JP2009283409A - 燃料電池システムおよび燃料電池システムの制御方法 - Google Patents

燃料電池システムおよび燃料電池システムの制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡素な制御で、ケース内の燃料ガスの希釈とともに燃料電池の燃料極から排出される燃料ガスの希釈を行う。
【解決手段】水素オフガスを、空気排出流路L5の空気オフガスに合流させるとともに、希釈用流路L6を介してスタックケース2内に空気を供給する。また、バイパス流路L8は、希釈用流路L6と空気排出流路L5とを相互に接続している。制御部40は、酸化剤用コンプレッサ20と、希釈用コンプレッサ30とを個別的に制御しており、燃料電池スタック1の発電量の増加に対応させて空気の流量を増加させるように、酸化剤用コンプレッサ20を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池およびその制御方法に関する。
従来より、燃料極に供給される燃料ガス(例えば、水素)と酸化剤極に供給される酸化剤ガス(例えば、空気)とを電気化学的に反応させることにより発電を行う燃料電池を有する燃料電池システムが知られている。
例えば、特許文献1には、ケース内に燃料電池を収容した燃料電池システムが開示されている。この燃料電池システムでは、供給流路を介して燃料電池に供給する酸化剤ガスの一部が、バイパス流路を介して分岐させることにより、ケース内に供給される。これにより、ケース内に漏出した燃料ガスが希釈される。ケース側へと分岐させられる酸化剤ガスの供給量は、負荷電流に応じて決定される。
特開2004−265750号公報
ところで、特許文献1に開示された手法によれば、ケース側への空気の流量を調整するために、バイパス流路に設けられたバルブの開度を制御する必要がある。負荷変動が大きいシステムにおいて、負荷電流に応じてバルブ制御を行った場合、バルブ開閉時における圧力変動が大きくなる。そのため、酸化剤極へ供給される酸化剤ガスの供給量が変動するため、この圧力変動を考慮した制御を行わなければならない。そのため、制御が複雑化してしまう。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡素な制御で、ケース内の燃料ガスの希釈とともに燃料電池の燃料極から排出される燃料ガスの希釈を行うことである。
かかる課題を解決するために、本発明は、燃料電池がケースに収容されている。燃料極からの燃料オフガスが酸化剤オフガスに合流させられている。また、希釈用流路を介してケース内に希釈用ガスが供給されている。この希釈用ガスは、ケースの前段において一部が分岐させられており、分岐した希釈用ガスが酸化剤オフガスに合流させられている。制御手段は、酸化剤極に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段と、希釈用ガスを供給する希釈用ガス供給手段とを個別的に制御しており、燃料電池の発電量の増加に対応させて酸化剤ガスの流量を増加させるように、酸化剤ガス供給手段を制御している。
本発明によれば、簡素な制御で、ケース内の燃料ガスの希釈とともに燃料電池の燃料極から排出される燃料ガスの希釈を行うことができる。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる燃料電池システムを概略的に示す構成図である。燃料電池システムは、例えば、移動体である車両に搭載されており、この車両は燃料電池システムから供給される電力によって駆動する。
燃料電池システムは、固体高分子電解質膜を介して燃料極と酸化剤極とが対設された燃料電池構造体(燃料電池セル)を、セパレータを介して複数積層することにより構成される燃料電池スタック(燃料電池)1を備える。この燃料電池スタック1は、燃料極に燃料ガスが供給されるとともに酸化剤極に酸化剤ガスが供給されることにより、燃料ガスおよび酸化剤ガスを電気化学的に反応させて電力を発生する。この燃料電池スタック1は、スタックケース2に収容されている。本実施形態では、燃料ガスとして水素を、酸化剤ガスとして空気を用いるケースについて説明する。
燃料電池システムには、燃料電池スタック1に水素を供給するための水素系と、燃料電池スタック1に空気を供給するための空気系とが備えられている。
水素系において、燃料ガスである水素は、例えば、高圧水素タンクといった燃料タンク10に貯蔵されており、この燃料タンク10から水素供給流路L1を介して燃料電池スタック1に供給される。具体的には、水素供給流路L1には、燃料タンク10の下流側にタンク元バルブ(図示せず)が設けられているとともに、このバルブの下流に減圧バルブ(図示せず)が設けられている。タンク元バルブが開状態とされることにより、燃料タンク10からの高圧水素ガスは、減圧バルブによって所定の圧力まで機械的に減圧される。また、水素供給流路L1には、減圧バルブの下流側に水素調圧バルブ11が設けられている。この水素調圧バルブ11は、燃料電池スタック1の燃料極における水素圧力が所望の圧力となるように、水素の圧力を調整する。なお、水素の供給方法としては、高圧水素タンク以外にも、液体水素タンク、水素吸蔵合金などを用いることもでき、また、ガソリン、灯油などの炭化水素燃料を改質する手法を用いることもできる。
燃料電池スタック1における個々の燃料極からのオフガス(未使用の水素を含むガス)である水素オフガス(燃料オフガス)は、水素循環流路L2に排出される。この水素循環流路L2は、その他方の端部が、水素供給流路L1における水素調圧バルブ11よりも下流側に接続されている。この水素循環流路L2には、例えば、水素循環ポンプ12といった水素循環手段が設けられている。燃料電池スタック1の燃料極からの水素オフガスは、水素循環手段によって燃料タンク10からの水素に合流させられることにより、燃料電池スタック1の燃料極に循環させられる。
ところで、酸化剤ガスとして空気を用いるケースでは、酸化剤極に供給された酸化剤ガスに含まれる不純物(例えば、窒素)が燃料極側に透過することがある。そのため、燃料極および水素循環流路L2を含む循環系内の不純物濃度が増加し、水素分圧が減少する傾向となる。不純物濃度が高い場合、燃料電池スタック1の出力が低下する等の不都合が生じるため、循環系内の不純物濃度を管理する必要がある。
そこで、水素循環流路L2には、循環系内から不純物をパージするための水素排出流路(燃料ガス排出流路)L3が接続されている。水素排出流路L3には、パージバルブ13が設けられており、このパージバルブ13の開閉状態を制御することにより、水素循環流路L2を流れる循環ガス(すなわち、水素オフガス)を外部に排出することができる。これにより、循環系内から不純物をパージすることができる。この不純物のパージにより、循環系内における不純物濃度を調整することができる。この水素排出流路L3の他方の端部は、後述する空気排出流路L5に接続されている。
空気系において、酸化剤ガスは、酸化剤ガス供給手段によって燃料電池スタック1に供給される。具体的には、酸化剤ガスである空気は、空気供給流路L4を介して燃料電池スタック1に供給される。この空気供給流路L4には、酸化剤用コンプレッサ20が設けられている。酸化剤用コンプレッサ20は、大気(空気)を取り込むとともに、これを加圧して吐出する。加圧された空気は、空気供給流路L4を通して燃料電池スタック1に供給される。なお、空気を供給する手法としては、コンプレッサを利用する以外にも、ファンやブロア、あるいは、酸化剤ガスを貯蔵した酸化剤タンクなどを利用してもよい。
燃料電池スタック1における個々の酸化剤極からのオフガス(酸素が消費された空気)である空気オフガスは、空気排出流路(酸化剤ガス排出流路)L5を介して外部に排出される。具体的には、空気排出流路L5は、一方の端部が燃料電池スタック1の酸化剤極の出口側に接続されており、他方の端部が大気に開放されている。空気排出流路L5には、空気調圧バルブ21が設けられている。この空気調圧バルブ21は、開度に応じて燃料電池スタック1の酸化剤極における空気の圧力を調整する。
