JP2009282287A - 表示装置及びその駆動方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電流プログラミングとほぼ同等の補正能力をもちながら高速駆動を達成することが可能な表示装置及びその駆動方法を提供する。
【解決手段】プログラミングを行う選択期間を、第1の選択期間、第2の選択期間、第3の選択期間に分けて3段階で行う。第1の選択では、データ線から規定の階調の電流に対応した電圧信号を供給してプリチャージを行う。その直後の第2の期間にはデータ線から規定の階調の電流信号を供給する。そして第3の期間にデータ線から輝度信号に応じたプログラム電圧を供給して電圧プログラミングを行う。
【選択図】図3

Description

本発明は、有機EL素子や無機EL素子等の発光素子を用いた表示装置及びその駆動方法に関するものである。
近年、有機物半導体材料を用いた電子デバイスの開発が広く行われており、発光素子である有機EL(Electro-Luminescence)、有機TFT(Thin Film Transistor)、有機太陽電池等の開発が報告されている。中でも、有機ELディスプレイは有望視されている。
有機ELディスプレイパネルの構成は、パッシブマトリックス型とアクティブマトリックス型に分類される。パッシブマトリックス型は点滅駆動が前提となり、点灯時に流す電流値が大きくなるため、輝度と寿命に深刻なトレードオフが存在し、高輝度のディスプレイパネルを得ることが難しいとされる。
一方、アクティブマトリックス型は、必ずしも点滅駆動させる必要が無く、常時点灯に近い動作が可能となるため、点灯時に流す電流値を低くすることができるため有機ELの長寿命化に有効とされる。しかし、アクティブマトリックス型では、TFT、有機EL素子のばらつきや、特性ドリフトをどう克服するかが課題となっている。
このため、電圧プログラミング法、電流プログラミング法等が提案され、主にTFTのばらつきや特性ドリフト(主に閾値ドリフト)を補正する試みがなされている。
特許文献1には、電流プログラミング法によりTFTの閾値のばらつきを補償する画素回路が開示されている。特許文献2には特許文献1とは異なる電流プログラム法により、より精密な補正(TFTの移動度変化等の補正)をする画素回路が開示されている。
また、特許文献3には、カレントミラー回路を用い、有機EL素子に電流を流すことによってTFTの飽和特性が十分でない(定電流源として機能し得ない)場合でも、TFT及び有機EL素子の特性ドリフトを補正することが開示されている。
更に、特許文献4には、電流プログラミング法とフィードバック回路を用いて電流信号を補正することが開示されている。図14は特許文献4に示されるフィードバック駆動回路を示す。画素30の画素回路にトランジスタT3,T4を含むカレントミラー回路を含み、参照トランジスタT3を通じて、プログラム電流を回路32へフィードバックする。その際、プログラム電流は、フィードバック線36を通じて回路32のアンプ33の反転端子に導かれる。34は選択線、35はデータ線、Csは保持キャパシタ、31は発光素子である。
この回路では、フィードバックされる信号がプログラム電流そのものであるため、低輝度をプログラムする場合、非常に小さな電流をフィードバックさせる必要がある。もともとフィードバック回路が付加されることが前提のため、寄生容量が大きく、非常に小さな電流で充電するには非常に時間がかかり、高速駆動に不向きである。
米国特許第6,229,506号明細書 米国特許第6,373,454号明細書 国際公開2005/029,455号パンフレット カナダ特許第2472689号明細書
電流プログラミング法の課題は、低輝度の電流信号が小電流であるので、寄生容量を含むデータ線の負荷容量を充電するのに時間がかかり、1つの行選択期間内には画素回路を流れる電流信号が定常状態に達することが難しいことである。このため、電流信号を画素回路に正確にプログラミングすることが難しい。
一方、電圧プログラミング法ではデータ線に電圧信号が供給されるので、電流プログラミング法の課題はないが、トランジスタの閾値電圧や移動度のばらつきに対しては対応しにくい。
上述したように電流プログラミング法は素子特性の補正に優れているが、高速駆動が困難であるという課題が存在する。更に、電流プログラミング法で高速駆動を行うには、各画素の選択期間毎に電流信号を高速に切り換える必要があり、電流源の内部回路(シフトレジスタやラッチ回路)の制御クロックの制限を受けてしまう。
例えば、市販の一般的な電流源チップの駆動速度は数kHz程度である。それに対し、電流信号の制御において、小型高精細パネルでは20kHz程度、大型パネルでは100kHz以上の駆動速度が要求される。
本発明の目的は、電流プログラミングとほぼ同等の補正能力をもちながら高速駆動を達成することが可能な表示装置及びその駆動方法を提供することにある。
本発明の表示装置は、複数のデータ線と、複数の選択線と、前記データ線に電圧信号と電流信号を供給する制御ユニットと、前記データ線から前記電圧信号と電流信号を受けて発光素子を駆動する画素回路とを有する表示装置であって、
前記画素回路は、前記発光素子に電流を供給するトランジスタと、前記トランジスタの制御端子に接続された電圧保持手段と、前記選択線の信号によって制御され前記データ線を前記電圧保持手段に接続する第1のスイッチと、前記選択線の信号によって制御され前記データ線を前記トランジスタに接続する第2のスイッチとを備え、
前記制御ユニットは、前記選択線の信号により前記第1のスイッチが閉じている第1の選択期間に前記データ線から規定の階調に対応する電圧又は電流信号を供給して前記電圧保持手段に電圧信号を保持させると共に、
前記選択線の信号により前記第1のスイッチと第2のスイッチが閉じている第2の選択期間に前記データ線に前記規定の階調に対応する前記電流信号を供給し、
前記選択線の信号により前記第1のスイッチが閉じている第3の選択期間に前記データ線から輝度に応じた電圧信号を供給して前記電圧保持手段にプログラム電圧を保持させることを特徴とする。
また、本発明の表示装置の駆動方法は、複数のデータ線と、複数の選択線と、前記データ線に電圧信号と電流信号を供給する制御ユニットと、前記データ線から前記電圧信号と電流信号を受けて発光素子を駆動する画素回路とを有し、
前記画素回路は、前記発光素子に電流を供給するトランジスタと、前記トランジスタの制御端子に接続された電圧保持手段とを備えた表示装置の駆動方法であって、
