JP2009274886A - 改質装置用燃焼装置、改質装置および燃料電池システム - Google Patents

改質装置用燃焼装置、改質装置および燃料電池システム Download PDF

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Abstract

【課題】改質装置用燃焼装置、改質装置および燃料電池システムにおいて、予混合ガスの混合性をより高めて着火性を向上する。
【解決手段】改質用燃料を改質することにより水素を含む燃料ガスを生成する改質部を有する改質装置に備えられ、可燃ガスと燃焼用酸化剤ガスとを予混合する予混合部材90で予混合した予混合ガスを燃焼した燃焼ガスにより改質部を加熱する燃焼装置であって、予混合部材90は、可燃ガスが導入される第1導入口91b3と、予混合ガスを導出する第1導出口91b4とを有する第1流通路91bと、第1流通路91bの途中に連結され、第1流通路91bの側方から第1流通路91bに燃焼用酸化剤ガスを導入する第2流通路91cとを備えている。
【選択図】 図4

Description

本発明は、改質装置用燃焼装置、改質装置および燃料電池システムに関する。
改質装置の燃焼装置の一形式として、特許文献1に示されているものが知られている。特許文献1の図1および図2に示されているように、改質装置(改質器32)には、可燃ガス(都市ガス13A)及び燃焼用酸化剤ガス(空気)を供給する配管34aが接続されている。配管34aでは可燃ガスおよび燃焼用酸化剤ガスが予混合されている。この予混合ガスが予混合バーナ24に供給されて燃焼されている。
特開2003−148709号公報
上述した特許文献1に記載の改質装置の燃焼装置においては、予混合ガスの混合が不十分でありこのため着火性がよくない場合があり、予混合ガスの混合性をより高めて着火性を向上するという要請がある。
本発明は、上述した問題を解消するためになされたもので、改質装置用燃焼装置、改質装置および燃料電池システムにおいて、予混合ガスの混合性をより高めて着火性を向上することを目的とする。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る改質装置用燃焼装置の発明の構成上の特徴は、改質用燃料を改質することにより水素を含む燃料ガスを生成する改質部を有する改質装置に備えられ、可燃ガスと燃焼用酸化剤ガスとを予混合する予混合部材で予混合した予混合ガスを燃焼した燃焼ガスにより改質部を加熱する燃焼装置であって、予混合部材は、可燃ガスが導入される第1導入口と、予混合ガスを導出する第1導出口とを有する第1流通路と、第1流通路の途中に連結され、第1流通路の側方から第1流通路に燃焼用酸化剤ガスを導入する第2流通路とを備えていることである。
また請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1において、第1流通路の中心軸のガス流れ方向と第2流通路の中心軸のガス流れ方向とのなす角度が45度以上であることである。
また請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項1または請求項2において、第1導出口に一端が接続され燃焼装置の導入口に他端が接続された第3流通管をさらに備え、第3流通管は一または複数の屈曲部が形成されていることである。
また請求項4に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至請求項3の何れか一項において、第2流通路の中心軸は第1流通路の中心軸に対して第1流通路の径方向にずれて第2流通路が第1流通路に連結されていることである。
また請求項5に係る改質装置の発明の構成上の特徴は、請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の改質装置用燃焼装置の燃焼ガスにより改質部を加熱することである。
また請求項6に係る燃料電池システムの発明の構成上の特徴は、請求項5に記載の改質装置により生成された燃料ガスを燃焼電池の燃料極に供給することである。
上記のように構成した請求項1に係る発明においては、予混合部材において、第1導入口から導入され第1導出口に向けて第1流通路を流通する可燃ガスに、第2導入口から導入され第2流通路を流通した燃焼用酸化剤ガスが、第2流通路が連通する第1流通路の途中で側方から合流される。すなわち、第1流通路を流通している可燃ガスに、その進行方向に対して側方から燃焼用酸化剤ガスが投入されて合流するので、その合流により可燃ガスに燃焼用酸化剤ガスが十分に混合され、その予混合ガスを第1導出口から導出する。これにより、予混合ガスの混合性をより高めて着火性を向上することができる。
上記のように構成した請求項2に係る発明においては、請求項1において、第1流通路の中心軸のガス流れ方向と第2流通路の中心軸のガス流れ方向とのなす角度が45度以上である。なす角度が90度より小さくなるにつれて、燃焼用燃料と燃焼用空気は並流に近づく。なす角度が90度より大きくなるにつれて、燃焼用燃料と燃焼用空気は向流に近づく。並流よりも向流のほうが混合性にとって望ましい。このためなす角度が大きくなるにしたがって2つの流体の混合性が高くなる。このことから、所定角度は45度以上であることが好ましい。
上記のように構成した請求項3に係る発明においては、請求項1または請求項2において、第1導出口に一端が接続され燃焼装置の導入口に他端が接続された第3流通管をさらに備え、第3流通管は一または複数の屈曲部が形成されているので、予混合部材の第1導出口から導出された予混合ガスの流れが屈曲部において変動され、その変動によって予混合ガスをさらに混合することができる。
