JP2009285665A - 高温拡管成形性に優れたアルミニウム合金製継目無押出管およびその製造方法 - Google Patents

高温拡管成形性に優れたアルミニウム合金製継目無押出管およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高温拡管成形性に優れたアルミニウム合金製継目無押出管及びその製造方法を提供。
【解決手段】気体を加圧媒体として300℃以上の温度で行なわれる高温拡管成形の素材であるアルミニウム合金性継目無押出管であって、前記アルミニウム合金製継目無押出管の拡管対象部位における最大肉厚と最小肉厚の差を平均肉厚で除した値が、0.067以下で、偏肉率が0.067を超えている場合、減面加工率15%以上となる冷間加工を施すことを特徴とする、アルミニウム合金性継目無押出管。
【選択図】なし

Description

本発明は、強度を確保しながら複雑な形状が要求される部材の加工方法である高温条件下での気体加圧による加工方法に適したアルミニウム素材及びその製造方法に関する。
近年、環境問題や、省エネルギーの観点から、自動車や鉄道車両といった輸送機器への軽量化要求がますます高まっている。特に自動車については安全性能や運動性能を向上させるために車載装置や電子装置が増加し車体の重量が増加しているので、軽量化に向けた取組みが求められている。この軽量化に対処するには、車体部品にアルミニウム合金を使用するのが有力な手段である。
アルミニウム合金を使用するとき、高強度を確保しやすく、また大きな軽量化効果を期待できる圧延材や押出材といった展伸材の適用が進んでいる。この展伸材を使用する場合、自動車など輸送機器の部材の形状が比較的複雑形状である場合が多いことから、難易度の高い成形を可能とする各種の塑性加工方法が検討されている。
例えば、アルミニウム合金押出管のような閉断面素材を使用する場合には、曲げ加工、押し潰し加工、ハイドロフォーム加工(液圧バルジ加工)等の加工を単独ないし組み合わせて実施し複雑な形状を形成している。
また、近年、加熱したアルミニウム合金管に内圧を付加して比較的高速で拡管と成形を行なう管状体の高温拡管加工方法が検討されている。この加工においては、先ずアルミニウム合金管を、適当な手段により、300℃以上、アルミニウム合金管の溶融開始温度以下の温度にて加熱する。この加熱工程後、冷間では伸びの低いアルミニウム合金も300℃を超える熱間では軟鋼をしのぐ延性を有することになり、複雑形状の成形を受け入れる準備が整う。次に、加圧媒体の注入口とシール機構を有する管状体の端部把持装置をアルミニウム合金管の両端部にセットし、このアルミニウム合金管を開閉可能で予熱機構を備えた金型に固定する。そして、気体状の加圧媒体を注入することで内圧を付加し、所定のタイミングで軸方向の押込み加工を加えると、この間に、アルミニウム合金管は拡管し金型内壁に沿って所定形状に成形される。ここで、加圧媒体となる気体は、通常は空気が用いられる。また、拡管の過程と所定形状への成形過程を一つの金型にて成形する方法の他に、両過程を分けて連続的に成形する方法もある。
上記したアルミニウム合金管の高温拡管加工方法は、同様にアルミニウム合金管の拡管・成形加工方法として広く知られるハイドロフォーム加工と比べて、拡管率が大幅に改善され、かつより複雑な形状の成形が可能である。ハイドロフォーム加工で成形可能な拡管率は30%程度であるのに対し、高温拡管加工では拡管率100%を超える加工も可能であり、優れた成形能力を有する。
また、前記高温拡管加工における成形速度は、変形時の歪速度で10-2〜10-1−1と高速であり、高率の拡管と複雑形状への成形を数分以内で実施することができ、板材に対して行なわれてきた超塑性加工に比べると、その成形速度は格段に優れている。
更に、前記高温拡管加工においては、被加工材が高温で軟化した状態で加工されるため、比較的低い成形圧力で加工できるので、大掛かりな設備や金型が不要である。このように、アルミニウム合金管の高温拡管加工は、設備コストを低減でき、複雑形状の部材を生産性よく加工できる。