空気排出流路L5において、空気調圧バルブ21よりも下流側には、水素系の水素排出流路L3が接続されている。これにより、水素排出流路L3を介して排出されるパージガス、すなわち、水素オフガスは、燃料電池スタック1の酸化剤極からの空気オフガスに合流させられる。
また、本実施形態の特徴の一つとして、燃料電池システムは、スタックケース2内に希釈用ガスを供給する希釈用ガス供給手段を有している。具体的には、スタックケース2には、希釈用流路L6が接続されている。この希釈用流路L6には、希釈用コンプレッサ30が設けられている。希釈用コンプレッサ30は、希釈用ガスである大気(空気)を取り込むとともに、これを加圧して吐出する。加圧された空気は、希釈用流路L6を通してスタックケース2内に供給される。また、スタックケース2には、ケース排出流路L7が設けられており、スタックケース内2のガスは、ケース排出流路L7を介して外部に排出される。なお、希釈用ガスとしての空気を供給する手法としては、コンプレッサを利用する以外にも、ファンやブロアなどを用いることができる。
この希釈用流路L6には、希釈用コンプレッサ30とスタックケース2との間に、バイパス流路L8が接続されている。バイパス流路L8の他方の端部は、空気排出流路L5において水素系の水素排出流路L3の合流部よりも下流側に接続されている。このバイパス流路L8により、スタックケース2の前段において、希釈用コンプレッサ30からの空気の一部が分岐させられるとともに、分岐させられた空気が空気オフガスに合流させられる。すなわち、希釈用コンプレッサ30から供給される空気は、スタックケース2側の系統と、バイパス流路L8側の系統とにそれぞれ供給される。
制御部(制御手段)40は、システム全体を統合的に制御する機能を担っており、制御プログラムに従って動作することにより、システムの運転状態を制御する。制御部40としては、CPU、ROM、RAM、I/Oインターフェースを主体に構成されたマイクロコンピュータを用いることができる。この制御部40は、システムの状態に基づいて、各種の演算を行い、この演算結果を制御信号として各種のアクチュエータ(図示せず)に出力する。これにより、水素調圧バルブ11の開度、水素循環ポンプ12の回転数、酸化剤用コンプレッサ20の回転数、空気調圧バルブ21の開度、希釈用コンプレッサ30の回転数(駆動量)が制御される。
制御部40には、システムの状態を検出するために、各種センサ等からのセンサ信号が入力されている。この類のセンサとしては、空気圧力センサ、空気流量センサ、水素圧力センサ、電圧センサ、温度センサなどが挙げられる。空気圧力センサは、燃料電池スタック1の酸化剤極における空気の圧力を検出し、空気流量センサは、燃料電池スタック1の酸化剤極へ供給される空気の流量を検出する。また、水素圧力センサは、燃料電池スタック1の燃料極における水素の圧力を検出し、電圧センサは、燃料電池スタック1の電圧を検出する。温度センサは、燃料電池スタック1の運転温度を検出する。
図2は、第1の実施形態にかかる燃料電池システムの制御方法である酸化剤用コンプレッサ20の制御手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、所定の周期で呼び出され、制御部40によって実行される。
まず、ステップ10(S10)において、システムの状態が確認される。具体的には、制御部40は、読み込んだセンサ信号や、メモリー内のフラグの状態や制御データを参照する。
ステップ11(S11)において、現在のシステム制御が通常状態であるか否かが判断される。通常状態は、後述するように、燃料電池スタック1の酸化剤極に対して、システムに要求される発電量に応じた空気の供給を行う状態をいう。通常状態とは異なるシーンとしては、システムの起動時または停止時、アイドルストップ時、あるいは、トラブル、不具合または異常等が発生した時が挙げられる。この判断は、ステップ10において確認されたシステムの状態に基づいて行われる。
ステップ11において肯定判定された場合、すなわち、システム制御が通常状態である場合には、ステップ12(S12)に進む。一方、ステップ11において否定判定された場合、すなわち、システム制御が通常状態でない場合には、ステップ14(S14)に進む。
ステップ12において、システムに要求される発電量に基づいて、燃料電池スタック1の酸化剤極に要求される空気の流量(以下「空気の要求流量」という)が算出される。ここで、図3は、発電量と、要求流量と対応関係を示す説明図である。空気の要求流量は、基本的に、燃料電池スタック1の発電量の増加に比例して増加する傾向を有する。ただし、発電量が低い側では、それ以外の発電量の領域(発電量が中間または高い側)と比較して、発電量の増加量に対する空気の要求流量の増加量(傾き)が大きくなるように設定されている。これは、空気の流量が小さい場合には、酸化剤極内の内部流路における空気の流速が低くなるからである。そして、内部流路における空気の流速が低い場合には、酸化剤極の反応面に酸素を適切に供給することができなかったり、反応で生成される水を内部流路から除去できなかったりする。この場合、燃料電池スタック1の発電効率が低下する可能性がある。そのため、発電量が低いシーンでは、空気供給の過剰率を高めに設定する。これにより、発電に必要な流量よりも多い流量の空気が供給されるので、内部流路内の空気の流速が十分な値に維持される。また、発電量が中間または高い側であっても、効率的な発電を行う観点から、発電に必要な空気の流量よりも多い流量が要求流量となるように設定されている。ただし、空気供給の過剰率は、発電量が低いシーンにおけるそれよりも低い値に設定されている。
同図に示すような発電量と、要求流量と対応関係は、実験やシミュレーションを通じて予め取得されている。制御部40は、発電量と要求流量と対応関係を、マップまたは演算式として保持しており、システムに要求される発電量に基づいて、空気の要求流量を算出する。
ステップ13において、ステップ12において算出された空気の要求流量に基づいて、酸化剤用コンプレッサ20が制御される。具体的には、制御部40は、ステップ12の空気の要求流量が酸化剤極に対して供給されるように、酸化剤用コンプレッサ20の回転数を制御する。これにより、制御部40は、燃料電池スタック1の発電量の増加に対応させて空気の流量を増加させるように、酸化剤用コンプレッサ20を制御する
ステップ14において、非通常状態フラグがセットされる。制御部40は、非通常状態フラグがセットされたことに応じて、本ルーチンを終了し、システムの状態に応じた適切な制御を実施する。非通常状態フラグがリセットされた場合には、制御部40は、上述した一連の処理を再開する。
図4は、第1の実施形態にかかる燃料電池システムの制御方法である希釈用コンプレッサ30の制御手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、所定の周期で呼び出され、制御部40によって実行される。この希釈用コンプレッサ30の制御手順は、上述した酸化剤用コンプレッサ20の制御手順とは独立して実行される。
まず、ステップ20(S20)において、システムの状態が確認される。具体的には、制御部40は、読み込んだセンサ信号や、メモリー内のフラグの状態や制御データを参照する。
ステップ21(S21)において、現在のシステム制御が通常状態であるか否かが判断される。通常状態は、後述するように、所定の空気供給を行う状態である。通常状態とは異なるシーンとしては、システムの起動時または停止時、アイドルストップ時、あるいは、トラブル、不具合または異常等が発生した時が挙げられる。この判断は、ステップ20において確認されたシステムの状態に基づいて行われる。
ステップ21において肯定判定された場合、すなわち、システム制御が通常状態である場合には、ステップ22(S22)に進む。一方、ステップ21において否定判定された場合、すなわち、システム制御が通常状態でない場合には、ステップ23(S23)に進む。
