JP2009286937A - 共重合ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートおよび二軸配向フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】共重合成分として、6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分を、全酸成分を基準として、0.1モル%以上5モル%未満の範囲で含む共重合ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートおよびそれを用いた二軸配向フィルム。特に高密度磁気記録媒体などのベースフィルムとして適している。
【選択図】なし
Description
本発明の共重合ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレーは、酸成分として前述の構造式(I)で示される単位を有する6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分を共重合したものである。
本発明の共重合ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートは、溶融製膜して、シート状に押出すことでフィルムなどの成形品とすることができる。特に、磁気テープなどのベースフィルムとして用いる場合、ベースフィルムがフィルムにかかる応力などによって伸びないようにフィルム面方向における少なくとも一方向は、ヤング率が6.0GPa以上という高いヤング率を有する二軸配向フィルムであることが好ましい。未延伸フィルムや一軸配向フィルムでは、延伸されていない方向に応力がかかったときなどに非常に延びやすくなる。好ましい二軸配向フィルムのヤング率は、フィルムの製膜方向(フィルムを製膜するときの進行方向であり、縦方向または長手方向と称することがある。)が5.1〜11GPa、さらに5.2〜10GPa、特に5.5〜9GPaの範囲であり、フィルムの幅方向(フィルムの製膜方向と厚み方向とに直交する方向で、横方向と称することがある。)が5.0〜11GPa、さらに5.5〜10GPa、特に7〜10GPaの範囲である。
つぎに、本発明の共重合ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートの製造方法について、詳述する。
本発明の共重合ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを原料とし、これを乾燥後、該共重合ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートの融点(Tm:℃)ないし(Tm+50)℃の温度に加熱された押出機に供給して、例えばTダイなどのダイよりシート状に押出す。なお、使用する本発明のポリエステル組成物は、1種類に限られず、例えば前述の構造式(I)の割合が多いポリマーと、前述の構造式(I)の少なくもしくはないポリマーとを作り、前述の構造式(I)の割合が目的の範囲となるようにそれらを溶融混練して用いてもよく、そのような方法を採用することで、前述の構造式(I)の割合を任意に且つ簡便に変更することができる。この押出されたシート状物を回転している冷却ドラムなどで急冷固化して未延伸フィルムとし、さらに該未延伸フィルムを二軸延伸することで二軸配向フィルムとすることができる。
ここでは、逐次二軸延伸で、縦延伸、横延伸および熱処理をこの順で行う製造方法を一例として挙げて説明する。まず、最初の縦延伸はポリエステルのガラス転移温度(Tg:℃)ないし(Tg+40)℃の温度で、3〜8倍に延伸し、次いで横方向に先の縦延伸よりも高温で(Tg+10)〜(Tg+50)℃の温度で3〜8倍に延伸し、さらに熱処理としてポリマーの融点以下の温度でかつ(Tg+50)〜(Tg+150)℃の温度で1〜20秒熱固定処理するのが好ましい。なお、熱固定の時間はさらに1〜15秒が好ましい。
前述の説明は逐次二軸延伸について説明したが、縦延伸と横延伸とを同時に行う同時二軸延伸でも製造でき、例えば先で説明した延伸倍率や延伸温度などを参考にすればよい。
得られたポリエステルの固有粘度はP−クロロフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(40/60重量比)の混合溶媒を用いてポリマーを溶解して35℃で測定して求めた。
グリコール成分については、試料10mgをp−クロロフェノール:1,1,2,2−テトラクロロエタン=3:1(容積比)混合溶液0.5mlに80℃で溶解し、イソプロピルアミンを加えて、十分に混合した後に600Mの1H−NMR(日立電子製 JEOL A600)にて80℃で測定し、それぞれのグリコール成分量を測定した。
また、芳香族ジカルボン酸成分については、試料50mgをp−クロロフェノール:1,1,2,2−テトラクロロエタン=3:1混合溶液0.5mlに140℃で溶解し、400M 13C−NMR(日立電子 JEOL A600)にて140℃で測定し、それぞれの酸成分量を測定した。
得られたフィルムを試料巾10mm、長さ15cmで切り取り、チャック間100mm、引張速度10mm/分、チャート速度500mm/分の条件で万能引張試験装置(東洋ボールドウィン製、商品名:テンシロン)にて引っ張る。得られた荷重―伸び曲線の立ち上がり部の接線よりヤング率を計算する。
温度105℃に設定されたオーブン中に予め正確な長さを測定した長さ約30cm幅5cmのフィルムを懸垂し、無荷重下に30分間保持処理した後取り出し、室温に戻してからその寸法の変化を読み取る。熱収縮率は下記式で定義される。
熱収縮率(%)=(△L/L0)×100
ここで、△L=|L0−L|、L0:熱処理前のフィルムの長さ、L:熱処理後のフィルムの同方向の長さである。
なお、上記測定は、製膜方向と幅方向がそれぞれ長さ30cmとなるようにサンプルを作成し、それぞれの方向を測定した。
レザーカッター方式のスリッターでフィルムを1000mm幅にスリットし、その時に発生した切断屑を以下に示す方法により評価した。スリッターのスピードは80m/分とした。
フィルムのスリット端面を走査型電子顕微鏡にて倍率2000倍で5視野観察し、切断屑の発生状況を以下の基準にて評価した。なお、ここでいう切断屑とは、塊状・繊維状に剥離したフィルム片を意味する。
