JP2009277760A - ファラデー容量型キャパシタ用電極、ファラデー容量型キャパシタ用電極の製造方法、及びファラデー容量型キャパシタ - Google Patents
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Abstract
【課題】エネルギー密度及び出力密度の大きなファラデー容量型キャパシタ用電極、その製造方法及びファラデー容量型キャパシタを提供する。
【解決手段】本発明のファラデー容量型キャパシタ用電極は、電気化学的レドックス反応が可能な導電性高分子とカーボンナノチューブとバインダーとを含有する複合電極3と、該複合電極3に電気的に接合された集電電極1とを備えており、複合電極と集電電極との間に非繊維状カーボンを含む集電層2が挟持されている。
【選択図】図1
【解決手段】本発明のファラデー容量型キャパシタ用電極は、電気化学的レドックス反応が可能な導電性高分子とカーボンナノチューブとバインダーとを含有する複合電極3と、該複合電極3に電気的に接合された集電電極1とを備えており、複合電極と集電電極との間に非繊維状カーボンを含む集電層2が挟持されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、エネルギー密度及び出力密度の大きなファラデー容量型キャパシタ用電極、その製造方法及びファラデー容量型キャパシタに関する。
近年、大きなパワー密度を有するキャパシタに注目し、ハイブリッド自動車や燃料電池自動車におけるブレーキ回生エネルギー回収用等の車載用電源に用いることが検討されている。しかし、従来から知られている電気二重層キャパシタでは、パワー密度は大きいものの、エネルギー密度はそれほど大きくはない。この問題を解決するため、最近では、陽イオンや陰イオンがドープ/脱ドープすることによって電気化学的にレドックス反応(酸化還元反応)が行われる導電性高分子を利用した、ファラデー容量型キャパシタが開発されている(例えば特許文献1)。このファラデー容量型キャパシタは、パワー密度が大きく、エネルギー密度も電気二重層キャパシタより大きくすることができる。
しかし、ファラデー容量型キャパシタに用いられる導電性高分子は、導電性が劣っていたり、レドックス反応に伴って導電性が低下したりするため、単独で用いることは困難である。このため、導電性高分子とカーボン材料とを複合化し、導電性を向上させることが行なわれている。そして、カーボン材料の中でも、カーボンナノチューブは特に導電性に優れているため、カーボンナノチューブと導電性高分子とを複合化した電極材料を用いたファラデー容量型キャパシタが提案されている(特許文献2及び特許文献3)。カーボンナノチューブと導電性高分子とを複合化した電極材料では、電気伝導性に優れるというカーボンナノチューブの長所と、大きな放電容量を有するという導電性高分子の長所とを合わせもつこととなり、容量が大きくて、大電流を流すことができるキャパシタを実現できる可能性がある。
しかし、上記従来のファラデー容量型キャパシタでは、未だエネルギー密度及び出力密度が充分とはいえず、これらについて、さらなる高性能化が求められていた。本発明は、こうした従来の実情に鑑みてなされたものであって、エネルギー密度及び出力密度の大きなファラデー容量型キャパシタ用電極、その製造方法及びファラデー容量型キャパシタを提供することを解決すべき課題としている。
本発明者らは、カーボンナノチューブと導電性高分子との複合電極を用いたファラデー容量型キャパシタにおいて、エネルギー密度及び出力密度のさらなる向上を妨げている要因について検討を行なった。
カーボンナノチューブは電気伝導性に優れているため、電気伝導性に劣る導電性高分子と複合化した複合電極とすれば、カーボンナノチューブが導電性高分子から集電電極へ電子を導くミクロな導電ワイヤーとなり、導電性高分子の電気伝導性の悪さを補うはずである。ところが、カーボンナノチューブと集電電極との密着性が良くないため、バインダーの量が少ないとカーボンナノチューブと集電電極との間の密着性が低下して隙間が生じやすくなり、電気伝導性が悪くなる。このため、バインダーの量を増やしてカーボンナノチューブと集電電極との密着性を上げることも考えられるが、これでは複合電極中のカーボンナノチューブの含有量が減り、複合電極の電気伝導性が低下する。
