JP2009278079A - 半導体用接着シート及びダイシング一体型半導体用接着シート - Google Patents

半導体用接着シート及びダイシング一体型半導体用接着シート Download PDF

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Abstract

【課題】エキスパンドによる個片化が可能であり、モールド時の基板凹凸埋込性に優れ、且つ耐半田リフローが優れる半導体用接着シートを提供する。
【解決手段】接着剤層を有する半導体用接着シートにおいて、硬化前の前記接着シートが、動的粘弾性装置を使用し、5℃で、周波数500Hz以下、変位95μm以下の条件でエキスパンド試験を行った場合、破断が可能である、半導体用接着シート。
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体用接着シート、及びダイシング一体型半導体用接着シートに関する。
従来、半導体素子と半導体素子搭載用支持部材の接合には銀ペーストが主に使用されていた。しかし、近年の半導体素子の小型化・高性能化に伴い、使用される支持部材にも小型化・細密化が要求されるようになってきている。こうした要求に対して、銀ペーストでは、はみ出しや半導体素子の傾きに起因するワイヤボンディング時における不具合の発生、接着シートの膜厚の制御困難性、および接着シートのボイド発生などにより前記要求に対処しきれなくなってきている。そのため、前記要求に対処するべく、近年、シート状の接着剤が使用されるようになってきた。
この接着シートは、個片貼付け方式あるいはウェハ裏面貼付け方式において使用されているが、前者の個片貼付け方式の接着シートを用いて半導体装置を製造する場合、リール状の接着シートをカッティングあるいはパンチングによって個片に切り出した後その個片を支持部材に接着し前記接着シート付き支持部材にダイシング工程によって個片化された半導体素子を接合して半導体素子付き支持部材を作製し、その後、必要に応じてワイヤボンド工程、封止工程などを経ることによって半導体装置が得られることとなる。しかし、前記個片貼付け方式の接着シートを用いるためには、接着シートを切り出して支持部材に接着する専用の組立装置が必要であることから、銀ペーストを使用する方法に比べて製造コストが高くなるという問題があった。
一方、後者のウェハ裏面貼付け方式の接着シートを用いて半導体装置を製造する場合、まず半導体ウェハの裏面に接着シートを貼付けさらに接着シートの他面にダイシングテープを貼り合わせ、その後、前記ウェハからダイシングによって半導体素子を個片化し、個片化した接着シート付き半導体素子をピックアップしそれを支持部材に接合し、加熱、硬化、ワイヤボンドなどの工程を経ることにより半導体装置が得られることとなる。このウェハ裏面貼付け方式の接着シートは、接着シート付き半導体素子を支持部材に接合するため接着シートを個片化する装置を必要とせず、従来の銀ペースト用の組立装置をそのままあるいは熱盤を付加するなどの装置の一部を改良することにより使用できる。そのため、接着シートを用いた組立方法の中で製造コストが比較的安く抑えられる方法として注目されている。
ウェハ裏面貼り付け方式の接着シートを用いる方法にあっては、ウェハのダイシング工程時に接着シートも切断することが必要である。これには従来のダイヤモンドブレードを用いて切断する接触型の切断方法に加え、ウェハにレーザを照射することによりウェハ内部に選択的に改質部を形成し、その後エキスパンドすることにより改質部に沿ってウェハを切断する時に同時に接着シートを切断する方法、または切断されたウェハに接着シートを貼り付け、その後エキスパンドすることによりウェハ切断ラインに沿って接着シートを切断する方法(例えば、特許文献1参照)がある。いずれも無機物で固いウェハと有機物で柔らかい接着シートの固さの異なる2種類の材料を同じ工程で切断するため、有機物である接着シートに無機フィラを添加することが有効である。
特開2006−093213号公報
また、半導体素子をはじめとする各種電子部品を搭載した実装基板として最も重要な特性の一つとして信頼性がある。その中でも、熱疲労に対する接続信頼性は実装基板を用いた機器の信頼性に直接関係するため非常に重要な項目である。この接続信頼性を低下させる原因として、熱膨張係数の異なる各種材料を用いていることから生じる熱応力が挙げられる。これは、半導体素子の熱膨張係数が約4ppm/℃と小さいのに対し、電子部品を実装する配線基板の熱膨張係数が15ppm/℃以上と大きいことから熱衝撃に対して熱ひずみが発生し、その熱ひずみによって熱応力が発生するため、この応力緩和が課題である。また、このような配線基板は配線による凹凸を一般に有しており、この配線基板凹凸を埋込ことが必要である。上記の応力緩和性、基板凹凸埋込性の点から、半導体用接着シートが、硬化後の弾性率がある程度低いことが望ましいが、接着シートの切断性向上のため無機フィラを添加すると、一般的に接着シートが高弾性化することが分かっており、半導体パッケージの信頼性と接着シートの切断性の両立が課題となっている。
