JP2009281619A - 最適制御装置、最適制御支援装置および最適制御方法 - Google Patents

最適制御装置、最適制御支援装置および最適制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】給湯機の運転コストを低減すること。
【解決手段】シミュレーション部112により給湯機のシミュレーションを行いながら最適運転ルール生成部111がGAを用いて運転ルールを生成する。シミュレーション部112は、カレンダー情報記憶部102が記憶するカレンダー情報、運転情報記憶部104が記憶する運転情報、環境情報記憶部106が記憶する環境情報、電気料金記憶部108が記憶する電気料金を用いて給湯機のシミュレーションを行う。環境変化検知部110は給湯機の運転環境の変化を検知し、運転環境が変化すると、最適運転ルール生成部111が運転ルールを生成する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、制御ルールを用いて機器の動作が最適となるように制御する技術に関するものである。
家庭からのCO2排出量を削減する方策の一つとして、高い環境性を発揮するヒートポンプ式給湯機の普及が期待されている。広く家庭へヒートポンプ式給湯機を普及させるには、環境性の高さに加えて、経済性の高さが重要となる。
このため、ヒートポンプ式給湯機の導入・運転コストの削減を目指して、設置条件に合った、適切な機器構成を提案する、ヒートポンプ式給湯機最適構成探索ツール(以下、最適構成探索ツール)が開発されている。この最適構成探索ツールを用いることで、利用者の設置条件に合った、ヒートポンプとタンクの組合せを選択することができる。ここで設置条件とは、利用者の給湯需要と、ヒートポンプ式給湯機の設置に利用可能なスペースを表している。
また、最適構成探索ツールには、運転ルールのパラメータを最適化する機能があり、運転コストが少なくなるように、設置条件に合わせてヒートポンプ式給湯機の運転ルールのパラメータを最適化することができる(例えば、非特許文献1参照。)。
所健一、橋本克己、篠原靖志、「ヒートポンプ式給湯機最適構成探索ツールの開発」電力中央研究所研究報告(R06018)、2007年
上記最適構成探索ツールでは、現状のヒートポンプ式給湯機で採用されている運転ルールのパラメータを、設置条件に合わせて最適な値に調整している。しかしながら、上記最適構成探索ツールには、運転環境の変化に対応して運転ルール自体を変えることはできないという問題がある。現状の機器の運転ルールにとらわれず、運転環境の変化に対応して新たな運転ルールを生成すれば、さらなる運転コストの削減が可能になると期待される。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであり、給湯機の運転環境の変化に対応して最適な制御ルールを生成することができる最適制御装置、最適制御支援装置および最適制御方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、機器が運転される運転環境に関するデータを収集し、制御ルールにより制御される機器の動作を収集したデータを用いてシミュレートし、シミュレートした機器の動作が最適となるような制御ルールを生成し、生成した制御ルールに基づいて機器を制御することを特徴とする。
また、本発明は、制御ルールにより制御される機器の動作をシミュレートし、シミュレートする機器の動作が最適となるような制御ルールを遺伝的アルゴリズムを用いて生成することを特徴とする。
本発明によれば、制御ルールを生成して制御に利用するので、異なる運転環境に対応して最適な制御を行うことができるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、この発明に係る最適制御装置、最適制御支援装置および最適制御方法の好適な実施例を詳細に説明する。
