JP2009277367A - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な過充電特性を備えた非水電解質二次電池を提供する。
【解決手段】正極及び負極と、該正極と該負極とを離隔するセパレータと、該正極、該負極及び該セパレータと接触する非水電解質と、該セパレータのシャットダウン温度以下の融点を有し、該非水電解質中に含まれる樹脂粒子とを備える。上記非水電解質と上記セパレータとの界面近傍部の上記樹脂粒子の濃度が、上記非水電解質と上記正極又は上記負極との界面近傍部の上記樹脂粒子の濃度よりも高い。上記樹脂粒子の平均粒径は5μm以下である。上記樹脂粒子の含有量が、上記非水電解質に対して5質量%〜25質量%である。
【選択図】なし

Description

本発明は、良好な過充電特性を有する非水電解質二次電池に係り、更に詳細には、優れたシャットダウン特性を示すセパレータを備える非水電解質二次電池に関する。
近年、移動体通信機、ノートブック型パソコン、パームトップ型パソコン、一体型ビデオカメラ、ポータブルCD(MD)プレーヤー、コードレス電話等の電子機器の小形化、軽量化を図る上で、これらの電子機器の電源として、特に小型で大容量の電池が求められている。
これら電子機器の電源として普及している電池としては、アルカリマンガン電池のような一次電池や、ニッケルカドミウム電池、鉛蓄電池等の二次電池が挙げられる。その中でも、例えば、正極にリチウム複合酸化物を用い、かつ負極にリチウムイオンを吸蔵・放出できる炭素質材料を用いた非水電解質二次電池が、小型軽量で単電池電圧が高く、高エネルギー密度を得られることから注目されている。
このような構成を有する非水電解質二次電池は、高エネルギー密度である半面、異常時に不安全な挙動が発生しやすいという問題がある。例えば、充電器の故障により過大な電圧で充電される過充電となった場合、電流値が低い場合には破裂や発火を生じることは稀であるが、電流値が大きい場合には、これらの現象を抑制することは困難である。このため、より高い安全性レベルを確保することが求められている。
このようなことから、過充電に対する安全性を高めるために様々な検討が行われている。その中の一つとして電解質としてゲル電解質を使用する方法が提案されており、例えば、特許文献1では電解質としてポリ弗化ビニリデンとポリ6弗化プロピレンの共重合体を含むゲル電解質を使用する方法が開示されている。
特開2001−273885号公報
また、その他の方法として、ポリオレフィン材料等から成る多数の微細孔を有するセパレータを用いてシャットダウン機能を付与することも行われている。
これは、非水電解質二次電池が過大な電圧や電流で過充電されて電解液分解反応などにより温度が過度に上昇した場合に、該セパレータが溶融してその微細孔を融解、閉塞すること(シャットダウン)によって電気化学反応を停止させ、ガス噴出、発火などの危険な状態に至らないようにするものである。
しかしながら、特許文献1に記載のゲル電解質を使用するだけでは、過充電に対する安全性は向上するものの、必ずしも十分とは言えず、また電流値が大きすぎる場合には、上述したシャットダウン機能が追いつかずに、電気化学反応が継続してしまうため、従来の非水電解質二次電池においては十分な過充電特性を有するには至っていない。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、良好な過充電特性を備えた非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、セパレータのシャットダウン温度以下の融点を有する樹脂粒子を含ませた非水電解質を用いることで、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の非水電解質二次電池は、
正極及び負極と、
上記正極と上記負極とを離隔するセパレータと、
上記正極、上記負極及び上記セパレータと接触する非水電解質と、
上記セパレータのシャットダウン温度以下の融点を有し、上記非水電解質中に含まれる樹脂粒子とを備える。
本発明によれば、セパレータのシャットダウン温度以下の融点を有する樹脂粒子を含ませた非水電解質を用いることとしたため、良好な過充電特性の非水電解質二次電池を提供することができる。
以下、本発明の非水電解質二次電池の一実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の非水電解質二次電池の一実施形態を示す分解斜視図である。同図に示すように、この非水電解質二次電池は、電池素子10と、この電池素子10を収容する凹部2を有するラミネートフィルム製の外装フィルム1と、を備えている。