エキスパンドによる個片化が可能であり、且つモールド時に基板凹凸への埋込性が優れるとともに吸湿後の耐半田リフロー性に優れる半導体用接着シートを提供することを目的とする。
従来の接着シートでは、エキスパンドによる接着シートの個片化を可能にするため、硬化前の破断伸度を小さくすると、硬化後の高温弾性率が高くなり配線基板凹凸への埋込性が低下したが、本発明者らは、硬化前における0℃での破断伸度を小さく保ち、且つ硬化後の高温弾性率を低くでき、従来の課題を解決できることを見出した。
本発明は、エキスパンドによる個片化が可能であり、且つモールド時に基板凹凸への埋込性が優れる、吸湿後の耐半田リフロー性に優れる耐半導体用接着シートを提供する。
すなわち、本発明は以下の記載事項に関する。
1. 接着剤層を有する半導体用接着シートにおいて、硬化前の前記接着シートが、動的粘弾性装置を使用し、5℃で、周波数500Hz以下、変位95μm以下の条件でエキスパンド試験を行った場合、破断が可能であることを特徴とする半導体用接着シート。
2. ワイヤボンディング時に175℃の熱履歴をかけた場合、その3時間後の175℃での貯蔵弾性率が10MPa未満であり、265℃(耐半田リフロー温度)での貯蔵弾性率が5MPa未満であり、かつ、吸湿処理(121℃、2atm、100%RH、20h)前後の半導体パッケージ用基板に対する接着力の比率(吸湿処理後の接着力/吸湿処理前の接着力)が0.9以上であることを特徴とする項1記載の半導体用接着シート。
3. 半導体パッケ−ジ用基板に対する熱圧着後の接着力が4MPa以上である項1または2記載の半導体用接着シート。
4. 接着剤層が高分子量成分を含有してなる項1〜3のいずれかに記載の半導体用接着シート。
5. 高分子量成分のTgが−10〜60℃、高分子量成分の重量平均分子量が10万〜100万であることを特徴とする、項4記載の半導体用接着シート。
6. 接着剤層が、高分子量成分を40〜95重量%含有することを特徴とする、項4または5記載の半導体用接着シート。
7. さらに、接着剤層が、フィラを1〜60重量%含むことを特徴とする項1〜6のいずれかに記載の半導体用接着シート。
8. フィラーの平均一次粒径が、0.005〜0.7μmであることを特徴とする、項7記載の半導体用接着シート。
9. さらに、接着剤層が、平均一次粒径0.005〜0.1μmであるフィラを1〜15重量%含有し、かつ、平均一次粒径0.1〜0.7μmであるフィラを1〜35重量%含有することを特徴とする項1〜6のいずれかに記載の半導体用接着シート。
10. さらに、接着剤層が、低分子量高分子を含有することを特徴とする、項1〜9のいずれかに記載の半導体用接着シート。
11. 低分子量高分子の重量平均分子量が0.1万〜10万であることを特徴とする、項10記載の半導体用接着シート。
12. 項1〜11記載のいずれかに記載の半導体用接着シートと、ダイシングテープを積層してなるダイシング一体型半導体用接着シート。
本発明によれば、半導体装置を製造する際の接着シート付半導体素子を個片化する工程において、エキスパンドによる接着シートの個片化が可能で、且つモールド時に基板凹凸への埋込性に優れ、吸湿後の耐半田リフロー性に優れる半導体用接着シートが得られる。
本発明の半導体用接着シートは、接着剤層を有する。硬化前の前記接着シートが、5℃での動的粘弾性装置の周波数500HZ以下、変位95μm以下の条件で破断が可能であり、ワイヤボンディング時の熱履歴175℃、3時間後の175℃の貯蔵弾性率10MPa未満、265℃(耐半田リフロー温度)での貯蔵弾性率5MPa未満であり、かつ、吸湿処理(121℃、2atm、100%RH、20h)前後の半導体パッケージ用基板に対する接着部材の接着力の比率(吸湿処理後の接着力/吸湿処理前の接着力)が0.9以上であることが好ましい。硬化前の状態での動的粘弾性装置の周波数500HZ以下、変位95μm以下の条件で破断できない場合、エキスパンド時の接着シートの切断性が十分でないことから、動的粘弾性装置の周波数500HZ以下、変位95μm以下の条件で破断されることが必要である。本発明の動的粘弾性測定装置はレオロジ社製 DVE−V4を使用した。
本発明の半導体用接着シートの175℃、3時間後の175℃の貯蔵弾性率は、10MPa未満であることが好ましく、1MPa以上10MPa未満であることがより好ましく、2〜9MPaであることが更に好ましく、3〜8MPaであることが特に好ましい。硬化後の175℃の貯蔵弾性率が1MPa未満では、接着シートのはみ出しが生じる可能性があり、10MPa以上では基板凹凸への埋込性が低下する可能性がある。また、265℃(耐半田リフロー温度)での貯蔵弾性率は5MPa未満であることが好ましく、3MPa未満であることがより好ましい。265℃の貯蔵弾性率が5MPa以上では耐半田リフロー性が低下する可能性がある。本発明の弾性率測定は、動的粘弾性測定装置(レオロジ社製 DVE−V4)を使用し、接着剤硬化物に引張り荷重をかけて、周波数10Hz、昇温速度3〜10℃/minで−50℃から300℃まで測定する温度依存性測定モードで行った。