まず、本実施例に係る給湯機最適運転制御装置の構成について説明する。図1は、本実施例に係る給湯機最適運転制御装置の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、この給湯機最適運転制御装置100は、カレンダー情報収集部101と、カレンダー情報記憶部102と、運転情報収集部103と、運転情報記憶部104と、環境情報収集部105と、環境情報記憶部106と、電気料金受付部107と、電気料金記憶部108と、給湯機性能情報記憶部109と、環境変化検知部110と、最適運転ルール生成部111と、シミュレーション部112と、運転ルール記憶部113と、給湯機制御部114とを有する。
カレンダー情報収集部101は、一定の時間間隔で、曜日、日付、時刻の情報をカレンダー情報として収集する処理部であり、収集したカレンダー情報をカレンダー情報記憶部102に格納する。給湯需要は、図2に示すように、季節、曜日、時間帯によって変化する。そこで、日時によって変化する給湯需要に合わせて給湯機を制御するために、カレンダー情報収集部101がカレンダー情報を収集する。カレンダー情報記憶部102は、カレンダー情報収集部101により収集されたカレンダー情報を記憶する記憶部である。
運転情報収集部103は、一定の時間間隔で、給湯機の使用開始から現在までの給湯量および生成湯量ならびにタンク内の湯量の情報を運転情報として収集する処理部であり、収集した運転情報を運転情報記憶部104に格納する。また、この運転情報収集部103は、収集した運転情報から一定時間ごとの給湯需要を算出して運転情報記憶部104に格納する。
運転情報記憶部104は、運転情報収集部103により収集された運転情報を記憶する記憶部である。また、この運転情報記憶部104は、運転情報収集部103により算出された一定時間ごとの給湯需要を記憶する。
環境情報収集部105は、一定の時間間隔で、現在の気温、入水温を環境情報として収集する処理部であり、収集した環境情報を環境情報記憶部106に格納する。環境情報記憶部106は、環境情報収集部105により収集された環境情報を記憶する記憶部である。
電気料金受付部107は、電気料金の改定があった場合に、保守員が入力する電気料金を受け付けて電気料金記憶部108に格納する処理部である。電気料金記憶部108は、電気料金受付部107が受け付けた電気料金を記憶する記憶部である。
給湯機性能情報記憶部109は、給湯性能およびタンク容量を記憶する記憶部である。すなわち、この給湯機性能情報記憶部109は、ヒートポンプの定格能力および気温、入水温度、沸き上げ温度の違いによる効率変化、タンクの容量および放熱ロスに関するデータを記憶する。
環境変化検知部110は、一定の時間間隔でカレンダー情報記憶部102、運転情報記憶部104、環境情報記憶部106、電気料金記憶部108の内容をチェックし、給湯機の運転環境の変化を検知する処理部であり、運転環境の変化を検知すると、最適運転ルール生成部111に運転ルールの更新を指示する。
具体的には、この環境変化検知部110は、カレンダー情報記憶部102が記憶する日付が所定の月日になると、運転環境が変化したと判定する。所定の月日になっても運転環境が変化するとは限らないが、一定期間が経過したために、運転環境が変化する可能性があるので、運転環境が変化したとしている。
また、この環境変化検知部110は、運転情報記憶部104を参照し、所定の時刻における一日の給湯量が所定の閾値以上になると、その日は給湯需要が前倒しされたと判定し、運転環境が変化したと判定する。
また、この環境変化検知部110は、環境情報記憶部106を参照し、気温または入水温の平均値が所定の閾値以上変化すると、運転環境が変化したと判定する。また、この環境変化検知部110は、電気料金記憶部108を参照し、料金体系が変わると、運転環境が変化したと判定する。
この環境変化検知部110が、給湯機の運転環境の変化を検知して最適運転ルール生成部111に運転ルールの更新を指示することによって、給湯機最適運転制御装置100は、運転環境の変化に対応して運転ルールを変えて給湯機を運転することができる。
最適運転ルール生成部111は、環境変化検知部110の指示に基づいて、給湯機の運転ルールを生成し、運転ルール記憶部113が記憶する運転ルールを更新する処理部である。
