JP2009288417A - 粘着型光学フィルムの剥離方法及び剥離装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】剥離後の基板表面に対する損傷と異物の付着、更には剥離中の粘着型光学フィルムの破断を防止することができる粘着型光学フィルムの剥離方法及び剥離装置を提供すること。
【解決手段】ガラス基板1の表面に貼着された偏光板2(粘着型光学フィルムの一例)を剥離する粘着型光学フィルムの剥離方法において、偏光板2を上向きにしてガラス基板1を設置し、偏光板2の端部2aを捲り上げると共に、その捲り上げた部分とガラス基板1に貼着されている部分との間に配置したロール4に沿って偏光板2を曲げ変形させ、ロール4を転動させながら捲り上げた端部2aから順次に引き剥がして偏光板2を剥離する。
【選択図】図2
【解決手段】ガラス基板1の表面に貼着された偏光板2(粘着型光学フィルムの一例)を剥離する粘着型光学フィルムの剥離方法において、偏光板2を上向きにしてガラス基板1を設置し、偏光板2の端部2aを捲り上げると共に、その捲り上げた部分とガラス基板1に貼着されている部分との間に配置したロール4に沿って偏光板2を曲げ変形させ、ロール4を転動させながら捲り上げた端部2aから順次に引き剥がして偏光板2を剥離する。
【選択図】図2
Description
本発明は、基板の表面に貼着された粘着型光学フィルムを剥離する粘着型光学フィルムの剥離方法及び剥離装置に関する。
液晶ディスプレイでは、その画像形成方式から液晶セルの両側に偏光素子を配置することが必要不可欠であり、一般的には液晶パネルに偏光板が貼着されている。液晶パネルには、偏光板の他にも、着色防止のための位相差板や、視野角を改善するための視野角拡大フィルム、コントラストを高めるための輝度向上フィルムなど、ディスプレイの表示品位を向上させるために様々な光学フィルムが用いられる。光学フィルムの貼着には粘着剤が用いられるが、乾燥工程を必要としない等の利点を有することから、一般には、片面又は両面に粘着剤層が設けられた光学フィルム(粘着型光学フィルム)が用いられる。
ところで、基板の表面に粘着型光学フィルムを貼着するに際して、貼り合わせ位置がずれたり、異物を噛み込んだりすることがある。かかる場合には、貼着した粘着型光学フィルムを剥離して、別の新しい粘着型光学フィルムを貼り付ける作業(リワーク作業)を行っている。しかし、液晶ディスプレイの大型化や液晶セルの薄型化によって、粘着型光学フィルムを剥離するのが困難になりつつあり、特に粘着剤層の粘着力が強い場合には作業性が悪化し、液晶セルのセルギャップが変化して表示品位が低下したり、液晶セルが破損したりするなどの問題があった。
下記特許文献1には、搬送ローラー上に偏光板を下向きにして液晶パネルを設置し、その偏光板の引き剥がし部を巻き取りローラーに固定して、該巻き取りローラーに偏光板を巻き付けて剥離する方法が開示されている。しかし、この方法では、偏光板を剥離した後のパネル表面(基板表面)が搬送ローラーなどの物体に接触して損傷したり、或いはパネル表面に異物が付着してクリーニングに手間が掛かったりするなどの問題が生じる。
更に、剥離の過程で偏光板に過大なストレスが加わり、それによって偏光板が破断すると、パネル表面に偏光板が残存し、その回収を手作業で行う必要が生じるため、リワーク作業効率が大幅に低下するという問題がある。近年、粘着型光学フィルムは薄型化してきており、かかる問題は顕著で且つ深刻である。
また、下記特許文献2では、金属素材からなる剥離用治具の先端部を偏光板とパネル表面との界面に挿入し、その治具をパネル表面に沿って移動させながら偏光板を剥離する方法が提案されている。しかし、この方法では、剥離用治具の鋭利な先端部が粘着剤に接触し易く、粘着剤の凝集破壊を引き起こしてパネル表面への糊残りを引き起こすという問題がある。この場合、パネル表面に残存した粘着剤のクリーニングに多大な時間を要し、リワーク作業効率が大幅に低下してしまう。
特開2006−299064公報
特開2007−71975公報
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、剥離後の基板表面に対する損傷と異物の付着、更には剥離中の粘着型光学フィルムの破断を防止することができる粘着型光学フィルムの剥離方法及び剥離装置を提供することにある。
