JP2009281277A - 遠心圧縮機および冷凍サイクル装置 - Google Patents

遠心圧縮機および冷凍サイクル装置 Download PDF

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英俊 田口
Hiroshi Hasegawa
寛 長谷川
Masaru Matsui
大 松井
Atsuo Okaichi
敦雄 岡市
Yuji Ogata
雄司 尾形
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Abstract

【課題】安価な構成で非接触シールの下流側の圧力を高めることができる遠心圧縮機を提供する。
【解決手段】遠心圧縮機では、インペラ32と軸受6Aとの間に非接触シール38が配置されており、非接触シール38と軸受6Aの間の環状空間35が囲繞部材8で取り囲まれている。囲繞部材8には、環状空間35に開口する貯留室83が設けられている。環状空間35は、回転軸2と共に回転する回転板7によって、軸受側空間35Aとシール側空間35Bとに仕切られている。回転板7には、軸受側空間35Aとシール側空間35Bとを連通させる貫通孔74が設けられているとともに、貫通孔74から回転板7の内部を通って端面7aに開口する吐出路73が設けられている。
【選択図】図5

Description

本発明は、遠心圧縮機およびこれを用いた冷凍サイクル装置に関する。
従来、例えば冷凍空調機などに使用される冷凍サイクル装置として、圧縮手段、凝縮器、膨張手段、蒸発器がループ状に接続された冷媒回路を備えるものが知られている。冷媒回路を循環する冷媒としては、代替フロンなどがよく用いられているが、近年では環境負荷の小さな水を用いることが研究され始めている。このように冷媒として水を用いる場合には、体積流量が大きくなるために、圧縮手段としてターボ形圧縮機を用いることが好ましい。
ところで、例えば家庭用の冷凍空調機に適した冷凍サイクル装置とするためには、室外ユニット内に納める圧縮機を小型化することが求められる。この場合には単段で高い圧力比が得られる遠心圧縮機が適している(例えば、特許文献1参照)。
遠心圧縮機では、一般的に、インペラが固定された回転軸が軸受によって回転可能に支持されるとともに、軸受とインペラとの間にラビリンスシールに代表される非接触シールが設けられる。そして、非接触シールによって圧縮後の作動流体が軸受に至ることが規制される。
しかし、冷媒として水を用いる場合、すなわち作動流体が水である場合には、水が腐食性のものであるために、軸受への作動流体の流れ込みを極力少なくすることが好ましい。ところが、非接触シールは、回転部と固定部の間に隙間を有するものであるため、作動流体を完全に遮ることはできず、前記の隙間から作動流体が僅かに漏れ出てしまう。この作動流体の漏れ量を低減させるには、非接触シールの下流側の圧力を高くすることが効果的である。
例えば特許文献2には、遠心圧縮機に関する技術ではないが、ラビリンスシールの下流側の圧力を高くするための構成を採用したスピンドル装置が開示されている。このスピンドル装置では、ラビリンスシール側を向く壁面に僅かな隙間を隔てて対向するフランジが回転軸に取り付けられ、前記の壁面側を向くフランジの裏面に放射状の溝が形成されている。そして、フランジが回転することにより、遠心ポンプ作用でラビリンスシールの下流側の圧力が高められるようになっている。
特開平11−13687号公報 特開2001−241555号公報
しかしながら、特許文献2に示された構造では、フランジに形成された溝が壁面に向かって開口していてその開口からも流体が押し出されてしまうので、効率的な遠心ポンプ作用を得るためには、フランジの裏面と壁面との隙間を可能な限り小さくしなければならない。そのためには、個々の部品の加工精度を高くして回転軸の軸方向における積み上げ誤差を所定範囲内に収めなければならず、コストが高くなる。
