JP2009278823A - 磁石付きロータ - Google Patents
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Abstract
【課題】個々の磁石とコアとの膨張差の累積による接着剤にかかる応力集中を解消し、接着剤の破断、損傷等を抑制し信頼性の高い磁石付きロータを提供する。
【解決手段】ロータコア12に複数の永久磁石MGを接着剤にて固着している。各永久磁石MGは、軸方向において、隣り合う永久磁石MG間に距離Dsの隙間Gsがそれぞれ設けられている。また、各永久磁石MGは、周方向において、隣り合う磁石MG間に距離Drの隙間Grをそれぞれ設けられている。そして、使用温度によって、ロータコア12と永久磁石MGに軸線方向及び周方向に膨張差がそれぞれ生じても各隙間Gs、Grがこれを吸収する。
【選択図】図1
【解決手段】ロータコア12に複数の永久磁石MGを接着剤にて固着している。各永久磁石MGは、軸方向において、隣り合う永久磁石MG間に距離Dsの隙間Gsがそれぞれ設けられている。また、各永久磁石MGは、周方向において、隣り合う磁石MG間に距離Drの隙間Grをそれぞれ設けられている。そして、使用温度によって、ロータコア12と永久磁石MGに軸線方向及び周方向に膨張差がそれぞれ生じても各隙間Gs、Grがこれを吸収する。
【選択図】図1
Description
本発明は、磁石付きロータに関する。
一般に、ブラシレスモータのロータに備えた永久磁石は、ロータコア部の外周面に永久磁石が接着剤にて固着されている(例えば、特許文献1)。特許文献1では、図9に示すように、ロータ50は、回転軸51に形成した円柱状のロータコア52の外周面52aに、リング状の複数の永久磁石(リングマグネット)53を中心軸線Cの方向(軸線方向)に互いに密着させて並設する。そして、ロータコア52の外周面52aと、その外周面52aに嵌合した複数の並設されたリングマグネット53との間を接着剤54(図10(a)参照)にて固着している。
特開2001−169487号公報
ところで、上記ロータ50において、ロータコア52と並設された各リングマグネット53とは、線膨張率が相違する。ロータコア52とリングマグネット53の線膨張差が大きいと、リングマグネット53の剥がれが生じることから、線膨張差を小さくする必要がある。そのため、ロータコア52とリングマグネット53の線膨張率が非常に近いことが好ましい。
しかしながら、複数のリングマグネット53は、ロータコア52に対して軸線方向に互いに密着させて並設している。従って、個々の膨張差は小さいけれども、その個々の膨張差が累積されると、その累積膨張差は非常に大きなものになる。
特に、リングマグネット53がネオジウムで、ロータコア52が鉄の場合は、ネオジウムのマグネット53が負の線膨張率(=−0.5×10マイナス6乗/℃)を持ち、ロータコア52が正の線膨張(=11.7×10マイナス6乗/℃)が持つことから、図10(a)に示すように、ネオジウムのリングマグネット53は低温側で伸び、鉄のロータコア52は低温側で縮む。従って、図10(b)に示すように、その累積膨張差は、各リングマグネット53のうち軸線方向の両端部のリングマグネット53に発現し、その両端部のリングマグネット53をロータコア52に接着している接着剤54(=250×10マイナス6乗/℃)に大きな応力がかかり、その接着剤54の破断等の原因となっていた。
本発明は、上記問題点を解消するためになされたものであって、その目的は、個々の磁石とコアとの膨張差の累積による接着剤にかかる応力集中を解消し、接着剤の破断、損傷等を抑制し信頼性の高い磁石付きロータを提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、円柱状のコアの外表面に、複数の磁石を接着剤により固定した磁石付きロータであって、前記各磁石の間を、使用温度範囲における前記コアと前記磁石の膨張差以上の隙間を持たせたことをその要旨とする。
この発明によれば、コアと磁石との間に形成された各隙間が、個々のコアと磁石の膨張差を吸収することから、個々の膨張差による応力が特定に位置に集中することはない。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の磁石付きロータにおいて、前記各磁石は、円柱状のコアに対して周方向に、互いに前記隙間に保持されて配置固定されていることをその要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の磁石付きロータにおいて、前記各磁石は、円柱状のコアに対して周方向に、互いに前記隙間に保持されて配置固定されていることをその要旨とする。