前記発光素子に電流を流して発光させる発光期間と、前記発光期間の前に前記発光素子に流す電流を設定する選択期間とを備え、
前記選択期間内に、
前記データ線に規定の階調に対応する電圧又は電流信号を供給して前記電圧保持手段に前記電圧信号を保持させる第1の工程と、
前記第1の工程の後に前記データ線に前記規定の階調に対応する前記電流信号を供給する第2の工程と、
前記データ線から輝度に応じた電圧信号を供給して前記電圧保持手段にプログラム電圧を保持させる第3の工程と、
を含むことを特徴とする。
本発明によれば、高速駆動が可能で高精度補正が可能な表示装置及びその駆動方法を提供することができる。補正に使用する電流源は、常に規定の階調に対応した一定の電流を供給すれば良いので、電流源回路のクロック上の制限を受けずに高速化を図ることが可能となる。
次に、発明を実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。まず、本発明は、プログラミングを行う選択期間を、第1の期間(第1の選択期間となる)と第2の期間(第2の選択期間となる)、第3の期間(第3の選択期間となる)に分けて3段階で行う。第1の期間では、データ線から規定の階調の電流に対応した電圧信号を供給してプリチャージを行う。その直後の第2の期間にはデータ線から規定の階調の電流信号を供給する。
低輝度の場合、電流信号だけでは選択期間内にデータ線の負荷容量を充電することは困難である。本発明は、電流信号の供給に先立ってデータ線から電圧又は電流パルスを供給し、画素の保持容量に電圧信号をプリチャージするので、電流信号が微小であっても短時間で定常に達する。そして、第3の期間にデータ線から輝度信号に応じたプログラム電圧を供給して電圧プログラミングを行う。
プリチャージする電圧信号は、直後の規定の階調の電流信号によって画素に保持される電圧と近い電圧であることが好ましいが、画素のトランジスタの閾値電圧または移動度がばらつくと、正しい保持電圧からずれてしまう。本発明は、このずれをプリチャージ期間と電流観測期間とのデータ線の電位変動として検知する。そして、その結果に応じて全階調に対応した電圧信号を更新して、電圧信号と電流信号による画素の保持電圧とが、同一値又は近い値を保つようにする。
プリチャージによって画素に保持される電圧は、画素内の保持キャパシタ(保持容量)に蓄積される。一方、電流観測期間においてデータ線から供給される電流信号は、ゲート−ドレイン間が短絡されたトランジスタのドレイン電流となり、その時のゲート−ソース間電圧が同じ保持容量に蓄積される。従って、プリチャージ期間の電圧信号が電流観測期間で画素に保持される電圧と一致するならデータ線の電位は両期間で変動しない。
これに対して、プリチャージ期間の電圧信号が電流観測時の電圧信号と異なるとき、電流観測時の電位はプリチャージ時の電位から変化する。以下の実施形態ではトランジスタのゲート(制御端子)にプログラミング用の保持容量が接続されている。
具体的な電位変動は、以下の実施形態で説明するが、電圧信号が電流信号即ち発光素子に流れる電流より低輝度側か高輝度側かによってデータ線電位の変動の方向が異なる。そのため、変動方向を検出し、その方向に応じて電圧信号を大きくまたは小さくなるように補正すれば、正確な電圧信号が得られる。トランジスタのばらつきや経時変化は、この方法により補償される。
電流観測期間中のゲート−ドレイン間を短絡したトランジスタは、プリチャージによって画素に保持された電圧信号が、正しいドレイン電流を生じるか否かのいわば検証を行う電流検証手段であるということができる。発光素子もトランジスタ(TFT)とは異なる様相で、ばらつきと経時的な変化を生じる。特に、発光素子としての有機EL素子においては電流−電圧特性の経時的な変化が著しい。
本発明のもう1つの特徴は、電流検証手段が発光素子に接続されていることである。即ち、電流観測期間中にゲート−ドレイン間を短絡したトランジスタのソースを、発光素子に接続する。電流信号はトランジスタのドレイン−ソース間と発光素子の両方に直列に流れる。
発光素子の端子間電圧が大きくなるほうに変化すると、トランジスタのソース電位が高くなるから、変化前と同じ電流信号を流すと、ゲート電位即ちデータ線電位が高いほうに変化する。従って、プリチャージ及び電圧プログラミング時の電圧信号は高い方向に補正される。
その結果、次のプリチャージ及び電圧プログラミングに際しては補正された高い電圧信号がデータ線に出力され、保持容量に正確な電圧、またはそれに近い電圧が保持される。ここで正確な電圧とは、プリチャージでは規定の階調の電流信号を発光素子に正確に流す電圧を指し、電圧プログラミングでは輝度信号に応じた電流信号を発光素子に正確に流す電圧を指す。なお、発光素子の端子間電圧が小さくなるほうに変化した場合は、逆の補正を行う。
このように電流観測期間の電流信号をトランジスタと発光素子の両方に直列に流すことにより、発光素子の端子間電圧が変化しても電圧信号がそれに追随して補正される。よって、プリチャージと電流観測でほぼ一致した保持電圧を保持容量に与えることができる。更に、電圧プログラミングで補正された電圧信号を与えることができる。
トランジスタ(TFT)と発光素子の両方がその特性を変化させても、同様に電圧信号の補正が行われ、特性変化が補償される。電圧信号は、それがデータ線に出力された直後のデータ線電位変動で補正値が決まるので、当該のプリチャージ及び電圧プログラミングに用いることは出来ないが、補正された電圧信号は記憶され、次にその電圧信号を出力するときに使われる。
また、この方法では、実際にデータ線に出力された電圧信号しか補正されないことになるが、以下の実施形態等で詳しく説明するように電圧信号の変化がトランジスタの閾値電圧のシフトによるものであると仮定する。もしくは移動度の変化であると仮定して、1つの電圧信号の補正を全電圧信号の補正に拡大することもできる。本発明に係る表示装置の一実施形態を以下に説明する。
図1は本発明に係る表示装置の一実施形態を示すもので、4画素(ピクセル)分を描いてある。実際には多数の画素がマトリクス状に配置されている。以下の実施形態や実施例ではアクティブマトリクスディスプレイを例として説明する。図1に示すように交差する複数のデータ線(Data Line)11−1、11−2と複数の選択線(Select Line)12−1、12−2を持っている。複数のデータ線11−1と複数の選択線12−1、12−2との交点に対応して4つの画素13−1〜13−4が配置されている。
