JP2009283163A - プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法および誘電体ペースト - Google Patents

プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法および誘電体ペースト Download PDF

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覚 河瀬
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Abstract

【課題】本発明は低コストで誘電体層を形成しつつ、高精細表示であっても高信頼性・高品位画質を確保したプラズマディスプレイパネルを実現することができる。
【解決手段】本発明のプラズマディスプレイパネルは、少なくとも一方の基板上に電極と誘電体層とを形成したプラズマディスプレイパネルであって、誘電体層は誘電体ペーストを用いて形成し、誘電体層を形成する工程において誘電体ペーストを用いた塗布工程が1回のみであって、誘電体ペーストに含まれるバインダー樹脂の誘電体ガラス材料に対する体積分率で表記した含有量が3%以上20%以下であることを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、表示デバイスなどに用いるプラズマディスプレイパネル及びその製造方法によるものである。
プラズマディスプレイパネル(以下、PDPと呼ぶ)は、高精細化、大画面化の実現が可能であることから、100インチクラスのテレビなどが製品化されている。近年、PDPは従来のNTSC方式に比べて走査線数が2倍以上のハイディフィニションテレビへの適用が進んでいるとともに、環境問題に配慮して鉛成分を含まないPDPも製品化されている。
PDPは、基本的には、前面板と背面板とで構成されている。前面板は、フロート法による硼硅酸ナトリウム系ガラスのガラス基板と、その一方の主面上に形成されたストライプ状の透明電極とバス電極とで構成される表示電極と、この表示電極を覆ってコンデンサとしての働きをする誘電体層と、この誘電体層上に形成された酸化マグネシウム(MgO)からなる保護層とで構成されている。一方、背面板は、ガラス基板と、その一方の主面上に形成されたストライプ状のアドレス電極と、アドレス電極を覆う下地誘電体層と、下地誘電体層上に形成された隔壁と、各隔壁間に形成された赤色、緑色および青色それぞれに発光する蛍光体層とで構成されている。
前面板と背面板とはその電極形成面側を対向させて気密封着され、隔壁によって仕切られた放電空間にNe−Xeの放電ガスが55kPa〜80kPaの圧力で封入されている。PDPは、表示電極に映像信号電圧を選択的に印加することによって放電させ、その放電によって発生した紫外線が各色蛍光体層を励起して赤色、緑色、青色の発光をさせてカラー画像表示を実現している。
表示電極のバス電極には導電性を確保するための銀電極が用いられ、誘電体層としては酸化鉛を主成分とする低融点ガラスが用いられているが、近年の環境問題への配慮から誘電体層として鉛成分を含まない例が開示されている(例えば、特許文献1、2など参照)。
特開2003−128430号公報 特開2002−053342号公報
近年、PDPは従来のNTSC方式に比べて走査線数が2倍以上のハイディフィニションテレビへの適用が進んでいる。
このようなハイビジョン化によって、走査線数が増加して表示電極の数が増加し、さらに表示電極間隔が小さくなる。そのため、表示電極を被覆する誘電体層も小さくなった表示電極間隔に空隙などなく形成される必要がある。空隙などが存在した場合、誘電体層に求められる絶縁耐圧特性が低下してしまう。そこで従来ではそうした誘電体層の形成にはスクリーン印刷法やダイコート法を用いて複数回の誘電体形成を行って誘電体層を形成していた。
