JP2009276418A - 像加熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】弾性層を有する回転体の外周面に巻き付いた記録材を回転体の外周面の熱を奪うことなく分離できるようにした像加熱装置の提供。
【解決手段】弾性層24を有する回転体21と、前記回転体の外周面と接触しニップ部Nを形成するバックアップ部材22と、前記回転体の外周面を加熱する加熱手段と、を有し、前記ニップ部で画像tを担持する記録材Pを挟持搬送しつつ画像を加熱する像加熱装置において、前記加熱手段は、前記回転体の外周面と接触して加熱する接触加熱手段30と、前記回転体の外周面と非接触で加熱する非接触加熱手段40を、共に具備することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真複写機、電子写真プリンタなどの画像形成装置に搭載される加熱定着装置(定着器)として用いれば好適な像加熱装置に関する。
電子写真方式の複写機やプリンタに搭載される加熱定着装置(定着器)として、熱ローラ方式の装置が知られている。このタイプの定着装置は、加熱手段と、加熱手段により加熱される定着ローラと、定着ローラと接触し協働してニップ部を形成する加圧ローラと、を有する。未定着のトナー画像を担持する記録材はニップ部で挟持搬送されつつ加熱され、これにより記録材上の画像は記録材上に加熱定着される。
定着ローラの加熱方法としては、定着ローラの内部にハロゲンランプ等の加熱部材を配置し、定着ローラ内部から定着ローラを加熱する方式と、定着ローラの外部にハロゲンランプ等の加熱部材を配置し、定着ローラ外部から定着ローラを加熱する方式がある。定着ローラ内部から定着ローラを加熱する内部加熱方式では、定着ローラの内面から定着ローラを加熱するため、定着ローラの外周面(表面)の温度がトナー画像の加熱定着可能な温度に到達するまでに時間を要してしまう。そこで、定着ローラ外部から定着ローラを加熱する外部加熱方式として、反射板を用いてハロゲンランプの輻射エネルギーを定着ローラ表面に集束させ、効率良く定着ローラ表面を加熱する方法が提案されている(特許文献1)。
特開平07−152271号公報
外部加熱方式の定着装置では、ニップ部で挟持搬送された記録材が定着ローラ表面に巻き付いた場合に、その記録材がハロゲンランプの輻射エネルギー集束領域に到達する前にその記録材を定着ローラ表面から分離する必要がある。
本発明の目的は、弾性層を有する回転体の外周面に巻き付いた記録材を回転体の外周面の熱を奪うことなく分離できるようにした像加熱装置を提供することにある。
上記目的を達成するための構成は、弾性層を有する回転体と、前記回転体の外周面と接触しニップ部を形成するバックアップ部材と、前記回転体の外周面を加熱する加熱手段と、を有し、前記ニップ部で画像を担持する記録材を挟持搬送しつつ画像を加熱する像加熱装置において、前記加熱手段は、前記回転体の外周面と接触して加熱する接触加熱手段と、前記回転体の外周面と非接触で加熱する非接触加熱手段を、共に具備することを特徴とする。
本発明によれば、弾性層を有する回転体の外周面に巻き付いた記録材を回転体の外周面の熱を奪うことなく分離できるようにした像加熱装置を提供することができる。
以下、本発明を図面に基づいて説明する。
[実施例1]
(1)画像形成装置例
図5は本発明に係る像加熱装置を加熱定着装置として搭載する画像形成装置の一例の構成模式図である。この画像形成装置は電子写真方式のレーザープリンタであって、ホストコンピュータなどの外部装置(不図示)より入力する画像情報に応じた画像を記録材に形成する。
本実施例1に示す画像形成装置は、外部装置からプリント指令を入力すると、像担持体としてのドラム形状の電子写真感光体(以下、感光ドラムと記す)を矢印方向に所定の速度(プロセススピード)で回転する。その感光ドラム1の外周面(表面)は帯電装置としての帯電ローラ2によって一様に帯電される。次に、その感光ドラム1表面の帯電面に対し光走査装置3により画像情報に応じてON/OFF制御されたレーザビームLaによる走査露光が施され、これによって感光ドラム1表面の帯電面に画像情報に応じた静電潜像が形成される。そしてその静電潜像は、現像装置4に設けられている現像ローラ4aによりトナー(現像剤)を用いてトナー画像(以下、トナー像と記す)として現像される。
一方、給送カセット(不図示)より記録材搬送機構(不図示)によって給送された記録材Pは感光ドラム1表面のトナー像と同期がとられ感光ドラム1と転写装置としての転写ローラ5間の転写ニップ部へと搬送される。感光ドラム1表面のトナー像は記録材Pの搬送過程において転写ローラ5により記録材P上に転写され、記録材Pはそのトナー像を担持する。
トナー像を担持する記録材Pは加熱定着装置7に導入され、その加熱定着装置7より熱と圧力を受けることによってトナー像は記録材P上に加熱定着される。トナー像が加熱定着された記録材Pは排出トレイ(不図示)上に排出される。
トナー像の転写後に感光ドラム1表面に残る転写残トナーはクリーニング装置6に設けられているクリーニングブレード6aによって感光ドラム1表面より除去される。これにより感光ドラム1表面は次の画像形成に供される。
