一である。レチクル5が位置Aから所定の距離dだけ離れているデフォーカスの効果で、レチクル5面上でのZ軸方向の光強度分布は中心部分がほぼフラットで周辺に傾斜部を持つ等脚台形に近い形状の分布となる。この形状は走査露光に対して走査速度やパルスの発光タイミングのずれが起こった場合に積算露光量むらを小さくすることのできる形状である。積算光量むらを最小にする光強度分布の形状はパルス発振周波数や走査速度によって決定される。
図2において位置Aとレチクル5又はその共役面との間の距離をd、コンデンサー光学系4のXZ面内での焦点距離をf、2次光源の有効半径をR、レーザ光源のパルス発振周波数をF、レチクル5の走査速度をVとする。積算露光量の均一性を保つための条件は走査方向の光強度分布の傾斜領域の幅(2dR/f)がパルス光間隔の整数倍になることで
2dR/f=nV/F(ただしnは整数) ‥‥(1)
という式で表わされることが判明した。なお、2次光源の有効半径Rは2次光源面3dの位置に配置された絞りの開口形状によって決まるが、絞りの開口形状は単純な円形開口だけでなく、図8(a)〜(c)に示すような開口形状も考えられる。このような場合、2次光源の有効半径Rは図示するような開口の最も外側までの距離で定義される。
しかしながら実際の露光においては対象となるレチクル5上の回路パターンによって、2次光源の有効半径Rを変更する必要があり、この変更によってデフォーカスの効果、すなわち傾斜領域の幅が異なることが問題となる。2次光源の有効半径の変更は不図示であるが2次光源面3dの位置に配置された絞りの径を変更する等の手段で行なわれる。
本実施形態では、2次光源の有効半径が変更された場合、積算露光量均一化条件(1)を満足させる。このため、デフォーカスによりレチクル5面上に走査方向に等脚台形の光強度分布を形成するとともに、2次光源の有効径を表わすパラメータRの変化に応じて距離d、発振周波数F、走査速度V、焦点距離fのいずれかを調整している。例えば、本実施形態でデフォーカス量に対応する距離dを用いてレチクル5面上に等脚台形の光強度分布を形成する際は、スリット9をレチクル5から光軸方向に
d=nVf/(2FR) ‥‥‥‥‥‥‥(2)
だけ離れた位置に配置することができるように、スリット9を光軸方向に駆動する不図示の駆動機構により距離dの値を調整する。即ち、2次光源の有効半径Rに応じてレチクル5からスリット9の位置Aまでの距離dを(2)式に従って調節することでレチクル5面上のスリット状の照明領域の光強度分布を所望の形状にコントロールすることができる。例えば2次光源面3dから射出する光束を絞りで絞る、即ち有効半径Rを減少させる場合には、(2)式に従って距離dの値を増大させてスリット9の位置Aをレチクル5から遠ざけるように位置制御を行なう。これは距離dと有効半径Rの間に(2)式に見られる反比例の関係があるからで、この様な制御を行なえばレチクル5上の光強度分布は2次光源の変化に関わらず一定に保たれる。
また距離dの値を固定とすればレーザ光源1のパルス発振周波数Fを
F=nVf/(2dR) ‥‥‥(3)
として調整したり、レチクル5の走査速度Vを
V=2dFR/(nf) ‥‥‥(4)
として調整したり、コンデンサー光学系4の焦点距離fを
f=2dFR/(nV) ‥‥‥(5)
として調整してもよい。また各要素d、F、V、fを任意に組合せて(1)式を満足させるように調整してもよい。(1)式を計算する全てのパラメータは投影露光装置には既知量であるため各要素d、F、V、fの値の整合性は容易に計算できる。
本実施形態では、また、ウェハ7面と同一平面上に走査方向の光強度分布を測定する機能を設け、該測定値をフィードバックすることを特徴としている。ウェハ7面と同一平面上に設けられた照度センサ11は走査方向に1次元的に微小間隔で配置されたセンサで、該センサ11を投影光学系6の露光位置に移動させて走査方向の光強度分布を測定することができる。該測定により走査方向の傾斜領域の幅2dR/fを直接求めることができるため、この幅がnV/Fに等しくなるように距離dあるいはF、Vの値をオンラインで補正することができる。また傾斜領域の測定は微小間隔で配置された照度センサの他にも微小開口に光量センサを組合せ、該微小開口を露光位置で動かしながら分布を測定してもよい。