上記のように構成した請求項4に係る発明においては、請求項1乃至請求項3の何れか一項において、第2流通路の中心軸は第1流通路の中心軸に対して第1流通路の径方向にずれて第2流通路が第1流通路に連結されているので、第1流通路を流通している可燃ガスにその進行方向に対して側方から燃焼用酸化剤ガスを投入するだけでなく、燃焼用酸化剤ガスを可燃ガスの進行方向に対して渦巻く方向に投入して、その渦巻き流によって予混合ガスの混合性をさらに高めることができる。
上記のように構成した請求項5に係る発明においては、請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の改質装置用燃焼装置の燃焼ガスにより改質部を加熱するので、改質装置において予混合ガスの混合性をより高めて着火性を向上させることができる。
上記のように構成した請求項6に係る発明においては、請求項5に記載の改質装置により生成された燃料ガスを燃焼電池の燃料極に供給するので、燃料電池システムにおいて予混合ガスの混合性をより高めて着火性を向上させることができる。
以下、本発明による改質装置用燃焼装置を適用した燃料電池システムの一実施形態について説明する。図1はこの燃料電池システムの概要を示す概要図である。この燃料電池システムは燃料電池10とこの燃料電池10に必要な水素ガスを含む改質ガス(燃料ガス)を生成する改質装置20を備えている。
燃料電池10は、燃料極11と酸化剤極である空気極12と両極11,12間に介在された電解質13を備えており、燃料極11に供給された改質ガスおよび空気極12に供給された酸化剤ガスである空気(カソードエア)を用いて発電するものである。なお、空気の代わりに空気の酸素富化したガスを供給するようにしてもよい。
改質装置20は、改質用燃料を水蒸気改質し、水素リッチな改質ガスを燃料電池10に供給するものであり、改質部21、冷却部22、一酸化炭素シフト反応部(以下、COシフト部という)23および一酸化炭素選択酸化反応部(以下、CO選択酸化部という)24、燃焼部(燃焼装置)25、および蒸発部26から構成されている。改質用燃料としては天然ガス、LPGなどの改質用気体燃料、灯油、ガソリン、メタノールなどの改質用液体燃料があり、本実施形態においては天然ガスにて説明する。
改質部21は、改質用燃料に改質水が混合された改質用原料である混合ガスから改質ガスを生成して導出するものである。この改質部21は有底円筒状に形成されており、環状筒部内に軸線に沿って延在する環状の折り返し流路21aを備えている。
改質部21の折り返し流路21a内には、触媒21b(例えば、RuまたはNi系の触媒)が充填されており、冷却部22から導入された改質用燃料と水蒸気供給管51から導入された水蒸気との混合ガスが触媒21bによって反応し改質されて水素ガスと一酸化炭素ガスが生成されている(いわゆる水蒸気改質反応)。これと同時に、水蒸気改質反応にて生成された一酸化炭素と水蒸気が反応して水素ガスと二酸化炭素とに変成するいわゆる一酸化炭素シフト反応が生じている。これら生成されたガス(いわゆる改質ガス)は冷却部(熱交換部)22に導出されるようになっている。なお、水蒸気改質反応は吸熱反応であり、一酸化炭素シフト反応は発熱反応である。
冷却部22は、改質部21から導出された改質ガスと、改質用燃料と改質水(水蒸気)との混合ガスとの間で熱交換が行われる熱交換器(熱交換部)であって、高温である改質ガスを低温である混合ガスによって降温してCOシフト部23に導出するとともに混合ガスを改質ガスによって昇温して改質部21に導出するようになっている。
具体的には、冷却部22には図示しない燃料供給源(例えば都市ガス管)に接続された改質用燃料供給管41が接続されている。改質用燃料供給管41には、上流から順番に燃料ポンプ42、脱硫器46および改質用燃料バルブ43が設けられている。改質用燃料バルブ43は改質用燃料供給管41を開閉するものである。燃料ポンプ42は改質用燃料を供給しその供給量を調整する改質用燃料供給手段である。脱硫器46は燃料中の硫黄分(例えば、硫黄化合物)を除去するものである。燃料供給源から供給される燃料のうち改質部21に供給されて改質されるものを改質用燃料といい、燃焼部25に供給されて燃焼されるものを燃焼用燃料という。
また、改質用燃料供給管41の脱硫器46と改質用燃料バルブ43との間には燃焼部25に接続された予混合部材90(後述する)に接続された燃焼用燃料供給管44が接続されている。燃焼用燃料供給管44には燃焼用燃料バルブ45が設けられている。燃焼用燃料バルブ45は燃焼用燃料供給管44を開閉するものである。燃料ポンプ42が駆動され改質用燃料バルブ43が閉じられ燃焼用燃料バルブ45が開かれている場合、燃焼部25に燃焼用燃料が供給され、また、燃料ポンプ42が駆動され改質用燃料バルブ43が開かれ燃焼用燃料バルブ45が閉じられている場合、改質部21に改質用燃料が供給される。
さらに、改質用燃料供給管41の改質用燃料バルブ43と冷却部22との間には蒸発部26に接続された水蒸気供給管51が接続されている。蒸発部26から供給された水蒸気が改質用燃料に混合され、その混合ガスが冷却部22を通って改質部21に供給されている。
COシフト部23は、改質部21から冷却部22を通って供給された改質ガス中の一酸化炭素を低減するものすなわち一酸化炭素低減部である。COシフト部23は、内部に上下方向に沿って延在する折り返し流路23aを備えている。折り返し流路23a内には触媒23b(例えば、Cu−Zn系の触媒)が充填されている。COシフト部23においては、冷却部22から導入された改質ガスに含まれる一酸化炭素と水蒸気は、触媒23bにより反応して水素ガスと二酸化炭素ガスとに変成するいわゆる一酸化炭素シフト反応が生じている。この一酸化炭素シフト反応は発熱反応である。