(2)加熱定着装置
以下の説明において、加熱定着装置及び加熱定着装置を構成する部材に関し、長手方向とは記録材の面において記録材搬送方向と直交する方向である。また長手方向とは定着フィルの回転方向に直交する方向でもある。短手方向とは記録材の面において記録材搬送方向と平行な方向である。幅とは短手方向の寸法である。記録材に関し、幅方向とは記録材の面において記録材搬送方向と直交する方向である。幅とは幅方向の寸法である。
図1は実施例1に係る加熱定着装置7の一例の横断側面模式図である。図2は実施例1に係る加熱定着装置7の加熱ニップ部Nh及びその加熱ニップ部Nh付近の横断側面拡大模式図である。
本実施例1に示す加熱定着装置(以下、定着装置と記す)7は、回転体としての定着ローラ21と、バックアップ部材としての加圧ローラ22と、接触加熱手段30と、非接触加熱手段40と、を有する。
(2−1)定着ローラ
定着ローラ21は、丸軸状の芯金23と、芯金23の外周面上に設けられたローラ状の弾性層24と、弾性層24の外周面上に設けられた離型性層25と、を有する。アルミあるいは鉄などの金属製の芯金23の外周面には、ブラスト処理等の表面粗し処理が行われている。弾性層24として、シリコーンゴムより形成された弾性層(ソリッドゴム層)、あるいは断熱効果を持たせるためにシリコーンゴムを発泡して形成された弾性層(スポンジゴム層)を用いてもよい。あるいはシリコーンゴム層内に中空のフィラーを分散させ、硬化物内に気体部分を持たせ、断熱作用を高めた弾性層(気泡ゴム層)を用いてもよい。弾性層24の長さは画像形成装置に用いられる最大サイズの記録材Pの幅以上の長さに設定してある。
定着ローラ21は、熱容量が大きく、また熱伝導率が少しでも大きいと、定着ローラ21の外周面(表面)が後述のヒータ31及びハロゲンランプ41から受ける熱を内部に吸収しやすく、定着ローラ21表面温度が上昇しにくくなる。よって、弾性層24はできるだけ低熱容量で熱伝導率が低く、断熱効果の高い材料の方が、定着ローラ21の立ち上がり時間の短縮に有利である。従って、弾性層24において、上記シリコーンゴムのソリッドゴム層は熱伝導率が0.25〜0.29W/(m・k)であり、スポンジゴム、気泡ゴムは熱伝導率が0.11〜0.16W/(m・k)である。従ってスポンジゴム、気泡ゴムの熱伝導率はソリッドゴムの約半分の値を示す。また、熱容量に関係する比重はソリッドゴムが約1.05〜1.30、スポンジゴム、気泡ゴムが約0.75〜0.85である。従って、定着ローラ21の弾性層24の好ましい材料としては、熱伝導率が0.15W/m・k以下で、比重が0.85以下の断熱効果の高いスポンジゴムや気泡ゴム層の方が好ましい。また、定着ローラ21の外径は小さい方が熱容量を抑えられるが、小さすぎると後述するニップ部Nの幅がかせぎにくくなるため適度な径が必要である。弾性層24の肉厚に関しても、薄すぎれば金属製の芯金23に熱が逃げるので適度な厚みが必要である。上記の定着ローラ21の立ち上がり時間とは、定着ローラ21表面の加熱開始から定着ローラ21表面温度が所定の定着温度(目標温度)に達するまでの所要時間をいう。
以上を考慮して本実施例では、適正なニップ部Nを形成でき、且つ熱容量を抑えるために、肉厚が4mmの気泡ゴムを用いて弾性層24を形成し、外径がφ20mmの定着ローラ21を使用した。なお、気泡ゴムによる弾性層24を形成するにあたり使用する中空フィラーとしては、ガラスバルーン、シリカバルーン、カーボンバルーン、など、いかなるものであっても構わない。あるいはフェノールバルーン、アクリロニトリルバルーン、塩化ビニリデンバルーン、アルミナバルーン、ジルコニアバルーン、シラスバルーンなど、いかなるものであっても構わない。また、芯金23は中空芯金でもよい。
離型性層25としては、パーフルオロアルコキシ樹脂(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン樹脂(FEP)等のフッ素樹脂離型性層を用いている。定着ローラ21の表層として設けられている離型性層53cは、トナー画像tに対して離型性の向上を図り、かつ接触加熱手段30の後述するヒータ31に対して摺動性の向上を図るためのものである。
また、弾性層24及び離型性層25は、ハロゲンランプ41の輻射エネルギーを効率良く吸収するために、黒色体材料を用いるのが好ましい。そのため弾性層24及び離型性層25には黒色顔料やカーボンブラック等のフィラーを分散させている。
(2−2)加圧ローラ
加圧ローラ22は定着ローラ21と同じ構成としてある。従って加圧ローラ22において、芯金26は定着ローラ21の芯金23と、弾性層27は定着ローラ21の弾性層24と、離型性層28は定着ローラ21の離型性層25と、それぞれ同じ材料を用いて形成してある。また加圧ローラ22の外径も定着ローラ21の外径と同じである。
