JP2009281660A - スターリング機関 - Google Patents

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耕輔 渡辺
Makoto Ijiri
良 井尻
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Abstract

【課題】膨張空間内での作動媒体の流れのよどみを減少させて外部との熱交換の効率を向上させる。
【解決手段】シリンダ3内にピストン1と同軸上に往復可能に配置されるディスプレーサ2を、弾性体4により低温側外部熱交換部6に対して弾性支持する。この弾性体は、ディスプレーサの往復動を駆動力として動作し、膨張空間8内の作動媒体を撹拌する撹拌部材として機能する。撹拌部材により、膨張空間内の作動媒体の流れのよどみは減少され、低温側外部熱交換部と外部との熱交換の効率を向上させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、スターリング機関に関し、特に、外部との熱交換の効率の向上を目指した技術に関する。
図3に、冷熱の発生を目的とした従来のフリーピストン型スターリング機関(冷凍機)の構成部品の一構成例を模式的に示した断面図である。スターリング機関120は、有底円筒状のケーシング112内に、円筒状のシリンダ103が同軸上に配置されている。ケーシング112とシリンダ103の図3紙面左側の開放端には、円盤状の低温側外部熱交換部(コールドヘッド)106が取り付けられている。ケーシング112とシリンダ103との軸方向略中央部には貫通穴が周方向に複数設けられ、各貫通穴に高温側外部熱交換部(ウォームヘッド)107が嵌着されている。
高温側外部熱交換部107の内面部は、シリンダ103の内周面と面一となって後述する圧縮空間109に接している。他方、低温側外部熱交換部106の内面中央凹部は、後述する膨張空間108に接している。
シリンダ103内には、ピストン101とディスプレーサ102が往復直線運動可能に同軸上に配置されている。ディスプレーサ102の一端面から棒状に延びて形成されたディスプレーサロッド113はピストン101の中心部を軸方向に貫通する摺動穴101aを貫通し、ピストン101、ディスプレーサ102はシリンダ103内周摺動面を滑らかに摺動可能である。またピストン101はバネ等の弾性体105、ディスプレーサ102はバネ等の弾性体104によって後述する背圧空間110内でケーシング112に対して弾性支持されている。
シリンダ103内に形成される空間はピストン101によって軸方向(図3の紙面左右方向)に関して2つの空間に大きく分割される。一つはピストン101から見てディスプレーサ102のある側に位置する作動空間であり、もう一つはピストン101から見てディスプレーサ102のある側とは反対側に位置する背圧空間110である。この2つの空間には高圧のヘリウムガス等の作動媒体が充填されている。
背圧空間110は、シリンダ103の図3紙面右側の開放端を通じてシリンダ103内部だけでなくケーシング102内部に形成されるシリンダ103外周の空間にまで広がっている。背圧空間110の圧力はスターリング機関120が動作中でもおおむね動作圧力の平均圧力に保たれている。
作動空間は、ディスプレーサ102によって軸方向(図3の紙面左右方向)に関してさらに2つの空間に分割されている。一つはピストン101とディスプレーサ102に挟まれた圧縮空間109であり、もう一つはシリンダ103と低温側外部熱交換部106に挟まれた膨張空間108である。この2つの空間は再生器111を備えた往復通路114を介して連結されている。再生器111は一般にメッシュ形状の銅材などにより形成されている。
ピストン101はリニアモータ等の図示しないピストン駆動体により所定周期で直線往復動される。これにより作動媒体は作動空間(上記圧縮空間109と上記膨張空間108の和)内で圧縮、膨張される。ディスプレーサ102は、作動空間内で圧縮、膨張される作動媒体の圧力変化により直線的に往復動される。このときピストン101とディスプレーサ102は、一般に約90度の位相差をもって同一周期にて往復動するよう設定されている。