上記目的は、下記の如き本発明により達成できる。即ち、本発明に係る粘着型光学フィルムの剥離方法は、基板の表面に貼着された粘着型光学フィルムを剥離する粘着型光学フィルムの剥離方法において、前記粘着型光学フィルムを上向きにして前記基板を設置し、前記粘着型光学フィルムの端部を捲り上げると共に、その捲り上げた部分と前記基板に貼着されている部分との間に配置したロールに沿って前記粘着型光学フィルムを曲げ変形させ、前記ロールを転動させながら捲り上げた端部から順次に引き剥がして前記粘着型光学フィルムを剥離するものである。
本発明の剥離方法では、粘着型光学フィルムをロールに沿って曲げ変形させると共に、そのロールを転動させながら捲り上げた端部から順次に引き剥がすことにより、剥離の過程において粘着型光学フィルムが曲げ変形した部分の曲率半径が確保される。そのため、粘着型光学フィルムが基板に強固に貼り付いていたり、粘着型光学フィルムを薄型化した場合であっても、その粘着型光学フィルムに過大なストレスが加わることを避け、剥離中の粘着型光学フィルムの破断を防止することができる。しかも、粘着型光学フィルムを上向きにしていることから、剥離後の基板表面を台座や搬送ローラー等に接触させる必要がなく、基板表面に対する損傷と異物の付着を確実に防ぐことができる。
本発明において、粘着型光学フィルムに使用される光学フィルムとしては、液晶ディスプレイ等の画像表示装置の形成に用いられることのある光学層が使用でき、その種類は特に制限されない。具体的には、偏光板、位相差板(1/2や1/4等の波長板を含む)、反射板、反透過板、視野角拡大フィルム、光学補償フィルム、輝度向上フィルム、及び、これらを積層したものが例示される。また、基板は、粘着型光学フィルムが貼着される被貼着体であり、例えば液晶パネルを構成するガラス基板が使用できる。
本発明の粘着型光学フィルムの剥離方法では、前記粘着型光学フィルムを加熱した状態で剥離することが好ましく、これにより剥離過程における粘着型光学フィルムの破断と基板へのダメージ(例えば液晶セルギャップ変化による表示ムラなど)を防ぐことができる。このような効果が発現する理由としては、粘着型光学フィルムを加熱することにより、粘着剤層の粘弾性が変化して接着力が低下し、それによって剥離時に基板表面に加わるストレスを効果的に軽減できるためと考えられる。
本発明の粘着型光学フィルムの剥離方法では、前記粘着型光学フィルムを前記ロールで加熱しながら剥離することが好ましく、これにより剥離過程における粘着型光学フィルムの破断と基板へのダメージ(例えば液晶セルギャップ変化による表示ムラなど)を防ぐことができる。特に、粘着型光学フィルムをロールで加熱しながら剥離することにより、粘着型光学フィルムの剥離箇所へ重点的に加熱することができ、ドライヤーや加熱ステージを利用して光学フィルム全体を加熱する場合に比べてエネルギーロスが少なく効率的となる。
上記においては、前記粘着型光学フィルムを50〜90℃に加熱した状態で剥離することがより好ましく、これによって粘着型光学フィルムの破断や基板へのダメージを効果的に防止できる。即ち、粘着型光学フィルムの加熱温度が50℃以上であると、粘着剤層の接着力を低下させる効果を十分に得られ易い。また、粘着型光学フィルムの加熱温度が90℃以下であると、粘着剤に熱分解を起こさせないで糊残りの発生を防ぐことができ、基板への不具合(例えば液晶の配向みだれ)を確実に防止できる。粘着型光学フィルムの加熱温度は、具体的には実施例の測定方法により測定できる。
また、本発明に係る粘着型光学フィルムの剥離装置は、基板の表面に貼着された粘着型光学フィルムを剥離する粘着型光学フィルムの剥離装置において、前記粘着型光学フィルムを上向きにして設置された前記基板に対して、前記粘着型光学フィルムの端部を捲り上げた部分と前記基板に貼着されている部分との間に配置されるロールを備え、前記粘着型光学フィルムを前記ロールに沿って曲げ変形させ、前記ロールを転動させながら捲り上げた端部から順次に引き剥がして前記粘着型光学フィルムを剥離可能に構成したものである。