ステップ22において、希釈用コンプレッサ30が制御される。本実施形態において、制御部40は、希釈用コンプレッサ30から供給される空気の流量が、予め設定された一定流量(基準流量)となるように、希釈用コンプレッサ30を制御する。換言すれば、制御部40は、システムに要求される発電量に拘わらず、流量が一定となるように、希釈用コンプレッサ30を制御する。例えば、制御部40は、希釈用流路L6を通過する空気流量をモニタリングし、検出された空気流量が基準流量と対応するように希釈用コンプレッサ30をフィードバック制御する。また、別の手法としては、希釈用コンプレッサ30の回転数および空気圧力に基づいて、希釈用コンプレッサ30からの流量を推定し、この推定値に基づいてフィードバック制御してもよい。
ステップ23において、非通常状態フラグがセットされる。制御部40は、非通常状態フラグがセットされたことに応じて、本ルーチンを終了し、現在のシステムの状態に応じた適切な制御を実施する。非通常状態フラグがリセットされた場合には、制御部40は、上述した一連の処理を再開する。
以下、本実施形態にかかる燃料電池システムの制御概念を説明する。本実施形態において、燃料電池スタック1に対して供給される2系統の空気、すなわち、酸化剤用コンプレッサ20から供給される空気と、希釈用コンプレッサ30から供給される空気とは、それぞれ独立した供給源から供給され、それぞれ独立して制御されている。
酸化剤用コンプレッサ20は、図3に示すように、燃料電池スタック1の発電量に基づいて、発電に必要な空気流量にガス過剰率を乗算することによって得られる流量を供給する。これにより、酸化剤極における内部流路の状態が適切に維持されるとともに、効率的な発電が可能となる。
一方、希釈用コンプレッサ30は、スタックケース2側の系統と、バイパス流路L8側の系統とに関する個々の要求流量の和となる流量(以下「希釈要求流量」という)を供給する。スタックケース2側の系統に関する要求流量と、バイパス流路L8側の系統に関する要求流量とは、以下に示す観点に基づいて設定される。
スタックケース2側の系統では、ケース排出流路L7を介してスタックケース2から排出されるガス中の水素濃度が所定の濃度以下となるような流量が、要求流量(以下「ケース要求流量」という)として設定される。スタックケース2に供給される空気は、燃料電池スタック1から漏出した水素を希釈する役割を担っている。
燃料電池スタック1から周囲に漏れる水素の量は、酸化剤極内のガス圧力と、スタックケース2内のガス圧力との差に比例する傾向を有する。ただし、積層されている各燃料電池セル間はシール性が十分に高いため、ほとんど水素の漏れは発生しない。しかしながら、シール材の中を水素が透過するため、水素の漏出が発生する。この場合、水素の透過量は、シール材の物質特性、および、燃料極内の水素分圧とスタックケース2内部の水素分圧との分圧差に起因する。
図5は、システムに要求される発電量と、ケース要求流量との関係を例示する説明図である。同図において、実線Aで示す関係は、発電量に拘わらず、ケース要求流量が一定となる。この関係は、燃料電池スタック1の発電量に拘わらず、燃料電池スタック1の燃料極の圧力を一定に保持して運転するシステムに対応する。
また、点線Bで示す関係は、発電量の増加に応じて、ケース要求流量も増加する。ただし、発電量が低い側の一部の領域および発電量が高い側の一部の領域は、発電量に拘わらず、ケース要求流量がほぼ一定となる。この関係は、燃料電池スタック1の発電量に応じて、燃料電池スタック1の燃料極の圧力を増加して運転するシステムに対応する。すなわち、燃料極の圧力を低圧で運転するような低い発電量の場合、燃料電池スタック1からスタックケース2へと漏出する水素量は少ない。一方、発電量の増加に応じて燃料極の圧力が増加するため、燃料電池スタック1からの水素の漏出量が増加する。さらに、ある程度の発電量になると、燃料極における圧力は最大圧力となり、発電量が増加しても燃料極の圧力は維持される。そのため、高発電量時には、燃料電池スタック1からの水素の漏出量は、一定となる。
これに対して、バイパス流路L8側の系統では、パージガス(水素オフガス)が合流した酸化剤オフガスに含まれる水素の濃度が所定の濃度以下となるような流量が、要求流量(以下「バイパス要求流量」という)として設定される。すなわち、バイパス流路L8に分岐したガスは、バイパス流路L8を介して空気排出流路L5に導入されることにより、水素オフガスが合流した酸化剤オフガスを希釈する役割を担っている。
図6は、システムに要求される発電量と、バイパス要求流量との関係を例示する説明図である。バイパス要求流量は、下式に示すように、システムより排出される水素の濃度を所定の濃度以下に希釈するためのガス流量を計算し、この計算結果から空気オフガスの流量を減算することにより、算出される。
Figure 2009283409
ここで、Qbは、バイパス要求流量であり、Qpは、パージバルブ13より排出される水素流量である。Rdは、希釈比率、すなわち、排出される水素の最大濃度の比率である。Qaoは、空気オフガスの流量である。
バイパス要求流量は、発電量の増加に応じて流量が減少する傾向を有している。すなわち、バイパス要求流量は、燃料電池スタック1の発電量が小さいシーンでは、大きな流量が要求され、発電量が大きいシーンでは、小さな流量が要求される。なぜならば、発電量が小さいシーンでは、空気オフガスの流量が小さいので、パージガスに含まれる水素の量は空気オフガスの量に比べて相対的に大きくなる。一方、発電量が大きいシーンでは、空気オフガスの流量が大きいので、パージガスに含まれる水素の量は、空気オフガスの量に比べて相対的に低い傾向を有するからである。そのため、発電量が小さいシーンでは、空気オフガスのみでは十分に水素が希釈されない虞があるからである。
つぎに、希釈用コンプレッサ30から供給される空気を、要求流量に応じて、希釈分岐点を介して、スタックケース2側の系統と、バイパス流路L8側の系統とに分配する手法について説明する。ここで、希釈分岐点は、希釈用流路L6と、バイパス流路L8との接続点である。
図7は、発電量と、スタックケース2側の系統における圧力損失係数(以下「ケース側圧力損失係数」という)との関係を示す説明図である。同図において、ケース側圧力損失係数は、希釈分岐点から、希釈分岐点よりも下流側の希釈用流路L6、スタックケース2、ケース排出流路L7までを含む一連の流路の圧力損失係数に相当する。同図に示すように、ケース側圧力損失係数は、発電量に拘わらず一定の値となる。なぜならば、希釈分岐点よりも下流側の希釈用流路L6、スタックケース2、および、ケース排出流路L7のそれぞれは、発電量に拘わらず圧力損失係数が一定であるからである。したがって、圧力損失係数が一定となる3つの流路を繋いだとしても、全体としてのケース側圧力損失係数も一定になる。
図8は、発電量と、バイパス流路L8の圧力損失係数(以下「バイパス圧力損失係数」という)との関係を示す説明図である。同図において、バイパス圧力損失係数は、希釈分岐点から、バイパス流路L8、バイパス合流点、バイパス合流点よりも下流側の空気排出流路L5までを含む一連の流路の圧力損失係数に相当する。ここで、バイパス合流点は、バイパス流路L8と、空気排出流路L5との接続点である。
同図において、実線Aは、バイパス圧力損失係数を示す。点線Bは、バイパス合流点よりも下流側の空気排出流路L5の圧力損失係数である。この流路の圧力損失係数は、発電量の増加に応じて圧力損失係数が増加する傾向を有している。これは、発電量の増加にともない空気オフガスの流量も増加するため、この流量増加の影響を受けるためである。これに対して、破線Cは、バイパス合流点よりも下流側の圧力損失係数を考慮しないバイパス流路L8のみの圧力損失係数である。この流路の圧力損失係数は、発電量に拘わらず一定となる。バイパス圧力損失係数は、点線Bで示す圧力損失係数と、破線Cで示す圧力損失係数との和となる。
流路の圧力損失は、下式に示すように、圧力損失係数に、その流路を流れる流量の二乗値を積算した値として算出される。
