JP2009284515A - 位相同期ループ回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】ループ利得の変動を抑圧できるループ利得検出回路を備えたPLL回路を提供する。
【解決手段】PLL回路内の電圧発振器1で駆動されるカウンタ6と、その出力を周期的に積算するアキュームレータ(ACL)と、ACLのカウント値とレジスタ9に予め設定された設計値とを比較する比較演算回路部8を設け、ACLのカウント値がループ利得と反比例することを応用してPLL回路のループ利得を検出する。検出結果に基づいてチャージポンプ電流等でループ利得の補正を行ってループ利得を校正する。これにより、PLL回路は、PLLを構成する各素子の特性のばらつきに影響しない安定したループ特性を保つことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、位相同期(PLL)回路のループ特性検出回路に係り、特に位相同期ループの回路のループ利得検出方法及びその検出方法に基づいたループ利得検出回路を備えたPLL回路を内蔵する送受信回路に関する。
無線送信機では送信に用いられる周波数が決められており、隣接する周波数帯を用いる機器に悪影響を与えないために一定の周波数精度を持つことが要求される。特に携帯・自動車電話においては、多くの端末での利用を可能にするために、厳しい周波数精度を持つことが要求される。この周波数精度は、高周波発振器の持つ精度を超えるものであるため、一般的には水晶発振器のような高い周波数精度を持つ素子を参照信号として、位相同期ループ(PLL)回路を構成し、高周波発振器の周波数精度を向上している。PLLを用いた送信回路の構成は、非特許文献1の図3〜図5に示されるように種々の方法があるが、同文献の図5に示される構成はシグマデルタ方式と呼ばれ(「デルタシグマ方式とも呼ばれるが本明細書中ではシグマデルタ方式を用いる)、高集積化や低消費電力に向いた構成方法である。
同文献の図5の構成ではVCOと記載されたブロックは電圧制御発振器であり、この周波数を制御するために、基準信号(fREF)との位相差を位相比較器(PD)で検出し、ループフィルタ(LF)を介してVCOの制御端子を駆動する。また、同文献では図示されていないが、PD出力信号を電流値に変換するためにチャージポンプ回路をLFの直前に入れることもある。
位相比較器では2つの入力を比較するため、両者の周波数が一致している必要があるが、基準信号に用いる水晶発振器の周波数(例えば13MHz)は携帯・自動車電話で用いる周波数(例えば900MHz近辺)に比べて小さいため、VCOの出力を分周して両者を一致させる。例えば、基準信号が13MHzでは、分周比が70の時、VCOは910MHzで発振し、基準周波数と同じ周波数精度が得られる。
携帯・自動車電話では、多くの端末が同時に電波を利用するため、個々の端末は使用周波数を変えたり、時分割を行ったりしてお互いの干渉が無いように制御されている。例えばGSM(Global System for Mobile Communications)規格の携帯電話では、200kHz間隔でチャネルを設定して利用している。これによりVCOの発振周波数を200kHz刻みで設定することが必要になるが、分周比は整数であるため、VCOの周波数は基準周波数の整数倍の値しか取れず、細かな周波数設定ができない。このため、分周比を時間的に細かく変化させ、擬似的に中間の周波数を作り出す必要がある。例えば、分周比を69、70、69、70と変化させれば、基準周波数の69.5倍の周波数でVCOを発振させることができる。この分周比を変化させる処理は、シグマデルタ変調と呼ばれる(またはデルタシグマ変調とも呼ばれる)。なお本明細書では、ΣΔ(シグマデルタ)と表記する。
分周比にΣΔ変調を用いることにより、周波数を細かく制御可能であるため、チャネル周波数の設定だけでなく、送信データを変調することによる微小な周波数変化をも実現することができる。このことにより非特許文献1の図5の構成は単なる発振器ではなく、変調器としての全ての機能を持つことができる。
2003年5月発行、アイ、イー,イー、イー、固体回路論文誌、第38巻、第5号の782ページから792ページ記載の、イー.ヘガジとエー.エー.アビディによる、"900MHz帯GSM用 0.35um CMOS適用 17mW 送信機、シンセサイザ"E. Hegazi, A. A. Abidi, " A 17−mW Transmitter and Frequency Synthesizer for 900−MHz GSM Fully Integrated in 0.35−um CMOS," IEEE Journal of Solid−State Circuits, Vol. 38, No.5 pp.782-792 May 2003.