この発明によれば、コアと円筒磁石との間に形成された周方向の各隙間が、個々のコアと磁石の周方向の膨張差を吸収することから、個々の膨張差による応力が特定に位置に集中することはない。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の磁石付きロータにおいて、前記各磁石は、少なくとも1箇所が軸線方向に分断され、その分断部分の隙間が前記膨張差以上であることをその要旨とする。
この発明によれば、磁石の分断部分の隙間が、コアと磁石の軸線方向の膨張差を吸収することから、個々の膨張差による応力が軸線方向の両端部の磁石に集中することはない。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の磁石付きロータにおいて、前記各磁石は、円筒形状の磁石であって、前記各磁石は、前記円柱状のコアの外表面にそれぞれ嵌合し、互いに軸線方向に前記隙間に保持されて配置固定されていることをその要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の磁石付きロータにおいて、前記各磁石は、円筒形状の磁石であって、前記各磁石は、前記円柱状のコアの外表面にそれぞれ嵌合し、互いに軸線方向に前記隙間に保持されて配置固定されていることをその要旨とする。
この発明によれば、コアと磁石との間に形成された軸線方向の各隙間が、個々のコアと磁石の軸線方向の膨張差を吸収することから、個々の膨張差による応力が軸線方向の両端部の磁石に集中することはない。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の磁石付きロータにおいて、前記磁石は、少なくとも1箇所が軸線方向に分断され、その分断部分の隙間が前記膨張差以上であることをその要旨とする。
この発明によれば、磁石に形成された分断部分の隙間が、コアと磁石の周方向の膨張差を吸収することから、個々の膨張差による応力が周方向の特定に位置に集中することはない。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の磁石付きロータにおいて、前記隙間を形成する両側の磁石の相対向面は、平行であって一方向に傾斜していることをその要旨とする。
この発明によれば、隙間が傾斜することから、隙間による磁石の磁気損失を小さくできる。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の磁石付きロータにおいて、前記磁石間に形成された隙間と対応する前記コアの位置に隙間を形成したことをその要旨とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の磁石付きロータにおいて、前記磁石間に形成された隙間と対応する前記コアの位置に隙間を形成したことをその要旨とする。
この発明によれば、コアに隙間を設けた分さらに個々の膨張差で生じる応力が抑えられる。
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の磁石付きロータにおいて、前記隙間には、接着剤が充填されていることをその要旨とする。
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の磁石付きロータにおいて、前記隙間には、接着剤が充填されていることをその要旨とする。
この発明によれば、隙間に充填した接着剤がさらに個々の膨張差で生じる応力を吸収する。
請求項9に記載の発明は、請求項7又は8に記載の磁石付きロータにおいて、前記コアに形成された隙間は、外方向に拡開形成されていることをその要旨とする。
請求項9に記載の発明は、請求項7又は8に記載の磁石付きロータにおいて、前記コアに形成された隙間は、外方向に拡開形成されていることをその要旨とする。
この発明によれば、隙間が外方向に拡開形成したので、拡開した分、個々の膨張差で生じる応力が抑えられる。
本発明によれば、個々の磁石とコアとの膨張差の累積による接着剤にかかる応力集中を解消し、接着剤の破断、損傷等を抑制し信頼性の高い磁石付きロータを提供することができる。
(第1実施形態)
以下、本発明の磁石付きロータを具体化した第1実施形態を図面に従って説明する。