CO選択酸化部24は、COシフト部23から供給された改質ガス中の一酸化炭素をさらに低減して燃料電池10に供給するものでありすなわち一酸化炭素低減部である。CO選択酸化部24は、円筒状に形成されて、蒸発部26の外周壁を覆って当接して設けられている。CO選択酸化部24の内部には、触媒24a(例えば、RuまたはPt系の触媒)が充填されている。
このCO選択酸化部24の側壁面下部および側壁面上部には、COシフト部23に接続された接続管89および燃料電池10の燃料極11に接続された改質ガス供給管71がそれぞれ接続されている。接続管89には、酸化用空気供給管61が接続されている。これにより、CO選択酸化部24には、COシフト部23からの改質ガスと大気からの酸化用空気が導入されるようになっている。なお、酸化用空気供給管61には、上流から順番に酸化用空気ポンプ62および酸化用空気バルブ63が設けられている。酸化用空気ポンプ62は酸化用空気を供給しその供給量を調整するものである。酸化用空気バルブ63は酸化用空気供給管61を開閉するものである。
したがって、CO選択酸化部24内に導入された改質ガス中の一酸化炭素は、酸化用空気中の酸素と反応(酸化)して二酸化炭素になる。この反応は発熱反応であり、触媒24aによって促進される。これにより、改質ガスは酸化反応によって一酸化炭素濃度がさらに低減されて(10ppm以下)導出され、燃料電池10の燃料極11に供給されるようになっている。
燃料電池10の燃料極11の導入口には改質ガス供給管71を介してCO選択酸化部24が接続されるとともに、燃料極11の導出口にはオフガス供給管72を介して燃焼部25が接続されている。バイパス管73は燃料電池10をバイパスして改質ガス供給管71およびオフガス供給管72を直結するものである。改質ガス供給管71にはバイパス管73との分岐点と燃料電池10との間に第1改質ガスバルブ74が設けられている。オフガス供給管72にはバイパス管73との合流点と燃料電池10との間にオフガスバルブ75が設けられている。バイパス管73には第2改質ガスバルブ76が設けられている。
起動運転時には、改質装置20から一酸化炭素濃度の高い改質ガスを燃料電池10に供給するのを回避するため、第1改質ガスバルブ74およびオフガスバルブ75を閉じ第2改質ガスバルブ76を開き、定常運転(発電運転)時には、改質装置20からの改質ガスを燃料電池10に供給するため、第1改質ガスバルブ74およびオフガスバルブ75を開き第2改質ガスバルブ76を閉じている。
また、燃料電池10の空気極12の導入口には、カソード用空気供給管67が接続されるとともに、空気極12の導出口には、排気管82が接続されている。空気極12に空気が供給され、オフガスが排気されるようになっている。なお、カソード用空気供給管67には上流から順にカソード用空気ポンプ68およびカソード用空気バルブ69が設けられている。カソード用空気ポンプ68はカソード用空気を供給しその供給量を調整するものである。カソード用空気バルブ69はカソード用空気供給管67を開閉するものである。
燃焼部25は、改質部21を加熱して水蒸気改質反応に必要な熱を供給するための燃焼ガスを生成するものであり、改質部21の内周壁内に下端部が挿入されて空間をおいて配置されている。燃焼部25は、燃料極11からのアノードオフガスまたは改質部21からの燃料ガスが供給され燃焼用酸化剤ガスが供給され該アノードオフガス(または燃料ガス)を該燃焼用酸化剤ガスで拡散燃焼し、または燃料供給源からの燃焼用燃料および燃焼用酸化剤ガスが予混合されて供給されその予混合ガスを燃焼し、それら燃焼ガスのいずれかにより改質部21を加熱する燃焼装置である。
この燃焼部25は、図2に示すように、基部25aと、基部25aに設けられて基部25aと連通する筒状の燃焼筒25bと、オフガスノズル25cと、温度センサ25eと、を備えている。燃焼部25は、制御装置の指令に応じて点火用電極(図示省略)により着火されるものである。
基部25aは、ベースプレート25a1、ベースプレート25a1を覆って固定されたベースケーシング25a2から構成されている。ベースプレート25a1には第1導入管25a5が接続されており、第1導入管25a5にはオフガス供給管72が接続されている。ベースプレート25a1の空間(内部空間)25a4に臨む内壁面にはオフガスノズル25cの基端が接続されている。これら第1導入管25a5とオフガスノズル25cは、ベースプレート25a1に形成された接続路25a3により連通され、オフガス供給管72からのアノードオフガスおよび改質ガスのいずれかがオフガスノズル25cに導入(供給)される。
ベースケーシング25a2には第2導入管25a6が接続されており、第2導入管25a6には予混合部材90が連結されている。予混合部材90からの燃焼用空気または燃焼用空気と燃焼用燃料が予め混合された予混合ガスがベースプレート25a1とベースケーシング25a2とで基部25a内に形成された空間25a4に導入される。
燃焼筒25bは、上端(一端)が基部25aのベースケーシング25a2と接続され連通し下方(他端)が開放されている。燃焼筒25bの長手方向の途中(例えば中間より下端側)に円盤状の仕切り板25b1が設けられており、燃焼筒25bを長手方向に仕切っている。
オフガスノズル25cは、空間25a4および燃焼筒25b内を仕切り板25b1に向けて延在し、仕切り板25b1の中央を貫通し、燃焼空間25dまで延びている。オフガスノズル25cの先端部分は閉じられており、先端から少し離れた側面部分(先端部)に第1噴射口25c1が設けられている。第1噴射口25c1は、オフガスノズル25cの径方向に開口して複数(本実施の形態では4個)設けられている。第1噴射口25c1は、断面略円形である。基端側から供給されたアノードオフガスまたは改質ガスが複数の第1噴射口25c1から径方向外側に向けて放射状に噴出され、燃焼空間25dに投入される。オフガスノズル25cはアノードオフガス用とともに燃料電池10をバイパスした改質ガス用としても使用される。