ここで、電池素子10は、帯状をなすセパレータと負極と正極を、セパレータ、負極、セパレータ及び正極の順に積層して巻回し、更に非水電解質を保持させて形成されており、ほぼ矩形板状の外形形状をなしている。また、一方の短辺部分から正極リード3と負極リード4が引き出されるとともに、これら正極リード3及び負極リード4には、それぞれ樹脂製のシーラントフィルム5及び6が配設されている。
この非水電解質二次電池20は、上述のような電池素子10を外装フィルム1の凹部2に収容し、正極リード3と負極リード4を外装フィルム1の外部に導出したまま、外装フィルム1の周縁部7を熱融着することによって作製される。
なお、外部に導出される正極リード3及び負極リード4には、シーラントフィルム5及び6が配設されているので、電池素子10は外装フィルム1内に良好な密閉性をもって収容されている。
次に、図2に、電池素子10の積層構造を部分的に示す。
この部分拡大断面図に示すように、電池素子10は、セパレータ14、正極12、セパレータ14及び負極13がこの順で積層された構造を有し、正極12及び負極13は、それぞれ正極集電体12A及び負極集電体13Aの両面に、正極活物質層12B及び負極活物質層13Bを有している。
また、セパレータ14と正極12との間、セパレータ14と負極13との間には、非水電解質15が配設されているが、この非水電解質15には、このセパレータ14のシャットダウン温度以下の融点を有する樹脂粒子150が含まれている。なお、非水電解質15と樹脂粒子150との間には界面が形成されており、両者は相溶していない。
セパレータ14は、通常はポリオレフィン製であり、多数の微細孔を有する。このような構造をとることにより、非水電解質二次電池の温度が過充電等により過度に上昇し、一定の高温に達した場合に、セパレータ自身が溶融することで、上記微細孔を閉塞し、電気化学反応を停止させる機能をもつ。
この機能をシャットダウン機能といい、また微細孔が閉じる温度をシャットダウン温度という。
セパレータのシャットダウン温度は、セパレータの材質に依存するが、材質の融点と必ずしも一致するものではなく、その温度は、好ましくは123℃〜160℃であり、より好ましくは、125℃〜155℃である。
樹脂粒子150は、上述のようにシャットダウン温度以下の融点を有するので、シャットダウンが起こる少し前に、非水電解質15と接触するセパレータ14の表面や微細孔内で融解することによって、シャットダウン機能を補助・強化する役割を有する。
すなわち、非水電解質二次電池の温度が上昇してセパレータの溶融が起こる前に、微細孔を覆うようにして融着したり、微細孔内に侵入して融解したりすることで、微細孔を閉塞するものである。
本発明では、このような樹脂粒子を非水電解質中に含むことによって、シャットダウンに先立って補助的に電気化学反応を阻害又は停止することが可能となり、非水電解質二次電池の安全性の向上が実現された。
なお、セパレータの材質は、ポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)などのポリオレフィン系が一般的であるが、無機材料から成るセパレータを有する非水電解質二次電池では、主として非水電解質に含まれる樹脂粒子がシャットダウン機能を担う。
図3は、図2に示す積層構造のセパレータ近傍部の部分拡大断面図である。
上述のように樹脂粒子150は、セパレータ14の微細孔14aの開口部又は内部に作用することでその効果を発揮するものである。従って同図に示すように、正極12又は負極13との界面近傍部15bよりも、セパレータ14との界面近傍部15aの方が、樹脂粒子150の濃度が高くなるように、該樹脂粒子が偏在して非水電解質15に含まれることが好ましい。樹脂粒子が迅速にシャットダウン機能を補助・強化するためには、セパレータ14の近傍部に存在していることが有利な場合が多いからである。
このような樹脂粒子の濃度差を維持するために、非水電解質15はゲル状電解質であることが好ましい。
樹脂粒子を偏在させた非水電解質を得るためには、例えば樹脂粒子を添加したゲル状電解質を含浸させたセパレータと、ゲル状電解質のみを含浸させた電極とを予め作製し、該セパレータを該電極で挟み込んで、電極と電解質とセパレータとから成る積層部分を作製すればよい。
また樹脂粒子は、平均粒径が5μm以下であることが好ましい。5μmを超えると融解に時間がかかり安全性の向上効果が十分に発揮されない可能性がある。また電解質の厚みが厚くなるため、電池の体積エネルギー密度を低下させる場合がある。
更に樹脂粒子の含有量は、非水電解質に対して5質量%〜25質量%であることが好ましい。5質量%未満であると、シャットダウンを促進する効果が少なく、十分な安全性向上効果が得られない場合がある。25質量%を超えると電解質中の溶媒、電解質量が減少し、十分な電池特性が得られなくなる場合がある。
