JP2009280771A - 重合性液晶組成物の保管方法 - Google Patents

重合性液晶組成物の保管方法 Download PDF

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Abstract

【課題】液晶表示装置の視野角依存性を低減するために位相差層を形成することが行われており、近年、重合性液晶を溶媒に溶解した組成物を液晶セルの基板に塗布した後、重合性液晶を配向させた状態で架橋、固定化させる等により位相差層を形成する方法が採用されている。しかしながら重合性液晶を含む組成物は保管中等に架橋反応が生じやすく、一旦架橋が生じると重合性液晶組成物を位相差層形成のために利用することが困難となるとともに、重合性液晶組成物の廃棄の手間やコストがかかるという問題があった。本発明は重合性液晶組成物を利用可能な状態に保持することができる重合性液晶組成物の保管方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の重合性液晶組成物の保管方法は、重合性液晶と溶剤を含む重合性液晶組成物を、15℃〜60℃で保持することを特徴とする。
【選択図】なし。

Description

本発明は重合性液晶組成物の保管方法に関する。
薄型軽量、低消費電力という大きな利点を有する液晶表示装置は、近年、パーソナルコンピューター、携帯電話、電子手帳等の表示装置に積極的に利用されている。液晶表示装置は2枚の基板間に駆動用液晶材料を封入して構成された液晶セルを搭載し、駆動用液晶材料の複屈折機能を利用して液晶セルを透過する光のスイッチングを行っている。このため液晶表示装置には、駆動用液晶材料の複屈折性に由来する視野角依存性が存在し、この問題を解決するために、液晶セルに位相差制御機能を付与している。液晶セルに位相差制御機能を付与する方法として、従来、液晶セルの外側に位相差フィルムを貼着する方法が一般に採用されていた。また、半透過半反射型の液晶表示装置では、通常、円偏光を得るために直線偏光板と1/4λ位相差フィルムとを併用して設けている。また近年、液晶テレビ用途に広く用いられている垂直配向モードの液晶表示装置では、視野角依存性を低減するために光軸が基板に垂直で負の複屈折異方性を有する位相差フィルム(負のCプレート)と、光軸が基板に水平で正の複屈折異方性を有する位相差フィルム(正のAプレート)とを併用して設けている。これら位相差フィルムや偏光板は液晶セルに接着剤を用いて貼着されるが、位相差フィルムや偏光板、接着剤等の屈折率がそれぞれ異なるため、貼着界面において外光の反射が生じ、この結果、コントラストの低下を来すという問題があった。
このため近年、液晶セル内に液晶化合物による位相差層を設ける試みがなされており、不飽和結合等の反応性官能基を有する重合性液晶を溶媒に溶解した組成物を塗布した後、重合性液晶を配向させた状態で架橋、固定化させる等により位相差層を形成することが提案されている(特許文献1、2)。
特開2005−122155号公報 特開2007−248780号公報
しかしながら重合性液晶を含む組成物は、その性質上、架橋反応が生じ易く、保管中に重合性液晶の架橋が生じると、重合性液晶組成物を位相差層形成のために利用することが困難となるとともに、使用できなくなった重合性液晶を含む組成物を廃棄する手間やコストもかかるという問題があった。
本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたもので、重合性液晶組成物を利用可能な状態に保持することができる重合性液晶組成物の保管方法を提供することを目的とする。
即ち本発明は、
(1)重合性液晶と溶剤を含む重合性液晶組成物を、15℃〜60℃で保持することを特徴とする重合性液晶組成物の保管方法、
(2)重合性液晶組成物が重合禁止剤を含有する上記(1)の重合性液晶組成物の保管方法、
(3)重合性液晶組成物が光重合開始剤を含有する上記(1)又は(2)の重合性液晶組成物の保管方法、
(4)重合性液晶組成物中の固形分濃度が37重量%以下である上記(1)〜(3)のいずれかの重合性液晶組成物の保管方法、
(5)重合性液晶組成物を紫外線遮断下で保管する上記(1)〜(4)のいずれかの重合性液晶組成物の保管方法、
を要旨とするものである。
本発明によれば、重合性液晶を含む重合性液晶組成物を長期間保管した場合でも、重合性液晶が架橋して使用できなくなる虞がないため、重合性液晶組成物を保管した後に利用することが容易となり、架橋して使用不能となった組成物を廃棄する手間やコストもなくなる等の効果を奏する。