そこで、本発明者らは、複合電極中のバインダーの量を増やすことなく、集電電極と複合電極との電気的接触を良好とするため、集電電極と複合電極との間に非繊維状カーボンを含む集電層を介在させることを考えた。
すなわち、本発明のファラデー容量型キャパシタ用電極は、電気化学的レドックス反応が可能な導電性高分子とカーボンナノチューブとバインダーとを含有する複合電極と、該複合電極に電気的に接合された集電電極とを備えたファラデー容量型キャパシタ用電極において、
前記複合電極と前記集電電極との間に非繊維状カーボンを含む集電層が挟持されていることを特徴とする。
前記複合電極と前記集電電極との間に非繊維状カーボンを含む集電層が挟持されていることを特徴とする。
非繊維状カーボンはカーボンナノチューブと同様、炭素からなるため、カーボンナノチューブと馴染み易く、集電電極との密着性にも優れる。また、非繊維状カーボンが複合電極に存在する隙間にも入り込み、非繊維状カーボンとカーボンナノチューブとが接触する。さらには、カーボンナノチューブは繊維状であるため、集電層に食い込み、非繊維状カーボンと接触することができる。このため、複合電極と集電電極との間の電気抵抗が下がり、円滑に電流を流すことができる。
したがって、本発明のファラデー容量型キャパシタ用電極を用いてキャパシタを構成させれば、エネルギー密度及び出力密度が大きくなる。
したがって、本発明のファラデー容量型キャパシタ用電極を用いてキャパシタを構成させれば、エネルギー密度及び出力密度が大きくなる。
カーボンナノチューブに、チューブの壁が単層のグラファイトシートからなる単層カーボンナノチューブと、多層のグラファイトシートからなる多層カーボンナノチューブとが存在する。本発明のファラデー容量型キャパシタ用電極において、複合電極に含まれているカーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブ及び多層カーボンナノチューブのどちらを用いてもよく、これらを混合して用いることもできる。多層カーボンナノチューブは単層カーボンナノチューブと比較して製造コストが低廉であり、電気伝導性が良好であるため負荷特性に優れているという長所を有する。しかし、多層カーボンナノチューブは単層カーボンナノチューブと比べて剛直であるため、集電体に直接コーティングされた場合、密着性が低下する傾向が強いことから、本発明による効果が大きい。
また、集電層に含まれている非繊維状カーボンの含有量は1〜20mg/cm2であることが好ましく、特に好ましい範囲は3〜5mg/cm2である。集電層に含まれている非繊維状カーボンの含有量が1mg/cm2未満では、導電性及び密着性の向上効果が不十分なものとなる。また、非繊維状カーボンの含有量が20mg/cm2を超えると、集電層自体の重量が増大することとなり、エネルギー密度及び出力密度が低下することとなる。
非繊維状カーボンの種類としては、形状が繊維状でなければ特に限定はないが、天然黒鉛、人造黒鉛、ハードカーボン、メソカーボンマイクロビーズ、活性炭、カーボンブラック及びアセチレンブラックの少なくとも1種を用いることができる。
本発明のファラデー容量型キャパシタ用電極は、次のようにして製造することができる。すなわち、本発明のファラデー容量型キャパシタ用電極の第1の局面は、
集電電極に非繊維状カーボンと第1のバインダーとが溶媒で分散された非繊維状カーボンペーストをコーティングした後、乾燥させて集電層を形成する集電層形成工程と、該集電層上にカーボンナノチューブと第2のバインダーとが溶媒で分散されたカーボンナノチューブペーストをコーティングした後、乾燥させてプレ複合電極を形成するプレ複合電極形成工程と、該プレ複合電極中のカーボンナノチューブ表面で電解重合を行なうことによって導電性高分子を析出させる電解重合工程とを有することを特徴とする。