このようなピストン101とディスプレーサ102の位相差を伴った往復動により、作動空間内で作動媒体が逆スターリングサイクルとして既知の熱力学的サイクルを構成し、圧縮空間109における作動媒体により、高温側外部熱交換部107において外部と熱交換して発熱され、膨張空間108における作動媒体により、低温側外部熱交換部106において外部と熱交換して吸熱される(外部が冷却される)。
ここで、ピストン101とディスプレーサ102の位相差により膨張空間108側では常に吸熱、圧縮空間109側では常に発熱が起こるように調整されているが、各空間108、109内の作動媒体の流動が不均一である場合、各外部熱交換部106、107を通じて外部と熱交換される熱量が低下する。上記の従来のスターリング機関120においては、膨張空間108内の作動媒体の流動は専らディスプレーサ102の移動によって行われており、膨張空間108内における作動媒体の流れによどみが発生している領域ができる。これにより外部熱交換部106との熱の授受が減少し、理想的な逆スターリングサイクルよりも外部との熱交換の効率が低下している。
なお、特許文献1には、燃焼ガスから熱量を吸収するヒータチューブに整流板を設け、この整流板によって燃焼ガスの流れを制御することで熱交換効率を向上させることが記載されている。しかし、整流板は不動であり、その形状によって流体の流れを制御するものであり、積極的に流体を動かすものではない。このため、整流板を、上記のスターリング機関において、膨張空間内に整流板を設置したとしても、作動媒体の流れのよどみを減少させるには限界がある。
また、上記のスターリング機関120では、ディスプレーサロッド113はピストン101と同軸を取った状態でピストン101内部を貫通しているが、圧縮空間109と背圧空間110との間でシール性を維持するためにディスプレーサロッド113とピストン101の嵌合部の加工精度は非常に高いものが要求される。そのため、加工費が大きくなる一因となっている。
特開昭61−226547号公報
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、作動空間内での作動媒体の流れのよどみを減少させて外部との熱交換の効率を向上させること目的とする。
上記目的を達成するため本発明のスターリング機関は、作動媒体の封入されたシリンダ内に配置され往復動されるピストンと、前記ピストンを駆動する駆動源と、前記シリンダ内に前記ピストンと同軸上に往復動可能に配置されるディスプレーサと、前記シリンダ内の前記ディスプレーサの前記ピストン側に形成される圧縮空間と、前記シリンダ内の前記ディスプレーサの前記ピストンと反対側に形成される膨張空間と、前記シリンダ周囲部に設けられ前記圧縮空間内の前記作動媒体と外部との間で熱交換を行う高温側外部熱交換部と、前記シリンダ先端部に設けられ前記膨張空間内の前記作動媒体と外部との間で熱交換を行う低温側外部熱交換部と、前記圧縮空間と前記膨張空間との間を連絡する前記作動媒体の通路と、を備え、前記ディスプレーサの往復動を駆動力として動作し、前記膨張空間内の作動媒体を撹拌する撹拌部材を設けたことを特徴としている。
この構成によると、駆動源によりピストンが駆動されることにより、ピストンとディスプレーサが所定の位相差を持って往復動されることにより、圧縮空間及び膨張空間内の作動ガスが逆スターリングサイクルを構成し、圧縮空間における作動媒体により、高温側外部熱交換部において外部と熱交換して発熱され、膨張空間における作動媒体により、低温側外部熱交換部において外部と熱交換して吸熱される。圧縮空間と膨張空間の圧力差により、作動媒体は通路を通って両空間を往来する。このとき、膨張空間内の作動媒体は、ディスプレーサの往復動を駆動力として動作する撹拌部材により撹拌される。これにより、膨張空間内での作動媒体の流れのよどみは減少される。また、撹拌部材は、ディスプレーサの動作を駆動力としているため、撹拌部材を駆動するための新たな駆動力は必要としない。