しかしながらそうした複数回の誘電体形成方法では多くの生産設備が必要になるだけでなく、製造時エネルギー消費の増大などコストアップにつながり、安価で高性能なPDPを提供することが困難となる。またドライフィルム法ではドライフィルムを形成するためのベースフィルムが必要となるため、その分のコストアップに繋がるだけでなくベースフィルムはラミネート後廃棄物となるため環境問題という点でも望ましくない。さらにドライフィルム法では形成時に表示電極間隔での流動性が乏しいため空隙などなく形成することが困難である。
本発明は、このような上記の課題を解決して、高精細表示でも、高信頼性を確保したPDPを実現することを目的としている。
上記の課題を解決するために、本発明のPDPは、少なくとも一方の基板上に電極と誘電体層とを形成したPDPであって、誘電体層は誘電体ペーストを用いて形成し、誘電体層を形成する工程において誘電体ペーストを用いた塗布工程が1回のみであって、誘電体ペーストに含まれるバインダー樹脂の誘電体ガラス材料に対する体積分率で表記した含有量が3%以上20%以下であることを特徴とする。ここで誘電体ペーストに含まれる可塑剤の体積分率の含有量が1.0%〜5.0%であってもよい。
また本発明のPDPの製造方法は、少なくとも一方の基板上に電極と誘電体層とを形成するPDPの製造方法であって、誘電体層は誘電体ペーストを用いて形成し、誘電体層を形成する工程において誘電体ペーストを用いた塗布工程が1回のみであって、誘電体ペーストに含まれるバインダー樹脂の誘電体ガラス材料に対する体積分率で表記した含有量が3%以上20%以下であることを特徴とする。ここで誘電体ペーストに含まれる可塑剤の誘電体ガラス材料に対する体積分率で表記した含有量が1.0%〜5.0%であってもよい。
また本発明の誘電体ペーストはPDPの誘電体層を形成する誘電体ペーストであって、含まれるバインダー樹脂の誘電体ガラス材料に対する体積分率で表記した含有量が3%以上20%以下であって、かつ可塑剤の誘電体ガラス材料に対する体積分率で表記した含有量が1.0%〜5.0%であることを特徴とする。
以上のように本発明は、低コストで誘電体層を形成しつつ、高精細表示でも、高信頼性を確保したPDPを実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。図1は本実施の形態におけるPDP1の構造を示す斜視図である。
前面板2の前面ガラス基板3上には、走査電極4および維持電極5よりなる一対の帯状の表示電極6と遮光層(ブラックストライプ)7が互いに平行にそれぞれ複数列配置されている。前面ガラス基板3上には表示電極6と遮光層7とを覆うようにコンデンサとしての働きをする誘電体層8が形成され、さらにその表面に酸化マグネシウム(MgO)などからなる保護層9が形成されている。
また、背面板10の背面ガラス基板11上には、前面板2の走査電極4および維持電極5と直交する方向に、複数の帯状のアドレス電極12が互いに平行に配置され、これを下地誘電体層13が被覆している。さらに、アドレス電極12間の下地誘電体層13上には放電空間16を区切る所定の高さの隔壁14が形成されている。隔壁14間の溝にアドレス電極12毎に、紫外線によって赤色、青色および緑色にそれぞれ発光する蛍光体層15が順次塗布して形成されている。走査電極4および維持電極5とアドレス電極12とが交差する位置に放電セルが形成され、表示電極6方向に並んだ赤色、青色、緑色の蛍光体層15を有する放電セルがカラー表示のための画素になる。
このようにして形成された前面板2と、背面板10が対向して配置され、その外周部をガラスフリットなどからなる封着材によって気密封着される。封着されたPDP1内部の放電空間16には、NeおよびXeなどの放電ガスが55kPa〜80kPaの圧力で封入される。
図2は、本実施の形態におけるPDPの誘電体層8の構成を示す前面板2の断面図である。図2は図1と上下反転させて示している。図2に示すように、フロート法などにより製造された前面ガラス基板3に、走査電極4と維持電極5よりなる表示電極6と遮光層7がパターン形成されている。走査電極4と維持電極5はそれぞれITOやSnO2などからなる透明電極4a、5aと、銀材料を主成分とする導電性材料などからなる金属バス電極4b、5bと、ルテニウム化合物やルテニウム酸化物、銅−鉄系、コバルトの黒色の複合酸化物とガラス粉末などからなる黒色電極4c、5cとで構成されている。