集電電極に非繊維状カーボンと第1のバインダーとが溶媒で分散された非繊維状カーボンペーストをコーティングした後、乾燥させて集電層を形成する集電層形成工程と、該集電層上にカーボンナノチューブと第2のバインダーとが溶媒で分散されたカーボンナノチューブペーストをコーティングした後、乾燥させてプレ複合電極を形成するプレ複合電極形成工程と、該プレ複合電極中のカーボンナノチューブ表面で電解重合を行なうことによって導電性高分子を析出させる電解重合工程とを有することを特徴とする。
本発明のファラデー容量型キャパシタ用電極を製造する他の方法として、次のようにすることもできる。すなわち、本発明のファラデー容量型キャパシタ用電極の第2の局面は、
集電電極に非繊維状カーボンと第1のバインダーとが溶媒で分散された非繊維状カーボンペーストをコーティングした後、乾燥させて集電層を形成する集電層形成工程と、カーボンナノチューブと電気化学的レドックス反応が可能な導電性高分子と第2のバインダーとを含有するカーボンナノチューブ−導電性高分子ペーストを平面上で延ばした後、乾燥させて導電性高分子含有膜とする導電性高分子膜作製工程と、該導電性高分子含有膜を該集電層上に載せて一体化させる一体化工程とを有することを特徴とする。
集電電極に非繊維状カーボンと第1のバインダーとが溶媒で分散された非繊維状カーボンペーストをコーティングした後、乾燥させて集電層を形成する集電層形成工程と、カーボンナノチューブと電気化学的レドックス反応が可能な導電性高分子と第2のバインダーとを含有するカーボンナノチューブ−導電性高分子ペーストを平面上で延ばした後、乾燥させて導電性高分子含有膜とする導電性高分子膜作製工程と、該導電性高分子含有膜を該集電層上に載せて一体化させる一体化工程とを有することを特徴とする。
さらに、本発明のファラデー容量型キャパシタ用電極は、次のようにして製造することもできる。すなわち、本発明のファラデー容量型キャパシタ用電極の第3の局面は、
集電電極に非繊維状カーボンと第1のバインダーとが溶媒で分散された非繊維状カーボンペーストをコーティングした後、乾燥させて集電層を形成する集電層形成工程と、該集電層上にカーボンナノチューブと電気化学的レドックス反応が可能な導電性高分子と第2のバインダーとを含有するカーボンナノチューブ−導電性高分子ペーストをコーティングした後、乾燥させて導電性高分子層を形成する導電性高分子層形成工程とを有することを特徴とする。
集電電極に非繊維状カーボンと第1のバインダーとが溶媒で分散された非繊維状カーボンペーストをコーティングした後、乾燥させて集電層を形成する集電層形成工程と、該集電層上にカーボンナノチューブと電気化学的レドックス反応が可能な導電性高分子と第2のバインダーとを含有するカーボンナノチューブ−導電性高分子ペーストをコーティングした後、乾燥させて導電性高分子層を形成する導電性高分子層形成工程とを有することを特徴とする。
以下、本発明を具体化した実施例について詳細に述べる。
<正極用のファラデー容量型キャパシタ用電極の作製>
実施例1〜3及び比較例1では正極用のファラデー容量型キャパシタ用電極を以下に示す方法で作製した。
実施例1〜3及び比較例1では正極用のファラデー容量型キャパシタ用電極を以下に示す方法で作製した。
(実施例1)
集電層形成工程
天然黒鉛(平均粒子径18μm)90重量部、ポリビニリデンフルオライド10重量部、及びN−メチルピロリドン180重量部を計り取り、ハイブリッドミキサーにて撹拌し、ペースト状とした後、ドクタープレードにて平板状のアルミ集電体の片面に塗布した。そして、ホットプレートを用い、150℃で2時間乾燥した後、塗布面として2cm角に裁断し、天然黒鉛の量がアルミ集電体1cm2当たり5mgの割合でコーティングされた集電層付アルミ集電体を得た。
集電層形成工程
天然黒鉛(平均粒子径18μm)90重量部、ポリビニリデンフルオライド10重量部、及びN−メチルピロリドン180重量部を計り取り、ハイブリッドミキサーにて撹拌し、ペースト状とした後、ドクタープレードにて平板状のアルミ集電体の片面に塗布した。そして、ホットプレートを用い、150℃で2時間乾燥した後、塗布面として2cm角に裁断し、天然黒鉛の量がアルミ集電体1cm2当たり5mgの割合でコーティングされた集電層付アルミ集電体を得た。