ここで、運転ルールは、現在時刻やタンク内の残存熱量などがどのような条件の時にヒートポンプをON/OFFするかを決定するif-thenルールの集合である。ヒートポンプのON/OFFの決定に用いる条件には様々なものが考えられるが、ここでは、現在日付、現在時刻、貯湯槽内の残湯量(残存カロリーの最大可能蓄熱量に対する%)、直前30分間の給湯需要量を条件とする。
現在日付を条件とする理由は、給湯需要には季節による増減の偏りがあるためであり、現在時刻を条件とする理由は、給湯需要には時間帯による増減の偏りがあるためである(図2)。また、残湯量を条件とする理由は、湯切れを回避し、低コスト運転を行うためには、残湯量の参照が不可欠と考えられるためであり、直前の一定時間における給湯需要を条件とする理由は、給湯需要は時間でばらつくためである。
運転ルールの条件部は、8個の数字の列で表される(図4)。これらの数字を順にa、b、c、d、e、f、g、hで表現したとき、それぞれの数字が表す意味は次の通りである。
a:日付
b:現在日付がaよりも前か後かを指定する修飾句
c:時刻
d:現在時刻がcよりも前か後かを指定する修飾句
e:残湯量
f:現在残湯量がeよりも少ないか多いかを指定する修飾句
g:直前30分間の給湯需要
h:直前30分間の給湯需要がgよりも少ないか多いかを指定する修飾句
これらa、b、c、d、e、f、g、hが意味する条件文の解釈を文章で書き直すと、
「現在日付がa以前or以降
かつ
現在時刻がc以前or以降
かつ
残湯量がe以上or以下
かつ
直前給湯需要がg以上or以下
ならば」
となる。
また、各条件部にはワイルドカード(#:don't careを意味する数値)を用いることができ、これにより、現在日付、現在時刻、残湯量、給湯需要の4条件全てを満たさなくてもアクションを適用することができる。これは、例えば残湯量のみに注目するif-thenルール、給湯需要のみに注目するif-thenルール等の存在を許すことを意味する。
運転ルールのアクション部では、ワイルドカードを除く全ての条件が一致した場合のアクションを指定し、湯沸しスイッチON、OFFの切り替えを指定する。また、運転ルールは、複数のif-thenルールから成っているため、互いに矛盾するif-thenルールが同時に適用されることも起こり得る。そこで、if-thenルールの適用によるアクションと湯沸しスイッチON/OFFの対応付けを、適用されたONの個数とOFFの個数によって以下のように行うこととする。
(1)ONの数>OFFの数:ONに切り替え
(2)OFFの数>ONの数:OFFに切り替え
(3)ONの数=OFFの数≠0:OFFに切り替え
(4)ONの数=OFFの数=0:スイッチはそのまま
なお、ここでは、スイッチの「切り替えタイミング」を最適化することと、本当に必要なときにだけONにするような運転ルールが生成されることを重視して上記のような対応付けとしたが、この対応付けは変えることもできる。
例えば、(4)の代わりに
(4')ONの数=OFFの数=0:OFFに切り替え
とすれば、特定の条件を満たしている間だけスイッチがONまたはOFFになるように運転することができる。また、(3)の代わりに
(3')ONの数=OFFの数≠0:ONに切り替え
とすることもできる。
最適運転ルール生成部111は、遺伝的アルゴリズム(GA:Genetic Algorithm)を用いて評価値=運転コスト+湯切れ回数×ペナルティを小さくするように運転ルールを最適化する。なお、評価値には、CO2排出量を加えるようにすることもできる。
また、GAとは、ダーウィンの進化論における適者生存の考え方を工学的に模倣した学習アルゴリズムである。図3にGAの概念図を示す。GAでは、解候補を染色体と見立てて複数用意する。そして、各解候補に対して、ある目的関数による評価値を与え、評価値に従って親として選択された染色体に対して、交叉、突然変異というGAオペレータを適用して、次の世代に残すための染色体を生成する。
交叉とは、親として選択された染色体の断片を組み合わせて新たな染色体を生成するオペレータであり、解候補群がより短期間により良い評価を持つように進化速度を向上させる効果がある。また、突然変異とは、染色体の一部を確率的に元の値から別の値へと変化させるオペレータであり、解候補群が局所最適解に陥ることを防ぐ効果がある。図3では、染色体121と染色体122の交叉によって染色体123が生成され、染色体124の突然変異によって染色体125が生成されている。