なお、燃焼空間25dは、可燃ガスを燃焼させるために設けた部分であり、燃焼筒25b内で仕切り板25b1のオフガスノズル25cの先端が突出した側の空間のことである。なお、燃焼筒25bのうち仕切り板25b1より先端の部分はフード25b3である。このフード25b3がオフガスノズル25cの仕切り板25b1から突出した先端部を覆うように設けられている。
仕切り板25b1は、オフガスノズル25cの第1噴射口25c1より基端側位置に該オフガスノズル25cに直交させて固定された平面板状部材である。この仕切り板25b1のオフガスノズル25cの周りには複数の第2噴射口25b2(実施の形態では16個)が設けられている。この第2噴射口25b2は、オフガスノズル25cの軸方向に平行な向きに開口して設けられている。第2噴射口25b2は、断面略円形である。なお、基部25a、燃焼筒25bおよび仕切り板25b1から筐体25gが構成されている。また、筐体25gには密閉された内部空間25h(基部25a、燃焼筒25bおよび仕切り板25b1から区画された空間である。)が形成されている。
拡散燃焼の場合、すなわち第1噴射口25c1からアノードオフガスまたは燃料ガスが噴出される場合には、基部25a内の空間25a4に導入された燃焼用空気が第2噴出口25b2からオフガスノズル25cの先端突出側に向けて噴出され、燃焼空間25dに投入される。
一方、予混合燃焼の場合、すなわち第1噴出口25c1から可燃ガスの噴出がされない場合、基部25a内の空間25a4に導入された予混合ガスが第2噴出口25b2からオフガスノズル25cの先端突出側に向けて噴出され、燃焼空間25dに投入される。なお、予混合ガスは予混合部材90を通って供給される。
温度センサ25eは、燃焼部25の燃焼空間25d内で生じる火炎25fの輻射温度を検出して、その検出結果を制御装置に送信するもの(例えば輻射温度計)である。温度センサ25eは、例えばシース熱電対であり、基部25aのベースプレート25a1を貫通し仕切り板25b1を貫通して燃焼空間25d内に挿入されている。その先端部分(先端25e1からやや後方)が温度計測部である。温度センサ25eの先端25e1は、第1噴射口25c1の仕切り板25b1側の端25c2より仕切り板25b1側となるように設けられているが、これに限定されない。温度センサ25eの温度計測部が火炎25fの輻射温度を計測できる位置であればよい。具体的には、燃焼空間25dの内部で火炎25fの火炎面25f1の外部であればよい。ここで火炎面とは、可燃ガス(例えばアノードオフガス、予混合ガス(燃焼用燃料を含む))の燃焼反応(酸化反応)が起こっている部分とそれ以外の部分の境界面をいう。なお、本実施の形態では、温度センサ25eとして熱電対を用いているが、サーミスタを用いてもよい。
予混合部材90は、図1に示すように、燃焼用燃料供給管44および燃焼用空気供給管64と燃焼部25とを接続するものであり、両供給管44,64と燃焼部25との間に介装されている。予混合部材90は、燃焼用燃料と燃焼用空気(燃焼用酸化剤ガス)とを予め混合して、その予混合ガスを燃焼部25に供給するものである。
この予混合部材90は、図3および図4に示すように、混合部91、予混合管92およびフレキシブル管93を備えている。混合部91は、直方体形状の本体91aを備えている。本体91a内には、第1および第2流通路91b,91cが形成されている。第1流通路91bは、小穴部91b1と大穴部91b2が段部を介して連結されている。なお例えば、小穴部91b1および大穴部91b2の内径はそれぞれ6mm、12.7mmである。第1流通路91bは、小穴部91b1と大穴部91b2のそれぞれの開口端に第1導入口91b3と第1導出口91b4を有するものである。
この第1流通路91bは、直線状に形成された流通路である。直線状に形成された流通路とは、本実施の形態のように、段部が形成されかつ小穴部91b1と大穴部91b2の各中心軸が一致する流通路だけでなく、段部がなく直線に形成された流通路、段部が形成されかつ小穴部と大穴部の各中心軸が一致しない流通路であっても小穴部の輪郭が大穴部の輪郭内にあるものも含んでいる。
第2流通路91cは、第2流通路91cの中心軸のガス流れ方向が該第1流通路91bの中心軸のガス流れ方向と所定の角度をなして、第1流通路91bの途中に連通するように形成された流通路であって、その連通部91c1の反対側に第2導入口91c2を有するものである。第2流通路91cの内径は第1流通路91bの大穴部91b2と同一の内径である。第1および第2流通路91b,91cは、両流通路91b,91cの中心軸が一致するように配置されている。所定の角度は、第1流通路91bの中心軸のガス流れ方向と第2流通路91cの中心軸のガス流れ方向とのなす角度のことである。本実施の形態では、90度に設定されている。
また、この所定角度は、第1流通路91bを流れる流体(燃焼用燃料)の流れ方向に対する、第2流通路91cを流れる流体(燃焼用空気)が合流する角度である。所定角度が90度より小さくなるにつれて、燃焼用燃料と燃焼用空気は並流に近づく。所定角度が90度より大きくなるにつれて、燃焼用燃料と燃焼用空気は向流に近づく。並流よりも向流のほうが混合性にとって望ましい。このため所定角度が大きくなるにしたがって2つの流体の混合性が高くなる。このことから、所定角度は45度以上であることが好ましく、60度以上、90度以上であることがより好ましい。混合性の観点からは所定角度は180度に近くなることが好ましいが、製造上の観点からは135度以下、120度以下であることが好ましい。
