JP2009284376A - 無線通信装置 - Google Patents

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Masaru Suwa
大 諏訪
Hiroyuki Ishihara
裕行 石原
Toshihiko Sakata
俊彦 坂田
Koji Hayashida
浩二 林田
Akira Shibuta
朗 渋田
Norihiro Toyomura
紀宏 豊村
Kyoichi Obana
恭一 小花
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Abstract

【課題】干渉に強く、通信品質の良い無線通信装置を提供することを目的とする。
【解決手段】コードレス電話機の親機と子機は、複数の周波数帯域の中から一の周波数帯域のチャネルを選択的に切り替えて時分割多重により通信を行う。この通信は、複数の周波数帯域における全チャネルの受信電界強度を測定し、周波数帯域ごとに区分して受信電界強度データとして記憶しておき、通信環境が悪化して通信しているチャネル・スロットから他のチャネル・スロットへ切り替える必要があると判断されると、受信電界強度データに基づいて切り替え先のチャネルを選択し、選択されたチャネル・スロットに基づいて切り替えを行うことで、干渉に強く品質のよい環境を維持することができる。
【選択図】図5

Description

本発明は、TDMA(Time Division Multiple Access)方式で通信する無線通信装置に関する。
無線通信は、送信電波の電界強度や、装置間の距離、ノイズとなる干渉電波の存在が、通信品質に大きく影響する。
干渉電波についての対策の技術として、例えば、特許文献1に記載された干渉回避方法では、干渉を検出すると、通信するチャネルを切り替えるようにしている。具体的には、まず、干渉を検出した無線端末からの通知により、親局が全ての無線端末に対してチャネル切り替えの実行と切り替え開始タイミングとを通知する。次に、この通知を受信した全ての無線端末が、親機からの乱数基数を元にして乱数を生成してチャネル切り替え先チャネルを決定することで、通信を継続できるようにしている。
特開2000−261449号公報
しかし、特許文献1に記載された干渉回避方法では、干渉回避のためにチャネルを切り替えているだけである。例えば、無線通信装置が使用している周波数帯域が2.4GHz帯である場合では、同じ2.4GHz帯にノイズを幅広く発生する電子レンジが近くで作動していると、2.4GHz帯の全てのチャネルに干渉電波が発生してしまうので、チャネルを切り替えても通信できない事態となるおそれがある。
そこで本発明は、干渉に強く、通信品質の良い無線通信装置を提供することを目的とする。
本発明の無線通信装置は、複数の周波数帯域の中から一の周波数帯域のチャネルを選択的に切り替えて時分割多重により他の無線通信装置と無線通信を行う無線送受信部と、前記複数の周波数帯域のそれぞれにおける各チャネルの受信電界強度を測定し、周波数帯域ごとに区分して受信電界強度データとして記憶する受信電界強度データ処理部と、使用中チャネルから他のチャネルに切り替える必要があるか否かを判定する切替判定部と、前記切替判定部が切り替えの必要有りと判定した場合に、前記受信電界強度データに基づいて現在使用中の周波数帯域以外のチャネルを優先して選択する選択部と、前記選択部によって選択された周波数帯域のチャネルへの切り替えを前記無線送受信部に指示する切替部とを備えたことを特徴とする。
本発明は、受信電界強度データに基づいて現在使用中の周波数帯域以外のチャネルへ優先的に切り替えることで良好な通信を維持することができるので、干渉に強く、品質の良い無線通信装置とすることができる。
本発明の無線通信装置は、時分割多重により他の無線通信装置と無線通信を行い、状況に応じてチャネルを選択的に切り替えながら通信を行うものである。
本発明の第1の発明は、それぞれ離れた複数の周波数帯域の中から一の周波数帯域のチャネルを選択的に切り替えて時分割多重により他の無線通信装置と無線通信を行う無線送受信部と、これら複数の周波数帯域のそれぞれにおける各チャネルの受信電界強度を測定し、周波数帯域ごとに区分して受信電界強度データとして記憶する受信電界強度データ処理部と、使用中チャネルから他のチャネルに切り替える必要があるか否かを判定する切替判定部と、切替判定部が切り替えの必要有りと判定した場合に、受信電界強度データに基づいて現在使用中の周波数帯域以外のチャネルを優先して選択する選択部と、選択部によって選択された周波数帯域のチャネルへの切り替えを無線送受信部に指示する切替部とを備えたものである。
以上の構成により、まず受信電界強度データ処理部が複数の周波数帯域における全チャネルの受信電界強度を測定し、周波数帯域ごとに区分して受信電界強度データとして記憶しておく。次に、切替判定部が他のチャネルへの切り替えが必要であると判定した場合、チャネル選択部は現在使用中の周波数帯域以外の他の周波数帯域の中から優先的に受信電界強度データに基づいて切り替え先の周波数帯域のチャネルを選択する。そして、切替部が無線送受信部に、選択された周波数帯域のチャネルへ切り替えを指示する。そうすることで、切り替え後は優先的に他の周波数帯域の中からチャネルが選択されるので、ノイズとなる干渉電波が同じ周波数帯域のほぼ全チャネルに対して干渉している場合などでも、異なる周波数帯域へ切り替わり良好な通信を維持することができる。
本発明の第2の発明は、切替判定部は、無線通信におけるエラー発生頻度または連続フレームエラー回数に基づいて、他のチャネルに切り替える必要があるか否かを判定することを特徴したものである。第2の発明により、エラー発生頻度または連続フレームエラー回数に基づいて他のチャネルに切り替える必要があるか否かの判定をすることで、切り替えが必要か不要かを的確に判断することができる。
本発明の第3の発明は、切替判定部は、無線通信における使用中チャネルの電界強度に基づいて、他のチャネルに切り替える必要があるか否かを判定することを特徴したものである。第3の発明により、無線通信における使用中チャネルの電界強度に基づいて、他のチャネルに切り替える必要があるか否かを判定することで、干渉電波の強度に応じて的確に判断することができる。