金属バス電極4b、5bは透明電極4a、5aの長手方向に導電性を付与する目的として用いられ、黒色電極4c、5cは外光反射を抑えて明所コントラストを向上させる目的として用いられている。よって、これらの目的のために、透明電極4a、5a上に黒色電極4c、5cが形成され、黒色電極4c、5c上に金属バス電極4b、5bが形成される。
誘電体層8は、前面ガラス基板3上に形成されたこれらの透明電極4a、5aと金属バス電極4b、5bと遮光層7を覆って設けられ、さらに誘電体層8上に保護層9を形成している。
次に、PDP1の製造方法について説明する。まず、前面ガラス基板3上に、走査電極4および維持電極5と遮光層7とを形成する。これらの透明電極4a、5aと金属バス電極4b、5bと黒色電極4c、5cは、フォトリソグラフィ法などを用いてパターニングして形成される。透明電極4a、5aは薄膜プロセスなどを用いて形成され、金属バス電極4b、5bは銀材料を含むペーストを所望の温度で焼成して固化している。また、黒色電極4c、5cと遮光層7は同工程において、黒色顔料を含むペーストをスクリーン印刷する方法や黒色顔料をガラス基板の全面に形成した後、フォトリソグラフィ法を用いてパターニングし、焼成することにより形成される。
次に、走査電極4、維持電極5および遮光層7を覆うように前面ガラス基板3上に誘電体ペーストをダイコート法などにより塗布して誘電体ペースト層(誘電体材料層)を形成する。誘電体ペーストを塗布した後、所定の時間放置することによって塗布された誘電体ペースト表面がレベリングされて平坦な表面になる。その後、誘電体ペースト層を焼成固化することにより、走査電極4、維持電極5および遮光層7を覆う誘電体層8が形成される。なお、誘電体ペーストはガラス粉末などの誘電体材料、バインダーおよび溶剤を含む塗料である。次に、誘電体層8上に酸化マグネシウム(MgO)からなる保護層9を真空蒸着法により形成する。以上の工程により前面ガラス基板3上に所定の構成物(走査電極4、維持電極5、遮光層7、誘電体層8、保護層9)が形成され、前面板2が完成する。
一方、背面板10は次のようにして形成される。まず、背面ガラス基板11上に、銀(Ag)材料を含むペーストをスクリーン印刷する方法や、金属膜を全面に形成した後、フォトリソグラフィ法を用いてパターニングする方法などによりアドレス電極12用の構成物となる材料層を形成し、それを所望の温度で焼成することによりアドレス電極12を形成する。次に、アドレス電極12が形成された背面ガラス基板11上にダイコート法などによりアドレス電極12を覆うように誘電体ペーストを塗布して誘電体ペースト層を形成する。その後、誘電体ペースト層を焼成することにより下地誘電体層13を形成する。なお、誘電体ペーストはガラス粉末などの誘電体材料とバインダーおよび溶剤を含んだ塗料である。
次に下地誘電体層13上に隔壁材料を含む隔壁形成用ペーストを塗布して所定の形状にパターニングすることにより、隔壁材料層を形成した後、焼成することにより隔壁14を形成する。ここで、下地誘電体層13上に塗布した隔壁用ペーストをパターニングする方法としては、フォトリソグラフィ法やサンドブラスト法を用いることができる。次に、隣接する隔壁14間の下地誘電体層13上および隔壁14の側面に蛍光体材料を含む蛍光体ペーストを塗布し、焼成することにより蛍光体層15が形成される。以上の工程により、背面ガラス基板11上に所定の構成部材を有する背面板10が完成する。
このようにして所定の構成部材を備えた前面板2と背面板10とを走査電極4とアドレス電極12とが直交するように精度良く対向配置して、その周囲をガラスフリットで封着し、放電空間16にNe、Xeなどを含む放電ガスを封入することによりPDP1が完成する。