Figure 2009283409
ここで、DPは、圧力損失であり、Cdは、流路の圧力損失係数である。Qは、流路を流れる空気の体積流量である。
また、圧力損失は、下式に示すように、流路の上流圧力から下流圧力を減算した値としても算出される。
Figure 2009283409
ここで、PAは、圧力損失の測定区間(流路)における上流圧力であり、PBは、圧力損失の測定区間(流路)における下流圧力である。
希釈分岐点からバイパス流路L8に流れる流量Q1は、数式2および数式3に基づいて、下式に示す関係により算出される。
Figure 2009283409
ここで、PA1は、希釈分岐点の圧力に対応し、PB1は、バイパス合流点の圧力に対応する。また、Cd1は、バイパス流路L8側に対応する希釈分岐点下流側の流路の圧力損失係数であり、図8に示すような発電量の関数である。また、流量Q1は、正の値となる。ここで、PBは、空気排出流路L5においてバイパス合流点から排出口(大気開放)までの圧力損失と同等のゲージ圧力となる。
一方、希釈分岐点からスタックケース2側に流れる流量Q2も、上述した数式に基づいて、下式に示す関係により算出される。
Figure 2009283409
ここで、PA2は、希釈分岐点の圧力に対応し、PB2は、ケース排出流路L7の排出口の圧力(大気圧)に対応する。ゲージ圧力の場合、同数式における「PB」は無視することができる。また、Cd2は、スタックケース2側に対応する希釈分岐点下流側の流路の圧力損失係数であり、図7に示すように発電量に拘わらず一定の値となる。
これらの数式2から数式5に基づいて、希釈用コンプレッサ30に要求される流量が下式に基づいて、決定される。
Figure 2009283409
ここで、Q0は、希釈用コンプレッサ30から供給する空気の総流量であり、Q1およびQ2の総和となる。
このような関係に基づいて、制御部40は、希釈用コンプレッサ30を制御する。本実施形態では、希釈用コンプレッサ30の流量は、基準流量をベースに一定に制御される。このケースでは、燃料電池スタック1の発電量毎に総流量Q0の試算を行っておき、その最大値が制御用の基準流量に設定される。
このように本実施形態において、燃料電池システムは、水素オフガスを空気オフガスに合流させるとともに、希釈用流路L6を介してスタックケース2内に空気を供給する。また、バイパス流路L8は、希釈用流路L6と空気排出流路L5とを相互に接続しており、スタックケース2の前段において空気の一部を分岐させるとともに、この分岐した空気を空気オフガスに合流させる。制御部40は、酸化剤用コンプレッサ20と、希釈用コンプレッサ30とを個別的に制御しており、燃料電池スタック1の発電量の増加に対応させて空気の流量を増加させるように、酸化剤用コンプレッサ20を制御する。
かかる構成によれば、簡素な制御で、スタックケース2内の水素の希釈とともに燃料電池スタック1の燃料極から排出される水素の希釈を行うことができる。
すなわち、燃料電池スタック1の発電量が大きくなると、空気排出流路L5の圧力損失が大きくなるため、バイパス流路L8を流れる空気の流量は減る。しかしながら、空気オフガスの流量も増加する。そのため、燃料オフガス中の水素の希釈を空気オフガスにより行うことができる。一方で、燃料電池スタック1の発電量が小さくなると、空気オフガスの流量が減少するため、燃料オフガス中の水素を十分に希釈することができない可能性がある。しかしながら、このケースでは、空気排出流路L5の圧力損失が小さくなるため、バイパス流路L8を流れる空気の流量は増える。そのため、燃料オフガス中の水素の希釈をバイパス流路L8からの空気により行うことができる。
また、燃料電池スタック1の発電量が大きくなると、燃料電池スタック1から透過する水素量も増えるため、スタックケース2へ供給する空気の流量を多くする必要がある。しかしながら、上述したように、バイパス流路L8への流量が減る分、スタックケース2への空気の流量が増加することとなる。これにより、スタックケース2内の換気を有効に行うことができる。一方で、燃料電池スタック1の発電量が小さくなると、上述したように、バイパス流路L8側に流れる空気の流量が増加するので、スタックケース2へと流れる空気の流量は減少する。しかしながら、このシーンでは、燃料電池スタック1から透過する水素の量も減るので、スタックケース2内の換気を行うことが可能となる。
また、本実施形態によれば、酸化剤用コンプレッサ20と希釈用コンプレッサ30とを独立させているので、個々の空気供給を独立して制御することができる。このため、簡単な制御手法により、スタックケース2内の水素の希釈と、水素オフガスの希釈とを行うことができる。また、スタックケース2を換気する専用の空気供給手段と、水素オフガスを希釈する空気供給手段とを個別に設置しなくてもよい。これにより、空気供給手段の数を増やさなくてもよく、また、制御の簡素化を図ることができる。
また、本実施形態によれば、制御部40は、バイパス要求流量とケース要求流量との加算値に相当する流量が供給されるように、希釈用コンプレッサ30を制御する。かかる構成によれば、スタックケース2内の水素の希釈と、水素オフガスの希釈とを有効に行うことができる。
また、本実施形態において、制御部40は、希釈用流路L8に供給される空気の流量が一定となるように、希釈用コンプレッサ30を制御する。かかる構成によれば、制御のロジックを単純化することができるので、簡素な制御を実現することができる。
また、本実施形態によれば、水素排出流路L3は、空気排出流路L5において、バイパス流路L8との合流点よりも上流側に接続される。かかる構成によれば、水素オフガスが、空気オフガスにより一次的に希釈され、その後、バイパス流路L8から供給される空気によって二次的に希釈される。これにより、水素オフガスを効果的に希釈することができる。
また、本実施形態において、パイパス流路L8は、空気排出流路L5において空気調圧バルブ21よりも下流側に接続される。かかる構成によれば、バイパス流路L8の大幅な圧力変動を抑制することができる。
また、本実施形態において、水素排出流路L3は、空気排出流路L5において、空気調圧バルブ21よりも下流側、かつ、バイパス流路L8との合流点よりも上流側に接続されている。かかる構成によれば、バイパス流路L8の圧力変動を抑制することができるため、パージ制御のロジックを簡素化することができる。これにより、パージ性能やその信頼性の向上を図ることができる。また、空気調圧バルブ21で発生する乱流によって、燃料オフガスの拡散および希釈が促進される。そのため、希釈に必要な流路の距離を短くすることができる。そのため、流路の長さを短縮することができるため、軽量化および低コスト化を図ることができる。
図9は、第1の実施形態の変形例(第1の変形例)としての燃料電池システムの構成を示す構成図である。第1の変形例の燃料電池システムが、図1に示す燃料電池システムと相違する点は、水素排出流路L3が、空気排出流路L5ではなく、バイパス流路L8に接続されていることである。すなわち、本変形例では、パージガスが、パイバス流路L8を通る空気を介して間接的に空気オフガスに合流させられる。また、本変形例では、バイパス流路において、水素排出流路L3との合流部よりも下流側には、水素を処理する水素処理装置31が設けられている。この水素処理装置31は、例えば、例えば気相燃焼や触媒による無煙燃焼などにより、水素を酸化処理する装置である。さらに、ケース排出流路L7は、空気排出流路L5に接続されている。
図10は、発電量と、ケース側圧力損失係数との関係を示す説明図である。同図において、ケース側圧力損失係数は、希釈分岐点から、希釈分岐点よりも下流側の希釈用流路L6、スタックケース2、ケース排出流路L7までを含む一連の流路の圧力損失係数に相当する。同図に示すように、ケース側圧力損失係数は、発電量に拘わらず一定の値となる。
図11は、発電量と、バイパス圧力損失係数との関係を示す説明図である。同図において、バイパス圧力損失係数は、希釈分岐点から、バイパス流路L8、バイパス合流点、空気排出流路L5においてバイパス合流点からケース合流点までの流路までを含む一連の流路の圧力損失係数に相当する。ここで、ケース合流点は、ケース排出流路L7と、空気排出流路L5との合流点である。