プレ複合電極形成工程
次に、多層力一ボンナノチューブ90重量部をエタノール中で120分、超音波分散を行った後、60%PTFE分散液を固形分として10重量部になるよう添加し、超音波と撹拌により十分に分散させた後、加熱して余分なエタノールを除去した。こうして得られた混合物を乳鉢でよく練り、シート状に成形した後、集電層付アルミ集電体の集電層の上に重ね、140℃、10kg/cm2の条件でホット平面プレスを行なった。
次に、多層力一ボンナノチューブ90重量部をエタノール中で120分、超音波分散を行った後、60%PTFE分散液を固形分として10重量部になるよう添加し、超音波と撹拌により十分に分散させた後、加熱して余分なエタノールを除去した。こうして得られた混合物を乳鉢でよく練り、シート状に成形した後、集電層付アルミ集電体の集電層の上に重ね、140℃、10kg/cm2の条件でホット平面プレスを行なった。
電解重合工程
上記のようにして得られたプレ複合電極を有する電極の集電電極側に金線を溶接し、プレ複合電極に含まれているカーボンナノチューブの表面において導電性高分子モノマーの電解重合を行なった。電解重合の具体的な方法は以下のとおりである。
上記のようにして得られたプレ複合電極を有する電極の集電電極側に金線を溶接し、プレ複合電極に含まれているカーボンナノチューブの表面において導電性高分子モノマーの電解重合を行なった。電解重合の具体的な方法は以下のとおりである。
まず、0.5MのTEABF4(テトラエチルアンモニウムテトラフルオロほう酸)/アセトニトリル溶液に、フルオレンを飽和となるまで溶解させたフルオレン飽和溶液を用意する。そして、作用極室と対極室とがガラスフィルターで仕切られた2室セルを準備し、同セルにそれぞれ0.5MのTEABF4/アセトニトリル溶液を入れておく。そして、上記プレ複合電極を有する電極を上記フルオレン溶液に浸漬した後、作用極室にセットし、活性炭塗布電極を対極としてAg/Agイオン電極に対して+0.68Vにて定電位電解を5〜7分行う。このとき、約2.0〜10mAの電流が重合反応の結果として流れた。さらに上記フルオレン溶液への浸漬と上記定電位電解とを繰り返して合計20回行ない、多層カーボンナノチューブ上にポリフルオレンを析出させた。
こうして、図1に示すように、金線1が接続されたアルミ集電体2上に天然黒鉛を含有する集電層3が積層され、さらに集電層3上に多層カーボンナノチューブと導電性高分子であるフルオレンとが複合された複合電極4が積層された、実施例1のファラデー容量型キャパシタ用電極を作製した。
(実施例2)
実施例2では、上記集電層付アルミ集電体における天然黒鉛の量を1cm2当たり1mgの割合とした。その他については実施例1と同様であり、説明を省略する。
実施例2では、上記集電層付アルミ集電体における天然黒鉛の量を1cm2当たり1mgの割合とした。その他については実施例1と同様であり、説明を省略する。
(実施例3)
実施例3では、上記集電層付アルミ集電体における天然黒鉛の量を1cm2当たり20mgの割合とした。その他については実施例1と同様であり、説明を省略する。
実施例3では、上記集電層付アルミ集電体における天然黒鉛の量を1cm2当たり20mgの割合とした。その他については実施例1と同様であり、説明を省略する。
(比較例1)
比較例1は、実施例1における集電層形成工程を行なわず、平面状のアルミ集電体に実施例1と同様の方法で直接プレ複合電極形成工程、及び電解重合工程を行なったものである。
比較例1は、実施例1における集電層形成工程を行なわず、平面状のアルミ集電体に実施例1と同様の方法で直接プレ複合電極形成工程、及び電解重合工程を行なったものである。
<負極用ファラデー容量型キャパシタ用電極の作製>
実施例4〜6及び比較例2では負極用ファラデー容量型キャパシタ用電極を以下に示す方法で作製した。
(実施例4)