また本発明は、前記撹拌部材が、前記ディスプレーサを前記低温側外部熱交換部に対して弾性支持する弾性体であることを特徴としている。
この構成によると、撹拌部材を、ディスプレーサの共振系における弾性体と共有できる。つまり、従来は背圧空間に設置されていたディスプレーサの共振系における弾性体を、膨張空間側へ移設したことで、膨張空間内の作動媒体を積極的に攪拌することで外部との熱交換を促進できる。つまり、弾性体によって、共振系のバネと作動媒体の攪拌の機能を共有することができる。さらに、従来は弾性体が背圧空間にあったために弾性体とディスプレーサを接続するディスプレーサロッドが必要であったが、弾性体を膨張空間側へ移設することによって、ディスプレーサロッドが不要となり、それが貫くピストンの貫通孔も不要となった。このことによって、ピストンとディスプレーサとディスプレーサロッド間の同軸を規定する必要がなくなり、加工コストを低減することができる。
ディスプレーサロッドを廃止すると、圧縮空間内でディスプレーサロッドが占めていた体積だけ圧縮空間の体積が増えることになる。ディスプレーサの駆動力は、ディスプレーサの2つの端面に働く(圧縮空間と膨張空間の)圧力差によって生まれる。よって、ディスプレーサロッドを廃止してもディスプレーサの駆動力を従来と同様に得るためには、圧縮空間の体積の増分をキャンセルする必要がある。
そこで本発明では、前記ディスプレーサを、前記圧縮空間側の小径円柱部と前記膨張空間側の大径円柱部とが段差を有して同軸に連結された異径円柱形状とするとともに、前記シリンダ内部を、前記小径円柱部に対応した小径空洞部と前記大径円柱部に対応した大径空洞部とが段差を有して同軸に連結された異径空洞形状としている。
この構成によると、ディスプレーサの2つの端面の面積が圧縮空間側で小さく、膨張空間側で大きくなり、それに合わせてシリンダ内部の空洞の断面積が圧縮空間で小さく、膨張空間で大きくなり、ディスプレーサロッドを廃止したことによる圧縮空間の体積の増分をキャンセルすることが可能となる。よって、ディスプレーサの駆動力を従来と同様に得ることができる。さらに、ディスプレーサが直径の異なる2つの円柱の同軸を合わせたような形状であり、同軸を取るべき上記2つの円柱のどちらかとそれが嵌るシリンダの軸方向の長さが大幅に減少するために同軸精度の要求される長さが減少しコストの低減となる。
また本発明は、前記ディスプレーサの段差と前記シリンダの段差の間に、前記ディスプレーサの往復動の中立位置を基準として前記ディスプレーサのストロークの1/2より大きな間隙が形成されたことを特徴としている。
この構成によると、ディスプレーサの可動域に対応した間隙によるガスバネ効果によって、弾性体のバネ定数を上記ガスバネに振り分けることができる。したがって、従来技術に比べ、弾性体のバネ定数を小さくすることができ、同じ大きさの弾性体であれば破断に対する信頼性をより大きくすることができ、また、同じ信頼性を確保する場合はより弾性体をより小さくすることができる。
本発明によると、膨張空間内の作動媒体は、ディスプレーサの往復動を駆動力として動作する撹拌部材により積極的に撹拌される。これにより、膨張空間内での作動媒体の流れのよどみは減少され、低温側外部熱交換部と外部との熱交換の効率を向上させることができる。
以下に、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、本発明による冷熱の発生を目的としたフリーピストン型スターリング機関(冷凍機)の構成部品の一構成例を模式的に示した断面図である。スターリング機関20は、有底円筒状のケーシング12内に、円筒状のシリンダ3が同軸上に配置されている。ケーシング12とシリンダ3の図1紙面左側の開放端には、円盤状の低温側外部熱交換部(コールドヘッド)6が取り付けられている。ケーシング12とシリンダ3との軸方向略中央部には貫通穴が周方向に複数設けられ、各貫通穴に高温側外部熱交換部(ウォームヘッド)7が嵌着されている。