同図において、実線Aは、バイパス圧力損失係数を示す。点線Bは、空気排出流路L5においてバイパス合流点からケース合流点までの圧力損失係数である。この流路の圧力損失係数は、発電量の増加に応じて、圧力損失係数が増加する傾向を有している。これは、発電量の増加にともない空気オフガスの流量が増加するため、この流量増加の影響を受けるためである。これに対して、破線Cは、バイパス合流点よりも下流側を考慮しない単純なバイパス流路L8のみの圧力損失係数である。この流路の圧力損失係数は、発電量に拘わらず一定となる。バイパス圧力損失係数は、点線Bで示す圧力損失係数と、破線Cで示す圧力損失係数との和となる。
本変形例においても、図1に示す燃料電池システムと同様の制御概念を適用して、システムを制御することができる。ただし、上述した数式4におけるPB1は、ケース排出流路L7と空気排出流路L5との合流点の圧力に対応する。
このように本変形例において、水素排出流路L3は、バイパス流路L8に接続される。また、水素排出流路L3との合流点よりも下流側のバイパス流路L8には、水素を酸化処理する水素処理装置31が設けられている。水分を含む空気オフガスと比較すると、バイパス流路L8内での水素の酸化処理を単純かつ適切に実施することができる。また、水素オフガスを酸化処理して水分として排出するため、排出されるガス中の水素濃度を効率的に低減させることができる。また、排出されるガス中の水素濃度が下がる分、水素希釈に必要な空気等の希釈ガスの量が減る。そのため、希釈用コンプレッサ30の小型化、軽量化、低コスト化が可能となる。また、運転負荷を下げることができるため、耐久信頼性(寿命増加)や動作音や振動の低減を図ることができる。
図12は、第1の実施形態の別の変形例(第2の変形例)としての燃料電池システムの構成を示す構成図である。第2の変形例の燃料電池システムが、図1に示す燃料電池システムと相違する点は、水素排出流路L3が、空気排出流路L5ではなく、バイパス流路L8に接続されていることである。また、本変形例では、空気供給流路L4と空気排出流路L5との双方を含むように、流路上に加湿装置22が設けられている。この加湿装置22は、空気排出流路L5を流れる空気オフガスと、空気供給流路L4を流れる空気との間で水分交換を行うことにより、酸化剤極に供給される空気の加湿を行う。ここで、バイパス合流点は、加湿装置22よりも下流側に位置している。
図13は、発電量と、ケース側圧力損失係数との関係を示す説明図である。同図において、ケース側圧力損失係数は、希釈分岐点から、希釈分岐点よりも下流側の希釈用流路L6、スタックケース2、ケース排出流路L7までを含む一連の流路の圧力損失係数に相当する。同図に示すように、ケース側圧力損失係数は、発電量に拘わらず一定の値となる。
図14は、発電量と、バイパス圧力損失係数との関係を示す説明図である。同図において、バイパス圧力損失係数は、希釈分岐点から、バイパス流路L8、バイパス合流点、バイパス合流点よりも下流側の空気排出流路L5までを含む一連の流路の圧力損失係数に相当する。
同図において、実線Aは、バイパス圧力損失係数を示す。点線Bは、空気排出流路L5においてバイパス合流点よりも下流側の流路の圧力損失係数である。この流路の圧力損失係数は、発電量の増加に応じて、圧力損失係数が増加する傾向を有している。これは、発電量の増加にともない空気オフガスの流量が増加するため、この流量増加の影響を受けるためである。これに対して、一点鎖線Cは、バイパス流路L14において水素排出流路L3の合流点からバイパス合流点までの圧力損失係数である。この流路の圧力損失係数は、発電量によって変化する。これは、発電量の増加にともないパージガスが増加するため、この影響を受けるためである。ただし、パージガスの増加量は比較的に小さいため、圧力損失係数の変化も小さい傾向となる。また、破線Dは、希釈分岐点から水素排出流路L3の合流点までのバイパス流路L14の圧力損失係数である。この流路の圧力損失係数は、発電量に拘わらず一定となる。バイパス圧力損失係数は、点線Bで示す圧力損失係数と、一点鎖線Cで示す圧力損失係数と、破線Dで示す圧力損失係数との和となる。
本変形例においても、図1に示す燃料電池システムと同様の制御概念を適用して、システムを制御することができる。
このように本変形例において、バイパス流路L8は、空気排出流路L5において加湿装置22よりも下流側に設けられている。かかる構成によれば、乾燥しているバイパス流路L8における空気を加湿装置22に導入しないで済む。これにより、加湿装置22の加湿性能の向上を図ることができる。また、燃料電池スタック1のドライアウトの発生頻度を低減することができる。そのため、発電効率を高く維持でき、かつ燃料電池スタック1の破損を抑制することができる。
なお、上述した基本形態およびその各変形例は、その特徴点を選択的に組み合わせてシステム構築することも可能である。例えば、バイパス流路L8は、空気排出流路L5において加湿装置22よりも下流側に設けられてもよく、また、水素排出流路L3は、空気排出流路L5において、バイパス流路L8との合流点よりも上流側、かつ、加湿装置22よりも下流側に接続されてもよい。かかる構成によれば、加湿装置22に水素が供給されるといった事態が抑制される。これにより、加湿装置22の加湿性能の向上を図ることができる。
(第2の実施形態)
図15は、第2の実施形態にかかる燃料電池システムの制御方法を示すフローチャートである。第2の実施形態にかかる燃料電池システムが、第1の実施形態のそれと相違する点は、希釈用コンプレッサ30の制御方法である。なお、燃料電池システムの構成は、第1の実施形態と同じであるので、重複する説明は省略することとし、以下、相違点である希釈用コンプレッサ30の制御手順を中心に説明を行う。
同図に示すフローチャートは、所定の周期で呼び出され、制御部40によって実行される。この希釈用コンプレッサ30の制御手順は、上述した酸化剤用コンプレッサ20の制御手順とは独立して実行される。
まず、ステップ30(S30)において、システムの状態が確認される。具体的には、制御部40は、読み込んだセンサ信号や、メモリー内のフラグの状態や制御データを参照する。
ステップ31(S31)において、現在のシステム制御が通常状態であるか否かが判断される。通常状態は、後述するように、所定流量の空気供給を行う状態である。通常状態とは異なるシーンとしては、システムの起動時または停止時、アイドルストップ時、あるいは、トラブル、不具合または異常等が発生した時が挙げられる。この判断は、ステップ30において確認されたシステムの状態に基づいて行われる。
ステップ31において肯定判定された場合、すなわち、システム制御が通常状態である場合には、ステップ32(S32)に進む。一方、ステップ31において否定判定された場合、すなわち、システム制御が通常状態でない場合には、ステップ34(S34)に進む。
ステップ32において、希釈用コンプレッサ30に要求される空気の要求状態量(本実施形態では、希釈要求流量)が算出される。この希釈要求流量は、燃料電池スタック1の発電量に基づいて決定される。図16は、燃料電池スタック1の出力(発電量)と、希釈要求流量との対応関係を示す説明図である。同図において、燃料電池スタック1の出力は、定格出力に対する比率としてパーセントで示されている。ここで、実線Aは、希釈要求流量を示し、点線Bは、ケース要求流量を示し、破線Cは、バイパス要求流量を示している。ここで、希釈要求流量は、ケース要求流量とバイパス要求流量との和となり、上述した数式6の関係を満たしている。同図に示すように、希釈要求流量は、ある基準発電量(例えば、25パーセント程度の出力)において最小値となる。また、希釈要求流量は、基準発電量よりも発電量が小さくなる程その値が大きくなる傾向を有するとともに、基準発電量よりも発電量が大きくなる程その値が大きくなる傾向を有する。