次に、前面板2の誘電体層8について詳細に説明する。従来、誘電体層を形成する方法として、誘電体ガラス粉体成分(以下、誘電体ガラス材料とする)とバインダー樹脂、可塑剤、溶剤などの成分で構成されたペーストをスクリーン印刷法やダイコート法などを用いて、電極を形成した基板上に塗布し、乾燥後450℃から600℃程度で焼成する方法や、誘電体ペーストをフィルム上に塗布、乾燥して、電極を形成した基板上に転写し、450℃から600℃程度で焼成するドライフィルム法が知られている。
しかしながら、ドライフィルム法は前述したように生産時のコストが高いことや環境問題といった点で好ましくない。また、誘電体ペーストを用いたスクリーン印刷法やダイコート法では誘電体層の高耐電圧性を確保するため、表示電極6を空隙なく被覆する必要があり従来ではペーストを複数回塗布および焼成する方法がとられてきた。このため多くの生産設備が必要になり、さらに製造時のエネルギー消費の増大などコストアップとなっていた。
すなわち、低コストで誘電体層8を形成するためには、誘電体ペーストを用いて塗布工程を1回のみとしつつ、絶縁耐圧性の高い誘電体層8を形成することが必要となる。そして誘電体ペーストを用いて塗布工程を1回のみとした場合、さらに次のような課題が発生する。
一般に、表示電極6の膜厚は4.0μm〜8.0μm程度である。そして誘電体層8は表示電極6を覆うように形成するわけであるが、従来技術の誘電体ペーストを使用して、1回の塗布工程で誘電体層を形成した場合、表示電極6上の誘電体層8の膜厚と表示電極6が形成されていない部位の誘電体層8の膜厚とに差が大きく生じる(以降、表示電極6上の誘電体層8の膜厚と表示電極6が形成されていない部位の誘電体層8の膜厚差を単に前記膜厚差とする)。
このように前記膜厚差が増大すると、前面板3と背面板10とを対向配置した際に隔壁14が誘電体層8と強く接触してしまい、隔壁14を破損する恐れがある。隔壁14が破損すると、PDP1としての放電セルの一つが損なわれることとなり、発光画素の欠点のために表示品質が低下し、さらには生産歩留まりの悪化にもつながる。こうした隔壁14の破損を低減するためには、前記膜厚差は2.5μm以下である必要があり、望ましくは2.0μm以下である。
ところが、前記膜厚差は表示電極6の膜厚に大きく左右され、表示電極6の膜厚が厚くなれば前記膜厚差も大きくなる。近年の高精細化にともない表示電極6の線幅が細くなる一方で、低電力化に向けて表示電極6の電気抵抗を低下させる必要がある。そのために、表示電極6の膜厚は厚くなる方向になっており、最近では表示電極6の膜厚が5.0μm以上となっている例も少なくない。
これに対し本発明の実施の形態では、誘電体層8を形成する工程において誘電体ペーストを用いた塗布工程が1回のみであって、誘電体ペーストに含まれるバインダー樹脂の誘電体ガラス材料に対する体積分率で表記した含有量が3%以上20%以下としている。これは発明者等の検討の結果、次のような現象が明らかになったからである。
つまり、誘電体ペーストに含まれるバインダー樹脂が3%より小さい場合、誘電体ペースト内で粉末状の誘電体ガラス材料をしっかりと分散することが困難となることが明らかとなった。そしてこれは結果的に、乾燥後の膜に50〜500μm微小なクラックが発生しやすくなり、焼成後に誘電体層8の絶縁耐圧性を大きく劣化させることになる。
一方、誘電体ペーストに含まれるバインダー樹脂の含有量が3%より大きくなった場合、誘電体ガラス材料の分散は十分に得られるが、前記膜厚差がさらに大きくなり、2.5μmより大きくなってしまい、隔壁14の破損を生じ、生産歩留まりを低下させてしまう。
また、本発明の実施の形態では上記の誘電体ペーストに含まれるバインダー樹脂量だけでなく、誘電体ペーストに含まれる可塑剤についても規定し、この誘電体ガラス材料に対する体積分率で表記した含有量を1%以上5%以下としている。
これは誘電体ペーストに含まれる可塑剤の含有量が1%より小さいと、上述したバインダー樹脂が3%より小さい場合と同様に、誘電体ペーストを乾燥後の膜に50〜500μm程度の微小なクラックが入りやすくなる。そして、焼成後に誘電体層8の絶縁耐圧性を劣化させる。