本発明の接着シートの吸湿処理(121℃、2atm、100%RH、20h)0時間と24時間後の半導体パッケージ用基板に対する接着部材の接着力の比率(吸湿処理後の接着力/吸湿処理前の接着力)が0.9以上であることが好ましく、0.9未満では耐半田リフロー時に剥離が発生する可能性がある。
また、本発明の接着剤は、好ましくは、高分子量成分を含有する。シート切断時の温度範囲が−10℃未満では、エキスパンド時にダイシングテープが破断する可能性があり、また60℃を超えることで、接着シートが軟化するため、エキスパンド時に接着シートを良好で切断できない。温度範囲は−10〜10℃が好ましく、−5〜5℃がより好ましい。
高分子量成分の含有量が40重量%未満だと、硬化後の弾性率が高く基板凹凸への埋込性が低下する可能性がある。また、95重量%を超えると、硬化後の弾性率が低く信頼性が低下する可能性があることと、動的粘弾性装置の周波数500HZ以下、変位95μm以下の条件で破断できなくなり、エキスパンドによる接着シートの個片化が困難となる可能性がある。そのため高分子量成分(熱可塑性樹脂)の含有量は、40〜95重量%が好ましく、45〜65重量%がより好ましく、50〜60重量%が特に好ましい。
高分子量成分のガラス転位温度(Tg)は−10〜60℃であることがこのましい。また、重量平均分子量は、10万〜100万であることが好ましく、10万〜90万であることがより好ましく、50万〜80万であることが最も好ましい。重量平均分子量が2万未満だと、シート状、フィルム状での強度や可とう性の低下やタック性が増大する可能性があり、100万を超えると、溶剤への溶解性が低下し作業性が悪くなる。
高分子量成分としては、熱可塑性樹脂が好ましく、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂が挙げられるが、エポキシ樹脂と非相溶であるグリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレート0.5〜6重量%を含む重量平均分子量が50万以上であるエポキシ基含有アクリル共重合体であることが好ましい。
グリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレート0.5〜6重量%を含む重量平均分子量が50万以上であるエポキシ基含有アクリル共重合体としては、特に制限が無く、ナガセケムテック株式会社製 HTR―860P−3DR等を用いることができる。官能基モノマーが、カルボン酸タイプのアクリル酸や、水酸基タイプのヒドロキシメチル(メタ)アクリレートを用いると、橋架け反応が進行しやすく、ワニス状態でのゲル化、硬化前状態での硬化度の上昇による接着力の低下等の問題があるため好ましくない。また、官能基モノマーとして用いるグリシジル(メタ)アクリレートの量は、通常、2〜6重量%の共重合体比とする。2重量%未満だと接着力が低下する可能性があり、6重量%を超えるとゲル化する可能性がある。残部はエチル(メタ)アクリレートやブチル(メタ)アクリレートまたは両者の混合物を用いることができるが、混合比率は、共重合体のガラス転移温度(以下Tgと略す)を考慮して決定し、Tgは−10℃以上であることが好ましい。Tgが−10℃未満であると硬化前状態での接着剤層のタック性が大きくなり取り扱い性が悪化する可能性がある。重合方法は特に制限が無く、パール重合、溶液重合等を使用することができる。
本発明は、好ましくは、フィラを含有する接着シートであって、限定するものでは無いがフィラとしては無機フィラが挙げられる。無機フィラとしては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、アルミナ、窒化アルミニウム、ホウ酸アルミウイスカ、窒化ホウ素、結晶性シリカ、非晶性シリカ、アンチモン酸化物などが挙げられる。熱伝導性向上のためには、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、結晶性シリカ、非晶性シリカ等が好ましい。溶融粘度の調整やチクソトロピック性の付与の目的には、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、アルミナ、結晶性シリカ、非晶性シリカ等が好ましい。また、耐湿性を向上させるためにはアルミナ、シリカ、水酸化アルミニウム、アンチモン酸化物が好ましいが、汎用性からシリカがより好ましい。
本発明の接着剤層中のフィラ量は、平均一次粒径が0.005〜0.1μmでは、1〜15重量%であることが好ましく、2〜10重量%であることがより好ましく、3〜6重量%であることが特に好ましく、併用する平均一次粒径が0.1〜0.7μmでは、1〜35重量%が好ましく、10〜35重量%がより好ましく、20〜30重量%であることが特に好ましい。配合量が少ないと接着シートをエキスパンドにより切断することが難しく、多いと接着シートの濡れ性が低下し、ウェハ貼付性、耐半田リフロー性が低下する。
