JP2009283865A - 不揮発性半導体記憶装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】不揮発性半導体記憶装置の電荷を蓄積する層に効果的に電界を印加することができるSTI構造を有する不揮発性半導体記憶装置の製造方法を提供する。
【解決手段】シリコン基板10上にトンネル絶縁膜層12、電荷蓄積層13、緩衝層31およびCMPストッパ層32を順に形成し、シリコン基板10に至る所定の深さの素子分離溝34を形成し、素子分離溝34内の緩衝層31の位置に対応する部分でボイド111が形成されるようにSTI11を形成し、ストッパ層32を除去した後、STI11の上面がトンネル絶縁膜層12よりも上に位置し、凹部112の底部がトンネル絶縁膜層12の下面よりも下に位置するようにボイド111を用いてSTI11をエッチングし、STI11の表面に凹部112を形成し、緩衝層31を除去し、電荷蓄積層13とSTI11の上面にブロック層14と電極層15を順に積層する。
【選択図】 図4−3
【解決手段】シリコン基板10上にトンネル絶縁膜層12、電荷蓄積層13、緩衝層31およびCMPストッパ層32を順に形成し、シリコン基板10に至る所定の深さの素子分離溝34を形成し、素子分離溝34内の緩衝層31の位置に対応する部分でボイド111が形成されるようにSTI11を形成し、ストッパ層32を除去した後、STI11の上面がトンネル絶縁膜層12よりも上に位置し、凹部112の底部がトンネル絶縁膜層12の下面よりも下に位置するようにボイド111を用いてSTI11をエッチングし、STI11の表面に凹部112を形成し、緩衝層31を除去し、電荷蓄積層13とSTI11の上面にブロック層14と電極層15を順に積層する。
【選択図】 図4−3
Description
本発明は、不揮発性半導体記憶装置の製造方法に関するものである。
近年の半導体装置の製造技術の進展によって、電気的に書込み消去可能な不揮発性半導体記憶装置の寸法が微細化してきている。ナノメートルサイズのゲート長を有する不揮発性半導体記憶装置において、隣接するセル間を分離するSTI(Shallow Trench Isolation)の高さは、所定のセル特性を発揮させるために所望の高さに制御される。たとえば、MONOS(Metal-Oxide-Nitride-Oxide-Semiconductor)型トランジスタを有するメモリセルと、低電圧トランジスタを有する低電圧トランジスタ領域および高電圧トランジスタを有する高電圧トランジスタ領域を有する周辺回路部と、を備える半導体記憶装置において、高電圧トランジスタ領域に形成されているSTIの深さをメモリセルと低電圧トランジスタ領域のSTIの深さよりも深くするように、STIを制御性よく形成する方法が開示されている(たとえば、特許文献1参照)。
ところで、MONOS型トランジスタにおいて、消去時および書込み時に高い電界を電荷蓄積層に効果的に印加するためには、STIの上面の高さを電荷蓄積層の上面の高さよりも低くすることがよいことが知られている。しかし、上記特許文献1に記載のMONOS型トランジスタ間を分離するためのSTIの上面は、ゲート電極と同じ高さを有しており、しかも平らである(基板面とほぼ平行な面を有している)。そのため、特許文献1に記載のMONOS型メモリにおいては、消去時および書込み時に電荷蓄積層に効果的に高い電界を印加することができないという問題点があった。また、フローティングゲート型トランジスタを用いた不揮発性半導体記憶装置についても同様の問題点を有していた。
本発明は、不揮発性半導体記憶装置の電荷を蓄積する層に効果的に電界を印加することができるSTI構造を有する不揮発性半導体記憶装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、半導体基板上にトンネル絶縁膜層と、電荷蓄積層と、緩衝層と、後の工程での素子分離絶縁膜の除去時のストッパとなるストッパ層と、を順に形成する第1の工程と、前記ストッパ層、前記緩衝層、前記電荷蓄積層、前記トンネル絶縁膜層および前記半導体基板をエッチングして素子分離溝を形成する第2の工程と、前記素子分離溝内の前記緩衝層の位置に対応する部分でボイドが形成されるように素子分離絶縁膜を形成する第3の工程と、前記ストッパ層を除去した後、前記ボイドを用いて前記素子分離絶縁膜のエッチングを行い、前記素子分離絶縁膜の上面の前記素子分離溝と接する部分が前記トンネル絶縁膜層の上面よりも上に位置し、中央部付近が前記トンネル絶縁膜層の下面よりも下に位置するように前記素子分離絶縁膜の表面に凹部を形成する第4の工程と、前記緩衝層を除去する第5の工程と、前記電荷蓄積層と前記素子分離絶縁膜の上面にブロック層と電極層を順に積層する第6の工程と、を含むことを特徴とする不揮発性半導体記憶装置の製造方法が提供される。