本発明の第4の発明は、チャネル選択部は、受信電界強度データの中から最小値のチャネルを選択することを特徴としたものである。第4の発明により、受信電界強度データの中から最小値のチャネルを選択することで、切り替え先のチャネルとして最も良好なチャネルを選択することができる。
本発明の第5の発明は、受信電界強度データ処理部は、受信電界強度データに基づいて良好度合いの高いチャネルを周波数帯域ごとに良好チャネル優先情報として集計し、チャネル選択部は、良好チャネル優先情報に基づいて良好度合いの高いチャネルの数が多い周波数帯域を優先して切り替え先のチャネルを選択することを特徴としたものである。第5の発明においては、切り替え先が良好なチャネルであっても、同じ周波数帯域内の他のチャネルの状態が全体的に良好でなければ、干渉電波によってやがて通信に支障が出る可能性があるので、良好度合いの高いチャネルの数が多い周波数帯域を優先して切り替え先のチャネルを選択することで、安定した通信を継続することができる周波数帯域を選択することができる。
本発明の第6の発明は、良好度合いは、測定された受信電界強度が所定の閾値よりも低い場合に、高いと設定されていることを特徴としたものである。第6の発明により、測定された受信電界強度が所定の閾値よりも低い場合に、良好度合いが高いと設定されていることにより、干渉電波の影響が少ない周波数帯域を選択することができる。
本発明の第7の発明は、良好度合いは、無線通信におけるエラー発生頻度が低い場合に、高いと設定されていることを特徴としたものである。第7の発明により、無線通信におけるエラー発生頻度が低い場合に、良好度合いが高いと設定されていることにより、干渉電波によるエラーの発生だけでなく、他の要因により発生するエラーの発生による影響も考慮することができる。
本発明の第8の発明は、チャネル選択部は複数の周波数帯域に対して予め設定された優先順位に基づいて優先順位の高い周波数帯域を優先して切り替え先のチャネルを選択することを特徴としたものである。第8の発明により、複数の周波数帯域のそれぞれに設定された優先順位に基づいて優先順位の高い周波数帯域を優先して切り替え先のチャネルを選択することで、チャネルの切り替えが必要な場合に、所望とする周波数帯域へ優先的に切り替えることができる。
本発明の第9の発明は、優先順位は複数の周波数帯域の通話可能距離が長い順に設定されているものである。第9の発明により、電波の到達距離が長い周波数帯域を優先的に切り替え先のチャネルとして割り当てることができる。
本発明の第10の発明は、優先順位は複数の周波数帯域の波長及び送信電力を加味して設定されているものである。第10の発明により、波長と送信電力を加味することによって、的確に通話可能距離が長い順に優先順位を設定することができる。
本発明の第11の発明は、優先順位が、優先モード別に予め設定された複数の優先順位を有し、チャネル選択部は、設定された優先モードに応じた優先順位に基づいて、優先順位の高い周波数帯域を優先して切り替え先のチャネルを選択することを特徴としたものである。第11の発明により、通話可能距離優先モードまたは干渉回避優先モード等の優先モードに応じて設定された優先順位に従って切り替え先のチャネルを選択するので、より最適な切り替えを行うことができる。
(実施の形態)
本発明の実施の形態に係る無線通信装置について、コードレス電話機を例に、図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るコードレス電話機の構成を示す図である。図2は、図1に示すコードレス電話機が使用する周波数帯域とチャネルとを示す図であり、(A)は周波数帯域を示す図、(B)は周波数帯域とチャネル番号との対応を示す図である。図1に示すコードレス電話機10は、電話回線Lと接続された一台の親機20と、親機20とTDMA/TDD方式で通信する3台の子機30(A〜C)とを備えている。ここで用いられる方式は、上り/下りでそれぞれ6スロットずつを使用し、一つのフレームが12個のスロットで構成される(図5参照)。またこの親機20と子機30とは、3つの異なる周波数帯域を使用して通信を行っている。具体的には、図2(A)に示すように1.9GHz帯(帯域1)と2.4GHz帯(帯域2)と5.8GHz帯(帯域3)の3つ周波数帯域で、同図(B)に示すようにそれぞれ5つのキャリア周波数(以下、チャネルと称す)を割り当て、その中から一つを使って通信する。
次に、親機20と子機30との構成を図3及び図4に基づいて詳細に説明する。図3は、図1に示すコードレス電話機の親機の構成を示すブロック図である。図4は、図1に示すコードレス電話機の子機の構成を示すブロック図である。
図3において、親機20は、帯域1〜3用アンテナ11a〜11cと、無線送受信部12と、通信制御部13と、音声処理部21とを備えている。
帯域1〜3用アンテナ11a〜11cは、それぞれの周波数帯域の電波を送受信するのに適した特性を備えたアンテナである。無線送受信部12は、子機30と無線通信する際に、帯域1〜3の中から一の周波数帯域を選択的に切り替えて子機30と無線通信を行うものである。
通信制御部13は、子機30との無線通信を行うに際し、使用するチャネルやスロットを無線送受信部12へ指示する制御部である。通信制御部13は、あるチャネルから他のチャネルに切り替える場合、同時にスロットも切り替える。以下、周波数軸上でのチャネルと、時間軸上でのスロットから成る2次元的なマトリックスをチャネル・スロットと呼ぶ。チャネル・スロットごとに受信電界強度が測定され、図8に示すように記録される。通信制御部13は後段で説明する判断処理によって最適な周波数帯域を選択し、その周波数帯域の中から選定されたチャネル及びスロットへの切り替えを無線送受信部12に指示する。
この通信制御部13は、送信制御データパケット処理部13aと、送信音声データパケット処理部13bと、送信パケット作成部13cと、受信パケット解析部13dと、受信制御データパケット処理部13eと、受信音声データパケット処理部13fとを備えている。また、通信制御部13は、受信電界強度データ処理部13gと、エラー計数処理部13hと、切替判定部13iと、チャネル・スロット選択部13jと、チャネル・スロット切替部13kとを備えている。
送信制御データパケット処理部13aは通信制御用のデータに対して生成した誤り検出符号であるCRCを付加する。送信音声データパケット処理部13bは、音声データに対して生成したCRCを付加する。