また逆に、誘電体ペーストの可塑剤の量が5.0%より大きくなった場合、誘電体層8の焼成の際に表示電極6に存在する銀成分の拡散の程度が大きくなり、黄色や褐色に着色してしまう黄変という現象が発生し、画像表示品質を低下させてしまうことになる。
ここで、本発明の実施の形態において誘電体ペーストに含有するバインダー樹脂および可塑剤の量は、誘電体ガラス材料に対する体積分率の表記で規定している。これは発明者等が検討した結果、上記現象には誘電体ペースト全体に対するバインダー樹脂および可塑剤の量よりも、ある一定空間における誘電体ガラス材料に対するバインダー樹脂および可塑剤の量が影響を及ぼしているという推察に至ったからである。
以上のように、本発明の実施の形態におけるPDP1の誘電体層8は、上記の構成とすることで、低コストで誘電体層8を形成しつつ、高い絶縁耐圧性を保持し、表示品質の優れたPDPを実現している。
次に本発明の実施の形態における誘電体層8の製造方法について説明する。誘電体層8に含まれる誘電体ガラス材料は、鉛(Pb)系成分以外を主成分とし、さらに酸化銅(CuO)やR2O(RはLi、Na、K、RbおよびCsから選ばれる少なくとも1種)を含有する材料組成により構成されている。
これらの組成成分からなる誘電体材料を、湿式ジェットミルやボールミルで平均粒径が0.5μm〜3.0μmとなるように粉砕して誘電体材料粉末を作製する。次に、この誘電体ガラス材料の粉末を誘電体ペーストに対して体積分率の表記で20%〜50%と、バインダー樹脂成分を誘電体ガラス材料に対して体積分率の表記で5%〜20%と、可塑剤を誘電体ガラス材料に対して体積分率の表記で1%〜5%の量とを、三本ロールでよく混練して分散させて、ダイコート用あるいは印刷用の誘電体ペーストを作製する。なお、混練する装置は三本ロールのほかにもジェットミルやビーズミルなど種々の装置を適宜選択できる。
バインダー樹脂成分はエチルセルロースあるいはアクリル樹脂であるが、ブチラール樹脂やカルボキシルメチルセルロース、ニトロセルロースなどを用いても構わない。
上記成分以外の成分としてはターピネオールあるいはブチルカルビトールアセテートといった溶剤であるが、α−、β−、γ−テルピネオールなどのテルペン類、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールジアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、エチレングリコールジアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールジアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールジアルキルエーテルアセテート類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジプロピレングリコールジアルキルエーテルアセテート類、トリプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、トリプロピレングリコールジアルキルエーテル類、トリプロピレングリコールトリアルキルエーテル類、トリプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、トリプロピレングリコールジアルキルエーテルアセテート類、トリプロピレングリコールトリアルキルエーテルアセテート類、メタノール、エタノール、イソプロパノール、1−ブタノールなどのアルコール類等も適宜選択できる。
また、可塑剤としてはフタル酸ジブチルを用いているが、これも適宜フタル酸ジオクチル、リン酸トリフェニル、リン酸トリブチルなどが選択できる。また必要に応じて分散剤としてグリセロールモノオレート、ソルビタンセスキオレヘート、ホモゲノール(Kaoコーポレーション社製品名)、アルキルアリル基のリン酸エステルなどを添加して印刷性を向上させてもよい。