本発明において用いる重合性液晶組成物は、重合性液晶と溶媒とを含むものであるが、重合禁止剤や重合開始剤を含むものでも良く、更に界面活性剤、シランカップリング剤、重合性の多官能化合物等を含有しても良い。
(重合性液晶)
重合性液晶組成物に用いられる重合性液晶としては、棒状の分子構造を有する棒状重合性液晶、あるいは円盤状の分子構造を有する、所謂ディスコティック重合性液晶を用いることができる。特には、棒状重合性液晶化合物を好ましく用いることができる。より具体的な棒状重合性液晶の例としては、架橋性のネマチック液晶を用いることができ、架橋性ネマチック液晶としては例えば、1分子中に(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、オキタセン基、イソシアネート基等の重合性基を少なくとも1個有するモノマー、オリゴマー、ポリマー等が挙げられる。このような重合性液晶としては、下記化1に示す一般式(1)で表される化合物や、化2に示す一般式(2)で表される化合物のうちの1種の化合物もしくは2種以上の混合物、化3〜化5に示す化合物のうちの1種もしくは2種以上の混合物、またはこれらを組み合わせた混合物等を用いることができる。特に、1分子中に1個または2個以上の(メタ)アクリル基を有する架橋性ネマチック液晶の少なくとも1種を含有することが好ましい。
Figure 2009280771
Figure 2009280771
Figure 2009280771
Figure 2009280771
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化1に示す一般式(1)において、R1およびR2はそれぞれ水素またはメチル基を示すが、液晶相を示す温度範囲をより広くするために、R1またはR2が水素であることが好ましい。また一般式(1)におけるX、一般式(2)におけるYは、水素、塩素、臭素、ヨウ素、炭素数1〜4のアルキル基、メトキシ基、シアノ基またはニトロ基のいずれであってもよいが、塩素またはメチル基であることが好ましい。また、一般式(1)の分子鎖両末端の(メタ)アクリロイロキシ基と、芳香環との間のアルキレン基の鎖長を示すaおよびb、一般式(2)におけるdおよびeは、それぞれ個別に2〜12の範囲で任意の整数をとり得るが、4〜10の範囲であることが好ましく、6〜9の範囲であることがさらに好ましい。a=b=0である一般式(1)の化合物や、d=e=0である一般式(2)の化合物は安定性に乏しく、加水分解を受けやすい上に、化合物自体の結晶性が高い。また、aおよびb、あるいはdおよびeがそれぞれ13以上である一般式(1)の化合物、一般式(2)の化合物は、等方相転移温度(TI)が低い。この理由から、これらの化合物はどちらも液晶性を安定的に示す温度範囲(液晶相を維持する温度範囲)が狭いものとなるため、位相差制御機能層を形成するための重合性液晶組成物に用いるのは好ましくない。
上記した化1〜化5では重合性液晶のモノマーを例示したが、重合性液晶のオリゴマーや重合性液晶のポリマー等も、従来公知のもののなかから適宜選択して用いることができる。一般に位相制御機能層のリタデーション量及び配向特性は、位相差制御機能層を構成する重合性液晶化合物の複屈折Δnと、位相差制御機能層の膜厚とにより決定される。
重合性液晶としては、架橋性ネマチック液晶にカイラル剤を添加した、コレステリック規則性を有するカイラルネマチック液晶も好適に用いることができる。カイラル剤は、負のCプレートを形成する際に用いられる。カイラル剤は光学活性な部位を有する低分子量化合物で、分子量1500以下の化合物が好ましい。カイラル剤は、正の一軸ネマチック規則性に、螺旋ピッチを誘起させる目的で用いられる。カイラル剤としては下記、化6に示す化合物を例示することができるが、架橋性ネマチック液晶と溶液状態或いは溶融状態で相溶性を有し、かつ架橋性ネマチック液晶の液晶性を損なうことなく螺旋ピッチを誘起できるものであれば、化6に示す化合物に限定されない。しかしながら分子の両末端に架橋性官能基を有するものが、耐熱性の良い光学素子を得る上で好ましい。カイラル剤は分子内に光学活性な部位を有する化合物であることが重要である。本発明で使用可能なカイラル剤としては、例えば1つもしくは2つ以上の不斉炭素を有する化合物、キラルなアミン、キラルなスルフォキシド等のようにヘテロ原子上に不斉点がある化合物、またはクムレン、ビナフトール等の軸不斉を持つ化合物等が挙げられる。例えば市販のカイラルネマチック液晶、より具体的にはMerck社製S−811等を用いることができる。選択したカイラル剤の性質によっては、ネマチック規則性の破壊、配向性の低下を招き、また非重合性のカイラル剤の場合には架橋性液晶の硬化性の低下、硬化フィルムの電気的信頼性の低下を招く虞があり、更に光学活性な部位を有するカイラル剤の多量使用はコストアップを招く。