本発明の剥離装置では、粘着型光学フィルムをロールに沿って曲げ変形させると共に、そのロールを転動させながら捲り上げた端部から順次に引き剥がすことができるため、剥離の過程において粘着型光学フィルムが曲げ変形した部分の曲率半径が確保される。そのため、粘着型光学フィルムが基板に強固に貼り付いていたり、粘着型光学フィルムを薄型化した場合であっても、その粘着型光学フィルムに過大なストレスが加わることを避け、剥離中の粘着型光学フィルムの破断を防止できる。しかも、粘着型光学フィルムを上向きにして基板が設置されることから、剥離後の基板表面を台座や搬送ローラー等に接触させる必要がなく、基板表面に対する損傷と異物の付着を確実に防ぐことができる。
本発明の粘着型光学フィルムの剥離装置では、前記ロールの直径が10mm以上であるものが好ましい。かかる構成によれば、剥離の過程において粘着型光学フィルムが曲げ変形した部分の曲率半径が大きく確保され、粘着型光学フィルムに加わるストレスを確実に軽減できることから、粘着型光学フィルムの破断を抑制してリワーク作業効率を向上することができる。
本発明の粘着型光学フィルムの剥離装置では、前記粘着型光学フィルムを加熱する加熱手段を備えるものが好ましい。これにより剥離過程における粘着型光学フィルムの破断と基板へのダメージ(例えば液晶セルギャップ変化による表示ムラなど)を防ぐことができる。また、前記加熱手段が前記ロールにより構成されている場合には、粘着型光学フィルムの剥離箇所へ重点的に加熱できるため、エネルギーロスが少なく効率的となる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本実施形態では、液晶パネルを構成するガラス基板の表面に貼着された偏光板(粘着型光学フィルムの一例)を剥離する例を示す。
偏光板は、偏光子の片面又は両面に透明保護フィルムを有するものが一般に用いられる。偏光子としては、特に限定なく各種のものを使用できるが、例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等が挙げられる。これらの中でも、ポリビニルアルコール系フィルムとヨウ素などの二色性物質からなる偏光子が好適である。これらの偏光子の厚さは特に制限されないが、一般的に5〜80μm程度である。
ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素で染色し一軸延伸した偏光子は、例えば、ポリビニルアルコールをヨウ素の水溶液に浸漬することによって染色し、元長の3〜7倍に延伸することで作成することができる。必要に応じてホウ酸や硫酸亜鉛、塩化亜鉛等を含んでいても良いヨウ化カリウムなどの水溶液に浸漬することもできる。さらに必要に応じて染色前にポリビニルアルコール系フィルムを水に浸漬して水洗してもよい。ポリビニルアルコール系フィルムを水洗することでポリビニルアルコール系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるほかに、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させることで染色のムラなどの不均一を防止する効果もある。延伸はヨウ素で染色した後に行っても良いし、染色しながら延伸しても良いし、また延伸してからヨウ素で染色しても良い。ホウ酸やヨウ化カリウムなどの水溶液や水浴中でも延伸することができる。
透明保護フィルムを構成する材料としては、例えば透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性などに優れる熱可塑性樹脂が用いられる。このような熱可塑性樹脂の具体例としては、トリアセチルセルロース等のセルロース樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、環状ポリオレフィン樹脂(ノルボルネン系樹脂)、ポリアリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、およびこれらの混合物が挙げられる。なお、偏光子の片側には、透明保護フィルムが接着剤層により貼り合わされるが、他の片側には、透明保護フィルムとして、(メタ)アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化性樹脂または紫外線硬化型樹脂を用いることができる。透明保護フィルム中には任意の適切な添加剤が1種類以上含まれていてもよい。添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤、可塑剤、離型剤、着色防止剤、難燃剤、核剤、帯電防止剤、顔料、着色剤などがあげられる。透明保護フィルム中の上記熱可塑性樹脂の含有量は、好ましくは50〜100重量%、より好ましくは50〜99重量%、さらに好ましくは60〜98重量%、特に好ましくは70〜97重量%である。透明保護フィルム中の上記熱可塑性樹脂の含有量が50重量%以下の場合、熱可塑性樹脂が本来有する高透明性等が十分に発現できないおそれがある。