送信パケット作成部13cは、送信制御データパケット処理部13aで生成した通信制御用データと、送信音声データパケット処理部13bで生成した音声データを結合して無線送受信部12により送信するためのパケットを生成する。
受信パケット解析部13dは、無線送受信部12を介して受信したパケットを解析すると共に、受信したパケットを制御用データと音声データに分離する。
受信制御データパケット処理部13eは、通信制御用のデータを処理し、また通信制御用のデータに対して付加されたCRCにより受信エラーを検出する。受信音声データパケット処理部13fは、音声データを処理し、また音声データに対して付加されたCRCにより受信エラーを検出する。
受信電界強度データ処理部13gは、各周波数帯域の中のそれぞれのチャネルの電界強度をスロットごとに測定して受信電界強度データとしてメモリ13nへ記憶する。また受信電界強度データ処理部13gは、記憶されている電界強度の度合いに基づいて良好なスロットか否かを判定し、また良好なスロットの数を集計してスロットの優先度を設定する機能を備えている。エラー計数処理部13hは、受信エラーが発生したときに、エラーカウンタをカウントアップする。
切替判定部13iは、現在通信している同じチャネルの他のスロットまたは他のチャネルの何れかのスロットへ切り替える必要があるか否かを判定する。切替判定部13iは、受信エラーが頻発する等により切り替えが必要であると判定したときには、内容に応じて干渉検知したことを示す干渉検知フラグを設定したり、受信状態が不良であることを示す不良検知フラグを設定したりする。干渉検知フラグや不良検知フラグは切替判定部13i内のメモリ13mに書き込まれる。また、切替判定部13iは、複数のフレームに連続してエラーが発生した場合にカウントアップされる連続フレームエラーカウンタ13pを備えている。この連続フレームエラーカウンタ13pは、スロットごとに管理されている。
チャネル・スロット選択部13jは、切替判定部13iにより切り替える必要があると判定された場合に、受信電界強度データ処理部13gにより測定された受信電界強度データに基づいて切り替え先のチャネルのスロットを「チャネル・スロット」として選択する。
チャネル・スロット切替部13kは、選択されたチャネル・スロットに基づいて無線送受信部12に切り替えを指示する。
音声処理部21は、通信制御部13からの音声データをスピーチデコーダ21aにより復号化して回線出力部21bを介して電話回線Lに出力したり、電話回線Lから回線入力部21cを介して入力した信号をスピーチエンコーダ21dにより音声データに符号化して通信制御部13へ出力したりする。
なお、本実施の形態では、親機20が電話回線Lに接続されたコードレス電話機10であるが、親機20をインターネットに接続されるIP電話機とすることも可能である。
次に子機30について説明する。但し、図3に示す親機20においては音声入出力部が電話回線Lであるのに対し、子機30における音声入出力部はスピーカSP及びマイクMICである。図3に示す親機20と子機30はこの音声入出力部の点を除いて、TDMA通信を行うための構成はほぼ同じであるから、同じ機能を有するものは同符号を付して親機20側での説明のみ行い、以下の子機30側の説明では省略する。なお親機20と子機30とがTDMA通信を行う場合はマスタ/スレーブの関係となり、親機20はマスタ、子機30はスレーブとなる。
図4において、子機30は、帯域1〜3用アンテナ11a〜11cと、無線送受信部12と、通信制御部13と、音声処理部31とを備えている。音声処理部31は、通信制御部13からの音声データをスピーチデコーダ31aにより復号化してスピーカSPに出力したり、マイクMICを介して入力した信号をスピーチエンコーダ31bにより音声データに符号化して通信制御部13へ出力する機能を備えている。
以上のように構成された本発明の実施の形態に係るコードレス電話機の動作を図5から図19に基づいて説明する。
図5は、フレームの構成を示す図である。図6は、各スロットの処理手順を示すフローチャートである。図5に示すフレーム構成例のように親機20と子機30(A〜C)が通信を行うフレーム構成は、一つのフレームが12個のスロットで構成されており、前半6スロットが親機受信スロット(子機送信スロットでもある)、後半6スロットが親機送信スロット(子機受信スロットでもある)として使用される。ある一台の子機30と親機20は1フレームの中で1回ずつパケットを交換して通信を行っている。
親機20と子機30は、これらのスロットの中の各受信スロットごとに図6に示す制御が行われる。以下、親機20における電解強度測定のための制御について説明する。
図6において、まずエラー計数処理部13hは、S1010にて一定時間が経過したか否かを判断する。この一定時間は、バックグランドスキャンが全周波数帯域の全チャネルの全スロットについて一巡する期間より長い時間周期である。S1010にて一定時間が経過したと判定される場合には、S1020にてエラー計数処理部13hは該当するチャネルのスロットのエラーカウンタをカウントダウンする。なお、この一定期間経過したことを契機にエラー計数処理部13hがエラーカウンタをカウントダウンする処理についての詳細は後述する。
次に、通信制御部13はS1030にて、その時のスロットがデータ通信のための受信スロットか否かを判定する。つまり親機20であれば、図5に示すスロット0〜5であるか否かを判定する。S1030での判定が、データ通信のための受信スロットではないと判定された場合には、S1040へ移行する。
S1040では受信電界強度データ処理部13gにより、その時のスロットが電界強度測定用受信スロットであるか否かが判定される。電界強度測定用受信スロットでないと判定された場合には処理を終了する。S1040にて電界強度測定用受信スロットであると判定された場合には、S1050にて受信電界強度データ処理部13gにより良好チャネル情報記憶手順が実行される。
ここで、良好チャネル情報記憶手順について、図7から図10に基づいて説明する。図7は、バックグランドスキャンにより良好チャネル情報記憶手順を示すフローチャート、図8は、チャネル・スロット受信電界強度マップを示す図、図9は、良好チャネル・スロットマップを示す図、図10は、エラーチャネル・スロットマップを示す図である。