例えば距離dで補正を行なう場合、初期値は(2)式により決定することができる。しかしながら、実際には種々の誤差要因があるため、走査方向の光強度分布を直接測定してフィードバックをかけ、予め分かっている所望の光強度分布との差を微調整して補正すれば走査方向の積算露光量の均一性は更に向上する。測定の結果、等脚台形の光強度分布の傾斜領域の幅が所望の値に不足しているなら、スリット9の位置をレチクル5から遠ざける(距離dを増大させる)ように微動させる。又は傾斜領域の幅が過剰なら、スリット9の位置をレチクル5から近づける(距離dを減少させる)ように微動調整が行なわれる。距離dの代わりにコンデンサー光学系4の焦点距離fを変えても、傾斜領域の幅を調整できる。同様の調整はレーザの発振周波数F、走査速度Vの値を調整しても行なうことができるが、この場合は傾斜領域の幅は変わらない。
このように本実施形態の投影露光装置では照明条件の変更により絞り等の作用で行なわれる2次光源であるオプティカルインテグレータ3の射出面3dから射出する光束の径Rが変化する。このときの変化に応じて、若しくは照明条件の変更に拘らず、光強度分布の実測に応じてスリット9をレチクル5面から光軸方向に所定の距離dだけ離れた位置Aに設定する。あるいはレーザの発振周波数F、走査速度V、コンデンサー光学系の焦点距離fの値を制御してこれらの間に(1)式で与えられる所定の関係を満足させている。これにより、レチクル5面上での走査方向の光強度分布を最適形状に保ち、種々の照明条件で走査露光したときにも露光量均一性を保つことを可能としている。走査方向と直交するスリット9の長手方向(Y方向)はオプティカルインテグレータ3から射出する光束の主光線8がレチクル5上に集光するように配置されているため、光強度分布はほぼ均一となっている。スリット9の走査方向(Z方向)及び長手方向(Y方向)に対する以上の光学配置は余分に光をけることなく両方向に対して所望の光強度分布を実現しているため、照明効率が高く、かつ両方向の露光むらを小さくすることを可能としている。
また実施形態1の走査方向の照射範囲を調整するスリット9は、Y軸方向の任意の位置で走査方向であるZ軸方向の開口幅を調整できる機能を有している。Y軸方向の任意の位置でZ軸方向に積算した光強度が他の位置より大きい場合にはZ方向の開口幅を狭め、小さい場合には開口の幅を広げられる。オプティカルインテグレータ3とコンデンサー光学系4によってY軸方向の光強度分布はほぼ一様となっているが、スリット9のY軸方向の各位置でのZ軸方向の開口幅の調整により、走査露光したときのY軸方向の積算露光量の均一性は更に向上する。本実施形態では以上のようなパルス光を用いた走査型の投影露光装置によりレチクル5面上のパターンをウェハ7面上に順次投影露光している。露光されたウェハ7は公知の現像処理工程を介して半導体デバイスが製造される。
図3は本発明の実施形態2のZX平面の要部概略図である。座標の取り方は実施形態1と同様で光軸方向がX軸、走査方向がZ軸であり、実施形態1と同じ部材には同じ番号が付されている。本実施形態は実施形態1の図2に比べ、コンデンサー光学系4とレチクル5の間にリレーレンズ10が配置されている点が相違点となっており、その他の構成は同一である。なお図3ではレチクル5から後の投影光学系6とウェハ7は実施形態1と同様のため省略した。図3において位置Bはオプティカルインテグレータ3から射出される光束の主光線8がコンデンサー光学系4によって集光される位置である。リレーレンズ10は点線で示すように位置Bの像を所定の倍率でレチクル5の位置に投影する。
一方、位置Cはレチクル5と光学的に共役である位置Bから光軸方向であるX方向に所定の距離だけ離れたところにあるスリット9の設定位置である。共役位置から離れたところにスリット9を設定することにより、走査方向の光強度分布を等脚台形状にすることができる。レチクル側から見ればスリット9は光学的に5から離れた位置に設定されているということができる。実施形態2では実施形態1と同じく位置Bと位置Cの間の距離やレーザ光源1の発振周波数F、レチクル5の走査速度Vを単独、もしくは複合して調整することにより、照明条件が種々変更されてもレチクル5面上での積算露光量の均一性を保つことができる。
