以下、本発明の各実施形態を図面により説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明に係る発電装置の第1実施形態がハイブリッドディーゼル車両の1種である前輪駆動型トラックに適用された例を示している。当該トラックは、運転室10と、この運転席10の後側に位置する荷物積載庫20とを有しており、これら運転室10及び荷物積載庫20は、車台(図示しない)上に配設されている。なお、上記車台は、左右両側前輪FW及び左右両側後輪RW(図1では、それぞれ各左側の前輪及び後輪のみを示す)上に適宜なサスペンス機構(図示しない)を介し支持されている。
荷物積載室20は、車室10よりも高くなるように、上記車台上に立設されている。このため、荷物積載室20の前壁21は、車室10の上壁12よりも上方へ高く延出している。これにより、前壁21の上壁12よりも上方へ延出する延出壁部21aは、風防壁部としての役割を果たし、上壁12と共に、デッドスペースDSを構成する。
また、当該トラックは、ハイブリッド駆動システムHS(図2参照)を搭載してなるもので、このハイブリッド駆動システムHSは、図3にて示すごとく、当該トラックにその前輪側にて搭載したディーゼルエンジンEG、クラッチCL、マルチモードトランスミッションMMT及びモータジェネレータMGを備えている。
ディーゼルエンジンEGは、コントローラ40(後述する)による制御(点火制御及び燃料噴射制御等)のもと、当該トラックのアクセルペダルの踏み込み量に応じて作動する。クラッチCLは、コントローラ40による制御のもと、その係合により、ディーゼルエンジンEGの出力軸をマルチモードトランスミッションMMTの入力軸に連結し、また、その解離により、ディーゼルエンジンEGの出力軸をマルチモードトランスミッションMMTの入力軸から遮断する。
モータジェネレータMGは、例えば、3相の同期電動機からなるもので、このモータジェネレータMGは、その出力軸にて、クラッチCLの出力軸及びマルチモードトランスミッションMMTの入力軸に連結されている。しかして、このモータジェネレータMGは、その力行モードにて、インバータ50(後述する)からのインバータ出力に基づき、モータとして機能し、クラッチCLの係合或いは解離のもと、マルチモードトランスミッションMMTに動力を出力し、また、その回生モードにて、ジェネレータとして機能し、クラッチCLの解離のもと、インバータ50を介し当該トラックに搭載のバッテリBTを充電する。なお、バッテリBTとしては、例えば36(V)のリチウム電池或いは鉛電池等の2次電池が採用される。
マルチモードトランスミッションMMTは、変速機構SMの変速操作に基づく変速モードにて、クラッチCL及びモータジェネレータMGの少なくとも一方から動力を伝達されて、当該トラックの左右両側前輪FW(以下、左右両側駆動輪FWともいう)を駆動する。
コントローラ40は、キースイッチSWaの閉成に伴い抵抗41を介するバッテリBTからの出力電圧に基づき、モータジェネレータMGを当該トラックの発進に適した力行モードにおくように、インバータ50に対し周波数制御を行う。また、当該コントローラ40は、当該トラックの発進に伴い、モータジェネレータMGを当該トラックの走行に応じた力行モードにおくように、アクセルセンサ42の検出出力及び車速センサ43の検出出力に基づきインバータ50に対し周波数制御を行う。また、当該コントローラ40は、モータジェネレータMGを回生モードにおくようにインバータ50に対し制御を行う。なお、キースイッチSWaは、ディーゼルエンジンEGの始動用キースイッチに相当する。また、アクセルセンサ42は、当該トラックのアクセルペダルの踏み込み量を検出するとともに、車速センサ43は、当該トラックの車速を検出する。
インバータ50は、インバータ機能と整流機能とを有しており、このインバータ50は、そのインバータ機能により、コントローラ40による周波数制御のもと、バッテリBTからの直流電圧をインバータ制御して、3相交流のインバータ電圧をモータジェネレータMGに印加する。また、インバータ50は、コントローラ40によるオフ制御のもと、インバータ機能を停止して、上記整流機能により、モータジェネレータMGの3相交流電圧を整流しバッテリBTに印加してこれを充電する。
本第1実施形態において、上記発電装置は、風力発電装置として採用されているもので、当該風力発電装置は、図1にて示すごとく、風車ユニットWU及び制御装置CDを備えている。図1にて示すごとく、風車ユニットWUは、上述したデッドスペースDSに配設されるとともに、制御装置CDは車室10の前壁下部13内に配設されている。
また、当該風車ユニットWUは、図1及び図4〜図6にて示すごとく、金属製ハウジング60を備えており、このハウジング60は、図4或いは図5にて示すごとく、車室10の上壁12の後側水平部12a上に当該トラックの左右方向(車幅方向)に沿い延在するように配設されて、荷物積載室20の前壁21の延出壁部21aに着脱可能に組み付けられている。
当該ハウジング60は、図5にて示すごとく、長手状底壁61と、左右両側壁62、63と、後壁64とにより構成されている。左右両側壁62、63は、それぞれ、底壁61の左右両側端部から上方へL字状に延出している。後壁64は、その下端部及び左右両側端部にて、底壁61の後端部及び左右両側壁62、63の各後端部と一体的に設けられている。しかして、このハウジング60は、底壁61にて、当該トラックの車幅方向に沿い車室10の上壁12の後側水平部12a上に配設されており、当該ハウジング60の後壁64は、荷物積載室20の前壁21の延出壁部21aに複数のネジ(図示しない)の締着により装着されている。
また、風車ユニットWUは、図4〜図6にて示すごとく、ダリウス型風車70を備えている。この風車70は、回転軸71を有しており、この回転軸71は、その左右両端側小径部にて、左右両側ベアリング72、73及び左右両側ブラケット74、75を介しハウジング60の左右両側壁62、63に回転自在に支持されている。なお、回転軸71は、例えばアルミニウム等の軽金属或いは鉄等の金属材料からなるパイプでもって形成されている。
左側ブラケット74は、図5或いは図6にて示すごとく、円板状壁部74aの中央部からその軸方向に円筒状ボス部74bを延出して構成されており、この左側ブラケット74は、ボス部74bにて、ハウジング60の左壁62に形成した貫通穴部62aに外方から同軸的に嵌装されるとともに、壁部74aにて、左壁62に複数のネジ(図示しない)の締着により装着されている。
しかして、左側ベアリング72は、その内輪にて、回転軸71の左端側小径部に圧入により支持されて、当該左端側小径部側における回転軸71の段部に当接しており、この左側ベアリング72の外輪は、左側ブラケット74のボス部74b内に同軸的に嵌装されて、壁部74aの内面のうちボス部74bの内側部位に当接している。なお、この壁部74aの上記内側部位には、左側ベアリング72の内輪と接触しないように、図5にて示すごとく、盗み部74cが形成されている。
一方、右側ブラケット75は、図4〜図6のいずれかにて示すごとく、環状壁部75a及び円筒状ボス部75bを有しており、ボス部75bは、環状壁部75aの内周部から同軸的に延出している。ここで、この右側ブラケット75は、ボス部75bにて、貫通穴部62aと同軸的に対向するようにハウジング60の右壁63に形成した貫通穴部63aに外方から嵌装されるとともに、環状壁部75aにて、右壁63に複数のネジ(図示しない)の締着により装着されている。
しかして、右側ベアリング73は、その内輪にて、回転軸71の右端側小径部に圧入により支持されて、当該右端側小径部側における回転軸71の段部に当接しており、この右側ベアリング73の外輪は、右側ブラケット75のボス部75b内に同軸的に嵌装されて、環状壁部75aの内周部に当接している。
また、風車70は、図4〜図6のいずれかにより示すごとく、3枚のダリウス型羽根76を有しており、これら各羽根76は、各左右両側板状ステイ77、78により、回転軸71にその軸周りに等角度間隔にて位置するように支持されている。本実施形態では、各ダリウス型羽根76は、合成樹脂材料でもって形成されており、各ステイ77、78は、例えばアルミニウム等の軽金属或いは鉄等の金属材料でもって形成されている。
各ダリウス型羽根76は、図4〜図7のいずれかにて示すごとく、共に、表壁部76a、裏壁部76b及び左右両側壁部76c、76dにて、頭部76eから尾部76fにかけて同一の断面流線型状となるように、形成されている。
具体的には、当該各羽根76が当該トラックの向かい風の中に位置するとき、これら各羽根76の周りには渦が発生せずかつ向かい風から受ける抵抗が最も小さくなる断面形状となるように、各羽根76は、大きな曲率半径の断面形状の頭部76eから小さな曲率半径の尾部76fにかけて細くなるような断面形状でもって形成されている(図7参照)。
換言すれば、当該各羽根76においては、表壁部76a及び裏壁部76bが、頭部76e及び尾部76fを共通にして、頭部76e側にて互いに大きく離れ尾部76fにかけて互いに近づくように形成されている。
このように構成した各羽根76によれば、向かい風が、図7にて矢印Brにより示すごとく、当該各羽根76にその頭部76eに向けて流れるとすると、この向かい風は、頭部76eにて分かれ、各羽根76の表壁部76a及び裏壁部76bの双方に沿い尾部76fに向けて流れる。このとき、表壁部76aに沿う向かい風の流れは、裏壁部76bに沿う向かい風の流れよりも速い。
ここで、羽根76に対する向かい風の作用点をPとし当該羽根76の回転中心をOrとすれば、揚力Fuは、図7にて示す方向に向けて羽根76に作用点Pを基準として作用する。このため、揚力Fuによる回転力Frが、羽根76の回転中心Or及び作用点Pを通る垂線Leに対する法線方向に作用する。これにより、羽根76は、回転中心Orを中心として、向かい風の流れ(矢印Br参照)とは逆方向に向けて回転する。
本実施形態では、デッドスペースDSに流れ込む向かい風をできる限り風力発電に利用するべく、各羽根76の左右方向長さは、トラックの車幅、具体的には、荷物積載室20の前壁21の延出壁部21aの左右方向幅にできる限り近い値を有するように設定されるとともに、風車70の回転直径が、各羽根76の回転方向幅と共に、前壁21の延出壁部21aの高さにできる限り近い値を有するように、設定されている。このことは、風車70の受風領域が延出壁部21aの前側面のほぼ全体に対応することを意味する。
上述した各左右両側板状ステイ77、78は、風車70に対する向かい風の流れに対しできる限り抵抗とならないように、風車70の左右両側端部側にて、各羽根76の左右両側端部を回転軸71の左右両側端部に対し放射状に支持している。
また、当該風車ユニットWUは、図5にて示すごとく、直流発電機80を有しており、この直流発電機80は、そのステータにて、右側ブラケット75の環状壁部75aの外面に同軸的に装着されており、この直流発電機80のロータは、上記ステータ内に同心的に支持されて、風車70の回転軸71の右端側小径部に同軸的に支持されている。このため、当該直流発電機80は、回転軸71の回転に連動して回転し、直流電圧を発生する。本実施形態では、直流発電機80としては、定格電力3.3(kW)の直流発電機が採用される。なお、当該直流発電機80は、その正側端子にて、図示しないリード線により車室10の上壁12、後壁11(図1参照)及び底壁の内部を通り制御装置CDのチョッパ回路100(図8参照)の入力端子に接続されており、当該直流発電機80の負側端子は、当該トラックのシャシーに接地されている。
制御装置CDは、図8にて示すごとく、チョッパ回路100と、レギュレータ回路110とを備えており、チョッパ回路100は、風車ユニットWUの直流発電機80からの直流電圧をチョッパ処理し、チョッパ電圧として発生する。
レギュレータ回路110は、平滑回路111と、高周波チョッパ回路112と、変圧器113と、コンバータ114とを備えている。平滑回路111は、リレー140の常閉型リレースイッチ142(後述する)を介するバッテリBTからの出力電圧を平滑化し、または、チョッパ回路100からの出力電圧を平滑化して、平滑電圧として高周波チョッパ回路112に出力する。
高周波チョッパ回路112は、平滑回路111からの平滑電圧を高周波的にチョッパして、高周波チョッパ電圧を発生する。変圧器113は、一次コイル113a及び両二次コイル113b、113cを有しており、当該変圧器113は、高周波チョッパ回路112からの高周波チョッパ電圧を変圧して、両二次コイル113b、113cにて、それぞれ、第1及び第2の変圧電圧を発生する。コンバータ114は、変圧器113からの第1及び第2の変圧電圧を第1及び第2の直流電圧(例えば、それぞれ、24(V)及び36(V))に変換して、第1及び第2の出力端子からそれぞれ発生する。
また、当該制御装置CDは、マイクロコンピュータ120及び両リレー130、140を有している。マイクロコンピュータ120は、レギュレータ回路110のコンバータ114から第1直流電圧を受けて、作動状態におかれ、図9にて示すフローチャートに従いコンピュータプログラムを実行する。この実行中において、当該マイクロコンピュータ120は、コントローラ40からの車速情報や検出抵抗150の検出電圧のもとに、バッテリBTの充電制御に要する種々の演算処理を行う。検出抵抗150は、バッテリBTからの直流電圧を検出しこの直流電圧に比例する検出電圧を発生する。なお、上記コンピュータプログラムは、マイクロコンピュータ120のROMに予め読み出し可能に記憶されている。
リレー130は、リレーコイル131と、常開型リレースイッチ132とを有しており、リレーコイル131は、マイクロコンピュータ120による制御のもと駆動回路130aにより励磁或いは消磁されて、リレースイッチ132を閉成或いは開成する。しかして、リレー130は、リレースイッチ132の閉成により、レギュレータ回路110のコンバータ114からの第2直流電圧をバッテリBTに印加してこのバッテリBTを充電する。また、リレー130は、リレースイッチ132の開成により、バッテリBTをコンバータ114からの第2直流電圧から遮断する。
リレー140は、リレーコイル141と、常閉型リレースイッチ142とを有しており、リレーコイル141は、マイクロコンピュータ120による制御のもと、駆動回路140aにより励磁或いは消磁されて、リレースイッチ142を開成或いは閉成する。しかして、当該リレー140は、リレースイッチ142の閉成により、バッテリBTからの直流電圧をレギュレータ回路110の平滑回路111に出力する。また、当該リレー140は、リレースイッチ142の開成により、平滑回路111をバッテリBT及びインバータ50から遮断する。
以上のように構成した本第1実施形態において、当該トラックの前方への発進に先立ち、キースイッチSWaが閉成されると、コントローラ40が、抵抗41を介するキースイッチSWaの閉成に応答してクラッチCLを解離する。これに伴い、インバータ50が、当該トラックの発進に適するようにコントローラ40により周波数制御されて、この周波数制御のもと、バッテリBTからの直流電圧をインバータ制御しインバータ電圧をモータジェネレータMGに印加する。このため、モータジェネレータMGの駆動力が、変速機構SMの変速操作に基づくマルチモードトランスミッションMMTの変速モードに伴い左右両側駆動輪FWに伝達され、当該トラックが前方へ発進する。