この高温拡管加工方法に用いられるアルミニウム合金管は大別して二種類ある。1つはポートホール押出によって製造されるポートホール管と呼ばれるものである。これは、複数のポート孔をそなえ、さらに内径を形成するマンドレルを有する雄型と、外径を形成する雌型を組み合わせたポートホールダイスを介して押出されたアルミニウム合金管である。この押出ではポート部でメタルが一旦分流された後、チャンバー部でマンドレルを囲むように溶着し、内径をマンドレル、外径をダイスによって成形して中空材となる。そのため、ポートホール管には溶着部(継目)が存在する。特許文献1では、ポートホール管を完全焼鈍することにより溶着部と非溶着部との材質の均一化を図って、破損等の発生を抑制することが記載されているが、完全焼鈍してもなお、この溶着部はそれ以外の一般部と性質が異なるため、ポートホール管を用いて拡管成形や曲げ成形を実施すると、溶着部や溶着部近傍で早期破断が発生するなどの不健全な成形を誘発する場合がある。
もう1つは、マンドレル押出によって製造されるマンドレル管と呼ばれるものである。これは、あらかじめビレットに穴を開けておき、その中にマンドレルを通して押出を行う。この方式の押出ではメタルが分流されることなく、内径をマンドレル、外径をダイスにより成形して中空材が得られるため、溶着部(継目)が存在しない。そのため、周方向で均一な組織と強度分布を有し、その変形も均一である。
一方で、材質によってはポートホール押出が不可能であったり、ポートホール押出した場合に、押出品の溶着部の健全性が確保できないアルミニウム合金もあり、その場合にはマンドレル管を使用することとなる。その代表的な材質としては、Mgをある程度以上含有するAl−Mg系(5000系アルミニウム合金)が挙げられる。例えば、5000系アルミニウム合金であって、自動車構造部材向けに使用されるJIS5052合金は、ポートホール押出によって中空押出材を作製することは可能であるが、その溶着部の接合状態は極めて不安定となるので、使用に耐えないものである。
このマンドレル押出管を高温拡管加工に使用する際には、均一成形する場合に、偏肉の大きさが問題となる。偏肉が大きい素管を高温拡管成形すると、肉厚の薄い箇所が優先的に変形する結果、所定の拡管を達成する前に薄肉部分に破断が生じることがある。マンドレル押出にあっては、押出設備の芯調整の限界、押出ビレットの穿孔精度の限界(穿孔偏芯)、押出時にマンドレルが振れる等の理由から、押出管の周方向の偏肉が大きなものとなる。さらに、ひとつのビレットの押出で加工される押出管の長手方向においても、その偏肉レベルは変動するため、安定して偏肉を小さく維持することが困難である。
そこで、マンドレル押出管の偏肉を軽減するために、マンドレル押出後に抽伸加工を施すことが検討されている。しかし、抽伸加工を行うには、口付け設備、抽伸機、脱脂設備等の多くの加工設備を要し、加工工程が追加されるので、生産性の低下や生産コストの増大を招くといった問題がある。
特開2003−13191号公報
本発明はこのような従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、高温拡管成形性に優れたアルミニウム合金製継目無押出管及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、気体を加圧媒体として300℃以上の温度で行なわれる高温拡管成形の素材であるアルミニウム合金製継目無押出管であって、前記アルミニウム合金製継目無押出管の拡管対象部位における最大肉厚と最小肉厚の差を平均肉厚で除した値が、0.067以下であることを特徴とするアルミニウム合金製継目無押出管である。
本発明の第2の態様は、気体を加圧媒体として300℃以上の温度で行なわれる高温拡管成形加工において、熱間押出を行った後、拡管対象部位に対して減面加工率15%以上となる冷間加工を施すことを特徴とするアルミニウム合金製継目無押出管の製造方法である。ここで、減面加工率とは、加工前の断面積と加工後の断面積の差を、加工前の断面積で除した値の百分率、つまり、[(加工前の断面積−加工後の断面積)/加工前の断面積]×100である。
本発明の第3の態様は、前記冷間加工が、スピニング加工またはスウェージング加工であることを特徴とするアルミニウム合金製継目無押出管の製造方法である。
本発明の第1の態様によれば、拡管対象部位における最大肉厚と最小肉厚の差を平均肉厚で除した値(以下、偏肉率)が、0.067以下であれば、最も薄肉な箇所から先行して変形が生じても、この部分で歪蓄積による相応の硬化が生じ、その後は最薄肉箇所の隣接箇所に変形領域が移っていくので、薄肉部が一方的に変形して減肉することによる早期破断が防止される。
本発明の第2の態様によれば、拡管対象部位に対して減面加工率15%以上となる冷間加工を施すことで、冷間加工部の偏肉率を0.067以下に矯正することができるので、薄肉部が一方的に変形して減肉することによる早期破断が防止される。なお、減面加工率が15%以下の低率加工の場合には、冷間加工すると高温拡管加工時に生じる新組織における再結晶物が粗大粒となってしまうので、凸凹の発生といった外観不良や、粗粒が原因の高温拡管加工時における早期破断が生じる点で好ましくない。