上記従来技術はPLL回路を変調機能を含む送信機に適用しているが、PLLを構成する各素子の精度によって、送信機の変調精度が決定されることになる。携帯・自動車電話では、高い周波数精度以外に、高い変調精度をも要求される。上記従来技術では、例えば本発明の実施例において説明する図13に示すように、素子値をスイッチで変化させる手段を有しているが、PLL特性を検出する機能を有しておらず、外部よりPLL特性を測定し、逐次調整する必要があった。この方式では、工数がかかる事と、装置を出荷後に生じる温度や経年による変化については対策できなかった。
そこで、本発明の目的は、PLL特性を簡易且つ高精度に測定できるループ検出回路を備えたPLL回路を提供することである。また、このPLL特性の測定結果に基づいて校正することにより安定したループ特性を有するPLL回路を提供することである。
さらに、ループ特性検出回路を有するPLL回路を内蔵した送信回路を提供することも目的の一つである。
本発明の代表的手段の一例を示せば次の通りである。
本発明に係る位相同期ループ回路は、第1の電圧制御発振器と、前記第1の電圧制御発振器の出力が接続される第1の周波数変換回路と、前記第1の周波数変換回路の出力が第1の入力に接続され、第2の入力に第1の基準信号が接続される第1の位相比較器と、前記第1の位相比較器の出力が接続される第1のチャージポンプ回路と、前記第1のチャージポンプ回路の出力が接続される第1のループフィルタとを有し、前記第1のループフィルタの出力が前記第1の電圧制御発振器の周波数制御端子に接続されて成る位相同期ループ回路であって、
前記第1の電圧制御発振器の出力が入力される第1のカウンタ回路と、
前記第1のカウンタ回路の出力が接続される第1のアキュームレータ回路とをさらに具備し、前記位相ループ回路のループ特性を、前記第1のアキュームレータ回路で積分された前記第1のカウンタ出力の積分結果に基づいて検出する第1のループ特性検出回路を具備して成ることを特徴とする。
本発明では簡易な回路を用いて素子のばらつきを測定し、それを補正する操作を行うものである。各素子の特性のばらつきは、PLLのループ利得に影響し、ループ利得のばらつきが変調精度の劣化になる。しかし、各素子のばらつきの積算がループ利得のばらつきとなるため、それぞれの素子の特性を個別に測定を行う必要は無く、積算されたばらつきを測定する。すなわち、カウンタとアキュームレータを用いてループ利得を測定し、チャージポンプ電流等でループ利得の補正を行うことによって、高精度なループ特性を実現する。
ループ利得検出回路を設けることにより、PLL回路のループ利得の測定結果によりチャージポンプ電流を可変できるため、素子の特性ばらつきや、温度や経年変化を打ち消してループ利得を一定に保ち、変調精度を高めることができる。また、本発明のループ利得検出回路は、全てディジタル回路で構成することができ、高集積化・低消費電力化を図ることができる。
本発明第1の実施例を示す図。 図1に示したカウンタ回路とアキュームレータ回路の動作を示す図。 ループ利得の異なる場合のカウンタ出力偏差を示す図。 本発明第2の実施例を示す図。 本発明第2の実施例の動作シーケンスを示す図。 本発明第2の実施例の動作タイミングを示す図。 本発明第2の実施例で用いるカウンタとアキュームレータ構成図。 本発明第3の実施例を示す図。 本発明第4の実施例の動作シーケンスを示す図。 本発明第4の実施例の動作タイミングを示す図。 本発明第4の実施例のシミュレーション結果を示す図。 本発明第4の実施例のシミュレーション結果を示す図。 本発明第5の実施例である抵抗値変動を校正する回路。 本発明第5の実施例の信号タイミング図。 本発明第6の実施例を示す図。
本発明に係る実施の形態について、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。
本発明の第1の実施例を図1及び図2を用いて説明する。本実施例は、PLL回路にステップ入力を加え、その応答をカウンタ(CT)6とアキュームレータ(ACL)7を用いて積分し、PLL回路のループ利得を検出する回路である。PLL回路は電圧制御発振器(VCO)1、可変分周器(DIV)2、位相比較器(PD)3、チャージポンプ回路(CP)4、ループフィルタ(LF)5より構成される。PLL回路は、以下に示すような動作を行う。
VCO1の出力を可変分周器2(以下、単に「分周器」と呼ぶ)で分周した後、分周結果を位相比較器3において基準クロック(REFCLK)と比較する。位相誤差により決定されたパルス幅の電流をチャージポンプ回路4より出力し、ループフィルタ5で積分した後、VCOの周波数制御端子に帰還する。PLL回路は、位相比較器3での誤差が最小になる状態に収束する。
本実施例では、図2(a)に示すように、PLL回路の分周数Nを先ず初期分周数Nに対応する初期周波数f1に収束させる。その後、分周数をN+nに変化させ、PLL回路が分周数N+nに対応する周波数f2に遷移する過程11でVCOの発振信号をカウンタ(CT)6でカウントし、そのカウント結果をアキュームレータ7にて、基準クロックの周期で積算する。定められた回数積算した後、予め算出してデータレジスタ(REG)9に記録しておいた設計値に対応する積算値の計算データ(Dcalc)と、比較演算回路部(CMP)8で比較する事により、ループ特性の変化を検出する。
なお、図2は横軸に時間tをとり、T1は初期収束期間、T2はカウント期間を示し、縦軸は、(a)では分周器2の分周数Nを、(b)では周波数fを、(c)ではカウンタ出力CToutを、(e)ではアキュームレータ出力ACLoutをそれぞれ示す。また、図2(d)は、基準クロックを基にしたアキュームレータのトリガ信号を示している。
実施例の詳細を説明するのに先立ち、以下説明を明確にするため、先ずPLL回路の伝達関数について説明する。VCOの位相をθ、分周器の分周数をN、チャージポンプ駆動電流をIcp、ループフィルタの伝達関数をF(s)、VCOの発振周波数の電圧制御感度をKv、基準クロックの位相をθとした場合、基準クロックの位相θを入力、VCOの位相を出力とした場合の伝達関数は、良く知られているように次の式(1)で与えられる。