フィラの粒径は、特に限定するものでは無いが、平均一次粒径が大きすぎると、接着シートの薄膜化が困難であるため、平均一次粒径が10μm以下が好ましく、また粒径が小さすぎると作業性が悪いため、平均一次粒径0.005μm以上が好ましい。上記範囲で、異なる粒径分布をもつ複数種のフィラを混合して使用することが好ましく、破断伸度を小さくしながら貯蔵弾性率を低く保つためには、異なる平均粒径の範囲にあるフィラを組み合わせて用いる場合は平均一次粒径が0.005〜0.1μmのフィラと平均一次粒径が0.1〜0.7μmのフィラを含むことがより好ましく、単独で用いる場合は平均一次粒径が0.005〜0.7μmのフィラを用いることが好ましい。
なお、破断伸度は、例えば、試験片:10mm×30mm、チャック間距離:20mm、試験速度:500mm/minの条件で引張り試験を行ったときの破断伸び値により示される。
本発明で使用する低分子量高分子は、良好な接着力を持たせるために、熱硬化性樹脂を含むことが好ましい。このような化合物としては、例えば、エポキシ樹脂、シアネート樹脂、ビスマレイミド樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリールフタレート樹脂、シリコーン樹脂、レゾルシノールホルムアルデヒド樹脂、キシレン樹脂、フラン樹脂、ポリウレタン樹脂、ケトン樹脂、トリアリールシアヌレート樹脂、ポリイソシアネート樹脂、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌラートを含有する樹脂、トリアリールトリメリタートを含有する樹脂、シクロペンタジエンから合成された樹脂、芳香族ジシアナミドの三量化による熱硬化性樹脂等が挙げられる。中でも、高温において優れた接着力を持たせることができる点で、エポキシ樹脂、シアネート樹脂及びビスマレイミド樹脂が好ましく、エポキシ樹脂がより好ましい。なお、これら熱硬化性樹脂は単独又は二種類以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の低分子量高分子は、環球式で測定した軟化点が50℃以上であれば特に制限はなく、例えば、油化シェルエポキシ株式会社製 エピコート1001、1002、1003、1055、1004、1004AF、1007、1009、1003F、1004F、ダウケミカル日本株式会社製 D.E.R.661、662、663U、664、664U、667、642U、672U、673MF、668、669等のビスフェノールA型エポキシ樹脂、東都化成株式会社製 YDF−2004等のビスフェノールF型エポキシ樹脂、日本化薬株式会社製 EPPN−201等のフェノールノボラック型エポキシ樹脂、油化シェルエポキシ株式会社製 エピコート 180S65、チバスペシャリティーケミカルズ社製 アラルダイト ECN1273、1280、1299、東都化成株式会社製 YDCN−701、702、703、704、日本化薬株式会社製 EOCN−1020、102S、103S、104S、住友化学工業株式会社製 ESCN−195X、200L、220等のクレゾールノボラックエポキシ樹脂、油化シェルエポキシ株式会社製 Epon 1031S、エピコート 1032H60、157S70、日本化薬株式会社製 EPPN 501H、502H等の多官能エポキシ樹脂、チバスペシャリティーケミカルズ社製 アラルダイトPT810等の複素環含有エポキシ樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の低分子量高分子の重量平均分子量は、特に限定するものではないが、0.1万以下だと低粘度の液状である場合が多く、接着シートの破断性を低下させる可能性がある。また、10万以上の場合、高分子量化に伴い、樹脂間での分子の絡み合いにより、接着シートの破断性を低下させる可能性がある。そのため本発明の低分子量高分子の重量平均分子量は、0.1万〜10万であることが好ましく、0.2万〜1万であることがより好ましく、0.3万〜0.5万であることが特に好ましい。
低分子量高分子の添加量は、好ましくは1〜50質量部、より好ましくは3〜30質量部、最も好ましくは5〜25質量部である。添加量が1質量部未満では、接着力を得ることが難しく、50質量部以上では硬化後の弾性率が高くなるため埋め込み性が低下する。
本発明の半導体用接着シートには、熱硬化成分を硬化させる硬化剤を含んでも良い。このような硬化剤としては、例えばフェノール樹脂が挙げられる。フェノール樹脂は、特に制限は無く、85℃、85%RHの恒温恒湿槽に48時間投入後の吸水率が2重量%以下で、熱重量分析計(TGA)で測定した350℃での加熱質量減少率(昇温速度:5℃/min,雰囲気:窒素)が5重量%未満のものを使用することができる。このようなフェノール樹脂は、フェノール化合物と2価の連結基であるキシリレン化合物を、無触媒または酸触媒の存在下に反応させて得られる。この様にして製造されているフェノール樹脂として代表的なものに、三井化学株式会社製ミレックスXLC−シリーズ、XLシリーズなどがある。