また、本発明の一態様によれば、半導体基板上にトンネル絶縁膜層と、電荷蓄積層と、緩衝層と、後の工程での素子分離絶縁膜の除去時のストッパとなるストッパ層と、を順に形成する第1の工程と、前記ストッパ層、前記緩衝層、前記電荷蓄積層、前記トンネル絶縁膜層および前記半導体基板をエッチングして素子分離溝を形成する第2の工程と、前記素子分離溝内の前記緩衝層の位置に対応する部分で合わせ目の弱いシームが形成されるように素子分離絶縁膜を形成する第3の工程と、前記ストッパ層を除去した後、前記シームを用いて前記素子分離絶縁膜のエッチングを行い、前記素子分離絶縁膜の上面の前記素子分離溝と接する部分が前記トンネル絶縁膜層の上面よりも上に位置し、中央部付近が前記トンネル絶縁膜層の下面よりも下に位置するように前記素子分離絶縁膜の表面に凹部を形成する第4の工程と、前記緩衝層を除去する第5の工程と、前記電荷蓄積層と前記素子分離絶縁膜の上面にブロック層と電極層を順に積層する第6の工程と、を含むことを特徴とする不揮発性半導体記憶装置の製造方法が提供される。
本発明によれば、不揮発性半導体記憶装置の電荷を蓄積する層に効果的に電界を印加することが可能なSTI構造を有する不揮発性半導体記憶装置の製造方法を提供することができるという効果を有する。
以下に添付図面を参照して、本発明の実施の形態にかかる不揮発性半導体記憶装置の製造方法を詳細に説明する。なお、これらの実施の形態により本発明が限定されるものではない。また、以下の実施の形態で用いられる不揮発性半導体記憶装置の断面図は模式的なものであり、層の厚みと幅との関係や各層の厚みの比率などは現実のものとは異なる。さらに、以下で示す膜厚は一例であり、これに限定されるものではない。
(第1の実施の形態)
ここでは、最初に不揮発性半導体記憶装置の概略構成について説明し、その後に、本発明にかかる不揮発性半導体記憶装置の製造方法について詳細に説明する。不揮発性半導体記憶装置は、メモリセルトランジスタがマトリクス状に配置されるメモリセルと、電界効果型トランジスタによるロジック回路を構成する周辺回路部と、を有する。
ここでは、最初に不揮発性半導体記憶装置の概略構成について説明し、その後に、本発明にかかる不揮発性半導体記憶装置の製造方法について詳細に説明する。不揮発性半導体記憶装置は、メモリセルトランジスタがマトリクス状に配置されるメモリセルと、電界効果型トランジスタによるロジック回路を構成する周辺回路部と、を有する。
図1は、メモリセルとしてNAND型EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)を採用した場合のメモリセルの等価回路図である。この図に示されるように、メモリセルを構成するMIS(Metal-Insulator-Semiconductor)型トランジスタM0,M1,・・・,M14,M15は直列接続される。各トランジスタM0〜M15は、フローティングゲート型でもよいし、MONOS型でもよいが、この第1の実施の形態では、シリコン窒化膜からなる電荷蓄積層を有するMONOS型トランジスタである場合を示す。各トランジスタM0〜M15のゲート電極、つまり制御ゲートにはそれぞれワード線を構成するデータ選択線WL0〜WL15が接続される。また、各トランジスタM0〜M15のバックゲートにはウェル電位Wellが与えられる。
直列接続されるトランジスタM0〜M15の一端のトランジスタM0は、選択トランジスタS1を介してビット線BLに接続され、他端のトランジスタM15は、選択トランジスタS2を介してソース線SLに接続される。なお、選択トランジスタS1のゲートにはSSL信号線が接続され、選択トランジスタS2のゲートにはGSL信号線が接続される。
ここでメモリセルには、SSL信号線およびGSL信号線が接続されるが、これらのブロック選択線は、ひとつのブロックには少なくとも1本あればよく、たとえば高密度化のために、データ選択線WL0〜WL15と同一方向に形成される。