そして、これらの評価、選択、交叉、突然変異という一連の手順を繰り返すことで、より評価値の高い解が生成される。
図4は、運転ルールを最適化するために用いた染色体を示す図である。同図に示すように、各染色体は複数のif-thenルールで構成される。また、一世代に含まれる個体数は100とし、1000回の世代交代を終えた時点で終了とした。また、各世代で最も評価が良かった個体を次の世代にそのまま引き継ぐ「エリート戦略」を用い、エリート数を2とした。
また、運転ルールを10種類のif-thenルールから構成し、交叉確率を95%、突然変異率を2.4%とした。また、条件部内の数値a、c、e、gそれぞれが扱う値は0−24とし、24をワイルドカードとした。これによって、日付情報については月を前半と後半に分けた24期で1年を分割して扱い、時刻情報については1時間単位で扱うことができる。
また、ペナルティは10000円とし、交叉は二点交叉、個体選択にはトーナメント選択を用いた。なお、初期個体を完全にランダムに生成すると、湯切れが発生しているにも関わらず全く湯を沸かさないような運転ルールが発生し、適応度に極端な差が発生してしまい、初期収束に陥りやすくなってしまう。そこで、初期個体には、日付、時刻、残湯量、直前給湯需要全ての条件がワイルドカードであり、かつアクション部がONであるif-thenルールを含ませた。
さらに、他の時間帯よりも電気料金単価が安い深夜料金時間帯がある場合には、それまでに湯沸しを終了すれば運転コストが削減できるということを考慮して、深夜料金時間帯が終了する時刻にスイッチをOFFにしようとするif-thenルールを含ませる。こういった挙動を示すルールは、初期個体に含ませずに計算を行ってもほとんどの場合自動的に得られるが、初期個体にあらかじめ含ませることでルールの探索効率を向上させることができる。以上のif-thenルールの導入によって、初期個体に含まれる実行可能解の割合を増加し、低コストで湯切れリスクの低い運転ルールを安定して得ることができる。
図1に戻って、シミュレーション部112は、カレンダー情報記憶部102、運転情報記憶部104、環境情報記憶部106、電気料金記憶部108の情報および運転ルールに基づいてヒートポンプ式給湯機をシミュレートする処理部である。このシミュレーション部112は、各染色体(運転ルール)を評価するために最適運転ルール生成部111によって用いられ、各染色体で給湯機を運転した場合の運転コストおよび湯切れ回数、スイッチのON/OFFの状況、残湯量の変化を算出して最適運転ルール生成部111に提供する。
運転ルール記憶部113は、最適運転ルール生成部111によって最適化された運転ルールを記憶する記憶部である。給湯機制御部114は、運転ルール記憶部113が記憶する運転ルール、カレンダー情報記憶部102が記憶する現在日時、運転情報記憶部104が記憶する給湯需要に基づいて給湯機のON/OFFを制御する制御部である。この給湯機制御部114が、運転環境の変化に対応して最適運転ルール生成部111によって生成された運転ルールに基づいて給湯機を制御することによって、運転コストを削減することができる。
次に、本実施例に係る給湯機最適運転制御装置100による運転ルール更新処理について説明する。図5は、本実施例に係る給湯機最適運転制御装置100による運転ルール更新処理の処理手順を示すフローチャートである。
同図に示すように、この運転ルール更新処理では、環境変化検知部110が、一定の時間間隔でカレンダー情報記憶部102、運転情報記憶部104、環境情報記憶部106、電気料金記憶部108の内容をチェックし、給湯機の運転環境に変化があったか否かを判定する(ステップS1)。その結果、給湯機の運転環境に変化がない場合には、運転ルールの更新は必要ないので、処理を終了する。
