JP2009274654A - 車体強度部材部構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】主に、強度の適正化および軽量化と、精度向上とを両立させ得るようにする。
【解決手段】ほぼ車幅方向22へ延びる車体強度部材本体23と、この車体強度部材本体23に対して車体部や部品等を取付可能な車体部品等取付部31とを備え、車体強度部材本体23が、一側に大型断面部24を有すると共に、他側に小型断面部25を有する車体強度部材部構造であって、小型断面部25と同じかそれよりも断面の若干小さな細管部材41と、この細管部材41を挿通配置可能な挿通穴部42を有する外嵌部材43とを設け、細管部材41を、外嵌部材43の挿通穴部42へ挿通配置した状態で、細管部材41に拡管加工を施して、細管部材41に、大型断面部24と小型断面部25とを形成することにより、細管部材41を、溶接による接合部分を有さない連続した一本物の車体強度部材本体23とすると共に、拡管加工によって、細管部材41と外嵌部材43とを圧着固定させることにより、外嵌部材43を車体部品等取付部31とするようにしている。
【選択図】図2

Description

この発明は、車体強度部材部構造に関するものである。
自動車などの車両には、車室内の前部に樹脂製のインストルメントパネルが設けられている。このインストルメントパネルの内部には、ほぼ車幅方向へ延びて左右の車体パネル間を連結する金属製の車体強度部材が設けられている(例えば、特許文献1参照)。この車体強度部材は、クロスカービームまたはステアリングサポートメンバなどと呼ばれている。
図6に示すように、このような車体強度部材1は、ほぼ車幅方向2へ延びる車体強度部材本体3を主に備えている。この車体強度部材本体3は、通常、金属製の丸パイプによって構成されている。この車体強度部材本体3は、必要とされる強度の違いにより、運転席側が(相対的に)太くなり、助手席側が(相対的に)細くなるように構成されている。即ち、運転席側が大型断面部を有し、助手席側が小型断面部を有するように構成されている。
そのために、車体強度部材本体3は、高い強度が得られる太パイプ部4(大型断面部)と、必要な強度を確保可能で且つ軽量化が可能な細パイプ部5(小型断面部)とを、溶接によって接合した溶接構造物6とされている。この際、太パイプ部4と細パイプ部5との間に、両者の径の違いを吸収してなだらかに連続させ得るようにするために、短いテーパ状パイプ部7を介在させるようなことなども行われている。そして、太パイプ部4とテーパ状パイプ部7との間、および、テーパ状パイプ部7と細パイプ部5との間は、十分な溶接強度が確保できるように、それぞれ全周溶接が行われている(全周溶接部8,9)。
そして、このような車体強度部材本体3に対して、車体部や部品等を取付可能な車体部品等取付部11が備えられる。
このような車体部品等取付部11として、例えば、車体強度部材本体3の両端部には、車体強度部材本体3を左右の車体パネル(車体部)に取付けるためのサイドブラケット12が設けられている。また、車体強度部材本体3の中間部には、車体強度部材本体3を車室の床部(車体部)に支持させるためのステーブラケット13が設けられている。更に、車体強度部材本体3の運転席側の下部には、ステアリングコラム(部品等)を取付可能なコラムブラケット14が設けられている。そして、車体強度部材本体3の運転席側の前部およびコラムブラケット14の前側の部分には、車体強度部材本体3を車室の前壁(車体部)に取付けるためのポストブラケット15が設けられている。
これらの他にも、車体強度部材本体3には、車体部品等取付部11として、車体部や部品等を取付可能な各種の部品等取付ブラケットが多数備えられている。
なお、車体部品等取付部11として上記した各ブラケット類は、通常、それぞれが専用のものとして独立して設置されると共に、それぞれが車体強度部材本体3に対して溶接によって固定されている。
特開2005−112078
しかしながら、上記車体強度部材部構造には、以下のような問題があった。
即ち、例えば、車体強度部材本体3を、運転席側から助手席側まで車体のほぼ全幅に亘って延びる、溶接による接合部分のない1本の太パイプ部4で構成した場合、後述するような溶接による精度低下の問題は生じないまたは少なくなるものの、助手席側の部分の強度が過大になり過ぎると共に、その分の重量増加が生じるという問題がある。