また、上述のように、キースイッチSWaが、当該トラックの発進に先立ち閉成されると、レギュレータ回路110においては、高周波チョッパ回路112が、平滑回路111を介するバッテリBTからの直流電圧を高周波的にチョッパして、高周波チョッパ電圧を変圧器113に出力する。すると、当該高周波チョッパ電圧は、変圧器113により変圧されて、二次コイル113bから第1変圧電圧としてコンバータ114に出力される。これに伴い、当該コンバータ114は、二次コイル113bからの第1変圧電圧に基づき第1直流電圧を発生しマイクロコンピュータ120に出力する。
このため、マイクロコンピュータ120は、コンバータ114からの第1直流電圧に基づき作動状態となり、図9のフローチャートに従いコンピュータプログラムの実行を開始する。すると、ステップ200において、当該トラックが走行中か否かが判定される。しかして、当該トラックが発進前であることから、ステップ200において、コントローラ40からの車速センサ43の検出出力である車速情報(車速=0(km/h))に基づき、NOと判定される。
ついで、ステップ201において、リレー140の駆動停止処理がなされる。これに伴い、リレー140は、リレーコイル141の消磁によるリレーコイル142の閉成のもとに、バッテリBTからレギュレータ回路110への直流電圧の出力を維持する。
然る後、上述のように当該トラックが発進すると、ステップ200において、コントローラ40からの車速センサ43の検出出力である車速情報に基づきYESと判定される。すると、ステップ202におけるソフトタイマーのリセットスタート処理において、マイクロコンピュータ120に内蔵のソフトタイマーが、リセットにより起動されて、計時し始める。ついで、ステップ210において待ち時間の経過の有無が判定される。ここで、当該待ち時間は、当該トラックの発進後風力発電ユニットWUが風力発電を開始するまでの時間をいう。
しかして、上述したステップ202における処理の後上記待ち時間の経過まで、ステップ210においてNOとの判定が繰り返される。このような状態において、ディーゼルエンジンEGが、当該トラックの上述の発進後、上記アクセルペダルの踏み込み量に応じたアクセルセンサ42及び車速センサ43の各検出出力に基づきコントローラ40により点火制御及び燃料噴射制御されて始動するとともに、クラッチCLがコントローラ40により制御されて係合する。ここで、ディーゼルエンジンEGに対するコントローラ40からの燃料噴射量は、上記アクセルペダルの踏み込み量の増減に応じて増減する。
これにより、マルチモードトランスミッションMMTは、ディーゼルエンジンEG及びモータジェネレータMGの双方からの駆動力を左右両側駆動輪FWに伝達する。その結果、当該トラックは、その発進後、ディーゼルエンジンEG及びモータジェネレータMGの双方からの駆動力のもとに、走行を継続する。
このような走行状態において、当該トラックが向かい風に向かって走行しておれば、風車ユニットWUは、当該向かい風を、トラックの現車速に応じて受けることとなる。換言すれば、当該トラックの現車速に相当する風速が、上記向かい風の風速に加わるため、風車ユニットWUに対し当該トラックの前方から作用する風速は、向かい風の風速及び現車速に相当する風速の和(以下、総和風速という)となる。例えば、当該トラックの走行車速を80(km/h)とすれば、この走行車速は、風速22.2(m/s)に相当する。従って、上記向かい風の風速を、例えば、5(m/s)〜10(m/s)とすると、上記総和風速は、27.2(m/s)〜32.2(m/s)の値となる。
このため、風車ユニットWUにおいては、風車70の各羽根76が、上記総和風速に比例する速度にて、回転軸71と共に、この回転軸71を中心として矢印R方向(図4参照)に回転する。これに伴い、直流発電機80が、そのロータにて、回転軸71の回転に伴い回転して、直流電圧を発生する。このことは、風車ユニットWUが、上記総和風速に応じて風力発電することを意味する。
上述のように風車ユニットWUが風力発電を行うと、直流発電機80からの直流電圧が、チョッパ回路100によりチョッパされて、チョッパ電圧としてレギュレータ回路110に出力される。すると、レギュレータ回路110においては、平滑回路111が、チョッパ回路100からのチョッパ電圧を平滑して平滑電圧を発生し、高周波チョッパ回路112が、平滑回路111からの平滑電圧を高周波的にチョッパして、高周波チョッパ電圧を発生し変圧器113に出力する。そして、当該高周波チョッパ電圧は、変圧器113により変圧されて、両二次コイル113b、113cから第1及び第2の変圧電圧としてコンバータ114に出力される。これに伴い、当該コンバータ114は、当該第1及び第2の変圧電圧に基づき第1及び第2の直流電圧を発生する。
上記待ち時間の経過に基づき、ステップ210における判定がYESになると、ステップ211におけるリレー140の駆動処理において、リレー140のリレーコイル141が、駆動回路140aにより励磁されて、リレースイッチ142を開成する。これにより、レギュレータ110がバッテリBTから遮断される。但し、現段階では、上述のように風力発電ユニットWUの風力発電が開始されているので、バッテリBTからレギュレータ回路110への直流電圧の出力がなくても、チョッパ回路100からのチョッパ電圧に基づきレギュレータ回路110からマイクロコンピュータ120への給電が維持される。このように風力発電ユニットWUの風力発電を有効に利用することで、マイクロコンピュータ120の作動に要するバッテリBTの消費電力を節減することができる。
然る後、ステップ220において、バッテリBTからの直流電圧が所定の許容下限電圧Vbo以上か否かが判定される。現段階において、検出抵抗150からの検出電圧(以下、検出電圧Vbともいう)が許容下限電圧Vbo未満であれば、バッテリBTはその電力消費により電力容量を低下させていることから、ステップ220において、NOと判定される。すると、ステップ230におけるリレー130の駆動処理において、リレー130のリレーコイル131が、駆動回路130aにより励磁されて、リレースイッチ132を閉成する。これに伴い、風力発電ユニットWUによる風力発電のもと、レギュレータ回路110のコンバータ114からの第2直流電圧がバッテリBTに印加される。このため、このバッテリBTは、充電される。
しかして、バッテリBTが両ステップ220、230を通る循環処理のもとに充電されている間に、当該バッテリBTの出力電圧が許容下限電圧Vbo以上に増大すると、ステップ220における判定が、検出抵抗150の検出電圧に基づきYESになる。このため、ステップ240におけるリレー130の駆動停止処理において、リレー130のリレーコイル131が、駆動回路130aにより消磁されてリレースイッチ132を開成する。これにより、バッテリBTが、コンバータ114から遮断されて、その過充電を防止され得る。
ステップ240の処理後、ステップ241におけるモータジェネレータ力行駆動指令処理並びにステップ242におけるディーゼルエンジン停止及びクラッチ解離の指令処理がなされる。これに伴い、マイクロコンピュータ120がコントローラ40に対しモータジェネレータMGの力行駆動指令、ディーゼルエンジンEGの停止及びクラッチCLの解離指令を行う。このため、コントローラ40による制御のもと、ディーゼルエンジンEGが停止し、クラッチCLが解離し、モータジェネレータMGがモータとして機能しマルチモードトランスミッションMMTに動力を伝達する。これにより、当該トラックは、モータジェネレータMGのモータとしての力行駆動のもと、ディーゼルエンジンEGによる燃料の消費を伴うことなく、走行し得る。
このような走行は、Vb<Vboの成立に基づきステップ243における判定がNOとなるまで継続される。然る後、ステップ243における判定がNOとなると、バッテリBTの電力不足のため、ステップ244におけるディーゼルエンジン始動指令処理及びステップ245におけるクラッチ係合指令処理がなされる。これに伴い、マイクロコンピュータ120が、コントローラ40に対し、ディーゼルエンジンEGの始動及びクラッチCLの係合の指令を行う。このため、コントローラ40による制御のもと、ディーゼルエンジンEGが始動し、クラッチCLが係合する。従って、マルチモードトランスミッションMMTが、ディーゼルエンジンEGからクラッチCLを介し動力を伝達されて、走行する。なお、このような走行は、ステップ246における判定がNOとなるまで継続される。
以上説明したように、風力発電ユニットWUの風車70は、上述のごとく、向かい風に対し、回転軸71を中心に各ダリウス型羽根76をこの回転軸71と共に回転させるように構成されている。ここで、向かい風は、風車70の回転中において、羽根76の表壁部76a及び裏壁部76bに沿うように分かれて頭部76eから尾部76fにかけて流れる。しかも、左右両側ステイ77、78は、風車70の左右両端側に位置する。このため、向かい風のうち風車70内に流入する風部分は、風車70により抵抗を受けることなく、円滑に流れる。なお、回転軸71の径は、風車70の外径に比して小さく、回転軸71が向かい風に対する抵抗体となることはない。
また、風車70の受風領域は、上述したごとく、延出壁部21aの前側面のほぼ全体に対応していることから、向かい風が、デッドスペースDSにおいて、風車70により最大限に利用され得る。従って、当該トラックの走行中においては、風車ユニットWUは、向かい風を最大限に利用して、良好な風力発電を行い、バッテリBTを良好に充電し得ることとなる。
よって、このような充電は、モータジェネレータMGによる回生充電と相俟って、バッテリBTの電力容量を常に良好に維持し得る。このため、上記アクセルペダルの踏み込み量を減少させることでディーゼルエンジンEGによる燃料消費量を減少させても、風力発電ユニットWUによる充電のもとにモータジェネレータMGの駆動力により当該トラックを良好に走行させることで、ディーゼルエンジンEGによる燃料の消費を軽減できるのはもちろんのこと、バッテリBTの出力を当該トラックの空調装置等の補機に駆動電力として利用することで、従来の上記補機の駆動に消費される燃料の節減が可能となる。
以上によれば、向かい風に起因する当該トラックの燃料消費量の増大を最小限に抑制しつつ、当該向かい風を風力エネルギーとして最大限に利用するようにした発電装置の提供が可能となる。
ちなみに、上述のように風車ユニットWUを当該トラックのデッドスペースDSに配設した場合において、当該トラックの走行中における風車ユニットWUの風力発電量と燃料消費量との関係について検討してみた。
ここで、当該トラックに対する向かい風の風速をVwとし、当該トラックの車速をVtとすれば、当該トラックのみに対する上記向かい風による風力エネルギーは、(Vw+Vt)3に比例し、風車ユニットWUをデッドスペースDSに配設したときの当該トラックに対する向かい風による抗力の増加分は、(Vw+Vt)2×Vtに比例する。従って、Ka・(Vw+Vt)3とKb・(Vw+Vt)2×Vtとの差が、風車ユニットWUをデッドスペースDSに配設したときの風力発電による正味の電力量といえる。なお、Ka及びKbは比例係数とする。
これに対し、本発明者等はシミュレーションを行ってみた。このシミュレーションにあたり、当該風車ユニットWUの発電特性を、図10の各グラフ1〜4にて示すように仮定して、風力発電量がどのように変化するかにつき検討してみた。図10において、各グラフ1〜4は、共に、風力発電量と車速Vt及び風速Vwとの関係を示す。但し、グラフ2は、本実施形態で述べたように直流発電機80の定格出力を3.3(kW)とした場合に対応し、各グラフ1、3及び4は、本実施形態とは異なり、直流発電機80の定格出力を、それぞれ、5(kW)、2.2(kW)及び1.1(kW)とした場合に対応する。
また、上述した正味の電力量は、次のようにして求めた。まず、上述したトラックのみに対する向かい風による風力エネルギーをPwとし、風車ユニットWUをデッドスペースDSに配設したときの当該トラックに対する向かい風による抗力の増加分をPtとし、正味の電力量をPnetとすれば、この正味の電力量Pnetは、次の式(1)により表される。
Pnet=Pw−Pt=Ka(Vw+Vt)3−Kb(Vw+Vt)2×Vt・・・
(1)
ここで、各比例係数Ka、Kbは、次のようにして求められる。向かい風が風速Vwであるとき、この向かい風のエネルギーPは、次の式(2)により表される。なお、式(2)において、ρは、空気密度であり、Aは、デッドスペースDSの受風面積、具体的には、荷物積載庫20の前壁21の延出壁部21aの表面積に相当する。なお、例えば、当該トラックの車幅を2(m)とし、延出壁部21aの高さを0.5(m)とすれば、受風面積Aは、A=2×0.5(m2)=1(m2)である。
P=(1/2)・ρ・A・Vw3・・・(2)
また、上述のごとく風車ユニットWUをデッドスペースDSに設けた場合において、風車70の受風面積を、デッドスペースDSの受風面積と同様にAとし、風車70のパワー係数をCpとすれば、風速Vwの向かい風に向かって走行する当該トラックの車速がVwであれば、風車70による風力発電で得られる発電量Pwは、次の式(3)により表される。
Pw=(1/2)・Cp・ρ・A・(Vw+Vt)3・・・(3)
また、風車ユニットWUをデッドスペースDSに設ける前において、風速Vwの向かい風に向かって走行する当該トラックの車速がVwであれば、受風面積Aが向かい風により受ける抗力Faは、抗力係数をCdaとすれば、次の式(4)により表される。
Fa=(1/2)・Cda・ρ・A・(Vw+Vt)2・・・(4)
一方、上述のごとく風車ユニットWUをデッドスペースDSに設けた場合において、風速Vwの向かい風に向かって走行する当該トラックの車速がVwであれば、受風面積Aが向かい風により受ける抗力Fbは、抗力係数をCdbとすれば、次の式(5)により表される。
Fb=(1/2)・Cdb・ρ・A・(Vw+Vt)2・・・(5)
両式(4)、(5)を前提にすれば、当該トラックの抗力の増加分Ptは、次の式(6)により表される。
Pt=(Fb−Fa)・Vt
=(1/2)(Cdb−Cda)・ρ・A・(Vw+Vt)2・Vt・・・(6)
(3)式及び(5)式によれば、
Ka=(1/2)・Cp・ρ・A ・・・(7)
Kb=(1/2)(Cdb−Cda)・ρ・A ・・・(8)
として表される。
ここで、風車ユニットWUをデッドスペースDSに設ける前において、デッドスペースDSの車室10の上壁12及び荷物積載庫20の前壁21の延出壁部21aに等価な傾斜状の平板を想定した場合の抗力係数を、Cda=1.1とし、デッドスペースDSに風車ユニットWUを設けた場合の風車70の抗力係数を、Cda=1.75とすれば、(Cdb−Cda)=0.325となる。
従って、上述の式(6)は、例えば、次のように表される。なお、大気圧及び0(℃)のときの空気の密度はρ=1.2(kg/m3)とする。
Pt=(1/2)・0.325・1.2・1・(Vw+Vt)2・Vt・・・(9)