これに対して、給湯機の運転環境に変化があった場合には、最適運転ルール生成部111がGAを用いて最適運転ルールを生成する(ステップS2)。すなわち、最適運転ルール生成部111は、シミュレーション部112を用いて複数の染色体の評価を行いながら、染色体の選択、交叉、突然変異という一連の手順を繰り返し行うことによって、染色体の最適化、すなわち、運転ルールの最適化を行う。
そして、最適運転ルール生成部111は、最適化した運転ルールを運転ルール記憶部113に設定する(ステップS3)。このように、給湯機の運転環境の変化を検出して運転ルールを更新することによって、運転環境が変化した場合にも低コストで給湯機を運転することができる。
次に、本実施例に係る給湯機最適運転制御装置100のシミュレーションによる評価結果について説明する。なお、ここでは、運転ルールの最適化を最初に一回だけ行い、運転ルールを最適化した場合と非特許文献1の最適構成探索ツールを用いてパラメータを最適化した場合とで年間運転コストを比較することによって評価を行った。
また、評価にあたって、給湯需要としては、実際の家庭において30分間隔で計測された1年分の給湯需要を用いた。夏期(7月〜9月)、冬期(1月〜3月、12月)、中間期(4月〜6月、10月〜11月)の各時刻の平均需要量を図6に示す。また、電気料金単価としては、図7に示すデータを用い、各月の気温および入水温度として、図8に示すデータを用いた。また、機器構成としては、定格加熱能力4.5KWのヒートポンプ式給湯機と容量300リットルのタンクを用いた。
図9は、最適運転ルール生成部111により生成された運転ルールを示す図である。同図に示すように、ここでは、給湯機をONするルールが3つ、給湯機をOFFするルールが7つ生成されている。
図10は、図9の運転ルールを実行したときのシミュレーション結果と、それにともなう残湯量の変化の例である。また、図11は、図9のif-thenルールが1日のうちいつ適用されているかを図示したものである。
深夜時間帯は、ルール1による1日中断続的に続くスイッチONと「昼より前は多めに湯を沸かす」ように働くルール10によるスイッチONの発動を、ルール9による2時までのスイッチOFFが細かく抑制することによって湯を沸かし、早朝の給湯需要を満たしている。その後はこれを、ルール2による7時から24時までのスイッチOFFが抑制することによって、朝7時までの貯湯を実現し、これによって夕方までの給湯需要を全て満たしていることがわかる。22時にルール4によって再度ONになり、さらに22時半にルール7によってスイッチがOFFになっている。
ルール4は夜9時以降に残湯量が少なくなってきたらスイッチをONにして湯切れを避けるような「フェイルセーフの役割を果たすルール」であり、一方ルール7は、8時以降に残湯量に余裕があればスイッチをOFFにするような「節電を促すif-thenルール」である。なお、使用した給湯需要データでは、30分間に発生する給湯のほぼ全てが9200kcal以下に収まるため、ルール7の直前30分の給湯需要の条件は殆どの場合に成立し、実質的にワイルドカードとほぼ同じ働きをする。
このように様々なif-thenルールが協調的に動作することによって、以下の特性を持つ柔軟性の高い動作を実現することができる。
・電気料金単価が安い7時までに可能な限り湯を貯めておく。
・7時までに貯めた湯だけではまかないきれない時だけ、7時以降に湯を沸かす。
・冬場深夜の給湯需要に対応して湯を沸かす。給湯需要の少ない夏場は自動的に7時よりも前に沸き上げが完了する。
・どういう条件を「まかないきれない」とするかの判定基準を給湯需要に合わせて生成する。
図12は、給湯機の起動停止状態を示す図であり、図12(a)は運転ルールを最適化した場合を示し、図12(b)はパラメータを最適化した従来の場合を示す。また、図13は、年間運転コストおよび湯切れ回数(カッコ内の数字)を運転ルールを最適化した場合とパラメータを最適化した従来の場合とで比較した結果を示す図である。
図12(a)と図12(b)を比較すると、運転ルールを最適化した場合には、電気料金単価が高い23時前の起動が減り、季節に応じて起動/停止パターンが大きく変化している。この結果、図13に示すように、運転ルールを最適化した場合には、運転コストを低減するとともに湯切れをなくすことができる。なお、図13では、タンクの容量を370リットルとした場合のシミュレーション結果も示す。また、図13において、需要多ケースは、需要標準ケースの給湯需要を1.2倍したケースである。