本発明は、このような事情に鑑み、安価な構成で非接触シールの下流側の圧力を高めることができる遠心圧縮機およびこの遠心圧縮機を用いた冷凍サイクル装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は、作動流体を圧縮するインペラが一端に固定された回転軸と、前記回転軸を回転可能に支持する軸受と、前記軸受から前記インペラ側に離れた位置に配置された、前記回転軸2に嵌合する回転部と固定部の間に隙間を有する非接触シールと、前記非接触シールと前記軸受の間の環状空間を取り囲む囲繞部材であって、前記環状空間に対して前記回転軸の径方向内向きに開口する環状の貯留室を有する囲繞部材と、前記回転軸から前記貯留室内に入り込むリング状の形状を有し、前記回転軸と共に回転する回転板であって、前記貯留室の前記軸受側の壁面に近接する位置に配置されて、前記環状空間を前記軸受に面する軸受側空間と前記非接触シールの隙間および前記貯留室の開口と連通するシール側空間とに仕切る回転板と、を備え、前記回転板には、前記軸受側空間と前記シール側空間とを連通させる貫通孔が設けられているとともに、前記貫通孔から回転板の内部を通って径方向外側を向く端面に開口する吐出路が設けられている、遠心圧縮機を提供する。
また、本発明は、上記の遠心圧縮機、凝縮器、膨張手段、蒸発器がループ状に接続された冷媒回路を備え、前記冷媒回路には、冷媒として水が充填されている、冷凍サイクル装置を提供する。
前記の構成によれば、回転板が回転すると、軸受側空間内の流体およびシール側空間内の流体が貫通孔から吸い込まれて吐出路から貯留室内に吐出される。吐出路は、回転板の内部を通って端面に開口しているので、回転板の回転だけで遠心ポンプ作用が得られる。すなわち、他の部品の加工精度を高くすることなく効率的な遠心ポンプ作用を得ることができる。また、回転板は、貯留室の軸受側の壁面に近接する位置に配置されているので、吐出された流体は回転板と壁面の間の隙間を通って軸受側空間内に戻り難く、これにより貯留室内およびこれと連続するシール側空間内の圧力が高くなる。従って、本発明によれば、非接触シールの下流側の圧力を安価な構成で高くすることができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る遠心圧縮機1を示し、図2は、遠心圧縮機1を用いた冷凍サイクル装置10を示す。
図2に示すように、冷凍サイクル装置10は、冷媒を循環させる冷媒回路11を備えている。この冷媒回路11は、冷媒を圧縮する遠心圧縮機1と、圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器12と、凝縮した冷媒を膨張させる膨張手段13と、膨張した冷媒を蒸発させる蒸発器14とが配管によりループ状に接続されて構成されている。膨張手段13は、単なる膨張弁であってもよいし、膨張する冷媒から動力を回収する膨張機であってもよい。
冷媒回路11には、冷媒として水が充填されている。冷媒回路11内の圧力は大気圧よりも低い負圧とされており、例えば、低圧側の圧力は1.2kPa、高圧側の圧力は6.3kPaである。蒸発器14では、冷媒が被冷却流体と熱交換することにより冷媒蒸気(水蒸気)が生成される。蒸発器14で生成された冷媒蒸気は、遠心圧縮機1で圧縮されて凝縮器12に送られる。凝縮器12では、冷媒が被加熱流体と熱交換することにより冷媒液が生成される。凝縮器12で生成された冷媒液は、膨張手段13で膨張されて気液混合状態の冷媒となった後に蒸発器14に送られる。
さらに、本実施形態では、冷媒回路11とは別に送り管15および戻り管17が準備され、凝縮器12と遠心圧縮機1とが送り管15で接続されているとともに、遠心圧縮機1と蒸発器14とが戻り管17で接続されている。そして、凝縮器12で凝縮された冷媒液が送り管15、遠心圧縮機1内、および戻り管17を流れることにより、遠心圧縮機1の冷却が行われるようになっている。この冷媒液の流通は、凝縮器12内と蒸発器14内との間の圧力差を利用して行われるために、ポンプは特に必要ではない。なお、送り管15の途中には、遠心圧縮機1の冷却に用いられる冷媒液の量を調整するための流量調整弁16が設けられている。