以上のような構成を通じて、いわゆるNANDセルブロック5が構成される。そして、このNANDセルブロック5がデータ選択線WL0〜WL15の延在方向に複数配列されて、メモリセルが形成される。このメモリセルの動作や構成などについては、よく知られるところであるので、説明を省略する。
図2は、図1に示すような回路構成のブロックが複数配列されてなるメモリセルを有する不揮発性半導体記憶装置の一部平面図である。この図に示されるように、メモリセル1は、図中で上下方向に走る複数のビット線BLが形成されている。このビット線BLの厚さ方向の下側には、図中左右方向に走る複数のワード線WL0〜WL15が配置されている。各ワード線WL0〜WL15の間には、ビット線BLの下以外の部分に素子分離領域であるSTI11が形成され、ソース/ドレイン領域8が絶縁分離されている。またビット線BLのSSL信号線に隣接したソース/ドレイン領域8には、ビット線コンタクト4が形成されており、ビット線BLのGSL信号線に隣接した領域には、接地電位が与えられるソース線コンタクト3が接続されている。
図3は、本発明の不揮発性半導体記憶装置の製造方法で製造される不揮発性半導体記憶装置の一例を模式的に示す断面図であり、図2のA−A断面図に対応している。この不揮発性半導体記憶装置は、半導体基板としてのシリコン基板10のSTI(素子分離絶縁膜)11で分離された領域にMONOS型トランジスタが形成される。
MONOS型トランジスタは、シリコン基板10上に、シリコン酸化膜などからなるトンネル絶縁膜層12、シリコン窒化膜からなる電荷蓄積層13、シリコン酸化膜やアルミナなどからなるブロック層14およびポリシリコンやニッケルシリサイド、タングステン、窒化タングステンなど、またはこれらの積層膜などからなる電極層15が順に積層した構造を有する。なお、ワード線の延在方向に隣接するMONOS型トランジスタ間でトンネル絶縁膜層12と電荷蓄積層13とは分離されているが、ブロック層14と電極層15とは連続して形成されている。電極層15は、たとえば、図の左右方向に延在するようにパターニングされ、この電極層15上には、層間絶縁膜20が形成される。そして、層間絶縁膜20上には、紙面に垂直な方向に延在するようにパターニングされたビット線4が形成される。
また、ワード線の延在方向に隣接するMONOS型トランジスタ間を分離するSTI11の上面11aは、トンネル絶縁膜層12の上面よりも高い位置で隣接するセル部の電荷蓄積層13と接触しており、中央付近には凹部112が設けられている。この凹部112の底部11bの位置は、トンネル絶縁膜層12の下面よりも低い位置にあればよい。この図3の例では、STI11の上面11aは、電荷蓄積層13の上面と一致しており、凹部112の底部11bの位置は、シリコン基板10の上面よりも下に位置している。このような電荷蓄積層13とSTI11のそれぞれの上面に形成されるブロック層14および電極層15は、下地の形状に影響を受け、ブロック層14と電極層15との界面は、電荷蓄積層13とSTI11の上面とほぼ平行に形成される。
このような構造のメモリセルにおいては、STI11の中央付近の凹部112に合わせて電極層15が形成されるので、この凹部112の形状に合わせてセル部(電荷蓄積層13)に電界が集中してかかりやすくなる。その結果、従来のMONOS型トランジスタの構造に比して、同じ電圧をかけてもセルに強い電界を印加することが可能になる。
また、電荷蓄積層13の側面にブロック層14を構成する高誘電率膜を這わせることが可能となるので、カップリング比を上昇させることができ、より低い電圧で電荷蓄積層13に電荷を蓄積させることが可能になる。さらに、MONOS型トランジスタにおけるYupin効果の増大を抑制することも可能となる。