実施例4〜6及び比較例2では負極用ファラデー容量型キャパシタ用電極を以下に示す方法で作製した。
(実施例4)
導電性高分子粉体の調整
ポリ(2,5−ピリジン)をHCl溶液(35重量%)100mlに1g加え、室温にて溶解する。そして、純水をpHが2〜3に達するまでゆっくりと加える。これにより、ただちに薄い黄色の懸濁が生じ、数時間程度でビーカーの下部に沈殿する。上澄みをデカンテーションして取り除き、さらに多量の純水を加える.超音波浴において分散させて、再びデカンテーションする。この操作を3回繰り返した後、沈殿物を遠心分離機にかけて回収する。こうして得られたポリ(2,5−ピリジン)の微粉体を乾燥させることなく、エタノールを加えて分散させて静置する。
ポリ(2,5−ピリジン)をHCl溶液(35重量%)100mlに1g加え、室温にて溶解する。そして、純水をpHが2〜3に達するまでゆっくりと加える。これにより、ただちに薄い黄色の懸濁が生じ、数時間程度でビーカーの下部に沈殿する。上澄みをデカンテーションして取り除き、さらに多量の純水を加える.超音波浴において分散させて、再びデカンテーションする。この操作を3回繰り返した後、沈殿物を遠心分離機にかけて回収する。こうして得られたポリ(2,5−ピリジン)の微粉体を乾燥させることなく、エタノールを加えて分散させて静置する。
導電性高分子膜作製工程
上記のようにして得られたポリ(2,5−ピリジン)45重量部と、多層カーボンナノチューブ45重量部とをエタノール中で超音波をかけながら120分撹拌した。次に、60%PTFE分散液を固形分として10重量部となるよう添加し、超音波と撹拌により十分に分散させた後、加熱して余分なエタノールを除去した。こうして得られたペーストを乳鉢等でよく練り、シート状に成形してポリピリジン含有膜とした。
上記のようにして得られたポリ(2,5−ピリジン)45重量部と、多層カーボンナノチューブ45重量部とをエタノール中で超音波をかけながら120分撹拌した。次に、60%PTFE分散液を固形分として10重量部となるよう添加し、超音波と撹拌により十分に分散させた後、加熱して余分なエタノールを除去した。こうして得られたペーストを乳鉢等でよく練り、シート状に成形してポリピリジン含有膜とした。
一体化工程
そして、実施例1の方法と同様の方法で作製した集電層付アルミ集電体上にポリピリジン含有膜を載せ、140℃、10kg/cm2の条件でホット平面プレスを行い、膜厚が100〜300μmの導電性高分子層を形成した。そして、集電電極に金線を溶接して実施例4のファラデー容量型キャパシタ用電極とした。
そして、実施例1の方法と同様の方法で作製した集電層付アルミ集電体上にポリピリジン含有膜を載せ、140℃、10kg/cm2の条件でホット平面プレスを行い、膜厚が100〜300μmの導電性高分子層を形成した。そして、集電電極に金線を溶接して実施例4のファラデー容量型キャパシタ用電極とした。
なお、上記導電性高分子膜作製工程を行なう代わりに、集電層付アルミ集電体上に上記導電性高分子膜作製工程で用いたペーストを塗布した後、ホット平面プレスを行なっても良い。
(実施例5)
実施例5では、上記集電層付アルミ集電体における天然黒鉛の量を1cm2当たり1mgの割合とした。その他については実施例4と同様であり、説明を省略する。
実施例5では、上記集電層付アルミ集電体における天然黒鉛の量を1cm2当たり1mgの割合とした。その他については実施例4と同様であり、説明を省略する。
(実施例6)
実施例6では、上記集電層付アルミ集電体における天然黒鉛の量を1cm2当たり20mgの割合とした。その他については実施例4と同様であり、説明を省略する。
実施例6では、上記集電層付アルミ集電体における天然黒鉛の量を1cm2当たり20mgの割合とした。その他については実施例4と同様であり、説明を省略する。
(比較例2)
比較例2は、実施例4における集電層形成工程を行なわず、実施例4と同様の方法でポリピリジン含有膜を作製し、平面状のアルミ集電体に直接導ポリピリジン含有膜を載せ、実施例4と同様の方法で一体化工程を行なってファラデー容量型キャパシタ用電極とした。