次に、この誘電体層用ペーストを用い、表示電極6を覆うように前面ガラス基板3に、スクリーン印刷法または、スプレー法または、ブレードコータ法または、ダイコート法にて塗布し、乾燥させ、その後、誘電体材料の軟化点より少し高い温度の450℃〜600℃で焼成する。
なお、誘電体層8の膜厚が小さいほどパネル輝度の向上と放電電圧を低減するという効果は顕著になるので、絶縁耐圧が低下しない範囲内であればできるだけ膜厚を小さく設定するのが望ましい。このような条件と可視光透過率の観点から、本発明の実施の形態では、誘電体層8の膜厚を25〜41μm以下に設定している。
(実施例)
本発明の実施の形態におけるPDP1として、放電セルを42インチクラスのハイビジョンテレビに適合するように、隔壁14の高さを0.15mm、隔壁の間隔(セルピッチ)を0.15mm、表示電極6の電極間距離を0.06mmで電極の膜厚が6.0μmのものを作製し、Xeの含有量が体積分率15%のNe−Xe系の混合ガスを封入圧60kPaに封入したPDP1を作製してその性能を評価した。
表1に実施検討した誘電体ペーストの成分の含有量と、誘電体層8の刺激値b*および絶縁破壊パネル数の測定結果を示す。そして表1に示す溶剤量からなる誘電体ペーストを作製し、これによって形成される誘電体層8を有するPDPを作製した。このとき比較例3については、誘電体ペーストの塗布、乾燥、焼成工程の回数を2回としたが、それ以外の試料については1回のみとした。
Figure 2009283163
なお、表1に記載してあるバインダー樹脂量や可塑剤量はこれまでの記述のとおり誘電体ガラス材料に対する体積分率で示してある。また、これら以外の含有成分、含有量は比較検討した試料で同一にしてある。以下、表1に示される誘電体ペーストから構成されるPDP1の評価項目について説明する。
まず銀(Ag)による黄変の度合いを色彩計(ミノルタ(株);CR−300)で測定し、黄色の度合いを示す刺激値b*を測定した。また刺激値b*はPDP1の表示面側から、ガラス基板面内9点を測定して、平均値と最大値によって比較した。この結果を表1に示す。
なお、黄変がPDPの表示性能に影響を与える刺激値b*の目安はb*=3.0以下であり、この値が大きければ大きいほど黄変が目立ちPDPとして色温度が低下し好ましくない。また、表示面側からの刺激値b*測定領域の表示電極6および遮光層7の面積は同一にしてある。
次に、前記絶縁耐圧性を劣化させる微小クラックの存在の評価に関しては、PDP1の表示電極6間にAC電圧を印加することで誘電体層8の絶縁破壊テストを行った。その結果も同じく表1に絶縁破壊パネル数として示す。
表1において、比較例1は誘電体ペーストに含有するバインダー樹脂量が3%より小さいため、微小クラックが発生し絶縁耐圧性が低下していることがわかる。
また、比較例2では誘電体ペーストに含有するバインダー樹脂量が20%より大きくなるため、刺激値b*値が3.9と良品基準の3.0を超過しており好ましくない。
これらに対し、実施例1、実施例2、実施例3および実施例4では、誘電体ペーストに含有するバインダー樹脂量が3%以上20%以下であることから、光学特性である刺激値b*値においても絶縁耐圧性においても要求を充分に満たしており、良好な結果を示している。
図3には表1の実施例1〜実施例4および比較例1、2に記載の誘電体ペーストに含有するバインダー樹脂量と刺激値b*値の関係をグラフに示した。このように、図3から誘電体ペーストに含有するバインダー樹脂量が20%より大きくなると刺激値b*値が、良品基準となる3.0を超えることが伺える。
また、比較例3では誘電体ペーストに含有するバインダー樹脂量が20%より大きいが、刺激値b*値が2.6と良好であるが、これは誘電体形成に際して、塗布工程、乾燥工程、焼成工程をそれぞれ複数回行ったためと考えられる。しかしながら前述したようにこの条件では、本発明における製造時のエネルギーを抑制するという目的を達成し得ないため本意ではない。