Figure 2009284515
本実施例では、PLL回路に対して分周比を変化させてステップ信号を入力する。このため分周比に対する伝達関数を導出する。VCOの発振周波数をfVCO、ステップ変化を与える前の分周比をNとし、この場合の分周器の出力信号周波数をfDnomとし、基準クロックの周波数をfとすると、次の式(2)に示す関係が成立する。
Figure 2009284515
分周数に時間変化n(t)が与えられた場合の分周器出力の周波数fdivは、次の式(3)で与えられる。
Figure 2009284515
分周器出力での周波数変化をΔfdivとすると、次の式(4)となる。
Figure 2009284515
分周器出力での位相変化Δθdivは、周波数変化であるΔfdivを積分する事で求められる。積分はsドメインでは1/sをかけることで表せるため、次の式(5)で与えられる。
Figure 2009284515
分周数の変化に対する伝達関数は、式(1)と式(5)の最終項の積で与えられ、次の式(6)となる。
Figure 2009284515
以上のことから、分周数に対する伝達関数は導出可能であり、基準クロックの位相に対する伝達関数に対して1次高くなるが、式(6)に示されるような線形応答として考えられる。以後はVCOの周波数に着目するので分周数Nに対応する周波数をFとし、nに応じて変化する周波数差分をfとして式(6)を分周数に対する発振周波数の差分fの応答を示す伝達関数を求めると、次の式(7)となる。
Figure 2009284515
ループフィルタでよく用いられるラグリードフィルタは、容量Cとそれに並列に接続されるC、抵抗Rの直列接続により構成される。ラグリードフィルタの伝達関数H(s)は、次の式(8)で与えられる。式(8)を式(7)に代入するとこの場合、伝達関数の次数は3次となる。
Figure 2009284515
ここで更に、開ループ伝達関数G(s)を求めると、次の式(9)となる。
Figure 2009284515
ここで、C1r、C2rは容量値の比を表しており、C=C1r、C=C2rが成立する。集積回路で実現した場合は容量値の比は一定に保たれ、絶対値Cが比を保存したまま変化する。式(9)で重要なことは、容量比が一定に保たれれば、VCOの発振周波数の電圧制御感度Kv、チャージポンプ駆動電流Icp、容量絶対値C、分周数Nはすべて互いに従属関係にあり、例えばこれらすべての変動は開ループ伝達関数の利得に影響を与える。このため、これらの項目が変化した場合、例えばチャージポンプ駆動電流Icpを最適化すれば、これらの項目の変化に対して伝達関数を不変に保つ事が出来る。ループフィルタの抵抗Rについては利得には影響を与えず、ループフィルタの極とゼロ点の値に影響を与える。このように他のパラメータと独立しており、伝達関数を一定に保つには個別の調整が必要となる。
以上の準備を踏まえ、本実施例の詳細を説明する。本実施例では、PLL回路が収束した後、分周器2の分周数をNからN+nに変化させ、その応答を観測する。動作を図1および図2を用いて説明する。分周数の変化11については、図2(a)に示すように、先ず分周器の分周数をNに設定し、初期収束期間T1の間にPLL回路を収束させる。その後、分周設定切り替え回路(SW)10により分周数をN+nに変化させる。VCO1の周波数変化12を観測すると、図2(b)に示すようにループ利得が大きい場合の応答12(L)は、ループ利得が小さい場合の応答12(S)に比べ、立上りは早く追随する。ここでは模式的に平明な波形を書いているが、実際にはPLL回路の分周数を入力とし、周波数を出力とする伝達関数の次数は3次であり、周波数の応答波形にはオーバーシュート、アンダーシュートが発生するため複雑な波形となる。
分周数を切り替えた直後より一定期間T2の間、VCOの発振信号をカウントすると図2(c)に示すように、カウント値14はループ利得の大きい場合のカウント値14(L)でも小さな場合のカウント値14(S)でもほぼ一定の傾きで増加し、カウント値の値にはほとんど差が発生しない。これは、例えば携帯電話システムの代表的なGSM900規格の送信周波帯が880MHz〜915MHzであるのに対して、2〜3MHz程度の周波数差を与えるステップ変化を加えても、応答差は近接しており差が開かないためである。カウンタ6のカウント結果を実際に基準クロック毎に観測すると、オーバーシュート、アンダーシュートの影響で、両者の応答はある時点では逆転する場合すらあった。
そこで基準クロック毎にカウント結果を記録し、開ループ利得を設計値に設定した理想的な応答と比較すると、図3(a)に模式的に示すように、開ループ利得が設計より低い場合は、カウント結果22が1小さくなる頻度が多く、開ループ利得が設計より高い場合は、カウント結果21が1大きくなる頻度が多くなることが分かった。
この頻度を検出するためにアキュームレータ(ACL)7を、図2(d)に示すように、基準クロックを基にカウント期間T2中のトリガ信号16を発生させ、カウント結果を積算した。この場合の積算値18は、図2(e)に示すようにループ利得が大きい場合18(L)と小さい場合18(S)では、明らかにカウント数に差が生じた。ループフィルタ5の設計値に対するアキュームレータ7の各アキュームレート回数毎の出力計算値を予め準備し、カウント数の設計値からの偏差σCTを図3(a)に示し、カウント数の積算結果と設計値からの偏差ΣCTを図3(b)に示した。図3(b)に示すようにうに、明確な差を検出できる。このようにカウンタ6でのカウント結果をアキュームレータで積分する事で、ループ特性の変化を検出できる。
先にも述べたがアキュームレータ7の結果は、設計値で動作するPLL回路からの応答を予め算出してレジスタ9に記録しておいた積算値データDcalcと値を比較し、その差に応じて、例えばチャージポンプ回路4の電流を切り替える事で、ループ利得の変動を校正する事ができる。
