JP2009284242A - 衛星通信方式および地球局 - Google Patents

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Abstract

【課題】衛星通信では、送受信機を簡素化するために送信と受信で同一の周波数ホッピングをおこなうと、電波の伝播遅延時間が長いため、周波数ホッピングの度に伝播遅延時間分ずつのロスが発生する。送信と受信でそれぞれの周波数を別個に設定できるようにするため、各局の送受信機に2つのシンセサイザが必要であった。
【解決手段】地球局を親局2と子局1というように機能に違いをもたせ、親局では受信する時には周波数ホッピングのパターンを電波の伝播遅延時間δt分遅らせた周波数にあわせ、送信する時には逆にパターンを電波の伝播遅延時間δt分だけ進めた周波数に設定する。これにより子局1では送信と受信でシンセサイザ11が生成する周波数は同一とすることができるため、シンセサイザを1つに簡素化することができる。
【選択図】図1

Description

この発明は、周波数ホッピングによるスペクトラム拡散を用いた衛星通信方式およびこの衛星通信方式に使用される地球局に関するものである。
スペクトラム拡散方式は、干渉に強い、信号秘匿性がある、高分解測距が可能などの優れた特性を持っており、衛星通信や陸上通信などの分野で使用されており、近年では移動体通信などへの応用が進んでいる。
スペクトラム拡散通信を実現する代表的な方式として、直接拡散(Direct Sequence:
DS)方式と周波数ホッピング(Frequency Hopping:FH)方式が存在する。
スペクトラム拡散を周波数ホッピング方式で実現する場合、送信と受信でそれぞれ異なる拡散符合系列を用いることで、送信および受信が同時に行なえる双方向通信(全二重通信)を実現できる。しかし送信波が受信波に干渉を与えないようにするためには、送信用周波数と受信用周波数を一定間隔離して、同期してホッピングさせる必要がある。
このため送信部と受信部で各々周波数をホッピングさせるために、図8に示すように子局の送信部と受信部にそれぞれシンセサイザ11、16を、親局の送信部と受信部にそれぞれシンセサイザ21、24を設ける必要があり、送信局側と受信局側の双方に2つのシンセイサイザが必要となり、構成回路規模が大きくなってしまうという問題があった。(特許文献1の図5参照)
このような問題を解決するため、発信側の送信回路および着信側の受信回路にそれぞれ波形遅延回路を追加することで、送信局側と受信局側はシンセサイザを1つずつとしながら全二重通信を可能にしたものが提案されている。(特許文献1の図1、図2参照)
図9は特許文献1に示された地上波通信の周波数ホッピング通信装置を衛星通信方式の構成として概略化して記載したもので、送信側の送受信機(通信装置)を局A、受信側の送受信機(通信装置)を局Bとしている。局Aの送受信機は受信回路に波形遅延回路17を設け、シンセサイザ11は1個としている。また局Bの送受信機は送信回路に波形遅延回路27を設け、シンセサイザ21は1個としている。
このような構成における局Aと局Bの周波数変化の様子は図10に示すようになる。局Aから局Bへ送信する場合、局Aが周波数f1で送信した信号は、電波の伝播遅延時間分ずれて局Bへ到達する。局Bの周波数がf2にホッピングしてしまうと、局Aからの周波数f1の信号が到達しつづけるにも関わらず、局Bは周波数f1の信号を受信することが出来なくなる。このように局Aと局Bはホッピング間隔のうち電波の伝播遅延時間を除いた時間しか通信することができない。すなわち、局Bでは図10に示す同期している時間しか、局Aから送信される信号を受信できない。
特開平08−340279号公報(図1、図2、図5)
衛星通信では地上波通信に比べ電波の伝播遅延時間が長い(静止衛星の場合約0.2秒)ため、従来技術の波形遅延回路を追加する方法では、周波数のホッピング後伝播遅延の間は同期が外れてしまい、伝播遅延時間を除いた時間しか通信することができないという問題があった。伝播遅延によるロスの時間比率を小さくするには、周波数ホッピングの間隔を長くすればよいが、その場合スペクトラム拡散に期待する効果(秘匿性、耐干渉性)が小さくなってしまう。