一方、セパレータ14が有する微細孔の径は、0.001μm〜2μmであることが好ましく、より好ましくは、0.005μm〜1.5μmである。2μmを超えると温度上昇時に十分なシャットダウン機能が得られない場合があり、0.001μm未満ではインピーダンスが高くなり電池特性が低下する場合がある。
また、セパレータの空隙率は、15%〜60%であることが好ましく、より好ましくは、20%〜55%である。60%を超えるとセパレータの強度が低下し、内部短絡が発生する場合があり、15%未満ではインピーダンスが高くなり電池特性が低下する場合がある。
なお、一般的にセパレータの厚みは、好ましくは3μm〜50μmであり、より好ましくは5μm〜30μmである。50μmを超えると活物質の充填量が低下して電池容量が低下するとともに、イオン伝導性が低下して電流特性が低下する場合があり、3μm未満では膜の機械的強度が低下する場合がある。
以下、本実施形態の非水電解質二次電池における部材の材質などについて説明する。
(正極)
正極12に用いる正極活物質としては、特に限定されないが、種々の酸化物、例えば二酸化マンガン、リチウムマンガン複合酸化物、リチウム含有ニッケル酸化物、リチウム含有コバルト酸化物、リチウム含有ニッケルコバルト酸化物、リチウム含有鉄酸化物、リチウムを含むバナジウム酸化物や、二硫化チタン、二硫化モリブデンなどのカルコゲン化合物などを挙げることができる。中でも、リチウム含有コバルト酸化物(例えば、LiCoO)、リチウム含有ニッケルコバルト酸化物(例えば、LiNi0.8Co0.2)、リチウムマンガン複合酸化物(例えば、LiMn、LiMnO)を用いると、高電圧が得られるために好ましい。なお、正極活物質としては、1種類の酸化物を単独で使用しても、2種類以上の酸化物を混合して使用しても良い。
(負極)
負極13に用いる負極活物質としては、リチウムの吸蔵・放出が可能な炭素材料を好適に使用することができる。
例えば、難黒鉛化性炭素、人造黒鉛、天然黒鉛、熱分解炭素類、コークス類(ピッチコークス、ニードルコークス、石油コークス等)、グラファイト類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成体(フェノール樹脂、フラン樹脂等を適当な温度で焼成し炭素化したもの)、炭素繊維、活性炭、カーボンブラック類等が挙げられる。
(セパレータ)
セパレータ14は、例えばポリプロピレン(PP)若しくはポリエチレン(PE)などのポリオレフィン系の材料より成る多孔質膜、又はセラミック製の不織布などの無機材料より成る多孔質膜により構成されており、これら2種以上の多孔質膜を積層した構造としてもよい。
中でも多孔質膜としては、ポリエチレン、ポリプロピレンの多孔質膜が最も有効であり、特にポリエチレンを主成分とし10質量%以下のポリプロピレンを含有する多孔質膜が好ましい。ポリエチレンにポリプロピレンを含有させたセパレータでは、ポリプロピレンの融点がポリエチレンの融点に比べて高いので、ポリエチレンのみから成るセパレータよりも熱収縮開始温度をより高温側にシフトすることができる。反面、ポリプロピレンのシャットダウン機能発現温度は高いので、過充電又は内部短絡時に電池温度が高くなり易く、熱暴走し易くなるが、ポリエチレンとポリエチレンの混合比率を上記範囲にすることにより、シャットダウン機能発現温度を低く維持したままで、熱収縮開始温度を高めることができる。
また、例えばセパレータの構成成分として融点の低すぎるものが含まれると、セパレータが融解に至る温度が低く、使用可能な温度が低くなってしまう。一方、融点の高すぎるものが含まれると、シャットダウン機能の発揮に至る温度が高くなり、熱暴走のおそれが生じ、安全性確保が困難となる場合がある。なお、複数の構成成分で融点に20℃以上の差があると、シャットダウン及び熱収縮回避の両方の機能の面から有利である。
(非水電解質)
非水電解質15としては、液状電解質やゲル状電解質など、その中に樹脂粒子を含んだ場合に該樹脂粒子が移動することを妨げない性状のものであれば使用することができる。特に、マトリクス高分子に非水溶媒と電解質塩を含浸させたゲル状電解質を好ましく使用することができる。
上記マトリックス高分子としては、例えばポリ弗化ビニリデンとポリ6弗化プロピレンの共重合体を挙げることができる。この共重合体にマレイン酸変性基を付加した高分子や、4塩化エチレンを共重合した高分子を用いても良い。
上記非水溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、酢酸エステル、酪酸エステル、プロピオン酸エステル等の炭酸エステル化合物を使用することができる。これらは、単独で使用しても、複数種混合して用いてもよい。