すなわち、カウンタ6、アキュームレータ7、比較演算回路部8およびデータレジスタ9によりループ利得検出回路回路を構成することで、本実施例では、ループ利得の変動を検出し、簡単に校正する事ができる。なお、本実施例では現在制御が最も容易なチャージポンプの駆動電流量を制御する場合を示したが、VCOの発振周波数の電圧制御感度Kv、或いは容量値を変化させて、校正しても良い。また、ここでは初期周波数f1と分周数N+nに変化させたときの対応する周波数f2との関係を、f1<f2として説明したが、これらの大小関係は逆転させても良く、大小関係は本実施例の本質ではない。
本発明の第2の実施例を図4〜図7を用いて説明する。本実施例は、第1の実施例をシグマデルタ(ΣΔ)送信回路に適用した場合である。図4に示したΣΔ送信回路65は、第1の実施例のPLL回路に対して、周波数(分周数)を設定するだけなく、例えばGMSK(Gaussian filtered Minimum Shift Keying)変調信号を周波数設定項に重畳して、VCO1を目的の中心周波数で発振させると伴に変調を加え、VCOの出力から直接RF変調信号を取り出すことができる。
図4において、2進数1ビットで表される送信原信号sgは、差動符号化器33にて符号付き2ビットのデータに変換され、この符号付きデータ列をガウシアンフィルタ(GAUS_F)32で帯域制限を加えることで、GMSK信号を造る。このGMSK信号を基準クロックのデータレート、例えば26MHzになるように補間回路31で補間をかけ、アプリケーションのチャネル間隔、例えば欧州携帯電話GSMの場合は200kHz間隔の設定精度を持つ周波数レジスタ(fREG)29の設定値と足し合わされて、ΣΔ変調器30に加えられる。ΣΔ変調器は高い精度の周波数設定値(チャネル間隔周波数設定と、GMSK変調信号)を、基準クロックと同じ周期を持ち、基準クロックの整数倍の周波数間隔を最低精度とする荒い精度のデータ列に変換する機能を持つ。
このΣΔ変調器出力と基準クロックの整数倍の精度を持つ周波数設定レジスタ(fREG)28の設定値を加算器34で足し合わせ、上位5ビットUbを分周器(DIV)2内の5ビット同期カウンタ(5bSYNC_CT)27の設定値として、基準クロックの周期で更新し、下位2ビットLbを分周器2内の4/5分周器の分周数設定端子を駆動する2ビット同期カウンタ(2bSYNC_CT)26の設定値として、基準クロックの周期で更新する。これにより分周器2全体の平均的な分周数を高い精度で設定できる。
他のPLLの構成要素である、VCO1、位相比較器3、チャージポンプ4、ループフィルタ5や、カウンタ6、アキュームレータ7、比較演算回路部8、レジスタ9等はすべて第1の実施例と同じである。このようなシステム構成によりPLL回路に論理回路を加えただけで、VCOに直接GMSK信号を変調する事が可能になり、小型で低電力が期待できる送信回路を実現できる。このΣΔ送信回路は、前述した式(7)で示されるPLL回路の周波数特性が変調信号に作用するため、実現に向けてはループ特性の安定化が必要不可欠となる。
このような構成のΣΔ送信回路におけるループ利得校正動作を、図5に示した動作シーケンス図及び図6に示した動作タイミング図を用いて説明する。なお、以下に説明する校正動作の間はGMSK信号がΣΔ変調回路に入力されないよう、GMSK信号を止めておく。
先ず、目的の周波数(この場合は送信周波数fTX)に近い、基準クロックREFCLKの整数倍の周波数fcのチャネルにPLL回路をロックさせる(処理A1)。各チャネル周波数の多くは、基準クロックの整数倍ではないため、基準クロックの位相と、VCO1の位相の関係は複数状態がありえる。この位相の違いによる誤差を取り除くため、先ず整数比の周波数でPLLをロックさせ、初期位相をあわせる。次に初期周波数f1に周波数を設定し、PLL回路をロックさせる(処理A2)。
収束した後、ステップ先の周波数f2を設定する(処理A3)。PLLを周波数f2にロックさせつつカウンタ6とアキュームレータ7を動作させ、所定の時間後アキュームレータ出力、すなわち積算されたカウンタ値を読みこむ(処理A4)。読み込んだ値x1と、ループ特性その他設計値におけるアキュームレータカウント数の標準値x0とを比較する(処理A5)。
周波数f1、f2の差は通常一定に定めるが、例えば設定チャンネルごとに変化させる事もできる。この場合、同じループ利得の変動に対して、標準値との差は異なるため、予め計算で求めた周波数差依存性の係数a1と、設定した周波数差(f2−f1)の積より補正係数a2を求める(処理A6)。本実施例では第1の実施例と同じく、周波数f1、f2の大小についてはどちらでも動作できる。但し補正係数には符号が影響を与えるため、大小関係から符号を定める(処理A7)。
このようにして求めた係数a2を標準値との差分(x1−x0)と掛け合わせチャージポンプ電流Icpの補正量の計算を行なう(処理A8)。補正後のチャージポンプ電流Icpを計算して電流値の設定に対応するスケーリングを行った後(処理A9)、チャージポンプ電流の設定を行う(処理A10)。
以上でループ特性の校正が終了したため、目的の送信周波数fTXを設定し、PLLをロックさせる(処理A11)。その後、電力増幅器37の電源を入れ(処理A12)、送信を開始する(処理A13)。
なお、図6は動作タイミングを示す図であり、図5の対応する動作説明で用いた処理の記号A1〜A12も表示してある。