なお、第1流通路91bは直線状でなくてもよく、第2流通路91cが第1流通路91bの途中に側方から連結されていればよい。その連結部において、第1流通路91bの中心軸のガス流れ方向と第2流通路91cの中心軸のガス流れ方向とのなす角度が45度以上であればよい。
本体91aには、第1流通路91bの第1導入口91b3に連通する第1接続管91dが固定されており、第1接続管91dに燃焼用燃料供給管44が接続されている。これにより、燃焼用燃料供給管44からの燃焼用燃料が第1接続管91dを通って第1導入口91b3から導入される。ここで、燃焼用燃料供給管44および第1接続管91dが特許請求の範囲に記載の「第1流通管L1」であり、燃焼用燃料が「可燃ガス」である。該第1流通管L1は一部材で構成するようにしてもよく、可燃ガスは燃焼用燃料に限定されない。
さらに本体91aには、第2流通路91cの第2導入口91c2に連通する第2接続管91eが固定されており、第2接続管91eに燃焼用空気供給管64が接続されている。これにより、燃焼用空気供給管64からの燃焼用空気が第2接続管91eを通って第2導入口91c2から導入される。ここで、燃焼用空気供給管64および第2接続管91eが特許請求の範囲に記載の「第2流通管L2」である。該第2流通管L2は一部材で構成するようにしてもよい。
予混合管(第3流通管)92は、混合部91(第1流通路91b)の第1導出口91b4に一端が連通接続され、燃焼部25の第2導入管25a6の導入口25a7に他端が連通接続されている。予混合管92の途中すなわち一端部には、フレキシブル管93が介装されている。予混合管92の内径は、混合部91の第1流通路91bの大穴部91b2の内径と同一である。予混合管92の全長は、約460mmである。予混合管92は、屈曲部92aが一箇所だけ形成されている。この屈曲部は90度曲げられており、曲げ半径は20mmである。この屈曲部92aによって圧損を少なからず上昇させることができるので、予混合管92内での混合性を向上させることができる。
予混合管92の長さに関して、予混合管92の長さと混合性の関係について説明する。図5に、第2導入口91c2の中心軸からの距離と予混合管92を流れる流体の空気過剰率λ(後述する)との関係を示す。図5においては、第2導入口91c2の中心軸からの距離を横軸に、空気過剰率λを縦軸に示し、黒丸印と実線で空気過剰率λの最大値を示し、黒四角印と実線で空気過剰率λの最小値を示している。図5の混合性解析は、燃焼用燃料を1.5NL/minで投入し、燃焼用空気を18NL/minで投入し、空気過剰率λが1.1(所定空気過剰率)となるように行われている。「NL/min」は、気体の標準状態での1分あたりの流量をリットルで示すものである。混合性を解析する位置は、図4に示すように、第2導入口91c2の中心軸から、50mm、100mm、150mm、200mm、250mm、300mmだけ離れた位置および配管出口位置である。これら各位置における燃焼用燃料と燃焼用空気の混合性を空気過剰率λの最大値と最小値により示している。空気過剰率λは各位置における混合性(空気濃度、燃焼用燃料濃度)を示すものであり、空気過剰率λの最大値(または最小値)が所定空気過剰率に近くなれば混合性が高くなる(均一に混合される)ということである。図5から明らかなように、第2導入口91c2の中心軸から離れるほど空気過剰率λは所定空気過剰率に近づき、最終的に所定空気過剰率となっている。この結果、予混合管92の長さは、空気過剰率が1.05〜1.15となる200mm以上であることが好ましく、空気過剰率がより所定空気過剰率に近づく300mm以上であることがより好ましい。
予混合管92のうちフレキシブル管93の部分は可撓性材で形成され、予混合管92のうちフレキシブル管93以外の部分は金属材で形成されている。フレキシブル管93は予混合管92の途中であればいずれの場所に形成してもよい。また、屈曲部92aは一つでなく複数設けるようにしてもよい。フレキシブル管93は、金属製の蛇腹形状のフレキシブル管である。蛇腹形状であるため流通する流体(燃焼用燃料と燃焼用空気)の混合を促進することができる。フレキシブル管93は、金属材でなくてもよく、蛇腹形状でなく可撓性材料でもよい。予混合管92のうちフレキシブル管93以外の部分も金属材でなく、例えば樹脂材でもよい。
次に、燃焼部25で予混合燃焼を行うに際して予混合部材90で燃焼用燃料と燃焼用空気を混合する場合について説明する。燃焼部25を着火する際には、燃焼部25に投入される燃焼用燃料および燃焼用空気は、空気過剰率が1.05〜1.20となるように供給されており、燃焼用燃料に比べて燃焼用空気の投入流量が多くなるように設定されている。
燃焼用燃料は、燃焼用燃料供給管44および第1接続管91dからなる第1流通管L1を通って第1導入口91b3から第1流通路91bに導入され(流入し)、第1流通路91bを第1導出口91b4に向けてストレートに流通する。これに対して、燃焼用空気は、燃焼用空気供給管64および第2接続管91eからなる第2流通管L2を通って第2導入口91c2から第2流通路91cに導入され(流入し)、第2流通路91cを第1流通路91bに向けて流通する。
このように、第1流通路91bを第1導出口91b4に向けて直進する燃焼用燃料に、燃焼用燃料より流速の大きい燃焼用空気が所定の角度で合流する。その合流により燃焼用燃料に燃焼用空気が十分に混合されて、その混合ガスが第1導出口91b4から予混合管92に導出される(流出する)。