画素13−1は有機EL素子15−1、画素回路(Pixel Circuit)14−1を備え、画素13−2は有機EL素子15−2、画素回路14−2を備えている。また、画素13−3は有機EL素子15−3、画素回路14−3を備え、画素13−4は有機EL素子15−4、画素回路14−4を備えている。なお、有機EL素子の代わりに無機EL素子等の発行素子を用いてもよい。
データ線11−1、11−2にはそれぞれ、制御ユニット(Control Unit)16−1、16−2が接続されている。制御ユニット16−1、16−2は、それぞれ、プリチャージ電圧又はプログラム電圧を発生させる電圧源18、所定の電流を流すための電流源19(第2の電流源となる)を備えている。また、比較器(コンパレータ)17−1、論理回路(Logic Circuit)・制御回路(Control Circuit)17−2、論理回路・制御回路17−2に接続されるデータテーブル17−3、スイッチ20,21、容量22を備えている。
比較器17−1、論理回路・制御回路17−2はデータ線の電位変動を検知する検知回路を構成する。ここでは検知回路として比較器を用いているが、後述するようにADコンバータを用いることもできる。スイッチ20はデータ線に電圧源18、電流源19のいずれかを接続する切り換えを行う。スイッチ21はデータ線に比較器17−1の2つの入力のいずれかを接続する切り換えを行う。比較器17−1の一方の入力端子には容量22が接続されている。
制御ユニット16−1のスイッチ20がA側に切り換えられた時には、電圧源18で設定されたプリチャージ電圧又はプログラム電圧が、選択線12−1によってアクティブになった画素回路14−1に印加される。一方、制御ユニット16−1のスイッチ20がB側に切り換えられた時には、電流源19から所定の電流が画素回路14−1に印加される。同様な動作を制御ユニット16−2から画素回路14−2に行う。
図2は画素回路の構成の一例を示す。図2では画素13−1と制御ユニット16−1の構成を示す。選択線12−1の信号により画素13−1内の第1のスイッチとなるスイッチ23、第2のスイッチとなるスイッチ24がオンとなる。そして、制御ユニット16−1からスイッチ20をA端子側→B端子側→A端子側の順で切り換えることで、プリチャージ電圧、所定の電流、プログラム電圧を順次印加する。
本実施形態では、画素13−1は電圧保持手段として保持キャパシタ27、電流検証手段としてカレントミラー回路を備えている。カレントミラー回路はゲート(制御端子)同士が接続されたトランジスタ25、26からなる。保持キャパシタ27は共通接続されたトランジスタ25、26のゲートに接続されている。28はトランジスタ26のドレインに接続される電圧源である。
制御ユニット16−1においてデータ線11−1にスイッチ21を介して比較器17−1の2つの入力端子のいずれかが接続され、比較器17−1の2つの入力端子はスイッチ21のA端子側、B端子側にそれぞれ接続されている。スイッチ21のA端子側には容量22が接続されている。
図3は制御ユニットの動作、機能を説明するための説明図である。本発明は規定の階調として最低階調を用いることが望ましい。最低階調に対応する電圧と電流は制御ユニット16−1内の電圧源18と電流源19から出力される。プリチャージ期間には最低階調に対応する電圧信号が電圧源18からデータ線に印加され、続いて電流観測期間では最低階調に対応する電流信号が電流源19からデータ線に印加される。
この動作は全画素に共通して行われるので、電流源19は常に一定の電流を出力すれば良く、電流値を画素毎に切り換える必要がない。つまり、電流源回路のクロック上の制限を受けることなく、線順次走査の高速化を図ることが可能となる。一方、電圧源18は輝度信号に応じたプログラム電圧を出力するので、電圧値を切り換える必要がある点は変わらない。
また、最低階調の代わりに、最大階調や中間階調を規定の階調として用いることも可能である。但し、最大階調や中間階調の場合は画質を悪化させることが予想される。例えば、黒に近い表示をさせる場合に最大階調でプリチャージを行うと、フレームの最初の期間だけ明るく発光してしまうという問題が生じる。最低階調を用いれば、このような問題は生じないので好ましい。
また、複数の階調を規定の階調として用いることも可能である。例えば、フレーム毎に電流源19から出力される電流値を切り換えて、複数の電流値を用いて電流観測を行うようにする。この場合、2組以上の電流電圧特性を得られるので補正の確度が上がるが、電流源19の電流値を切り換える必要が生じてシステムが複雑になる。
以下、規定の階調として最低階調を用いるものとし、本実施形態ではすべて統一して説明する。尚、最大階調や中間階調を用いる場合も発明の本質は変わらないので、説明は省略する。複数の階調の場合も同様なので説明は省略する。
図3(a)は最低階調に応じたプリチャージ電圧を決める電圧信号Vminと、それに対応した電流信号Iminの関係を示す。また、階調データに応じたプログラム電圧を決める電圧信号Vdataと、それに対応した電流信号Idataの関係を示す。始めに、データテーブルにはこの関係が記憶されている。
図3(b)は制御ユニットからデータ線にプリチャージ電圧Vminが供給され、次いで図3(a)の関係によって決まる電流信号Imin、電圧信号Vdataが供給されたときのデータ線電位VDLの変動を示す。
データ線電位が始めに0の値にあったとすると、プリチャージ電圧がデータ線に印加され、画素13−1のスイッチ23が閉じられると、保持キャパシタが充電されてデータ線電位はVminに達する。この時、スイッチ24も閉じられているので、トランジスタ25と有機EL素子15−1にも電流が流れる。その後、電圧信号Vminが電流信号Iminに切り替わると、電流信号は画素13−1のスイッチ24を通してトランジスタ25と有機EL素子15−1に流れる。
この電流がプリチャージ期間中にトランジスタ25と有機EL素子15−1に流れる電流と一致するならデータ線電位は変わらない。しかし、トランジスタの閾値電圧、飽和電流値、発光素子の端子間電圧のどれかが、始めにデータテーブルを設定したときの値とは異なっていると、プリチャージ期間中と電流観測期間中の電流は一致しない。そのため、データ線電位がVminから変動する。