良好チャネル情報記憶手順は、図7に示すようにまずS210にて所定のスロットの受信電界強度を測定する。この測定は受信電界強度データ処理部13gが無線送受信部12へ指示することにより行われる。測定した結果は図8に示すチャネル・スロット受信電界強度マップとして受信電界強度データ処理部13gのメモリ13に記憶される。
このチャネル・スロット受信電界強度マップは、測定された電界強度を受信電界強度データとして、周波数帯域ごとに区分されたチャネル番号に対応させてスロットごとに記憶されたテーブルである。S210で測定された電界強度は、このチャネル・スロット受信電界強度マップの該当する箇所に記憶される。
図8の例では、それぞれの周波数帯域ごとの全てのチャネル・スロットのバックグランドスキャンが行われた後を示しており、チャネル・スロット受信電界強度マップのそれぞれの箇所に電界強度が記憶されている。
そして、受信電界強度データ処理部13gは、S220にて測定された電界強度が所定の値よりも低いか否かを判定する。所定の値よりも低いと判定された場合には、干渉電波が無いあるいは少ないと判断できるので、S230にて良好度合いが高い良好チャネル・スロットとして良好を示すマーキングを行う。
S230における良好を示すマーキングは、図9に示す良好チャネル・スロットマップとして記憶される。つまり、該当する周波数帯域のチャネル番号の各スロットのそれぞれの電界強度が、所定の閾値よりも低ければ良好、所定の閾値以上であれば不良として記憶される。これら閾値は適宜決定することができる。
図7のS220にて測定された電界強度が所定の値以上であると判定された場合には、測定されたチャネルのスロットにおいて干渉電波が検知されたということなので、S240にて良好度合いが低い不良チャネル・スロットとして不良のマーキングを行う。
受信電界強度データ処理部13gは、図7のS250にてエラーカウンタのアップを行う。このエラーカウンタのアップは、S220にて測定された電界強度が所定の値以上との判定を受けてカウントアップされるもので、図10に示すエラーチャネル・スロットマップとして受信電界強度データ処理部13g内のメモリ13nに記憶される。つまり、無線通信で発生するCRCエラー以外に、干渉電波を測定する電界強度測定において干渉電波が測定された場合にはエラーとしてカウントアップする。このようにして良好チャネル・スロットマップまたはエラーチャネル・スロットマップの更新を行う(S260)。
良好チャネル情報記憶手順が終了すると、図6に示すS1060にて良好周波数帯域情報記憶手順が実行される。ここでS1060の良好周波数帯域情報記憶手順について、図11に基づいて説明する。図11は、良好周波数帯域情報記憶手順を示すフローチャートである。
図11に示す良好周波数帯域情報記憶手順は、まず、受信電界強度データ処理部13gが、S310にて周波数帯域ごとの良好チャネル・スロットの総数によりこの周波数帯域の良好度合いを判定するとの設定がされている否かを判定し、良好チャネル・スロットの総数から判定するとの設定であればS320へ移行する。
S320では、受信電界強度データ処理部13gが良好チャネル・スロットマップからデータを取得する。さらにS330にて、良好チャネル・スロットマップのそれぞれのデータに基づいて周波数帯域ごとに良好を示すマーキングの数を集計し、その集計結果により良好チャネル・スロット優先情報を算出する。
S340にて、受信電界強度データ処理部13gは、集計された良好チャネル・スロット優先情報に基づいて総数が多い順番に周波数帯域の優先度を高くするように設定する。この優先情報が高い帯域が優先的に使用される。図9の例では、帯域1では良好チャネル・スロット優先情報は20、帯域2では30、帯域3では25となっており、帯域2が最も総数が多いので優先度が高く、帯域1が最も総数が少ないので優先度が低いと設定されている。
また、図8及び図9の例では、チャネル・スロット受信電界強度マップや良好チャネル・スロットマップは、帯域1〜3の中の各チャネルを周波数軸上の最小単位として、さらにTDMAの各スロットを時間軸上の最小単位として電界強度を測定し、2次元上で良好/不良のマーキングを行っている。このようにスロットごとでも区別してマーキングすることにより、周囲からの干渉電波の状況をより細かく把握でき、正確に切り替え先のチャネルの状態を判断することが可能となる。
一方、S310にて、良好チャネル・スロットの総数から判定しないとの設定であればS350へ移行する。
S350にて、受信電界強度データ処理部13gはエラーチャネル・スロットマップからデータを取得する。S360にて、エラーチャネル・スロットマップのそれぞれのエラーカウンタに基づいて集計を周波数帯域ごとに行って、エラーカウンタによる良好チャネル・スロット優先情報を算出する。図10の例では、帯域1では14、帯域2では3、帯域3では9となっている。
S370にて、受信電界強度データ処理部13gは、集計された良好チャネル・スロット優先情報に基づいて総数が少ない順番に周波数帯域の優先度を高くするように設定する。すなわち図10の例では、帯域14が最も総数が多いので優先度が低く、帯域2が最も総数が少ないので優先度が高いと設定されている。
このようにして良好周波数帯域情報記憶手順での周波数帯域ごとの優先度が設定されると、図6に示すS1070にて受信電界強度データ処理部13gは、干渉電波が検知されたか否かを判定する。この判定は、図7のS210にて測定された受信電界強度が所定値より大きい場合に、干渉電波を検知したとするものである。S1070にて干渉電波が検知されなかった場合には、処理を終了する。
またS1030にて、親機20であれば図5に示すスロット1,2であるデータ通信中の受信スロットであるとの判定である場合には、S1080にて切替判定部13iによる受信レベル不良判断手順を実行する。ここで、受信レベル不良判断手順について、図12に基づいて説明する。図12は、受信レベル不良判断手順を示すフローチャートである。
受信レベル不良判断手順は、まず、S410にて受信レベルによる判定を行うことを示す設定が有効かを判定する。S410にて設定が無効であれば受信レベル不良判断手順による処理は行わないことを示しているので、この処理を終了する。
S410にて設定が有効であると判定されると、S420にてデータ通信するための受信スロットの電界強度が所定の値よりも低いか否かを判定する。この受信電界強度は、受信電界強度データ処理部13gを介して切替判定部13iへ入力される。