前記偏光子の片面または両面に設けられる透明保護フィルムを形成する材料としては、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性などに優れるものが好ましい。透明保護フィルムは、透明基材フィルムと同様の材料を用いることができる。また厚みについても同様である。なお、透明基材フィルムと透明保護フィルムは、同じポリマー材料を用いても良く、異なるポリマー材料等を用いても良い。
前記偏光子と、透明基材フィルムおよび透明保護フィルムとは、通常、水系接着剤等を介して密着している。水系接着剤としては、イソシアネート系接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤、ゼラチン系接着剤、ビニル系ラテックス系、水系ポリウレタン、水系ポリエステル等を例示できる。なお、偏光子と、透明基材フィルムおよび透明保護フィルムとの貼り合せにあたり、透明基材フィルムおよび透明保護フィルムには活性化処理を施すことができる。活性化処理は各種方法を採用でき、例えばケン化処理、コロナ処理、低圧UV処理、プラズマ処理等を採用できる。活性化処理は、透明基材フィルムが、特にトリアセチルセルロース、ノルボルネン系樹脂、ポリカーボネート、ポリオレフィン系樹脂等の場合に有効である。
前記透明保護フィルムの偏光子を接着させない面には、ハードコート層や反射防止処理、スティッキング防止や、拡散ないしアンチグレアを目的とした処理を施したものであっても良い。
粘着剤層を形成する粘着剤は特に制限されないが、例えばアクリル系重合体、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテル、フッ素系やゴム系などのポリマーをベースポリマーとするものを適宜に選択して用いることができる。特に、アクリル系粘着剤の如く光学的透明性に優れ、適度な濡れ性と凝集性と接着性の粘着特性を示して、耐候性や耐熱性などに優れるものが好ましく用いうる。
粘着剤層は、異なる組成又は種類等のものの重畳層として光学フィルムの片面又は両面に設けることもできる。また両面に設ける場合に、偏光板や光学フィルムの表裏において異なる組成や種類や厚さ等の粘着剤層とすることもできる。粘着層の厚さは、使用目的や接着力などに応じて適宜に決定でき、一般には1〜40μmであり、5〜30μmが好ましく、特に10〜25μmが好ましい。偏光板等の光学フィルムと粘着剤層との間の密着性を向上させるために、その層間にアンカー層を設けることもできる。
図1は液晶パネルの平面図であり、そのガラス基板1の表面に偏光板2が貼着されている。偏光板2は、片面に粘着剤層が設けられた粘着型光学フィルムであり、該粘着剤層を介してガラス基板1に貼り合わされている。この液晶パネル10では、ガラス基板1の表面周縁に非貼着領域が形成されているが、本発明は、このような非貼着領域が形成されていない場合にも適用可能である。ガラス基板1に偏光板2を貼り合わせるに際して、貼り合わせ位置がずれたり異物を噛み込んだりした場合には、リワーク作業を実施してガラス基板1から偏光板2を剥離する。
図2は、本発明によってガラス基板1から偏光板2を剥離する様子を示す平面図であり、図3は、その部分側面図である。液晶パネル10は不図示の台座或いは搬送ローラーなどに載置され、図1,2に示すように偏光板2を上向きにしてガラス基板1が設置される。偏光板2を剥離するに際しては、まず偏光板2の端部2aを捲り上げてガラス基板1から引き剥がす。かかる作業は、手作業で行ってもよいが、固定治具3により端部2aを固定した状態で行ってもよい。