プリチャージ電圧が正しい電流を与える電圧より小さいときは、図3(b)の実線に示すようにデータ線電位が上昇し、プリチャージ電圧が正しい電流を与える電圧より大きいときは図3(b)の破線に示すようにデータ線電位が下降する。
図3(c)は表示パネルの全体図である。行方向に選択線が、列方向にデータ線がそれぞれ設けられ、データ線には制御ユニット(不図示)が接続されている。
太線で示す行選択線が選択されて、その時にデータ線の1つで、図3(b)のプリチャージ及び電流信号の供給が行われ、データ線の電位VDLが計測される。この計測は選択線が順次走査されていくにつれて他の画素についても行われる。データ線電位VDLの計測後、プログラム電圧がデータ線に印加され、保持キャパシタ27が充電されてデータ線電位はVdataに達する。
図3(d)はデータ線電位変動が図3(b)の実線のように電位上昇であった場合のデータテーブルの変更を示す。この場合、最低階調の輝度を得るには、Vminでは不足であったことを示しているので、データテーブルを全体的に1ステップ(この場合0.5V)正側にシフトさせてある。即ち、Vmin’=Vmin+0.5[V]、Vdata’=Vdata+0.5[V]に更新する。
図3(e)と図3(f)は次の表示(n+1フレーム目)のための走査が行われた時の同じ画素の電位変動計測の様子を示すものである。変更後のデータテーブルを参照して最低階調の電流Iminに対応するプリチャージ電圧Vmin’をデータ線に印加する。次に、最低階調の電流Iminを、データ線を経由して電流観測期間において与える。この時、Vmin’が適正であったために電位は変化しない。
続いて、変更後のデータテーブルを参照して輝度信号に応じたプログラム電圧Vdata‘をデータ線に印加する。Vdata’は適正な電圧に更新されているので、有機EL素子15−1には適正な電流信号Idataが流れる。
このようにして、データテーブルが更新され、最低階調の電流に対応したプリチャージ電圧、最低階調の電流、及び所定の輝度に対応したプログラム電圧が印加されるようになる。
図3で説明した動作のタイミングチャートを図4に示す。図4は(n)フレームと(n+1)フレーム期間における1〜M行目の選択線に対するプリチャージ、電流観測、電圧プログラミング動作のタイミングを示す。ここで、図4に示すMは図3(c)の表示素子での全選択線の数である。1ライン選択期間は1フレーム期間をMで等間隔に分割した時間となる。
図4に示すように各々の選択線に対して1ライン選択期間においてプリチャージ、電流観測及び電圧プログラミング動作を行う。プリチャージ及び電圧プログラミング期間では、上述の図3(a)と図3(b)の動作を行い、電流観測期間では図3(b)と図3(c)の動作を行う。これを1フレーム期間に1〜M行目の選択線に対して順次行っていく。
なお、図4に示す各フレーム期間の電流観測期間にデータ線の電位差に基づいてデータテーブル17−3の変更を行うが、変更後のデータテーブルに基づいてプリチャージ等の操作を行うのは次のフレームとなる。
制御ユニット16−1のデータテーブル17−3には、画素回路の電気特性データ(例えば電圧値−電流値特性、電圧値−輝度特性、特性を代表する所定のパラメータ)が格納されている。このデータテーブルを参照・計算することによって、必要な輝度に対応した電圧を選択し、電圧源18のプリチャージ電圧及びプログラム電圧を設定する。表1はデータテーブルの一例を示す。
スイッチ20、スイッチ21をA端子側に切り換え、選択線12−1により選択された画素13−1に、データ線11−1を経由して設定されたプリチャージ電圧Vminが印加される。画素13−1内ではスイッチ23、24がオンし、保持キャパシタ27にプリチャージ電圧が保持される。また、制御ユニット16−1内では容量22にプリチャージ電圧が保持される。
次に、画素13−1のスイッチ23、24をオンとした状態で、スイッチ20、スイッチ21をB端子側に切り換え、最低階調の電流Iminを、電流源19からデータ線11−1を経由して画素13−1に供給する。最低階調の電流はデータテーブル17−3を参照・計算することによって最低輝度に対応するように予め設定される。この時、電流源19は常に一定の最低階調の電流を供給するので、各行の選択期間毎に電流値を切り換える動作を省略でき、電流源の駆動速度の制限を受けずに済む。
電流の供給開始直後から、制御ユニット16−1はデータ線11−1の電位変動を観測する。データ線11−1の電位変動の観測は、容量22に保持されたプリチャージ電圧と、データ線11−1の電位とを比較器17−1により比較し、大小関係の情報により論理回路・制御回路17−2がデータテーブル17−3の電気特性データを変更する。
以下、この変更の手順を説明する。制御ユニット16−1の論理回路・制御回路17−2はデータテーブル17−3の最低階調となる輝度0.00742cd/cmの行から電圧データ3Vを読み取る(表1参照)。これを電圧源18に設定してプリチャージ電圧としてデータ線11−1に出力する。
次いで、論理回路・制御回路17−2は、データテーブル17−3から対応した電流0.00284μAを読み取り、電流源19にその値を設定してデータ線11−1に電流を出力する。この時、データ線電位が3Vから上昇したとすると、これはプリチャージ電圧が必要な輝度に対し低すぎたことを意味しているから、この結果に基づいてデータテーブル17−3の電圧を高いほうに変更しなければならない。予め決められた補正量が0.5Vであるとすると、3Vの電圧データは3.5Vに変更する。
しかし、データ線に出力された3Vのデータだけを変更して、他の電圧データをそのままにしたのでは、次のデータテーブルを読み出し時に他の電圧データが読み出される場合は補正されていない電圧データが出力されてしまう。
そこで、データテーブルの電圧データの補正にあたっては、プリチャージ電圧としてデータ線に出力された該当電圧データを補正するだけでなく、全ての電圧データを一斉に補正することが好ましい。
全ての電圧データを一斉に変更する方法の1つは、プリチャージ電圧が低すぎたり、あるいは高すぎたりする原因が、画素13−1のトランジスタ25の閾値電圧の変動であると考えて、データテーブルの電圧を一様にシフトさせることである。データ線11−1の電位変動から、3Vのプリチャージ電圧を3.5Vに変更すべきであると判定された時は他の電圧データも一斉に0.5Vずつ大きいほうに変更する。
表2はこのように変更されたデータテーブルを示す。