S420にて所定の値よりも低いと判定された場合には、親機20と子機30との間の距離が離れてしまっていることが想定されるので、S430にて不良検知フラグを有効に設定して処理を終了する。
このようにして受信レベル不良判断手順が終了すると、図6に示すS1090にてエラーカウント手順が実行される。
次にエラーカウント手順について図13及び図14に基づいて説明する。図13は、エラーカウント手順を示すフローチャート、図14は、スロットフォーマットを示す図である。
図13に示すエラーカウント手順は、まずS510にてエラー計数処理部13hが受信したスロットが受信エラーを発生しているか否かを判定する。データパケットを受信すると、受信制御データパケット処理部13eは通信制御用のデータを処理し、また通信制御用のデータに対して付加されたCRCにより受信エラーを検出する。また受信音声データパケット処理部13fは、音声データを処理し、また音声データに対して付加されたCRCにより受信エラーを検出する。つまり図14に示すように、スロットフォーマットにおけるシンクワードの同期エラーがあったか否か、または通信データにてCRCエラー(パケットエラー)を検出したことの情報が受信制御データパケット処理部13eまたは受信音声データパケット処理部13fから通知されたか否かに基づいて、受信エラーが発生しているか否かを判定する。
S510にて受信エラーが発生していない場合、処理を終了する、S510にて受信エラーが発生している場合には、S520にて、図10に示すエラーチャネル・スロットマップの該当するエラーカウンタをカウントアップする。例えば、受信エラーが発生したチャネル・スロットが、帯域1のチャネル番号3であってスロット1であれば、ここの値を+1することで現状2であれば3とする。
このようにエラーチャネル・スロットマップの各エラーカウンタは、受信エラー等の発生でカウントアップされることで、良好周波数帯域情報記憶手順(図11参照)では周波数帯域ごとに割り当てられる優先順位が下がる。一度優先順位が下げられると、しばらくは下げられたままとなり、次のスロットで受信エラーが無くてもエラーカウンタはすぐにカウントダウンされない。優先順位は過去の受信エラーの発生状態に影響される。
このエラーカウンタは一定期間が経過するごとに全部のチャネル・スロットでカウントダウンされる。すなわち図6に示すS1010にて一定期間が経過した場合は、S1020により全部のチャネル・スロットのエラーカウンタがカウントダウンされる。このようにある程度の期間で自動的にカウントダウンしていくことで、干渉電波による影響が無くなる等の周囲の状況の変化に応じて優先順位を復帰させる。
図13に示すS530では、切替判定部13iがデータ通信するための受信スロットの電界強度が所定の値よりも高いか否かを判定する。受信エラーが検出された時の電界強度が比較的高いなら、その受信エラーが干渉電波による可能性が高い。もし、親機20と子機30との距離が近くて受信電界強度が高いのに、受信エラーが検出されたということは受信エラーは干渉電波によるものと判断できる。従って、S530にて受信電界強度が所定の値よりも高ければ干渉検知したということで、S540にて切替判定部13iが干渉検知フラグを有効にして処理を終了する。S530にて受信電界強度が所定の値以下であれば、この処理を終了する。
このようにしてエラーカウント処理手順が終了すると、図6に示すS1100にてエラー不良判断手順が実行される。
次にエラー不良判断手順について、図15から図19に基づいて説明する。図15は、エラー不良判断手順を示すフローチャート、図16から図19はチャネル・スロット切替手順A〜Dを示すフローチャートである。エラー不良判断手順は、エラーレートに基づいて不良のチャネル・スロットを判断している。
図15において、まず切替判定部13iが、S610にてエラーレートを取得する。このエラーレートは、一定期間内のエラーチャネル・スロットマップの各エラーカウンタの値に基づいて受信電界強度データ処理部13gが算出したものである。つまり、エラーレートはスロットごとに管理されている。
次に、切替判定部13iが、S620にて連続フレームエラーカウンタ13pの値を取得する。切替判定部13iに設けられた連続フレームエラーカウンタ13pは、スロットごとに管理されており、複数のフレームに連続してエラーが発生した場合にカウントアップを続けるカウンタである。例えばあるスロットにCRCエラーや同期エラーなどの受信エラーが発生した場合にエラー計数処理部13hからの情報によりカウントアップする。
例えば図5に示すようにスロット1を使用して送信される子機Aからの送信パケットが受信エラーであった場合にカウントアップ(+1)され、次のフレームの同じスロットでも受信エラーが発生した場合はさらにカウントアップされる。一度受信エラーであってカウントアップ(+1)され、次のフレームでは受信エラーが無かった場合は、連続フレームエラーカウンタ13pはクリアされる。
次に、切替判定部13iが、S630にてエラーレートが高い、または連続フレームエラーカウンタ13pの値が所定の値を超える連続フレームエラーか否かを判定する。エラーレートが高いとは、S610にて算出されたエラーレートが所定値以上である場合で、このチャネルのスロットに受信エラーが頻繁に発生していることを示している。また、S620にて取得された連続フレームエラーカウンタ13pの値は受信エラーが発生する度にカウントアップ(+1)されるので、例えば、5フレームほど連続して発生した場合には連続フレームエラーカウンタ13pの値は5となる。従って、5フレームほど連続してあるスロットに受信エラーが発生したら連続フレームエラーとする場合には、所定の値を4とする。
S630にてエラーレートが所定値未満である、または連続フレームエラーカウンタ13pの値が所定値以下であると判定された場合には、この処理を終了する。
S630にてエラーレートが高い、または連続フレームエラーカウンタ13pの値が所定の値を超えたと判定された場合には、不良チャネル・スロットと判断されるためS640にて不良検知フラグを有効として処理を終了する。
このようにしてエラー不良判断手順が終了すると、チャネル・スロット選択部13jは、図6に示すS1110にて不良検知フラグ、または干渉検知フラグが有効か否かを判定する。両方とも無効であれば処理を終了する。