上述してきたように、本実施例では、シミュレーション部112により給湯機のシミュレーションを行いながら最適運転ルール生成部111がGAを用いて運転ルールを生成することとしたので、給湯需要や電気料金などに基づいて最適な運転ルールを生成することができる。したがって、年間の運転コストを低減するとともに湯切れをなくすことができる。
また、本実施例では、環境変化検知部110が給湯機の運転環境の変化を検知し、運転環境が変化すると、最適運転ルール生成部111が運転ルールを生成することとしたので、運転環境の変化に対応して給湯機の運転を最適化することができる。
また、本実施例では、季節や時間帯を考慮した運転ルールに基づいて湯を沸かすこととしたので、給湯需要の変化に対応して給湯機を最適運転することができる。
ところで、上記実施例では、運転ルールの生成を給湯機最適運転制御装置100が行う場合について説明したが、運転ルールの生成を給湯機を制御する装置とは別の装置で行い、別の装置で生成された運転ルールを給湯機の制御装置が記憶して制御を行うようにすることもできる。そこで、運転ルールの生成と給湯機の制御を別の装置で行う場合について説明する。
図14は、運転ルールの生成と給湯機の制御を別の装置で行う場合に、給湯機の制御を行う給湯機装置210と運転ルールの生成を行う外部PC220の構成を示す機能ブロック図である。なお、ここでは説明の便宜上、図1に示した各部と同様の役割を果たす機能部については同一符号を付すこととしてその詳細な説明を省略する。
図14に示すように、給湯機装置210からは、給湯機最適運転制御装置100の給湯機性能情報記憶部109と、最適運転ルール生成部111と、シミュレーション部112とが取り除かれている。また、給湯機装置210は、新たに環境変化報告部211と、給湯機/PCインタフェース部212とを有する。また、外部PC220は、給湯機性能情報記憶部109と、最適運転ルール生成部111と、シミュレーション部112とを有する。
環境変化報告部211は、環境変化検知部110により給湯機の運転環境の変化が検出された場合に、運転環境の変化を表示する処理部である。外部PC220は、給湯機装置210から給湯機/PCインタフェース部212を介してカレンダー情報、運転情報、環境情報および電気料金を受け取り、最適運転ルールを生成して給湯機装置210の運転ルール記憶部113に設定する。
ユーザは、環境変化報告部211により運転環境の変化が表示されると、給湯機の保守員に連絡し、保守員が外部PC220を用いて運転環境の変化に対応した新たな運転ルールを生成し、運転ルール記憶部113に設定する。
このように、運転ルールの生成を別の装置で行うことによって、給湯機装置210のコストを低減し、必要に応じて運転環境の変化に対応した運転ルールを給湯機装置210に設定することができる。
なお、本実施例では、給湯機の制御装置について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の機器の運転を制御する装置にも同様に適用することができる。例えば、地域に供給する熱を生成して蓄える地域熱供給装置、電気自動車で使用するバッテリに電力を蓄える装置などの制御装置にも同様に適用することができる。
以上のように、本発明に係る最適制御装置、最適制御支援装置および最適制御方法は、給湯機などのエネルギーを蓄積して供給する装置に有用である。
本実施例に係る給湯機最適運転制御装置の構成を示す機能ブロック図である。 給湯需要を示す図である。 GAの概念図である。 運転ルールを最適化するために用いた染色体を示す図である。 本実施例に係る給湯機最適運転制御装置による運転ルール更新処理の処理手順を示すフローチャートである。 夏期、冬期、中間期の各時刻の平均給湯需要量を示す図である。 電気料金単価を示す図である。 各月の気温および入水温度を示す図である。 最適運転ルール生成部により生成された運転ルールを示す図である。 図9の運転ルールを実行したときのシミュレーション結果と、それにともなう残湯量の変化を示す図である。 図9のif-thenルールが1日のうちいつ適用されているか示す図である。 給湯機の起動停止状態を示す図である。 年間運転コストおよび湯切れ回数を示す図である。 給湯機装置および外部PCの構成を示す機能ブロック図である。