固定治具3の構造は、偏光板2の端部2aを固定できるものであれば特に限られるものではないが、剥離中の偏光板2の損傷を避ける観点から、偏光板2の巻き付けや折り曲げを伴わない構造が好ましく、例えば端部2aを挟持した状態で固定するものが挙げられる。固定治具3は、後述するようにガラス基板1に対して相対的に移動できるように構成されている。
端部2aを捲り上げることにより偏光板2は局部的に曲げ変形する。このとき、図2,3に示すように、偏光板2の捲り上げた部分2bとガラス基板1に貼着されている部分2cとの間に配置したロール4に沿って、偏光板2を曲げ変形させるようにする。ロール4は円筒状又は円柱状に形成されており、転動してガラス基板1に対して相対的に移動できるように構成されている。ロール4は、端部2aを捲り上げてから部分2bと部分2cとの間に介挿しても構わないが、端部2aを捲り上げる前に予め配置しておくことが作業上好ましい。
続いて、偏光板2を捲り上げるように端部2aを図2,3の矢印方向に引っ張り、図4に示すように、ロール4を転がして移動させながら、端部2aから順次に引き剥がして偏光板2を剥離する。剥離後、偏光板2が貼着されていたガラス基板1の表面が露出するものの、その露出した表面は上向きとなるため台座や搬送ローラーなどに接触することがなく、ガラス基板1の表面に対する損傷や異物の付着を確実に防止できる。
また、偏光板2を剥離する過程においては、偏光板2が曲げ変形した部分の曲率半径がロール4によって確保された状態となり、剥離中の偏光板2に加わるストレスを抑制して破断を防止することができる。これに対し、ロール4を使用しない従来方法では、図5に示す如く端部2aの移動により偏光板2の曲率半径が小さくなる。この場合には、偏光板2に加わるストレスが増大し、その許容範囲を超えたときに破断を引き起こしてしまう。かかる現象は、偏光板2が薄型化するほど顕著となる。
ロール4の直径は10mm以上であることが好ましく、それによって剥離過程における偏光板2の曲率半径を大きく確保し、偏光板2に加わるストレスを確実に軽減することができる。一方、ロール4の直径が10mm未満であると、それにより確保される曲率半径が小さくなり、剥離中の偏光板2の破断を防止する効果が小さくなる傾向にある。
また、本発明の剥離方法によれば、剥離中の偏光板2の破断を防止できることから、剥離速度の向上にも寄与し得る。即ち、図5に示すような従来方法において、偏光板2が破断しないように剥離しようとすると、剥離速度を極端に遅くして偏光板2を慎重に引き剥がす必要があるが、本発明の剥離方法によれば、偏光板2の破断が防止されることから、剥離速度を向上してリワーク作業を効率良く行うことができる。
本実施形態では、偏光板2の一隅角部となる端部2aを捲り上げ、その端部2aからガラス基板1の対角線に沿って順次に引き剥がすようにしている。そのため、初めに端部2aを捲り上げる作業が簡易となり、その端部2aの固定及び引っ張りも容易く行うことができる。但し、本発明はこれに限られず、図6に例示するように偏光板2の一辺をなす端部を捲り上げるようにしても構わない。
また、偏光板2を加熱した状態で剥離することが好ましく、それによって剥離過程における偏光板2の破断とガラス基板1へのダメージ(例えば液晶セルギャップ変化による表示ムラなど)を防ぐことができる。このとき、粘着剤層の粘弾性を変化させて接着力を低下せしめると共に、粘着剤の熱分解や液晶の配向みだれなどを避けるべく、偏光板2を50〜90℃に加熱した状態で剥離することが好適である。
偏光板2を加熱する加熱手段としては、偏光板2に温風を吹きつけるドライヤーや、偏光板2をガラス基板1ごと全体的に加熱する加熱ステージを採用できる。但し、偏光板2の剥離箇所を重点的に加熱できることから、加熱手段をロール4で構成し、偏光板2をロール4で加熱しながら剥離することが好適である。加熱手段を構成するロール4としては、温水や蒸気などの加熱流体が内部を流動するように円筒状に構成したものや、加熱炉等を用いて予熱したもの、電熱コイルなどのヒーターが内蔵されたものが挙げられる。
以上のように、本実施形態によれば、ガラス基板1の表面へのキズと異物の付着を防ぎつつ、液晶セルギャップ変化による表示ムラや液晶パネル10の破損を低減し、偏光板2破断を抑制することができる。そのうえ、剥離速度を高められるためにリワーク作業効率が向上し、液晶表示装置などの生産効率、コスト低減に大きく寄与する。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示すために、偏光板の剥離作業試験を行ったので説明する。