変更後のデータテーブルにより必要な輝度に対応した電圧を選択する。そして、新たにプリチャージ電圧Vmin’及びプログラム電圧Vdata’を設定し、次フレーム以降の画素選択(次以降のアクセス)の際に新たなプリチャージ電圧及びプログラム電圧を印加する(電圧信号を増加する)。電位変動の検出の結果、プリチャージ電圧が必要な輝度に対し高いと判明した場合には、電圧信号を減少させる。つまり、検知した電位変動に基づいて電圧信号を一定量増減する。
全ての電圧データを一斉に変更する別の方法は、データ線変動の原因を、画素13−1のトランジスタ25の移動度の変化によるものであると考えて、電圧データを閾値電圧分を差し引いた後、全データを一定の比率で乗じることである。
また、データ線電位変動の原因を、閾値電圧や移動度以外の、画素回路の特定のパラメータの変化に帰して、それに基づいて電圧データを変更することも出来る。なお、データテーブルは、輝度と電流の関係が不変であるとして、電流と電圧の関係だけを含んでいてもよい。
このような操作によって、高速駆動可能で且つ電流プログラム法に匹敵する補正効果を得ることができる。
このようなプリチャージと所定の電流印加を用いた補正動作は、1フレーム走査中に全ての画素(ピクセル)について行うことができる。また、必要に応じて1フレーム中に1〜数走査線分のピクセルのみ補正動作を行うことができる。例えば、1フレーム中に1走査線分のピクセルのみ補正動作を行った場合、補正する走査線をフレーム毎にずらしていくと、走査線の数に対応する数のフレームで全ての画素(ピクセル)について補正動作をさせることができる。
また、1フレーム中に1〜数走査線分の画素のみ補正動作を行い、その補正データを全画素に適用してもよい。1フレーム走査中に全ての画素について補正動作を行う場合、その後のフレームでは必要なフレームのみ補正動作を行ってもよい。更に、ディスプレイの起動時に一部または全部の画素について補正動作をさせることもできる。
更に、各画素毎に異なったデータテーブルを記憶装置に格納しておき、画素についての補正動作(プリチャージと所定の電流印加を用いた補正動作)毎にデータテーブルを書き換えることができる。必要に応じて、全体または一部ブロックのピクセルについて同一のデータテーブルを用い、一部のパラメータ(図3の例では、閾値電圧シフト量)のみを各画素毎に記憶装置に格納しておき、画素についての補正動作毎に書き換えることができる。
図5はプリチャージを行う際に電圧源18の代わりにプリチャージ電流源19−1(第1の電流源となる)を用いる場合の他の実施形態を示す。図5では図1、図2等と同一部分には同一符号を付している。図5に示す電流源19−2(第2の電流源となる)は図2の電流源19と同じである。スイッチ23,24を別個に制御可能なように画素13−1に対して2つの選択線12−11,12−12が設けられている。
スイッチ20、21の操作は図2の場合と同様である。また、上述のように図2の電圧源18を電流源19−1に置き換えており、以下の説明では電流源19−1の動作を説明する。
まず、スイッチ20がA側に切り換えられたとき、選択線12−11,12−12の制御により、画素中のスイッチ23がオン、スイッチ24がオフとなる。そして、最低階調に対応した所定の電圧を保持キャパシタ27にプログラムするのに必要な最低階調の電流値を所定の時間流す。この時、制御ユニット16−1の容量22にも所定の電圧が保持される。
次いで、スイッチ20がB側に切り換えられたとき、画素中のスイッチ23、24ともオンとなり、データテーブル17−3にしたがって最低階調の輝度を反映した電流値印加に切り換えられる。この時、データ線11−1の電位変動を観測する。データ線11−1の電位変動の観測は、容量22に保持されたプリチャージ電圧と、データ線11−1の電位とを比較器17−1により比較し、大小関係の情報によりデータテーブル17−3の電気特性データを変更する。
この操作によって、プリチャージ電圧源を用いるのと同様の機能を得ることができる。次にスイッチ20が再びA側に切り換えられたとき、画素中のスイッチ23がオン、スイッチ24がオフとなり、所定の電圧を保持キャパシタ27にプログラムするのに必要な電流値を所定の時間流す。所定の電圧は、変更された電気特性データテーブルの電流値に対応している。
また、本発明はプリチャージ電圧またはプリチャージ電流として画素回路にプログラムすべき電圧または電流より大きな値を印加し、印加時間を調整することもできる。このような操作によってプリチャージに要する時間を更に低減することが可能となる。但し、印加時間を適正に調整することにより、過大な電圧が画素回路、発光素子に印加されるのを防ぐことが望ましい。
また、本発明のアクティブマトリックスディスプレイにおいて、更に複数の保持キャパシタを含んでも良い。例えば、画素内の特定のトランジスタにおける閾値補正用保持キャパシタを更に設ける場合がある。また、保持キャパシタを複数に分割配置し、画素回路の占有形状を変えることも可能である。各画素回路に保持キャパシタを備えることによって一度プログラムされた印加電圧が次のアクセスまで、ほぼ維持させることができる。
更に、本発明のアクティブマトリックスディスプレイにおいて電位変動を判定する制御ユニットは、比較器(コンパレータ)の代わりにADコンバータを用いてもよい。
本発明において電位変動を判断するとは、プリチャージ時の電位と所定の電流を印加した時の電位を比較し、どちらの電位が高いかを判断することである。この目的のために電位比較のための比較器または電位差(アナログ値)をデジタルデータに変換するためのADコンバータを使用することができる。
比較器を用いる場合、プリチャージ電圧と電流印加時の電圧を比較し、大小を判別する。この場合、大小関係の情報により、データテーブルのパラメータを1ステップ分変動させることになる。ここで、1ステップ分変動させる操作について説明する。例えば、閾値電圧変化量±1Vを±256ステップに分割しておき、比較器による大小判別に従い、1ステップ分データテーブルの閾値電圧をシフトさせる。この操作を繰り返すことにより、適切な閾値電圧値に近づいていくことになる。
また、A/Dコンバータを用いる場合には、プリチャージ電圧と電流印加時の電圧を比較し、大小関係と電位差(アナログ値)を計測する。A/Dコンバータは電位差をデジタル信号に変換するため、例えば、電位差を閾値電圧の変化量として検出することができる。この場合は、プリチャージと所定の電流印加を用いた1回の補正動作でデータテーブルの適切な修正を行うことができる。