つぎに、このような構造を有する不揮発性半導体記憶装置の製造方法について説明する。図4−1〜図4−10は、この発明の第1の実施の形態による不揮発性半導体記憶装置の製造方法の処理手順の一例を模式的に示す断面図である。なお、ここでは、図3と同様に、図2のA−A断面に対応する断面図を示している。まず、シリコン基板10のメモリセルを形成する領域上に、シリコン酸化膜などからなるトンネル絶縁膜層12と、シリコン窒化膜からなる電荷蓄積層13と、をCVD(Chemical Vapor Deposition)法などの成膜法によって堆積させる。ついで、電荷蓄積層13上に、緩衝層31と、CMP(Chemical Mechanical Polishing)ストッパ層32と、を順に堆積する。ここで、CMPストッパ層32は、後の工程で、シリコン基板10にSTI11を埋め込んだ後に余分なSTI11をCMP法で除去する際のストッパとして機能する膜であり、シリコン窒化膜などによって形成される。また、緩衝層31は、シリコン基板10とCMPストッパ層32とは膜質の異なる素材からなる膜であり、たとえば、アモルファスシリコンやシリコン酸化膜などを使用することができる。その後、CMPストッパ層32上の全面にレジストを塗布し、フォトリソグラフィ技術とエッチング技術を用いて、STI11を形成する領域のCMPストッパ層32が露出するようにパターニングを行って、マスク33を形成する(図4−1)。
ついで、パターニングをしたマスク33を用いて、RIE(Reactive Ion Etching)法によって、CMPストッパ層32、緩衝層31、電荷蓄積層13、トンネル絶縁膜層12およびシリコン基板10をエッチングする(図4−2)。このとき、STI11を形成するのに必要な深さとなるようにシリコン基板10をエッチングする。これによって、シリコン基板10には素子分離溝34が形成される。
その後、原料にTEOS(Tetraethoxysilane)/O3やTEOS/H2Oなどを用いたCVD法によって、素子分離溝34内にシリコン酸化膜(SiO2)からなるSTI11を形成する(図4−3)。ここでは、STI11は、CMPストッパ層32の上面よりも高く形成される。また、このSTI形成工程では、素子分離溝34の側面を構成する材料によって、シリコン酸化膜の成長速度が異なる。素子分離溝34に形成されるSTI11の成長速度は、シリコン基板10内では速く、トンネル絶縁膜層12および電荷蓄積層13では遅く、緩衝層31では速く、CMPストッパ層32では遅くなる。その結果、電荷蓄積層13から緩衝層31にかけて、成長速度が速くなるため、緩衝層31の部分では、紙面に垂直な方向に延在したボイド(void)111が形成される。そして、緩衝層31からCMPストッパ層32にかけて、成長速度が遅くなるため、再びボイド111のない密なSTI11が形成されることになる。
このように第1の実施の形態では、素子分離溝34の側面を構成する層の膜質を変えることによって、素子分離溝34内でのSTI11の成長速度を変え、STI11の所定の位置(素子分離溝34内の所定の深さ)である緩衝層31脇にボイド111を形成するようにしている。
ついで、CMP法を用いて、CMPストッパ層32よりも上に形成されるSTI11を除去する(図4−4)。このとき、CMPストッパ層32がエッチングストッパの役割を有し、CMPストッパ層32が露出した時点でCMP処理が停止する。
その後、CMPストッパ層32に対するSTI11の選択比が大きくなるような条件でRIE法によってエッチングを行い、STI11をエッチバックする(図4−5)。このとき、STI11の上面は、CMPストッパ層32の厚さの範囲内となるように制御する。
ついで、ホット燐酸を用いて、シリコン窒化膜からなるCMPストッパ層32を剥離する(図4−6)。これによって、緩衝層31が露出する。その後、緩衝層31に対するSTI11(シリコン酸化膜)の選択比が大きくなるような条件でRIE法またはウエットエッチング法によって、STI11をエッチングする(図4−7)。STI11のエッチングは、図4−6の緩衝層31の上面がSTI11と接触する部分311から始まり、STI11の露出している領域(側面と上面)から順にエッチングされていく。そして、ボイド111よりも上のSTI11が除去される。ボイド111の上半分が除去された後は、ボイド111の下半分の形状を維持したまま、エッチングが行われる。その結果、下に凸状の断面を有する凹部112を表面とするSTI11が形成される。このとき、STI11の最上面11aがトンネル絶縁膜層12の上面よりも上の位置となるように、エッチングが制御される。
このエッチングによって、トランジスタが形成される各領域に接触するSTI11の最上面11aがトンネル絶縁膜層12よりも上の位置でありながら、STI11の表面の最も低い位置11bはトンネル絶縁膜層12の下面よりも下となるような凹部112を有するSTI11が形成される。