予混合管92においては、第1導出口91b4から導出された予混合ガスが混合されながら流通する。その予混合ガスの流れは屈曲部92aで変動され(屈曲部92aの内側と外側では同速で流入したそれぞれの流れが屈曲部で混合するため)、屈曲部92aによって予混合ガスがさらに混合される。さらに、予混合管92の出口部92bは90度に屈曲してから第2導入管25a6に連結されている。これにより、屈曲部92aと同様に予混合ガスが混合されて混合性が向上できる。そして、その予混合ガスが燃焼部25に供給され予混合燃焼される。
さらに、燃焼用燃料をストレートに流して燃焼用空気を側方から合流(混合)させる方式(本発明のタイプ)が、燃焼用空気をストレートに流して燃焼用燃料を側方から合流(混合)させる方式より優れている理由について図6および図7を参照して説明する。
図6(a)は、予混合部材90は予混合管92を屈曲部92aなしで直線状に形成したものを燃焼部25に接続し、燃焼用燃料をストレートに流して燃焼用空気を側方から合流させるようにした実験装置を示している。図6(b)は、予混合部材90は予混合管92を屈曲部92aなしで直線状に形成したものを燃焼部25に接続し、燃焼用空気をストレートに流して燃焼用燃料を側方から合流させるようにした実験装置を示している。予混合管92の長さは50mmであり、燃焼用燃料および燃焼用空気の流量は前述した本実施の形態と同様である。いずれの場合も、改質装置20の他の部分を省略している。
図7は、燃焼用燃料をストレートに流す場合と、燃焼用空気をストレートの流す場合の実験結果を示している。図7のグラフは、それら両方における燃焼部25の排ガス中のCO濃度(一酸化炭素濃度)およびNOX濃度(酸化窒素濃度)をそれぞれ示しており、縦軸にCO濃度およびNOX濃度、横軸に空気過剰率(λ)をとっている。空気過剰率とは、実際に空燃比を理論空燃比で除した値である(空気過剰率=空燃比/理論空燃比)。空燃比とは可燃ガスに対する空気の質量比である。理論空燃比とは可燃ガスを理想完全燃焼させる場合の空燃比である。なお、着火時にはλを1.05程度に制御し、着火後にはλを段階的に上げて1.6程度に制御する。燃料電池の負荷変動時(発電出力変動時)にはλが変動しやすいため、所定値以下のCO濃度、NOX濃度が得られるλの範囲が広いことが重要である。また、空気や可燃ガスを改質装置20に送るブロアやポンプなどの補機による流量変動や経年変化による流量のずれに対しても安定運転を維持しやすくなる(燃焼部25での吹き消えが起こりにくく、CO濃度、NOX濃度を低く維持しやすい)。着火時にλを1.05程度にする理由は、着火性を考慮したものであり、このときにもCO濃度、NOX濃度が低減できる。
燃焼用燃料をストレートに流す場合におけるCO濃度を実線と黒ひし形で示し、NOX濃度を破線と白抜きひし形で示している。燃焼用空気をストレートに流す場合におけるCO濃度を実線と黒正方形で示し、NOX濃度を破線と白抜き正方形で示している。排ガス濃度は所定値(例えば10ppm)以下であることが、燃焼性能の一つの指標であり、この指標をできるだけ広い範囲の空気過剰率で満足する必要がある。図7から明らかなように、NOX濃度においては、燃焼用燃料をストレートに流す場合も、燃焼用空気をストレートに流す場合も、空気過剰率が1.4〜1.5を超えると排ガス濃度は所定値以下となり、ほとんど差はない。しかし、CO濃度においては、燃焼用空気をストレートに流す場合では空気過剰率が約2.1を超えると排ガス濃度は所定値を超える。これに対して、燃焼用燃料をストレートに流す場合では約2.3を超えると排ガス濃度は所定値を超える。このように、燃焼用燃料をストレートに流す場合(空気過剰率は約1.4から約2.3)のほうが、燃焼用空気をストレートに流す場合(空気過剰率は約1.4から約2.1)と比較して、空気過剰率を広く確保することができる。すなわち、予混合ガスの混合率が高いということである。
図1に戻って説明すると、燃焼用空気供給管64には、燃焼用空気ポンプ(燃焼用酸化剤ガス供給手段)65および燃焼用空気バルブ66が設けられている。燃焼用空気ポンプ65は大気から燃焼用空気を吸い込み燃焼部25に吐出するものであり、制御装置の指令に応じて燃焼部25に供給する燃焼用空気供給量を調整するものである。燃焼用空気バルブ66は、制御装置の指令に応じて燃焼用空気供給管64を開閉するものである。
システム起動開始(燃料電池システム(改質装置20)の起動開始)した時点から改質部21に改質用燃料の供給が開始されるまでの間は、燃焼用空気バルブ66が開かれ、燃焼用空気ポンプ65が駆動されるとともに、改質用燃料バルブ43、第1改質ガスバルブ74およびオフガスバルブ75が閉じられ、燃焼用燃料バルブ45が開かれ、燃料ポンプ42が駆動される。燃焼用燃料は改質部21を通らないで燃焼用燃料供給管44を通って予混合部材90で燃焼用空気と合流して混合され、その予混合ガスが燃焼部25に供給される。改質部21に改質用燃料の供給が開始されるのは、蒸発部26で水蒸気が生成され、かつ、改質部21が所定温度以上となった後である。
また、改質部21への改質用燃料の供給開始以降から定常運転(発電)開始までの間は、改質用燃料バルブ43および第2改質ガスバルブ76が開かれ、燃焼用燃料バルブ45が閉じられ、燃料ポンプ42が駆動される。第1改質ガスバルブ74およびオフガスバルブ75は閉じられたままである。これにより、CO選択酸化部24から一酸化炭素濃度の高い改質ガスを燃料電池10に供給するのを回避するため、燃焼部25にはCO選択酸化部24からの改質ガスが燃料電池10を通らないで直接供給される。燃焼用空気は上記と同様に供給されている。すなわち、燃焼部25には、改質装置20からの改質ガスが、改質ガス供給管71、バイパス管73およびオフガス供給管72を通って供給されるとともに、燃焼用空気が燃焼用空気供給管64および予混合部材90を通って供給される。なお、このとき予混合部材90では燃焼用燃料と燃焼用空気は混合されない。