本実施例で用いる、カウンタ回路6、アキュームレータ回路7の構成の詳細について図7を用いて説明する。カウンタ回路は、VCO信号fVCOで駆動される8ビット同期カウンタ(8bSYNC_CT)58と、カウンタ58の出力で駆動される8ビット同期カウンタ(8bSYNC_CT)59で構成される。カウント経過を基準クロックREFCLKの周期でラッチ(LAT)60に取りこみ、インバータ61で反転させたクロックでアキュームレータ(ACL)に取りこむ。ラッチ60の取り込みタイミングと、VCOのカウントタイミングの衝突を防止するため、ラッチ60を駆動する前に、基準クロックをVCO信号でDラッチ回路(D−LAT)63をたたくことで、タイミングを合わせた。カウント開始はリセット信号(RST)の解除によって開始されるが、これも同様に、Dラッチ回路62を基準クロック、VCO信号との衝突を防止するため、基準クロック、VCO信号でたたきなおすことでタイミングを合わせている。
データ読出し信号(RD)は、例えば、ハイ(High)状態でラッチ回路91をアクティブにし、アキュームレータ7の出力を比較演算回路部8に出力する。
本実施例によりループ帯域を校正し、ループ特性の変動が位相精度などの変調特性に与える影響を軽減したシグマデルタ送信回路が実現できる。
本発明の第3の実施例を、図8を用いて説明する。本実施例は、第2の実施例のΣΔ送信回路65をトランシーバICに内蔵した場合である。
まず、受信系の構成を説明する。アンテナ87から受信した信号は、バンドパスフィルタ86を介して低雑音増幅器75で増幅を行う。バンドパスフィルタ86は、帯域外妨害波レベルを低減し、低雑音増幅器75を飽和させないために用いる。ミキサ76とミキサ77では直交復調を行い、信号をベースバンド信号までダウンコンバートする。
低周波可変増幅器・低域通過フィルタ(PGA&LPF)列78および79では、信号の増幅と信号帯域外の雑音を抑圧する。このことで、アナログデジタル変換器(ADC)80とアナログデジタル変換器81のビット精度を緩和することができる。82は、デジタル信号を双方向でやり取りするためのデジタルインターフェイス回路であり、マルチプレクス変換を行う装置(MPXCONV)である。ΣΔ送信回路65からの送信バイナリ信号83と、外部からのデジタル信号とを双方向バス85で外部とやり取りする。
直交復調では、ミキサ76とミキサ77は90度位相が異なる信号を入力しなくてはならない。電圧制御発振器73は、受信周波数の2倍或いは4倍で発振し、その出力を分周することで正確な90度位相差を実現している。
電圧制御発振器73の出力は、プリスケラ69と3ビット同期カウンタ(3bSYNC_CT)68と5ビット同期カウンタ67により分周される。このとき、分周器(1/num)74の分周数制御はΣΔ変調器による制御を用いることで、フラクショナル分周を行うことが可能である。ΣΔ変調器については、GSMを代表とする送信と受信で時分割方式を用いる場合、送信系で使用しているものを流用することが可能である。
制御方法としては、3ビット同期カウンタ68と5ビット同期カウンタ67にプログラマブルカウンタを採用し、制御信号66と35により、カウント値を制御すればよい。基準クロック源84は、26MHzで発振する。4GHz電圧制御発振器73に、26MHzの基準クロック84を用いるので、分周数は約150前後である。このため、分周数制御には8ビットが必要で、プリスケラ69を8/9分周とするために、3ビットカウンタが必要となる。基準クロック26の出力信号と、5ビット同期カウンタ67の出力信号は、位相比較器70により位相比較される。位相比較器70では位相差分だけの電圧波形を形成し、チャージポンプ71では電圧波形の間だけ電流を流す。このチャージポンプ電流は、ループフィルタ71の容量に充放電することで平均化され電圧に変換される。この電圧により電圧制御発信器73を制御する。
このように実施例2の送信回路65を活用し、特にΣΔ変調回路部を受信機の局部発振信号用シンセサイザーと共用することで小型のトランシーバIC88を実現できる。
図9に、第4の実施例における制御方法を示す。本実施例の構成は、第3の実施例において図4に示した構成と同じである。また、カウンタ動作の詳細は第3の実施例に示したものと同じである。
図9に示した動作シーケンス図に従って動作を説明する。本実施例では、カウンタによる測定を周波数を変えて2回行う。
まず1回目の測定を行うために、分周器25における周波数設定を第1の周波数f1に設定し、系が安定するための収束時間が経過した後、カウンタ6を動作させ、第1の測定を開始する(処理B1)。
規定の測定時間が経過した後、カウンタ6の動作を停止させ、カウンタの値x1を読み出す(処理B2)。第1の測定開始時刻から規定の測定開始時間差Δtが経過したときに、分周器25による周波数設定を第2の周波数f2に設定し、同時にカウンタ6を動作させて第2の測定を開始する(処理B3)。
第2の測定を開始してから、規定の測定時間が経過した後、カウンタの動作を停止させてカウンタの値x2を読み出す(処理B4)。
本実施例では、第1の測定と第2の測定における測定時間は、同じ値としているが、異なる値を用いても良い。第2の測定が終了した後、設定周波数を目的のチャネルの周波数fTXになるように設定する。
図10の動作タイミング図では、第2の周波数f2が第1の周波数f1よりも大きく示してあるが、逆に第1の周波数f1の方を大きくして同様の測定を行っても良い。また、測定時のチャージポンプ電流Icpは、目的とするチャージポンプ電流に近い値で行っても良いが、目的値より大きな電流値とすることによって、第1の測定と第2の測定の差がより顕著に現れるようにしても良い。
測定開始時間差Δtは、第1の測定開始と第2の測定開始時刻におけるVCO1の位相が同じになるように選ぶことによって、測定精度を高めることができる。例えば、VCOの周波数が全てのチャネルにおいて200kHzの整数倍であり、カウンタの動作クロックが26MHzである場合、両者の比率は130であるため、26MHzクロックの130周期、すなわち5マイクロ秒毎にVCOの位相は同一になる。従って、測定開始時間差を5マイクロ秒の整数倍とすることによって、第1の測定と第2の測定におけるVCOの初期位相は同一となる。