しかして、この式(9)及び上記各グラフの特性を前提に、正味の風力発電量Ptが、風速Vwをパラメータとして、車速Vtに応じてどのように変化するかにつき検討したところ、図11〜図14にて示すような各グラフ群が得られた。ここで、図11のグラフ群は、直流発電機80の定格出力を5(kW)とした場合の正味の風力発電量と車速との関係を示し、図12のグラフ群は、直流発電機80の定格出力を3.3(kW)とした場合の正味の風力発電量と車速との関係を示す。また、図13のグラフ群は、直流発電機80の定格出力を2.2(kW)とした場合の正味の風力発電量と車速との関係を示し、図14のグラフ群は、直流発電機80の定格出力を1.13(kW)とした場合の正味の風力発電量と車速との関係を示す。
図11のグラフ群において、各グラフ1a〜1dは、それぞれ、風速Vwを、15(m/s)、10(m/s)、5(m/s)及び0(m/s)とした場合に相当する。図12のグラフ群において、各グラフ2a〜2dは、それぞれ、風速Vwを、15(m/s)、10(m/s)、5(m/s)及び0(m/s)とした場合に相当し、各グラフ2e〜2fは、それぞれ、当該トラックに対する追い風の風速、即ちVwを、それぞれ、−5(m/s)、−10(m/s)及び−15(m/s)とした場合に相当する。
図13のグラフ群において、各グラフ3a〜3dは、それぞれ、風速Vwを、15(m/s)、10(m/s)、5(m/s)及び0(m/s)とした場合に相当し、各グラフ3e〜3gは、風速Vwを、それぞれ、−5(m/s)、−10(m/s)及び−15(m/s)とした場合に相当する。
以上によれば、上述のように風車ユニットWUをデッドスペースDSに設けることで、正味の電力量Ptを確保できることが分かった。また、本実施形態では、直流発電機80の定格出力は3.3(kW)であるから、風速15(m/s)以下及び車速80(km/h)以下であれば、正味の電力量Ptは、0.5(kW)以上確保できることが分かる。
従って、当該正味の風力発電量を有効に利用することで、当該トラックの総合的な燃料消費量の低減につながる。例えば、当該トラックのようにハイブリッドディーゼル車両では、上記正味の風力発電量をモータジェネレータの消費電力量にあてることで、ディーゼルエンジン自体の燃料消費量や当該ハイブリッドディーゼル車両の補機(空調装置等)の駆動に伴いディーゼルエンジンに要する燃料消費量が軽減され得る。
なお、図15のグラフ群は、向かい風がない場合の直流発電機80の定格出力をパラメータとする正味の風力発電量と車速との関係を示す。図15のグラフ群において、各グラフ5〜8は、それぞれ、直流発電機80の定格出力を1.1(kW)、2.2(kW)、3.3(kW)及び5(kW)とした場合に対応する。
これらの各グラフによれば、無風状態における当該トラックの走行の際にも、正味の風力発電量の確保が可能であることが分かる。
(第2実施形態)
図16は、本発明に係る発電装置の第2実施形態を示す。この第2実施形態は、上記第1実施形態にて述べた風車ユニットWUが、直流発電機80に加えて、太陽発電装置SCAを備え、かつ、この風車ユニットWU及び制御装置CDをバッテリBTと共に電源装置PS(図22参照)として利用してなるトラック用救急医療支援電子カルテシステムERS(図22参照)の例を示している。
太陽発電装置SCAは、風車70の各ダリウス型羽根76に設けられているもので、この太陽発電装置SCAは、図18にて例示するごとく、風車70の各ダリウス型羽根76に設けた各両太陽電池SCによって構成されている。
各両太陽電池SCは、図18にて例示するごとく、それぞれ、羽根76ごとに、当該羽根76の表壁部76a及び裏壁部76bに配設されている。当該各両太陽電池SCは、羽根76ごとに、図18にて例示するごとく、一対の表側太陽電池部SCa、SCb及び一対の裏側太陽電池部SCa、SCbを有しており、一対の表側太陽電池部SCa、SCbは、羽根76の表壁部76aに配設され、一方、一対の裏側太陽電池部SCa、SCbは、羽根76の裏壁部76bに配設されている。
一対の表側太陽電池部SCa、SCbにおいて、表側太陽電池部SCaは、図18にて例示するごとく、12枚の薄膜状ソーラーセルSC1〜SC12を、羽根76の表壁部76aの頭部76e側部位に蒸着して構成されており、一方、表側太陽電池部SCbは、12枚の薄膜状ソーラーセルSC1〜SC12を、羽根76の表壁部76aの尾部76f側部位に蒸着して構成されている。なお、各ソーラーセルSC1〜SC12は、太陽光を受けて、その受光量に応じた電力を発生する。
ここで、一対の表側太陽電池部SCa、SCbの各々において、各ソーラーセルSC1〜SC12は、ソーラーセルSC1からソーラーセルSC12にかけて順次直列接続されている。また、当該一対の表側太陽電池部SCa、SCbにおいて、各ソーラーセルSC1は、正側共通電極Dpに接続され、各ソーラーセルSC12は、負側共通電極Dnに接続されている。また、正側共通電極Dpは、両ソーラーセルSC1の間にて羽根76の表壁部76aに貼着され、負側共通電極Dnは、両ソーラーセルSC12の間にて羽根76の表壁部76aに貼着されている。
また、羽根76ごとに、一対の裏側太陽電池部SCa、SCbは、一対の表側太陽電池部SCa、SCbと同様に構成されて、羽根76の裏壁部76bに蒸着されている。そして、以上のように構成した風車ユニットWUでは、各羽根76の太陽電池SCが、全体でもって、太陽発電装置SCA(図16参照)を構成する。
このように構成した太陽発電装置SCAにおいては、各表側及び裏側の太陽電池部SCa、SCbは、各正側共通電極Dpにて、共に、L字状の正側ピンP1及び正側ブラシB1を介し正側スリップリングL1に電気的に接続されるとともに、各負側共通電極Dnにて、共に、L字状の負側ピンP2及び負側ブラシB2を介し負側スリップリングL2に電気的に接続されている(図19参照)。
ここで、正負両側ピンP1、P2は、図19にて示すごとく、その各径方向外端部にて、風車70の両左側ステイ77の各々の径方向外端部にそれぞれ電気絶縁層(図示しない)を介し固着されており、これら正負両側ピンP1、P2は、その各径方向外端部からハウジング60の左壁62に向けてL字状に延出している。正側ブラシB1は、正側ピンP1の延出端部から正側スリップリングL1の外周面部に向けて延出されており、一方、負側ピンP2の延出端部から負側スリップリングL2の外周面部に向けて延出されている。また、正負両側スリップリングL1、L2は、左側ブラケット74の円筒状ボス部74bの外周面に電気絶縁層(図示しない)を介し同軸的に互いに間隔をおいて嵌装されている。なお、正側ピンP1は、その延出端部にて、コイルバネ(図示しない)を介し正側ブラシB1を正側スリップリングL1の外周面部に押圧しており、一方、負側ピンP2は、その延出端部にて、他のコイルバネ(図示しない)を介し負側ブラシB2を負側スリップリングL2の外周面部に押圧している。
これによれば、風車70の回転中において、太陽発電装置SCAは、正負両側スリップリングL1、L2の間に発電電圧を発生する。なお、正側スリップリングL1は、図示しないリード線により車室10の上壁12、後壁及び底壁の内部を通り制御装置CDのレギュレータ回路110の平滑回路111の入力端子に接続されており、負側スリップリングL2は、当該トラックのシャシーに接地されている。
また、本第2実施形態では、上記第1実施形態にて述べた制御装置CDにおいて、インバータ160、リレー170及び駆動回路170aが、図16にて示すごとく、さらに、付加的に採用されている。
インバータ160は、レギュレータ回路110からの第3変圧電圧(後述する)を所定の周波数にてインバータ制御し、交流電圧(100(V))としてリレー170を介し救急医療支援電子カルテシステムERS(後述する)に出力する。
リレー170は、リレーコイル171及び常開型リレースイッチ172を有しており、リレーコイル171は、マイクロコンピュータ120による制御のもと、駆動回路170aにより励磁或いは消磁される。リレースイッチ172は、リレーコイル171の励磁或いは消磁により閉成或いは開成する。
しかして、当該リレー170は、リレースイッチ172の閉成に伴い、インバータ160からのインバータ電圧を救急医療支援電子カルテシステムERS側へ出力し、また、リレースイッチ172の開成に伴い、上記インバータ電圧の救急医療支援電子カルテシステムERS側への出力を遮断する。
上述したインバータ160及びリレー170の付加及び上述の太陽発電装置SCAの採用に伴い、上記第1実施形態にて述べたレギュレータ回路110は、次のように変形されている。即ち、このレギュレータ回路110では、平滑回路111は、バッテリBT及びチョッパ回路100からの各出力に加え、太陽発電装置SCAの出力を平滑化して平滑電圧として発生する。また、変圧器113は、両二次コイル113b、113cに加えて、二次コイル113dを有している。このため、変圧器113は、高周波チョッパ回路112から高周波チョッパ電圧を、一次コイル113a及び各二次コイル113b〜113dにより変圧して、各二次コイル113b〜113dから第1〜第3の変圧電圧を発生する。
また、救急医療支援電子カルテシステムERSへの適用に伴い、上記第1実施形態にて述べてコンピュータプログラムは、マイクロコンピュータ120により、図20及び図21にて示すフローチャートに従い実行されるように変形されている。しかして、本第2実施形態では、当該マイクロコンピュータ120は、コントローラ40からの車速情報、災害スイッチSWbの操作出力、検出抵抗150の検出電圧や日射センサS1の検出出力のもとに、バッテリBTの充電制御等に要する種々の演算処理を行う。
災害スイッチSWbは、当該トラックの運転室10の前壁下部13(図1参照)において、運転室10内に着座した運転者の手の届き易い位置に設けられており、この災害スイッチSWbは、地震等による災害が発生したときに操作される。日射センサS1は、風車ユニットWUの適所に設けられており、この日射センサS1は、日射量を検出する。
また、救急医療支援電子カルテシステムERSは、上述のごとく、本第2実施形態の風車ユニットWU及びバッテリBTを電源装置PS(図22参照)とするもので、当該救急医療支援電子カルテシステムERSは、端末300を有するとともに、カメラ400、プリンター500及び医療用機器である血圧計600a、体温計600b、心拍計600c、ハブ600d及び両医療データ送信機600e、600fを有する(図16及び図22参照)。
カメラ400は、患者の患部を撮影して、この患者の画像を画像データとして取得するために用いられる。プリンター500は、患者の医療データを印刷するために用いられる。血圧計600a、体温計600b及び心拍計600cは、患者の血圧、体温及び心拍を測定するために用いられる。ハブ600dは、カメラ400、プリンター500並びに血圧計600a、体温計600b及び心拍計600cを端末300に接続する中継素子として、電源ケーブルC1及び両接続ケーブルC2、C3(図22参照)と共に、上記医療用機器に含まれている。また、両医療データ送信機600e、600fは、端末300で作成した医療データを送信するものである。なお、カメラ400、プリンター500、上記医療用機器及び両医療データ送信機600e、600fは、端末300とともに、当該トラックの荷物積載庫20内に常備されている。
端末300は、携帯型パーソナルコンピュータからなるもので、この端末300は、図22にて示すごとく、制御処理回路300a、駆動回路300b及び液晶パネル300c(以下、LCD300cともいう)の他、キーボードやマウス(図示しない)を備えている。なお、キーボードやマウスは、本発明にいう操作入力手段をいう。
制御処理回路300aは、マイクロコンピュータからなるもので、このマイクロコンピュータ(以下、マイクロコンピュータ300aともいう)は、図22にて示すごとく、バスライン301を介し接続した入力側インターフェース302(以下、入力側I/F302ともいう)、入力側I/F303、CPU304、ROM305、RAM306及び出力側I/F307を備えている。
しかして、マイクロコンピュータ300aは、CPU304により、図23にて示すフローチャートにより特定される電子カルテ作成プログラムを実行し、後述のような種々の演算処理を行う。なお、上記電子カルテ作成プログラムは、マイクロコンピュータ300aのROM305に読み出し可能に予め記憶されている。
LCD300cは、マイクロコンピュータ300aによりCPU304でもって駆動回路300bを介し駆動制御されて、表示データを表示する。
しかして、当該端末300は、カメラ400及び上記医療用機器に接続されたとき、カメラ400により取得された画像データ及び上記医療用機器の血圧計600a、体温計600b及び心拍計600cにより計測された血圧、心拍及び体温を診断データとして取得し、これらの診断データを液晶パネルの画面に表示する。その他の構成は上記第1実施形態と同様である。
以上のように構成した本第2実施形態において、当該トラックの前方への発進に先立ち、キースイッチSWaが閉成されると、上記第1実施形態と同様に、モータジェネレータMGが、クラッチCLの解離のもとに、インバータ50からのインバータ電圧を印加されて、マルチモードトランスミッションMMTを介し左右両側駆動輪FWに駆動力を伝達する。このため、当該トラックが発進する。
このような状態では、当該トラックが向かい風に向かって走行すれば、上記第1実施形態と同様に、風車ユニットWUが、上記総和風速に応じて風力発電する。
また、上述のようなキースイッチSWaの閉成に伴い、上記第1実施形態と同様に、マイクロコンピュータ120が、レギュレータ回路110からの第1直流電圧に基づき図20のフローチャートに従いコンピュータプログラムの実行を開始する。そして、上記第1実施形態と同様に、当該トラックが発進前であることから、ステップ200において、コントローラ40からの車速センサ43の検出出力である車速情報(車速=0(km/h))に基づき、NOと判定される。なお、上述のようなキースイッチSWaの閉成に伴い、当該トラックは、上記第1実施形態にて述べたように発進する。
しかして、ステップ250において、災害発生の有無が判定される。現段階において、災害スイッチSWbが閉成操作されていなければ、ステップ250において、NOと判定される。すると、ステップ270aにおいて、上述したステップ220(図9参照)における判定処理と同様に、検出抵抗150からの検出電圧Vbが許容下限電圧Vbo以上か否かが判定される。現段階にて検出抵抗150からの検出電圧Vbが許容下限電圧Vbo未満であるときには、ステップ270aにおける判定がNOとなり、ステップ270bにおいて、日射量は所定量以上か否かが判定される。なお、当該所定量は、太陽発電装置SCAの発電電力でもって、バッテリBTを充電し得る量をいう。
ここで、日射センサS1の検出日射量が上記所定量以上であれば、ステップ270bにてYESとの判定後、ステップ271において、リレー140の駆動処理のもとにリレー130の駆動処理がなされる。