この発明はこのような従来の課題を解決するもので、周波数ホッピングによるスペクトラム拡散を用いた衛星通信において、1つのシンセサイザで電波の伝播遅延時間の間も送受信双方向の同期をとり全二重通信ができるようにした衛星通信方式およびこの衛星通信方式に使用する地球局を提供することを目的とするものである。
この発明の衛星通信方式は、周波数ホッピングによるスペクトラム拡散を用いた衛星通信方式において、地球局を親局と子局に分け、親局では、子局からの信号を受信する時には周波数ホッピングのパターンを電波の伝播遅延時間分遅らせた周波数にあわせ、子局へ信号を送信する時には周波数ホッピングのパターンを電波の伝播遅延時間分だけ進めた周波数に設定するようにしたものである。
また、この発明の地球局は、周波数ホッピングによるスペクトラム拡散を用いた衛星通信方式に使用する地球局において、他の地球局から受信した受信信号を周波数変換するダウンコンバータ、電波の伝播遅延時間分だけ遅らせたホッピング周波数の信号を生成する第1のシンセサイザ、ダウンコンバータにより周波数変換された信号と第1のシンセサイザで生成された信号とを混合し、受信信号を取り出す第1の混合器、電波の伝播遅延時間分だけ進めたホッピング周波数の信号を生成する第2のシンセサイザ、この第2のシンセサイザで生成された信号と送信信号とを混合する第2の混合器、およびこの第2の混合器で混合された信号を周波数変換するアップコンバータを備え、アップコンバータの出力信号を他の地球局に送信するようにしたものである。
また、この発明の地球局は、周波数ホッピングによるスペクトラム拡散を用いた衛星通信方式に使用する地球局において、ホッピング周波数の信号を生成するシンセサイザ、このシンセサイザで生成された信号と送信信号とを混合する第1の混合器、この第1の混合器で混合された信号を周波数変換するアップコンバータ、他の地球局から受信した受信信号を周波数変換するダウンコンバータ、このダウンコンバータにより周波数変換された信号とシンセサイザで生成された信号とを混合し、受信信号を取り出す第2の混合器とを備え、シンセサイザが生成するホッピング周波数は送信と受信で同一にしたものである。
この発明によれば、子局の地球局では送信と受信の周波数ホッピングパターンが同一になるため、シンセサイザを1つに簡素化できる効果がある。
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1における衛星通信方式を図に基づいて説明する。図1はこの発明に関わる実施の形態1の衛星通信方式の機能ブロック図、図2はこの発明の衛星通信方式における親局及び子局の周波数の変化概要図、図3はこの発明の実施の形態1の衛星通信方式で使用される電波の伝搬遅延時間を測定する構成図、図4は図3の構成図に基づき親局と子局間の電波の伝搬遅延時間を測定する方法を示した図、図5はこの発明の実施の形態1の衛星通信方式で使用される伝搬遅延時間分ずらした周波数パターンを発生する構成図である。
図1の衛星通信方式の機能ブロック図において、地球局は子局1と親局2に分けられ、子局1と親局2との間は通信衛星に搭載された衛星中継器3を介して通信が行われる。子局1と衛星中継器3との間の通信は、子局1から衛星中継器3に向けて送られるアップリンク経路4と、衛星中継器3から子局1に向けて送られるダウンリンク経路5を介して行
われる。また、親局2と衛星中継器3との間の通信は、親局2から衛星中継器3に向けて送られるアップリンク経路6と、衛星中継器3から親局2に向けて送られるダウンリンク経路7とで行われる。これらのアップリンク経路4、6およびダウンリンク経路5、7は、子局1と親局2および衛星中継器3搭載の通信衛星にそれぞれ設けられたアンテナを介して構築される。
子局1の送受信機は、所定タイミングにしたがってホッピング周波数の信号を発生するシンセサイザ11と、送信データが符号化および変調された送信信号とシンセサイザ11の出力信号とを混合する混合器12と、この混合器12の出力信号を実際に電波を出力する帯域まで周波数を上げるアップコンバータ13と、親局2からアップリンク経路6、衛星中継器3およびダウンリンク経路5を介して送信されて来る信号を受信回路で処理する帯域まで周波数を下げるダウンコンバータ14と、このダウンコンバータ14の出力信号とシンセサイザ11の出力信号とを混合し、受信信号として出力する混合器15とを備えている。