定着ローラ21及び加圧ローラ22は長手方向に細長い部材である。この定着ローラ21及び加圧ローラ22の弾性層24,27は画像形成装置に用いられる最大サイズの記録材Pの幅以上の長さに設定してある。そして定着ローラ21は芯金23の長手方向両端が装置フレーム(不図示)に軸受を介して回転自在に保持されている。その定着ローラ21の下方において定着ローラ21と並列に配された加圧ローラ26は芯金26の長手方向両端が装置フレームに軸受を介して回転自在に保持されている。そして定着ローラ21の軸受と加圧ローラ22の軸受をそれぞれ加圧ばねなどの加圧部材(不図示)によって芯金23,26の軸線方向に向けて加圧している。これにより定着ローラ21の外周面(表面)と加圧ローラ22の外周面(表面)を加圧状態に接触させ弾性層24,27を長手方向に弾性変形させることによって、定着ローラ21表面と加圧ローラ22表面との間に所定幅のニップ部Nを形成している。
定着ローラ21の芯金23の長手方向端部には駆動ギア(不図示)が設けられ、その駆動ギアが駆動源としての定着モータMにより回転駆動される。これによって定着ローラ21は矢印方向に回転する。
(2−3)接触加熱手段
接触加熱手段30は、定着ローラ21の回転方向において、ニップ部Nの下流側で、かつ非接触加熱手段40の上流側に配置されている。この接触加熱手段30は、プレート状のヒータ(接触加熱部材)31と、ヒータ31を保持するヒータホルダ32などを有する。ヒータ31とヒータホルダ32は何れも長手方向に細長い部材である。
ヒータ31は、長手方向に細長い基板31aを有する。この基板31aは、アルミナや窒化アルミ等の絶縁性のセラミックス基板、あるいはポリイミド、PPS、液晶ポリマー等の耐熱性樹脂基板からなる。この基板31aの表面には、基板31aの長手方向に沿って例えばAg/Pd(銀パラジウム)、RuO、TaN等の通電発熱抵抗層31b(図2)をスクリーン印刷等により厚み10μm程度、幅1〜5mm程度の線状もしくは細帯状に塗工して形成してある。この通電発熱抵抗層31bの長さは画像形成装置に用いられる最大サイズの記録材Pの幅以上の長さに設定してある。また基板31aの表面には、熱効率を損なわない範囲で通電発熱抵抗層31bを保護する保護層31cを設けてあっても良い。ただし、保護層31cの厚みは十分薄く、通電発熱抵抗層31bの表面性を良好にする程度が好ましい。また、ヒータ31の基板31aとして熱伝導性の良好な窒化アルミ等を使用する場合には、通電発熱抵抗層31bは基板31aの裏面に形成してあっても良い。
ヒータホルダ32は、定着ローラ21の長手方向においてヒータ31の保護層31cの表面が定着ローラ21表面に対向するようにヒータ31の基板31aを保持している。そしてヒータホルダ32の長手方向両端が装置フレームに保持されている。そしてヒータホルダ32の長手方向両端をそれぞれ加圧ばねなどの加圧部材(不図示)によって定着ローラ21の芯金23の軸線方向に向けて加圧している。そしてそのヒータ31の保護層31c表面、及びそのヒータ31において定着ローラ21の回転方向上流側の保護層31c表面の稜線A(図2)を定着ローラ21表面に加圧状態に接触させ定着ローラ21の弾性層24を長手方向に弾性変形させている。これによりヒータ31の保護層31c表面と定着ローラ21表面との間に加熱ニップ部Nhを形成している。
ヒータホルダ32の材料として、液晶ポリマー、フェノール樹脂、PPS、PEEKなどの耐熱性樹脂が用いられている。ヒータホルダ32は、ヒータホルダ32の熱伝導率が低いほど定着ローラ22表面の加熱に際する熱効率が高くなる。よってヒータホルダ32の熱容量を抑えるために、耐熱性樹脂層の中に中空のフィラー、例えばガラスバルーン、シリカバルーン等を内包してあっても良い。
(2−4)非接触加熱手段
非接触加熱手段40は、定着ローラ21の回転方向において、接触加熱手段30の下流側で、かつニップ部Nの上流側に配置されている。この非接触加熱手段40は、ハロゲンランプ(非接触加熱部材)41と、ハロゲンランプ41の発光部41aから輻射される輻射エネルギーを反射し定着ローラ21表面へ集束させる反射ミラー(反射部材)42などを有する。ハロゲンランプ41と反射ミラー42は何れも長手方向に細長い部材である。
横断面略U字形状に形成された反射ミラー42は定着ローラ21表面側に開口部42aを有している。反射ミラー42の長さは画像形成装置に用いられる最大サイズの記録材Pの幅以上の長さに設定してある。そして反射ミラー42は、定着ローラ21の長手方向に沿って定着ローラ21と並列に配されている。そして反射ミラー42の長手方向両端が装置フレームに保持されている。反射ミラー42は、赤外光の反射率が高い高輝アルミ、金、銀を用いて作製することができる。または、アルミ、SUS、鉄等の金属を用いて横断面略U字形状の基板を作製し、その基板の内面に金をメッキしてもよい。
ハロゲンランプ41は、フィラメント及びハロゲンガスをガラス球内に具備してなる長手方向に細長い発光部41aと、その発光部41aの長手方向両端に設けられている口金(不図示)と、を有する。このハロゲンランプ41は、反射ミラー42の内側において定着ローラ21の長手方向に沿って定着ローラ21と並列に配置されている。そしてハロゲンランプ41の口金が装置フレームに保持されている。発光部41aの長さは画像形成装置に用いられる最大サイズの記録材Pの幅以上の長さに設定してある。
(3)定着装置の加熱定着動作