図1に示すように、遠心圧縮機1は、一端にインペラ32が固定された回転軸2と、インペラの裏側に配置されたバックプレート33と、インペラ32の表側に配置されたカバー31とを備えている。また、バックプレート33の裏側には、回転軸2を回転させる電動機4と、電動機4を収容する電動機室55を有するハウジング5と、バックプレート33と共にハウジング5を収容するケーシング9とが配置されている。なお、本明細書では、説明の便宜のために、回転軸2の軸方向のうちインペラ32側を前方、インペラ32と反対側を後方という。
回転軸2は、中央から両端に向かうにつれて段々と径が細くなるような形状に形成されており、前方から後方に向かって、第1小径部23A、第1中径部22A、大径部21、第2中径部22B、第2小径部23B、延出部24を有している。そして、第1小径部23Aにインペラ32が取り付けられている。
インペラ32は、冷媒(作動流体)を圧縮するための複数枚の翼32aを有している。そして、インペラ32が回転すると、冷媒が翼32a間を通過する間に(図4中の矢印a参照)、冷媒の流速における回転円接線方向成分が増幅されて、冷媒の全エンタルピが増加する。
カバー31は、バックプレート33の周縁部に気密状に取り付けられていて、カバー31の後面31dとバックプレート33の前面33bとの間には、ディフューザ34が形成されている。本実施形態では、ベーンレスディフューザが採用されている。このディフューザ34は、インペラ32によって増速された冷媒の流速を減速することにより、運動エネルギを静圧に変換する役割を果たす。これにより、摩擦による圧力損失の低下が抑制される。
具体的に、カバー31は、インペラ32の中央部分を前方に開放する筒状部31aと、筒状部31aを取り巻く渦巻き状のボリュート31bを有している。そして、筒状部31aの前側の開口によって冷媒を吸入する吸入口31Aが形成され、ボリュート31bの出口によって冷媒を吐出する吐出口31Bが形成されている。ボリュート31bは、ディフューザ34と連通する内部空間を有していて、この内部空間で冷媒を旋回させることにより、冷媒の円滑な吐出を可能とするものである。なお、ディフューザ34による冷媒の圧力回復が良好であれば、ボリュート31bを省略して、ディフューザ34の一端で吐出口31Bを構成することも可能である。
ハウジング5は、円筒面を形成する外周面5aを有している。この外周面5aの前端部には、径方向外側に張り出すフランジ部5bが設けられており、このフランジ部5bがケーシング9の前端面9aに図略のボルトにより固定されている。
ハウジング5には、電動機室55の前側の位置に、前方に開口する第1凹部53が設けられているとともに、電動機室55の後側の位置に、後方に開口する第2凹部54が設けられている。本実施形態では、第1凹部53および第2凹部54内に、回転軸2を回転可能に支持する軸受として転がり軸受6A,6Bが配置されている。なお、第1凹部53内および第2凹部54内の構成については、後述にて詳細に説明する。
より詳しくは、ハウジング5は、第1凹部53が設けられたハウジング本体51と、第2凹部54が設けられた蓋体52とで構成されている。ハウジング本体51は、後方に開口する内部空間51cを有しており、第1凹部53は、ハウジング本体51の前端面51aから窪んでいる。蓋体52は、ハウジング本体51の後端部に嵌め込み可能な形状に形成されており、蓋体52がハウジング本体51の後端部に嵌め込まれることにより、内部空間51cの開口が閉塞されて、電動機室55が形成されている。なお、蓋体52は、ハウジング本体51の後端面51bに図略のボルトにより固定されている。
電動機4は、電動機室55の内周面に固定されたステータ42と、回転軸2の大径部21に固定されたロータ41とを有している。ステータ42は、ハウジング5の蓋体52に設けられた貫通孔52aを通じて、後述するコネクタ95の端子と配線45により接続されており、外部からステータ42に電力を供給可能となっている。