以下、不良検知フラグまたは干渉検知フラグが有効である場合について説明する。図6に示すS1110にて不良検知フラグ、または干渉検知フラグの何れかが有効であれば、チャネル・スロットの切り替えを行う。本実施の形態では、切り替え先のチャネル及びスロットの選定に5種類の方法を備えており、設定(チャネル・スロット切替手順フラグ)により何れかの方法を選択する事ができる。
まず、S1120では、チャネル・スロット切替手順フラグが1であるか否かを判定する。S1130ではチャネル・スロット切替手順フラグが2であるか否かを、またS1140ではチャネル・スロット切替手順フラグが3であるか否かを、またS1150ではチャネル・スロット切替手順フラグが4であるか否かを判定する。チャネル・スロット切替手順フラグが1〜4の何れともと異なる場合にはS1160へ移行する。
まずS1120において、チャネル・スロット切替手順フラグが1である場合には、S1170にてチャネル・スロット切替手順Aが実行される。チャネル・スロット切替手順Aでは、チャネル・スロット選択部13jが図16に示すS710にて良好チャネル・スロットマップ(図9参照)に良好チャネル・スロットが存在するか否かを判定する。良好チャネル・スロットマップに良好チャネル・スロットが無い場合には、切り替え先のチャネルが選定できないことを示しているため、このまま処理を終了する。
S710にて良好チャネル・スロットが存在している場合には、S720にてチャネル・スロット受信電界強度マップ(図8参照)中で受信電界強度が最も低いチャネル・スロットを取得する。図8に示す例では、−90dBmである帯域2のチャネル番号8のスロット1が該当する。このチャネル・スロットを最良チャネル・スロットとする。
最良チャネル・スロットの通知を受けたチャネル・スロット切替部13kは、S730にて最良チャネル・スロットを切り替え先のチャネル・スロットとして、不良チャネル・スロットとして検出されたスロット(S430,S540,S640で設定されたスロット)と切り替えるよう無線送受信部12へ指示する。このようにチャネル・スロット切替手順Aでは、受信電界強度が最も低いチャネル・スロットへ切り替えられる。
このように、ノイズとなる干渉電波が、同じチャネルだけのみで干渉している場合や、同じ周波数帯域の全部のチャネルで干渉している場合などでも、チャネル・スロット受信電界強度マップに基づいて同一周波数帯域または他の周波数帯域の他のチャネル・スロットへ切り替えることで良好な通信を維持することができる。また、本実施の形態では、チャネル単位ではなくスロット単位で切り替えることで、周波数帯域に割り当てられたチャネル数が少なくても、切り替え先の候補を多くすることができるので、好適な切り替え先の選定を行うことができる。
次に、チャネル・スロット切替手順フラグが2である場合を説明する。図6に示すようにS1130においてチャネル・スロット切替手順フラグが2である場合では、S1180にてチャネル・スロット切替手順Bが実行される。チャネル・スロット切替手順Bでは、チャネル・スロット選択部13jが図17に示すS740にて良好チャネル・スロットマップ(図9参照)において、現在の使用している周波数帯域(以下、これを使用帯域と称す。)以外の周波数帯域において、良好チャネル・スロットが存在するか否かを判定する。
現在の使用帯域以外で良好チャネル・スロットが無い場合には、S750にて、良好チャネル・スロットマップに現在の使用帯域と同じ周波数帯域で良好チャネル・スロットが存在するか否かを判定する。
S750にて現在の使用帯域と同じ周波数帯域で良好チャネル・スロットが無い場合には、切り替え先のチャネルが選定できないことを示しているため、このまま処理を終了する。S750にて良好チャネル・スロットが存在している場合には、S760にて現在の使用帯域の中で受信電界強度が最も低いチャネル・スロットを、チャネル・スロット受信電界強度マップ(図8参照)から最良チャネル・スロットとして取得する。最良チャネル・スロットの通知を受けたチャネル・スロット切替部13kは、S770にて最良チャネル・スロットを切り替え先のチャネル・スロットとして、不良チャネル・スロットとして検出されたスロットと切り替えるよう無線送受信部12へ指示する。
このように、他の周波数帯域へ切り替えることができない場合でも、同じ周波数帯域の異なるチャネルやスロットへ切り替えることで、干渉電波を回避する確率を高くすることができる。
S740にて現在の使用帯域以外で良好チャネル・スロットが存在すると判定された場合には、S780にて現在の使用帯域以外の良好チャネル・スロットの中で、受信電界強度が最も低いチャネル・スロットをチャネル・スロット受信電界強度マップから取得する。異なる使用帯域の中での最良チャネル・スロットが取得できると、S770にて最良チャネル・スロットを切り替え先のチャネル・スロットとして、不良チャネル・スロットとして検出されたスロットと切り替える。
このようにチャネル・スロット切替手順Bでは、まずS740にて現在の使用帯域以外で良好チャネル・スロットが存在するか否かを判定することにより、使用帯域とは異なる周波数帯域を優先的に切り替え先のチャネル・スロットとすることができるので、使用帯域全体を妨害するような干渉電波でも回避することができる。従って、良好な通信を確実に維持することができる。
次に、チャネル・スロット切替手順フラグが3である場合を説明する。図6に示すようにS1140においてチャネル・スロット切替手順フラグが3である場合では、S1190にてチャネル・スロット切替手順Cが実行される。チャネル・スロット切替手順Cでは、チャネル・スロット選択部13jが図18に示すS780にて良好チャネル・スロットマップ(図9参照)に良好チャネル・スロットが存在するか否かを判定する。良好チャネル・スロットマップに良好チャネル・スロットが無い場合には、切り替え先のチャネルが選定できないことを示しているため、このまま処理を終了する。
S780にて良好チャネル・スロットが存在している場合には、S790にて、図9に示すように帯域ごとに算出されている良好チャネル・スロット優先情報を取得する。次のS800にて、取得した良好チャネル・スロット優先情報から優先度が高いと設定された周波数帯域の良好チャネル・スロットの中で、チャネル・スロット受信電界強度マップ(図8参照)から受信電界強度が最も低いチャネルを取得して最良チャネル・スロットとする。