シリンダ3内には、ピストン1とディスプレーサ2が往復直線運動可能に同軸上に配置されている。ピストン1はバネ等の弾性体5により後述する背圧空間10内でケーシング112に対して弾性支持されている。他方、ディスプレーサ2はバネ等の弾性体4によって後述する膨張空間8内で低温側外部熱交換部6に対して弾性支持されている。
高温側外部熱交換部7の内面部は、シリンダ3の内周面と面一となって後述する圧縮空間9に接している。他方、低温側外部熱交換部6の内面中央凹部は、後述する膨張空間8に接している。
シリンダ3内に形成される空間はピストン1によって軸方向(図1の紙面左右方向)に関して2つの空間に大きく分割される。一つはピストン1から見てディスプレーサ2のある側に位置する作動空間であり、もう一つはピストン1から見てディスプレーサ2のある側とは反対側に位置する背圧空間10である。この2つの空間には高圧のヘリウムガス等の作動媒体が充填されている。
背圧空間10は、シリンダ3の図1紙面右側の開放端を通じてシリンダ3内部だけでなくケーシング2内部に形成されるシリンダ3外周の空間にまで広がっている。背圧空間10の圧力はスターリング機関が動作中でもおおむね動作圧力の平均圧力に保たれている。
作動空間は、ディスプレーサ2によって軸方向(図1の紙面左右方向)に関してさらに2つの空間に分割されている。一つはピストン1とディスプレーサ2に挟まれた圧縮空間9であり、もう一つはシリンダ3と低温側外部熱交換部6に挟まれた膨張空間8である。この2つの空間は再生器11を備えた往復通路14を介して連結されている。再生器11は一般にメッシュ形状の銅材などにより形成されている。
ピストン1はリニアモータ等の図示しないピストン駆動体により所定周期で直線往復動される。これにより作動媒体は作動空間(上記圧縮空間9と上記膨張空間8の和)内で圧縮、膨張される。ディスプレーサ2は、作動空間内で圧縮、膨張される作動媒体の圧力変化により直線的に往復動される。このときピストン1とディスプレーサ2は、一般に約90度の位相差をもって同一周期にて往復動するよう設定されている。
このようなピストン1とディスプレーサ2の位相差を伴った往復動により、作動空間内で作動媒体が逆スターリングサイクルとして既知の熱力学的サイクルを構成し、圧縮空間9における作動媒体により、高温側外部熱交換部7において外部と熱交換して発熱され、膨張空間8における作動媒体により、低温側外部熱交換部6において外部と熱交換して吸熱される。圧縮空間9と膨張空間8の圧力差により、作動媒体は通路を通って両空間を往来する。このとき、膨張空間8内の作動媒体は、ディスプレーサ2の往復動を駆動力として動作する弾性体4により撹拌される。つまり、弾性体4は膨張空間8内の作動媒体を撹拌する撹拌部材としての機能を果たす。これにより、膨張空間8内での作動媒体の流れのよどみは減少され、低温側外部熱交換部6と外部との熱交換の効率を向上させることができる。
次に、従来技術(図3)と本発明(図1)を比較して各部品の構造について説明する。
ピストン1は従来技術(図3)においてはピストン101の軸中心をディスプレーサロッド113が貫通していたためにそれに対応する貫通孔を形成する必要があったが、本発明(図1)においては、ディスプレーサロッド113は不要であるため従来技術にある貫通孔も不要となる。したがって、断面が図1のような円筒状の部品となる。
従来技術(図3)では、ピストン101とディスプレーサ102とディスプレーサロッド113とシリンダ103のすべての同軸を高精度に取る必要があったが、本発明(図1)においては、ディスプレーサロッド113が必ずしも必要ではないため、ディスプレーサロッド113がない図1のような形状の場合、ピストン1とディスプレーサ2とシリンダ3すべての同軸を取る必要はなくなり、加工精度を落とすことができコスト低減ができる。ここで同軸を取る必要があるのは、ピストン1とシリンダ3の嵌合部分と、ディスプレーサ2とシリンダ3の嵌合部分のそれぞれである。