図1は、ブラシレスモータのロータ10を示す。ロータ10は、回転軸11に円柱状のロータコア12が形成されている。
以下、本発明の磁石付きロータを具体化した第1実施形態を図面に従って説明する。
図1は、ブラシレスモータのロータ10を示す。ロータ10は、回転軸11に円柱状のロータコア12が形成されている。
ロータコア12は、線膨張率が11.7×10マイナス6乗/℃の鉄製のコアであって、その外表面12aに複数の永久磁石MGが固着されている。ロータコア12の外表面12aは、中心軸線Cを中心軸に周方向に複数(8枚)の永久磁石MGを互いに隙間Grを開けて配置固着した磁石群が、中心軸線Cの方向(軸線方向)に互いに隙間Gsを開けて3列設けられている。
各永久磁石MGは、線膨張率が−0.5×10マイナス6乗/℃のネオジウム製の磁石であって、軸線方向の辺が周方向の辺より長い長方形の板材で周方向が湾曲形成されている。各永久磁石MGは、図2(a)に示すように、ロータコア12の外表面12aに対して接着剤13にて固着されている。接着剤13は、本実施形態では、線膨張率が250×10のマイナス6乗/℃のシリコン系の接着剤を使用している。
各永久磁石MGは、軸方向の隣り合う永久磁石MG間の各隙間Gsが予め定めた距離Dsとなるとともに、周方向の隣り合う永久磁石MG間の各隙間Grが予め定めた距離Drとなるように固着されている。この隙間Gs,Grの距離Ds,Drは、ロータコア12と磁石MGの線膨張率及び軸線方向に長さとステータコアの円周の長さによって設定されている。
詳述すると、いま、ロータコア12の軸線方向の長さをLs、ロータコア12の円周の長さをLrとする。
このとき、それぞれの長さLsの永久磁石MGとロータコア12を接着剤13で接着したときの、その時々の温度における永久磁石MGとロータコア12との軸線方向の膨張差をΔLsとする。また、それぞれの長さLrの永久磁石MGとロータコア12を接着剤13で接着したときの、その時々の温度における永久磁石MGとロータコア12との周方向の膨張差をΔLrとする。
このとき、それぞれの長さLsの永久磁石MGとロータコア12を接着剤13で接着したときの、その時々の温度における永久磁石MGとロータコア12との軸線方向の膨張差をΔLsとする。また、それぞれの長さLrの永久磁石MGとロータコア12を接着剤13で接着したときの、その時々の温度における永久磁石MGとロータコア12との周方向の膨張差をΔLrとする。
そして、モータの使用温度範囲(例えば、−30℃〜80℃)において、最も大きな膨張差をΔLsmax,ΔLrmaxとする。この最大膨張差ΔLsmax,ΔLrmaxが生じる温度は、本実施形態では、永久磁石MGが負の線膨張率で、ロータコア12が正の線膨張を持つことから、永久磁石MGが伸び、ロータコア12は縮む状態が大きく現れる低温領域である。
なお、この軸線方向の最大膨張差ΔLsmaxと周方向の最大膨張差ΔLrmaxは、それぞれ予め試験・実験で求めたり、又は、計算で求めたりすることができる。
軸線方向の最大膨張差ΔLsmaxと周方向の最大膨張差ΔLsmaxが求まると、以下の式を使って隙間Gs,Grの距離Ds,Drを求める。
軸線方向の最大膨張差ΔLsmaxと周方向の最大膨張差ΔLsmaxが求まると、以下の式を使って隙間Gs,Grの距離Ds,Drを求める。
Ds=ΔLsmax/Ns
Dr=ΔLrmax/Nr
なお、Nsは軸線方向の隙間Gsの数、Nrは周方向の隙間Grの数である。因みに、図1のロータ10は、軸線方向の隙間Grの数Nsは「2」であり、周方向の隙間Grの数Nrは「8」となる。
Dr=ΔLrmax/Nr
なお、Nsは軸線方向の隙間Gsの数、Nrは周方向の隙間Grの数である。因みに、図1のロータ10は、軸線方向の隙間Grの数Nsは「2」であり、周方向の隙間Grの数Nrは「8」となる。
そして、軸線方向の形成された各隙間Gsを上記求めた距離Ds(=ΔLsmax/Ns)にするとともに、周方向の各隙間Grを上記求めた距離Dr(=ΔLrmax/Nr)にする。
従って、ロータコア12と永久磁石MGの膨張差が軸線方向及び周方向に最大になる温度になっても、図2(b)に示すように、各隙間Gs、Grがその膨張差を吸収する。その結果、軸線方向及び周方向の個々の膨張差が累積されることがなく、累積膨張差による大きな応力集中の発生が抑制される。
次に、上記のように構成した第1実施形態の効果を以下に記載する。