本実施例1の定着装置7は、プリント指令に応じて定着モータMが回転駆動される。これによって定着ローラ21は、定着ローラ21表面がニップ部Nで加圧ローラ22表面と接触し、加熱ニップ部Nhでヒータ31の保護層31cと接触しながら矢印方向に回転する。そしてその定着ローラ21の回転はニップ部Nを通じて加圧ローラ22表面に伝達される。これによって加圧ローラ22は、定着ローラ21の回転に追従して矢印方向に回転する。
またプリント指令に応じて制御手段としての温調制御部C(図1)は電源ACからヒータ31の通電発熱抵抗層31bに通電するとともにハロゲンランプ41の発光部41aのフィラメントに通電する。これによりヒータ31の通電発熱抵抗層31bが発熱しヒータ31は急速昇温して定着ローラ21表面を加熱する。またハロゲンランプ41の発光部41aは輻射エネルギーを輻射する。そして反射ミラー42はハロゲンランプ41の発光部41aから輻射された輻射エネルギーを反射し定着ローラ21表面上に集束させて定着ローラ21表面を加熱する。その輻射エネルギーを定着ローラ21表面上に集束させた領域を、以下、輻射エネルギー集束領域Bと記す。ヒータ31の温度は基板31aの裏面(定着ローラ21表面と反対側の面)上に設けられている温度検知手段としてのサーミスタなどの温度検知素子33により検知される。そしてその温度検知素子33はヒータ30の温度検知信号を温調制御部Cに出力する。この温度検知素子33は基板31aの長手方向におけるニップ部Nの記録材搬送領域において画像形成装置に用いられる各種サイズの記録材Pが必ず通過する領域に配置されている。温調制御部Cは、温度検知素子33からの温度検知信号を取り込む。そしてその温度検知信号に基づいて、定着ローラ21表面が所定の温調温度(目標温度)を維持するようにヒータ31の通電発熱抵抗層31bへの通電、及びハロゲンランプ41の発光部41aのフィラメントへの通電を制御する。ヒータ31の通電発熱抵抗層31b及びハロゲンランプ41のフィラメントへの通電制御は、通電発熱抵抗層31b及びフィラメントに印加する電圧のデューティー比や波数等を適切に制御することによって、定着ローラ21表面を所定の温調温度に維持している。
定着ローラ21及び加圧ローラ22の回転が安定し、かつ定着ローラ21が所定の温調温度に維持された状態で、未定着のトナー画像tを担持する記録材Pがニップ部Nの記録材搬送領域に導入される。その記録材Pはニップ部Nで定着ローラ21表面と加圧ローラ22表面とにより挟持搬送される。その搬送過程においてトナー画像tには定着ローラ21表面の温調温度に対応する熱とニップ部Nの圧力が加えられ、その熱と圧力によってトナー画像tは記録材P上に加熱定着される。そしてその記録材Pは記録材P上に加熱定着されたトナー画像tがニップ部Nの記録材排出側の定着ローラ21表面から分離され排出トレイ上に排出される。
(4)評価
上述の実施例1の定着装置7を用いて、定着ローラ21表面の常温25℃からの昇温速度を測定した。
本評価において、定着ローラ21の回転速度は200mm/secとした。また、定着ローラ21としては、アルミ芯金23の上に弾性層24として厚み4mmのシリコーンゴム中に中空フィラーを分散させた気泡ゴムタイプのものを使用した。定着ローラ21の離型性層25には30μmの厚さのPFAチューブを用いた。
また比較例として図3に示す従来例1の定着装置、及び図4に示す従来例2の定着装置をついても、同様な測定を行った。図3は従来例1の定着装置の横断側面模式図である。図4は従来例2の定着装置の横断側面模式図である。
従来例1の定着装置は、定着ローラ21表面をハロゲンランプ11のみで加熱する点を除いて、実施例1の定着装置7と同じ構成としてある。従来例2の定着装置は、定着ローラ21表面をハロゲンランプ11のみで加熱する点、及び定着ローラ21表面への記録材Pの巻き付き防止のための分離爪13を有する点を除いて、実施例1の定着装置7と同じ構成としてある。分離爪13は、実施例1の定着装置7のヒータ31と同じ位置に設けてある。
実施例1の定着装置7において、ヒータ31及びハロゲンランプ41への投入電力はそれぞれ300Wとしている。従来例1、及び従来例2の定着装置7において、ハロゲンランプ11への投入電力は600Wとしている。つまり、実施例1、従来例1、及び従来例2のそれぞれの定着装置において、投入電力の合計を同じにしている。
実施例1、従来例1、及び従来例2のそれぞれの定着装置における定着ローラ21の表面温度の測定結果を表1に示す。
従来例2では、定着ローラ21表面に接触している分離爪13に定着ローラ21表面の熱が奪われるため、定着ローラ21表面の昇温速度が遅くなってしまった。また、従来例1の定着装置と実施例1の定着装置7では、定着ローラ21の昇温速度は同等であるが、従来例1の定着装置には記録材Pの定着ローラ21表面への巻き付き防止手段がないため、記録材が定着ローラ21表面に巻き付きやすい。
これに対して、実施例1の定着装置7では、定着ローラ21表面に接触しているヒータ31が、記録材Pを定着ローラ21表面から分離させる分離手段としての機能を有している。つまり、ヒータ31において定着ローラ21の回転方向上流側の保護層31c表面の稜線Aが常に定着ローラ21表面と接触していることで、仮に記録材Pが定着ローラ21表面に巻き付いた場合でも、ヒータ31が分離爪の役割を果たすようになる。従って定着ローラ21表面に巻き付いた記録材Pを輻射エネルギー集束領域Bに到達する前に定着ローラ21表面から分離できる。