次に、図9における処理B5以降で行なうチャージポンプ電流Icpの補正方法を説明する。まず、第1の測定におけるカウンタの値x1と、第2の測定におけるカウンタの値x2を読み出し、両者の差分(x2−x1)を計算する(処理B5)。その差分から基準値となる値x0を減じ(処理B6)、さらにチャネル(ch)番号による補正を行う(処理B7)。
チャネル番号による補正は簡単な1次補正で充分であるが、2次、3次等の高次の補正を行っても良い。また、精度に対する要求が低い場合は、ch番号による補正を行わなくても良い。
この補正後の値に係数a1を乗じてチャージポンプ電流Icpの補正値を計算するが、この係数a1は、第1の周波数f1と第2の周波数f2との差(f2−f1)に応じて決定する(処理B8)。また、周波数変化の方向によって係数a1の符号を決定する(処理B9)。係数a1とカウンタ差分値(x2−x1)からチャージポンプ電流の補正量を計算する(処理B10)。ここで、係数は1つだけを用いた1次補正でもよく、複数の係数を用いた高次の補正を行っても良い。この計算によって求められた補正値を、測定に用いたチャージポンプ電流値に加えることによって、目的とするチャージポンプ電流Icpを求めることができる(処理B12)。
図11及び図12に、本実施例のシミュレーション結果を示す。図11は、ループ利得GLPを変化させた時のカウンタ値である。横軸はループ利得の逆数1/GLPであり、縦軸は第1の測定におけるカウンタ値x1と第2の測定におけるカウンタ値x2の差Δxを示している。図11のグラフは、ほぼ直線であるため、1次による補正が可能である。図12は1次による補正を行った結果である。横軸は補正前のループ利得の逆数1/GLPであり、縦軸は補正後のループ利得GLP’である。補正によってループ利得がほぼ一定値になっており、本発明の有効性が確認できる。
本発明の第5の実施例におけるループフィルタの時定数調整回路のブロック構成図を図13に示す。また、図13の動作を説明するための動作波形の一例として、基準クロックREFCLK、分周出力104と105、1次RC積分フィルタ出力117、リミッタ増幅器出力118、および位相比較器出力119を図14に示す。
まず図13において、入力された基準クロックは2分周器(1/2DIV)103によって分周される。2分周器103は、入力の立ち下がりエッジで分周動作する機能と、立上りエッジで分周動作する2つの機能を有する(図14参照)。分周出力104は位相比較器(PD)110へ供給され、分周出力105はバッファ増幅器106へ供給される。
分周出力105は、バッファ増幅器106で負荷駆動能力を増加させた後、抵抗・スイッチアレー回路114と容量113とから構成される1次RC積分フィルタへと供給される。抵抗・スイッチアレー回路114は、集積化抵抗108とスイッチ107から構成されており、スイッチ107を適宜切り替えることによってそのインピーダンスを離散的に変化させる機能を有している。
上記1次RC積分フィルタでは、抵抗・スイッチアレー回路114のインピーダンスと、容量113の容量値によって定まる時定数に基づき、バッファ増幅器106の出力パルスから高調波成分を除去した上で、リミッタ増幅器109を駆動する。リミッタ増幅器109は、電源電圧と接地電位の中間電位をしきい値として、しきい値より低い入力に対しては接地電位、高い入力に対しては電源電位を出力する機能を有する。従って、リミッタ増幅器109の出力信号118は、分周出力104を基準とすると、その遅延量を抵抗・スイッチアレー回路114のインピーダンスに対応して変化させることができる。
次に、分周出力104とリミッタ増幅器109の出力信号118は、位相比較器110において位相比較動作が行われる。位相比較器110は、2つの入力信号のエッジ情報に基づき、位相の進みまたは遅れに応じた極性の信号119を出力する。2つの入力信号のエッジが完全に同期したときは位相比較器110の出力はゼロとなる。これに基づいて、最適値判別部111では、位相比較器110の出力をゼロとするように抵抗・スイッチアレー回路114のスイッチ107をセレクタ(SEL)112により選択する。
例えば、抵抗・スイッチアレー回路114のインピーダンスがローインピーダンスからハイインピーダンスになるようにスイッチ107の切替信号を掃引させ、位相比較器110の出力が最もゼロに近いスイッチの状態を選択することで、最適値が判別される。この結果、集積回路プロセス上の抵抗・容量の製造ばらつき等に起因する1次RC積分フィルタの時定数の変動を補正することができる。
最後に、最適値判別部(DET)112の出力信号はセレクタ112を介してループフィルタ116に含まれる抵抗・スイッチアレー回路115へも供給される。集積回路プロセス上の抵抗間の相対偏差と容量間の相対偏差はそれぞれ数パーセント以内であり、高い精度を確保することができるため、1次RC積分フィルタの時定数補正と同時にループフィルタ116の時定数補正を連動させることが可能となる。実施例1から実施例4では、ループ利得を校正し、極、ゼロ点については校正していなかったが、本実施例のループフィルタの時定数調整回路を、実施例1〜4と併用する事で、ループ利得、極、ゼロ点すべてを校正できるようになる。
図15に第6の実施例の構成を示す。第1の実施例では分周比を変化させて測定を行っているが、本実施例では、基準周波数を変化させることによって測定を行う。まず、切替器(SW)122を基準周波数fREF1側に切り替え、図2に示す初期収束時間T1の間にPLLを収束させた後、基準周波数をfREF2に切り替える。アキュームレータ7の値は、ループ利得によって図2に示した18(L)または18(S)のように変化する。
測定時間T2が経過したのち、アキュームレータ7の値を読み込み、あらかじめレジスタ9に設定された計算値データDcalcとの比較を行い、その差に応じてチャージポンプ電流を切り替えることにより、ループ利得の校正を行うことができる。