(1)上記実施形態によれば、線膨張率が相違するロータコア12に対して複数の永久磁石MGを接着剤13にて固着した。そして、各永久磁石MGは、軸方向において、隣り合う永久磁石MG間に予め定めた距離Dsの隙間Gsをそれぞれ設けるとともに、周方向において、隣り合う磁石MG間に予め定めた距離Drの隙間Grをそれぞれ設けた。
(1)上記実施形態によれば、線膨張率が相違するロータコア12に対して複数の永久磁石MGを接着剤13にて固着した。そして、各永久磁石MGは、軸方向において、隣り合う永久磁石MG間に予め定めた距離Dsの隙間Gsをそれぞれ設けるとともに、周方向において、隣り合う磁石MG間に予め定めた距離Drの隙間Grをそれぞれ設けた。
従って、使用温度によって、ロータコア12と永久磁石MGに軸線方向及び周方向に膨張差ΔLs,ΔLrがそれぞれ生じても各隙間Gs、Grがこれを吸収するため、軸線方向及び周方向に大きな応力集中が発生することがない。その結果、接着剤13が破断または損傷して、永久磁石MGを欠落させるといったことない。
(2)しかも、上記実施形態によれば、使用温度範囲において、最も大きな膨張差である最大膨張差ΔLsmax,ΔLrmaxを吸収するために、その最大膨張差ΔLsmax,ΔLrmaxに基づいて隙間Gs,Grの距離Ds,Drを求めた。従って、最大膨張差ΔLsmax,ΔLrmaxが生じる温度で使用されても、軸線方向及び周方向に大きな応力集中が発生することがない。その結果、接着剤13が破断または損傷して、永久磁石MGを欠落させるといったことがない。
(第2実施形態)
以下、本発明の磁石付きロータを具体化した第2実施形態を図3に従って説明する。なお、本実施形態は、第1実施形態で使用された永久磁石MGの形状が異なるだけなので、その異なる点を詳細に説明し、同じ部分符号を同じにしてその詳細な説明は説明の便宜上省略する。
(第2実施形態)
以下、本発明の磁石付きロータを具体化した第2実施形態を図3に従って説明する。なお、本実施形態は、第1実施形態で使用された永久磁石MGの形状が異なるだけなので、その異なる点を詳細に説明し、同じ部分符号を同じにしてその詳細な説明は説明の便宜上省略する。
図3に示すように、ロータ10は、回転軸11に円柱状のロータコア12が形成されている。そのロータコア12は、その外表面12aに複数(3個)の円筒形状の永久磁石MG1が軸線方向に固着されている。円筒形状の各永久磁石MG1は、円柱状のロータコア12の外表面12aにそれぞれ嵌合し、互いに軸線方向に前記隙間Gsを開けて配置固定されている。各永久磁石MG1は、ロータコア12の外表面12aに対して接着剤13にて固着されている。
各永久磁石MG1は、軸方向の隣り合う永久磁石MG間の各隙間Gsが予め定めた距離Dsとなるように固着されている。この隙間Gsの距離Dsは、第1実施形態と同様に、ロータコア12と永久磁石MG1の線膨張率及び軸線方向に長さとによって設定されている。つまり、第1実施形態と同様にして、この軸線方向の最大膨張差ΔLsmaxを求めて、隙間Gsの距離Ds(=ΔLsmax/Ns)を算出する。
従って、ロータコア12と永久磁石MG1の膨張差が軸線方向に最大になる温度になっても、各隙間Gsがその膨張差を吸収する。その結果、軸線方向の個々の膨張差が累積されることがなく、累積膨張差による大きな応力集中の発生が抑制される。
次に、上記のように構成した第2実施形態の効果を以下に記載する。
(1)上記実施形態によれば、線膨張率が相違するロータコア12に対して複数の円筒状の永久磁石MG1を接着剤13にて固着した。そして、各永久磁石MG1は、軸方向において、隣り合う永久磁石MG間に予め定めた距離Dsの隙間Gsをそれぞれ設けた。
(1)上記実施形態によれば、線膨張率が相違するロータコア12に対して複数の円筒状の永久磁石MG1を接着剤13にて固着した。そして、各永久磁石MG1は、軸方向において、隣り合う永久磁石MG間に予め定めた距離Dsの隙間Gsをそれぞれ設けた。
従って、使用温度によって、ロータコア12と永久磁石MGに軸線方向に膨張差ΔLsが生じても各隙間Gsがこれを吸収するため、軸線方向及に大きな応力集中が発生することがない。その結果、接着剤13が破断または損傷して、永久磁石MGを欠落させるといったことない。
(2)しかも、上記実施形態によれば、使用温度範囲において、最も大きな膨張差である最大膨張差ΔLsmaxを吸収するために、その最大膨張差ΔLsmaxに基づいて隙間Gsの距離Dsを求めた。従って、最大膨張差ΔLsmaxが生じる温度で使用されても、軸線方向に大きな応力集中が発生することがない。その結果、接着剤13が破断または損傷して、永久磁石MGを欠落させるといったことがない。