Figure 2009280771
一般式(3)〜(5)において、Rは水素又はメチル基を示し、Yは下記、化7、化8に示す(i)〜(xxiv)の任意の一つであるが、中でも式(i)、(ii)、(iii)、(v)及び(vii)の何れか一つであることが好ましい。またアルキレン基の繰り返しを示すc及びdは、それぞれ個別に2〜12の範囲であることがさらに好ましい。c又はdの値が0又は1である化合物は、安定性に欠け、加水分解を受けやすく、結晶性も高い。一方、c又はdの値が13以上である化合物は、融点(Tm)が低い。これにより、c及びdの値が上記好ましい範囲を外れる化合物をカイラル剤として用いると、化合物(I)又は化合物(II)に例示される架橋性液晶モノマーとの相溶性が低下し、濃度によっては相分離等が起きる虞がある。
Figure 2009280771
Figure 2009280771
カイラル剤の配合量の最適範囲は、螺旋ピッチ誘起能力や最終的に得られる位相差層のコレステリック性を考慮して決められる。具体的な配合量の範囲は、架橋性液晶の種類等により大きく異なるものではあるが、一般に感光性組成物の固形分中における含有量が0.01〜60重量%、好ましくは0.1〜40重量%、更に好ましくは5〜30重量%となるように配合する。特に好ましいカイラル剤の配合量は、固形物中の含有率が1〜20重量%となる量である。カイラル剤の固形物中の含有量が0.01重量%未満の場合、感光性組成物に十分なコレステリック性を付与できない場合があり、また60重量%を超える場合は、架橋性液晶分子の配向が阻害され、硬化させる際に硬化速度の低下や架橋密度の低下といった悪影響を及ぼす虞がある。
尚、本発明で用いるカイラル剤は、特に架橋性を有することを必須とするものではないが、得られる位相差層の熱安定性等を考慮すると、上述した架橋性液晶と重合し、コレステリック規則性を固定化することが可能な架橋性カイラル剤を用いることが好ましい。特に、分子の両末端に架橋性官能基があることが、耐熱性のよい光学素子を得る上で好ましい。
本発明が対象とする重合性液晶組成物は、上記重合性液晶を対配合物換算値で70重量%(組成物中の溶剤以外の配合物中の重量)以上、好ましくは75重量%(対配合物換算値)以上含有することが好ましい。重合性液晶の配合量を70重量%(対配合物換算値)以上とすることにより液晶性が向上し、位相差制御機能層における重合性液晶の配向不良の発生を無視し得る程度に低減することができる。重合性液晶化合物の添加が70重量%(対配合物換算値)以上では、液晶分子の配向性の観点から特に問題になることはないので、液晶組成物における他の添加剤の配合量とのバランスで、添加量を適宜決定することができる。
(重合開始剤)
重合開始剤としては、通常、光重合開始剤が用いられる。光重合開始剤としては、ラジカル重合性開始剤を使用することができる。ラジカル重合性開始剤は紫外線のエネルギーによりフリーラジカルを発生する化合物であって、例えばベンゾイン、ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン誘導体又はそれらのエステルなどの誘導体;キサントン並びにチオキサントン誘導体;クロロスルフォニル、クロロメチル多核芳香族化合物、クロロメチル複素環式化合物、クロロメチルベンゾフェノン類などの含ハロゲン化合物;トリアジン類;フルオレノン類;ハロアルカン類;光還元性色素と還元剤とのレドックスカップル類;有機硫黄化合物;過酸化物等が挙げられる。また、光重合開始剤としては、イルガキュアー184、イルガキュアー369、イルガキュアー651、イルガキュアー907(いずれもチバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)、ダロキュアー(メルク社製)、アデカ1717(旭電化工業株式会社製)、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール(黒金化成株式会社製)等のケトン系、ビイミダゾール系化合物等が好ましい。これらの重合開始剤は、1種のみ又は2種以上を組み合わせて用いることができる。2種以上を併用する場合には、吸収分光特性を阻害しないように、吸収波長の異なる重合開始剤を組み合わせるのが好ましい。重合開始剤の添加量としては、前記重合性液晶に対して、0.01〜15重量%程度が好ましく、0.5〜10重量%がより好ましい。