また、ヒータ31は通電により昇温しているので、定着ローラ21表面の熱を奪うことがなく、従来例2の定着装置のように定着ローラ21の昇温速度が遅くなることはない。
[実施例2]
定着装置の他の例を説明する。
(1)定着装置
本実施例2に示す定着装置は、定着ローラに代えてエンドレスベルトとしての定着ベルトを用いた点、その定着ベルトを駆動ローラとテンションローラとに掛け回して保持させた点を除いて、実施例1の定着装置7と同じ構成としてある。本実施例2では、実施例1の定着装置と同じ部材・部分には同一の符号を付して再度の説明を省略する。実施例3についても同様とする。
図6は本実施例2に係る定着装置7の一例の横断側面模式図である。図7は本実施例2に係る定着装置7の定着ベルト53の層構成の説明図である。
(1−1)定着ベルト
本実施例の定着装置7において、定着ベルト53は、エンドレスの基層53aと、基層53aの外周面上に設けられた弾性層53bと、弾性層53bの外周面上に設けられた離型性層53cと、を有する。基層53aの材料として、耐熱性、可撓性を有する、ポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PES、PPS、PFA、PTFE、FEP等の樹脂を用いている。基層53aの厚みは10μm〜100μmである。弾性層53bとして、シリコーンゴムにより形成された弾性層(ソリッドゴム層)、あるいは断熱効果を持たせるためにシリコーンゴムを発泡して形成された弾性層(スポンジゴム層)を用いてもよい。あるいはシリコーンゴム層内に中空のフィラーを分散させ、硬化物内に気体部分を持たせ、断熱作用を高めた弾性層(気泡ゴム層)を用いてもよい。弾性層53bの厚みは0.5mm〜5mmとする。定着ベルト53の表層として設けられている離型性層53cは、トナー画像tに対して離型性の向上を図り、かつヒータ31に対して摺動性の向上を図るために、弾性層53bの外周面上にPFA、PTFE等のフッ素樹脂をコートして形成してある。または、弾性層53bの外周面上にフッ素樹脂チューブを被覆して形成してある。
定着ベルト53は、熱容量が大きく、また、熱伝導率が少しでも大きいと、定着ベルト53の外周面(表面)がヒータ31及びハロゲンランプ41から受ける熱を内部に吸収しやすく、定着ベルト53表面温度が上昇しにくくなる。よって、弾性層53bはできるだけ低熱容量で熱伝導率が低く、断熱効果の高い材料の方が、定着ベルト53の立ち上がり時間に有利である。さらに、ハロゲンランプ41の輻射エネルギーをより吸収しやすくするために、離型性層53cのフッ素樹脂、または弾性層53bのシリコーンゴム層、またはフッ素樹脂とシリコーンゴム層の接着層にカーボンブラックを分散してもよい。または弾性層53bのシリコーンゴムの着色材として黒ベンガラ等を混ぜることにより、定着ベルト53を外側から見た時に、黒色に見えるようにする。また、定着ベルト53の外周長さは、短い方が熱容量を抑えられるが、短すぎるとニップ部Nとヒータ31との間にトナー画像t冷却用の非加熱領域を形成し難くなるともにニップ部Nの幅がかせぎにくくなるため、適度な外周長さが必要である。上記の定着ベルト53の立ち上がり時間とは、定着ベルト53表面の加熱開始から定着ベルト53表面温度が所定の定着温度(目標温度)に達するまでの所要時間をいう。
以上を考慮して本実施例2の定着ベルト53の構成は、適正なニップ部Nを形成でき、且つ熱容量を抑えるために、肉厚が2.5mmの気泡ゴムを用いて弾性層53bを形成し、内径をφ25mmとした。尚、弾性層53bとして気泡ゴムを用いる定着ベルト53では耐熱性樹脂の外側に断熱層を具備させる。断熱層としては、オルガノポリシロキサン組成物100重量部に平均粒径が300μm以下の中空フィラーを0.1〜200重量部、白金化合物触媒のような硬化触媒を配合した配合物を形成後に加熱成形して形成する。あるいは、オルガノポリシロキサン組成物100重量部に吸水性ポリマーを0.1〜50重量部、水を10〜200重量部、白金化合物触媒のような硬化触媒、SiHポリマーのような架橋剤を添加した組成物を形成後、加熱成形して形成する。これにより定着ベルト53の熱伝導率を0.15W/m・K以下とする。また、上記の弾性層53bの外周面上には、離型性層53cとしてPFAチューブを被覆した。
(1−2)駆動ローラ