ついで、緩衝層31をRIE法やウエットエッチング法によって除去した後(図4−8)、CVD法などによってSiO2膜やAl2O3膜などの高誘電率材料からなるブロック層14を形成し(図4−9)、さらにスパッタ法や蒸着法などの方法によってポリシリコンやニッケルシリサイド、タングステン、窒化タングステンなど、またはこれらの積層膜などからなる電極層15を形成する(図4−10)。そして、電極層15または電極層15とブロック層14とを所定の形状にパターニングして、層間絶縁膜20とビット線4を形成することによって、図2〜図3に示される構造を有するメモリセルが得られる。
この第1の実施の形態によれば、MONOS型トランジスタの電荷蓄積層13上に、電荷蓄積層13を側壁としたときの成長速度に比して速いSTI11の成長速度を有する緩衝層31と、緩衝層31を側壁としたときの成長速度に比して遅いSTI11の成長速度を有するCMPストッパ層32とを順に積層した構造に素子分離溝34を形成し、ここにTEOS/O3などを原料とするCVD法によってSTI11を形成するようにした。これによって、STI11の成長速度が遅い電荷蓄積層13、速い緩衝層31、遅いCMPストッパ層32と経る際に、STI11の成長速度が速い緩衝層31の位置でボイド111が形成される。そして、このボイド111を用いたエッチングを行うことによって、メモリセルトランジスタの形成領域との接触部分ではトンネル絶縁膜層12の上面よりも高い位置に上面11aを有し、隣接するメモリセルトランジスタの形成領域間の中央部付近ではトンネル絶縁膜層12の下面よりも低い位置に底部11bを有する凹部112が形成されたSTI11を形成することができるという効果を有する。また、この構造によって、トンネル絶縁膜層12の側面がSTI11でしっかりと覆われるので、エッチング中にトンネル絶縁膜層12がダメージを受けることがない。
さらに、ワード線の延在方向に沿って切断した断面において、中央部を端部よりも落としこむように表面に凹部112を形成したSTI11を用いて不揮発性半導体記憶装置を製造したので、電極層15が電荷蓄積層13の上面と側面とを囲むように形成され、電界が集中するようになり、従来の構造に比して電荷蓄積層13に強い電界を印加することができる。また、電荷蓄積層13の側面にブロック層14を構成する高誘電率膜を這わせることが可能となるので、カップリング比を上昇させることもできる。その結果、従来よりも低い電圧で効果的に電荷蓄積層13に電荷を蓄積することができる。また、MONOS型トランジスタにおいてもYupin効果の増大を抑制することができる。
(第2の実施の形態)
図5−1〜図5−4は、この発明の第2の実施の形態による不揮発性半導体記憶装置の製造方法の処理手順の一例を模式的に示す断面図である。なお、ここでも、図3と同様に、図2のA−A断面に対応する断面図を示している。まず、第1の実施の形態の図4−1〜図4−2で説明したように、シリコン基板10のメモリセルを形成する領域上に、シリコン酸化膜などからなるトンネル絶縁膜層12と、シリコン窒化膜からなる電荷蓄積層13と、アモルファスシリコンなどからなる緩衝層31と、シリコン窒化膜などからなるCMPストッパ層32と、を順に堆積し、STI11を形成する領域のCMPストッパ層32が露出するようにレジストのパターニングを行って、マスクを形成した後、シリコン基板10に所定の深さの素子分離溝34が形成されるように、エッチングを行う。なお、ここでも電荷蓄積層13や緩衝層31、CMPストッパ層32に求められる条件は、第1の実施の形態と同様である。
図5−1〜図5−4は、この発明の第2の実施の形態による不揮発性半導体記憶装置の製造方法の処理手順の一例を模式的に示す断面図である。なお、ここでも、図3と同様に、図2のA−A断面に対応する断面図を示している。まず、第1の実施の形態の図4−1〜図4−2で説明したように、シリコン基板10のメモリセルを形成する領域上に、シリコン酸化膜などからなるトンネル絶縁膜層12と、シリコン窒化膜からなる電荷蓄積層13と、アモルファスシリコンなどからなる緩衝層31と、シリコン窒化膜などからなるCMPストッパ層32と、を順に堆積し、STI11を形成する領域のCMPストッパ層32が露出するようにレジストのパターニングを行って、マスクを形成した後、シリコン基板10に所定の深さの素子分離溝34が形成されるように、エッチングを行う。なお、ここでも電荷蓄積層13や緩衝層31、CMPストッパ層32に求められる条件は、第1の実施の形態と同様である。