制御部40は、上述した数式6に示す演算を行い、または、燃料電池スタック1の出力と希釈要求流量との関係を規定したマップに基づいて、希釈要求流量を算出する。
ステップ33(S33)において、希釈用コンプレッサ30が制御される。本実施形態において、制御部40は、希釈用コンプレッサ30から供給される空気の流量が、算出された希釈要求流量となるように、希釈用コンプレッサ30を制御する。例えば、制御部40は、希釈用流路L6を通過する空気流量をモニタリングし、検出された空気流量が希釈要求流量と対応するように希釈用コンプレッサ30をフィードバック制御する。また、別の手法としては、希釈用コンプレッサ30の回転数および空気圧力に基づいて、希釈用コンプレッサ30からの流量を推定し、この推定値に基づいてフィードバック制御してもよい。
ステップ34において、非通常状態フラグがセットされる。制御部40は、非通常状態フラグがセットされたことに応じて、本ルーチンを終了し、現在のシステムの状態に応じた適切な制御を実施する。非通常状態フラグがリセットされた場合には、制御部40は、上述した一連の処理を再開する。
このように本実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、簡素な制御で、スタックケース2内の水素の希釈とともに燃料電池スタック1の燃料極から排出される水素の希釈を行うことができる。
また、本実施形態によれば、制御部40は、希釈用流路L6に供給される空気の流量が、燃料電池スタック1の発電量に応じて決定される希釈要求流量となるように、希釈用コンプレッサ30が制御される。かかる構成によれば、第1の実施形態に示す制御方法と比較して、システム効率を改善可能である。
(第3の実施形態)
以下、第3の実施形態にかかる燃料電池システムの説明を行う。この第3の実施形態にかかる燃料電池システムが、第1の実施形態のそれと相違する点は、希釈用コンプレッサ30の制御手順である。なお、燃料電池システムの構成は、第1の実施形態と同じであるので、重複する説明は省略することとし、以下、相違点である希釈用コンプレッサ30の制御手順を中心に説明を行う。
制御部40によって実行される希釈用コンプレッサ30の制御は、図4に示すフローチャートにしたがって実行されるが、本実施形態では、図4に示すステップ22が、以下に示す処理に置換される。具体的には、制御部40は、希釈用コンプレッサ30から供給される空気の圧力が、予め設定された一定圧力(基準圧力)となるように、希釈用コンプレッサ30を制御する。換言すれば、制御部40は、システムに要求される発電量に拘わらず、圧力が一定となるように、希釈用コンプレッサ30を制御する。例えば、制御部40は、希釈分岐点における圧力をモニタリングし、検出された圧力が基準圧力と対応するように希釈用コンプレッサ30をフィードバック制御する。
上述した第1の実施形態に示すように、希釈用コンプレッサ30には、ケース要求流量とバイパス流量との双方を実現する空気の供給が要求される。この場合、希釈用コンプレッサ30に要求される空気の圧力は、数式2から数式5に基づいて決定することができる。
Figure 2009283409
ここで、P0は、希釈用コンプレッサ30から供給される空気として、希釈分岐点において要求される圧力(以下「希釈要求圧力」という)である。また、P1は、バイパス要求流量を満足するような希釈分岐点における圧力であり、P2は、ケース要求流量を満足するような希釈分岐点における圧力である。数式7によれば、希釈要求圧力P0は、P1またはP2のうち、値が大きい方となる。
このような関係に基づいて、制御部40は、希釈用コンプレッサ30を制御する。本実施形態では、希釈用コンプレッサ30の圧力は一定に制御されており、このケースでは、燃料電池スタック1の発電量毎に希釈要求圧力P0の試算を行っておき、その最大値が制御用の基準圧力に設定される。
このように本実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、簡素な制御で、スタックケース2内の水素の希釈とともに燃料電池スタック1の燃料極から排出される水素の希釈を行うことができる。
また、本実施形態において、制御部40は、希釈用流路L8に供給される空気の圧力が一定となるように、希釈用コンプレッサ30を制御する。かかる構成によれば、制御のロジックを単純化することができるので、簡素な制御を実現することができる。
(第4の実施形態)
以下、第4の実施形態にかかる燃料電池システムの説明を行う。この第4の実施形態にかかる燃料電池システムが、第2の実施形態のそれと相違する点は、希釈用コンプレッサ30の制御手順である。なお、燃料電池システムの構成は、第1の実施形態と同じであるので、重複する説明は省略することとし、以下、相違点である希釈用コンプレッサ30の制御手順を中心に説明を行う。
制御部40によって実行される希釈用コンプレッサ30の制御は、図15に示すフローチャートにしたがって実行されるが、本実施形態では、図15に示すステップ32,33の処理が、以下に示す処理に置換される。具体的には、制御部40は、希釈用コンプレッサ30に要求される空気の状態量(本実施形態では、希釈要求圧力)を算出する。この希釈要求圧力は、燃料電池スタック1の発電量に基づいて決定される。図17は、燃料電池スタック1の出力と、希釈要求圧力との対応関係を示す説明図である。同図において、燃料電池スタック1の出力は、定格出力に対する比率としてパーセントで示されている。ここで、実線Aは、希釈要求圧力を示し、点線Bは、ケース要求流量を満足する希釈分岐点における圧力を示し、破線Cは、バイパス要求流量を満足する希釈分岐点における圧力を示している。ここで、希釈要求圧力は、点線Bの圧力と、破線Cの圧力との和となり、上述した数式7の関係を満たしている。同図に示すように、希釈要求圧力は、基準発電量(例えば、12パーセント程度の出力)において最小値となる。また、希釈要求圧力は、基準発電量よりも発電量が小さくなる程その値が大きくなる傾向を有するとともに、基準発電量よりも発電量が大きくなる程その値が大きくなる傾向を有する。
制御部40は、上述した数式7に示す演算を行い、または、燃料電池スタック1の出力と希釈要求圧力との関係を規定したマップに基づいて、希釈要求圧力を算出する。
そして、ステップ33において、制御部40は、希釈用コンプレッサ30から供給される空気の圧力が、算出された希釈要求圧力となるように、希釈用コンプレッサ30を制御する。例えば、制御部40は、希釈分岐点における圧力をモニタリングし、検出された圧力が希釈要求圧力と対応するように希釈用コンプレッサ30をフィードバック制御する。
このように本実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、簡素な制御で、スタックケース2内の水素の希釈とともに燃料電池スタック1の燃料極から排出される水素の希釈を行うことができる。
また、本実施形態によれば、制御部40は、希釈用流路L6に供給される空気の圧力が、燃料電池スタック1の発電量に応じて決定される希釈要求圧力となるように、希釈用コンプレッサ30が制御される。かかる構成によれば、第3の実施形態に示す制御方法と比較して、システム効率を改善可能である。
(第5の実施形態)
以下、第5の実施形態にかかる燃料電池システムの説明を行う。この第5の実施形態にかかる燃料電池システムが、第1の実施形態のそれと相違する点は、希釈用コンプレッサ30の制御手順である。なお、燃料電池システムの構成は、第1の実施形態と同じであるので、重複する説明は省略することとし、以下、相違点である希釈用コンプレッサ30の制御手順を中心に説明を行う。
制御部40によって実行される希釈用コンプレッサ30の制御は、図4に示すフローチャートにしたがって実行されるが、本実施形態では、図4に示すステップ22の処理が、以下に示す処理に置換される。具体的には、制御部40は、希釈用コンプレッサ30の回転数が、予め設定された一定回転数(基準回転数)となるように、希釈用コンプレッサ30を制御する。換言すれば、制御部40は、システムに要求される発電量に拘わらず、回転数が一定となるように、希釈用コンプレッサ30を制御する。このケースでは、燃料電池スタック1の発電量毎に、上述した希釈要求流量を満足する回転数を希釈要求回転数としてを試算しておき、その最大値が制御用の基準回転数に設定される。