本発明の第3の態様によれば、偏肉率が0.067を超えていても所望の偏肉矯正ができるので、好適な高温拡管加工用管状素材が得られる。
次に、本発明の実施形態例に係るアルミニウム合金製継目無押出管及びその製造方法を図面も用いながら説明する。図1は、高温拡管加工装置の実施形態例を示す概略図、図2の(a)図は、本発明の実施形態例であるマンドレル押出管のスピニング加工前の概略図、(b)図はスピニング加工後の概略図である。
図1に示すように、高温拡管加工は、高温拡管加工装置を用いて実施される。この装置は、加熱機構が設けられた昇降可能な上金型1と、同じく加熱機構が設けられ固定された下金型2にて構成されており、上金型1の凹状部と下金型2の凹状部にて形成される成形部に、被加工材3である管状素材が挟み込まれた後、上記加熱機構により所定温度に加熱される。上金型1、下金型2の両側には軸押込み用の工具4、5が設けられており、加熱後、この工具4、5を矢印方向に前進させながら、管状素材内部に気体が送り込まれることで管状素材内部に矢印方向の内圧が生じ、管状体が拡管される。
前記装置にて行われる高温拡管加工の過程は、他の高温拡管加工と同様に、変形時に歪が導入されることによる加工硬化と高温であるが故の応力解放(レストレーション)が同時に起こり、あるレベルの歪蓄積状態で変形が進行する。ここで、肉厚変化がわずかである管状体を高温拡管加工すると、最薄肉箇所から先行して変形を生じても、この最薄肉箇所にてあるレベルの歪蓄積により相応の硬化を生じるために、その後は最薄肉箇所以外の隣接した箇所に変形領域が移っていく。こうして、肉厚差がわずかである管状体では、最薄肉部が一方的に変形して減肉することはないので、早期破断を防止できる。
一方、偏肉があるレベル以上の管状体となると、高温拡管加工において最薄肉部が先行変形した時に、歪蓄積により相応の硬化があったとしても、その隣接箇所の肉厚が十分に厚いために変形領域が同隣接箇所に移ることがなく、最薄肉部が一方的に変形して減肉するので早期破断に至ってしまう。
管状体を破断させることなく上記高温拡管加工を実施できる上限の偏肉率に関し、鋭意研究を重ねた結果、偏肉率が0.067以下であればマンドレル押出によるアルミニウム合金管であっても安定した成形が可能となることを見出した。
マンドレル押出により得られるアルミニウム合金管にあっては、0.067以下という偏肉率は、通常は安定して作製するのが難しい高いレベルであるが、例えば、マンドレルの外径/長さの比を調整してその剛性を改善したり、押出ビレットの穿孔過程にて芯ズレを極力抑えた加工を行うなどして、偏肉率を0.067以下に抑えることができる。また、マンドレル押出にて作製されたアルミニウム合金管の全長に亘り偏肉率の測定を行い、偏肉率0.067以下の部位を選択して使用してもよい。
また、偏肉率が0.067を超えたマンドレル押出によるアルミニウム合金管であっても、高温拡管加工を実施する前に、適当な冷間加工を施すことにより冷間加工部の偏肉率を0.067以下に矯正してもよい。
元材となるマンドレル押出管の偏肉率が0.067を超えているために冷間加工を施す場合でも、冷間加工時の加工速度低下による生産効率低下、表面剥離といった冷間加工時の不具合の発生、冷間加工により生じた段差が大きくなることによる高温拡管加工時の不具合発生、冷間加工時の肉厚精度等の点で、偏肉率は0.067に近い値である方が好ましく、特に好ましくは偏肉率の上限値は0.13であり、さらに好ましくは0.10である。
また、冷間加工における減面加工率の下限値は、上記したとおり、高温拡管加工時に生じる粗大粒が原因の外観不良及び高温拡管加工時の早期破断の点から15%が好ましい。一方、冷間加工における減面加工率の上限値は、工業的に加工できる範囲であれば特に限定されないが、上記したように、冷間加工速度の低下、冷間加工時及び高温拡管加工時の不具合発生、並びに冷間加工時の肉厚精度の点から、減面加工率の上限値は45%が好ましく、特に35%が好ましい。本実施形態例では、元材となるマンドレル押出管の偏肉率が大きければ減面加工率を大きくして、偏肉率が小さければ減面加工率を小さくして偏肉率を0.067以下とすることが可能である。従って、偏肉率が0.067以上であっても、高温拡管加工前に実施する冷間加工の減面加工率が上記所定範囲内に抑えられる偏肉率が好ましい。