上記電解質塩としては、例えば、LiClO、LiAsF、LiPF、LiBF、LiB(C、CHSOLi、CFSOLi、LiCl、LiBr、LiN(CFSO等、通常の非水電解質電池に用いられる電解質塩を使用することができる。
(樹脂粒子)
前記非水電解質15に含まれる樹脂粒子150としては、ポリエチレン粒子やポリプロピレン粒子等を挙げることができるが、中でもポリエチレン粒子が好ましい。ポリエチレンの種類は低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンのいずれであっても使用できる。また樹脂粒子の形状はブロック状や球状等、任意の形状とすることができ、種々の形状の粒子を混合して用いても良い。
(外装フィルム)
外装フィルム1はラミネートシートであり、使用可能なラミネートシートの構成を(外装層/金属箔/シーラント層)の形式で列挙すると、Ny(ナイロン)/Al(アルミ)/CPP(無延伸ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)/Al/CPP、PET/Al/PET/CPP、PET/Ny/Al/CPP、PET/Ny/Al/Ny/CPP、PET/Ny/Al/Ny/PE(ポリエチレン)、Ny/PE/Al/LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)、PET/PE/Al/PET/LDPE(低密度ポリエチレン)、及びPET/Ny/Al/LDPE/CPP等となるが、これらに限定されるものではない。
また、上記のラミネートシートに代えて、他の構造、例えば金属材料を有さないラミネートシートなどを用いてもよい。
次に、図1に示した非水電解質二次電池を例にとって、製造方法の一実施形態を説明する。
まず、電極(正極12及び負極13)を作製する。電極の作製方法としては、例えば、活物質材料に公知の結着剤等を添加し溶剤を加えて塗布する方法、結物質材料に公知の結着剤等を添加し加熱して塗布する方法、活物質材料単独で、又は導電性材料、結着剤と混合して成型等の処理を施して成型体電極を作製する方法等を挙げることができる。
具体的には、正極活物質又は負極活物質を導電剤、結着剤及びN−メチル−2−ピロリドン等の有機溶剤等と混合してスラリー状とした後、各々のスラリーを正極集電体12A又は負極集電体13Aに塗布、乾燥し、圧縮成型することにより正極活物質層12B及び負極活物質層13Bを形成し、電極を作製することができる(図2参照)。その他の実施形態としては、結着剤の有無にかかわらず、活物質に熱を加えたまま加圧成型することにより強度を有した電極を作製することも可能である。勿論、電極の作製方法は、これらに限定されるものではない。
次に、電解質15を作製する。本実施形態のゲル状電解質は、例えば六フッ化リン酸リチウムなどの電解質塩、炭酸エチレンなどの非水溶媒及びポリエチレン粉末などの樹脂粒子150を混合した可塑剤に、プレポリマーやゲル化促進剤を添加し、これを上述のように作製した正極活物質層12B及び負極活物質層13Bに塗布し、放置して溶媒を気化させることで得ることができる。
その後、ゲル状電解質が塗布された正極12及び負極13に、各々正極リード3又は負極リード4を取り付けた後、セパレータ15、負極13、セパレータ15及び正極12を順次積層して巻芯の周囲に巻回し、最外周部に保護テープを接着して巻回電極体を形成することで、電池素子10が得られる。その他の実施形態としては、電極とセパレータを順次積層する積層方式により積層電極体を形成することもできる。
これらの巻回電極体や積層電極体は本実施形態のラミネートシート型だけではなく、薄形電池や角型電池を作製する場合にも使用することができる。
最後に、上述のように得られた電池素子10を、例えば厚さ50μm〜200μmの防湿性アルミラミネートフィルム等の外装フィルム1の凹部2に収納し、周縁部7を熱融着することで真空封止して本実施形態の非水電解質二次電池20を得ることができる。
以下、本発明を、実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図1に示すラミネートシート型の非水電解質二次電池を作製した。
1.正極電極の作製
まず、平均粒子径10μm、比表面積0.4m/gのLiCoO粉末91質量%と、導電剤である黒鉛6質量%と、結着剤であるポリ弗化ビニリデン3質量%とを混合して正極合剤を作製した。
次に、これをN−メチル−2−ピロリドンに分散させてスラリー状とした。さらに、これを正極集電体となる厚さ20μmの帯状のアルミニウム箔の両面に均一に塗布した後に乾燥させた。そして、ロールプレス機で圧縮成型することによって正極活物質層を作製した。この電極を縦50mm、横350mmのサイズに切り出し、活物質の不塗布部分にアルミニウム製のリードを溶接することにより、正極電極を作製した。