ケーシング9は、前後方向に延び、ハウジング5の外周面5aと面接触する内周面91aを有する略円形筒状の側壁部91と、側壁部91の後端面に図略のボルトにより固定された底壁部92とで構成されている。底壁部92には、前述したコネクタ95が取り付けられている。側壁部91の外周面の前端部には、径方向外側に広がるフランジ部91bが設けられており、このフランジ部91bがバックプレート33の後端面33aに図略のボルトで固定されている。なお、本実施形態では、回転軸2の延出部24が第2小径部23Bからケーシング9の底壁部92に至る位置まで延びている。
さらに、本実施形態では、前述した送り管15を通じて遠心圧縮機1に送られる冷媒液によって電動機4がハウジング5を介して冷却されるようになっている。具体的には、ハウジング5の外周面5aには、電動機4を取り巻くように周方向に連続する環状の冷却溝56が形成されている。冷却溝56の底面には、前後方向に並ぶ複数の放熱フィン56aが設けられている。この冷却溝56は、ケーシング9の側壁部91の内周面91aによって閉塞されることにより、冷媒液を流すための流路57を構成している。また、ケーシング9の側壁部91には、冷媒液を送り管15から流路57に導入する導入口93と、冷媒液を流路57から戻り管17に導出する導出口94とが設けられている。
次に、第1凹部53内および第2凹部54内の構成について、図3(a)および図3(b)を参照しながら詳細に説明する。第1凹部53内に配置された前側の転がり軸受(以下、単に「第1軸受」という。)6Aと第2凹部54内に配置された後側の転がり軸受(以下、単に「第2軸受」という。)6Bは、同じものであり、これらは、それぞれ、第1中径部22Aまたは第2中径部22Bに嵌合して回転軸2と供回りする内輪61と、この内輪61と転動体63を挟んで対向する外輪62とを有している。第1軸受6Aおよび第2軸受6Bは、例えば、深溝玉軸受もしくはアンギュラ玉軸受などの玉軸受であってもよいし、円筒ころ軸受もしくは円錐ころ軸受などのころ軸受であってもよい。
図3(b)に示すように、第2凹部54内では、第2軸受6Bの内輪61は、大径部21の後端面に当接した状態で押えリング25BおよびC形止め輪26Bにより第2中径部22Bに固定されている。一方、第2軸受6Bの外輪62には、外周面で2つの弾性体67を保持するスリーブ65が装着されている。スリーブ65は、第2凹部54の底面54aに設けられた窪み54c内に挿入された圧縮コイルばね66によって、後方に付勢されている。そして、外輪62は、回転軸2の軸方向では、スリーブ65および圧縮コイルばね66を介して第2凹部54の底面54aに支持されており、回転軸2の径方向では、スリーブ65および弾性体67を介して第2凹部54の内周面54bに支持されている。
スリーブ65は、軸受で発生した熱を弾性体67に伝わり難くするためのものであり、外輪62を構成する材料よりも熱伝導率の低い材料で構成されている。弾性体67は、スリーブ65の外周面に設けられた保持溝65a内に嵌め込まれている。この弾性体67は、スリーブ65を径方向内側に付勢することにより、回転軸2を正規の設計位置に保持しつつ回転軸2の振動を吸収する。弾性体67としては、例えば円形断面を有するOリングを好適に用いることができる。
なお、第2凹部54の内周面54bと底面54aとで形成されるコーナー部には、スリーブ65の外周面に近接するように突出して、回転軸2の径方向におけるスリーブ65の移動量を所定量以下に規制する環状の規制部57が設けられている。
図3(a)に示すように、第1凹部53内では、第1軸受6Aの内輪61は、大径部21の前端面に当接した状態で押えリング25AおよびC形止め輪26Aにより第1中径部22Aに固定されている。一方、第1軸受6Aの外輪62には、第2軸受6Bと同様に、外周面で2つの弾性体67を保持するスリーブ65が装着されている。そして、外輪62は、回転軸2の軸方向では、スリーブ65のみを介して第1凹部53の底面53aに支持されており、回転軸2の径方向では、スリーブ65および弾性体67を介して第1凹部53の内周面53bに支持されている。