そこで、従来は、強度の適正化と軽量化とのために、助手席側を細パイプ部5にすると共に、運転席側の太パイプ部4と助手席側の細パイプ部5とを、溶接によって接合するようにしている。しかし、このように、車体強度部材本体3を溶接構造物6とした場合には、溶接部分(接合部分)の熱歪によって、車体強度部材本体3の精度が低下するため、車体強度部材本体3のインストルメントパネルに対する建付精度が低下するという問題が発生する。
なお、上記した以外にも、本発明に至る過程で新たな問題やその他の問題などが発生することも考えられるが、そのようなものについては、本発明の実施例の中で説明することによって、この欄での記載に代えることができるものとする。但し、必要な場合には、この欄に流用することができる。
上記課題を解決するために、請求項1に記載された発明は、ほぼ車幅方向へ延びる車体強度部材本体と、該車体強度部材本体に対して車体部や部品等を取付可能な車体部品等取付部とを備え、前記車体強度部材本体が、一側に大型断面部を有すると共に、他側に小型断面部を有する車体強度部材部構造において、前記小型断面部と同じかそれよりも断面の若干小さな細管部材と、該細管部材を挿通配置可能な挿通穴部を有する外嵌部材とを設け、前記細管部材を、前記外嵌部材の挿通穴部へ挿通配置した状態で、前記細管部材に拡管加工を施して、細管部材に、前記大型断面部と小型断面部とを形成することにより、前記細管部材を、溶接による接合部分を有さない連続した一本物の車体強度部材本体とすると共に、前記拡管加工によって、前記細管部材と前記外嵌部材とを圧着固定させることにより、外嵌部材を車体部品等取付部としたことを特徴としている。
請求項2に記載された発明は、上記において、前記外嵌部材を、大型断面部に配置固定することにより、前記部品等として、少なくともステアリングコラムを取付可能なコラム取付部材としたことを特徴としている。
請求項3に記載された発明は、上記において、前記コラム取付部材を、大型断面部の中央部から小型断面部との境界部分へ向けて延設することにより、前記ステアリングコラムと共に、前記部品等としてステーブラケットを取付可能な共通取付部材としたことを特徴としている。
請求項4に記載された発明は、上記において、前記外嵌部材が、ほぼ車幅方向へ延びる筒状部材であることを特徴としている。
なお、上記は、それぞれ、所要の作用効果を発揮するための必要最小限の構成であり、上記構成の詳細や、上記されていない構成については、それぞれ自由度を有しているのは勿論である。そして、上記構成の記載から読取ることが可能な事項については、特に具体的に記載されていない場合であっても、その範囲内に含まれるのは勿論である。また、上記以外の構成を追加した場合には、追加した構成による作用効果が加わることになるのは勿論である。
請求項1の発明によれば、上記構成によって、以下のような作用効果を得ることができる。即ち、溶接による接合部分を有さない連続した一本物の車体強度部材本体を備えたことにより、溶接による精度低下がなくなるので、車体強度部材本体のインストルメントパネルに対する建付精度を確保、向上することができる。また、連続した一本物の車体強度部材本体は、拡管加工による大型断面部と小型断面部とを有しているので、各部の強度の適正化と、軽量化と同時に得ることが可能となる。そして、車体強度部材本体に対し、拡管加工によって外嵌部材を圧着固定させることにより、溶接による精度低下のない状態で、車体部や部品等を取付けることが可能となる。以上により、強度の適正化および軽量化と、精度向上とを両立させることが可能となる。
請求項2に記載された発明は、上記構成によって、以下のような作用効果を得ることができる。即ち、外嵌部材をコラム取付部材として使用することにより、車体強度部材本体に対して、溶接による取付精度の低下を生じることなく、ステアリングコラムを取付けることが可能となる。また、外嵌部材を、大径部に配置固定することにより、ステアリングコラムの支持に必要な強度を確保することができる。