親局2の送受信機は、周波数ホッピングのパターンを電波の伝播遅延時間δt分遅らせたタイミングでホッピング周波数の信号を発生するシンセサイザ21と、子局2からアップリンク経路4、衛星中継器3およびダウンリンク経路7を介して送信されて来る信号を受信回路で処理する帯域まで周波数を下げるダウンコンバータ22と、このダウンコンバータ22の出力信号とシンセサイザ21の出力信号とを混合し、受信信号を出力する混合器23と、周波数ホッピングのパターンを電波の伝播遅延時間δt分だけ進ませたタイミングでホッピング周波数の信号を発生するシンセサイザ24と、送信データが符号化および変調された送信信号とシンセサイザ24の出力信号とを混合する混合器25と、この混合器25の出力信号を実際に電波を出力する帯域まで周波数を上げるアップコンバータ26とを備えている。
このような構成において、子局1から親局2にデータを送信する場合について説明する。子局1からの送信信号は、混合器12でシンセサイザ11の出力であるホッピング周波数の信号と混合され、アップコンバータ13で出力周波数帯まで周波数変換され、アンテナから衛星中継器3に向けて電波送信する。
親局2では、衛星中継器3を介してアンテナで受信した電波はダウンコンバータ22により処理周波数帯まで周波数変換され、混合器23でシンセサイザ21の出力信号と混合され、受信信号が取り出される。ここで、シンセサイザ21の出力信号は、子局1からの送信から親局2での受信までの電波の伝播遅延時間δt分だけ遅らせてホッピング周波数を生成し、同期させて受信信号を取り出すようにしている。
次に親局2から子局1にデータを送信する場合について説明する。親局2からの送信信号は、混合器25でシンセサイザ24の出力であるホッピング周波数の信号と混合され、アップコンバータ26で出力周波数帯まで周波数変換され、アンテナから衛星中継器3に向けて電波送信する。ここで、シンセサイザ24の出力信号は、親局2からの送信から子局1での受信までの電波の伝播遅延時間δt分だけ進ませてホッピング周波数を生成するようにする。
子局1では、衛星中継器3を介してアンテナで受信した電波はダウンコンバータ14により処理周波数帯まで周波数変換され、混合器15でシンセサイザ11の出力信号と混合され、受信信号が取り出される。
このように親局2では受信する時には周波数ホッピングのパターンを伝播遅延時間δt分だけ遅らせた周波数にあわせ、送信する時には逆に周波数ホッピングのパターンを伝播遅延時間δt分だけ進めた周波数に設定することで、子局1では送信と受信でシンセサイザ11で生成する周波数は同一とすることができる。したがって、子局1のホッピング周
波数の生成には、送信、受信とも1つのシンセサイザ11を使用して行なわれる。
一方、親局2は、送信と受信で、周波数ホッピングパターンは同一であるが、それぞれ電波の伝播遅延時間δt分ずらす必要があるため、個別にシンセサイザ21、24を使用する。
衛星通信では、アップリンク(地球局から衛星への送信)とダウンリンク(衛星から地球局への送信)では周波数帯を重ならないようにしているので、シンセサイザ11で生成する周波数が同じでも、子局1からのアップリンク(送信)と子局1へのダウンリンク(受信)では、周波数が異なり電波は干渉しない。
この発明の衛星通信方式における動作を、子局1と親局2のそれぞれの周波数ホッピングの様子を示した図2により、更に詳しく説明する。
図2の上段は子局1から親局2へ送信する場合を、下段は親局2から子局1へ送信する場合を示す。横軸は時間を表し、上段と下段で同時刻が縦に並ぶ。縦軸は周波数を表し、上段、下段それぞれの上側がアップリンク帯域、下側がダウンリンク帯域での周波数とする。
まず子局1から親局2に送信する場合、子局1のシンセサイザ11で生成される周波数を、f1、f2、f3、・・・とするとき、子局1から送信される周波数は、f1、f2、f3、・・・と変化するので、親局2の受信周波数は、伝播遅延時間δtだけ遅れて、f1、f2、f3、・・・を生成するようにすると、子局1からの送信に同期して親局2で受信できる。この場合、伝播遅延時間δtが周波数ホッピングの周期より大きくても問題ない。