そして、定常運転(発電)中においては、改質用燃料バルブ43、第1改質ガスバルブ74およびオフガスバルブ75が開かれ、燃焼用燃料バルブ45および第2改質ガスバルブ76が閉じられ、燃料ポンプ42が駆動される。これにより、燃焼部25には燃料電池10の燃料極11からのアノードオフガス(燃料電池10の燃料極11に供給され消費されずに排出された水素や未改質の改質用燃料を含んだ改質ガス)が供給される。燃焼用空気は上記と同様に供給されている。すなわち、燃焼部25には、オフガス供給管72を通ってアノードオフガスが供給されるとともに、燃焼用空気が燃焼用空気供給管64および予混合部材90を通って供給される。なお、このとき予混合部材90では燃焼用燃料と燃焼用空気は混合されない。また、このとき、燃焼部25では燃焼用燃料などの可燃ガスを別途追加して燃焼する追い焚きは行われていない。いわゆる追い焚きレスシステムである。
このように燃焼部25においては、燃焼部25に供給された燃焼用燃料、改質ガスまたはアノードオフガス(これらは可燃ガスである。)は、燃焼部25に供給された燃焼用空気によって燃焼されて高温の燃焼ガスが発生する。この燃焼ガスは、改質部21と断熱部28との間および断熱部28と蒸発部26との間に形成されて改質部21や蒸発部26を加熱するように配設された燃焼ガス流路27を流通し、排気管81を通って燃焼排ガスとして外部に排出される。燃焼ガスは改質部21の改質触媒21aを活性温度域となるように加熱し、蒸発部22を水蒸気生成するために加熱する。
蒸発部26は、改質水を蒸発させて水蒸気を生成して冷却部22を介して改質部21に供給するものである。蒸発部26は、円筒状に形成されて燃焼ガス流路27の外周壁を覆って当接して設けられている。
この蒸発部26の下部(例えば側壁面下部、底面)には改質水タンク(図示省略)に接続された給水管52が接続されている。蒸発部26の上部(例えば側壁面上部)には水蒸気供給管51が接続されている。改質水タンクから導入された改質水は、蒸発部26内を流通する途中にて燃焼ガスからの熱およびCO選択酸化部24からの熱によって加熱されて、水蒸気となって水蒸気供給管51および冷却部22を介して改質部21へ導出するようになっている。なお、給水管52には、上流から順番に改質水ポンプ53および改質水バルブ54が設けられている。改質水ポンプ53は、蒸発部26に改質水を供給するとともにその改質水供給量を調整するものである。改質水バルブ54は給水管52を開閉するものである。
上述の説明から明らかなように、この実施の形態においては、第1流通管L1(燃焼用燃料供給管44および第1接続管91d)を通って混合部91の第1導入口91b3から導入され第1導出口91b4に向けて第1流通路91bを直進(流通)する燃焼用燃料(可燃ガス)に、第2流通管L2(燃焼用空気供給管64および第2接続管91e)を通って混合部91の第2導入口91c2から導入され第2流通路91cを流通した燃焼用空気(燃焼用酸化剤ガス)が、第2流通路91cが連通する第1流通路91bの途中で所定の角度で(側方から)合流される。すなわち、第1流通路91bを直進(流通)している燃焼用燃料に、その進行方向に対して所定の角度(側方)から燃焼用空気が投入されて合流するので、その合流により燃焼用燃料に燃焼用空気が十分に混合され、その予混合ガスを混合部91の第1導出口91b4から導出する。これにより、予混合ガスの混合性をより高めて着火性を向上することができる。
また、混合部91の第1導出口91b4に一端が接続され燃焼装置の導入口(燃焼部25の第2導入管25a6の導入口25a7)に他端が接続され、途中に可撓性を有するフレキシブル管93が介装された第3流通管92をさらに備えている。これにより、燃焼装置の導入口25a7から比較的離れている混合部91の第1導出口91b4と燃焼装置の導入口25a7とを連通する第3流通管92が比較的長い場合、第3流通管92の寸法誤差や混合部91の第1導出口91b4と燃焼装置の導入口25a7の位置誤差の影響を受けることなく、第3流通管92の途中に介装された可撓性を有するフレキシブル管92によって、第3流通管92が混合部91の第1導出口91b4と燃焼装置の導入口25a7に容易かつ確実に組み付けることができる。
また、第3流通管92は一または複数の屈曲部92aが形成されているので、混合部91の第1導出口91b4から導出された予混合ガスの流れが屈曲部92aにおいて変動され、その変動によって予混合ガスをさらに混合することができる。
また、上述した改質装置用燃焼装置25の燃焼ガスにより改質部21を加熱するので、改質装置20において予混合ガスの混合性をより高めて着火性を向上させることができる。また、上述した改質装置20により生成された燃料ガスを燃焼電池10の燃料極に供給するので、燃料電池システムにおいて予混合ガスの混合性をより高めて着火性を向上させることができる。
また、上述した実施の形態においては、第2導入管25a6からそれより流路断面積が大きな内部空間25a4に混合ガスが導入され、内部空間25a4より流路断面積が小さな空間25hに混合ガスが導入され、空間25hより流路断面積が小さな第2噴射口25b2から混合ガスが噴出される。これらの構造により混合性がさらに向上できる。特に第2噴射口25b2で流路が絞られることにより混合性が向上する。