このように本実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、簡素な制御で、スタックケース2内の水素の希釈とともに燃料電池スタック1の燃料極から排出される水素の希釈を行うことができる。
また、本実施形態において、制御部40は、回転数が一定となるように、希釈用コンプレッサ30を制御する。かかる構成によれば、制御のロジックを単純化することができるので、簡素な制御を実現することができる。
(第6の実施形態)
以下、第6の実施形態にかかる燃料電池システムの説明を行う。この第6の実施形態にかかる燃料電池システムが、第2の実施形態のそれと相違する点は、希釈用コンプレッサ30の制御手順である。なお、燃料電池システムの構成は、第2の実施形態と同じであるので、重複する説明は省略することとし、以下、相違点である希釈用コンプレッサ30の制御手順を中心に説明を行う。
制御部40によって実行される希釈用コンプレッサ30の制御は、図15に示すフローチャートにしたがって実行されるが、本実施形態では、図15に示すステップ32,33の処理が、以下に示す処理に置換される。具体的には、制御部40は、希釈用コンプレッサ30に要求される空気の要求状態量(本実施形態では、希釈要求回転数)を算出する。この希釈要求回転数は、燃料電池スタック1の発電量に基づいて決定される。図18は、燃料電池スタック1の出力と、希釈要求回転数との対応関係を示す説明図である。同図において、燃料電池スタック1の出力は、定格出力に対する比率としてパーセントで示されている。ここで、実線Aは、希釈要求回転数を示し、点線Bは、ケース要求流量を満足する回転数を示し、破線Cは、バイパス要求流量を満足する回転数を示している。ここで、希釈要求回転数は、点線Bの回転数と、破線Cの回転数との単純和とならず、希釈用コンプレッサ30の特性に応じて定められる。同図に示すように、希釈要求回転数は、基準発電量(例えば、12パーセント程度の出力)において最小値となる。また、希釈要求回転数は、基準発電量よりも発電量が小さくなる程その値が大きくなる傾向を有するとともに、基準発電量よりも発電量が大きくなる程その値が大きくなる傾向を有する。
制御部40は、燃料電池スタック1の出力と希釈要求回転数との関係を規定したマップに基づいて、希釈要求回転数を算出する。
そして、ステップ33において、制御部40は、希釈用コンプレッサ30の回転数が、算出された希釈要求回転数となるように、希釈用コンプレッサ30を制御する。
このように本実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、簡素な制御で、スタックケース2内の水素の希釈とともに燃料電池スタック1の燃料極から排出される水素の希釈を行うことができる。
また、本実施形態によれば、制御部40は、燃料電池スタック1の発電量に応じて決定される希釈要求回転数となるように、希釈用コンプレッサ30が制御される。かかる構成によれば、第5の実施形態に示す制御方法と比較して、システム効率を改善可能である。
なお、上述した実施形態では、希釈要求回転数の関係を規定したマップ演算により、希釈要求回転数を求めているが、本実施形態はかかる手法に限定されない。制御部40は、図19に示す手順にしたがって希釈要求回転数をリアルタイム処理で算出することも可能である。ここで、図19は、希釈要求回転数の演算手順を示すフローチャートである。
まず、ステップ40(S40)において、バイパス要求流量Q1が算出され、ステップ41(S41)において、バイパス要求流量を満足する希釈分岐点における圧力(第1の圧力)P1が算出される。ステップ42(S42)において、ケース要求流量Q2が算出され、ステップ43(S43)において、ケース要求流量を満足する希釈分岐点における圧力(第2の圧力)P2が算出される。
ステップ45(S45)において、第1の圧力P1が第2の圧力P2よりも大きいか否かが判断される。このステップ45において肯定判定された場合、すなわち、第1の圧力P1が第2の圧力P2よりも大きい場合には、ステップ46(S46)に進む。ステップ45において否定判定された場合、すなわち、第1の圧力P1が第2の圧力P2以下である場合には、ステップ48(S48)に進む。
ステップ46(S46)において、希釈要求圧力P0として第1の圧力P1が設定され、ステップ47(S47)において、希釈分岐点における圧力が希釈要求圧力P0である場合に、希釈分岐点からスタックケース2側へ流れる流量をケース要求流量Q2として算出(更新)する。
一方、ステップ48(S48)において、希釈要求圧力P0として第2の圧力P2が設定され、ステップ49(S49)において、希釈分岐点における圧力が希釈要求圧力P2である場合に、希釈分岐点からバイパス流路L8側へ流れる流量をバイパス要求流量Q1として算出(更新)する。
ステップ50(S50)において、希釈要求流量Q0として、バイパス要求流量Q1とケース要求流量Q2との和が設定される。そして、ステップ51(S51)において、希釈要求圧力P0と、希釈要求流量Q0とを実現するための希釈用コンプレッサ30の回転数が算出される。
以上、本発明の実施形態にかかる燃料電池システムおよびその制御方法について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、その発明の範囲内において種々の変形が可能である。
たとえば、希釈用コンプレッサ30からの供給空気について、流量、圧力または回転数を一定として制御する場合には、燃料電池スタック1の発電量に応じて、希釈用コンプレッサ30の要求流量が大きく異ならないようなシステムであることが好ましい。すなわち、希釈用コンプレッサ30からの供給流量の変動が最小となるようにシステムを構築することが望ましい。たとえば、希釈分岐点およびバイパス合流点の位置を最適化するといった如くである。
ただし、他の要素との関係を考慮すると、希釈分岐点およびバイパス合流点を最適化することができない可能性もある。このようなケースでは、バイパス流路L8の圧力損失係数と、スタックケース2側の圧力損失係数とのバランスを調整する事によって対処することも可能である。例えば、流路内の断面を調整したり、固定オリフィスを流路内に設置するといった如くである。
また、第2,第4および第6の実施形態では、発電量に応じて流量、圧力または回転数をリニアに制御しているが、発電量毎に領域を分割し、個々の領域において状態量が一定値となるようにステップ的な制御を行ってもよい。
第1の実施形態にかかる燃料電池システムを概略的に示す構成図 第1の実施形態にかかる酸化剤用コンプレッサ20の制御手順を示すフローチャート 発電量と要求流量と対応関係を示す説明図 第1の実施形態にかかる希釈用コンプレッサ30の制御手順を示すフローチャート システムに要求される発電量とケース要求流量との関係を例示する説明図 システムに要求される発電量とバイパス要求流量との関係を例示する説明図 発電量とケース側圧力損失係数との関係を示す説明図 発電量とバイパス圧力損失係数との関係を示す説明図 第1の実施形態の変形例としての燃料電池システムの構成を示す構成図 発電量とケース側圧力損失係数との関係を示す説明図 発電量とバイパス圧力損失係数との関係を示す説明図 第1の実施形態の別の変形例としての燃料電池システムの構成を示す構成図 発電量とケース側圧力損失係数との関係を示す説明図 発電量とバイパス圧力損失係数との関係を示す説明図 第2の実施形態にかかる燃料電池システムの制御方法を示すフローチャート 燃料電池スタック1の出力と希釈要求流量との対応関係を示す説明図 燃料電池スタック1の出力と希釈要求圧力との対応関係を示す説明図 燃料電池スタック1の出力と希釈要求圧力との対応関係を示す説明図 希釈要求回転数の演算手順を示すフローチャート