請求項3に記載された発明は、上記構成によって、以下のような作用効果を得ることができる。即ち、コラム取付部材を共通取付部材としたことにより、ステアリングコラムとステーブラケットとを、同じ外嵌部材に対して同時に取付けることが可能となる。これにより、外嵌部材を介して、ステアリングコラムとステーブラケットとを連携させることが可能となり、即ち、ステアリングコラムへの入力を、車体強度部材本体を介することなく、外嵌部材とステーブラケットとを介して、車室の床部へ直接伝達させるようにすることが可能となるので、その分、車体強度部材本体の強度を落して軽量化を図ることが可能となる。
請求項4に記載された発明は、上記構成によって、以下のような作用効果を得ることができる。即ち、外嵌部材を筒状部材とすることにより、軽量で高強度の外嵌部材を安価且つ容易に作成することができると共に、車体強度部材本体に対して、溶接を行うことなく外嵌部材を容易且つ精度良く設置し、更に、外嵌部材に対して部品等を容易且つ精度良く取付けることが可能となる。
本発明は、主に、強度の適正化および軽量化と、精度向上とを両立させ得るようにすることを目的としている。
以下、本発明を具体化した実施例について、図示例と共に説明する。
なお、以下の実施例は、上記した背景技術や発明が解決しようとする課題などと密接な関係があるので、必要が生じた場合には、互いに、記載を流用したり、必要な修正を伴って流用したりすることができるものとする。
図1〜図5は、この発明の実施例を示すものである。
<構成>まず、構成について説明する。
自動車などの車両には、車室内の前部に樹脂製のインストルメントパネルが設けられている。このインストルメントパネルの内部には、ほぼ車幅方向へ延びて左右の車体パネル間を連結する金属製の車体強度部材が設けられている。この車体強度部材は、クロスカービームまたはステアリングサポートメンバなどと呼ばれるものである。
即ち、主に、図1に示すように、この車体強度部材21は、ほぼ車幅方向22へ延びる車体強度部材本体23を主に備えている。
この車体強度部材本体23は、必要とされる強度の違いにより、一側(この場合には運転席側)が(相対的に)太くなり、他側(この場合には助手席側)が(相対的に)細くなるように構成される。即ち、一側に大型断面部24(大径部)を有し、他側に小型断面部25(小径部)を有するものとされる。この場合、大型断面部24と小型断面部25との大きさは、相対的なものである。
なお、大型断面部24と小型断面部25との間に、両者の径の違いを吸収してなだらかに連続させ得るようにするための、短いテーパ状部26などを有するようにしても良い。この短いテーパ状部26は、大型断面部24と小型断面部25との境界部分に応力集中が生じるのを防止するものなどとして機能することになる。
そして、この車体強度部材本体23に対して、車体部分または部品等を取付可能な車体部品等取付部31が備えられる。
このような車体部品等取付部31として、例えば、車体強度部材本体23の両端部には、車体強度部材本体23を、図示しない左右の車体パネル(車体部分)に取付けるためのサイドブラケット32が設けられる。
また、車体部品等取付部31として、車体強度部材本体23の中間部には、車体強度部材本体23を、図示しない車室の床部(車体部分)に支持させるためのステーブラケット33が設けられる。
そして、車体部品等取付部31として、車体強度部材本体23の運転席側の前部には、車体強度部材本体23を、図示しない車室の前壁(車体部分)に取付けるためのポストブラケット36が設けられる。
これらの他にも、車体強度部材本体23には、車体部や部品等を取付可能な各種の車体部品等取付部31が多数備えられることになる。
なお、左右の車体パネル、車室の床部、車室の前壁については、良く知られた構成のものであれば良い。
そして、以上のような基本構成に対し、この実施例のものでは、以下のような構成を備えている。
(1)図2に示すように、小型断面部25と同じかそれよりも断面の若干小さな細管部材41を設ける。また、図3に示すように、この細管部材41を挿通配置可能な挿通穴部42を(内部に)有する外嵌部材43を設ける。そして、図2に示すように、細管部材41を、外嵌部材43の挿通穴部42へ挿通配置した状態で、細管部材41に拡管加工を施して、細管部材41に、図4に示すような、大型断面部24と小型断面部25とを形成する。これにより、細管部材41を、溶接による接合部分を有さない連続した一本物の車体強度部材本体23とすると共に、図5に示すように、拡管加工によって、細管部材41(車体強度部材本体23)と外嵌部材43とを圧着固定させることにより、外嵌部材43を車体部品等取付部31として使用し得るようにする。