また、本発明のアクティブマトリックスディスプレイにおいて、電位変動を判定する制御ユニットをデータ線毎に配置することがより好ましい。データ線毎に制御ユニットを配置することによって、選択線方向1ライン分の電位変動を一括で判断することができるからである。しかしながら、制御ユニットは必ずしもデータ線毎に配置しなくてもよく、データ線より少ない数であって、時間配分しながら駆動させることが可能である。例えば、マルチプレクサを複数のデータ線毎に設け、制御ユニットをマルチプレクサ毎に設けてもよい。
更に、本発明のアクティブマトリックスディスプレイにおいて画素回路にデータ線より供給される電流が発光素子に流れる経路を含むことが求められる。上記実施形態においては、発光素子に電流を流しながらデータ線の電位を計測する操作を行うため、画素回路においてはデータ線より供給される電流が発光素子流れる経路を含むことが求められる。
また、本発明のアクティブマトリックスディスプレイにおいて、画素回路にスイッチング素子により構成されたカレントミラー回路を含んでも良い。カレントミラー回路は電流検証手段を備える画素回路に相当するものである。画素を構成する発光素子に流す電流値を検証する能力を持つ。
また、本発明のアクティブマトリックスディスプレイにおいて、複数のスイッチング素子が薄膜トランジスタであっても良い。特に、ガラス、プラスチック、金属基板等を用いる場合、薄膜トランジスタを基板上に作製し、スイッチとして機能させることが有効である。
更に、複数の薄膜トランジスタの活性層を、シリコンを主体とした材料で構成しても良い。シリコンを主体とした材料の例として、アモルファスシリコン、多結晶シリコン、単結晶シリコン等が挙げられる。リン、ホウ素、ヒ素等の不純物がドープされたものでも良い。また、複数の薄膜トランジスタの活性層を、金属酸化物を主体とした材料で構成しても良い。
金属酸化物を主体とした材料の例として、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化インジウム、またはこれら複数の酸化物を含む複合酸化物等が挙げられる。これらの材料に不純物をドープさせても良い。また、複数の薄膜トランジスタの活性層を、有機物を主体とした材料で構成しても良い。
有機物を主体とした材料の例として、ペンタセン、テトラセン、アントラセン、金属フタロシアニン、ポルフィリン系有機物等が挙げられる。これらの材料に不純物をドープさせても良い。
低温ポリシリコンTFTに比較して移動度が小さく、駆動力に劣るアモルファスシリコンTFT、アモルファス酸化物半導体TFTを用いる場合には、TFTを飽和領域で使うことが難しい。(大画面ディスプレイ向け等のようなアプリケーションではこのようなTFTを用いる必要に迫られる)。
この理由は、上述のような材料ではそもそも充分な飽和特性が得られない、駆動電圧を上げる(飽和領域で動作させる)と消費電力が大きくなりすぎる等があるからである。このため、駆動力に劣るアモルファスシリコンTFT、アモルファス酸化物半導体TFTを用いる場合には、TFTが充分飽和していない領域で、TFTやOLEDの特性変動を補正することが可能な駆動方法を用いる必要がある。
本発明は、アモルファスシリコン、アモルファス金属酸化物、有機物を主体とした活性層からなる薄膜トランジスタのように単結晶または多結晶シリコンTFTに比較して移動度が低く、駆動力に劣るトランジスタを用いる場合にも有効である。何故なら、トランジスタの飽和特性が充分ではなく、発光素子の特性ドリフトも起こる場合でも優れた補償機能を得ることができるからである。
本発明によれば、マトリックス回路部分にフィードバックのための付加的な配線が必要ないため、寄生容量の増加が極めて少ない。このため、補償性能を犠牲にすることなく、高速に駆動することが可能である。そのため、図14に示す従来のフィードバック駆動回路の高速駆動に対する問題を解決することができる。
次に、本発明の実施例について説明する。以下の実施例では同様に規定の階調に最低階調を用いるものとして説明する。
(実施例1)
図6は実施例1の表示装置の画素と制御ユニットの構成を示す概略図である。図7は駆動状態を説明するための電圧印加タイミング図である。図6では図2と同一部分には同一符号を付している。全体の構成は図1と同様である。図6ではデータ線41に接続される画素43及び制御ユニット50の構成を示す。図6の構成において図2の構成との違いはスイッチとしてトランジスタ45、46を用いている点である。
図6に示すように交差するデータ線(Data Line)41と選択線(Select Line)42の交点に対応して画素43が配置されている。
データ線41には制御ユニット50が接続されている。制御ユニット50の構成は図2と同様である。制御ユニット50は、それぞれ、プリチャージ電圧又はプログラム電圧を発生させる電圧源52、所定の電流を流すための電流源53、比較器となるコンパレータ54を備えている。また、論理回路(Logic Circuit)・制御回路(Control Circuit)51、論理回路・制御回路51に接続されるデータテーブル58、スイッチ55、57、容量56を備えている。
コンパレータ54、論理回路・制御回路51は、同様にデータ線の電位変号を検知する検知回路を構成する。スイッチ57はデータ線に電圧源52、電流源53のいずれかを接続する切り換えを行う。スイッチ55はデータ線にコンパレータ54の2つの入力のいずれかを接続する切り換えを行う。コンパレータ54の一方の入力端子には容量56が接続されている。
画素43は画素回路と有機EL素子44からなり、画素回路はそれぞれ第1及び第2のスイッチとなるトランジスタ45,46、カレントミラー回路を構成するトランジスタ47,48を備えている。40は電圧を保持する保持キャパシタ、49はトランジスタ48のソースに接続される電圧源である。
図7において、VSELECTは選択線42への電圧印加、VDLは電圧源52の設定電圧、IDLは電流源53の設定電流である。VCAPは容量の電位変化、IOLEDはデータ線を通って有機EL素子に流れる電流をそれぞれ示す。横軸は時間である。
スイッチAはスイッチ55と57がA側(電圧源とデータ線とが接続)にある期間、スイッチBはスイッチ55と57がB側(電流源とデータ線とが接続)にある期間を示す。プリチャージ期間は第1の選択期間(この期間は第1の工程)、電流観測期間は第2の選択期間(この期間は第2の工程)、電圧プログラミング期間は第3の選択期間(この期間は第3の工程)となる。上述のように電流観測期間にデータ線に規定の階調に応じた電流を供給する(第2の工程)。