また、本発明の半導体用接着シートには、硬化促進剤を添加することもできる。硬化促進剤には、特に制限が無く、各種イミダゾール類を用いることができる。イミダゾール類としては、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテート等が挙げられ、これらは1種又は2種以上を併用することもできる。
硬化促進剤の添加量は、エポキシ樹脂及びフェノール樹脂との総量100重量部に対して0.003〜5重量部が好ましく、0.005〜3重量部がより好ましい。添加量が0.003重量部未満だと硬化性が劣る傾向があり、5重量部を超えると保存安定性が低下する傾向がある。
また、本発明の半導体用接着シートには、異種材料間の界面結合を良くするために、各種カップリング剤を添加することもできる。カップリング剤としては、シラン系、チタン系、アルミニウム系などが挙げられるが、シラン系カップリング剤が最も好ましい。
シラン系カップリング剤としては、特に制限は無く、例えば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピル−トリメトキシシラン、メチルトリ(メタクリロイルオキエトキシ)シラン等のメタクリロイルシラン類、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、メチルトリ(グリシジルオキシ)シラン等のエポキシ基含有シラン類、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N‐フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピル−トリス(2−メトキシ−エトキシ−エトキシ)シラン、N−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、トリアミノプロピル−トリメトキシシラン、3−4,5−ジヒドロイミダゾール−1−イル−プロピルトリメトキシシラン、アミルトリクロロシラン等のアミノシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピル−メチルジメトキシシラン等のメルカプトシラン類、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン等の尿素結合含有シラン類、トリメチルシリルイソシアネート、ジメチルシリルイソシアネート、メチルシリルトリイソシアネート、ビニルシリルトリイソシアネート、フェニルシリルトリイソシアネート、テトライソシアネートシラン、エトキシシランイソシアネート等のイソシアネート基含有シラン類、3−クロロプロピル−メチルジメトキシシラン、3−クロロプロピル−ジメトキシシラン、3−シアノプロピル−トリエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、N,o−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリクロロシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、N−β(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、オクタデシルジメチル〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕アンモニウムクロライド、γ−クロロプロピルメチルジクロロシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシランなどを使用することができ、これらの1種又は2種以上を併用することもできる。
カップリング剤の添加量は、その効果や耐熱性およびコストから、樹脂の合計100重量部に対し、0.1〜10重量部とするのが好ましい。
さらに接着剤層には、イオン性不純物を吸着して、吸湿時の絶縁信頼性をよくするために、イオン捕捉剤を添加することもできる。イオン捕捉剤としては、特に制限が無く、銅がイオン化して溶け出すのを防止するため銅害防止剤として知られる化合物、例えば、トリアジンチオール化合物、ビスフェノール系還元剤などを使用することができ、ジルコニウム系、アンチモンビスマス系マグネシウムアルミニウム化合物等の無機イオン吸着剤を使用することもできる。
イオン捕捉剤の添加量は、添加による効果や耐熱性、コストなどから、1〜10重量%とするのが好ましい。
本発明の半導体用接着シートは、本発明の半導体用接着シートを溶剤に溶解あるいは分散してワニスとし、支持体フィルム上に塗布、加熱し溶剤を除去することによって得ることができる。