定着ベルト53を掛け回した駆動ローラ50とテンションローラ54のうち、駆動ローラ50は、アルミあるいは鉄などの金属製の丸軸状の芯金51と、芯金51の外周面上に設けられた断熱性のシリコーンゴムよりなるローラ状の弾性層52と、を有する。この駆動ローラ50の長さは実施例1の定着装置7の定着ローラ21の長さと略同じである。この駆動ローラ50は、加圧ローラ22の上方において加圧ローラ22と並列に配され、芯金51の長手方向両端が装置フレームに軸受を介して回転自在に保持されている。そして定着ローラ21は芯金23の長手方向両端が装置フレームに軸受を介して回転自在に保持されている。そして駆動ローラ50の軸受と加圧ローラ22の軸受をそれぞれ加圧ばねなどの加圧部材(不図示)によって芯金51,26の軸線方向に向けて加圧している。これにより定着ベルト53を駆動ローラ51の外周面(表面)と加圧ローラ22表面とで挟み定着ベルト53の外周面(表面)に加圧ローラ22表面を加圧状態に接触させ弾性層52,24,27を長手方向に弾性変形させている。これにより定着ベルト53表面と加圧ローラ22表面との間に所定幅のニップ部Nを形成している。
駆動ローラ50の芯金51の長手方向端部には駆動ギア(不図示)が設けられ、その駆動ギアが駆動源としての定着モータMにより回転駆動される。これによって駆動ローラ50は矢印方向に回転する。
(1−3)テンションローラ
一方、テンションローラ54は、アルミあるいは鉄などの金属製の中空のローラ、またはアルミあるいは鉄などの金属製の芯金54aの外周面上に断熱性のシリコーンゴムなどの弾性層54bを設けたものである。このテンションローラ54は、芯金51の長手方向両端が装置フレームに軸受を介して回転自在に保持されている。そしてテンションローラ54の直径を定着ローラ50よりも小さくすることによって、テンションローラ54に掛け回されている定着ベルト53の外周面(表面)から記録材Pを分離させやすくしている。
(2)定着装置の加熱定着動作
本実施例2の定着装置7は、プリント指令に応じて定着モータMが回転駆動される。これによって駆動ローラ50は矢印方向へ回転する。この駆動ローラ50の回転に追従して定着ベルト53が矢印方向へ回転し、この定着ベルト53の回転に追従してテンションローラ54も矢印方向へ回転する。その際に定着ベルト53は、定着ベルト53表面がニップ部Nで加圧ローラ22表面と接触し加熱ニップ部Nhでヒータ31の保護層31cと接触しながら矢印方向に回転する。そしてその定着ベルト53の回転はニップ部Nを通じて加圧ローラ22表面に伝達される。これによって加圧ローラ22は、定着ローラ21の回転に追従して矢印方向に回転する。
またプリント指令に応じて制御手段としての温調制御部Cは電源ACからヒータ31の通電発熱抵抗層31bに通電するとともにハロゲンランプ41の発光部41aのフィラメントに通電する。これによりヒータ31の通電発熱抵抗層31bが発熱しヒータ31は急速昇温して定着ベルト53表面を加熱する。またハロゲンランプ41の発光部41aは輻射エネルギーを輻射する。そして反射ミラー42はハロゲンランプ41の発光部41aから輻射された輻射エネルギーを反射し定着ベルト53表面上に集束させて定着ベルト53表面を加熱する。本実施例2においても定着ベルト53表面上に輻射エネルギーを集束させた領域を輻射エネルギー集束領域Bと記す。そして温調制御部Cは、温度検知素子33からの温度検知信号を取り込む。そしてその温度検知信号に基づいて、定着ベルト53表面が所定の温調温度を維持するようにヒータ31の通電発熱抵抗層31bへの通電、及びハロゲンランプ41の発光部41aのフィラメントへの通電を制御する。
定着ベルト53及び加圧ローラ22の回転が安定し、かつ定着ベルト53が所定の温調温度に維持された状態で、トナー画像tを担持する記録材Pがニップ部Nの記録材搬送領域に導入される。その記録材Pはニップ部Nで定着ベルト53表面と加圧ローラ22表面とにより挟持搬送される。その搬送過程においてトナー画像tには定着ベルト53表面の温調温度に対応する熱とニップ部Nの圧力が加えられ、その熱と圧力によってトナー画像tは記録材P上に加熱定着される。そしてその記録材Pは記録材P上に加熱定着されたトナー画像tがニップ部Nの記録材排出側でテンションローラ54に巻き回されている定着ベルト53表面から分離され排出トレイ上に排出される。
本実施例2の定着装置7は、定着ベルト53と加圧ローラ22とでニップ部Nを形成するので、ニップ部Nの幅を実施例1の定着装置7よりも広くすることができる。よって、記録材P上に担持されているトナー画像tを加熱定着する時間を長くすることができるため、単位時間当りの定着処理枚数を増やすことが可能となる。
また、テンションローラ54の直径を駆動ローラ50の直径よりも小さくすることで、記録材Pが定着ベルト53表面から分離するときの定着ベルト53の曲率を大きくでき、記録材Pの定着ベルト53表面からの分離性を向上できる。
また、分離爪の役割も併せもつヒータ31がハロゲンランプ41よりも定着ベルト53の回転方向に対して上流側に位置しているため、記録材Pが定着ベルト53表面に巻き付いた場合でも記録材Pをヒータ31により定着ベルト53表面から確実に分離できる。つまり、定着ベルト53表面に巻き付いた記録材Pを輻射エネルギー集束領域Bに到達する前に記録材Pをヒータ31により定着ベルト53表面から分離できる。またヒータ31は通電により昇温しているので、定着ベルト53表面の熱を奪うことがなく、定着ベルト53の昇温速度が遅くなることはない。
[実施例3]
定着装置の他の例を説明する。
(1)定着装置
本実施例3に示す定着装置は、加圧ローラに代えて可撓性回転体としての加圧フィルムを用いた点、その加圧フィルムを摺動部材により定着ローラ表面に接触させニップ部を形成した点を除いて、実施例1の定着装置7と同じ構成としてある。