なお、上述した実施の形態においては、図3および図4に示す予混合部材90に代えて、図8および図9に示す予混合部材190を使用してもよい。この予混合部材190は、予混合部材90と、混合部91および予混合管192を有する点で一致するが、予混合管192の形状が異なっている。予混合管192は途中にフレキシブル管93を有し、3つの屈曲部92aを有する。予混合部材90と同一のもの(形状が多少異なっていても機能が同一であれば同一部材とする。)については、同一符号を付してその説明を省略する。また、予混合管192の全長は約444mmであり、内径は約0.95cm(3/8インチ)である。
また、上述した実施の形態においては、混合部91の第1および第2流通路91b,91cは、図10に示すように、両通路91b,91cの中心が径方向にずれて連通するようにしてもよい。図10では、混合部91の本体91aを第2導入口91c2が形成された面側から見た図である。これによれば、第2流通路91cの中心軸は第1流通路91bの中心軸に対して第1流通路91bの径方向にずれて第2流通路91cが第1流通路91bに連結されているので、第1流通路91bを直進している燃焼用燃料にその進行方向に対して所定の角度(側方)から燃焼用空気を投入するだけでなく、燃焼用空気を燃焼用燃料の直進(進行)方向に対して渦巻く方向に投入して、その渦巻き流によって予混合ガスの混合性をさらに高めることができる。
なお、上述した実施の形態においては、本発明を追い炊きレスシステムに適用したが、追い炊きシステム(発電運転中に燃焼部25にオフガス以外に燃焼用燃料を供給するシステム)に適用してもよい。また、アノードオフガスを予混合バーナ(第2噴射口25b2を噴出口に有するバーナ)で燃焼するようにしてもよい。
本発明による予混合部材を使用した改質装置の燃焼装置を適用した燃料電池システムの一実施の形態の概要を示す概要図である。 図1に示す燃焼部を示す断面図である。 図1に示す予混合部材を示す斜視図である。 図1に示す予混合部材を示す断面図である。 予混合管の混合性を示すグラフである。 (a)は、燃焼用燃料をストレートに流して燃焼用空気を側方から合流させるようにした実験装置を模式的に示し、(b)は、燃焼用空気をストレートに流して燃焼用燃料を側方から合流させるようにした実験装置を示している。 燃焼用燃料をストレートに流す場合と、燃焼用空気をストレートの流す場合の実験結果を示している。 予混合部材の他の実施例を示す斜視図である。 図8に示す予混合部材を示す側面図である。 混合部の他の実施例を示す平面図である。
符号の説明
10…燃料電池、11…燃料極、12…空気極、20…改質装置、21…改質部、22…冷却部(熱交換部)、23…一酸化炭素シフト反応部(COシフト部)、24…一酸化炭素選択酸化反応部(CO選択酸化部)、25…燃焼部(燃焼装置)、25a…基部、25b…燃焼筒、25b1…仕切り板、25c…オフガスノズル、25c1…第1噴出口、25e…温度センサ、25g…筐体、25h…内部空間、26…蒸発部、27…燃焼ガス流路、28…断熱部、41…燃料供給管、42…燃料ポンプ、43…改質用燃料バルブ、44…燃焼用燃料供給管、45…燃焼用燃料バルブ、46…脱硫器、51…水蒸気供給管、52…給水管、53…改質水ポンプ、54…改質水バルブ、61…酸化用空気供給管、62…酸化用空気ポンプ、63…酸化用空気バルブ、64…燃焼用空気供給管、65…燃焼用空気ポンプ、66…燃焼用空気バルブ、67…カソード用空気供給管、68…カソード用空気ポンプ、69…カソード用空気バルブ、71…改質ガス供給管、72…オフガス供給管、73…バイパス管、74…第1改質ガスバルブ、75…オフガスバルブ、76…第2改質ガスバルブ、81,82…排気管、89…接続管、90…予混合部材、91…混合部、91a…本体、91b…第1流通路、91b3…第1導入口、91b4…第1導出口、91c…第2流通路、91c2…第2導入口、予混合管(第3流通管)…92、屈曲部…92a、フレキシブル管…93。

Claims (6)

  1. 改質用燃料を改質することにより水素を含む燃料ガスを生成する改質部を有する改質装置に備えられ、
    可燃ガスと燃焼用酸化剤ガスとを予混合する予混合部材で予混合した予混合ガスを燃焼した燃焼ガスにより前記改質部を加熱する燃焼装置であって、
    前記予混合部材は、
    前記可燃ガスが導入される第1導入口と、前記予混合ガスを導出する第1導出口とを有する第1流通路と、
    前記第1流通路の途中に連結され、前記第1流通路の側方から前記第1流通路に前記燃焼用酸化剤ガスを導入する第2流通路とを備えていることを特徴とする改質装置用燃焼装置。
  2. 請求項1において、前記第1流通路の中心軸のガス流れ方向と前記第2流通路の中心軸のガス流れ方向とのなす角度が45度以上であることを特徴とする改質装置用燃焼装置。
  3. 請求項1または請求項2において、前記第1導出口に一端が接続され前記燃焼装置の導入口に他端が接続された第3流通管をさらに備え、
    前記第3流通管は一または複数の屈曲部が形成されていることを特徴とする改質装置用燃焼装置。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れか一項において、前記第2流通路の中心軸は前記第1流通路の中心軸に対して前記第1流通路の径方向にずれて前記第2流通路が前記第1流通路に連結されていることを特徴とする改質装置用燃焼装置。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の改質装置用燃焼装置の燃焼ガスにより前記改質部を加熱することを特徴とする改質装置。
  6. 請求項5に記載の改質装置により生成された燃料ガスを燃焼電池の燃料極に供給することを特徴とする燃料電池システム。

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