前記支持体フィルムとしては、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポイエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリイミドフィルムなどのプラスチックフィルムを使用することができ、これらプラスチックフィルムは表面を離型処理して使用しることもできる。支持体フィルムは、使用時に剥離して接着剤層のみを使用することもできるし、支持体フィルムとともに使用し、後で除去することもできる。
前記ワニス化の溶剤としては、特に制限は無いが、フィルム作製時の揮発性等を考慮し、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、2−エトキシエタノール、トルエン、キシレン、ブチルセルソルブ、メタノール、エタノール、2−メトキシエタノールなど比較的低沸点の溶媒を使用するのが好ましい。また、塗膜性を向上させるなどの目的で、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、シクロヘキサノンなど比較的高沸点の溶媒を加えることもできる。
本発明の半導体用接着シートにフィラを添加した際のワニスの製造には、フィラの分散性を考慮して、らいかい機、3本ロール、ボールミル及びビーズミルなどを使用するのが好ましく、これらを組み合せて使用することもできる。また、フィラと低分子量物をあらかじめ混合した後、高分子量物を配合することによって、混合する時間を短縮することも可能となる。また、ワニスとした後、真空脱気等によってワニス中の気泡を除去することもできる。
支持体フィルムへのワニスの塗布方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、ナイフコート法、ロールコート法、スプレーコート法、グラビアコート法、バーコート法、カーテンコート法等が挙げられる。
接着剤層の厚みは、1〜100μmが好ましいが、これに制限されるものでは無い。1μmより薄いと成膜性が困難であり、100μmより厚いと経済的でなくなる。また、本発明の接着部材における接着剤層は、所望の厚さを得るために、2枚以上を貼り合わせることもできる。この場合には、接着剤層同士の剥離が発生しないような貼り合わせ条件が必要である。
また、上記の接着シートはダイシングテープと予め貼り合わせたダイシングテープ一体型接着シートとしても使用される。この場合、ウェハへのラミネート工程が一回で済む点で、作業の効率化が可能である。
本発明に使用するダイシングテープとしては、例えば、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリイミドフィルムなどのプラスチックフィルム等が挙げられる。これらは他材料との多層構造にして用いることも出来る。また、必要に応じてプライマー塗布、UV処理、コロナ放電処理、研磨処理、エッチング処理等の表面処理を行っても良い。ダイシングテープは粘着性を有することが必要であり、ダイシングテープの片面に粘着剤層を設けても良い。これは、粘着剤層の樹脂組成物において、特に液状成分の比率、高分子量成分のTgを調整することによって得られる適度なタック強度を有する樹脂組成物を塗布乾燥することで形成可能である。
また、半導体装置を製造する際に用いた場合、ダイシング時には半導体素子が飛散しない接着力を有し、その後ピックアップ時にはダイシングテープから剥離することが必要である。例えば、接着シートやダイシングテープの粘着性が高すぎて両者を張り合わせたときのピール強度が150N/m以上の場合、分離が困難になることがある。そのため、適宜、接着シートのタック強度を調節することが好ましく、その方法としては、接着シートの室温における流動性を上昇させることにより、接着強度及びタック強度も上昇する傾向があり、流動性を低下させれば接着強度及びタック強度も低下する傾向があることを利用すればよい。例えば、流動性を上昇させる場合には、可塑剤の含有量の増加、粘着付与材含有量の増加等の方法がある。逆に流動性を低下させる場合には、前記化合物の含有量を減らせばよい。前記可塑剤としては、例えば、単官能のアクリルモノマー、単官能エポキシ樹脂、液状エポキシ樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系のいわゆる希釈剤等が挙げられる。
本発明の接着シートは、それ自体で用いても構わないが、本発明の接着シートを従来公知のダイシングテープ上に積層したダイシングテープ一体型接着シートとして用いることもできる。接着シートとダイシングテープを積層したダイシングテープ一体型接着シートの、ダイシングの際のピール強度は、150N/m以下が好ましく、より好ましくは50N/m以下である。ダイシングテープ上に接着シートを積層する方法としては、印刷のほか、予め作成した接着シートをダイシングテープ上にプレス、ホットロールラミネート方法が挙げられるが、連続的に製造でき、効率が良い点でホットロールラミネート方法が好ましい。尚、ダイシングテープの膜厚は、特に制限はなく、接着シートの膜厚やダイシングテープ一体型接着シートの用途によって適宜、当業者の知識に基づいて定められるものであるが、経済性がよく、フィルムの取扱い性が良い点で60〜200μm、好ましくは70〜170μmである。