これに伴い、リレー130のリレーコイル131が駆動回路130aにより励磁されてリレースイッチ132を閉成する。このような段階では、太陽発電装置SCAからの発電電圧が、正負両側ピンP1、P2、正負両側ブラシB1、B2及び正負両側スリップリングL1、L2を介しレギュレータ回路110に出力される。そして、当該発電電圧は、平滑回路111を介し高周波チョッパ回路112により高周波的にチョッパされて、変圧器113により、第1〜第3の変圧電圧に変圧される。
これに伴い、第1及び第2の変圧電圧がコンバータ114により第1及び第2の直流電圧としてマイクロコンピュータ120及びリレー130に出力されるとともに、第3変圧電圧がインバータ160に出力される。
上述のように第1直流電圧がコンバータ114からマイクロコンピュータ120に出力されると、当該マイクロコンピュータ120は、当該第1直流電圧、換言すれば、太陽発電装置SCAからの発電電圧に基づき作動状態に維持される。
また、ステップ270a(図20参照)における判定がYESとなる場合には、バッテリBTの電力容量は十分にある。また、上述したステップ270b(図20参照)における判定がNOとなる場合には、太陽発電装置SCAからの発電電力は有効には利用できない。従って、いずれの場合においても、コンピュータプログラムはエンドステップに進む。
一方、上記第1実施形態と同様に、当該トラックが発進した後ステップ200(図20参照)における判定がYESになると、ステップ260において、災害発生か否かが判定される。ここでも、ステップ250の処理と同様に、NOと判定されると、ステップ202以後の処理が上記第1実施形態と同様になされる。
以上のような状態において、当該トラックの運転者が、携帯電話等により、地震等の災害の発生のため、被災地に向かうように指示されると、運転者は、走行中であれば当該トラックを上記被災地に向け走行を継続するとともに、災害スイッチSWbを操作する。このため、ステップ260においてYESと判定される。また、当該トラックが停車中であれば、運転者は、災害スイッチSWbを操作する。これに伴い、ステップ250において、YESと判定され、ステップ250aにおいて、キースイッチの閉成か否かが判定される。当該トラックを発進させるために、キースイッチSWaが閉成されると、ステップ250aにおける判定がYESとなり、ステップ250bにおける発進指令処理に基づき、運転者は、上述と同様のコントローラ40による制御のもとに、当該トラックを上記被災地に向けて走行させる。
しかして、上述のようにステップ260においてYESと判定された後或いはステップ250bにおける処理がなされた後は、ステップ280a(図21参照)においてキースイッチSWaの閉成のもとにNOとの判定が繰り返される。然る後、当該トラックが上記被災地に到着すると、運転者は、当該トラックを停止して、キースイッチSWaを開成する。これに伴い、ステップ280aにおける判定がYESとなり、コンピュータプログラムはステップ280bの判定処理に進む。
このようにコンピュータプログラムがステップ280bの判定処理に進むと、このステップ280bにおいて、上述のステップ270a(図20参照)と同様に、検出抵抗150からの検出電圧Vbが許容下限電圧Vbo以上か否かが判定される。現段階において、バッテリBTの電力容量が十分であれば、ステップ280bにおいてYESと判定されて、ステップ282における処理がなされる。
一方、ステップ280bにおける判定がNOとなる場合には、次のステップ280cにおいて、ステップ270b(図20参照)と同様に、日射量は所定量以上か否かが判定される。ここで、ステップ280cの判定がYESとなる場合には、太陽発電装置SCAの発電電力を有効に利用することができる。このため、ステップ211におけるリレー130の駆動処理において、リレー130が、上述と同様に、リレーコイル131の励磁によりリレースイッチ132を閉成する。従って、上述と同様に、太陽発電装置SCAの発電電圧に基づきレギュレータ回路110のコンバータ114から出力される第2直流電圧が、リレースイッチ132を介しバッテリBTに印加されてこのバッテリBTを充電する。
また、ステップ280cにおける判定がNOとなる場合には、太陽発電装置SCAの発電電力の利用ができないため、ステップ283におけるディーゼルエンジンの始動指令処理において、コントローラ40に対し、ディーゼルエンジンEGの始動指令を行う。このため、コントローラ40は、クラッチCLの係合状態において、ディーゼルエンジンEGを始動させるように制御するとともに、インバータ50を作動停止させるように制御する。なお、マルチモードトランスミッションMMTは、ニュートラルモード状態にあるものとする。
すると、モータジェネレータMGが、クラッチCLを介しディーゼルエンジンEGにより駆動されて、当該モータジェネレータMGの交流電圧が、インバータ50の整流作動のもとに、バッテリBTに印加されてこのバッテリBTを充電する。
上述のようにステップ283の処理が終了すると、ステップ284におけるリレー140の駆動停止処理において、リレー140が、上述と同様にして、リレースイッチ142を閉成する。然る後、ステップ211におけるリレー130の駆動処理が上述と同様になされる。
以上のようにしてステップ211の処理が終了すると、次のステップ282におけるリレー170の駆動処理において、リレー170が、リレーコイル171の励磁により、リレースイッチ172を閉成する。
これに伴い、太陽発電装置SCAの発電電力或いはモータジェネレータMGの発電電力に基づき、レギュレータ回路110において、コンバータ114から出力される第3変圧電圧が、インバータ160に出力される。すると、当該第3変圧電圧は、インバータ160によりインバータ制御されて、インバータ電圧を、交流電圧(100(V))として、発生する。
ステップ282の処理が上述のようになされると、次のステップ290において、救急医療支援電子カルテシステムERSの接続終了か否かが判定される。現段階では、救急医療支援電子カルテシステムERSが未だ制御装置CDに接続されていないため、ステップ290における判定はNOとなる。
しかして、ステップ290におけるNOとの判定の繰り返し中において、上述した端末300、カメラ400、上記医療用機器(血圧計600a、体温計600b、心拍計600c、電源ケーブルC1、両接続ケーブルC2、C3)、プリンター500及び両医療データ送信機600e、600fを当該トラックの荷物積載庫20から取り出して、次のようにして必要な配線処理をする。
まず、図16及び図22にて示すごとく、電源装置PSの出力端子であるリレー170のリレースイッチ172を、電源ケーブルC1を介し、端末300、カメラ400、プリンター500、血圧計600a、体温計600b、心拍計600c、両医療データ通信機600e、600fに接続する。
また、カメラ400、血圧計600a、体温計600b、心拍計600c、プリンター500、医療データ通信機600e、600fをハブ600d及び接続ケーブルC2でもって制御処理回路300aのUSBポート308に接続する。また、マイクロコンピュータ120を、接続ケーブルC3を介し、マイクロコンピュータ300aに接続する。なお、USBポート308は、I/F302に接続されている。また、制御処理回路300aのカードスロット309には、ICタグからなるトリアージタグ700が挿入接続されるようになっている。ここで、トリアージタグ700は、電子メモリを内蔵したICカードからなるもので、このトリアージタグ700は、その電子メモリ(例えば、EPROM)にデータを記憶させる。なお、カードスロット309は、I/F303に接続されている。以上により、救急医療支援電子カルテシステムERSの電源装置PS(換言すれば制御装置CD)への接続が終了する。
このよう段階において、端末300の電源スイッチが操作されると、当該端末300のマイクロコンピュータ300aが、リレー170のリレースイッチ172の閉成(図21のステップ282参照)のもとに接続ケーブルC1を介しインバータ160からインバータ電圧を供給されて作動状態になり、CPU304でもって、図23のフローチャートに従い、上記電子カルテ作成プログラムの実行を開始する。
ついで、ステップ310において、接続終了か否かが判定される。現段階では、上述のごとく、救急医療支援電子カルテシステムERSの制御装置CDに対する接続は既に終了していることから、端末300のキーボードの操作キー(「YES」に対応するYキー)を操作すれば、マイクロコンピュータ300aが、CPU304によりステップ310にてYESと判定し、然る後、ステップ311における接続終了送信処理において、救急医療支援電子カルテシステムERSの接続終了について接続ケーブルC3を介しマイクロコンピュータ120に送信する。
すると、マイクロコンピュータ120は、ステップ290(図21参照)においてYESと判定する。これに伴い、コンピュータプログラムはエンドステップ(図20参照)に進む。
また、上述のようにステップ311の処理が終了すると、ステップ312において、画面表示処理がなされる。この画面表示処理では、LCD300cが、CPU304による制御のもと、駆動回路300bにより駆動されて、画面上に初期データを表示する。ここでは、当該初期データとして、災害時救急電子カルテ(以下、電子カルテともいう)のブランクフォームが表示される。本第2実施形態において、当該電子カルテのブランクフォームは、図24にて示すもので、このブランクフォームは、ROM305に予め記憶されている。なお、図24にて示す破線の四角領域は、後述する患部の画像G(図26参照)を貼り付ける箇所を示す。
また、上述のように救急医療支援電子カルテシステムERSの接続を終了するのに併せて、医師及びこの医師に付き添う看護士、事務職員或いはボランティア(以下、医療補助者という)が上記避難所に来訪すると、「体調の悪い方は申し出てください」とのアナウンスがなされる。
また、血圧計600a、体温計600b、心拍計600c及びカメラ400が上記医療補助者に渡される。すると、この医療補助者は、申し出者(重傷患者)の血圧、体温及び心拍を、血圧計600a、体温計600b及び心拍計600cを用いて順次測定する。また、上記申し出者に外傷等の患部があれば、上記医療補助者は、カメラ400を用いて、上記申し出者の患部を撮影する。なお、当該申し出者のトリアージタグ700をマイクロコンピュータ300aのカードスロット309にセットしておく。
上述のようにステップ312における表示処理をした後、ステップ313において、バイタルサインデータ及び画像データの入力処理がなされる。具体的には、上述のようにして測定された上記申し出者の血圧、体温及び心拍並びにカメラ400により撮影された患部を表す画像データは、ステップ313において、順次、ハブ600d、USBポート308、I/F302及びバスライン301を介しRAM306に入力記憶される。なお、上述の血圧、体温及び心拍が、それぞれ、バイタルサインデータに相当する。また、上記バイタルサインとは、被災者の生きている状態を示す指標で、当該被災者の体温、脈拍や血圧等をいう。
上述のように上記医療補助者による測定及び撮影が終了すると、医師が上記申し出者を診察する。このとき、医師は、当該申し出者の現在の症状、氏名、年齢、住所、持病の有無やアレルギーの有無について当該申し出者から聴取する。
その後、医師は、上記医療補助者からの上記申し出者の血圧、体温及び心拍や患部の状況等について報告を受ける。そして、例えば血圧が高ければ、医師は、当該トラックに常備してある緊急医療品収納箱内の降圧剤を上記申し出者に与えるとともに服用方法を指示する。
上述のステップ313における入力処理が上記申し出者について全て終了すると、ステップ320においてYESと判定される。これに伴い、ステップ321において、患者の特定表示処理がなされる。具体的には、上記医療補助者が、上述の医師による上記申し出者に対する聴取事項を、当該医師から聞いて、端末300のキーボードの操作により、入力する。また、上記医療補助者は、上記キーボードの操作により、上記避難所名を「○○○○○○○小学校」と入力し、担当医師を「××××」と入力し、診察日を「○○○○年○○月○○日」と入力し、上記申し出者の氏名及び性別を「□□□□□□」として入力し、当該申し出者の生年月日を「○○○○年○○月○○日」として入力し、当該申し出者の住所を「××××××」と入力する。なお、当該申し出者の氏名及び住所は、劣悪な環境の避難所では請求困難な医療費を後日請求するのに役立つ。
また、上記医療補助者は、上記キーボードの操作により、上記申し出者の所有するトリアージタグ(トリアージタグ700であるものとする)を、例えば、赤色(図25にて図示斜線領域参照)のトリアージタグとして入力し、「最優先治療」と入力する。これは、赤色のトリアージタグの所有者は、重傷患者であって最優先に治療を必要とするためである。また、上記医療補助者は、上記キーボードの操作により、自己の氏名を、介添者として、「△△△△」と入力する。
以上のような操作入力に伴い、LCD300cは、駆動回路300bを介し、CPU304により制御されて、図25にて示すごとく、画面にて、上記申し出者の特定事項を表示する。
ステップ321における処理の後、ステップ322において、症状データ入力表示処理がなされる。具体的には、上記医療補助者が、医師から上記申し出者の症状を聞いて、上記キーボードの操作により、例えば、意識を「正常」と入力し、体温を「37.7℃」と入力し、血圧を「180−110」と入力し、上記申し出者の患部を表す画像データを、患部の画像Gとして入力する。このとき、当該患部が大腿部骨折の状態にあれば、「大腿部骨折」と入力する。
以上のような症状データの操作入力に伴い、LCD300cは、駆動回路300bを介し、CPU304により制御されて、図26にて示すごとく、画面にて、上記申し出者の症状データを表示する。
ステップ322の処理が上述のように終了すると、ステップ323において、トリアージタグへの患者名及びバイタルサインデータ出力処理がなされる。ここでは、トリアージタグ700に対し、上記申し出者の血圧、体温及び脈拍がバイタルサインデータとして出力される。これに伴い。当該バイタルサインデータが、トリアージタグ700に入力される。このことは、現段階における上記大震災の被災者(上記申し出者)のバイタルサインデータがトリアージタグ700に保存されたことを意味する。
上述のように降圧剤を上記申し出者に与えるとともに服用方法を指示した後、医師は、上記申し出者の怪我(具体的には、上記大腿部骨折)に対する外科的処置を行う。また、上記申し出者が、不眠や不安の精神症状を有するときには、医師は、上記緊急医療品収納箱内の睡眠剤や抗不安剤を当該申し出者に与える。また、上記申し出者が、不眠や不安の精神症状ではなく、風邪症状を有するときには、医師は、聴打診や咽頭、鼻腔、外耳の検査を行い、上記緊急医療品収納箱内の抗生剤を上記申し出者に与える。
ステップ323の処理後、ステップ324において、処置内容入力表示処理がされる。具体的には、上記医療補助者が、上記キーボードやマウスの操作により、医師から聴取した処置内容を入力する。例えば、処置内容が、「大腿部骨折治療」及び「大量出血止血」であれば、これらの「大腿部骨折治療」及び「大量出血止血」の上記画面上の各チェックボックス(図27参照)を上記マウスによりクリックする。