符号の説明
100 給湯機最適運転制御装置
101 カレンダー情報収集部
102 カレンダー情報記憶部
103 運転情報収集部
104 運転情報記憶部
105 環境情報収集部
106 環境情報記憶部
107 電気料金受付部
108 電気料金記憶部
109 給湯機性能情報記憶部
110 環境変化検知部
111 最適運転ルール生成部
112 シミュレーション部
113 運転ルール記憶部
114 給湯機制御部
121〜125 染色体(運転ルール)
210 給湯機装置
211 環境変化報告部
212 給湯機/PCインタフェース部
220 外部PC

Claims (9)

  1. 制御ルールを用いて動作が最適となるように機器を制御する最適制御装置であって、
    機器が運転される運転環境に関するデータを収集する運転環境データ収集手段と、
    制御ルールにより制御される機器の動作を前記運転環境データ収集手段により収集されたデータを用いてシミュレートするシミュレーション手段と、
    前記シミュレーション手段によりシミュレートされる機器の動作が最適となるような制御ルールを生成する制御ルール生成手段と、
    前記制御ルール生成手段により生成された制御ルールに基づいて機器を制御する機器制御手段と
    を備えたことを特徴とする最適制御装置。
  2. 前記運転環境データ収集手段によりデータが収集された運転環境の変化を検知する運転環境変化検知手段とをさらに備え、
    前記制御ルール生成手段は、前記運転環境変化検知手段により運転環境の変化が検知された場合に、制御ルールを生成することを特徴とする請求項1に記載の最適制御装置。
  3. 前記制御ルール生成手段は、遺伝的アルゴリズムを用いて制御ルールを生成することを特徴とする請求項1または2に記載の最適制御装置。
  4. 制御する機器は、ヒートポンプ式給湯機であることを特徴とする請求項1、2または3に記載の最適制御装置。
  5. 前記制御ルールは、季節の需要変化に対応した機器の最適制御を可能とすることを特徴とする請求項4に記載の最適制御装置。
  6. 前記制御ルールは、if-thenルールの集まりであり、if部分は、日付、時間帯、タンクの残湯量および直前給湯需要の条件の組み合わせであることを特徴とする請求項4に記載の最適制御装置。
  7. 前記制御ルールは、if-thenルールの集まりであり、then部分で指定される行動はヒートポンプの起動または停止であり、競合する複数のif-thenルールが成立した場合には、成立ルール数の多い行動を選択することを特徴とする請求項4に記載の最適制御装置。
  8. 制御ルールを用いて動作が最適となるように機器を制御する最適制御装置による最適制御方法であって、
    機器が運転される運転環境に関するデータを収集する運転環境データ収集ステップと、
    制御ルールにより制御される機器の動作を前記運転環境データ収集ステップにより収集されたデータを用いてシミュレートするシミュレーションステップと、
    前記シミュレーションステップによりシミュレートされる機器の動作が最適となるような制御ルールを生成する制御ルール生成ステップと、
    前記制御ルール生成ステップにより生成された制御ルールに基づいて機器を制御する機器制御ステップと
    を含んだことを特徴とする最適制御方法。
  9. 制御ルールを用いて機器を制御する制御装置の最適化を支援する最適制御支援装置であって、
    制御ルールにより制御される機器の動作をシミュレートするシミュレーション手段と、
    前記シミュレーション手段によりシミュレートされる機器の動作が最適となるような制御ルールを遺伝的アルゴリズムを用いて生成する制御ルール生成手段と
    を備えたことを特徴とする最適制御支援装置。
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