本実施例は、第4の実施例と同じ計算方法にも適用できる。この時の計算方法は図9に準じる。処理B1で切り替え器122を第1の基準周波数fREF1に設定し、処理B3で切り替え器122を第2の基準周波数fREF2に切り替えることによって、2つの測定値を得ることができる。この2つの測定値に対して、B5〜B11の処理を行うことによりチャージポンプ電流を得ることができる。このチャージポンプ電流を処理B12と同様に設定することによって、ループ利得の校正を行うことができる。
以上、本発明の好適な実施例について説明したが、本発明はPLL回路に、カウンタ、アキュームレータを加えるだけで、高い精度でループ特性を検出する事ができる。特に、ループ特性の精度を要求するΣΔ送信回路のループ特性の校正を始め、広くPLL回路全般のループ利得の高精度校正を実現可能にする。
また、本発明は上記実施例に限定されるものではなく本発明の精神を逸脱しない範囲内において、種々の設計変更をなし得ることは勿論である。
1,73…電圧制御発振器(VCO)、2…可変分周器(DIV)、3,70,110…位相比較器(PD)、4,71…チャージポンプ(CP)、5,72,116…ループフィルタ(LF)、6…カウンタ(CT)、7…アキュームレータ(ACL)、8…比較演算回路部(CMP)、9…データレジスタ(REG)、10…分周設定切り替え回路(SW)、25…4/5分周器(4/5DIV)、26…2ビット同期カウンタ(2bSYNC_CT)、27…5ビット同期カウンタ(5bSYNC_CT)、28,29…周波数設定レジスタ(fREG)、30…シグマデルタ変調器、31…補間回路、32…ガウシアンフィルタ(GAUS_F)、33…差動符号化器、34…加算器、35…5ビット制御信号、37…電力増幅器、基準クロック…REFCLK、RST…リセット信号、58,59…8ビット同期カウンタ(8bSYNC_CT)、60…ラッチ回路(LAT)、61…インバータ、62,63…Dラッチ回路(D−LAT)、66…3ビットデータ、69…8/9分周器(プリスケラ)、75…低雑音増幅器、76,77…ミキサ、78,79…低周波可変増幅器・低域通過フィルタ列(PGA&LPF)、80,81…AD変換器(ADC)、82…マルチプレクス変換装置(MPXCONV)、83…送信バイナリ信号、84…基準クロック、85…双方向バス、86…帯域通過フィルタ、87…アンテナ、91…ラッチ回路、103…2分周器(1/2DIV)、104,105分周出力、106…バッファ増幅器、107…スイッチ、108…集積化抵抗、109…リミッタ増幅器、111…最適値判別部(DET)、112…セレクタ(SEL)、113…容量、114…抵抗・スイッチアレー回路、117…1次RC積分フィルタ出力、118…リミッタ増幅器出力、119…位相比較器出力、A1〜A13,B1〜B12…処理ステップ、ch…チャネル、f1…第1測定周波数、f2…第2測定周波数、fTX…送信周波数、fc…周波数、fVCO…発信周波数、fREF,fREF1,fREF21…基準周波数、GLP…補正前のループ利得、GLP’…補正後のループ利得、Icpチャージポンプ電流、Lb…加算器出力の下位2ビット、RD…データ読出し信号、sg…送信原信号、T1…初期収束期間、T2…、カウント期間、Ub…加算器出力の上位5ビット。

Claims (9)

  1. 第1の電圧制御発振器と、
    前記第1の電圧制御発振器の出力が接続される第1の周波数変換回路と、
    前記第1の周波数変換回路の出力が第1の入力に接続され、第2の入力に第1の基準信号が接続される第1の位相比較器と、
    前記第1の位相比較器の出力が接続される第1のチャージポンプ回路と、
    前記第1のチャージポンプ回路の出力が接続される第1のループフィルタとを有し、
    前記第1のループフィルタの出力が前記第1の電圧制御発振器の周波数制御端子に接続されて成る位相同期ループ回路であって、
    前記第1の電圧制御発振器の出力が入力される第1のカウンタ回路と、
    前記第1のカウンタ回路の出力が接続される第1のアキュームレータ回路と、
    前記第1のアキュームレータ回路で積分された前記第1のカウンタ回路出力の積分結果に基づいた設定値を前記第1のチャージポンプ回路に対して出力する第1のループ特性検出回路とをさらに具備し、
    前記第1の周波数変換回路の周波数変換特性を第1の周波数から第2の周波数にステップ状に変化させた際の前記第1の電圧制御発振器の出力を、前記第1のカウンタ回路とその出力に接続される前記第1のアキュームレータ回路で積分して得られた積分結果を用いて、前記第1のチャージポンプ回路に係る電流を切り替える
    ことを特徴とする位相同期ループ回路。
  2. 第1の電圧制御発振器と、
    前記第1の電圧制御発振器の出力が接続される第1の周波数変換回路と、
    前記第1の周波数変換回路の出力が第1の入力に接続され、第2の入力に第1の基準信号が接続される第1の位相比較器と、
    前記第1の位相比較器の出力が接続される第1のチャージポンプ回路と、
    前記第1のチャージポンプ回路の出力が接続される第1のループフィルタとを有し、
    前記第1のループフィルタの出力が前記第1の電圧制御発振器の周波数制御端子に接続されて成る位相同期ループ回路であって、
    前記第1の電圧制御発振器の出力が入力される第1のカウンタ回路と、
    前記第1のカウンタ回路の出力が接続される第1のアキュームレータ回路と、
    前記第1のアキュームレータ回路で積分された前記第1のカウンタ回路出力の積分結果に基づいた設定値を、前記第1のチャージポンプ回路に対して出力する第1のループ特性検出回路とをさらに具備し、
    前記第1の基準信号を第1の設定である第1の周波数から第2の設定である第2の周波数へステップ状に変化させた際の前記第1の電圧制御発振器の出力を、前記第1のカウンタ回路とその出力に接続される前記第1のアキュームレータ回路で積分して得られた積分結果を用いて、前記第1のチャージポンプ回路に係る電流を切り替える
    ことを特徴とする位相同期ループ回路。