ここで、細管部材41には、拡管加工を行い得るようにするために、アルミや鉄鋼などの材質のパイプを使用するのが好ましい。細管部材41は、丸パイプなどとするのが標準的であるものと考えられる。但し、細管部材41は、丸以外の断面のパイプ(例えば、角パイプなど)とすることもできる。
挿通穴部42は、細管部材41を遊嵌状態または摺接状態で挿通配置可能な大きさのものとする。且つ、好ましくは、挿通穴部42は、拡管加工後の大型断面部24または小型断面部25の外径と等しい内径を有するものとする。ここでは、挿通穴部42は、大型断面部24の外径と等しい内径を有するものとされている。挿通穴部42は、丸穴とするのが標準的であるものと考えられる。但し、挿通穴部42は、丸穴以外の孔形状とすることもできる。
大型断面部24と小型断面部25との間には、上記したように、両者の径の違いを吸収してなだらかに連続させ得るようにするための、短いテーパ状部26などを形成するようにしても良い。
拡管加工は、例えば、図2に示すような、成形装置45を用いる。この成形装置45は、液圧または気圧を利用して拡管加工を行う、いわゆるバルジ工法によるものなどとされている。
この場合、この成形装置45は、4つに分割された型部材46〜49を備えている。このうち、型部材46は、細管部材41を、主に大型断面部24の大きさに拡管加工可能な型空間51を有している。また、型部材47は、外嵌部材43をセット(インサート)可能な型空間52を有して、細管部材41を、挿通穴部42の大きさに拡管加工可能なものとされている。型部材48は、細管部材41を、主に小型断面部25の大きさに拡管加工可能な型空間53を有している。これらの型空間51〜53は、軸心を合わせた状態で連続配置され得るように構成されている。なお、型部材47については、セットされた外嵌部材43の挿通穴部42を基準としている。
さらに、型部材49は、端部に位置する型空間51または型空間53のうちの一方(この場合には、大型断面部24の側の型空間51となっている)を閉塞し得るものとされている。
なお、上記した短いテーパ状部26を形成するために、型空間51には、対応するテーパ面状のテーパ状部54が形成されている。また、型空間51や型空間53などに対し、部分的な形状変化部55などを設けるようにすることもできる。この場合には、例示として、型空間51内の外寄りの部分に、大型断面部24よりも更に大きくなるように拡管加工可能な形状変化部55が設けられている。
更に、必要に応じて、車体強度部材本体23と外嵌部材43との間に、廻止手段56を設けるようにすることができる。廻止手段56としては、外嵌部材43における挿通穴部42の内部に廻止ピン57などの突起物を突設しておき、拡管加工によって、車体強度部材本体23にこの突起物(廻止ピン57)を包み込ませるようにすることによって得ることができる。また、廻止手段56として、車体強度部材本体23および廻止手段56を丸以外の断面形状、例えば、楕円形や矩形状や角型の断面などとしても良い。この場合、細管部材41と車体強度部材本体23とは、拡管加工の前後で断面形状が同じとなるようにしても、断面形状が変化されるようにしても良い。
(2)上記において、外嵌部材43を、図1に示すように、大型断面部24に配置固定することにより、部品等として、少なくともステアリングコラムを取付可能なコラム取付部材61とする。
この場合、ステアリングコラムは、特に図示していないが、良く知られた構造のものであれば良い。そして、外嵌部材43に対し、取付点として、ステアリングコラムをボルト締結可能なボルト穴61aを形成することによって、外嵌部材43をコラム取付部材61とすることができる。
なお、ステアリングコラムは、通常、前後2箇所の取付点で固定するようにしているが、この場合には、少なくとも、後側の取付点(ボルト穴61a)を備えるものとする。ボルト穴61aは、図面の都合上、概略の位置のみ示すようにしている。
(3)上記において、コラム取付部材61を、大型断面部24の中央部から小型断面部25との境界部分へ向けて(車幅方向22に)延設することにより、ステアリングコラムと共に、部品等としてステーブラケット33を取付可能な共通取付部材62を構成する。