図8は本実施例3に係る定着装置7の一例の横断側面模式図である。図9は本実施例3に係る定着装置7のニップ部N及びそのニップ部N付近の横断側面拡大模式図である。図10は本実施例3に係る定着装置7のニップ幅領域の圧力分布を表わす説明図である。
(1−1)加圧フィルム
本実施例3の定着装置7において、加圧フィルム62は、耐熱性、断熱性を有するポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PES、PPS、PFA、PTFE、FEP等を基層とした樹脂製のフィルムである。加圧フィルム62の厚みは、強度等を考慮し、20μm以上150μm未満が適当な範囲である。また、定着ローラ21表面上に付着したオフセットトナーが蓄積しないように、基層63aの外周面上にはPFA、PTFE、FEP、シリコーン樹脂等の離型性の良好な耐熱樹脂を混合ないし単独で被覆してあっても良い。加圧フィルム62の長さは実施例1の加圧ローラ22の長さと略同じである。
(1−2)摺動部材
摺動部材63は、加圧フィルム62の内部に具備させてある。この摺動部材63は、耐熱フェルト、マイカシート、セラミックシート、液晶ポリマー、フェノール樹脂、PPS、PEEK、ポリイミド、ポリアミドイミド、フッ素樹脂、PEEK等の耐熱性を有する樹脂より形成され、特に断熱性を有する樹脂材が適している。そして摺動部材63は、後述の加圧ホルダー64により保持され摺動部材63の表面で加圧フィルム62の内周面(内面)を加圧して加圧フィルム62の外周面(表面)を定着ローラ21表面に接触させることによってニップ部Nを形成するものである。摺動部材63のニップ部側の面、つまり摺動部材63において加圧フィルム62内面を加圧する表面は、図9に示されるように、加圧フィルム62の回転方向下流側の領域A1と、加圧フィルム62の回転方向上流側の領域A2と、を有する。そしてその回転方向下流側の領域A1には回転方向上流側の領域A2よりも加圧フィルム62側(可撓性回転体側)に凸形状を付与させてある。その摺動部材63の表面には、加圧フィルム62内面との摩擦抵抗を低減するために、ガラスコート、フッ素樹脂等の摺動層をコーティングしてあっても良い。摺動部材63の長さは加圧フィルム62の長さと略同じに設定してある。
(1−3)加圧ホルダー
加圧ホルダー64は、加圧フィルム62の内部に具備されている。加圧ホルダー64の長さは加圧フィルム62の長さと略同じに設定してある。この加圧ホルダー64は、摺動部材63の表面を加圧フィルム62内面に対向させた状態に加圧フィルム62内面側の上面で摺動部材63を保持している。そして加圧ホルダー64の長手方向両端を装置フレームに保持させるとともに、その加圧ホルダー64の長手方向両端を加圧ばねなどの加圧部材によって定着ローラ21の芯金23の軸線方向に向けて加圧している。これにより加圧フィルム62を摺動部材63と定着ローラ21とで挟み加圧フィルム62表面を定着ローラ21表面に加圧状態に接触させることによって定着ローラ21の弾性層24を長手方向に弾性変形させている。これにより定着ローラ21表面と加圧フィルム62表面との間に所定幅のニップ部Nを形成している。
ニップ部Nの幅領域(以下、ニップ幅領域と記す)において、摺動部材63表面の領域A2は領域A1よりも定着ローラ21の弾性層24への食い込み量が多い。ここで、ニップ幅領域における摺動部材63表面の領域A1と対応する上流側領域から摺動部材63表面の領域A2と対応する下流側領域までの圧力分布を測定する。するとその圧力分布は図9のような分布となっている。すなわち、ニップ幅領域の上流側領域では略均一な圧力分布を示している。これに対して、ニップ幅領域の下流側領域の特にニップ部出口付近では、定着ローラ21側へ凸形状を施した摺動部材63表面の領域A2の形状に起因して圧力が高くなっている。
加圧フィルム62と摺動部材63の間には、摩擦抵抗を小さく抑えるために、グリス等の潤滑剤を少量介在させてある。そのグリスは、熱伝導率が低く、加圧フィルム62を介して定着ローラ21からの熱が摺動部材63および加圧ホルダー64へ放熱されるのを防ぐ役割を果たす。
(2)定着装置の加熱定着動作
本実施例3の定着装置7は、プリント指令に応じて定着モータMが回転駆動される。これによって定着ローラ21は、定着ローラ21表面がニップ部Nで加圧フィルム62表面と接触し、加熱ニップ部Nhでヒータ31の保護層31cと接触しながら矢印方向に回転する。そしてその定着ローラ21の回転はニップ部Nを通じて加圧フィルム62表面に伝達される。これによって加圧フィルム62は、定着ローラ21の回転に追従して矢印方向に回転する。
温調制御部Cによるヒータ31の通電発熱抵抗層31bへの通電、及びハロゲンランプ41の発光部41aのフィラメントへの通電の制御は、実施例1の定着装置7と同じあるため、実施例1の説明を援用する。