ディスプレーサロッドを廃止すると、圧縮空間内でディスプレーサロッドが占めていた体積だけ圧縮空間の体積が増えることになる。ディスプレーサの駆動力は、ディスプレーサの2つの端面に働く(圧縮空間と膨張空間の)圧力差によって生まれる。よって、ディスプレーサロッドを廃止してもディスプレーサの駆動力を従来技術と同様に得るためには、圧縮空間の体積の増分をキャンセルする必要がある。
そこで本発明では、図1に示すように、ディスプレーサ2を、圧縮空間9側の小径円柱部2aと膨張空間8側の大径円柱部2bとが段差2cを有して同軸に連結された異径円柱形状とするとともに、シリンダ3内部を、小径円柱部2aに対応した小径空洞部3aと大径円柱部2bに対応した大径空洞部3bとが段差3cを有して同軸に連結された異径空洞形状としている。
これにより、ディスプレーサ2の2つの端面の面積が圧縮空間9側で小さく、膨張空間8側で大きくなり、それに合わせてシリンダ3内部の空洞の断面積が圧縮空間9で小さく、膨張空間8で大きくなり、ディスプレーサロッドを廃止したことによる圧縮空間の体積の増分をキャンセルすることが可能となる。よって、ディスプレーサの駆動力を従来技術と同様に得ることができる。さらに、ディスプレーサ2が直径の異なる2つの円柱の同軸を合わせたような形状であり、同軸を取るべき上記2つの円柱のどちらかとそれが嵌るシリンダの軸方向の長さが大幅に減少するために同軸精度の要求される長さが減少しコストの低減となる。
また本発明では、図1に示すように、ディスプレーサ2の直線往復運動による最大振幅時にディスプレーサ2とシリンダ3の衝突が生じないだけの上記直線往復運動軸方向の間隙13が最低限必要である。つまり、ディスプレーサ2の段差2cとシリンダ3の段差3cとの間に、ディスプレーサ2の往復動の中立位置を基準としてスターリング機関20の動作時のディスプレーサ2の片側最大振幅(ストロークの1/2)より大きい距離が必要ということである。なお、フリーピストン型スターリング機関におけるディスプレーサ2の片側最大振幅は、ディスプレーサ2の底面に加わる力の差の最大値、つまり、ディスプレーサ2の駆動力の最大値と、ディスプレーサ2の重量と、弾性体4のバネ定数と、主に再生器11による減衰力と、スターリング機関20の駆動周波数(角振動数)による共振系によって決まる。また、ディスプレーサ2とシリンダ3の円筒面のクリアランスは膨張空間8から圧縮空間9の間での作動媒体の行き来によるスターリングサイクルの性能の低下が十分無視できる程度に狭くなっているため、間隙13の空間の圧力は準密閉状態となっている。したがって、間隙13の空間はディスプレーサ2の変位に対してバネの役割も果たす。
なお、図2の変形例に示すように、間隙13の空間と背圧空間10を貫通孔15を介して連通させる構造としてもよい。但しこの場合、間隙13の圧力は背圧空間10の圧力と同等、すなわちスターリング機関20の動作時においてほぼ動作圧力の平均圧力となり、間隙13の空間にある作動媒体による弾性体としての効果は生じない。
弾性体4は、ディスプレーサ2の共振系におけるバネの役割を果たしている。したがって、ディスプレーサ2の重量と駆動周波数(角振動数)とで決まるバネ定数にしなければならない。本発明においては、間隙13の空間によるバネの効果があるので、そのバネ定数に弾性体4のバネ定数を足し合わせたものが上記共振系のバネ定数となる。逆に言えば、上記共振系のバネ定数となるように、間隙13の空間によるバネ定数と弾性体4によるバネ定数を振り分けるような設計にする必要があるということである。ここで、従来技術(図3)での弾性体104はディスプレーサ102の共振系におけるバネの役割をすべて担っていたが、本発明における弾性体4は間隙13の空間によるバネの効果があるので、その分、バネ定数を低下させることができる。このことは、所定の変位が必要という制限の上で同じ大きさの弾性体を設計する場合、破断に対する信頼性が向上するというメリットも生じる。一方、図2の変形例に示すように、間隙13の空間と背圧空間10を導通させた場合は従来技術(図3)と同様に弾性体4はディスプレーサ2の共振系におけるバネの役割をすべて担うことになる。