この場合、コラム取付部材61の小型断面部25との境界部分へ向けて延設された部分に対し、取付点として、ステーブラケット33をボルト締結可能なボルト穴62aを形成することによって、コラム取付部材61を共通取付部材62とすることができる。なお、図6の従来の場合には、ステーブラケット13は、車体強度部材本体3に溶接固定されるようにしている(一体化部品)が、この場合には、ステーブラケット33は、車体強度部材本体23にボルト固定されるものとしている(別体化部品)。また、ボルト穴62aは、図面の都合上、概略の位置のみ示すようにしている。
(4)上記において、外嵌部材43を、ほぼ車幅方向22へ延びる筒状部材63とする。
ここで、外嵌部材43は、筒状部材63として形成し易いように、押出成形品やダイキャスト成形品などで構成するのが好ましい。この場合、外嵌部材43の材質は、軽量で高い強度が得られる、アルミやマグネシウムなどの軽金属、または、アルミ合金やマグネシウム合金などの軽合金製のものなどとする。
なお、押出成形品とした場合、筒状部材63は、長手方向の各部が均一断面を有するものとされる。これに対し、ダイキャスト成形品とした場合、筒状部材63は、長手方向の各部の断面が均一にならないようにすることが可能である。この場合には、押出成形品の例とされている。
そして、この場合、筒状部材63は、図3に示すように、挿通穴部42を有する内筒部64と、この内筒部64の周囲を包囲して外殻部分を構成する外筒部65とを一体に有する多重筒66として構成されている。この場合、外筒部65は、車両前後方向を基準として、その前側に、ほぼ上下左右に向いたほぼ垂直な前面部65aを有し、その下側に、ほぼ前後左右に向いたほぼ水平な下面部65bを有し、その上側に、後方へ向けてほぼ下り勾配となる傾斜した上面部65cを有する、側面視ほぼ三角断面形状を呈している。
さらに詳しくは、外筒部65の下面部65bは、その後側部分に、後方へ向けて上がり勾配となる傾斜部65dを有している。この傾斜部65dは、上記したステアリングコラムの取付けに対応した角度などとなるように構成されている。よって、上記したボルト穴61aおよびボルト穴62aは、この傾斜部65dの位置に設けられることになる。この傾斜部65dは、ボルト穴61aおよびボルト穴62aを形成するために、その他の部分よりも若干厚肉に構成されている。筒状部材63を押出成形品とした場合には、この厚肉の部分は、長手方向に連続されたものとなる。
また、外筒部65の上面部65cは、前側から順に、緩傾斜部65eと、急傾斜部65fと、緩傾斜部65gとの、傾斜の異なる3つの部分を有している。これら3つの緩傾斜部65eと、急傾斜部65fと、緩傾斜部65gとにより、上面部65cの上方に、図示しない計器装置などを設置するためのスペースを確保可能な逃げ形状部が構成されている。なお、前後に位置する緩傾斜部65eと緩傾斜部65gとの傾斜角度は、必ずしも同じである必要はない。
更に、外筒部65と内筒部64とは、前面部65aの上下方向中央部と、下面部65bの前部と、上面部65cの前部(緩傾斜部65eと、急傾斜部65fとの境界部分)との、3箇所(複数箇所)の位置で接することにより、内部に、3つ(複数)の閉断面部67〜69を有する多連筒71とされている。
そして、比較的大きい後側の閉断面部69は、より強度が高くなるように、仕切壁72によって、複数(前後)の閉断面部73,74に仕切られている。この仕切壁72は、急傾斜部65fと、緩傾斜部65gとの境界部分の位置に設けられている。
なお、車体強度部材本体23の他の部分に対し、上記以外の外嵌部材43を1個以上外嵌固定することにより、車体部品等取付部31とすることも可能である。
<作用>次に、この実施例の作用について説明する。
図1に示すような、車体強度部材21を作成する場合、先ず、図2に示すように、型部材47の型空間52に、図3の外嵌部材43をセット(インサート)する。そして、4つに分割された型部材46〜49を、型空間51〜53の軸心が合うように所定の位置に組合せる。更に、型空間51〜53に、細管部材41をセットすると共に、細管部材41を外嵌部材43の挿通穴部42へ挿入配置する。最後に、細管部材41の内部に、液圧または気圧を作用させるようにする。なお、この手順については、若干前後しても良い。