また、上記医療補助者は、上述の処置内容の入力に併せて、医師から聴取した医師所見を入力する。例えば、医師所見が、「全く眠れない」、「不安」及び食事が「摂取なし」ということであれば、記医療補助者は、画面上の「全く眠れない」、「不安」及び「摂取なし」の各チェックボックスを上記マウスによりクリックする。
以上のような処置内容及び医師所見の操作入力に伴い、LCD300cは、駆動回路300bを介し、CPU304により制御されて、図27にて示すごとく、画面にて、上記申し出者に対する処置内容及び医師所見を表示する。
然る後、ステップ325において、各ステップ321、322、323にて入力した後の電子カルテの表示処理がなされる。この表示処理に伴い、LCD300cは、駆動回路300bを介し、CPU304により制御されて、図28にて示すごとく、画面にて、上記申し出者の電子カルテを表示する。この電子カルテには、上記申し出者に関し、上記医療補助者によって各ステップ321、322、324にて入力されたデータが表示されている。これに伴い、医師が当該電子カルテの内容に誤りがないかにつき確認し得る。
しかして、当該電子カルテの内容に誤りがなく正しければ、上記医療補助者ではなく、医師が、上記キーモードの操作でもって、「OK」と入力することで、ステップ330における判定がYESとなる。これにより、電子カルテに対する記入が実質的に医師によりなされたこととして認識され得る。
一方、当該電子カルテの内容に誤りがあれば、医師はその旨を上記医療補助者に伝える。これに伴い、当該医療補助者が、上記キーモードの操作でもって、「NG」と入力すると、ステップ330において、「OK」との入力でないことからNOと判定される。
然る後は、上記医療補助者は、表示されている電子カルテ上にて、各ステップ321、322、324にて入力されたデータを再確認する。そして、誤りがある入力データに関しては、上記医療補助者が、上記キーボードやマウスでもって、正しく再入力する。従って、ステップ325において表示済みの電子カルテの内容が是正される。
これに伴い、医師が、再度電子カルテの内容を確認し、上記キーボードの操作により、「OK」と入力すれば、ステップ330における判定はYESとなる。
以上のようにして、上記申し出者の電子カルテの作成が終了すると、ステップ331において、上記処置内容のトリアージタグへの出力処理がなされる。このため、ステップ324で入力済みの上記処置内容がトリアージタグ700に出力されて記憶される。これにより、上記申し出者の処置内容が確実にトリアージタグ700に保存され得るので、その後の治療に有効である。
また、ステップ331の処理後、次のステップ332において、上記処置内容のプリンターへの出力処理がなされる。このため、ステップ324で入力済みの上記処置内容がプリンター500に出力されて印刷される。この印刷結果を上記申し出者に渡すことで、上記申し出者は、上記処置内容を確認し得る。
また、ステップ332の処理後、ステップ333において、処理内容を医療データとして出力する処理がなされる。これに伴い、医療データ送信機600e及び医療データ送信機600fが、上記医療データを受けて送信する。
以上説明したように、電子カルテへの入力は、上記医療補助者によって殆どなされるので、医師は、最終的に、当該医療補助者によって入力された内容の正しさの有無を確認するだけでよい。その結果、医師は、患者の診察に専念できる。よって、医師は、上記申し出者の他の多数の被災者を、効率よく、緊急時に即した状態で、診察し得る。換言すれば、多数の被災者を診察するために、各被災者のデータを電子カルテに入力するための物理的、心理的、時間的な余裕が医師には全くないような状態であっても、当該医師は、余分な作業を行うことなく、多数の被災者の診察に専念し得る。
ここで、上述のように、電源装置PSにおいては、当該トラックが停止状態にあっても、太陽発電装置SCA或いはモータジェネレータMGの発電電力で充電してなるバッテリBTの直流電力、または、太陽発電装置SCA単独の発電電力でもって、レギュレータ回路110を介しインバータ160に対する給電が維持される。特に、太陽発電装置SCAの太陽電池は、ダリウス型羽根ごとにその表壁部及び裏壁部に設けられているから、太陽発電装置SCAの発電電力は良好に確保され得る。
従って、当該救急医療支援電子カルテシステムERSの商用電源が近くに存在しなかったり、大震災のために使用不能となっていても、救急医療支援電子カルテシステムERSにおいて、上述の電源装置PSによる給電のもとに、端末300その他の素子の作動が良好に維持され得る。その結果、上述した救急医療支援電子カルテシステムERSによる作用効果が良好に達成され得る。その他の作動及び作用効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第3実施形態)
図29〜図39は、本発明の第3実施形態を示している。この第3実施形態では、風車ユニットWUaが、上記第2実施形態にて述べた風車ユニットWUに代えて、当該風車ユニットWUと実質的に同様に、ハウジング60a(後述する)にて、当該トラックの車室10の上壁12の後側水平部12a上に着脱可能に組み付けられている。
当該風車ユニットWUaは、図29〜図31にて示すごとく、上記第2実施形態にて述べた風車ユニットWUのハウジング60及び風車70に対応するハウジング60a及び風車70aに加え、ベアリング受け機構90a及び回動機構90bを備えている。
ハウジング60aは、ハウジング60と同様に、底壁61、左右両壁62、63及び後壁64を有するが、このハウジング60aの底壁61及び後壁64は、ハウジング60の底壁61及び後壁64に比べて、当該トラックの車幅方向において、所定長さだけ短くなっている。これは、風車ユニットWUaを、風車ユニットWUとは異なり、後述のごとく、車室10の後側水平部12aの右端部上に垂直状に起立可能に構成するためである。
風車70aは、ハウジング60aの上記短縮に合わせて、各羽根76を上記所定長さだけ短縮して、風車70のハウジング60に対する組み付けと同様に、ハウジング60aに組み付けられている。
本実施形態において、太陽発電装置SCAでは、各表側及び裏側の太陽電池部SCa、SCbは、各正側共通電極Dpにて、上記第2実施形態とは異なり、共に、正側ブラシB3(図31参照)を介し正側スリップリングL3に電気的に接続されるとともに、各負側共通電極Dnにて、共に、負側ブラシB4(図31参照)を介し負側スリップリングL4に電気的に接続されている。ここで、正負両側ブラシB3、B4は、図31にて示すごとく、風車70の両右側ステイ78の各々にそれぞれ電気絶縁層(図示しない)を介し固着されており、これら正負両側ブラシB3、B4は、正負両側スリップリングL3、L4に向けて延出してこれらに接触している。正負両側スリップリングL3、L4は、ハウジング60aの右壁63にその左側から回転軸71と同軸的に電気絶縁層(図示しない)を介し互いに間隔をおいて装着されている。
これによれば、風車70aの回転中において、太陽発電装置SCAは、正負両側スリップリングL3、L4の間に発電電圧を発生する。なお、正側スリップリングL3は、図示しないリード線により、車室10の上壁12、後壁及び底壁の内部を通り制御装置CDのレギュレータ回路110の平滑回路111の入力端子に接続されており、負側スリップリングL4は、当該トラックのシャシーに接地されている。
ベアリング受け機構90aは、図30或いは図31にて示すごとく、ベアリング72を解放可能に支持するように、ハウジング60aの左壁62に組み付けられている。なお、本実施形態では、ベアリング72は、回転軸71の左端側小径部に同軸的に支持されており、このベアリング72は、ストップリング72aにより、上記左端側小径部から抜け止めされている(図31及び図32参照)。
このベアリング受け機構90aは、図32或いは図33にて拡大して示すごとく、受け部材91、変位部材92、ブラケット93、ギヤードモータ94及びピニオン95を備えている。
受け部材91は、図32にて示すごとく、両壁部91a、91bを有する。壁部91aは、回転軸71の左端側小径部の下側近傍において、ハウジング60aの左壁62の内面に装着されており、この壁部91aの上縁部は、ベアリング72の外輪の外周面のうちの下側半分の部位に沿うように半円弧状に形成されている。壁部91bは、断面半円筒状にて、壁部91aの上縁部から右方に向けL字状に延出されており、この壁部91bは、その内面にて、ベアリング72の外輪の外周面のうちの下側半分の部位を下方から受承する。
変位部材92は、図32或いは図33にて示すごとく、両壁部92a、92bを有している。壁部92aは、上側に凸な半円筒状に形成されており、この壁部92aは、ハウジング60aの左壁62にベアリング72と同軸的に形成した半円環状変位穴部62cに左右方向に変位可能に嵌装されて、ベアリング72の外輪の外周面のうちの上側半分の部位(以下、上側外周面部位という)を上側から受承する。これにより、壁部92aは、壁部91bと共に、ベアリング92の外輪の外周面全体を受承する。なお、半円環状変位穴部62cの壁部92aの厚さに対応する穴幅は、左壁62の厚さ及び円筒部93bの延出端部の内周面のうち上側半分の部位(後述する)と共に、壁部92aを半円環状変位穴部62cにより回転軸71の軸と平行に維持し得るように設定されている。
壁部92bは、図32にて示すごとく、壁部92aの左縁部から下方へ断面L字状に延出しており、この壁部92bの延出端部は、上側に凸な円弧状の内歯歯車部として、ピニオン95と同軸的に形成されている。ここで、当該内歯歯車部は、ピニオン95の軸方向に向けヘリカル状に形成されている。
ブラケット93は、図32にて示すごとく、円板部93aと、円筒部93bと、環状フランジ部93cとを有しており、円筒部93bは、円板部93aの外周部から右方へ同軸的に延出している。環状フランジ部93cは、円筒部93bの延出端部から径方向へ外方に延出している。
しかして、このように構成したブラケット93は、フランジ部93cにて、ハウジング60aの左壁62の外面にベアリング72と同軸的に位置するように装着されている。ここで、円筒部93bの延出端部の内周面は、その上側半分の部位にて、左壁62の半円環状変位穴部62cの上側内面と一致している(図32参照)。これにより、変位部材92の壁部92aが、その外面にて、左壁62の半円環状変位穴部62cの上側内面部及び円筒部93bの内周面の上側半分の部位に沿い円筒部93bの軸方向において摺動可能となっている。
ギヤードモータ94は、図32にて示すごとく、直流電動機94aに減速機94bを同軸的に組み付けて構成されている。減速機94bは、ブラケット93の円板部93aにその右側から同軸的に組み付けられており、この減速機94bの出力軸94cは、円板部93aの中央孔部を通り円筒部93b内に同軸的にかつ回転自在に延出している。なお、減速機94bの減速比は、ベアリング72の変位部材92による解放或いは受承を緩やかにかつ確実に行うように大きな値に設定されている。
ピニオン95は、円筒部93b内にて減速機94bの出力軸94cに同軸的に支持されており、このピニオン95の外周部に形成された外歯歯車部は、ヘリカル状に形成されて、変位部材92の壁部92bの内歯歯車部を軸方向に変位させるように、当該内歯歯車部と噛合している。
次に、回動機構90bの構成につき、ハウジング60aとの関係において説明する。まず、本実施形態では、ハウジング60aにおいては、上述した左壁62の変形に加え、右壁63が次のように変形されている。右壁63は、図29にて示すごとく、その風車70aの右端面に対応する部位を、コ字状に切り欠くことで、静止壁部63b及び回動壁部63cを有するように形成されている。これにより、静止壁部63bは、前側部a、後側部b及びこれら前側部a及び後側部bの下部を相互に連結する帯状連結部cでもって構成されている。
また、回動壁部63cは、その下縁部にて、静止壁部63bの連結部cの上縁部に、回動軸63dにより、連結されている。これにより、回動壁部63cは、静止壁部63bの前側部a及び後側部bの間にて、回動軸63dを軸として左右方向に回動可能となっている。
回動機構90bは、上述した回動壁部63c及び回動軸63dと共に、ギヤードモータ96を備えている。ギヤードモータ96は、静止壁部63bの後側部bの切欠部d(図29参照)内にて、ブラケット97により支持されているもので、このギヤードモータ96は、直流電動機96aに減速機96bを同軸的に組み付けて構成されている。ここで、切欠部dは、静止壁部63bの後側部bのうち前下側隅角部を矩形状に切り欠いて形成されている。なお、風車70aを緩やかにかつ確実に起立させるように、減速機96bの減速比が大きく設定されている。
ブラケット97は、二股状底壁97aから支持壁部97bをL字状に延出させて構成されており、当該ブラケット97は、二股状底壁97aにて、静止壁部63bの連結部cを挟持するように切欠部d側から嵌装されている。これにより、支持壁部97bは、切欠部dの前端部内にて二股状底壁97aの後縁部から上方へ延出している。
しかして、ギヤードモータ96の減速機96bは、その出力軸にて、回動軸63dと同軸的に位置するようにブラケット97の支持壁部97bに支持されており、この減速機96bの出力軸は、支持壁部97bの貫通孔部を回動可能に通り回動軸63dと同軸的にかつ一体的に連結されている。なお、回動軸63dの前端部は、静止壁部63bの前側部aのうち連結部cの上縁前端部に対する対応部に設けた筒状軸受け部e(図29参照)内に回動自在に支持されている。本実施形態では、回動機構90bによる風車70aの起立及びその原位置への復帰が、風車70aの自重に抗して常に円滑に行われるように、ハウジング60a、回動軸63d及びギヤードモータ96の機械的強度が強化されている。
また、本第3実施形態の制御装置CDは、上記第2実施形態にて述べた制御装置CDにおいて、図34にて示すごとく、レギュレータ回路110及びマイクロコンピュータ120が次のように変形されている。レギュレータ回路110においては、変圧器113が、両二次コイル113b、113cに加えて、さらに、二次コイル113dを有する。このため、変圧器113は、その変圧に伴い、第3出力端子にて二次コイル113dから第3変圧電圧を発生する。これに伴い、コンバータ114は、両二次コイル113b、113cからの第1及び第2の変圧電圧に基づき第1及び第2の直流電圧を発生するとともに、第3変圧電圧に基づき第3直流電圧を発生する。
また、本第3実施形態の制御装置CDでは、マイクロコンピュータ120が、図20及び図21のフローチャートに代えて、図35〜図39に示すフローチャートに従い上記コンピュータプログラムを実行するように変更されている。
さらに、本第3実施形態の制御装置CDは、上記第2実施形態にて述べた制御装置CDにおいて、充電スイッチSWc、高さセンサS2、ブザーBZ、両リレー180、190、両駆動回路180a、190a及び両正逆転回路180b、190bをさらに付加的に採用した構成を有する(図34参照)。
充電スイッチSWcは、運転室10の前壁下部13において、災害スイッチSWbに並設されており、この充電スイッチSWcは、バッテリBTを人為的に充電しようとするときに操作されて閉成し、当該充電を停止しようとするときに操作されて開成する。