また、弾性体4は膨張空間8内の作動媒体を撹拌する撹拌部材としての機能も果たしているため、撹拌効果が大きくなるような形状が望ましい。具体例を図4に示す。弾性体4のスターリング機関における配置例の設置部近辺の断面図を図5に示す。図4のような平板の弾性体(板バネ)を用いる場合、弾性体4は弾性体周辺部の複数の固定孔17で低温側外部熱交換部6に固定され、ディスプレーサ2は弾性体中央部の支持孔16で弾性体2に支持される。図5において、ディスプレーサ2は紙面左右方向に直線往復運動するため、それに対応して弾性体4も紙面左右方向に変形する。この変形により弾性体4が設置されている膨張空間8内の作動媒体を攪拌する。また、図5のように、弾性体4を低温側外部熱交換部6に固定する場合、弾性体4が膨張空間8中の作動媒体からの冷熱を熱伝達により低温側外部熱交換部6に伝えることにより、冷却性能が向上する。
なお、図1や図2において、弾性体5は、ピストン1の駆動状態における振幅の中心位置を静止状態の中立位置に保持するためのものである。フリーピストン型スターリング機関でのピストン1の共振系におけるバネはほとんどが作動媒体によるものであるため、弾性体5のバネ定数はあまり厳しく制限されない。上記保持が可能な程度のバネ定数であればよい。形状についてもバネ定数による制約を考える必要はない。
なお、計算機による流体解析によって、本発明の効果を従来技術と比較して確認した。本発明と従来技術の評価形状を図6、図7にそれぞれ示す。出来るだけ計算を簡略にするために、2次元軸対称モデルとした。図6、図7に示す対称軸Aに対して図面に表された形状を1回転したものが実質計算したモデルである。従来技術(図7)の評価形状は、本発明の評価形状(図6)から弾性体4を取り除いた形状である。
図6および図7において、ディスプレーサ2の左端面およびディスプレーサ102の左端面は、一定の周波数(角振動数)で図面左右方向に一定の振幅で振動している。ディスプレーサ2およびディスプレーサ102の動作に応じて膨張空間8および膨張空間108の容積は常に変化しているがその変化による作動媒体の移動は図6および図7中、作動媒体流入流出部で行われている。さらに、実際のスターリング機関と同様に、ピストン1(ピストン101)およびディスプレーサ2(ディスプレーサ102)の位相差をもって、作動媒体流入流出部で圧力を規定している。つまり、作動媒体流入流出部では、ピストン1(ピストン101)による圧力変化をしながら作動媒体が流入および流出をしているということである。また、本発明においては、弾性体4はディスプレーサ2を弾性支持するものであるため、ディスプレーサ2の振幅と弾性体4の形状により決まる所定の振幅をもってディスプレーサ2と同一の周波数(角振動数)で振動するように設定している。
計算結果を図8、図9に示す。図8は、本発明および従来技術の膨張空間における作動媒体の乱流エネルギーの平均値のスターリングサイクルの1サイクルの変化である。従来技術に比べ、本発明では1サイクル全体に渡って乱流エネルギーの平均値が大きい値を示しており、弾性体4による攪拌効果により乱流が生じ、作動媒体がよりかき混ぜられていることが分かる。
図9は、本発明(図6)および従来技術(図7)の膨張空間における作動媒体の温度の標準偏差の逆スターリングサイクルの1サイクルの変化である。つまり、各時刻における膨張空間の温度のばらつきの度合いを1サイクルを通して計算したものである。観測点の数は、上記膨張空間内の領域を十分細かく区切ったメッシュの数(約5,000)として計算している。なお、この数は十分正確な結果が得られる分割数であることが重要であってその数は対称とする形状によって変わる。従来技術に比べ、本発明では弾性体4による攪拌効果により1サイクルを通して作動媒体の温度のばらつきが小さくなっていることが分かる。
