JP2009274154A - マイクロ構造体の製造方法 - Google Patents

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豊 ▲瀬▼戸本
Yutaka Setomoto
Toshiyuki Ogawa
俊之 小川
Takashi Ushijima
隆志 牛島
Kazunari Fujii
一成 藤井
Takahiro Akiyama
貴弘 秋山
Kazuhiko Kato
和彦 加藤
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Abstract

【課題】共振周波数を調整する際に、質量を除去し又は付加する等の調整工程を省略することができ、歩留まりの向上やコストの削減化を図ることが可能となるマイクロ構造体の製造方法を提供する。
【解決手段】ねじり軸まわりに揺動可能に支持されている可動板に、少なくとも磁性体を含む質量部が固定された揺動部を備え、共振周波数で電磁駆動される構造を有するマイクロ構造体の製造方法であって、
前記揺動部に前記磁性体を含む質量部が固定される以前の段階において、該揺動部に外部から振動を与えることによって共振周波数を測定する共振周波数測定工程と、
前記共振周波数測定工程の後に、前記揺動部に質量部を備えた他の部品を固定するに際し、該共振周波数測定工程での測定結果に基づいて、前記揺動部と前記他の部品との組み合わせによる質量調整によって、前記共振周波数を調整する共振周波数調整工程と、を有する構成とする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、マイクロ構造体の製造方法に関する。特に、ねじり振動自在に可動部が弾性支持されたマイクロ構造体による揺動体装置、該揺動体装置によって構成されるマイクロ光偏向器、マイクロアクチュエーター、マイクロ力学量センサ、等の製造方法に関するものである。
近年、微小電気機械システム(MEMS)技術で作製された様々な微小機能素子が実現されている。
中でも、このような技術によって作製された可動部(マイクロ揺動体)をねじり振動させ、該可動部(マイクロ揺動体)の共振現象を利用したマイクロ構造体による種々のアクチュエータ(マイクロ揺動体装置)が提案されている。
特に、このような可動部(マイクロ揺動体)の上に光偏向素子である反射面を配置し、該可動部(マイクロ揺動体)の共振現象を利用して光走査を行う光偏向器は、従来のポリゴンミラー等の回転多面鏡を使用した光走査光学系に比べ、次のような利点を有している。
すなわち、光偏向器を小型化することが可能であること、半導体プロセスによって製造されるシリコン単結晶からなる光偏向器は理論上金属疲労が無く耐久性にも優れていること、消費電力が少ないこと、等の特徴がある。
しかしながら、一方では、このような共振現象を利用した光偏向器においては、製造過程において生じる寸法誤差等により、個々のアクチュエータ間における固有振動モードの周波数である共振周波数にばらつきを生じる。
従来において、このような共振周波数を調整するため、特許文献1では質量負荷部によってマイクロ構造体の質量を調整するようにしたプレーナ型ガルバノミラーが提案されている。
この方法では、ねじり軸に揺動可能に弾性支持された反射面とコイルを有する可動板の両端に、質量負荷部が形成される。
そして、この可動板に形成された質量負荷部にレーザー光を照射することで、質量を除去し、あるいは樹脂を付加して質量を増加することにより慣性モーメントを調整して周波数を所定の値にする手法が用いられている。
また、特許文献2では、マイクロ構造体の一部に質量を付与することによって、共振周波数を調整するようにしたアクチュエータの共振周波数の調整方法が提案されている。
この方法では、質量部本体を有する駆動部を構成する一対の第1の質量部と、該一対の第1の質量部の間に設けられた質量部本体を有する可動部を構成する第2の質量部を備え、これら質量部本体に質量調整用の物質を付加する付加領域が、予め設定されている。
そして、この付加領域に質量調整用の物質を付加することにより、共振周波数を調整するように構成されている。
特開2002−040355号公報 特開2006−239842号公報
上記した従来例のものにおいては、マイクロ揺動体装置の共振周波数を調整する際に、予め可動板に設けられた質量負荷部を除去したり、あるいは駆動部等を実装した後に質量調整用の物質を付加する方法が採られている。