高さセンサS2は、超音波センサからなるもので、この高さセンサS2は、車室10の上壁12の適所に設けられて、その直上に向けて超音波を送信する。そして、送信超音波が反射されたとき、高さセンサS2は、当該反射超音波を受信して受信信号を発生する。
ブザーBZは、マイクロコンピュータ120による制御のもと、駆動されて鳴動する。リレー180は、リレーコイル181及び常開型リレースイッチ182を有しており、リレーコイル181は、マイクロコンピュータ120による制御のもと、駆動回路180aにより励磁或いは消磁される。リレースイッチ182は、リレーコイル181の励磁或いは消磁により閉成或いは開成する。なお、このリレースイッチ182は、レギュレータ110のコンバータ114の第3出力端子と正逆転回路180bの入力端子との間に接続されている。但し、レギュレータ110の二次コイル113dは、コンバータ114の入力側にも接続されている。
しかして、当該リレー180は、リレースイッチ182の閉成に伴い、コンバータ114からの第3直流電圧を正逆転回路180bに出力し、また、リレースイッチ172の開成に伴い、上記第3直流電圧の正逆転回路180bへの出力を遮断する。
リレー190は、リレーコイル191及び常開型リレースイッチ192を有しており、リレーコイル191は、マイクロコンピュータ120による制御のもと、駆動回路190aにより励磁或いは消磁される。リレースイッチ192は、リレーコイル191の励磁或いは消磁により閉成或いは開成する。なお、このリレースイッチ192は、レギュレータ110のコンバータ114の第3出力端子と正逆転回路190bの入力端子との間に接続されている。
しかして、当該リレー190は、リレースイッチ192の閉成に伴い、コンバータ114からの第3直流電圧を正逆転回路190bに出力し、また、リレースイッチ192の開成に伴い、上記第3直流電圧の正逆転回路190bへの出力を遮断する。
正逆転回路180bは、マイクロコンピュータ120による制御のもと、第1切り換え状態にて、リレースイッチ182からの第3直流電圧を正極性にて直流電動機94aに印加して当該直流電動機94aを正転させ、また、第2切り換え状態にて、上記第3直流電圧を逆極性にて直流電動機94aに印加して当該直流電動機94aを逆転させる。
正逆転回路190bは、マイクロコンピュータ120による制御のもと、第1切り換え状態にて、リレースイッチ192からの第3直流電圧を正極性にて直流電動機96aに印加して当該直流電動機96aを正転させ、また、第2切り換え状態にて、上記第3直流電圧を逆極性にて直流電動機96aに印加して当該直流電動機96aを逆転させる。その他の構成は、上記第2実施形態と同様である。
以上のように構成した本第3実施形態において、当該トラックの前進による発進に先立ち、キースイッチSWaが閉成されると、上記第2実施形態と同様に、モータジェネレータMGが、クラッチCLの解離のもとに、インバータ50からのインバータ電圧を印加されて、マルチモードトランスミッションMMTを介し左右両側駆動輪FWに駆動力を伝達する。このため、当該トラックが発進する。
このような状態では、当該トラックが向かい風に向かって走行すれば、上記第1実施形態と同様に、風車ユニットWUaが、上記総和風速に応じて風力発電する。
また、上述のようなキースイッチSWaの閉成に伴い、上記第2実施形態と同様に、マイクロコンピュータ120が、レギュレータ回路110からの第1直流電圧に基づき図35〜図39のフローチャートに従い上記コンピュータプログラムの実行を開始する。
しかして、上記第2実施形態にて述べたように、上記コンピュータプログラムがステップ250(図20、図35参照)に進んだとき、災害スイッチSWbが閉成されていなければ、ステップ250における判定はNOとなる。
これに伴い、ステップ800(図36参照)において充電スイッチの閉成か否かが判定される。現段階において、曇天等のために、日射量が適正には得られそうにないと判断される場合には、運転者は充電スイッチSWcを閉成操作しない。このため、ステップ800における判定はNOとなり、上記コンピュータプログラムは、エンドステップに進む。
一方、日射量が適正に得られると判断される場合には、充電スイッチSWcが閉成され、ステップ800においてYESと判定される。ついで、ステップ810において、ステップ270a(図20参照)における判定処理と同様に、検出抵抗150からの検出電圧Vbが許容下限電圧Vbo以上か否かが判定される。ここで、Vb≧Vboであれば、ステップ810における判定はYESとなり、上記コンピュータプログラムは、エンドステップに進む。これにより、バッテリBTの過充電が防止され得る。
また、Vb<Vboであれば、バッテリBTの電力不足であることから、上述したステップ810における判定がNOとなる。これに伴い、ステップ811において高さ算出処理がなされる。ここで、車室10の上壁12の直上に障害物があれば、高さセンサS2から送信された超音波が当該障害物により反射されて高さセンサS2により受信信号として発生される。これに伴い、高さセンサS2の超音波の送信タイミングから高さセンサS2の受信信号の発生タイミングまでの経過時間に基づき、車室10の上壁12から上記障害物までの高さ(以下、高さHともいう)が算出される。
然る後、ステップ820において上記算出高さHが所定の高さHoよりも高い値か否かが判定される。ここで、上述の算出高さHが、所定の高さHo以下であれば、上記障害物が風車70aの起立の邪魔になることから、ステップ820において、NOと判定され、上記コンピュータプログラムはエンドステップに進む。本実施形態では、所定の高さHoは、風車70aを上壁12上に垂直状に起立させたときの当該風車70aの上壁12からの高さよりも幾分大きい値に設定されている。
一方、上述の算出高さHが、所定の高さHoよりも高い値であれば、上記障害物は風車70aの起立の邪魔にならないことから、ステップ820において、YESと判定され、ステップ821におけるベアリング解放作動処理において、リレー140の駆動停止処理、リレー180の駆動処理及び正逆転回路180bの第1切り換え状態への切り換え駆動処理がなされる。
これにより、リレー140が、リレースイッチ142を閉成するとともに、リレー180が、リレースイッチ182を閉成する。また、正逆転回路180bが第1切り換え状態に切り換えられる。このため、第3直流電圧が、リレースイッチ142を介するバッテリBTからの直流電圧に基づきレギュレータ回路110のコンバータ114から出力され、リレースイッチ182を通り、第1切り換え状態にある正逆転回路180bを介し正極性にて直流電動機94aに印加される。これにより、この直流電動機94aが正転する。
このように直流電動機94aが正転すると、ベアリング受け機構90aにおいては、ギヤードモータ94が、直流電動機94aの正転に伴い減速機94bをピニオン95とともに減速正転させる。これに伴い、変位部材92が、その壁部92bのピニオン95との螺合のもとに減速機94b側へ変位する。これにより、変位部材92の壁部92aがベアリング72の外輪の上側外周面部位に沿いハウジング60aの左壁62の半円環状変位穴部62cの内周面に対し摺接しながら減速機94b側へ変位する。このとき、上述のごとく、半円環状変位穴部62cの壁部92aの厚さに対応する穴幅は、左壁62の厚さ及び円筒部93bの延出端部の内周面のうち上側半分の部位と共に、壁部92aを半円環状変位穴部62cにより回転軸71の軸と平行に維持し得るように設定されているので、壁部92aは、回転軸71の軸に平行に円滑に変位し得る。
上述のステップ821の処理に伴い、ステップ822における上記ソフトタイマーのリセットスタート処理において、当該ソフトタイマーが、そのリセットにより計時を開始する。しかして、変位部材92によりベアリング72を解放するに要する所定の解放時間が経過すると、ベアリング72が変位部材92から解放されたことになる。このため、ステップ830において、上記ソフトタイマーの計時時間に基づきYESと判定される。これに伴い、ステップ831における解放作動停止処理において、リレー180のリレーコイル181が、駆動回路180aにより消磁されてリレースイッチ182を開成する。従って、直流電動機94aが、正逆転回路180bにより停止される。これにより、ベアリング受け機構90aによるベアリング72の解放作動が終了する。
上述のようにステップ831の処理が終了すると、ステップ832(図37参照)において風車起立作動処理がなされる。この風車起立作動処理では、リレー190の駆動処理及び正逆転切り換え回路190bの第1切り換え状態への切り換え処理がなされる。
これにより、リレー190が、リレースイッチ192を閉成するとともに、正逆転回路190bが第1切り換え状態に切り換えられる。このため、レギュレータ110のコンバータ114からの第3直流電圧が、リレースイッチ192を介し、第1切り換え状態にある正逆転回路190bを介し正極性にて直流電動機96aに印加される。これに伴い、この直流電動機96aが正転する。
このように直流電動機96aが正転すると、回動機構90bにおいては、ギヤードモータ96が、減速機96bを減速正転させる。すると、ハウジング60の右壁63の回動壁部63cが、減速機96bの出力軸、換言すれば、回動軸63dと共に回動して、風車70aを、回動軸63dを基準として図30或いは図31にて二点鎖線により示すごとく、右側に向け上方へ起立するように回動させる。
上述のステップ832の処理後、ステップ833における上記ソフトタイマーのリセットスタート処理において、そのリセットにより計時を開始する。しかして、回動機構90bにより風車70aを起立させるに要する所定の起立時間が経過すると、風車70aの起立が終了し、上記ソフトタイマーの計時時間に基づき、ステップ840においてYESと判定される。これに伴い、ステップ841における風車起立作動停止処理において、リレー190のリレーコイル191が、駆動回路190aにより消磁されて、リレースイッチ192を開成する。このため、直流電動機96aが、正逆転回路190bにより停止される。
このような状態では、風車70aが、車室10の上壁12の後側水平部12a上において、荷物積載庫20の前壁21よりも高く上方に向けて延出する。このため、日射は、風車70aにその全周囲から入射可能となる。従って、太陽発電装置SCAによる発電量が良好に確保され得る。
上述のように、ステップ841の処理が終了すると、ステッ842における両リレー130、140の駆動処理において、リレー130のリレーコイル131が駆動回路130aにより励磁されてリレースイッチ132を閉成するとともに、リレー140のリレーコイル141が駆動回路140aにより励磁されてリレースイッチ142を開成する。
然る後、ステップ850において、充電スイッチの開成か否かが判定される。現段階では、充電スイッチSWcは閉成されたままであるからステップ850における判定はNOとなり、以後、このステップ850においてNOとの判定が繰り返される。
このような状態においては、太陽発電装置SCAの発電電圧に基づきレギュレータ回路110から出力される第1直流電圧が、リレースイッチ142の開成状態にて、リレースイッチ132を介しバッテリBTに印加される。このため、バッテリBTが充電される。
このような充電の過程において、充電スイッチSWcが開成されると、ステップ850における判定がYESとなり、ステップ851において、風車復帰作動処理がなされる。ここでは、リレー190の駆動のもと、正逆転回路190bが第2切り換え状態に切り換えられる。このため、レギュレータ110のコンバータ114からの第3直流電圧が、リレースイッチ192を介し、第2切り換え状態にある正逆転回路190bを介し逆極性にて直流電動機96aに印加される。これに伴い、この直流電動機96aが逆転する。
このように直流電動機96aが逆転すると、回動機構90bにおいては、ギヤードモータ96が、減速機96bを減速逆転させる。すると、ハウジング60の右壁63の回動壁部63cが、減速機96bの出力軸、換言すれば、回動軸63dと共に回動して、風車70aを、回動軸63dを基準として、左側に向け下方へ回動させる。
上述のステップ851の処理に伴い、ステップ852における上記ソフトタイマーのリセットスタート処理において、そのリセットにより計時を開始する。しかして、回動機構90bにより風車70aを原位置へ復帰させるに要する所定の復帰時間が経過すると、上記ソフトタイマーの計時時間に基づき、ステップ860においてYESと判定される。このとき、風車70aは、原位置に復帰して、回転軸71の左小径側端部にて、ベアリング受承機構90aの受け部材91上に受承される(図31参照)。
ステップ860におけるYESとの判定後、ステップ861においてベアリング受承作動処理がなされる。このベアリング受承作動処理では、リレー180の駆動のもと、正逆転回路180bが第2切り換え状態に切り換えられる。このため、レギュレータ回路110からの第3直流電圧が、リレースイッチ182を通り、第2切り換え状態にある正逆転回路180bを介し逆極性にて直流電動機94aに印加される。これに伴い、この直流電動機94aが逆転する。
このように直流電動機94aが逆転すると、ベアリング受け機構90aにおいては、ギヤードモータ94が、直流電動機94aの逆転に伴い減速機94bをピニオン95とともに減速逆転させる。これに伴い、変位部材92が、その壁部92bのピニオン95との螺合のもとに減速機94bとは反対側へ変位する。これにより、変位部材92の壁部92aがハウジング60aの左壁62の半円環状変位穴部62cの内周面に対し摺接しながら変位しベアリング72の外輪の上側外周面部位を受承する。このとき、上述のごとく、半円環状変位穴部62cの壁部92aの厚さに対応する穴幅は、左壁62の厚さ及び円筒部93bの延出端部の内周面のうち上側半分の部位と共に、壁部92aを半円環状変位穴部62cにより回転軸71の軸と平行に維持し得るように設定されているので、壁部92aは、回転軸71の軸に平行に円滑に変位し得る。
上述のステップ861の処理に伴い、ステップ862における上記ソフトタイマーのリセットスタート処理において、当該ソフトタイマーが、そのリセットにより計時を開始する。しかして、変位部材92によりベアリング72を受承するに要する所定の受承時間が経過すると、ベアリング72が変位部材92により上述のように受承されたことになる。このため、ステップ870において、上記ソフトタイマーの計時時間に基づきYESと判定される。
また、上記第2実施形態と同様に災害の発生に伴い、ステップ260(図35参照)においてYESと判定されるか或いはステップ250b(図35参照)における発進指令処理がなされると、ステップ260a(図38参照)において、キースイッチの開成か否かが判定される。従って、上記第2実施形態と同様に当該トラックが災害地への到達に伴い、キースイッチSWaが開成されると、ステップ260aにてYESと判定され、その後、ステップ261における高さ算出処理において、ステップ811(図36参照)における処理と同様にして障害物の高さHが算出される。