半導体搭載用支持部材としては、ダイパットを有するリードフレーム、セラミック基板や有機基板など基板材質に限定されることなく用いることができる。セラミック基板としては、アルミナ基板、窒化アルミ基板などを用いることができる。有機基板としては、ガラスクロスにエポキシ樹脂を含漬させたFR−4基板、ビスマレイミド−トリアジン樹脂を含漬させたBT基板、さらにはポリイミドフィルムを基材として用いたポリイミドフィルム基板などを用いることができる。
配線の形状としては、片面配線、両面配線、多層配線いずれの構造でも良く、必要に応じて電気的に接続された貫通孔、非貫通孔を設けても良い。さらに、配線が半導体装置の外部表面に現れる場合には、保護樹脂層を設けることが好ましい。
接着部材を支持部材へ張り付ける方法としては、接着部材を所定の形状に切断し、その切断された接着部材を支持部材の所望の位置に熱圧着する方法が一般的ではあるが、これを限定するものではない。
半導体装置の構造としては、半導体素子の電極と支持部材とがワイヤーボンディングで接続されている構造、半導体素子の電極と支持部材とがテープオートメーテッドボンディング(TAB)のインナーリードボンディングで接続されている構造等があるが、これらに限定されるものではなく、何れの場合でも効果がある。
半導体素子としては、IC、LSI、VLSI等一般の半導体素子を使用することができる。
半導体素子と支持部材の間に発生する熱応力は、半導体素子と支持部材の面積差が小さい場合に著しいが、本発明の半導体装置は低弾性率の接着部材を用いることによりその熱応力を緩和して信頼性を確保する。これらの効果は、半導体素子の面積が、支持部材の面積の70%以上である場合に非常に有効に現れるものである。また、このように半導体素子と支持部材の面積差が小さい半導体装置においては、外部接続端子はエリア状に設けられる場合が多い。
また、接着部材の特性として、前記接着部材を支持部材の所望の位置に熱圧着する工程や、ワイヤーボンディングで接続する工程等、加熱される工程において、接着剤層からの揮発分を抑制できる。
半導体搭載基板用配線基板に用いる配線基板としては、セラミック基板や有機基板など基板材質に限定されることなく用いることができる。セラミック基板としては、アルミナ基板、窒化アルミ基板などを用いることができる。有機基板としては、ガラスクロスにエポキシ樹脂を含漬させたFR−4基板、ビスマレイミド−トリアジン樹脂を含漬させたBT基板、さらにはポリイミドフィルムを基材として用いたポリイミドフィルム基板などを用いることができる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例、及び比較例作製方法>
エポキシ樹脂としてYDCN−700−10(東都化成株式会社製商品名、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量210、Mw=5万)、フェノール樹脂としてミレックスXLC−LL(三井化学株式会社製商品名、フェノール樹脂、水酸基当量175、吸水率1.8%、350℃における加熱質量減少率4%、Mw = 3万)、これら熱硬化成分に対して、シランカップリング剤としてA−1160(GE東芝株式会社製商品名、γ―ウレイドプロピルトリエトキシシラン)、フィラとして、SO−C2(株式会社アドマテック製商品名、シリカ、比表面積7m/g、平均一次粒径0.4〜0.6μm)、またはアエロジルR972(日本アエロジル株式会社製商品名、シリカ、平均一次粒径0.016μm)からなる組成物に、シクロヘキサノンを加えて攪拌混合し、さらにビーズミルを用いて90分混練した。これにグリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレート2〜6重量%を含むアクリルゴムHTR−860P−3(ナガセケムテック株式会社製商品名、Mw = 100万、Tg =35℃)、硬化促進剤としてキュアゾール2PZ−CN(四国化成工業株式会社製商品名、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール)を混合攪拌し、真空脱気した。ワニスを厚さ75μmの離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、140℃で5分間加熱乾燥して、膜厚が20μmのBステージ状態(硬化前)の塗膜を形成し、キャリアフィルムを備えた接着シートを作製した。以下同様に表1の各接着シートを作製した。表1に実施例1、2、比較例1〜4の配合重量部を示す。
Figure 2009278079
<接着シートの評価方法>
動的粘弾性装置に取り付け、5℃、周波数500Hz、変位95μmの条件でエキスパンドを行い、接着シートの切断性を観察する。切断(破断)できた場合は○、切断できない場合は×とする。評価結果を表2に示した。
動的粘弾性測定装置(レオロジ社製 DVE−V4)を使用し、接着シートを175℃、3時間の条件で熱硬化させ、引張り荷重をかけて、周波数10Hz、昇温速度3〜10℃/minで25℃から300℃まで測定する温度依存性測定モードで行った。