また、第1凹部53内にも、内周面53bと底面53aとで形成されるコーナー部に、スリーブ65の外周面に近接するように突出し、回転軸2の径方向におけるスリーブ65の移動量を所定量以下に規制する環状の規制部57が設けられている。
さらに、第1凹部53内には、第1軸受6Aの外輪62を前方から押える押え部材を兼ねる囲繞部材8が配置されているとともに、囲繞部材8の内側に回転板7および非接触シール38が配置されている。第1凹部53の内周面53bには、当該内周面53bが前方に向かうほど広がるように、第1段差部53cと第2段差部53dとが形成されており、囲繞部材8は、内周面53bに沿う形状に形成されている。そして、囲繞部材8は図略の皿ボルトにより第2段差部53dに固定されている。
囲繞部材8は、押えリング25Aの外側にスペースを確保するように回転軸2の第1中径部22Aと所定間隔を隔てて対向する内周面8aを有している。図例では、内周面8aの直径が第1軸受6Aの外輪62の前端面の内径と略一致している。本実施形態の非接触シール38は、独立した部品で構成されており、C形止め輪26Aから前方に離れた位置で回転軸2の第1中径部22Aと囲繞部材8の内周面8aとの間に嵌め込まれている。これにより、非接触シール38と第1軸受6Aの間に、囲繞部材8の内周面8aで取り囲まれる環状空間35が形成されている。また、囲繞部材8は、環状の貯留室83を有しており、この貯留室83は、非接触シール38の直ぐ後側の位置で、環状空間35に対して全周に亘って回転軸2の径方向内向きに開口している。換言すれば、図5に示すように、内周面8aは、貯留室83の開口83aによって、非接触シール38と接する前側部分82aと、第1軸受6Aにつづく後側部分81aとに分割されている。なお、内周面8aは必ずしも全長に亘って一定径である必要はなく、例えば前側部分82aの直径と後側部分81aの直径が異なっていて、内周面8aに段差が形成されていてもよい。
図4および図5に示すように、インペラ32とバックプレート33との間の隙間39は、大きすぎると攪拌損失が大きくなり、小さすぎると摩擦損失が大きくなるため、適度な大きさに設定されている。このため、インペラ32で圧縮された作動流体は、図4中の矢印bおよび図5中の矢印cで示すように、隙間39を通ってバックプレート33の裏側に流れ出す。非接触シール38は、隙間39を通って流れ出る圧縮後の冷媒が第1軸受6Aに至るのを規制するためのものである。本実施形態では、非接触シール38としてラビリンスシールが採用されている。より詳しくは、非接触シール38は、回転軸2の第1中径部22Aに嵌合して回転軸2と供回りする回転部38Aと、回転部38Aを外側から取り囲み、囲繞部材8の内周面8aの前側部分82aに固定される固定部38Bと、回転部38Aと固定部38Bの間に形成される隙間38aとを有している。
貯留室83は、開口83aより奥側がインペラ32側に広がる形状を有している。より詳しくは、貯留室83は、断面略L字状をなしており、囲繞部材8の内周面8aにおける後側部分81aの前端部から径方向外側に広がり、回転軸2の軸方向と直交するフラットな後壁面(軸受側の壁面)83bを有している。
回転板7は、非接触シール38とC形止め輪26Aの間に配置されており、回転軸2の第1中径部22Aから貯留室83内に入り込む前後方向に扁平なリング状の形状を有している。より詳しくは、回転板7は、貯留室83の後壁面83bに近接する位置に配置されている。
ここで、図5を参照して囲繞部材8についてより詳細に説明すると、囲繞部材8は、回転板7を挟んで互いに嵌合する本体部81とカバー部82とを有している。