しかして、算出高さHが所定の高さHoよりも高い値であれば、ステップ260bにおける判定がYESとなり、ステップ262において、ステップ821の処理と同様に、ベアリング解放作動処理がなされる。これに伴い、ベアリング受け機構90aは、上述と同様にして、変位部材92の壁部92aにより、ベアリング72の外輪の上側外周面部位を解放し始める。
上述したステップ262の処理に伴い、ステップ263におけるソフトタイマーのリセットスタート処理において、上記ソフトタイマーが、リセットにより起動されて、計時し始める。しかして、上記所定の解放時間が経過すると、ベアリング72が変位部材92から解放され、上記ソフトタイマーの計時時間に基づき、ステップ264においてYESと判定される。これに伴い、ステップ265における解放作動停止処理において、ステップ831の処理と同様にして、ベアリング受け機構90aによるベアリング72の解放作動が終了する。
上述のようにステップ265における処理が終了すると、次のステップ266における風車起立作動処理において、ステップ832(図37参照)における処理と同様にして、回動機構90bが、風車70aを右側に向け上方へ起立させるように回動する。
上述のステップ266の処理に伴い、ステップ267における上記ソフトタイマーのリセットスタート処理において、そのリセットにより計時を開始する。しかして、上述の所定の起立時間の経過に伴い、風車70aが起立し、上記ソフトタイマーの計時時間に基づき、ステップ268においてYESと判定される。ついで、ステップ269における風車起立作動停止処理において、ステップ841の処理と同様にして、直流電動機96aが停止される。
このような状態にあっては、上述したように、風車70aが、車室10の上壁12上において、荷物積載庫20の前壁21よりも高く上方に向けて延出するため、日射が、風車70aにその全周囲から入射し得る状態となる。
ステップ269の処理後、ステップ880(図39参照)における判定処理がなされる。現段階において、検出抵抗150の検出電圧Vbが所定の許容下限電圧Vbo以上であれば、バッテリBTの電力容量は十分であることから、ステップ880においてYESと判定されて、ステップ890bでの判定処理がなされる。
また、Vb<Vboであれば、ステップ880における判定がNOとなり、ステップ880aにおいて、日射量が所定量以上か否かが判定される。ここで、日射量が十分であれば、日射センサS1の検出出力に基づき、ステップ880aにおける判定がYESとなる。このため、ステップ881における両リレー130、140の駆動処理において、上述と同様に、リレー130がリレースイッチ132を閉成するとともに、リレー140がリレースイッチ142を開成する。これに伴い、レギュレータ回路110は、リレースイッチ142によりバッテリBTから遮断された状態で、太陽発電装置SCAからの発電電圧に基づき第2直流電圧を、リレースイッチ132を通しバッテリBTに印加してこのバッテリBTを充電する。
しかして、上述のようにステップ880にてYESと判定された後、或いはステップ881の処理がなされた後は、災害スイッチSWbの閉成状態のため、ステップ890bにてNOと判定される。これは、バッテリBTの充電確保のもとに救急医療支援電子カルテシステムERSを作動状態におくためである。
また、上述のように風車70aが起立していても、日射量が不足するときには、上述のようにステップ880における判定がNOとなった後、ステップ880aにて、日射センサS1の検出出力に基づき、NOと判定される。このため、ステップ882におけるブザー駆動処理において、ブザーBZが駆動されて鳴動して、日射量不足によりバッテリBTの充電は不可能であることを運転者に報知する。
しかして、上述のようにステップ882の処理が終了すると、ステップ883におけるディーゼルエンジン始動指令処理において、ディーゼルエンジンEGの始動を要求する指令がマイクロコンピュータ120からコントローラ40に出力される。すると、コントローラ40が、ディーゼルエンジンEGを始動し、クラッチCLを係合させ、インバータ50を整流作用状態におく。これに伴い、モータジェネレータMGが、クラッチCLを介しディーゼルエンジンEGにより駆動されて発電電圧を発生し、インバータ50が、当該発電電圧を整流して直流電圧を発生する。
上述のようなステップ883における処理に伴い、ステップ890aにおいて、キースイッチの閉成か否かが判定される。ここで、キースイッチSWaが閉成されると、ステップ890aにおける判定がYESとなり、ステップ890bにて上述と同様にNOと判定される。しかして、上述のようにキースイッチSWaが閉成されると、インバータ50が直流電圧をバッテリBTに印加してこのバッテリBTを充電する。このことは、風力発電装置ESAからの発電電力或いはモータジェネレータMGからの発電電力に基づくバッテリBTの電力が救急医療支援電子カルテシステムERSの作動維持のために確保されることを意味する。
上述のようにステップ890bにおける判定がNOとなると、ステップ891において、ステップ282(図21参照)における処理と同様にして、リレー170がリレースイッチ172を閉成する。これに伴い、太陽発電装置SCAの発電電力或いはモータジェネレータMGの発電電力に基づき、レギュレータ回路110において、コンバータ114から出力される第3変圧電圧がインバータ160に出力される。すると、当該第3変圧電圧は、インバータ160によりインバータ制御されて、インバータ電圧を、交流電圧(100(V))として、リレースイッチ172を介し発生する。
ついで、上述と同様に救急医療支援電子カルテシステムERSの制御装置CDへの接続(図22参照)が終了すると、ステップ890c(図39参照)においてYESと判定される。然る後は、上述と同様にして、マイクロコンピュータ300aが、インバータ160から給電されて作動状態になり、図23のフローチャートに従い、上記電子カルテ作成プログラムを実行する。
以上説明したように、本第3実施形態では、当該トラックの停車中においては、充電スイッチSWcの閉成のもとに、バッテリBTの電力が不足状態にあり、かつ、上記障害物が風車70aの起立の邪魔にならないことを前提として、回動機構90bが、ベアリング受承機構90aによるベアリング72の解放のもと、風車70aを起立させる。従って、日射量が良好であれば、風車70aはその全周囲から日射を受けることとなる。その結果、太陽発電装置SCAの発電量が良好に確保されて、バッテリBTの充電が良好になされ得る。
また、災害の発生の場合には、災害スイッチSWbの閉成のもと、バッテリBTの電力が不足状態にあり、かつ、上記障害物が風車70aの起立の邪魔にならないことを前提として、回動機構90bが、ベアリング受承機構90aによるベアリング72の解放のもと、風車70aを起立させる。従って、日射量が良好であれば、風車70aはその全周囲から日射を受けることとなる。その結果、太陽発電装置SCAの発電量がより一層良好に確保されて、バッテリBTの充電がより一層良好になされ得るとともに、レギュレータ回路110からの第3直流電圧が、太陽発電装置SCAからの発電電力に基づき救急医療支援電子カルテシステムERSに出力される。その結果、救急医療支援電子カルテシステムERSの作動がより一層安定して維持され得る。その他の作動及び作用効果は上記第2実施形態と同様である。
(第4実施形態)
図40〜図47は、本発明の第4実施形態の要部を示している。この第4実施形態では、風車ユニットWUbが、上記第3実施形態にて述べた風車ユニットWUaに代えて、当該トラックの車室10の上壁12の後側水平部12a上に組み付けられている。
当該風車ユニットWUbは、図40或いは図41にて示すごとく、ハウジング60b、風車70b、発電機構80a、固定機構900a及び回動機構900bを備えており、この風車ユニットWUbは、風車70bをハウジング60b及び発電機構80aと共に一体的に、回動機構900bにより原位置(図41にて示す位置)から起立させ或いは原位置に復帰させるように構成されている。
ハウジング60bは、底壁65及び左右両壁66、67でもってほぼコ字状に形成されており、当該ハウジング60bは、上記原位置にあるとき、底壁65にて、当該トラックの車室10の上壁12の後側水平部12a上に載置されて、左右両壁66、67を底壁65の左右両端部から上方に向け延出させている。但し、底壁65は、上記第3実施形態にて述べたハウジング60aの底壁64と同様に、当該トラックの車幅方向において、所定長さだけ短くなっている。また、右壁67は、左壁66よりも所定高さだけ低くなっている。
風車70bは、上記第3実施形態にて述べた回転軸71に対応する固定軸71aを有しており、この固定軸71aは、上記第3実施形態にて述べた回転軸71とは異なり、その左側小径端部に形成した先端雄ねじ部にて、ハウジング60bの左壁66に形成した貫通孔部66a(図41参照)を通り延出されて、ナット71bの締着でもって貫通孔部66aにその右側から回転不能に固定されている。また、固定軸71aは、その右側小径部にて、回動機構900bに後述のごとく回転不能に固定されている。
また、風車70bは、上記第3実施形態にて述べた3枚のダリウス型羽根76と、左右両側ステイ部材79とを備えている。左右両側ステイ部材79は、それぞれ、3本のステイ部79aと、円筒状ボス部79bとを有しており、各ステイ部79aは、円筒状ボス部79bの軸方向一側端部から等角度間隔にて径方向へ外方に向けて放射状に延出している。
しかして、左側ステイ部材79は、そのボス部79bにて、上記第3実施形態にて述べたベアリング72(固定軸71aの左側小径端部に嵌着されている)の外輪に同軸的に嵌着されている。また、左側ステイ部材79の各ステイ部79aは、その先端部にて、各羽根76の左端部に固着されている。一方、右側ステイ部材79は、そのボス部79bにて、平歯車81の円筒部81b(後述する)に同軸的に嵌着されている。また、右側ステイ部材79の各ステイ部79aは、その先端部にて、各羽根76の右端部に固着されている。
本実施形態において、太陽発電装置SCAでは、各表側及び裏側の太陽電池部SCa、SCbは、各正側共通電極Dpにて、上記第3実施形態とは異なり、図41にて示すごとく、共に、正側ブラシB5を介し正側スリップリングL6に電気的に接続されるとともに、各負側共通電極Dnにて、共に、負側ブラシB6を介し負側スリップリングL5に電気的に接続されている。ここで、正負両側ブラシB5、B6は、図41にて示すごとく、風車70bの左側ステイ部材79の各ステイ部79aにそれぞれ電気絶縁層(図示しない)を介し固着されており、これら正負両側ブラシB5、B6は、正負両側スリップリングL5、L6に向けて延出してこれらに接触している。正負両側スリップリングL5、L6は、ハウジング60bの左壁66にその右側から固定軸71aと同軸的に電気絶縁層(図示しない)を介し互いに間隔をおいて装着されている。
これによれば、風車70bの回転中において、太陽発電装置SCAは、正負両側スリップリングL5、L6の間に発電電圧を発生する。なお、正側スリップリングL5は、図示しないリード線により、正側スリップリングL3に代えて、車室10の上壁12、後壁11及び底壁の内部を通り制御装置CDのレギュレータ回路110の平滑回路111の入力端子に接続されており、負側スリップリングL6は、当該トラックのシャシーに接地されている。
発電機構80aは、図41にて示すごとく、大径の平歯車81、小径の平歯車82及び直流発電機83を備えている。平歯車81は、平歯車82と共に直流発電機83を増速回転させる増速歯車列を構成しており、この平歯車81は、その中央穴部81a(図40参照)にて、右側ベアリング73(固定軸71aの右側小径端部に嵌着されている)の外輪に同軸的に嵌着されている。また、この平歯車81から中央穴部81aと同軸的に左方へ突出する円筒部81bは、右側ステイ部材79の筒部79bに同軸的に嵌着されている。これにより、平歯車81は、右側ステイ部材79及び右側ベアリング73の外輪と一体となって回転する。このことは、風車70bが、平歯車81と共に、両ベアリング72、73を介し固定軸71aに回転自在に支持されることを意味する。
小径の平歯車82は、回動機構900bに後述のごとく支持される直流発電機83の出力軸に同軸的に支持されており、この平歯車82は、大径の平歯車81に噛合している。なお、平歯車82の平歯車81に対する増速比は、低い風速(例えば、数(m/s))であっても、直流発電機83の発電を良好に確保し得るように選定されている。
直流発電機83は、平歯車82を平歯車81に噛合させるように、そのステータにて、L字状ブラケット84により、後述のごとく回動機構900bの回動体920に支持されている。
固定機構900aは、原位置にあるハウジング60bを車室10の上壁12の後側水平部12a上に固定する役割を果たすもので、この固定機構900aは、図40にて示すごとく、ハウジング60bの左壁66の前方にて、上壁12の後側水平部12aに配設されている。
当該固定機構900aは、図42及び図43にて拡大して示すごとく、フック部材910aと、リニアアクチュエータ910bとを備えている。フック部材910aは、基台911と、フック912と、コイルバネ913とを有しており、基台911は、その底壁部にて、ハウジング60bの左壁66の後方において、上壁12の後側水平部12a上に装着されている。
フック912は、長手状基部912aと、爪部912bとを有しており、長手状基部912aは、その下端部にて、基台911の上端部に、この上端部に嵌着したロッド911aを介し、当該トラックの前後方向へ傾動可能に連結されている。なお、ロッド911aは、その左端部にて、長手状基部912aの下端部に形成した貫通孔部に嵌着されて、当該長手状基部912aの貫通孔部から右方へ延出している。
しかして、フック912は、後方への傾動により、爪部912bにて、ハウジング60bの左壁66の係止壁部66bに上方から係止して、ハウジング60bを上壁12の後側水平部12a上に固定する。また、フック912は、前方への傾動により、爪部912bを左壁66の係止壁部66bから解離する。
ここで、係止壁部66bは、次のようにして形成されている。即ち、ハウジング60bにおいて、左壁66は、図40〜図43にて示すごとく、その下部にて、風車70bよりも前方へ延出しており、この左壁66の前方延出端部には、フック部材910aの直前で右側へL状に屈曲する屈曲壁部66aが形成されている。そして、係止壁部66bが、屈曲壁部66aの上端部から前方へL字状に屈曲するように形成されている。
コイルバネ913は、図42にて示すごとく、ロッド911aにその軸方向に沿い巻装されており、このコイルバネ913は、ロッド911aの右端部に螺着したナット911bとフック912の長手状基部912aとの間に挟持されている。また、このコイルバネ913の左端部は、フック912の長手状基部912aの前面に沿い延出し基部912aの左面に沿うように屈曲している。これにより、コイルバネ913は、その捻り弾力により、フック912の長手状基部912aを係止壁部66bに向けて付勢する。
リニアアクチュエータ910bは、筒状ケーシング914と、このケーシング914に内蔵したソレノイド(図示しない)と、このソレノイドにその軸方向に変位可能に挿入した軸状鉄心915と、ケーシング914内の底部に設けられて鉄心915をフック912の爪部912bに向けて付勢するコイルバネ(図示しない)とを備えている。