比較例2は、実施例4における集電層形成工程を行なわず、実施例4と同様の方法でポリピリジン含有膜を作製し、平面状のアルミ集電体に直接導ポリピリジン含有膜を載せ、実施例4と同様の方法で一体化工程を行なってファラデー容量型キャパシタ用電極とした。
−ファラデー容量型キャパシタの組み立て−
以上のようにして作製した正極用ファラデー容量型キャパシタ用電極(実施例1〜3及び比較例1)及び負極用ファラデー容量型キャパシタ用電極(実施例4〜6及び比較例2)を組み合わせ、ビーカータイプのフラデッド型セルとして、次のようにして組み立てた。すなわち、上述のようにして作製した正極及び負極をセルロース系のセパレータを挟んで対向させてセル容器に入れる。このセルを真空で110℃ 6時間乾燥した後、N2置換したグローブボックスに移動し、電解液(0.5M TEABF4/アセトニトリル)を満たして、15分間、真空でセル内の気泡を脱気した。
以上のようにして作製した正極用ファラデー容量型キャパシタ用電極(実施例1〜3及び比較例1)及び負極用ファラデー容量型キャパシタ用電極(実施例4〜6及び比較例2)を組み合わせ、ビーカータイプのフラデッド型セルとして、次のようにして組み立てた。すなわち、上述のようにして作製した正極及び負極をセルロース系のセパレータを挟んで対向させてセル容器に入れる。このセルを真空で110℃ 6時間乾燥した後、N2置換したグローブボックスに移動し、電解液(0.5M TEABF4/アセトニトリル)を満たして、15分間、真空でセル内の気泡を脱気した。
<評価>
こうしてセットしたファラデー容量型キャパシタをキクスイ製充放電装置(PFX20W-12)に接続し、定電流充電/定出力放電にて測定を行った。測定条件は、5CmAに相当する電流で3.2Vまで充電し、50〜6500W/kgに相当する出力で0.5Vまで放電させた。
こうしてセットしたファラデー容量型キャパシタをキクスイ製充放電装置(PFX20W-12)に接続し、定電流充電/定出力放電にて測定を行った。測定条件は、5CmAに相当する電流で3.2Vまで充電し、50〜6500W/kgに相当する出力で0.5Vまで放電させた。
エネルギーをセル重量で除した値(エネルギー密度)をセル重量で除した出力値(出力密度)に対してプロットした結果を図2に示す(セル重量については、正負極とセパレータ及び電解液(セパレータと電極に含浸)の合計重量とした)。また、50W/kg放電時のエネルギー密度及びその50%放電時における出力密度の値及び試験後の電極の状態を下記表1に示す。
図2及び表1に示すように、正極が実施例1で負極が実施例4、正極が実施例2で負極が実施例5、及び正極が実施例3で負極が実施例6の組み合わせのファラデー容量型キャパシタは、正極が比較例1で負極が比較例2の組み合わせのファラデー容量型キャパシタと比べて放電エネルギーが高く、しかも出力密度も高かった。また、実施例どうしの組み合わせについて比較した場合、集電層における黒鉛の量が5mg/cm2の場合の組み合わせ(実施例1−実施例4)の場合が、放電エネルギー及び出力密度が最も高かった。
また、定電流充電/定出力放電試験を行なった後の電極の状態を目視によって観察したところ、正極が実施例1で負極が実施例4、及び正極が実施例3で負極が実施例6のキャパシタは、剥離が認められず、良好な状態を保っており、正極が実施例2で負極が実施例5についても、明瞭な剥離は認められなかった。これに対して、正極が比較例1で負極が比較例2のキャパシタでは、明らかな剥離が認められた。
なお、本実施例では集電体の片面にのみ集電層を形成する場合について説明したが、集電体の両面に集電層を形成してもよいことは言うまでもない。
この発明は、上記発明の実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
本発明はエネルギー密度及び出力密度の大きなファラデー容量型キャパシタとしてハイブリッド自動車や燃料電池自動車におけるブレーキ回生エネルギー回収用等の車載用電源等に利用することができる。
1…金線
2…集電電極
3…集電層
4…複合電極
2…集電電極