2.負極電極の作製
まず、コークスとピッチを混合して熱処理することにより炭素成型体を作製し、不活性雰囲気中で2800℃で熱処理することで黒鉛化成型体を作製した。この成型体を粉砕分級して平均粒子径25μm、比表面積0.5m/gの人造黒鉛粉末を作製した。この黒鉛粉末90質量%と、結着剤であるポリ弗化ビニリデン10質量%とを混合し、負極合剤を作製した。
次に、この負極合剤をN−メチル−2−ピロリドンに分散させてスラリー状とした。これを負極集電体となる厚さ20μmの帯状の銅箔の両面に均一に塗布した後に乾燥させた。そして、ロールプレス機で圧縮成型することによって負極活物質層を作製した。この電極を縦52mm、横370mmのサイズに切り出し、活物質の不塗布部分にニッケル製のリードを溶接することにより、負極電極を作製した。
3.ゲル状電解質の作製
まず、炭酸エチレン(EC)11.5質量%と、炭酸プロピレン(PC)11.5質量%と、電解質塩であるLiPF4質量%と、平均粒径が0.5μmのポリエチレン粉末(融点120℃)4.1質量%を混合して可塑剤を調整した。これに対して分子量が600000であるブロック共重合ポリ弗化ビニリデン−co−6弗化プロピレン10質量%と、炭酸ジエチル60質量%とを混合して溶解させた。
次に、これを負極活物質層及び正極活物質層の両面に均一に塗布して含浸させた。そして、常温で8時間放置することによって炭酸ジエチルを気化させて除去し、ゲル状電解質を作製した。炭酸ジエチルを除去することによりゲル状電解質中のポリエチレン量は10質量%となる。
4.電池素子及び非水電解質二次電池の作製
上述したように両面にゲル状電解質が塗布された正極電極と負極電極とを、ポリエチレン延伸フィルムからなるセパレータ(シャットダウン温度130℃)を介して積層し、長手方向に巻回することにより電池素子を作製した。
この電池素子を、厚さ180μmの防湿性アルミラミネートフィルム外装中に真空封止して、容量700mAhの非水電解質二次電池を作製した。
(実施例2)
ポリエチレン粉末として平均粒径が0.5μmの粉末を1.95質量%混合して、ゲル電解質中のポリエチレン量を5質量%としたこと以外は実施例1と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
(実施例3)
ポリエチレン粉末として平均粒径が0.5μmの粉末を12.35質量%混合して、ゲル電解質中のポリエチレン量を25質量%としたこと以外は実施例1と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
(実施例4)
ポリエチレン粉末として平均粒径が5μmの粉末を4.1質量%混合して、ゲル電解質中のポリエチレン量を10質量%としたこと以外は実施例1と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
(実施例5)
ポリエチレン粉末として平均粒径が0.5μmの粉末を1.55質量%混合して、ゲル電解質中のポリエチレン量を4質量%としたこと以外は実施例1と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
(実施例6)
ポリエチレン粉末として平均粒径が0.5μmの粉末を15.9質量%混合して、ゲル電解質中のポリエチレン量を30質量%としたこと以外は実施例1と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
(実施例7)
ポリエチレン粉末として平均粒径が7μmの粉末を4.1質量%混合して、ゲル電解質中のポリエチレン量を10質量%としたこと以外は実施例1と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
(比較例1)
ゲル電解質中にポリエチレン粉末を添加しないこと以外は実施例1と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
(比較例2)
ポリエチレン粉末として平均粒径が0.5μmの粉末と、分子量が600000であるブロック共重合ポリ弗化ビニリデン−co−6弗化プロピレン粉末を重量比で29:71の割合で混合し、200℃に加熱した押し出し成型機で溶解・混合後に冷却ロール上に押し出し、フィルム化した後に圧延することで厚さ3μmのフィルムを作成した。このフィルムを炭酸エチレン(EC)11.5重量部と、炭酸プロピレン(PC)11.5重量部と、電解質塩であるLiPF4重量部を混合した電解液に浸漬し、電解液を含浸したフィルムを作成した。