(重合禁止剤)
重合禁止剤としては、たとえば、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ハイドロキノン、メトキノン、p−ベンゾキノン、フェノチアジン、モノ−t−ブチルハイドロキノン、カテコール、p−t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、アンスラキノン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、t−ブチルカテコール等があげられる。同様の効果を示すものであればいずれのものを用いても良い。重合禁止剤の添加量としては、前記重合性液晶の固形分に対し0.001〜10重量%が好ましく、0.01〜5重量%がより好ましい。
(界面活性剤)
位相差制御機能層を形成する場合には、重合性液晶組成物の塗布特性を向上させるため、適宜、液晶の配向を大きく損なわない範囲で界面活性剤を含有していることが好ましい。界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・ブロック共重合体、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等の非イオン性界面活性剤、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、アルキルナフタレンスルフォン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、ナフタレンスルフォン酸ホルマリン縮合物、特殊ポリカルボン酸型高分子界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル等の陰イオン性界面活性剤を用いることができる。
このような界面活性剤の添加量としては、一般的に感光性組成物中の割合が0.01〜1重量%(対配合物換算値)、好ましくは0.05〜0.5重量%(対配合物換算値)の範囲で重合性液晶組成物に添加することができる。
(シランカップリング剤)
シランカップリング剤としては、n−オクチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、n−ドデシルトリメトキシシラン、n−ドデシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシランなどのシラン化合物を加水分解して得られるシランカップリング剤や、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミンからなるシランカップリング剤や、分子構造中にケチミン構造を有するシランカップリング剤等のアミノ系シランカップリング剤、分子構造中にフッ素を含有するシランカップリング剤などを例示することができる。これらのカップリング剤は、複数種選択されて、液晶組成物に添加されてもよい。
アミノ系シランカップリング剤としては、例えば、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン(信越化学社製KBM−602、東芝シリコーン社製TSL8345)、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製KBM−603、東芝シリコーン社製TSL8340)、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学社製KBE−603、東芝シリコーン社製TSL8331)、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製KBM−903)、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学社製KBE−903)、3−トリエトキシシリル−N−(1、3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン(信越化学社製KBE−9103)、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製KBM−573)等を挙げることができる。
(重合性の多官能化合物)
重合性の多官能化合物は、分子構造内に反応性官能基を複数有する化合物であり、多官能(メタ)アクリレートであることが好ましい。ここに多官能(メタ)アクリレートは、多官能アクリレートもしくは多官能メタクリレートを示す。