以上のように本発明は、少なくとも一方の基板上に電極と誘電体層とを形成したPDPであって、誘電体層は誘電体ペーストを用いて形成し、誘電体層を形成する工程において誘電体ペーストを用いた塗布工程が1回のみであって、誘電体ペーストに含まれるバインダー樹脂の誘電体ガラス材料に対する体積分率で表記した含有量が3%以上20%以下であることを特徴とする。ここで誘電体ペーストに含まれる可塑剤の誘電体ガラス材料に対する体積分率で表記した含有量が1.0%〜5.0%であってもよい。また本発明のPDPの製造方法は、少なくとも一方の基板上に電極と誘電体層とを形成するPDPの製造方法であって、誘電体層は誘電体ペーストを用いて形成し、誘電体層を形成する工程において誘電体ペーストを用いた塗布工程が1回のみであって、誘電体ペーストに含まれるバインダー樹脂の誘電体ガラス材料に対する体積分率で表記した含有量が3%以上20%以下であることを特徴とする。ここで誘電体ペーストに含まれる可塑剤の誘電体ガラス材料に対する体積分率で表記した含有量が1.0%〜5.0%であってもよい。また本発明の誘電体ペーストはPDPの誘電体層を形成する誘電体ペーストであって、含まれるバインダー樹脂の誘電体ガラス材料に対する体積分率で表記した含有量が3%以上20%以下であって、かつ可塑剤の誘電体ガラス材料に対する体積分率で表記した含有量が1.0%〜5.0%であることを特徴とする。
このような構成によることで、低コストで誘電体層を形成しつつ、高精細表示でも、高信頼性・高品位画質を確保したPDPを実現することができる。
以上述べてきたように、本発明のPDPは、高精細表示であっても、高信頼性・高品位画質を確保したPDPを実現することができ、大画面の表示デバイスなどに有用である。
本発明の実施の形態におけるPDPの構造を示す斜視図 同PDPの前面板の構成を示す断面図 誘電体ペーストのバインダー樹脂量と刺激値との関係を示す図
符号の説明
1 PDP
2 前面板
3 前面ガラス基板
4 走査電極
4a,5a 透明電極
4b,5b 金属バス電極
5 維持電極
6 表示電極
7 ブラックストライプ(遮光層)
8 誘電体層

Claims (5)

  1. 少なくとも一方の基板上に電極と誘電体層とを形成したプラズマディスプレイパネルであって、前記誘電体層は誘電体ペーストを用いて形成し、前記誘電体層を形成する工程において前記誘電体ペーストを用いた塗布工程が1回のみであって、前記誘電体ペーストに含まれるバインダー樹脂の誘電体ガラス材料に対する体積分率で表記した含有量が3%以上20%以下であることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  2. 前記誘電体ペーストに含まれる可塑剤の誘電体ガラス材料に対する体積分率で表記した含有量が1.0%〜5.0%であることを特徴とする請求項1記載のプラズマディスプレイパネル。
  3. 少なくとも一方の基板上に電極と誘電体層とを形成するプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、前記誘電体層は誘電体ペーストを用いて形成し、前記誘電体層を形成する工程において前記誘電体ペーストを用いた塗布工程が1回のみであって、前記誘電体ペーストに含まれるバインダー樹脂の誘電体ガラス材料に対する体積分率で表記した含有量が3%以上20%以下であることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  4. 前記誘電体ペーストに含まれる可塑剤の誘電体ガラス材料に対する体積分率で表記した含有量が1.0%〜5.0%であることを特徴とする請求項3記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  5. プラズマディスプレイパネルの誘電体層を形成する誘電体ペーストであって、含まれるバインダー樹脂の誘電体ガラス材料に対する体積分率で表記した含有量が3%以上20%以下であって、かつ可塑剤の誘電体ガラス材料に対する体積分率で表記した含有量が1.0%〜5.0%であることを特徴とする誘電体ペースト。
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