逆に親局2から子局1に送信する場合、伝播遅延時間δt分先の周波数f4から順に生成すると、子局1で受信するときに、子局1の受信周波数はちょうど子局1の送信周波数と同一パターンとなり、同じシンセサイザ11で生成した周波数にて受信同期することができる。
以上説明したように、地球局を局A、局Bという対等な関係ではなく、親局と子局というように機能に違いをもたせ、親局では受信する時には周波数ホッピングのパターンを伝播遅延時間分遅らせた周波数にあわせ、送信する時には逆にパターンを伝播遅延時間分だけ進めた周波数に設定することで、子局では送信周波数と受信周波数は同一パターンとなり、子局のシンセサイザで生成する周波数は同一とすることができる。
なお周波数ホッピングの周期が伝播遅延時間δtより短い場合には、フォワードリンク(親局→子局)とリターンリンク(子局→親局)で周波数ホッピングに同一パターンを使用しても、同一周波数を送出する時間がずれるため、電波は干渉することはない。
すなわち、アップリンク帯域において、親局の送信周波数は子局の送信周波数よりδtだけ進んでおり、ダウンリンク帯域においては、親局の受信周波数は子局の受信周波数よりδtだけ遅れている。したがって、アップリンク帯域とダウンリンク帯域の両帯域でリターンリンクとフォワードリンクの電波は干渉しない。
次に、親局側で周波数ホッピングのパターンを伝播遅延時間δt分ずらす量を設定するための、親局と子局間の電波の伝播遅延時間δtを測定する構成図およびその測定方法について図3、図4により説明する。
図3の構成図において、親局2は時計31と時刻基準信号発生器32を有する。子局1は時計33と、時刻基準信号発生器32からの時刻基準信号Sを受信する時刻基準信号受信器34と、時刻基準信号Sの遅れを測定して伝播遅延時間δtを測定する伝播遅延時間測定器35とを有する。
まず、親局2の時計31の時刻と子局1の時計33の時刻を電波時計またはGPSなどで合わせておく。次に、親局2の時計31の毎分00秒に時刻基準信号発生器32から時刻基準信号Sを子局1に向けて送出する。子局1は、時刻基準信号受信器34が時刻基準信号Sを受信した時に伝播遅延時間測定器35に信号を受信したことを連絡する。一方、伝播遅延時間測定器35は、時計33から時刻基準信号Sを受信した時の時刻情報を受取り、時刻基準信号Sの遅れを測定して伝播遅延時間δtを取得する。
子局1は回線接続時に、この伝播遅延時間情報を親局2に伝え、親局2で周波数ホッピングパターンをずらす量を設定する。こうして、回線接続時の同期方法によらない伝播遅延時間δtの設定方法とすることができる。
次に、伝播遅延時間δt情報に基づき、親局2で周波数ホッピングパターンをずらす量を設定する構成について説明する。図5は伝搬遅延時間δt分ずらした周波数パターンを発生する構成図で、受信用周波数発生回路51と送信用周波数発生回路52とホッピングパターン発生器53とで構成されている。
受信用周波数発生回路51は、時計54と、この時計54の時刻を図3に示す伝搬遅延時間測定器35で測定した伝搬遅延時間δt分遅らす時刻補正回路55と、ホッピングパターン発生器53からの周波数パターンを時刻補正回路55からの時刻によって決定する周波数決定回路56と、この周波数決定回路56からの信号で駆動されるシンセサイザ21とを有する。
また、送信用周波数発生回路52は、時計57と、この時計57の時刻を図3に示す伝搬遅延時間測定器35で測定した伝搬遅延時間δt分進める時刻補正回路58と、ホッピングパターン発生器53からの周波数パターンを時刻補正回路58からの時刻によって決定する周波数決定回路59と、この周波数決定回路59からの信号で駆動されるシンセサイザ24とを有する。
なお時計54、57は図3に示した時計31と共用されることが好ましい。
上記構成により、親局2の受信側ではシンセサイザ21により、伝播遅延時間δt分遅らせたタイミングでホッピング周波数の信号を発生することで、受信信号を取り出す。一方、親局2の送信側ではシンセサイザ24により、伝播遅延時間δt分進ませたタイミングでホッピング周波数の信号を発生することで、送信信号を送信する。
このようにすることにより、子局1では送信と受信でシンセサイザ11で生成する周波数は同一とすることができる。したがって、子局1のホッピング周波数の生成には、送信、受信とも1つのシンセサイザ11でよい。
実施の形態2.