上記冷間加工は、元材となるマンドレル押出管の長手方向全体を対象としなくてもよい。例えば、マンドレル押出管の両端部は、高温拡管加工において、マンドレル押出管を把持したり、加圧媒体である気体の注入とシールのための装置が設けられる箇所であり、拡管成形の対象部位ではないので、マンドレル押出管の両端部には冷間加工を施さなくてもよい。また、両端部を除いた成形対象領域においてもほとんど拡管が行なわれない箇所については、破断が生じにくいので冷間加工を施さなくてもよい。このとき、高温拡管加工を健全に実施するために、マンドレル押出管にて冷間加工を施した領域と施さない領域の境に著しい段差がつかないよう対処することが好ましい。もちろん、拡管成形の対象部位だけではなく、元材となるマンドレル押出管の長手方向全体に冷間加工を実施してもよい。
前記冷間加工の方法としては回転加工方法や打圧による加工方法があり、例えば、回転加工方法としてはスピニング加工を、打圧による加工方法としてはスウェージング加工を挙げることができる。
図2に示すとおり、スピニング加工とは、被加工材3となる管状体を固定し、回転をさせながらローラーを押付けて、スピニング加工部6として成形する加工であるが、この加工により所望の偏肉矯正ができるので、高温拡管加工に適した偏肉率の小さい管状素材を得ることができる。
また、スウェージング加工とは、高速で短ストロークの往復運動をする2〜4個のダイスによって、被加工材3を半径方向に圧縮して鍛伸する加工方法であるが、この加工方法によっても同様に高温拡管加工に適した偏肉率の小さい管状素材を得ることができる。
さらに、被加工材3となる管状体を回転させながら、高速で短ストロークの往復運動をするダイスにより半径方向に圧縮して鍛伸する加工方法を用いてもよい。この加工方法は連続打圧による加工方法に分類されるものであり、同様に高温拡管加工に適した管状素材を得ることができる。
被加工材3である管状体の減面加工には、外径を減らす加工である絞り加工と肉厚を減らす加工であるしごき加工がある。本発明では、絞り加工を用いてもしごき加工を用いてもよいが、本発明は拡管を目的とする高温拡管加工であることから、絞り加工を施すと元材の外径から一度縮径した段階を経て拡管することになる点で、しごき加工が好ましい。
以下に、本発明に関する実施例として、管状体のマンドレル押出材を用いて、より大径の管状体に高温拡管成形する場合について説明を行ない、その効果を実証する。尚、本発明は大径管状体への成形に限定されるものではなく、種々の形状の断面を有する成形体(異形断面成形体)にも成形金型の形状を変えることにより適用できる。
JIS6063合金を材質とし、外径60.0mm、平均肉厚が3.0mm、長さが500mmとなるマンドレル押出管を多数作製し、そのなかから偏肉率{(最大肉厚−最小肉厚)/平均肉厚}の異なる供試材1〜10を表1に示す内容にて採取し、後に続く高温拡管成形に供した。尚、平均肉厚とは、管軸を挟んで互いに相対する2箇所の測定値の平均値である。
図1に示すとおり、上金型及び下金型で構成される成形部の最大径は120mm、この最大径部分の長さは80mm、この最大径部分を含む成形部全体の長さは240mmである。供試材1〜10が60mmの外径を有することから、健全に拡管成形がなされた際のその拡管率は100%となる。
表1に示すとおり、偏肉率が0.067以下である供試材1〜3は優れた高温拡管成形結果が得られたが、偏肉率が0.067を超える供試材4〜10については高温拡管加工にて破断が生じた。
Figure 2009285665
JIS6063合金を材質とし、外径60.0mm、平均肉厚が4.0mmとなるマンドレル押出管であって表2に示す内容の素管偏肉率を有する供試材1〜6を準備した。この供試材1〜6に対して、以下に示すスピニング加工と高温拡管成形を実施した。
スピニング加工部の外径を60mmから58mmに縮径する一方、内径52mmは変わらないように減面加工率26%のしごき加工を1パスのスピニングにてスピニング加工を行い、供試材1〜6に3.0mmの肉厚部を有するスピニング加工部を形成させた。このとき、スピニング加工を施した3.0mm肉厚部の偏肉率は、表2に示すように、供試材1〜6のいずれも、スピニング加工前の4.0mm肉厚の偏肉率よりも小さな値である0.067以下となった。また、スピニング加工部の長さを360mm、スピニング加工時に延伸した供試材の全体の長さを500mmとし、スピニング加工後の供試材の中央部にスピニング加工部が位置するようにした。
次に、図1に示す高温拡管加工装置を用いて、マンドレル押出管である供試材1〜6のスピニング加工部において最大外径120mmまで高温拡管加工し、その加工性を確認した。表2に示すように、供試材1〜6のいずれも高温拡管加工にて破断することなく優れた高温拡管成形結果が得られた。