○:切断屑の発生がほとんどない
△:切断屑の発生が少ない
×:切断屑の発生が多い
フィルムを長手方向15cm、幅方向10cmに切り、フィルムの長手方向に平行に5cmの切れ目を入れる。このサンプルを引張速度1m/分で、インスロトタイプの万能引張試験装置を用いて長手方向に平行に切れ目に沿って引き裂く。そして、引き裂かれたフィルム端面5cmを倍率100倍の実体顕微鏡で観察する。試験は10回繰り返し、3段階でデラミ性(層間剥離)の評価を行う。
○:デラミ発生なし
△:部分的にわずかにデラミが認められる。
×:デラミ部がかなり多い。
フィルムを長手方向30cm、幅方向1.27cmに切り、恒温恒湿槽中に設置した図1のフィルム幅寸法測定装置にセットし、下記の条件でフィルムの幅を測定した。
(A)温湿度条件を、25℃20%RHに設定し(設定条件までは1時間で到達)、張力を0.7Nとし、2時間放置後フィルム幅を測定した。
(B)次に、温湿度条件を、45℃20%RHに変更し(設定条件までは1時間で到達)、張力を1.7Nに変更し、100時間保持した。
(C)最後に、温湿度条件を、再び25℃20%RHに設定し(設定条件までは1時間で到達)、張力を0.7Nとし、2時間放置後フィルム幅を測定した。
上記の(A)−(C)でのフィルム幅の差(mm)を、12.7(mm)で割り、%単位に変換(100倍する)したものを、フィルムの幅縮み変化とし、以下の基準で評価した。
○:0.3%未満
×:0.3%以上
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸そしてエチレングリコールとを、チタンテトラブトキシドの存在下でエステル化反応およびエステル交換反応を行い、さらに引き続いて重縮合反応を行って、固有粘度0.62dl/gで、酸成分の99.5モル%が2,6−ナフタレンジカルボン酸成分、酸成分の0.5モル%が6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分、グリコール成分の99モル%がエチレングリコール成分、1モル%がジエチレングリコール成分である共重合ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(以下、共重合PENと称する。)を得た。なお、該共重合PENには、重縮合反応の前に平均粒径0.5μmのシリカ粒子を、得られる樹脂組成物の重量を基準として、0.2重量%となるように含有させた。
得られた共重合PENおよび二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸そしてエチレングリコールとを、チタンテトラブトキシドの存在下でエステル化反応およびエステル交換反応を行い、さらに引き続いて重縮合反応を行って、固有粘度0.62dl/gで、酸成分の97モル%が2,6−ナフタレンジカルボン酸成分、酸成分の3モル%が6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分、グリコール成分の99モル%がエチレングリコール成分、1モル%がジエチレングリコール成分である共重合PENを得た。なお、該共重合PENには、重縮合反応の前に平均粒径0.5μmのシリカ粒子を、得られる樹脂組成物の重量を基準として、0.2重量%となるように含有させた。
得られた共重合PENおよび二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸そしてエチレングリコールとを、チタンテトラブトキシドの存在下でエステル化反応およびエステル交換反応を行い、さらに引き続いて重縮合反応を行って、固有粘度0.62dl/gで、酸成分の95.5モル%が2,6−ナフタレンジカルボン酸成分、酸成分の4.5モル%が6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分、グリコール成分の99モル%がエチレングリコール成分、1モル%がジエチレングリコール成分である共重合PENを得た。なお、共重合PENには、重縮合反応の前に平均粒径0.5μmのシリカ粒子を、得られる樹脂組成物の重量を基準として、0.2重量%となるように含有させた。
得られた共重合PENおよび二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルとエチレングリコールとを、チタンテトラブトキシドの存在下でエステル化反応およびエステル交換反応を行い、さらに引き続いて重縮合反応を行って、固有粘度0.62dl/gで、グリコール成分の1モル%がジエチレングリコール成分であるポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを得た。なお、該ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートには、重縮合反応の前に平均粒径0.5μmのシリカ粒子を、得られる樹脂組成物の重量を基準として、0.2重量%となるように含有させた。
得られたポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートおよび二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸そしてエチレングリコールとを、チタンテトラブトキシドの存在下でエステル化反応およびエステル交換反応を行い、さらに引き続いて重縮合反応を行って、固有粘度0.62dl/gで、酸成分の90モル%が2,6−ナフタレンジカルボン酸成分、酸成分の10モル%が6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分、グリコール成分の99モル%がエチレングリコール成分、1モル%がジエチレングリコール成分である共重合PENを得た。なお、該共重合PENには、重縮合反応の前に平均粒径0.5μmのシリカ粒子を、得られる樹脂組成物の重量を基準として、0.2重量%となるように含有させた。
得られた共重合PENおよび二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
2:受光部
3:測定曲率ガラス板
4:錘
5:錘
6:フリーロール
7:フリーロール
8:フィルム
9:LED平行光
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