また実施形態2でも実施形態1と同じくウェハ面と同一平面上に置かれた不図示の照度センサの測定値に基づいて位置Bと位置Cの間の距離やレーザ光源1の発振周波数、レチクル5の走査速度を単独、もしくは複合で調整している。これにより走査方向に所望の光強度分布が実現できるようになっている。従って、照明条件の変更による2次光源面3dからの射出光束の径の変化にかかわらず、走査露光したときのレチクル5面上での積算露光量の均一性が保たれる。レチクル5、位置B、位置Cそれぞれでの走査方向の光強度分布の形状は図3に示す通りである。また実施形態1ではスリット9の位置がレチクル5と照明系4間にあった。これに対し、本実施形態のように走査方向の照射領域を制限するスリット9を照明光学系4の集光位置Bよりも光学的にレチクル5側となるように配置してもレチクル5面上での走査方向の光強度分布を所望の形状に保つことができる。
次に上記説明した露光装置を利用した半導体デバイスの製造方法(デバイス製造方法)の実施形態を説明する。図4は半導体デバイス(ICやLSI等の半導体チップ、あるいは液晶パネルCCD等)の製造フローを示す。ステップ1(回路設計)では半導体デバイスの回路設計を行なう。ステップ2(マスク製作)では設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。一方、ステップ3(ウェハ製造)ではシリコン等の材料を用いてウェハを製造する。ステップ4(ウェハプロセス)は前工程と呼ばれ、上記用意したマスクとウェハを用いて、リソグラフィー技術によってウェハ上に実際の回路を形成する。次のステップ5(組立)は後工程と呼ばれ、ステップ4によって作成されたウェハを用いて半導体チップ化する工程で、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程を含む。ステップ6検査)ではステップ5で作成された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行なう。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、これが出荷(ステップ7)される。
図5は上記ウェハプロセスの詳細なフローを示す。ステップ11(酸化)ではウェハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)ではウェハ表面に絶縁膜を形成する。ステップ13(電極形成)ではウェハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ14(イオン打ち込み)ではウェハにイオンを打ち込む。ステップ15(レジスト処理)ではウェハに感光材を塗布する。ステップ16(露光)では上記説明した露光装置によってマスクの回路パターンをウェハに焼付け露光する。ステップ17(現像)では露光したウェハを現像する。ステップ18(エッチング)では現像したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップ19(レジスト剥離)ではエッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行なうことによって、ウェハ上に多重に回路パターンが形成される。
1 レーザ光源、2 インコヒーレント部、3 オプティカルインテグレータ部、4 照明光学系、5 レチクル、6 投影光学系、7 ウェハ、8 主光線、9 スリット、10 リレーレンズ、11 照度センサ

Claims (2)

  1. 第1物体上のスリット状の照明領域を照明光学系のスリットを介して光源からの光で照明し、前記第1物体のパターンを投影光学系を介して第2物体上に投影し、前記第1物体と前記第2物体とを同期走査して、前記第1物体のパターンで前記第2物体を露光する投影露光装置において、
    前記第1物体は、該第1物体上での走査方向の光強度分布が周辺に傾斜部を持つように、前記光で照明され、
    前記照明光学系の2次光源の有効半径をR、前記スリットと前記第1物体またはその共役面との距離をdとするとき、
    Rの変更に応じてdを変更する制御手段を有し、
    前記制御手段は、前記Rを減少させる場合には前記dを増大させて、前記Rを増大させる場合には前記dを減少させることを特徴とする投影露光装置。
  2. 請求項1に記載の投影露光装置を用いて基板を露光する工程と、該露光された基板を現像する工程と、を有することを特徴とするデバイス製造方法。
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