本体部81は、内周面8aの後側部分81aを構成する内周面と、回転板7の後面(正確には後述する鍔部72の後面72a)に対向し、貯留室83の後壁面83bを構成する対向面81cと、対向面81cを取り囲むように突出する環状の突出部81dとを有している。さらに、本体部81は、スリーブ65の外周面と第1凹部53の内周面53bとの間に介在して、回転軸2の径方向におけるスリーブ65の移動量を所定量以下に規制する第2の規制部81bを有している。
一方、カバー部82は、内周面8aの前側部分82aを構成する内周面と、対向面81cに向かって開口する環状の溝82dを形成する内壁82bおよび外壁82cとを有している。
そして、本体部81の突出部81dとカバー部82の外壁82cとが嵌合することにより、本体部81とカバー部82の間に貯留室83が形成されるとともに、対向面81cの内周縁部と内壁82bの先端とで貯留室83の開口83aが形成されている。
次に、回転板7について詳細に説明する。
回転板7は、図5に示すように、第1中径部22Aに嵌合し、非接触シール38の回転部38AとC形止め輪26Aとに挟持される厚肉リング状のハブ71と、ハブ71の外周面の中央部から径方向外側に広がる薄肉リング状の鍔部72とを有している。
鍔部72の後面72aは、僅かな距離(例えば、本設計では0.2〜0.25mm)を隔てて貯留室83の後壁面83bに対向している。このため、回転軸2が回転すると、回転板7は、貯留室83の後壁面83bに近接する位置で回転軸2と共に回転する。一方、鍔部72の先端面は、回転板7の径方向外側を向く端面7aを構成している。鍔部72の後面72aと貯留室83の後壁面83bとの前後方向における重なり代は、後壁面83bの面積の半分以上であることが好ましく、より好ましくは後壁面83bの面積の3/4以上である。
ハブ71の外径は、当該ハブ71によって非接触シール38の隙間38aが塞がれない程度に設定されている。このため、非接触シール38から第1軸受6Aまでの環状空間35は、回転板7によって、第1軸受6Aに面する軸受側空間35Aと、非接触シール38の隙間38aおよび貯留室83の開口83aと連通するシール側空間35Bとに仕切られている。本実施形態では、ハブ71の外径は、押えリング25Aの外径と略等しくなっている。
さらに、回転板7には、軸受側空間35Aとシール側空間35Bとを連通させる複数(例えば、4個(回転板7のバランス修正を容易にするため、軸対象となる配置を取れる偶数個であることが望ましい))の貫通孔74が設けられているとともに、各貫通孔74から回転板7の内部を通って端面7aに開口する吐出路73が設けられている。貫通孔74は、鍔部72における囲繞部材8の内周面8aよりも内側に寄った位置を前後方向に貫通するものであり、同一円周上に等角度間隔で設けられている。吐出路73は、端面7aから貫通孔74に向かって径方向内向きに穿設された縦孔によって構成されている。
次に、回転板7の作用について説明する。
回転軸2の回転に伴って回転板7が回転すると、吐出路73内に存在する流体(例えば空気)に、回転板7の回転数に応じた遠心力が加わり、吐出路73内の流体が回転板7外に押し出される。この作用により、吐出路73から吐出される流体には、回転板7の半径と回転数に応じたヘッド(エネルギ)が与えられる。一方、前記の作用により吐出路73内の圧力が低下するため、貫通孔74を通じた流体の吸い込みが行われる。すなわち、軸受側空間35A内の流体およびシール側空間35B内の流体が貫通孔74から吸い込まれて吐出路73から貯留室83内に吐出される運動が連続して行われる。
回転板7は、貯留室83の後壁面83bに近接する位置に配置されているので、吐出路73から吐出された流体は、回転板7と後壁面83bの間の隙間を通って軸受側空間35A内に戻り難い。このため、殆どの流体が回転板7の端面7aと貯留室83の側壁面との間の部分からその前方の広い空間(溝82d内)へ流れ込むようになる。ここで流体の流速が減速することにより、流体の運動エネルギ成分が静圧に変換される。これにより、貯留室83内およびこれと連続するシール側空間35B内の圧力が高くなる。すなわち、非接触シール38の下流側の圧力を高くすることができる。