次に、親局側で周波数ホッピングのパターンをずらす量を設定するための、親局と子局間の電波の伝播遅延時間δtを測定する他の構成図およびその測定方法を図6および図7により説明する。
図6の構成図において、親局2は時計61と、時刻基準信号発生器62と、時刻基準信号受信器63と、伝播遅延時間測定器64とを有する。子局1は時刻基準信号折返し器65を有する。
図7に示す測定方法は、図6の構成において、子局の反応検知状態と遅延時間測定状態の2つの状態で成立する。
まず、子局の反応検知状態は、親局2の時刻基準信号発生器62から周波数を特定せずに周波数f1、周波数f2、周波数f3・・・の信号を子局1に送信する。一方、親局2の時刻基準信号受信器63は、子局1が電波送信を開始するのを検知するために、周波数を絞り込まずに、子局1からの信号を受信待機している状態を示す。親局2からの送信信号に子局1が受信同期(図の場合、周波数f2)を取ると、子局1はその同期した周波数
f2で時刻基準信号折返し器6により親局2へ折り返し送信する。親局2の時刻基準信号受信器63が子局1からの信号(周波数f2)を受信すると、時刻基準信号発生器62に連絡され、遅延時間測定状態となる。
次に、遅延時間測定状態では、親局2は、子局1から周波数f2の信号を受信すると、時刻基準信号発生器62から時刻基準信号(例えば周波数f0)を送信すると共に、時刻基準信号受信器63に対し、送信した周波数f0と同じ周波数f0で子局1からの信号を受信するのを待つよう連絡する。また時刻基準信号発生器62は、時刻基準信号の発信を伝播遅延時間測定器64に連絡する。
子局1では、時刻基準信号折返し器65が親局2から届いた時刻基準信号(周波数f0)の周波数信号をそのまま折り返し送信する。親局2の時刻基準信号受信器63は子局1で折り返された信号(周波数f0)を受信すると、伝播遅延時間測定器64に連絡する。伝播遅延時間測定器64は、時刻基準信号(周波数f0)を送信してから受信するまでの時間を測定する。この時間が伝播遅延時間δtの2倍となっているので、1/2にすると伝播遅延時間δtを測定することができる。
この実施の形態2の測定方法では、子局1では伝播遅延時間δtを意識せずに、親局2だけで伝播遅延時間δtの測定及び設定できるので、子局1を複雑化しないで済む利点がある。
この発明の実施の形態1における衛星通信方式の機能ブロック図である。 この発明の衛星通信方式における親局及び子局の周波数の変化概要図である。 この発明の実施の形態1の衛星通信方式で使用する親局と子局間の電波の伝搬遅延時間を測定する構成図である。 この発明の実施の形態1の衛星通信方式で設定する親局と子局間の電波の伝搬遅延時間を測定する方法を示した図である。 この発明の実施の形態1の衛星通信方式で使用される伝搬遅延時間分ずらした周波数パターンを発生する構成図である。 この発明の実施の形態2の衛星通信方式で使用する親局と子局間の電波の伝搬遅延時間を測定する構成図である。 この発明の実施の形態2の衛星通信方式で設定する親局と子局間の電波の伝搬遅延時間を測定する方法を示した図である。 従来の周波数ホッピング通信方式における送信/受信個別のシンセサイザを使用する送受信機の構成図である。 従来の周波数ホッピング通信方式における送信/受信で一台のシンセサイザを使用する送受信機の構成図である。 図9に示す周波数ホッピング通信方式における各局の周波数の変化概要図である。
符号の説明
1:子局、 2:親局、
3:衛星中継局 4:アップリンク経路、
5:ダウンリンク経路、 6:アップリンク経路、
7:ダウンリンク経路、
11:シンセサイザ、 12:混合器、
13:アップコンバータ、 14:ダウンコンバータ、
15:混合器、
21:シンセサイザ、 22:ダウンコンバータ、
23:混合器、 24:シンセサイザ、
25:混合器、 26:アップコンバータ
31、33:時計 32:時刻基準信号発生器、
34:時刻基準信号受信器、 35:伝搬遅延時間測定器、