ついで、原料にTEOS/O3やTEOS/H2Oなどを用いたCVD法によって、素子分離溝34内にSiO2からなるSTI11を形成する(図5−1)。ここでは、STI11は、CMPストッパ層32の上面よりも高く形成される。また、このSTI形成工程では、第1の実施の形態と同様に、素子分離溝34の側面を構成する材料によって、成長速度が異なる。素子分離溝34に形成されるSTI11の成長速度は、シリコン基板10内では速く、トンネル絶縁膜層12および電荷蓄積層13では遅く、緩衝層31では速く、CMPストッパ層32では遅くなる。その結果、電荷蓄積層13から緩衝層31にかけて、成長速度が速くなるため、緩衝層31に対応する部分のSTI11には、合わせ目の弱いシーム(seam)115が紙面に垂直な方向に延在して形成される。そして、緩衝層31からCMPストッパ層32にかけて、成長速度が遅くなるため、再び密なSTI11が形成されることになる。
このように第2の実施の形態では、素子分離溝34の側面を構成する層の膜質を変えることによって、素子分離溝34内でのSTI11の成長速度を変え、STI11の所定の位置(素子分離溝34内の所定の深さ)にシーム115を形成するようにしている。
ついで、CMP法を用いて、CMPストッパ層32よりも上に形成されるSTI11を除去し(図5−2)、CMPストッパ層32に対するSTI11の選択比が大きくなるような条件でRIE法によってエッチングを行い、STI11をエッチバックする(図5−3)。このとき、STI11の上面は、CMPストッパ層32の厚さの範囲内となるように制御する。
ついで、ホット燐酸を用いて、シリコン窒化膜からなるCMPストッパ層32を剥離して、緩衝層31を露出させ(図5−4)、緩衝層31(アモルファスシリコン膜)に対するSTI11(シリコン酸化膜)の選択比が大きくなるような条件でRIEまたはウエットエッチングによって、STI11をエッチングする(図5−5)。STI11のエッチングは、図5−5の緩衝層31の上面がSTI11と接触する部分311から始まり、STI11の露出している領域(側面と上面)から順にエッチングされていく。そして、シーム115よりも上のSTI11が除去される。シーム115の上半分が除去された後は、シーム115の合わせ目の弱い箇所が最初に除去される結果、隣接するメモリセルトランジスタ間の中央部付近に凹部が形成され、この凹部形状を維持したままSTI11の上面を落とし込むようにエッチングを行い、図4−7に示されるように、下に凸状の断面を有する凹部112がSTI11の表面に形成される。このとき、STI11の最上面11aがトンネル絶縁膜層12の上面よりも上の位置となるように、エッチングが制御される。また、STI11の表面の最も低い位置11bはトンネル絶縁膜層12の下面よりも下となる。
その後、第1の実施の形態の図4−8〜図4−10で示した工程と同様に、緩衝層31をRIEやウエットエッチングによって除去した後、CVD法などによってSiO2膜やAl2O3膜などの高誘電率材料からなるブロック層14を形成し、さらにスパッタ法や蒸着法などの方法によってポリシリコンやニッケルシリサイド、タングステン、窒化タングステンなど、またはこれらの積層膜などからなる電極層15を形成する。そして、電極層15または電極層15とブロック層14とを所定の形状にパターニングして、層間絶縁膜20とビット線BLを形成することによって、図2〜図3に示される構造を有するメモリセルが得られる。
この第2の実施の形態によっても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
なお、上述した説明では、不揮発性半導体記憶装置としてMONOS型トランジスタを例に挙げて説明したが、TANOS(TaN-Al2O3-Nitride-Oxide-Silicon)型トランジスタやSONOS(Silicon-Oxide-Nitride-Oxide-Silicon)型トランジスタなどの電荷蓄積層13を有する不揮発性半導体記憶装置のほか、電荷蓄積層13が導電性材料で構成されるフローティングゲート型トランジスタなどの不揮発性半導体記憶装置に対しても同様に上述した実施の形態を適用することができる。