多官能(メタ)アクリレートは、パラクミルフェノールエチレンオキシド変性アクリレート、ビスフェノールFエチレンオキシド変性ジアクリレート、ビスフェノールAエチレンオキシド変性ジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキシドオキシド変性トリアクリレート、イソシアヌール酸エチレンオキシド変性トリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートなどを挙げることができる。
なお、本発明で用いる多官能(メタ)アクリレートは、ビスフェノールFエチレンオキシド変性ジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキシド変性トリアクリレート、イソシアヌール酸エチレンオキシド変性トリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレートからなる群より選ばれていることが好ましい。
(溶剤)
溶剤としては、上記重合性液晶、重合開始剤、重合禁止剤、更には界面活性剤、シランカップリング剤等を溶解することが可能な溶剤であり、かつ重合性液晶組成物における重合性液晶の配向性能を阻害したり、重合性液晶組成物を基板に塗布した際に基板を浸食する虞のない溶剤であれば特に限定されるものではない。
具体的な溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、n−ブチルベンゼン、ジエチルベンゼン、テトラリン等の炭化水素類、メトキシベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン等のケトン類、酢酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン等のエステル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、トリトリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、オルソジクロロベンゼン等のハロゲン系溶剤、t−ブチルアルコール、ジアセトンアルコール、グリセリン、モノアセチン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ等のアルコール類、フェノール、パラクロロフェノール等のフェノール類等の1種又は2種以上が使用可能である。
単一種の溶剤を使用しただけでは、重合性液晶等の溶解性が不充分であったり、重合性液晶組成物を配向性能を有する基板に塗布した際に、基板が侵食される場合がある。しかし2種以上の溶剤を混合使用することにより、この不都合を回避することができる。上記した溶剤のなかにあって、単独溶剤として好ましいものは、炭化水素系溶剤とグリコールモノエーテルアセテート系溶剤であり、混合溶剤として好ましいのは、エーテル類又はケトン類と、グリコール類との混合系である。溶液の濃度は、液晶性組成物の溶解性や所望する光学機能層の膜厚等により異なるが、通常は1〜60重量%、好ましくは3〜40重量%の範囲で用いられる。
本発明の重合性液晶組成物の保管方法は、液晶組成物を15℃〜60℃で保持することを特徴とするが、15℃〜40℃で保持することがより好ましく、特に15℃〜30℃で保持することが好ましい。また重合性液晶組成物は、組成物中の固形分濃度が40重量%以下であることが好ましく、20〜35重量%であることがより好ましい。重合性液晶組成物は紫外線遮断下で保管することが好ましい。紫外線を遮断する方法としては、一般に市販されている遮光性のガラス瓶やポリエチレン容器を用いて重合性組成物を保管する方法があげられる。本発明の保管方法は、重合液晶組成物を倉庫等で保管する場合に限らず、重合性液晶組成物を輸送する際の保管方法としても適用することができる。
以下、具体的な実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
下記配合により各成分を混合し、70℃で30分間攪拌して室温に戻し、位相差層形成用の重合性液晶組成物とした。
位相差層形成用重合性液晶組成物配合
重合性液晶(化5におけるX=6の化合物) 28.75重量部
光重合開始剤(イルガキュア907) 1.24重量部
重合禁止剤(2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール) 0.01重量部
溶剤(ジエチレングリコールジメチルエーテル) 70.00重量部
実施例1