本実施形態の遠心圧縮機1では、吐出路73が回転板7の内部を通って端面7aに開口しているので、回転板7の回転だけで遠心ポンプ作用が得られる。すなわち、他の部品の加工精度を高くすることなく効率的な遠心ポンプ作用を得ることができ、安価な構成で非接触シール38の下流側の圧力を高くすることができる。
また、貯留室83の奥側がインペラ32側に広がっているので、ヘッドの静圧への変換を安定して行うことができる。
さらに、本実施形態では、囲繞部材8が第1軸受6Aの外輪62を押える押え部材を兼ねるものであるので、それらを別々に設けるよりも部品点数を抑えることができる。換言すれば、押え部材を合理的に利用して囲繞部材8を構成することができる。
なお、前記実施形態では、回転板7の鍔部72の後面72aと貯留室83の後壁面83aとが共にフラットになっているが、これらを利用して第2の非接触シールを設けるようにしてもよい。例えば、回転板7の鍔部72の後面72aおよび貯留室83の後壁面83aに、互いに非接触状態で噛み合う同心状の凹凸を形成してもよいし、その凹凸が付与された部材を埋め込むようにしてもよい。このようにすれば、軸受側空間35Aへの流体の戻りをより積極的に抑制して、非接触シール38の下流側の圧力をより効果的に高めることができる。
ところで、貯留室83内で静圧を回復した流体は、時間の経過によって温度が上昇し、それ自体が加熱源となることもある。これを回避するために、例えば図6に示すように、貯留室83の内部空間を外部に解放する逃がし路36を設けるようにしてもよい。図6に示す逃がし路36は、貯留室83から遠心圧縮機1の外面に至る導通孔36aと、導通孔36aと接続された導通管36bとを有しており、導通管36bには、圧力調整弁37が設けられている。このようにすれば、貯留室83内および非接触シール38の下流側の圧力を適度に保ちつつ、貯留室83内の流体を外部に逃がして流体の温度上昇を抑えることができる。
また、非接触シール38については、例えば固定部38Bが囲繞部材8のカバー部82を兼ねるような形状になっていてもよい。ただし、前記実施形態のように非接触シール38が独立した部品で構成されていれば、組み付け性を向上させることができる。
さらに、非接触シール38は、囲繞部材8の内側に配置されている必要はなく、囲繞部材8の外側(前方)に配置されていてもよい。すなわち、囲繞部材8は、非接触シール38から第1軸受6Aに至るまでの環状空間35を取り囲むものであればよい。ただし、非接触シール38が回転軸2の第1中径部22Aと囲繞部材8の内周面8aとの間に嵌め込まれていれば、遠心圧縮機1の軸方向長さを抑えることができる。
また、囲繞部材8の構成は適宜変更可能であり、例えば、本体部81がハウジング5に固定され、カバー部82が本体部81に取り付けられるようになっていてもよい。あるいは、カバー部82および本体部81を第1凹部53の外側に配置し、第1凹部53の外側から本体部81で第1軸受6Aの外輪を押えることも可能である。
また、本発明の軸受としては、転がり軸受以外にも例えばスラスト軸受またはジャーナル軸受などの滑り軸受を用いることができる。ただし、冷凍空調機向けの遠心圧縮機では、軸受潤滑油などのサイクル内への流出、すなわちOCR(Oil Circulation Ratio)を極力少なくするという観点から、軸受としては、グリース封入型の転がり軸受が特に好ましい。
本発明の一実施形態に係る遠心圧縮機を示す断面図 図1に示した遠心圧縮機を用いた冷凍サイクル装置を示す概略構成図 (a)は第1凹部付近の拡大断面図、(b)は第2凹部付近の拡大断面図 冷媒の流れを示す説明図 図4の要部拡大図 変形例の遠心圧縮機を示す拡大断面図
符号の説明
1 遠心圧縮機
2 回転軸
32 インペラ
33 バックプレート
35 環状空間
35A 軸受側空間
35B シール側空間
36 逃がし路
38 非接触シール
38A 回転部
38B 固定部
38a 隙間
39 隙間
53 第1凹部
6A 第1軸受(前側転がり軸受)
7 回転板
7a 端面
73 吐出路
74 貫通孔