(第3実施形態)
以下、本発明の磁石付きロータを具体化した第3実施形態を図4に従って説明する。なお、本実施形態は、第2実施形態で使用された永久磁石MG1を変形しただけなので、その異なる点を詳細に説明し、同じ部分符号を同じにしてその詳細な説明は説明の便宜上省略する。
(第3実施形態)
以下、本発明の磁石付きロータを具体化した第3実施形態を図4に従って説明する。なお、本実施形態は、第2実施形態で使用された永久磁石MG1を変形しただけなので、その異なる点を詳細に説明し、同じ部分符号を同じにしてその詳細な説明は説明の便宜上省略する。
図4に示すように、ロータコア12は、その外表面12aに複数(3個)の円筒形状の永久磁石MG1が軸線方向に固着されている。円筒形状の各永久磁石MG1は、円柱状のロータコア12の外表面12aにそれぞれ嵌合し、互いに軸線方向に前記隙間Gsを開けて配置固定されている。各永久磁石MG1は、ロータコア12の外表面12aに対して接着剤13にて固着されている。そして、各永久磁石MG1は、軸方向の隣り合う永久磁石MG1間の各隙間Gsが、距離Ds(=ΔLsmax/Ns)が第2実施形態と同様にして求められて固着されている。
また、円筒状の各永久磁石MG1は、所定の1箇所が軸線方向に切断されてその切断箇所で分断されている。そして、その分断部分にて、周方向の隙間Grを形成している。尚、各隙間Grは周方向に互いにずれて配置されている。
各永久磁石MG1の周方向の隙間Grの距離Drは、第1実施形態と同様に、ロータコア12と永久磁石MG1の線膨張率及び周方向に長さとによって設定されている。つまり、第1実施形態と同様にして、この周方向の最大膨張差ΔLrmaxを求めて、隙間Grの距離Dr(=ΔLrmax/Nr)を算出する。Nrはこの場合は「1」となる。
従って、ロータコア12と永久磁石MG1の膨張差が軸線方向及び周方向に最大になる温度になっても、各隙間Gs、Grがその膨張差を吸収する。その結果、軸線方向及び周方向の個々の膨張差が累積されることがなく、累積膨張差による大きな応力集中の発生が抑制される。また、各隙間Grを周方向に互いにずらしたことにより、該隙間Grと軸線方向の隙間Gsとが交差する部分の応力集中が緩和されるとともに、隙間Grによる周方向の磁気変動が抑制されるようになっている。
次に、上記のように構成した第3実施形態の効果を以下に記載する。
(1)上記実施形態によれば、第2実施形態の効果に加え、使用温度によって、ロータコア12と永久磁石MGに周方向に膨張差ΔLrが生じても隙間Grがこれを吸収するため、周方向及に大きな応力集中が発生することがない。その結果、接着剤13が破断または損傷して、永久磁石MGを欠落させるといったことない。
(1)上記実施形態によれば、第2実施形態の効果に加え、使用温度によって、ロータコア12と永久磁石MGに周方向に膨張差ΔLrが生じても隙間Grがこれを吸収するため、周方向及に大きな応力集中が発生することがない。その結果、接着剤13が破断または損傷して、永久磁石MGを欠落させるといったことない。
(2)しかも、上記実施形態によれば、使用温度範囲において、最も大きな膨張差である最大膨張差ΔLrmaxを吸収するために、その最大膨張差ΔLrmaxに基づいて隙間Grの距離Drを求めた。従って、最大膨張差ΔLrmaxが生じる温度で使用されても、軸線方向に大きな応力集中が発生することがない。その結果、接着剤13が破断または損傷して、永久磁石MGを欠落させるといったことがない。
尚、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記第各実施形態では、隙間Gr,Gsを形成する磁石MG,MG1の相対向する相対向面は、平行でかつ中心軸線Cに対して垂直であった。これを、例えば、図5に示すように、隙間Gsについて、互いに隣り合う両磁石MGの相対向面S1,S2を、互いに平行であって且つ一方向に傾斜するようにして、隙間Gsを形成してもよい。
・上記第各実施形態では、隙間Gr,Gsを形成する磁石MG,MG1の相対向する相対向面は、平行でかつ中心軸線Cに対して垂直であった。これを、例えば、図5に示すように、隙間Gsについて、互いに隣り合う両磁石MGの相対向面S1,S2を、互いに平行であって且つ一方向に傾斜するようにして、隙間Gsを形成してもよい。
これによれば、膨張差を吸収しつつ、隙間Gsによる永久磁石MG1の磁気損失を低く抑えることができる。勿論、周方向の隙間Grにおいても同様な構成をしてもよい。