51:受信用周波数発生回路、 52:送信用周波数発生回路、
53:ホッピングパターン発生器、 54、57:時計、
55、58:時刻補正回路、 56、59:周波数決定回路、
61:時計、 62、63:時刻基準信号発生器、
64:伝搬遅延時間測定器、 65:時刻基準信号折返し器。

Claims (8)

  1. 周波数ホッピングによるスペクトラム拡散を用いた衛星通信方式において、地球局を親局と子局に分け、前記親局では、前記子局からの信号を受信する時には前記周波数ホッピングのパターンを電波の伝播遅延時間分遅らせた周波数にあわせ、前記子局へ信号を送信する時には前記周波数ホッピングのパターンを電波の伝播遅延時間分だけ進めた周波数に設定することを特徴とする衛星通信方式。
  2. 親局は、子局からの信号をダウンコンバータにより周波数変換し、この周波数変換された信号とシンセサイザにより電波の伝播遅延時間分だけ遅らせて生成された周波数の信号とを混合することにより、受信信号を取り出すようにした請求項1に記載の衛星通信方式。
  3. 親局は、送信信号とシンセサイザにより電波の伝播遅延時間分だけ進めて生成された周波数の信号とを混合し、この混合された信号をアップコンバータで周波数変換して、子局に送信するようにした請求項1に記載の衛星通信方式。
  4. 子局は、周波数ホッピングの生成には、送受信とも1つのシンセサイザを用いて行なうようにした請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の衛星通信方式。
  5. 電波の伝播遅延時間は、親局と子局で時刻をあわせておき、親局から毎分00秒に時刻基準信号を送出し、子局は前記時刻基準信号の遅れを測定することにより取得するようにした請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の衛星通信方式。
  6. 電波の伝播遅延時間は、親局送信の信号に子局で受信同期を取り、前記子局はその周波数で親局へ送信し、前記親局では、前記子局から信号を受信すると、送信した周波数と同じ周波数で子局から受信するのを待ち、送信してから受信するまでの時間を測定することにより取得するようにした請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の衛星通信方式。
  7. 周波数ホッピングによるスペクトラム拡散を用いた衛星通信方式に使用する地球局において、他の地球局から受信した受信信号を周波数変換するダウンコンバータ、電波の伝播遅延時間分だけ遅らせたホッピング周波数の信号を生成する第1のシンセサイザ、前記ダウンコンバータにより周波数変換された信号と前記第1のシンセサイザで生成された信号とを混合し、前記受信信号を取り出す第1の混合器、電波の伝播遅延時間分だけ進めたホッピング周波数の信号を生成する第2のシンセサイザ、この第2のシンセサイザで生成された信号と送信信号とを混合する第2の混合器、およびこの第2の混合器で混合された信号を周波数変換するアップコンバータを備え、前記アップコンバータの出力信号を他の地球局に送信するようにした地球局。
  8. 周波数ホッピングによるスペクトラム拡散を用いた衛星通信方式に使用する地球局において、ホッピング周波数の信号を生成するシンセサイザ、このシンセサイザで生成された信号と送信信号とを混合する第1の混合器、この第1の混合器で混合された信号を周波数変換するアップコンバータ、他の地球局から受信した受信信号を周波数変換するダウンコンバータ、このダウンコンバータにより周波数変換された信号と前記シンセサイザで生成された信号とを混合し、前記受信信号を取り出す第2の混合器とを備え、前記シンセサイザが生成するホッピング周波数は送信と受信で同一にしたことを特徴とする地球局。
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