以上、本発明のスターリング機関の実施の形態を、冷熱を得るための冷凍機を例にして説明してきたが、この技術は冷凍機に限るものではなく、動力を得るための発動機にも応用できることはいうまでもない。
本発明は、スターリングサイクル装置全般に利用可能である。
本発明のスターリング機関の構成を模式的に示した断面図である。 本発明のスターリング機関の構成を模式的に示した断面図である。 従来技術のスターリング機関の構成を模式的に示した断面図である。 フリーピストン型スターリング機関でのディスプレーサ側の弾性体の具体例である平板の弾性体を示す平面図である。 本発明においてディスプレーサ側の弾性体に平板の弾性体を用いた場合の、弾性体近辺の構成を示す具体的なスターリング機関の断面図である。 流体解析における本発明の評価形状を示す、スターリング機関の膨張空間近辺の断面図である。 流体解析における従来技術の評価形状を示す、スターリング機関の膨張空間近辺の断面図である。 本発明および従来技術の膨張空間における作動媒体の乱流エネルギーの平均値のスターリングサイクルの1サイクルの変化を示すグラフである。 本発明および従来技術の膨張空間における作動媒体の温度の標準偏差のスターリングサイクルの1サイクルの変化を示すグラフである。
符号の説明
1 ピストン
2 ディスプレーサ
3 シリンダ
4 弾性体(撹拌部材)
5 弾性体
6 低温側外部熱交換部
7 高温側外部熱交幹部
8 膨張空間
9 圧縮空間
10 背圧空間
11 再生器
12 ケーシング
13 間隙
14 通路
15 通気孔
16 ディスプレーサを支持する支持孔
17 低温側外部熱交換部へ固定される固定孔
20 スターリング機関
101 ピストン
102 ディスプレーサ
103 シリンダ
104 弾性体
105 弾性体
106 低温側外部熱交換部
107 高温側外部熱交幹部
108 膨張空間
109 圧縮空間
110 背圧空間
111 再生器
112 ケーシング
113 ディスプレーサロッド
120 スターリング機関

Claims (4)

  1. 作動媒体の封入されたシリンダ内に配置され往復動されるピストンと、
    前記ピストンを駆動する駆動源と、
    前記シリンダ内に前記ピストンと同軸上に往復動可能に配置されるディスプレーサと、
    前記シリンダ内の前記ディスプレーサの前記ピストン側に形成される圧縮空間と、
    前記シリンダ内の前記ディスプレーサの前記ピストンと反対側に形成される膨張空間と、
    前記シリンダ周囲部に設けられ前記圧縮空間内の前記作動媒体と外部との間で熱交換を行う高温側外部熱交換部と、
    前記シリンダ先端部に設けられ前記膨張空間内の前記作動媒体と外部との間で熱交換を行う低温側外部熱交換部と、
    前記圧縮空間と前記膨張空間との間を連絡する前記作動媒体の通路と、
    を備え、
    前記ディスプレーサの往復動を駆動力として動作し、前記膨張空間内の作動媒体を撹拌する撹拌部材を設けたことを特徴とするスターリング機関。
  2. 前記撹拌部材が、前記ディスプレーサを前記低温側外部熱交換部に対して弾性支持する弾性体であることを特徴とする請求項1に記載のスターリング機関。
  3. 前記ディスプレーサを、前記圧縮空間側の小径円柱部と前記膨張空間側の大径円柱部とが段差を有して同軸に連結された異径円柱形状とするとともに、前記シリンダ内部を、前記小径円柱部に対応した小径空洞部と前記大径円柱部に対応した大径空洞部とが段差を有して同軸に連結された異径空洞形状としたことを特徴とする請求項2に記載のスターリング機関。
  4. ディスプレーサの前記段差とシリンダの前記段差との間に、前記ディスプレーサの往復動の中立位置を基準として前記ディスプレーサのストロークの1/2より大きな間隙が形成されたことを特徴とする請求項3に記載のスターリング機関。
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