この電解質フィルム中にはポリエチレンがブロック共重合ポリ弗化ビニリデン−co−6弗化プロピレンと交じり合った状態で存在しており、フィルム中のポリエチレン含有量は10質量%であった。
正負極にポリエチレン粉末を含有しないゲル状電解質を含浸後、セパレータの両面に電解質フィルムを入れた状態で積層、巻回して作成した素子を用いたこと以外は実施例1と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
上記実施例1〜実施例7、及び比較例1〜2で作製した非水電解質二次電池について、以下に示す方法によって電池特性及び安全性を評価した。
<電池特性>
作製した電池を0.2Cで10H、4.2Vで定電流定電圧充電を行った後、電池の厚さを測定した。その後、0.2Cで終止電圧3.0Vまで放電し、放電容量を測定した。得られた放電容量と厚さから厚さ1mm当たりの容量を計算した。
<安全性>
電池特性測定後の電池を、2.0Cで2.5H、10Vの過充電試験を実施した。
実施例1〜実施例7、及び比較例1〜2の非水電解質二次電池について、ポリエチレン粒子の平均粒径、電解質中の配合比、電池特性及び安全性を評価した結果を表1に示す。
なお、安全性については発火またはガス噴出した場合を不合格とし、試験した数に対する合格数を示した。
Figure 2009277367
表1から明らかなように、ポリエチレン粒子を電解質に含む実施例1〜実施例7の電池は、電池特性を損なうことなく、過充電安全性が改善されており、本発明によれば電池特性に優れ、安全性も良好な非水電解質二次電池を提供することが可能になる。
以上、本発明を若干の実施形態及び実施例により詳細に説明したが、本発明はこれら実施形態や実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
例えば、本発明の非水電解質二次電池の電池形状は、図1に示すラミネートシート型のみに限定されるものではなく、円筒型、角型、コイン型、ボタン型等、任意の形状とすることができる。
また、セパレータや正極、負極の積層順も特に限定されるものではなく、正極と負極との電気絶縁が図れれば十分である。
本発明の非水電解質二次電池の一実施形態を示す分解斜視図である。 図1に示す電池素子10の積層構造の部分拡大断面図である。 図2に示す積層構造のセパレータ近傍部の部分拡大断面図である。
符号の説明
1…外装フィルム、2…凹部、3…正極リード、4…負極リード、5、6…樹脂フィルム、7…周縁部、10…電池素子、12…正極、12A…正極集電体、12B…正極活物質層、13…負極、13A…負極集電体、13B…負極活物質層、14…セパレータ、14a…微細孔、15…非水電解質、15a…セパレータとの界面近傍部、15b…電極との界面近傍部、20…非水電解質二次電池、150…樹脂粒子

Claims (6)

  1. 正極及び負極と、
    上記正極と上記負極とを離隔するセパレータと、
    上記正極、上記負極及び上記セパレータと接触する非水電解質と、
    上記セパレータのシャットダウン温度以下の融点を有し、上記非水電解質中に含まれる樹脂粒子と
    を備えた非水電解質二次電池。
  2. 上記非水電解質と上記セパレータとの界面近傍部の上記樹脂粒子の濃度が、上記非水電解質と上記正極又は上記負極との界面近傍部の上記樹脂粒子の濃度よりも高い請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  3. 上記樹脂粒子の平均粒径が5μm以下である請求項1又は2に記載の非水電解質二次電池。
  4. 上記樹脂粒子の含有量が、上記非水電解質に対して5質量%〜25質量%である請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の非水電解質二次電池。
  5. 上記セパレータがポリオレフィンから成る多孔質膜であり、且つ上記樹脂粒子がポリエチレン粒子である請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の非水電解質二次電池。
  6. 上記セパレータが無機材料から成る多孔質膜であり、且つ上記樹脂粒子がポリエチレン粒子である請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の非水電解質二次電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018147894A (ja) * 2012-08-21 2018-09-20 ノキア テクノロジーズ オサケユイチア フレキシブル・バッテリのための方法と装置

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