Figure 2009285665
JIS5052合金を材質とし、外径60.0mm、平均肉厚が4.0mmとなるマンドレル押出管であって表3に示す内容の素管偏肉率を有する供試材1〜4を準備した。この供試材1〜4に対してスウェージング加工を施し、その後、高温拡管成形を実施した。
スウェージング加工は実施例2と同様の寸法となるように実施した。つまり、スウェージング加工部の外径を60mmから58mmに縮径する一方、内径52mmは変わらないように減面加工率26%で加工し、供試材1〜4に3.0mmの肉厚部を有するスウェージング加工部を形成させた。このとき、スウェージング加工を施した3.0mm肉厚部の偏肉率は、表3に示すように、供試材1〜4のいずれも、スウェージング加工前の4.0mm肉厚の偏肉率よりも小さな値である0.067以下となった。また、スウェージング加工部の長さを360mm、スウェージング加工時に延伸した供試材の全体の長さを500mmとし、このスウェージング加工後の供試材1〜4の中央部にスウェージング加工部が位置するようにした。
次に、図1に示す高温拡管加工装置を用いて、マンドレル押出管である供試材1〜4のスウェージング加工部において最大外径120mmまで高温拡管加工し、その加工性を確認した。表3に示すように、供試材1〜4のいずれも高温拡管加工にて破断することなく優れた高温拡管成形結果が得られた。
Figure 2009285665
JIS6063合金を材質とし、外径60.0mm、平均肉厚が3.0〜4.5mmとなるマンドレル押出管でその偏肉率が0.1程度の供試材1〜5を表4に示す内容で準備した。この供試材1〜5に対し、以下に示すようにスピニング加工と高温拡管成形を実施した。
この供試材1〜5に対して、図2のスピニング加工を実施した。つまり、60mmの外径から、平均肉厚がいずれの供試材も最終的に3.0mmとなるように各種の減面加工率にてしごき加工を行って、スピニング加工部を形成させた。このとき、表4に示すように、スピニング加工を施した3.0mm肉厚部の偏肉率は、スピニング加工での減面加工率が上がるにつれて低減した。そして、スピニング加工の減面加工率が15%以上のときに偏肉率が0.067以下の値となった。また、スピニング加工部の長さを360mm、スピニング加工時に延伸した供試材の全体の長さを500mmとし、このスピニング加工後の供試材1〜5の中央部にスピニング加工部が位置するようにした。
次に、図1に示す高温拡管加工装置を用いて、マンドレル押出管である供試材1〜5のスピニング加工部において最大外径120mmまで高温拡管加工し、その加工性を確認した。表4に示すように、スピニング加工の減面加工率が15%以上であって、偏肉率が0.067以下の値である供試材3〜5では、高温拡管加工にて破断することなく優れた高温拡管成形結果が得られた。
Figure 2009285665
高温拡管加工装置の実施形態例を示す概略図である。 (a)図は、本発明の実施形態例であるマンドレル押出管のスピニング加工前の概略図、(b)図はスピニング加工後の概略図である。
符号の説明
1 上部金型
2 下部金型
3 被加工材(マンドレル押出管)
4 軸押込み用の工具
5 軸押込み用の工具
6 スピニング加工部

Claims (3)

  1. 気体を加圧媒体として300℃以上の温度で行なわれる高温拡管成形の素材であるアルミニウム合金製継目無押出管であって、
    前記アルミニウム合金製継目無押出管の拡管対象部位における最大肉厚と最小肉厚の差を平均肉厚で除した値が、0.067以下であることを特徴とするアルミニウム合金製継目無押出管。
  2. 気体を加圧媒体として300℃以上の温度で行なわれる高温拡管成形加工において、熱間押出を行った後、拡管対象部位に対して減面加工率15%以上となる冷間加工を施すことを特徴とするアルミニウム合金製継目無押出管の製造方法。
  3. 前記冷間加工が、スピニング加工またはスウェージング加工であることを特徴とする請求項2に記載のアルミニウム合金製継目無押出管の製造方法。
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JP2014170081A (ja) * 2013-03-02 2014-09-18 Dnp Fine Chemicals Co Ltd ナノ構造体作製用ドラム状型体の製造方法

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