8 囲繞部材(押え部材)
8a 内周面
81 本体部
81c 対向面
81d 突出部
82 カバー部
82b 内壁
82c 外壁
82d 溝
83 貯留室
83a 開口
83b 後壁面
10 冷凍サイクル装置
11 冷媒回路
12 凝縮器
13 膨張手段
14 蒸発器

Claims (11)

  1. 作動流体を圧縮するインペラが一端に固定された回転軸と、
    前記回転軸を回転可能に支持する軸受と、
    前記軸受から前記インペラ側に離れた位置に配置された、前記回転軸2に嵌合する回転部と固定部の間に隙間を有する非接触シールと、
    前記非接触シールと前記軸受の間の環状空間を取り囲む囲繞部材であって、前記環状空間に対して前記回転軸の径方向内向きに開口する環状の貯留室を有する囲繞部材と、
    前記回転軸から前記貯留室内に入り込むリング状の形状を有し、前記回転軸と共に回転する回転板であって、前記貯留室の前記軸受側の壁面に近接する位置に配置されて、前記環状空間を前記軸受に面する軸受側空間と前記非接触シールの隙間および前記貯留室の開口と連通するシール側空間とに仕切る回転板と、を備え、
    前記回転板には、前記軸受側空間と前記シール側空間とを連通させる貫通孔が設けられているとともに、前記貫通孔から回転板の内部を通って径方向外側を向く端面に開口する吐出路が設けられている、遠心圧縮機。
  2. 前記貯留室は、前記開口より奥側が前記インペラ側に広がる形状を有している、請求項1に記載の遠心圧縮機。
  3. 前記軸受は、前記インペラ側に開口する凹部内に配置された転がり軸受であり、前記囲繞部材は、前記軸受を前記インペラ側から押える押え部材を兼ねるものである、請求項1または2に記載の遠心圧縮機。
  4. 前記囲繞部材は、前記回転軸と所定間隔を隔てて対向する内周面を有しており、前記非接触シールは、独立した部品で構成されていて、前記回転軸と前記囲繞部材の前記内周面との間に嵌め込まれている、請求項3に記載の遠心圧縮機。
  5. 前記囲繞部材は、前記回転板を挟んで互いに嵌合する本体部とカバー部とを有している、請求項4に記載の遠心圧縮機。
  6. 前記本体部は、前記回転板の前記軸受側の面に対向し、前記貯留室の前記軸受側の壁面を構成する対向面と、前記対向面を取り囲むように突出する突出部とを有しており、
    前記カバー部は、前記対向面に向かって開口する環状の溝を形成する内壁および外壁を有しており、
    前記突出部と前記外壁とが嵌合し、前記対向面の内周縁部と前記内壁の先端とで前記貯留室の開口が形成されている、請求項5に記載の遠心圧縮機。
  7. 前記インペラの裏側に配置されたバックプレートをさらに備え、
    前記非接触シールは、前記インペラと前記バックプレートの間の隙間を通じて流れ出る圧縮後の作動流体が前記軸受に至るのを規制するためのものである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の遠心圧縮機。
  8. 前記非接触シールはラビリンスシールである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の遠心圧縮機。
  9. 前記回転板の前記軸受側の面および前記貯留室の前記軸受側の壁面を利用して第2の非接触シールが設けられている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の遠心圧縮機。
  10. 前記貯留室の内部空間を外部に解放する逃がし路をさらに備える、請求項1〜9のいずれか一項に記載の遠心圧縮機。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の遠心圧縮機、凝縮器、膨張手段、蒸発器がループ状に接続された冷媒回路を備え、
    前記冷媒回路には、冷媒として水が充填されている、冷凍サイクル装置。
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