ケーシング914は、その底部にて、L字状ブラケット916の壁部916aに装着されている。これに伴い、鉄心915は、フック912の爪部912bの前面に向けて延在している。なお、ブラケット916は、その壁部916bにて、上壁12の後側水平部12a上に装着されている。
しかして、リニアアクチュエータ910bは、そのソレノイドの励磁により、鉄心915を上記コイルバネに抗してケーシング914内に吸引する。また、リニアアクチュエータ910bのソレノイドの消磁により、鉄心915は上記コイルバネによりフック912の爪部912bに向けて変位する。なお、鉄心915の先端部は、ワイヤ915aにより、爪部912bに連結されている。
次に、回動機構900bの構成について説明すると、この回動機構900bは、図40及び図41にて示すごとく、ハウジング910を備えている。当該ハウジング910は、底壁911と、右壁912と、前後両壁913、914とを有しており、当該ハウジング910は、底壁911にて、車室10の上壁12の後側水平部12aにおいてその右側部上に固着されている。右壁912、前壁913及び後壁914は、コ字状となるように、底壁911の右端部、前端部及び後端部から上方に延出しており、前壁913の左右方向幅は、直流発電機83の配設位置との関係で後壁914の左右方向幅よりも短い。
また、当該回動機構900bは、回動体920を有している。この回動体920は、アルミニウム等の軽金属或いは鉄等の金属材料により扁平直方体形状に形成されており、当該回動体920は、図40或いは図41から分かるように、ハウジング60bの右壁67の上端部から一体的に右方へハウジング60bの底壁65に平行に延出されている。また、当該回動体920は、その右端部にて、後述のごとく、ハウジング910の前後両壁913、914に前後両側環状ブラケット930を介し上下方向へ回動可能に支持されている。なお、前後両側環状ブラケット930は、それぞれ、環状底部931から環状ボス部932を同軸的に延出して構成されており、これら前後両側環状ブラケット930は、各環状底部931にて、それぞれ、ハウジング910の前後両壁913、914に装着されている。
当該回動体920は、前後両側回動軸921を有しており、これら前後両側回動軸921は、回動体920の前後両壁の各右端部から一体的に互いに逆方向へ底壁911に平行に延出している。しかして、前側回動軸921は、その先端側小径部にて、前側ベアリング922を介し、前側環状ブラケット930の環状ボス部932内に回転自在に支持されており、一方、後側回動軸921は、その先端側小径部にて、後側ベアリング922を介し、後側ブラケット930の環状ボス部932内に回転自在に支持されている。これにより、当該回動体920は、前後両側回動軸921を基準として、前後両側環状ブラケット930により上下方向に回動可能に支持されている。
ここで、本実施形態では、上述した固定軸71aは、その右側小径部にて、回動体920に形成した貫通穴部923を通り右方へ延出し、ナット71cの締着でもって回動体920の右端部にその右側から回転不能に固定されている。
また、当該回動体920は、直流電動機940、ピニオン941及び大径の平歯車942を有している。直流電動機940は、そのステータにて、回動体920の後方にて、ハウジング910の後壁914の左端部に支持されており、当該直流電動機940の出力軸は、後壁914の左端部に形成した貫通穴部を通り前方へ回転可能に延出している。
ピニオン941は、回動体920と後壁914との間にて、直流電動機940の出力軸に同軸的に支持されており、このピニオン941は、大径の平歯車942と噛合している。ここで、大径の平歯車942は、回動体920の後側回動軸921の基端側大径部に同軸的に支持されている。なお、風車70b及びハウジング60bの起立に対応する回動体920の回動(以下、正回動ともいう)は、直流電動機940の正転に対応し、風車70b及びハウジング60bの起立状態から原位置への復帰に対応する回動体920の回動(以下、逆回動ともいう)は、直流電動機940の逆転に対応する。
また、本第4実施形態の制御装置CDでは、上記第3実施形態にて述べた制御装置CDにおいて、直流発電機80に代えて、直流発電機83の出力がチョッパ回路100によりチョッパ処理されて、チョッパ電圧として発生される(図44参照)。
また、本第4実施形態の制御装置CDでは、上記第3実施形態にて述べた制御装置CDにおいて、正逆転回路180bに代えて、駆動回路180cが採用されており、この駆動回路180cは、リレー180のリレースイッチ182とリニアアクチュエータ910bのソレノイドとの間に接続されている。しかして、当該駆動回路180cは、リレースイッチ182の閉成のもとに、レギュレータ回路110のコンバータ114から第3直流電圧を出力されてリニアアクチュエータ910bのソレノイドを励磁する。なお、駆動回路180cは、リレースイッチ182の開成により、コンバータ114から第3直流電圧から遮断されて、リニアアクチュエータ910bのソレノイドを消磁する。
これに伴い、本第4実施形態では、上記第3実施形態にて述べたフローチャート(図35〜図39参照)のうち、図35のフローチャート部及び図39のフローチャート部が採用されるとともに、図36〜図38の各フローチャート部に代えて、図45〜図47にて示す各フローチャート部が採用されている。これに伴い、本第4実施形態の制御装置CDでは、上記第3実施形態にて述べたマイクロコンピュータ120が、図35のフローチャート部、図45〜図47の各フローチャート部及び図39のフローチャート部からなるフローチャートに従い上記コンピュータプログラムを実行するようになっている。その他の構成は上記第3実施形態と同様である。
以上のように構成した本第4実施形態において、上記第3実施形態と同様に当該トラックが向かい風に向かって走行すれば、上記第3実施形態と実質的に同様に、風車ユニットWUbが、上記総和風速に応じて風力発電する。
但し、本第4実施形態では、直流発電機83が、風車70bの回転に伴い、この回転速度を両平歯車81、82により増速回転される。このため、向かい風の風速が例えば数(m/s)と低い場合やこの風速だけでなく車速も例えば15(km/h)と低い場合でも、直流発電機83の発電は良好になされ得る。従って、風車ユニットWUbの風力発電量は、向かい風の風速が低い場合やこの風速及び車速の双方が低い場合でも、良好に確保され得る。
また、上記第3実施形態と同様にステップ820(図45参照)にてYESと判定されたとき、次のステップ821aにおけるリニアアクチュエータ駆動処理において、リレー140の駆動停止処理及びリレー180の駆動処理の駆動処理がなされる。
これに伴い、リレー140のリレースイッチ142及びリレー180のリレースイッチ182の各閉成のもと、第3直流電圧が、リレースイッチ142を介するバッテリBTからの直流電圧に基づきレギュレータ回路110のコンバータ114から出力され、リレースイッチ182を通り、駆動回路180cに印加される。このため、当該駆動回路180cが、リニアアクチュエータ910bのソレノイドを励磁する。これにより、リニアアクチュエータ910bでは、鉄心915が、上記コイルバネに抗して上記ソレノイドにより吸引され、フック部材910aのフック912が、ワイヤ915aを介し鉄心915により引っ張られて、爪部912bをハウジング60bの係止壁部66bから前方へ解離させる。その結果、ハウジング60bは、固定機構900aによる固定から解放される。
然る後、図46のステップ832における風車起立作動処理において、上記第3実施形態におけるステップ832(図37参照)の処理と同様に、リレー190の駆動処理及び正逆転切り換え回路190bの第1切り換え状態への切り換え処理がなされる。
すると、リレー190のリレースイッチ192の閉成のもと、レギュレータ110のコンバータ114からの第3直流電圧が、リレースイッチ192を介し、第1切り換え状態にある正逆転回路190bを介し正極性にて回動機構900bの直流電動機940に印加される。これに伴い、この直流電動機940が正転してピニオン941を同一方向に回転させる。すると、平歯車942が逆転し、回動体920が両回動軸930を軸として正回動し、風車70bが、ハウジング60bとともに、起立する方向に回動する。
ステップ832の処理後、ステップ833における上記ソフトタイマーのリセットスタート処理において、そのリセットにより計時を開始する。しかして、回動機構900bにより風車70b及びハウジング60bを起立させるに要する所定の起立時間が経過すると、風車70bの起立が終了し、上記ソフトタイマーの計時時間に基づき、ステップ840においてYESと判定される。
すると、ステップ841における風車起立作動停止処理において、上述と同様にしてリレー190のリレースイッチ192が開成される。このため、直流電動機940が、正逆転回路190bにより停止される。
また、ステップ841aにおけるリニアアクチュエータ駆動停止処理において、上述と同様にしてリレー180のリレースイッチ182が開成される。このため、リニアアクチュエータ910bのソレノイドが駆動回路180cにより消磁され、鉄心915が、上記コイルバネの弾力のもとにフック912に向けて変位し、原位置に戻る。
このような状態では、風車70bが、車室10の上壁12の後側水平部12a上において、荷物積載庫20の前壁21よりも高く上方に向けて延出する。このため、日射は、ハウジング60bの起立位置以外の方向から広く風車70bに入射可能となる。従って、太陽発電装置SCAによる発電量が良好に確保され得る。これにより、太陽発電装置SCAによるバッテリBTの充電がなされる。なお、日射がハウジング60bにより邪魔される場合には、当該トラックの向きを変更すればよい。
然る後、上記第3実施形態と同様に充電スイッチSWcの開成に伴いステップ850における判定がYESになると、ステップ850aにおけるリニアアクチュエータ駆動処理において、ステップ821a(図45参照)における処理と同様にして、リニアアクチュエータ910bがフック912を前方へ引っ張る。これにより、風車70b及びハウジング60bが原位置への復帰可能な状態におかれる。
ステップ850aの処理後、ステップ851における風車復帰作動処理において、リレー190の駆動のもと、レギュレータ110のコンバータ114からの第3直流電圧が、リレースイッチ192を介し、第2切り換え状態になった正逆転回路190bを介し逆極性にて直流電動機940に印加される。これに伴い、この直流電動機940が逆転してピニオン941を同一方向に回転させる。すると、平歯車942が正転し、回動体920が両回動軸921を軸として逆回動し、風車70bが、ハウジング60bとともに、原位置に復帰する方向に回動する。
上述のステップ851の処理に伴い、ステップ852における上記ソフトタイマーのリセットスタート処理において、そのリセットにより計時を開始する。しかして、回動機構900bにより風車70bをハウジング60bと共に原位置へ復帰させるに要する所定の復帰時間が経過すると、上記ソフトタイマーの計時時間に基づき、ステップ860においてYESと判定される。このとき、風車70b及びハウジング60bの原位置への復帰が終了する。
ステップ860におけるYESとの判定に伴い、ステップ861aにおけるリニアアクチュエータ駆動停止処理において、ステップ841aにおける処理と同様にして、リレー180のリレースイッチ182が開成される。このため、リニアアクチュエータ910bの鉄心915が、上記コイルバネの弾力のもとにフック912に向けて瞬時に変位し、フック912が、コイルバネ913の弾力により原位置に戻り、フック部910aにて、ハウジング60bの係止壁部66bにその上方から係合する。これにより、当該トラックがその後に発進しても、ハウジング60b及び風車70bが車室10の上壁12の後側水平部12a上にしっかりと固定され得る。
また、上記第3実施形態と同様に、当該トラックの走行中において災害スイッチSWbの閉成のもとに上記コンピュータプログラムがステップ260(図35参照)からステップ260a(図47参照)に進んだ後、或いは、当該トラックの停止中において災害スイッチSWbの閉成のもとに上記コンピュータプログラムがステップ250b(図35参照)からステップ260a(図47参照)に進んだ後、ステップ260bにおける判定が上述と同様にしてYESになると、ステップ262aにおけるリニアアクチュエータ駆動処理、ステップ266における風車起立作動処理、ステップ267におけるソフトタイマーリセットスタート処理、ステップ268における起立判定処理、ステップ269aにおける風車起立作動停止処理及びステップ269bにおけるリニアアクチュエータ駆動停止処理が、上述したステップ832における風車起立作動処理、ステップ833におけるソフトタイマーリセットスタート処理、ステップ840における起立判定処理、ステップ841における風車起立作動停止処理及びステップ841aにおけるリニアアクチュエータ駆動停止処理(図46参照)と同様になされる。
これにより、直流電動機940が正転してピニオン941を同一方向に回転させる。すると、平歯車942が逆転し、回動体920が両回動軸921を軸として正回動し、風車70bが、ハウジング60bとともに、起立した後、直流電動機940が停止し、かつリニアアクチュエータ910bの鉄心915が、上記コイルバネの弾力のもとにフック912に向けて変位し、原位置に戻る。
このような状態では、図39のステップ880〜ステップ891の処理が上記第3実施形態と同様になされる。従って、ステップ890cにおけるYESとの判定後の救急医療支援電子カルテシステムERSの作動状態が上記第3実施形態と同様に確保され得る。
以上、本第4実施形態のように、風車70bを、回動機構900bにより、ハウジング60bと一体にて起立させ或いは原位置への復帰させるようにしたので、風車70bの起立及び原位置への復帰がより一層確実に達成され得る。その結果、本第4実施形態による作用効果がより一層確実に達成され得る。その他の作動及び作用効果は、上記第3実施形態と同様である。
なお、本発明の実施にあたり、上記各実施形態に限ることなく、次のような種々の変形例が挙げられる。
(1)太陽発電装置SCAの各太陽電池部SCa、SCbのソーラーセルの数は、必要に応じて適宜変更してもよい。また、各太陽電池部SCa、SCbのように並列接続に限ることなく、各太陽電池部SCa、SCbを直列接続してもよい。
(2)上記第2実施形態にて述べた表裏両側太陽電池SCを構成する両太陽電池部SCa、SCbは、それぞれ、羽根76の表壁76a及び裏壁76bに蒸着した各ソーラーセルだけでなく、付加的に頭部e及び尾部76fに蒸着した各ソーラーセルをも含めて構成してもよい。
(3)本発明の実施にあたり、当該トラックの走行中においてバッテリBTの充電が良好に確保されれば、ハイブリッド駆動システムHSは、モータジェネレータMGによる力行モードのみで当該トラックを走行させるようにして、ディーゼルエンジンEGを停止し、クラッチCLを解離してもよい。