  3. 請求項1記載の位相同期ループ回路において、
    前記第1の周波数変換回路は第1の分周器であり、
    前記第1の分周器の分周数が、第1のシグマデルタ変調器の出力と、第1のレジスタ出力との加算で決定され、
    前記第1の周波数から前記第2の周波数へのステップ状に変化させる設定は、前記第1のレジスタと前記第1のシグマデルタ変調器の入力に接続された第2のレジスタで周波数変換特性が設定され、前記積分結果に応じて前記第1のチャージポンプ回路のチャージポンプ電流の駆動電流を変化させることでループ利得を一定に保つ
    ことを特徴とする位相同期ループ回路。
  4. 請求項2記載の位相同期ループ回路において、
    前記第1の周波数変換回路は第1の分周器であり、
    前記積分結果に応じて前記第1のチャージポンプ回路のチャージポンプ電流の駆動電流を変化させることでループ利得を一定に保つ
    ことを特徴とする位相同期ループ回路。
  5. 請求項4記載の位相同期ループ回路において、
    前記積分結果は、前記第1の基準信号の整数倍である第3の周波数に位相同期ループを収束させた後、前記第1の周波数に位相同期ループを収束させ、その後、前記第2の周波数に設定し、前記第2の周波数に収束する過程で前記第1の電圧制御発振器の出力を前記第1のカウンタ回路とその出力に接続される第1のアキュームレータ回路で積分して得られた積分結果であり、
    前記積分結果に応じて、前記第1のチャージポンプ回路のチャージポンプ電流の駆動電流を変化させることでループ利得を一定に保つ
    ことを特徴とする位相同期ループ回路。
  6. 請求項2記載の位相同期ループ回路において、
    前記第1の周波数に位相同期ループを収束させ、所定の時間の間、前記第1の電圧制御発振器の出力を、前記第1のカウンタ回路とその出力に接続される前記第1のアキュームレータ回路で積分して得られた積分結果を第1のデータとし、その後第2の周波数に設定し、前記第2の周波数に収束する過程を前記第1のカウンタ回路とその出力に接続される第1のアキュームレータ回路で積分して得られた積分結果を第2のデータとし、前記第1のデータと前記第2のデータの差を基に、前記第1のチャージポンプ回路のチャージポンプ電流の駆動電流を変化させることで、ループ利得を一定に保つ
    ことを特徴とする位相同期ループ回路。
  7. 請求項3記載の位相同期ループ回路において、
    90度位相の異なる2つの出力を持つ第1の分周器と第1の位相比較器、スイッチで切り替え可能な第1の抵抗アレーと第1の容量とを有し、前記第1の位相比較器の第1の入力に前記第1の分周器の第1の出力が接続され、
    前記第1の位相比較器の第2の入力に前記第1の抵抗アレーの出力が接続され、
    前記第1のループフィルタを構成する抵抗が、前記第1の抵抗アレーと同じ構成で、かつ、構成される各抵抗の比も同じになる第2の抵抗を具備し、
    前記第1の位相比較器において前記第1の入力と前記第2の入力の位相を比較して両者の位相が等しくなるように前記第1の抵抗アレーのスイッチを選択し、
    前記第2の抵抗アレーに対して、前記第1の抵抗アレーと同じスイッチが選択される
    ことを特徴とする位相同期ループ回路。
  8. 第1の電圧制御発振器と、
    前記第1の電圧制御発振器の出力が接続される第1の周波数変換回路と、
    前記第1の周波数変換回路の出力が第1の入力に接続され、第2の入力に第1の基準信号が接続される第1の位相比較器と、
    前記第1の位相比較器の出力が接続される第1のチャージポンプ回路と、
    前記第1のチャージポンプ回路の出力が接続される第1のループフィルタとを有し、
    前記第1のループフィルタの出力が前記第1の電圧制御発振器の周波数制御端子に接続されて成る位相同期ループ回路のループ特性を検出するループ特性検出回路であって、
    前記第1の電圧制御発振器の出力が入力される第1のカウンタ回路と、
    前記第1のカウンタ回路の出力が接続される第1のアキュームレータ回路とを具備して成り、
    前記第1の基準信号を第1の設定である第1の周波数から第2の設定である第2の周波数へステップ状に変化させた際の前記第1の電圧制御発振器の出力を、前記第1のカウンタ回路とその出力に接続される前記第1のアキュームレータ回路で積分して得られた積分結果に基いて前記ループ特性を検出し、
    該ループ特性に応じて前記第1のチャージポンプ回路に係る電流を切替える
    ことを特徴とするループ特性検出回路。
  9. 第1の電圧制御発振器と、
    前記第1の電圧制御発振器の出力が接続される第1の周波数変換回路と、
    前記第1の周波数変換回路の出力が第1の入力に接続され、第2の入力に第1の基準信号が接続される第1の位相比較器と、
    前記第1の位相比較器の出力が接続される第1のチャージポンプ回路と、
    前記第1のチャージポンプ回路の出力が接続される第1のループフィルタとを有し、
    前記第1のループフィルタの出力が前記第1の電圧制御発振器の周波数制御端子に接続されて成る位相同期ループ回路のループ特性を検出するループ特性検出回路であって、
    前記第1の電圧制御発振器の出力が入力される第1のカウンタ回路と、
    前記第1のカウンタ回路の出力が接続される第1のアキュームレータ回路とを具備して成り、
    前記第1の周波数変換回路の周波数変換特性を第1の周波数から第2の周波数にステップ状に変化させた際の前記第1の電圧制御発振器の出力を、前記第1のカウンタ回路とその出力に接続される前記第1のアキュームレータ回路で積分して得られた積分結果に基いて前記ループ特性を検出し、
    該ループ特性に応じて前記第1のチャージポンプ回路に係る電流を切替える
    ことを特徴とするループ特性検出回路。
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