しかしながら、このようなマイクロ揺動体装置を量産するに際しては、歩留をより一層向上させ、コストを削減する上で、上記従来例のように質量を除去し又は質量を付加する等の調整工程は、省略化できることが望ましい。
そこで、本発明は、共振周波数を調整する際に、質量を除去し又は付加する等の調整工程を省略することができ、歩留まりの向上やコストの削減化を図ることが可能となるマイクロ構造体の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明は、つぎのように構成したマイクロ構造体の製造方法を提供するものである。
本発明のマイクロ構造体の製造方法は、
基板に対し、トーションスプリングによってねじり軸まわりに揺動可能に支持されている可動板に、少なくとも磁性体を含む質量部が固定された揺動部を備え、
前記揺動部をねじり軸まわりに共振周波数で電磁駆動する構造を有するマイクロ構造体の製造方法であって、
前記揺動部に前記磁性体を含む質量部が固定される以前の段階において、該揺動部に外部から振動を与えることによって共振周波数を測定する共振周波数測定工程と、
前記共振周波数測定工程の後に、前記揺動部に質量部を備えた他の部品を固定するに際し、該共振周波数測定工程における測定結果に基づいて、前記揺動部と前記他の部品との組み合わせによる質量調整によって、前記共振周波数を調整する共振周波数調整工程と、
を含むことを特徴とする。
また、本発明のマイクロ構造体の製造方法は、前記共振周波数調整工程での揺動部と該他の部品との組み合わせによる質量の調整が、前記他の部品が有する質量部における質量の大きさを調整することによって行われることを特徴とする。
また、本発明のマイクロ構造体の製造方法は、前記共振周波数調整工程における揺動部と該他の部品との組み合わせによる質量の調整が、前記他の部品における質量部の前記揺動部への固定位置を調整することによって行われることを特徴とする。
また、本発明のマイクロ構造体の製造方法は、前記質量部が、少なくとも2つの質量部からなり、前記揺動部の重心が前記ねじり軸上となるように、前記2つの質量部を前記揺動部に固定することを特徴とする。
また、本発明のマイクロ構造体の製造方法は、前記質量部が、少なくとも2つの質量部からなり、前記揺動部における前記ねじり軸に対称な位置に、前記2つの質量部の重心を固定することを特徴とする。
また、本発明のマイクロ構造体の製造方法は、前記揺動部と組み合わされる前記他の部品が、前記少なくとも磁性体を含む質量部であることを特徴とする。
また、本発明のマイクロ構造体の製造方法は、前記少なくとも磁性体を含む質量部として、予め複数の質量の異なる質量部が準備され、
その中から選択されたものと前記揺動部における可動板との組み合わせによって、前記共振周波数を調整するための質量の調整が行われることを特徴とする。また、本発明のマイクロ構造体の製造方法は、前記質量部が、磁性体と接着剤とを含む質量部であり、前記磁性体の質量と前記接着剤の質量をそれぞれ調整することによって、前記共振周波数を調整するための質量の調整が行われることを特徴とする。
また、本発明のマイクロ構造体の製造方法は、前記磁性体を前記揺動部における可動板と組み合わせて質量を調整するに際し、該磁性体の一部を除去することによって質量を調整することを特徴とする。
また、本発明のマイクロ構造体の製造方法は、前記揺動部における可動板は、一部を除去することにより質量の調整が可能に構成された質量調整用の部位を備え、前記揺動部に他の部品を固定した後に該揺動部の共振周波数を測定し、
前記測定した結果に基づいて、前記質量調整用の部位による質量の調整により、前記共振周波数を調整することを特徴とする。
また、本発明のマイクロ構造体の製造方法は、前記揺動部に他の部品を固定した後に該揺動部の共振周波数を測定し、
前記測定した結果に基づいて、前記揺動部に質量調整用の物質を付加することにより、前記共振周波数を調整することを特徴とする。
本発明によれば、共振周波数を調整する際に、質量を除去し又は付加する等の調整工程を省略することができ、歩留まりの向上やコストの削減化を図ることが可能となるマイクロ構造体の製造方法を実現することができる。
上記構成によれば、ねじり軸まわりに揺動可能に支持されている可動板に、磁性体を含む質量部が固定され、これらによって構成された揺動部を備え、電磁駆動されるマイクロ構造体の製造方法において、共振周波数の調整工程を省力化することができる。それは、本発明者らのつぎのような知見に基づくものである。共振周波数は前記可動板の質量と前記トーションスプリングの質量と可動板を駆動するための磁性体を含む質量部の質量とその固定位置から求められる慣性モーメントに依存する。