符号の説明
1 燃料電池スタック
2 スタックケース
10 燃料タンク
11 水素調圧バルブ
12 水素循環ポンプ
13 パージバルブ
20 酸化剤用コンプレッサ
21 空気調圧バルブ
22 加湿装置
30 希釈用コンプレッサ
31 水素処理装置
40 制御部

Claims (17)

  1. 燃料電池システムにおいて、
    燃料極に供給される燃料ガスと、酸化剤極に供給される酸化剤ガスとを電気化学的に反応させることにより発電を行う燃料電池と、
    前記燃料電池を収容するケースと、
    前記酸化剤極に前記酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段と、
    前記酸化剤極からのオフガスである酸化剤オフガスを外部に排出する酸化剤ガス排出流路と、
    前記燃料極からのオフガスである燃料オフガスを排出するとともに、当該排出された燃料オフガスを前記酸化剤オフガスに合流させる燃料ガス排出流路と、
    希釈用流路を介して前記ケース内に希釈用ガスを供給する希釈用ガス供給手段と、
    前記希釈用流路と前記酸化剤ガス排出流路とを相互に接続しており、前記ケースの前段において前記希釈用ガスの一部を分岐させるとともに当該分岐した希釈用ガスを前記酸化剤オフガスに合流させるバイパス流路と、
    前記酸化剤ガス供給手段と、前記希釈用ガス供給手段とを個別的に制御する制御手段とを有し、
    前記制御手段は、前記燃料電池の発電量の増加に対応させて前記酸化剤ガスの流量を増加させるように、前記酸化剤ガス供給手段を制御することを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記制御手段は、酸化剤オフガスに含まれる燃料ガスの濃度が所定の濃度以下となるような流量と、前記ケースから排出されるガス中の燃料ガスの濃度が所定の濃度以下となるような流量との加算値に相当する流量が供給されるように、前記希釈用ガス供給手段を制御することを特徴とする請求項1に記載された燃料電池システム。
  3. 前記制御手段は、前記希釈用流路に供給される前記希釈用ガスの流量が一定となるように、前記希釈用ガス供給手段を制御することを特徴とする請求項1または2に記載された燃料電池システム。
  4. 前記制御手段は、前記希釈用流路に供給される前記希釈用ガスの圧力が一定となるように、前記希釈用ガス供給手段を制御することを特徴とする請求項1または2に記載された燃料電池システム。
  5. 前記制御手段は、駆動量が一定となるように、前記希釈用ガス供給手段を制御することを特徴とする請求項1または2に記載された燃料電池システム。
  6. 前記制御手段は、前記希釈用流路に供給される前記希釈用ガスの流量が、前記燃料電池の発電量に応じて決定される要求流量となるように、前記希釈用ガス供給手段を制御しており、
    前記要求流量は、基準発電量において最小値となり、前記基準発電量よりも発電量が小さくなる程、値が大きくなる傾向を有するとともに、前記基準発電量よりも発電量が大きくなる程、値が大きくなる傾向を有することを特徴とする請求項1または2に記載された燃料電池システム。
  7. 前記制御手段は、前記希釈用流路に供給される前記希釈用ガスの圧力が、前記燃料電池の発電量に応じて決定される要求圧力となるように、前記希釈用ガス供給手段を制御しており、
    前記要求圧力は、基準発電量において最小値となり、前記基準発電量よりも発電量が小さくなる程、値が大きくなる傾向を有するとともに、前記基準発電量よりも発電量が大きくなる程、値が大きくなる傾向を有することを特徴とする請求項1または2に記載された燃料電池システム。
  8. 前記制御手段は、前記燃料電池の発電量に応じて決定される要求駆動量となるように、前記希釈用ガス供給手段を制御しており、
    前記要求駆動量は、基準発電量において最小値となり、前記基準発電量よりも発電量が小さくなる程、値が大きくなる傾向を有するとともに、前記基準発電量よりも発電量が大きくなる程、値が大きくなる傾向を有することを特徴とする請求項1または2に記載された燃料電池システム。
  9. 前記ケース内のガスを排出するケース排出流路をさらに有し、
    前記ケース排出流路は、前記酸化剤ガス排出流路に接続されることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載された燃料電池システム。
  10. 前記燃料ガス排出流路は、前記酸化剤ガス排出流路において、前記バイパス流路との合流点よりも上流側に接続されることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載された燃料電池システム。
  11. 前記燃料ガス排出流路は、前記バイパス流路に接続されることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載された燃料電池システム。
  12. 前記燃料ガス排出流路との合流点よりも下流側の前記バイパス流路に設けられており、前記燃料ガスを酸化処理する処理手段をさらに有することを特徴とする請求項11に記載された燃料電池システム。
  13. 前記酸化剤ガス排出流路に設けられており、前記酸化剤ガス供給手段からの前記酸化剤ガスと前記酸化剤オフガスとの間で水分交換を行う加湿手段を有し、
    前記バイパス流路は、前記酸化剤ガス排出流路において前記加湿手段よりも下流側に設けられていることを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載された燃料電池システム。
  14. 前記酸化剤ガス排出流路に設けられており、前記酸化剤ガス供給手段からの前記酸化剤ガスと前記酸化剤オフガスとの間で水分交換を行う加湿手段を有し、
    前記バイパス流路は、前記酸化剤ガス排出流路において前記加湿手段よりも下流側に設けられており、
    前記燃料ガス排出流路は、前記酸化剤ガス排出流路において、前記バイパス流路との合流点よりも上流側、かつ、前記加湿手段よりも下流側に接続されることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載された燃料電池システム。
  15. 前記酸化剤ガス排出流路に設けられており、前記酸化剤極における圧力を調整する圧力調整手段をさらに有し、
    前記パイパス流路は、前記酸化剤ガス排出流路において前記圧力調整手段よりも下流側に接続されることを特徴とする請求項1から14のいずれか一項に記載された燃料電池システム。
  16. 前記燃料ガス排出流路は、前記酸化剤ガス排出流路において、前記圧力調整手段よりも下流側、かつ、前記バイパス流路との合流点よりも上流側に接続されていることを特徴とする請求項15に記載された燃料電池システム。
  17. 燃料電池を備える燃料電池システムの制御方法において、
    前記燃料電池の発電量の増加に対応させて前記酸化剤ガスの流量を増加させるように、前記燃料電池の酸化剤極に前記酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段を制御する第1のステップと、
    前記燃料電池を収容するケース内に希釈用ガスを供給する希釈用ガス供給手段を、前記酸化剤ガス供給手段とは独立させて制御する第2のステップとを有し、
    前記燃料電池は、前記酸化剤極からのオフガスである酸化剤オフガスを酸化剤ガス排出流路を介して外部に排出するとともに、当該酸化剤ガス排出流路に、前記燃料電池の燃料極からのオフガスである燃料オフガスを排出する燃料ガス排出流路と、前記ケースの前段において前記希釈用ガス供給手段からの前記希釈用ガスの一部を分岐させるとともに当該分岐した希釈用ガスを前記酸化剤オフガスに合流させるバイパス流路とが接続されることを特徴とする燃料電池システムの制御方法。
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