以上により、細管部材41は、拡管加工されて、図4に示すような、一側に大型断面部24を有し、他側に小型断面部25を有すると共に、溶接による接合部分を有さない連続した一本物の車体強度部材本体23とされる。なお、大型断面部24および小型断面部25の肉厚は、作用させる液圧または気圧の大きさによって、或る程度自由に設定、調整することができる。
この時、同時に、拡管加工によって、図5に示すように、細管部材41と外嵌部材43とが圧着固定されることにより、外嵌部材43が車体部品等取付部31として使用し得るものとなる。なお、細管部材41と外嵌部材43とは、材質が異なっていても、強い圧着固定状態を得ることができる。また、必要に応じて、細管部材41と外嵌部材43との間に、上記したような廻止手段56を設けて、廻止手段56に廻止めを行わせるようにすることもできる。
このようにして形成された車体強度部材本体23に対し、図1に示すように、例えば、その両端部に、車体強度部材本体23を左右の車体パネル(車体部分)に取付けるためのサイドブラケット32を設け、その中間部の外嵌部材43に、車体強度部材本体23を車室の床部(車体部分)に支持させるためのステーブラケット33を設け、その運転席側の前部の外嵌部材43に、車体強度部材本体23を車室の前壁(車体部分)に取付けるためのポストブラケット36を設けるなどする。以上により、車体強度部材21が構成される。
この実施例によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
(1)ほぼ車幅方向22へ延びる車体強度部材本体23と、この車体強度部材本体23に対して車体部や部品等を取付可能な車体部品等取付部31とを備え、車体強度部材本体23が、一側に大型断面部24(大径部)を有すると共に、他側に小型断面部25(小径部)を有する車体強度部材部構造において、小型断面部25と同じかそれよりも断面の若干小さな細管部材41と、この細管部材41を挿通配置可能(遊嵌状態または摺接状態で挿通配置可能)な挿通穴部42を有する外嵌部材43とを設け、細管部材41を、外嵌部材43の挿通穴部42へ挿通配置した状態で、細管部材41に拡管加工を施して、細管部材41に、大型断面部24と小型断面部25とを形成することにより、細管部材41を、溶接による接合部分を有さない連続した一本物の車体強度部材本体23とすると共に、拡管加工によって、細管部材41と外嵌部材43とを圧着固定させることにより、外嵌部材43を車体部品等取付部31としたことによって、以下のような作用効果を得ることができる。
即ち、溶接による接合部分を有さない連続した一本物の車体強度部材本体23を備えたことにより、溶接による精度低下がなくなるので、車体強度部材本体23のインストルメントパネルに対する建付精度を確保、向上することができる。また、連続した一本物の車体強度部材本体23は、拡管加工による大型断面部24と小型断面部25とを有しているので、各部の強度の適正化と、軽量化と同時に得ることが可能となる。そして、車体強度部材本体23に対し、拡管加工によって外嵌部材43を圧着固定させることにより、溶接による精度低下のない状態で、車体部や部品等を取付けることが可能となる。以上により、強度の適正化および軽量化と、精度向上とを両立させることが可能となる。
(2)上記において、外嵌部材43を、大型断面部24に配置固定することにより、部品等として、少なくともステアリングコラムを取付可能なコラム取付部材61としたことによって、以下のような作用効果を得ることができる。
即ち、外嵌部材43をコラム取付部材61として使用することにより、車体強度部材本体23に対して、溶接による取付精度の低下を生じることなく、ステアリングコラムを取付けることが可能となる。また、外嵌部材43を、大径部に配置固定することにより、ステアリングコラムの支持に必要な強度を確保することができる。
(3)上記において、コラム取付部材61を、大型断面部24の中央部から小型断面部25との境界部分へ向けて延設することにより、ステアリングコラムと共に、部品等としてステーブラケット33を取付可能な共通取付部材62としたことによって、以下のような作用効果を得ることができる。