電圧プログラミング期間の後は発光期間となり、トランジスタ45、46がオフし、保持キャパシタ、即ちトランジスタ48のゲートに設定された電圧(Vcap)に基づく電流(IOLED)が有機EL素子44に流れる。
行選択線42の信号VselectがHレベルになると、画素43のスイッチ45,46が閉じる。制御ユニット50は、まず、電源52の電圧をVminに設定し、スイッチ55,57をA側に接続する。スイッチ45を通して保持キャパシタ40が充電されるにつれて保持容量電位Vcap、即ち、データ線41の電位が上昇し、最終的に電圧源52の設定電圧Vminに達する。
データ線41を通して画素43に流れ込む電流IOLEDは、スイッチ46とトランジスタ47を通して有機EL素子44に流れる。データ線電流IOLEDは、始め、寄生容量を充電するために大きく流れるが、その後は定常値に達する。この定常電流値は、保持キャパシタの電圧VcapがVminになったときのトランジスタ47のゲート−ソース間電圧で決まる。
次に、制御ユニット50は電流源53をIminに設定し、スイッチ55と57をB側に接続する。
その場合、最低階調の輝度を得るために必要な電流Iminに対応する保持容量電圧は、Vdataより小さかったので、電流書き込み期間になるとデータ線電位Vcapが下降している。データ線41を流れる電流もプリチャージ期間中のデータ線電流が大きすぎたので、設定した電流信号の値Iminに向かって減少していく。
データ線41の電位Vcapの変動ΔVを適当なタイミングでコンパレータ54によって検知され、その結果が、論理回路・制御回路51に伝えられ、データテーブル58が書き換えられる。
この回路図をもとにSPICEシミュレーションを行った結果を図8に示す。図8ではTFTの特性はSPICEモデルLevel15を用い、有機EL素子(OLED)の特性はダイオードモデルとキャパシタを組み合わせて用い、フィッティングした。
また、SPICEシミュレータ上において、有機EL素子の閾値電圧Vthが2.8Vであることを予め規定しておき、最低階調に相当するプリチャージ電圧2.9Vをデータ線に印加した。更に、最低階調として設定した電流値100nAを印加し、データ線の電位変動を計算した。最後に、1μAの電流が有機EL素子に流れるようにプログラム電圧4.9Vをデータ線に印加した。
図8はその結果、図6におけるトランジスタ47に流れる電流変化を示す。図中Ref.で示す特性カーブがそれにあたる。プリチャージ電圧が適正であったため、電流印加時のTFT電流がほとんど変化しないことが分かる。
更に、同様の駆動条件の中で、TFTの閾値電圧が±0.2V変動したと仮定し、同様の計算を行った。その結果、電流印加時にトランジスタ47に流れる電流値が所定の値(この場合100nA)に向かって変移していることが分かる。この変移量を、データ線の電圧変化量として観測することによってデータテーブルの補正動作を行うことができる。上記シミュレーションによるデータ線の電圧変化を図9に示す。
(実施例2)
図10は本発明の実施例2の画素と制御ユニットの構成を示す概略図である。図10では図6と同一部分には同一符号を付している。図10はカレントミラー回路の欠点を補うため、トランジスタ59を付加し、有機EL素子44を点灯維持する際に、トランジスタ47,48の両方に電流を流し、トランジスタ47,48への負荷を均等化したものである。トランジスタ45,46は選択線42−1によりオンオフ制御され、トランジスタ59は選択線42−2によりオンオフ制御される。
制御ユニット50においてはスイッチ60を設け、データ線41と電圧源52を接続するとき(A端子側に切り換えのとき)には、比較器(コンパレータ)54の2つの入力端子を共通電位とする。一方、スイッチ60によりデータ線41と電流源53を接続するとき(B端子側に切り換えのとき)には、コンパレータ54の一方の入力端子を電圧源52の電圧、他方の入力端子をデータ線41の電位とする。本実施例では図6の制御ユニットの構成と比較して、スイッチ55、57を1つのスイッチ60とし、容量56をなくすことができ、部品数を削減することができる。
図11は図10に示す画素回路の電圧印加タイミング図である。図11において、VSEL1,SEL2は選択線42−1、42−2への電圧印加、VDLは電圧源52からデータ線41への電圧印加、IDLは電流源53からデータ線への電流印加を示す。また、VCAPは容量の電位変化、VOLED,OLEDは有機EL素子44に印加される電圧変化及び有機EL素子に流れる電流変化をそれぞれ示す。スイッチAは、スイッチ60がA側(電圧源とデータ線とが接続)にある期間、スイッチBはスイッチ60がB側(電流源とデータ線とが接続)にある期間である。
これら実施例2の画素回路及び制御ユニットでも、本発明の効果は同様に確認することができた。
(実施例3)
図12は本発明の実施例3の画素と制御ユニットの構成を示す概略図である。図12では図10と同一部分には同一符号を付している。図12は実施例2のカレントミラー回路を、1つのトランジスタ62に置き換えたものである。ライン選択期間と発光期間とで切り替わるスイッチ61を設けて、プログラミング期間はトランジスタ62をデータ線41に接続し、発光期間はトランジスタ62を電源49に接続する。制御ユニット50の回路構成は図10の制御ユニットと同じ構成である。
この回路においても、データ線41より供給される電流が発光素子(有機EL素子)に流れる経路を有する。本実施例においては図12に示すようにトランジスタ61とトランジスタ62とは直列接続され、有機EL素子44に接続されている。トランジスタ45はトランジスタ61とトランジスタ62との接続点に接続され、トランジスタ46はトランジスタ62のゲートに接続されている。トランジスタ61は選択線42−2によりオンオフ制御される。63はトランジスタ62のゲートに接続される保持キャパシタである。
図13は図12に示す画素回路の電圧印加タイミング図である。これらの画素回路でも、本発明の効果は同様に確認することができた。
本発明は、アクティブマトリックスディスプレイ等に適用され、特に、有機EL素子や無機EL素子等の電流を流すことで発光する発光素子を用いた表示装置に利用することができる。