試験に供するサンプルは、アクリル系の透明保護フィルムを備える偏光板(アンチグレア処理、アクリル系の粘着剤層)をアクリルガラス(基板に相当)に貼り合わせ、オートクレーブ処理(50℃、0.49Paで15分間保持)して製作した。試験では、上記サンプルをピール試験機にセットし、前述の実施形態のように偏光板の一隅角部となる端部を捲り上げ、その端部から順次に引き剥がして、その剥離速度と偏光板の破断の有無を評価した。
試験では数段階の剥離速度を採用しているが、リワーク作業効率を向上する観点から、剥離速度は速いほど好ましく、一般的には剥離速度が2.0m/min以上であるものが好ましい。一例として、42インチサイズの大型TVの偏光板を剥離するための所要時間は、剥離速度が2.0m/minでは30秒となり、剥離速度が1.0m/minでは2倍の60秒となる。
通常の剥離条件(ロール使用なし、室温25℃)にて偏光板の剥離を行ったものを比較例とし、前述の実施形態の如くロールを用いて偏光板の剥離を行ったものを実施例1〜6とした。また、実施例2〜6では、剥離前の偏光板にドライヤーで温風を吹き付け、偏光板を加熱した状態で剥離した。剥離条件(ロール直径、偏光板の表面温度及び剥離速度)と試験結果を表1に示す。なお、偏光板の温度測定については、赤外線サーモグラフィー(株式会社アピステ社製FSV−7000E)を使用し、剥離している偏光板近傍の表面温度を測定した。
比較例では剥離速度0.3m/minで偏光板が破断したのに対し、実施例1〜6では剥離速度1.2m/minで偏光板を破断させずに剥離できており、リワーク作業効率に優れていることが分かる。特に実施例2,3では、偏光板を加熱したことによって、剥離速度2.4m/minでも偏光板を破断させずに剥離できており、リワーク作業を良好に効率化できている。また、実施例6では、直径が比較的大きいロールを用いることによって、更に剥離速度を高めることができている。なお、剥離過程において偏光板の曲げ変形した箇所を観察したところ、比較例では曲率半径が0.8mm、実施例1〜4では曲率半径が1.5mmであった。
1 ガラス基板
2 偏光板(粘着型光学フィルムの一例)
2a 端部
3 固定治具
4 ロール
10 液晶パネル
2 偏光板(粘着型光学フィルムの一例)
2a 端部
3 固定治具
4 ロール
10 液晶パネル
Claims (8)
- 基板の表面に貼着された粘着型光学フィルムを剥離する粘着型光学フィルムの剥離方法において、前記粘着型光学フィルムを上向きにして前記基板を設置し、前記粘着型光学フィルムの端部を捲り上げると共に、その捲り上げた部分と前記基板に貼着されている部分との間に配置したロールに沿って前記粘着型光学フィルムを曲げ変形させ、前記ロールを転動させながら捲り上げた端部から順次に引き剥がして前記粘着型光学フィルムを剥離することを特徴とする粘着型光学フィルムの剥離方法。
- 前記粘着型光学フィルムを加熱した状態で剥離する請求項1記載の粘着型光学フィルムの剥離方法。
- 前記粘着型光学フィルムを前記ロールで加熱しながら剥離する請求項1又は2記載の粘着型光学フィルムの剥離方法。
- 前記粘着型光学フィルムを50〜90℃に加熱した状態で剥離する請求項2又は3記載の粘着型光学フィルムの剥離方法。
- 基板の表面に貼着された粘着型光学フィルムを剥離する粘着型光学フィルムの剥離装置において、前記粘着型光学フィルムを上向きにして設置された前記基板に対して、前記粘着型光学フィルムの端部を捲り上げた部分と前記基板に貼着されている部分との間に配置されるロールを備え、前記粘着型光学フィルムを前記ロールに沿って曲げ変形させ、前記ロールを転動させながら捲り上げた端部から順次に引き剥がして前記粘着型光学フィルムを剥離可能に構成したことを特徴とする粘着型光学フィルムの剥離装置。
- 前記ロールの直径が10mm以上である請求項5記載の粘着型光学フィルムの剥離装置。
- 前記粘着型光学フィルムを加熱する加熱手段を備える請求項5又は6記載の粘着型光学フィルムの剥離装置。
- 前記加熱手段が前記ロールにより構成されている請求項7記載の粘着型光学フィルムの剥離装置。
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