定着ローラ21及び加圧フィルム62の回転が安定し、かつ定着ローラ21が所定の温調温度に維持された状態で、未定着のトナー画像tを担持する記録材Pがニップ部Nの記録材搬送領域に導入される。その記録材Pはニップ部Nで定着ローラ21表面と加圧フィルム62表面とにより挟持搬送される。その搬送過程においてトナー画像tには定着ローラ21表面の温調温度に対応する熱とニップ部Nの圧力が加えられ、その熱と圧力によってトナー画像tは記録材P上に加熱定着される。そしてその記録材Pは記録材P上に加熱定着されたトナー画像tがニップ部Nの記録材排出側の定着ローラ21表面から分離され排出トレイ上に排出される。
本実施例3の定着装置7は、摺動部材63における加圧フィルム62の回転方向下流側の領域A1に回転方向上流側の領域A2よりも加圧フィルム62側に凸形状を付与させることで、ニップ幅領域の下流側領域の圧力を上流側領域に比べて大きく設定している。これにより、ニップ幅領域の下流側領域での定着ローラ21の弾性層24の歪みを大きくすることで、記録材Pが定着ローラ21表面から分離するときの定着ローラ21の曲率を大きくできるため、記録材Pの定着ローラ21表面からの分離性を向上できる。
また、分離爪の役割も併せもつヒータ31がハロゲンランプ41よりも定着ローラ21の回転方向に対して上流側に位置しているため、記録材Pが定着ローラ21表面に巻き付いた場合でも記録材Pをヒータ31により定着ローラ21表面から確実に分離できる。つまり、定着ローラ21表面に巻き付いた記録材Pを輻射エネルギー集束領域Bに到達する前に記録材Pをヒータ31により定着ローラ21表面から分離できる。またヒータ31は通電により昇温しているので、定着ローラ21表面の熱を奪うことがなく、定着ローラ21の昇温速度が遅くなることはない。
実施例1に係る加熱定着装置の一例の横断側面模式図 実施例1に係る加熱定着装置の加熱ニップ部及びその加熱ニップ部付近の横断側面拡大模式図 従来例1の定着装置の横断側面模式図 従来例2の定着装置の横断側面模式図 画像形成装置の一例の構成模式図 実施例2に係る定着装置の一例の横断側面模式図 実施例2に係る定着装置の定着ベルトの層構成の説明図 実施例3に係る定着装置の一例の横断側面模式図 実施例3に係る定着装置のニップ部及びそのニップ部付近の横断側面拡大模式図 実施例3に係る定着装置のニップ幅領域の圧力分布を表わす説明図
符号の説明
21・・・定着ローラ、24・・・弾性層、30・・・接触加熱手段、31・・・ヒータ、40・・・非接触加熱手段、41・・・ハロゲンランプ、53・・・定着ベルト、62・・・加圧フィルム、63・・・摺動部材、A・・・ヒータの稜線、N・・・ニップ部、P・・・記録材

Claims (8)

  1. 弾性層を有する回転体と、前記回転体の外周面と接触しニップ部を形成するバックアップ部材と、前記回転体の外周面を加熱する加熱手段と、を有し、前記ニップ部で画像を担持する記録材を挟持搬送しつつ画像を加熱する像加熱装置において、
    前記加熱手段は、前記回転体の外周面と接触して加熱する接触加熱手段と、前記回転体の外周面と非接触で加熱する非接触加熱手段を、共に具備することを特徴とする像加熱装置。
  2. 前記非接触加熱手段は、前記回転体の回転方向において、前記接触加熱手段の下流側で、且つ前記ニップ部の上流側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の像加熱装置。
  3. 前記接触加熱手段は、前記回転体の外周面と接触し加熱ニップ部を形成するプレート状のヒータを有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の像加熱装置。
  4. 前記プレート状のヒータは、前記ヒータにおいて前記回転体の回転方向上流側の稜線(A)が前記回転体の外周面と接触していることを特徴とする請求項3に記載の像加熱装置。
  5. 前記回転体は、芯金の周りに前記弾性層を有する定着ローラであることを特徴とする請求項1に記載の像加熱装置。
  6. 前記回転体は、エンドレスベルトであることを特徴とする請求項1に記載の像加熱装置。
  7. 前記バックアップ部材は、前記回転体の外周面と接触しニップ部を形成する可撓性回転体と、前記可撓性回転体が前記回転体の外周面と接触しニップ部を形成するように前記可撓性回転体を前記回転体の外周面と共に挟む摺動部材と、を有することを特徴とする請求項1に記載の像加熱装置。
  8. 前記摺動部材の前記ニップ部側の面は、前記可撓性回転体の回転方向下流側の領域と、前記可撓性回転体の回転方向上流側の領域と、を有し、前記可撓性回転体の回転方向下流側の領域には前記可撓性回転体の回転方向上流側の領域よりも前記可撓性回転体側に凸形状を付与させてあることを特徴とする請求項7に記載の像加熱装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US9477189B1 (en) 2015-07-13 2016-10-25 Kabushiki Kaisha Toshiba Belt fixing device having moisture absorbing member and image forming apparatus

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