調製した位相差層形成用重合液晶組成物を、3本の紫外線遮光瓶に分取し、密閉して25℃のイエロールーム内で保管した。重合性液晶組成物の粘度を、YAMAICHI ELECTRONICIS社製のVISCOMATE MODEL VM−1G型粘度計により経時的に測定したが、3本の遮光瓶に収納した液晶組成物は、図1に示すように何れも85日間の保管期間中の粘度増加は殆ど認められなかった。尚、図1においてNo.1〜No.3のグラフは、それぞれ3本の遮光瓶中の液晶組成物の粘度を示す。
洗浄処理した低膨張率無アルカリガラス板(コーニング社製:1737ガラス、100mm×100mm、厚み0.7mm)を9枚用意し、各ガラス板上に配向膜形成用組成物(JSR株式会社製、AL1254)をスピンコーターにて塗布して膜厚が0.1μm以下となるようにした後、230℃のオーブン内で30分間焼成し、次いでラビング装置により塗布膜に配向処理を施して配向膜を形成した。この配向膜上に、上記遮光瓶ないで保管した重合性液晶組成物をスピンコート法により塗布した後、80℃で3分間プリベークした。重合性液晶組成物の塗布は、3本の遮光瓶に保管した組成物毎に、ガラス板3枚づつ塗布した。次いで、フォトマスクを用いて重合性液晶組成物塗布膜を露光(200mJ/cm)した。露光後、メチルエチルケトンによりバット現像を5秒行った後、230℃で30分間ポストベークし、正のAプレートとして働く位相差層をパターン形成した。この位相差層の589nmにおける位相差を、位相差計:RETS−1250VA(大塚電子社製)にて測定したところ、図2に示すように位相差層のバラツキは殆どなかった(3σで12.4nm)。図2において、No.1−1〜No.1−3のグラフは、それぞれNo.1の遮光瓶中の液晶組成物を用いた位相差層の位相差を、No.2−1〜No.2−3のグラフは、それぞれNo.2の遮光瓶中の液晶組成物を用いた位相差層の位相差を、No.3−1〜No.3−3のグラフは、それぞれNo.3の遮光瓶中の液晶組成物を用いた位相差層の位相差を示す。重合性液晶組成物の調製直後(0日)から保管85日まで、線幅30μmのパターンを製膜できることが確認された。
実施例2
実施例1と同様の重合性液晶組成物を同様の条件で保管し、組成物調製直後(保管0日)、保管156日後、保管184日後に、ガラス板上に実施例1と同様にして位相差層を形成し、位相差と膜厚とを測定し、Δnを求めた。位相差層はそれぞれ5枚のガラス板をもちいて形成し、Δnは5枚の平均値で表1に示した。表1に示すように、本発明方法で保管した重合性液晶組成物を半年後でも問題なく使用できることが確認された。
(表1)
Figure 2009280771
比較例1
実施例1と同様の配合で調製した重合性液晶組成物を、5℃の冷蔵庫内で保管したところ、12時間後には1〜2mm径の結晶が析出し、使用できない状態となった。
実施例1の重合性液晶組成物の保管日数と粘度との関係を示すグラフである。 実施例1の重合性液晶組成物により位相差層を形成した際の、保管日数と位相差との関係を示すグラフである。

Claims (5)

  1. 重合性液晶と溶剤を含む重合性液晶組成物を、15℃〜60℃で保持することを特徴とする重合性液晶組成物の保管方法。
  2. 重合性液晶組成物が重合禁止剤を含有する請求項1記載の重合性液晶組成物の保管方法。
  3. 重合性液晶組成物が光重合開始剤を含有する請求項1又は2記載の重合性液晶組成物の保管方法。
  4. 重合性液晶組成物中の固形分濃度が40重量%以下である請求項1〜3のいずれかに記載の重合性液晶組成物の保管方法。
  5. 重合性液晶組成物を紫外線遮断下で保管する請求項1〜4のいずれかに記載の重合性液晶組成物の保管方法。
JP2008137205A 2008-05-26 2008-05-26 重合性液晶組成物の保管方法 Withdrawn JP2009280771A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2018198793A1 (ja) * 2017-04-25 2018-11-01 Dic株式会社 組成物、及び組成物の保存方法
CN112300807A (zh) * 2019-07-30 2021-02-02 住友化学株式会社 含聚合性液晶组成液的容器及聚合性液晶组成液的保管方法

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WO2018198793A1 (ja) * 2017-04-25 2018-11-01 Dic株式会社 組成物、及び組成物の保存方法
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