また、上述した説明では、STI11の表面に凹部112を形成する場合を示したが、この凹部の断面形状は、V字型やU字型などリセス構造を有していれば任意の形状でよい。
さらに、緩衝層31としてアモルファスシリコンを用いる場合、アモルファスシリコンの材質の違い、すなわち、通常のアモルファスシリコン、リンをドーピングしたアモルファスシリコン、酸素を含んだアモルファスシリコンなどの違いによって、シリコン酸化膜の成長速度が大きく異なることが実験により知得された。この性質を用い、緩衝層31であるアモルファスシリコンの材質を代えることにより所望の寸法のボイド/シームを形成することが可能になった。
10…シリコン基板、11…STI、12…トンネル絶縁膜層、13…電荷蓄積層、14…ブロック層、15…電極層、20…層間絶縁膜、31…緩衝層、32…CMPストッパ層、33…マスク、34…素子分離溝、111…ボイド、112…凹部、115…シーム。
Claims (5)
- 半導体基板上にトンネル絶縁膜層と、電荷蓄積層と、緩衝層と、後の工程での素子分離絶縁膜の除去時のストッパとなるストッパ層と、を順に形成する第1の工程と、
前記ストッパ層、前記緩衝層、前記電荷蓄積層、前記トンネル絶縁膜層および前記半導体基板をエッチングして素子分離溝を形成する第2の工程と、
前記素子分離溝内の前記緩衝層の位置に対応する部分でボイドが形成されるように素子分離絶縁膜を形成する第3の工程と、
前記ストッパ層を除去した後、前記ボイドを用いて前記素子分離絶縁膜のエッチングを行い、前記素子分離絶縁膜の上面の前記素子分離溝と接する部分が前記トンネル絶縁膜層の上面よりも上に位置し、中央部付近が前記トンネル絶縁膜層の下面よりも下に位置するように前記素子分離絶縁膜の表面に凹部を形成する第4の工程と、
前記緩衝層を除去する第5の工程と、
前記電荷蓄積層と前記素子分離絶縁膜の上面にブロック層と電極層を順に積層する第6の工程と、
を含むことを特徴とする不揮発性半導体記憶装置の製造方法。 - 半導体基板上にトンネル絶縁膜層と、電荷蓄積層と、緩衝層と、後の工程での素子分離絶縁膜の除去時のストッパとなるストッパ層と、を順に形成する第1の工程と、
前記ストッパ層、前記緩衝層、前記電荷蓄積層、前記トンネル絶縁膜層および前記半導体基板をエッチングして素子分離溝を形成する第2の工程と、
前記素子分離溝内の前記緩衝層の位置に対応する部分で合わせ目の弱いシームが形成されるように素子分離絶縁膜を形成する第3の工程と、
前記ストッパ層を除去した後、前記シームを用いて前記素子分離絶縁膜のエッチングを行い、前記素子分離絶縁膜の上面の前記素子分離溝と接する部分が前記トンネル絶縁膜層の上面よりも上に位置し、中央部付近が前記トンネル絶縁膜層の下面よりも下に位置するように前記素子分離絶縁膜の表面に凹部を形成する第4の工程と、
前記緩衝層を除去する第5の工程と、
前記電荷蓄積層と前記素子分離絶縁膜の上面にブロック層と電極層を順に積層する第6の工程と、
を含むことを特徴とする不揮発性半導体記憶装置の製造方法。 - 前記第3の工程では、TEOS(Tetraethoxysilane)/O3またはTEOS/H2Oを原料にCVD法によって前記素子分離絶縁膜としてのシリコン酸化膜を形成することを特徴とする請求項1または2に記載の不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
- 前記電荷蓄積層は、シリコン窒化膜であり、前記緩衝層は、前記シリコン窒化膜と前記ストッパ層と膜質の異なる薄膜であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
- 前記緩衝層はアモルファスシリコンからなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の不揮発性半導体記憶装置。
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JP2008137102A JP2009283865A (ja) | 2008-05-26 | 2008-05-26 | 不揮発性半導体記憶装置の製造方法 |
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