175℃の貯蔵弾性率の測定を行った。10MPa未満を○、それ以外を×とした。
265℃の貯蔵弾性率の測定を行った。5MPa未満を○、それ以外を×とした。
評価結果を表2に示した。
得られた接着フィルムを半導体チップ(10×10mm)に、温度70℃、圧力0.3MPa、速度0.3m/分の条件でホットロールラミネーターを用いて貼りあわせ、その後100℃、0.2MPaの条件で5μmの凹凸を有する基板に貼り付けた後、170℃で3時間硬化。その後、樹脂封止を行い評価用パッケージを作製した。初期の充填性を観察した。50試料を観察しNG数を記載した。評価結果を表2に示した。
初期で充填が良好である試料について、85℃、85RH%、168時間吸湿後に、265℃条件下での耐半田リフロー性を評価した。50試料評価しNG数を記載した。評価結果を表2に示した。
接着性については、PCT評価により温度121℃、湿度100%、2気圧の雰囲気(プレッシャークッカーテスト:PCT処理)で20時間後の接着部剤と基板の接着力を265℃の条件下でダイシェアにより測定を行った。吸湿処理後の接着力/吸湿処理前の接着力が0.9以上を○、0.9未満を×とした。評価結果を表2に示した。
Figure 2009278079
実施例1、2は、硬化前の破断伸度が少なく、接着シート切断性が良好であり、且つ硬化後貯蔵弾性率が低いため充填性も良好である。また、吸湿前後の接着力が高く、耐半田リフロー性も良好であった。比較例1は、硬化剤量が多いためエキスパンド切断性は良好だが、充填性が悪い結果であった。比較例2は、硬化剤量が少ないため硬化後貯蔵弾性率が低く充填性良好だが、反応が促進しないため接着力が低い結果であった。比較例3は、R972が多いためエキスパンド切断性は良好だが、充填性に劣る結果であった。比較例4は、HTR−860P−3が多いため硬化後貯蔵弾性率が低く、充填性は良好だがエキスパンド切断性に劣る結果であった。
以上、本発明について実施例を用いて説明してきたが、以下の作用効果を奏することが分かった。本発明の接着シートは、半導体装置を製造する際のダイシング工程において、エキスパンドによる個片化が可能であり、且つモールド時に基板凹凸への埋込性が優れるとともに耐半田リフロー性に優れる半導体用接着シートが得られる。

Claims (12)

  1. 接着剤層を有する半導体用接着シートにおいて、硬化前の前記接着シートが、動的粘弾性装置を使用し、5℃で、周波数500Hz以下、変位95μm以下の条件でエキスパンド試験を行った場合、破断が可能であることを特徴とする半導体用接着シート。
  2. ワイヤボンディング時に175℃の熱履歴をかけた場合、その3時間後の175℃での貯蔵弾性率が10MPa未満であり、265℃(耐半田リフロー温度)での貯蔵弾性率が5MPa未満であり、かつ、吸湿処理(121℃、2atm、100%RH、20h)前後の半導体パッケージ用基板に対する接着力の比率(吸湿処理後の接着力/吸湿処理前の接着力)が0.9以上であることを特徴とする請求項1記載の半導体用接着シート。
  3. 半導体パッケ−ジ用基板に対する熱圧着後の接着力が4MPa以上である請求項1または2記載の半導体用接着シート。
  4. 接着剤層が高分子量成分を含有してなる請求項1〜3のいずれかに記載の半導体用接着シート。
  5. 高分子量成分のTgが−10〜60℃、高分子量成分の重量平均分子量が10万〜100万であることを特徴とする、請求項4記載の半導体用接着シート。
  6. 接着剤層が、高分子量成分を40〜95重量%含有することを特徴とする、請求項4または5記載の半導体用接着シート。
  7. さらに、接着剤層が、フィラを1〜60重量%含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の半導体用接着シート。
  8. フィラーの平均一次粒径が、0.005〜0.7μmであることを特徴とする、請求項7記載の半導体用接着シート。
  9. さらに、接着剤層が、平均一次粒径0.005〜0.1μmであるフィラを1〜15重量%含有し、かつ、平均一次粒径0.1〜0.7μmであるフィラを1〜35重量%含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の半導体用接着シート。
  10. さらに、接着剤層が低分子量高分子を含有することを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の半導体用接着シート。
  11. 低分子量高分子の重量平均分子量が0.1万〜10万であることを特徴とする、請求項10記載の半導体用接着シート。
  12. 請求項1〜11記載のいずれかに記載の半導体用接着シートと、ダイシングテープを積層してなるダイシング一体型半導体用接着シート。
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