・上記各実施形態では、磁石MG、MG1に隙間Gr,Gsを形成した。これを、例えば、図6に示すように、ロータコア12であって、隙間Gsが形成された箇所にさらに隙間Gsaを形成してもよい。勿論、ロータコア12であって、隙間Grが形成された箇所にさらに隙間を形成してもよい。これにより、広い使用温度範囲で、更に応力集中を緩和できる。また、接着剤13の許容伸び代が大きくなることで、接着剤13の破断を抑制できる。
・上記各実施形態では、磁石MG、MG1に隙間Gr,Gsを形成した。これを、例えば、図6に示すように、ロータコア12であって、隙間Gsが形成された箇所にさらに隙間Gsaを形成してもよい。勿論、ロータコア12であって、隙間Grが形成された箇所にさらに隙間を形成してもよい。これにより、広い使用温度範囲で、更に応力集中を緩和できる。また、接着剤13の許容伸び代が大きくなることで、接着剤13の破断を抑制できる。
さらに、図7に示すように、ロータコア12に形成された隙間Gsaに接着剤13を充填してもよい。さらに、図8に示すように、隙間Gsaの形状を、外方向に拡開形成させてもよい。この場合、拡開した分、更に応力集中を緩和できる。
・上記各実施形態では、隙間Gsの距離Dsを、最大膨張差ΔLsmaxに基づいて求めた距離Ds(=ΔLsmax/Ns)としたが、それ以上長くして実施してもよい。同様に、隙間Grの距離Drを、最大膨張差ΔLrmaxに基づいて求めた距離Dr(=ΔLrmax/Nr)としたが、それ以上長くして実施してもよい。
10…ロータ、11…回転軸、12…ロータコア、13…接着剤、Gs,Gr,Gsa…隙間、MG,MG1…永久磁石、S1,S2…磁石の相対向面。
Claims (9)
- 円柱状のコアの外表面に、複数の磁石を接着剤により固定した磁石付きロータであって、
前記各磁石の間を、使用温度範囲における前記コアと前記磁石の膨張差以上の隙間を持たせたことを特徴とする磁石付きロータ。 - 請求項1に記載の磁石付きロータにおいて、
前記各磁石は、円柱状のコアに対して周方向に、互いに前記隙間に保持されて配置固定されていることを特徴とする磁石付きロータ。 - 請求項2に記載の磁石付きロータにおいて、
前記各磁石は、少なくとも1箇所が軸線方向に分断され、その分断部分の隙間が前記膨張差以上であることを特徴とする磁石付きロータ。 - 請求項1に記載の磁石付きロータにおいて、
前記各磁石は、円筒形状の磁石であって、前記各磁石は、前記円柱状のコアの外表面にそれぞれ嵌合し、互いに軸線方向に前記隙間に保持されて配置固定されていることを特徴とする磁石付きロータ。 - 請求項4に記載の磁石付きロータにおいて、
前記磁石は、少なくとも1箇所が軸線方向に分断され、その分断部分の隙間が前記膨張差以上であることを特徴とする磁石付きロータ。 - 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の磁石付きロータにおいて、
前記隙間を形成する両側の磁石の相対向面は、平行であって一方向に傾斜していることを特徴とする磁石付きロータ。 - 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の磁石付きロータにおいて、
前記磁石間に形成された隙間と対応する前記コアの位置に隙間を形成したことを特徴とする磁石付きロータ。 - 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の磁石付きロータにおいて、
前記隙間には、接着剤が充填されていることを特徴とする磁石付きロータ。 - 請求項7又は8に記載の磁石付きロータにおいて、
前記コアに形成された隙間は、外方向に拡開形成されていることを特徴とする磁石付きロータ。
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JP2019030063A (ja) * | 2017-07-26 | 2019-02-21 | Tdk株式会社 | 磁石構造体及びモータ |
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2008
- 2008-05-16 JP JP2008129484A patent/JP2009278823A/ja active Pending
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