この場合の優先度は、良好チャネル・スロットマップから良好を示すマーキングに基づいて算出された良好チャネル・スロット優先情報か、エラーチャネル・スロットマップからエラーカウンタに基づいて算出された良好チャネル・スロット優先情報の何れかよって設定された順番とすることができる。
最良チャネル・スロットの通知を受けたチャネル・スロット切替部13kは、S810にて最良チャネル・スロットを切り替え先のチャネル・スロットとして、不良チャネル・スロットとして検出されたスロットと切り替えるよう無線送受信部12へ指示する。
このように、切り替え先が良好なチャネル・スロットであっても同じ周波数帯域内の他のチャネルやスロットの状態が全体的に良好でなければ干渉電波によってやがて通信に支障が出る可能性があるので、良好度合いの高いチャネルの数が多い周波数帯域から順に切り替え先のチャネルを選択することで、安定した通信を継続することができる周波数帯域を選択することができる。
特に、良好を示すマーキングに基づいて算出された良好チャネル・スロット優先情報による優先度であれば、測定された受信電界強度に基づいて良好度合いを決めることができるので、現時点での干渉電波の影響が少ない周波数帯域を選択することができる。
また、エラーカウンタに基づいて算出された良好チャネル・スロット優先情報による優先度であれば、エラーカウンタの集計数が少ないことに基づいて良好度合いを決めること
ができるので、統計的な観点から干渉電波の影響が少ない周波数帯域を選択することができる。
次に、チャネル・スロット切替手順フラグが4である場合を説明する。図6に示すようにS1150において、チャネル・スロット切替手順フラグが4である場合では、S1200にてチャネル・スロット切替手順Dが実行される。
チャネル・スロット切替手順Dでは、チャネル・スロット選択部13jが図18に示すようにS820にて良好チャネル・スロットマップ(図9参照)に良好チャネル・スロットが存在するか否かを判定する。良好チャネル・スロットマップに良好チャネル・スロットが無い場合には、切り替え先のチャネルが選定できないことを示しているため、このまま処理を終了する。
S820にて良好チャネル・スロットが存在している場合には、S830にて、設定が通話距離優先モードか否かを判定する。S830にて通話距離優先モードである場合には、S840にてチャネル・スロット受信電界強度マップ(図8参照)において、通話距離優先順位の高い周波数帯域の中で、受信電界強度が最も低いチャネル・スロットを最良チャネル・スロットとして取得する。
本実施の形態では、周波数帯域(帯域1〜3)として、1.9GHz帯と2.4GHz帯と5.8GHz帯の3つ周波数帯域を使用している。この3つの周波数帯域では波長の長い方が、同じ送信出力であれば比較的に到達距離が長いので、優先順位としては、各周波数帯で同じ送信出力であると想定すると、帯域1の優先度が高く、次に帯域2、そして帯域3の順番としている。従って、帯域2または帯域3において不良チャネル・スロットが検出された場合には、帯域1の良好チャネル・スロットから選定される。
最良チャネル・スロットの通知を受けたチャネル・スロット切替部13kは、S850にて最良チャネル・スロットを切り替え先のチャネル・スロットとして、不良チャネル・スロットとして検出されたスロットと切り替えるよう無線送受信部12へ指示する。
このように、帯域1〜3の周波数帯域の波長の長い順に優先順位が設定されていることで、電波の到達距離が長い周波数帯域を優先的に切り替え先のチャネル・スロットとして割り当てることができる。従って、親機20と子機30との間の距離が離れることで受信電界強度が低下したり受信エラーが多発するような事態となっても、通信環境をある程度改善することが可能である。
S830にて設定が通話距離優先モードでない場合に、S860にて設定が干渉回避優先モードか否かを判定する。
S860にて干渉回避モードである場合には、S870にてチャネル・スロット受信電界強度マップ(図8参照)において、干渉回避優先順位の高い周波数帯域の中で、受信電界強度が最も低いチャネル・スロットを最良チャネル・スロットとして取得する。
周波数帯域としては、2.4GHz帯には電子レンジや無線LANであるWi−Fiなどの干渉電波源となるものが多く存在する。また、1.9GHz帯は通信規格によっては、5チャネルしか割り当てられていないため、干渉電波による影響が多大である。従って、本実施の形態では、優先順位として、帯域3の優先度が高く、次に帯域1、そして帯域2の順番としている。従って、帯域2または帯域1において不良チャネル・スロットが検出された場合には、帯域3の良好チャネル・スロットから選定される。
最良チャネル・スロットが取得できると、S850にて最良チャネル・スロットを切り替え先のチャネル・スロットとして、不良チャネル・スロットとして検出されたスロットと切り替える。
このように、優先順位が干渉電波を発生する電子レンジやWi−Fiなどの電気機器の種類に応じて設定されているので、干渉電波を避けることで良好な周波数帯域を選択することができる。
S860にて干渉回避モードでないと判定された場合には、S880にてチャネル・スロット受信電界強度マップ(図8参照)から受信電界強度が最も低いチャネルを取得して最良チャネル・スロットとする。
最良チャネル・スロットが取得できると、S850にて最良チャネル・スロットを切り替え先のチャネル・スロットとして、不良チャネル・スロットとして検出されたスロットと切り替えることで、同一周波数帯域の他のチャネル・スロット、または異なる周波数帯域のチャネル・スロットへ切り替えることで良好な通信を維持することができる。
最後に、チャネル・スロット切替手順フラグが1〜4の何れでも無く、図6に示すS1150からS1160へ移行した場合を説明する。
S1160では、特に、切り替え先のチャネル・スロットが良好チャネル・スロットであるか否かに関わらず、ランダムに切り替え先のチャネル・スロットを選択し切り替える。この場合には、干渉電波による影響が回避できない可能性もあるが、バックグランドスキャンによる電界強度の測定が不要であるので制御としては簡便である。
なお、切り替え先のチャネル・スロットへの移行については、現在使用中のチャネル・スロットが不良チャネル・スロットとして検出されたことで、切り替え先のチャネル・スロットを使用して同時に2つのスロットで通信を行い。不良チャネル・スロットでの通信を取りやめることで、切り替え先となる他のチャネル・スロットへ移行することが可能である。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、例えば、切り替え先をスロット単位とせずにチャネル単位とすることも可能である。