3…集電層
4…複合電極
Claims (6)
- 電気化学的レドックス反応が可能な導電性高分子とカーボンナノチューブとバインダーとを含有する複合電極と、該複合電極に電気的に接合された集電電極とを備えたファラデー容量型キャパシタ用電極において、
前記複合電極と前記集電電極との間に非繊維状カーボンを含む集電層が挟持されていることを特徴とするファラデー容量型キャパシタ用電極。 - 前記集電層に含まれている非繊維状カーボンの含有量は1〜20mg/cm2であることを特徴とする請求項1記載のファラデー容量型キャパシタ用電極。
- 集電電極に非繊維状カーボンと第1のバインダーとが溶媒で分散された非繊維状カーボンペーストをコーティングした後、乾燥させて集電層を形成する集電層形成工程と、
該集電層上にカーボンナノチューブと第2のバインダーとが溶媒で分散されたカーボンナノチューブペーストをコーティングした後、乾燥させてプレ複合電極を形成するプレ複合電極形成工程と、
該プレ複合電極中のカーボンナノチューブ表面で電解重合を行なうことによって導電性高分子を析出させる電解重合工程と、
を有することを特徴とするファラデー容量型キャパシタ用電極の製造方法。 - 集電電極に非繊維状カーボンと第1のバインダーとが溶媒で分散された非繊維状カーボンペーストをコーティングした後、乾燥させて集電層を形成する集電層形成工程と、
カーボンナノチューブと電気化学的レドックス反応が可能な導電性高分子と第2のバインダーとを含有するカーボンナノチューブ−導電性高分子ペーストを平面上で延ばした後、乾燥させて導電性高分子含有膜とする導電性高分子膜作製工程と、
該導電性高分子含有膜を該集電層上に載せて一体化させる一体化工程と、
を有することを特徴とするファラデー容量型キャパシタ用電極の製造方法。 - 集電電極に非繊維状カーボンと第1のバインダーとが溶媒で分散された非繊維状カーボンペーストをコーティングした後、乾燥させて集電層を形成する集電層形成工程と、
該集電層上にカーボンナノチューブと電気化学的レドックス反応が可能な導電性高分子と第2のバインダーとを含有するカーボンナノチューブ−導電性高分子ペーストをコーティングした後、乾燥させて導電性高分子層を形成する導電性高分子層形成工程と、
を有することを特徴とするファラデー容量型キャパシタ用電極の製造方法。 - 第1の電極と第2の電極との間に電解液を透過できるセパレータが挟持されており、該第1の電極及び/又は該第2の電極は請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のファラデー容量型キャパシタ用電極であることを特徴とするファラデー容量型キャパシタ。
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JP2008125712A JP2009277760A (ja) | 2008-05-13 | 2008-05-13 | ファラデー容量型キャパシタ用電極、ファラデー容量型キャパシタ用電極の製造方法、及びファラデー容量型キャパシタ |
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JP2013197595A (ja) * | 2012-03-22 | 2013-09-30 | Boeing Co:The | レドックスポリマーエネルギー貯蔵システム |
JP2015513799A (ja) * | 2012-02-22 | 2015-05-14 | セルドン テクノロジーズ,インコーポレーテッド | 電極及び用途 |
WO2021006327A1 (ja) | 2019-07-10 | 2021-01-14 | 積水化学工業株式会社 | 炭素材料付き金属シート、蓄電デバイス用電極、及び蓄電デバイス |
-
2008
- 2008-05-13 JP JP2008125712A patent/JP2009277760A/ja active Pending
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