本発明の表示装置の一実施形態の構成を示す図である。 図1の表示装置の画素と制御ユニットの構成を示す図である。 図1の表示装置の制御ユニットの動作、機能を説明するための説明図である。 図1の実施形態の制御ユニットの動作タイミングを示す図である。 本発明の他の実施形態の画素と制御ユニットの構成を示す図である。 本発明の実施例1の画素と制御ユニットの構成を示す図である。 実施例1の電圧印加タイミングを示す図である。 実施例1のSPICEシミュレーション結果を示す図である。 実施例1のデータ線電位の計算結果を示す図である。 本発明の実施例2の画素と制御ユニットの構成を示す図である。 実施例2の電圧印加タイミングを示す図である。 本発明の実施例3の画素と制御ユニットの構成を示す図である。 実施例3の電圧印加タイミングを示す図である。 従来のフィードバック駆動回路を示す図である。
符号の説明
11−1、11−2、41 データ線
12−1、12−2、42、42−1、42−2 選択線
13−1〜13−4、43 画素
14−1〜14−4 画素回路
15−1〜15−4、44 有機EL素子
16−1、16−2、50 制御ユニット
17−1、54 比較器
17−2、51 論理回路・制御回路
17−3、58 データテーブル
18、52 電圧源
19、19−1、19−2、53 電流源
20,21 スイッチ
22、56 容量
23、24、60 スイッチ
25、26、45〜48、59、61、62 トランジスタ
27、40、63 保持キャパシタ
28、49 電圧源

Claims (11)

  1. 複数のデータ線と、複数の選択線と、前記データ線に電圧信号と電流信号を供給する制御ユニットと、前記データ線から前記電圧信号と電流信号を受けて発光素子を駆動する画素回路とを有する表示装置であって、
    前記画素回路は、前記発光素子に電流を供給するトランジスタと、前記トランジスタの制御端子に接続された電圧保持手段と、前記選択線の信号によって制御され前記データ線を前記電圧保持手段に接続する第1のスイッチと、前記選択線の信号によって制御され前記データ線を前記トランジスタに接続する第2のスイッチとを備え、
    前記制御ユニットは、前記選択線の信号により前記第1のスイッチが閉じている第1の選択期間に前記データ線から規定の階調に対応する電圧又は電流信号を供給して前記電圧保持手段に電圧信号を保持させると共に、
    前記選択線の信号により前記第1のスイッチと第2のスイッチが閉じている第2の選択期間に前記データ線に前記規定の階調に対応する前記電流信号を供給し、
    前記選択線の信号により前記第1のスイッチが閉じている第3の選択期間に前記データ線から輝度に応じた電圧信号を供給して前記電圧保持手段にプログラム電圧を保持させることを特徴とする表示装置。
  2. 前記制御ユニットは、前記データ線の電位変動を検出する検知回路と、プログラム電圧と前記発光素子の電流との関係を規定するデータテーブルとを有しており、前記検知回路により前記第2の選択期間に前記データ線の電位と前記第1の選択期間における前記データ線の電位との電位差が検出され、前記電位差に基づいて前記データテーブルのプログラム電圧と前記発光素子の電流との関係を変更することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  3. 前記規定の階調は、最低階調であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  4. 前記電流信号は、前記トランジスタから前記発光素子に直列に流れることを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置。
  5. 前記制御ユニットは、前記データテーブルを変更する際に前記電位差に応じて前記データテーブルの全ての電圧信号を一定量増減することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の表示装置。
  6. 前記制御ユニットは、前記データテーブルを変更する際に前記電位差に応じて前記データテーブルの全ての電圧信号に一定の比率を乗じることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の表示装置。
  7. 前記検知回路は前記データ線毎に配置されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の表示装置。
  8. 前記画素回路は前記トランジスタを含むカレントミラー回路を備えていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の表示装置。
  9. 複数のデータ線と、複数の選択線と、前記データ線に電圧信号と電流信号を供給する制御ユニットと、前記データ線から前記電圧信号と電流信号を受けて発光素子を駆動する画素回路とを有し、
    前記画素回路は、前記発光素子に電流を供給するトランジスタと、前記トランジスタの制御端子に接続された電圧保持手段とを備えた表示装置の駆動方法であって、
    前記発光素子に電流を流して発光させる発光期間と、前記発光期間の前に前記発光素子に流す電流を設定する選択期間とを備え、
    前記選択期間内に、
    前記データ線に規定の階調に対応する電圧又は電流信号を供給して前記電圧保持手段に前記電圧信号を保持させる第1の工程と、
    前記第1の工程の後に前記データ線に前記規定の階調に対応する前記電流信号を供給する第2の工程と、
    前記データ線から輝度に応じた電圧信号を供給して前記電圧保持手段にプログラム電圧を保持させる第3の工程と、
    を含むことを特徴とする表示装置の駆動方法。
  10. 前記表示装置はプログラム電圧と前記発光素子の電流との関係を規定するデータテーブルを有しており、前記第2の工程において前記データ線の電位と前記第1の工程における前記データ線の電位との電位差を検出し、前記電位差に基づいて前記データテーブルのプログラム電圧と前記発光素子の電流との関係を変更することを特徴とする請求項9に記載の表示装置の駆動方法。
  11. 前記第2の工程において、前記トランジスタを閉じて、前記電流信号を前記トランジスタから前記発光素子に直列に流すことを特徴とする請求項9又は10に記載の表示装置の駆動方法。
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