また、本実施の形態では、無線通信装置としてコードレス電話機を例に説明したが、例えば携帯電話機と基地局との間の通信などのように、無線通信装置同士の間で時分割通信を行うものであれば、本発明を適用することで同じ効果を得ることができる。
また、送信電力が等しい場合は波長の長い周波数帯域1(1.9GHz帯)の通話可能距離が最も長く、波長が短くなるほど通話可能距離が短くなるので、本実施の形態では周波数帯域:1〜3の中で波長の長い順で優先順位を設定している。しかし周波数帯域で送信電力が異なる場合は、優先順位と周波数帯域の関係は異なって良い。各周波数帯における設定できる送信電力は国ごとの無線規格により規定されており、国によっては、ある周波数帯では他の周波数帯に比べて送信電力を低く設定する必要がある。その場合は波長が長くても通話距離が確保できないので。波長のみではなく送信電力も加味して周波数帯の優先順位をつける。
本発明は、干渉に強く、通信品質が良いので、TDMA方式で通信する無線通信装置に好適ある。
本発明の実施の形態に係るコードレス電話機の構成を示す図 図1に示すコードレス電話機が使用する周波数帯域とチャネルとを示す図 図1に示すコードレス電話機の親機の構成を示すブロック図 図1に示すコードレス電話機の子機の構成を示すブロック図 フレームの構成を示す図 各スロットの処理手順を示すフローチャート 良好チャネル情報記憶手順を示すフローチャート チャネル・スロット受信電界強度マップを示す図 良好チャネル・スロットマップを示す図 エラーチャネル・スロットマップを示す図 良好周波数帯域情報記憶手順を示すフローチャート 受信レベル不良判断手順を示すフローチャート エラーカウント手順を示すフローチャート スロットフォーマットを示す図 不良チャネル・スロット判断手順を示すフローチャート チャネル・スロット切替手順Aを示すフローチャート チャネル・スロット切替手順Bを示すフローチャート チャネル・スロット切替手順Cを示すフローチャート チャネル・スロット切替手順Dを示すフローチャート
符号の説明
10 コードレス電話機
11a 帯域1用アンテナ
11b 帯域2用アンテナ
11c 帯域3用アンテナ
12 無線送受信部
13 通信制御部
13a 送信制御データパケット処理部
13b 送信音声データパケット処理部
13c 送信パケット作成部
13d 受信パケット解析部
13e 受信制御データパケット処理部
13f 受信音声データパケット処理部
13g 受信電界強度データ処理部
13h エラー計数処理部
13i 切替判定部
13j チャネル・スロット選択部
13k チャネル・スロット切替部
13n,13m メモリ
13p 連続フレームエラーカウンタ
20 親機
21 音声処理部
21a スピーチデコーダ
21b 回線出力部
21c 回線入力部
21d スピーチエンコーダ
30,A〜C 子機
31 音声処理部
31a スピーチデコーダ
31b スピーチエンコーダ
SP スピーカ
MIC マイク

Claims (11)

  1. 複数の周波数帯域の中から一の周波数帯域のチャネルを選択的に切り替えて時分割多重により他の無線通信装置と無線通信を行う無線送受信部と、
    前記複数の周波数帯域のそれぞれにおける各チャネルの受信電界強度を測定し、周波数帯域ごとに区分して受信電界強度データとして記憶する受信電界強度データ処理部と、
    使用中チャネルから他のチャネルに切り替える必要があるか否かを判定する切替判定部と、
    前記切替判定部が切り替えの必要有りと判定した場合に、前記受信電界強度データに基づいて現在使用中の周波数帯域以外のチャネルを優先して選択する選択部と、
    前記選択部によって選択された周波数帯域のチャネルへの切り替えを前記無線送受信部に指示する切替部とを備えたことを特徴とする無線通信装置。
  2. 前記切替判定部は、前記無線通信におけるエラー発生頻度または連続フレームエラー回数に基づいて、他のチャネルに切り替える必要があるか否かを判定することを特徴とする請求項1記載の無線通信装置。
  3. 前記切替判定部は、前記無線通信における使用中チャネルの電界強度に基づいて、他のチャネルに切り替える必要があるか否かを判定することを特徴とする請求項1記載の無線通信装置。
  4. 前記チャネル選択部は、前記受信電界強度データの中から最小値のチャネルを選択することを特徴とする請求項1記載の無線通信装置。
  5. 前記受信電界強度データ処理部は、前記受信電界強度データに基づいて良好度合いの高いチャネルを周波数帯域ごとに良好チャネル優先情報として集計し、
    前記チャネル選択部は、前記良好チャネル優先情報に基づいて良好度合いの高いチャネルの数が多い周波数帯域を優先して切り替え先のチャネルを選択することを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
  6. 前記良好度合いは、測定された受信電界強度が所定の閾値よりも低い場合に、高いと設定されていることを特徴とする請求項5記載の無線通信装置。
  7. 前記良好度合いは、無線通信におけるエラー発生頻度が低い場合に、高いと設定されていることを特徴とする請求項5記載の無線通信装置。
  8. 前記チャネル選択部は、前記複数の周波数帯域に対して予め設定された優先順位に基づいて、優先順位の高い周波数帯域を優先して切り替え先のチャネルを選択することを特徴とする請求項1から7の何れかの項に記載の無線通信装置。
  9. 前記優先順位は、前記複数の周波数帯域の通話可能距離が長い順に設定されていることを特徴とする請求項8記載の無線通信装置。
  10. 前記優先順位は、前記複数の周波数帯域の波長及び送信電力を加味して設定されていることを特徴とする請求項9記載の無線通信装置。
  11. 前記優先順位は、優先モード別に予め設定された複数の優先順位を有し、
    前記チャネル選択部は、設定された優先モードに応じた優先順位に基づいて、優先順位の高い周波数帯域を優先して切り替え先のチャネルを選択することを特徴とする請求項8記載の無線通信装置。
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