即ち、コラム取付部材61を共通取付部材62としたことにより、ステアリングコラムとステーブラケット33とを、同じ外嵌部材43に対して同時に取付けることが可能となる。これにより、外嵌部材43を介して、ステアリングコラムとステーブラケット33とを連携させることが可能となり、即ち、ステアリングコラムへの入力を、車体強度部材本体23を(ほとんど)介することなく、外嵌部材43とステーブラケット33とを介して、車室の床部へ直接伝達させるようにすることが可能となるので、その分、車体強度部材本体23の強度を落して軽量化を図ることが可能となる。
(4)上記において、外嵌部材43が、ほぼ車幅方向22へ延びる筒状部材63であることによって、以下のような作用効果を得ることができる。
即ち、外嵌部材43を筒状部材63とすることにより、軽量で高強度の外嵌部材43を安価且つ容易に作成することができると共に、車体強度部材本体23に対して、溶接を行うことなく外嵌部材43を容易且つ精度良く設置し、更に、外嵌部材43に対して部品等を容易且つ精度良く取付けることが可能となる。
以上、この発明の実施例を図面により詳述してきたが、実施例はこの発明の例示にしか過ぎないものであるため、この発明は実施例の構成にのみ限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれることは勿論である。また、例えば、各実施例に複数の構成が含まれている場合には、特に記載がなくとも、これらの構成の可能な組合せが含まれることは勿論である。また、複数の実施例や変形例が示されている場合には、特に記載がなくとも、これらに跨がった構成の組合せのうちの可能なものが含まれることは勿論である。また、図面に描かれている構成については、特に記載がなくとも、含まれることは勿論である。更に、「等」の用語がある場合には、同等のものを含むという意味で用いられている。また、「ほぼ」「約」「程度」などの用語がある場合には、常識的に認められる範囲や精度のものを含むという意味で用いられている。
本発明の実施例にかかる車体強度部材部構造の斜視図である。 図1の車体強度部材の製造に用いられる成形装置の断面図である。 図1の外嵌部材の斜視図である。 拡管加工された車体強度部材本体の斜視図である。 外嵌部材が圧着固定された車体強度部材本体の斜視図である。 従来例にかかる車体強度部材部構造の斜視図である。
符号の説明
22 車幅方向
23 車体強度部材本体
24 大型断面部
25 小型断面部
31 車体部品等取付部
33 ステーブラケット
41 細管部材
42 挿通穴部
43 外嵌部材
61 コラム取付部材
62 共通取付部材
63 筒状部材

Claims (4)

  1. ほぼ車幅方向へ延びる車体強度部材本体と、該車体強度部材本体に対して車体部や部品等を取付可能な車体部品等取付部とを備え、
    前記車体強度部材本体が、一側に大型断面部を有すると共に、他側に小型断面部を有する車体強度部材部構造において、
    前記小型断面部と同じかそれよりも断面の若干小さな細管部材と、
    該細管部材を挿通配置可能な挿通穴部を有する外嵌部材とを設け、
    前記細管部材を、前記外嵌部材の挿通穴部へ挿通配置した状態で、前記細管部材に拡管加工を施して、細管部材に、前記大型断面部と小型断面部とを形成することにより、前記細管部材を、溶接による接合部分を有さない連続した一本物の車体強度部材本体とすると共に、前記拡管加工によって、前記細管部材と前記外嵌部材とを圧着固定させることにより、外嵌部材を車体部品等取付部としたことを特徴とする車体強度部材部構造。
  2. 前記外嵌部材を、大型断面部に配置固定することにより、前記部品等として、少なくともステアリングコラムを取付可能なコラム取付部材としたことを特徴とする請求項1記載の車体強度部材部構造。
  3. 前記コラム取付部材を、大型断面部の中央部から小型断面部との境界部分へ向けて延設することにより、前記ステアリングコラムと共に、前記部品等としてステーブラケットを取付可能な共通取付部材としたことを特徴とする請求項2記載の車体強度部材部構造。
  4. 前記外嵌部材が、ほぼ車幅方向へ延びる筒状部材であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の車体強度部材部構造。
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