製造した前記マイクロ構造体1の共振周波数が設計値と異なる主な原因は、加工誤差によって前記可動板の質量と前記トーションスプリングの質量と前記質量部の質量が設計値に対して過不足が発生することによる。
加工誤差が発生するのは、バルクマイクロマシニングによる可動板3とトーションスプリング4の作製工程と、質量部の作製工程である。
前記質量部を固定していない状態での前記マイクロ構造体1の共振周波数を測定すれば、前記可動板と前記トーションスプリング4の作製が終わった時点での、共振周波数を所定の値にするための、過不足している慣性モーメントが求められる。
したがって、前記可動板と前記トーションスプリングを作製する際に発生した慣性モーメントの過不足は、前記質量部の質量もしくは固定位置で調整すればよい。本発明はこのような知見に基づくものである。
具体的には、前記揺動部に前記磁性体を含む質量部が固定される以前の段階において、該揺動部に外部から振動を与えることによって共振周波数を測定する。そして、このような共振周波数測定の後に、前記揺動部に質量部を備えた他の部品を固定するに際し、該共振周波数測定での測定結果に基づいて、前記揺動部と前記他の部品との組み合わせによる質量調整によって、共振周波数調整をする。例えば、所定よりも高い前記共振周波数が測定された場合は、前記マイクロ構造体と前記トーションスプリングの質量が設計値よりも不足しているので、所定よりも質量の大きい質量部を固定することにより調整することができる。若しくは質量部を揺動運動の揺動軸から離して固定することにより調整することができる。
また、所定よりも低いねじりモードの共振周波数が測定された場合は、質量が設計値よりも過剰であるので、所定よりも質量の小さい質量部を固定することにより調整することができる。若しくは、質量部を揺動運動の揺動軸から近づけて固定することにより調整することができる。
その際、前記質量部の質量の調整は、前記他の部品が前記磁性体を含む質量部である場合には、該磁性体の質量を調整すればよい。
この質量部の質量を調整する手法として、前記磁性体の一部を加工して質量を調整してから前記可動板に固定手法を用いることができる。
また、あらかじめ質量の異なる複数の前記磁性体5を準備しておき、適した質量をもつ前記磁性体を選択して前記可動板3に固定する手法を用いることができる。
あるいは、前記磁性体の揺動部の可動板への固定位置を調整することによって、前記共振周波数を調整することができる。
その際、前記磁性体として2つの磁性体を用い、その一方を前記可動板の表面に、他方をその裏面に、前記可動板の重心が前記ねじり軸上となるように、前記2つの前記磁性体を前記可動部に固定する。
あるいは、前記可動板における前記ねじり軸に対称な位置に、前記磁性体の重心を固定する。
また、前記磁性体を加工する際にも、その加工誤差によって所定の質量に対して質量の過不足が発生する可能性がある。
その場合は、前記磁性体を固定する手法に、接着剤を用いて、前記接着剤の塗布量を調整することで、前記磁性体の誤差による質量の過不足を補うことができる。
質量を調整した質量部を固定する工程後に、共振周波数を再測定し、所定の値に近いか確認してもよい。
前記可動板は質量調整用の部位を持つように構成してもよい。
質量部を可動板に固定した後に、可動板がもつ質量調整用の部位の一部を除去し、共振周波数を再調整するようにしてもよい。
質量部9を可動板に固定した後に、質量調整用の物質を付加して、共振周波数を再調整するようにしてもよい。
質量調整用の物質は金属、シリコン、接着剤、磁性体のどれかであってもよい。以上のように、質量部を可動板に固定する工程後に再測定し、その再測定した結果に基づいて共振周波数を再調整することにより、高精度に共振周波数を調整することが可能となる。
以下に、本発明の実施例について説明する。
[実施例1]
実施例1においては、本発明のマイクロ構造体及びその製造方法を適用して構成した揺動体装置及びその製造方法について説明する。
図1に、本実施例における揺動体装置の構成例を説明する斜視図を示す。
図2は、図1で示した100−100部の断面図である。
図1及び図2において、1は揺動体装置、2は基板、3は可動板、4はトーションスプリング、5は磁性体、6は反射膜、7は接着剤、8はコイル、9は質量部である。
本実施例の揺動体装置1は、基板2と、少なくとも一つ以上の可動板3と、前記可動板3を前記基板2に対して弾性的に揺動可能に支持する一本以上のトーションスプリング4と、質量部9と、前記磁性体5に駆動力を与えるコイル8と、を有している。また、可動板3に反射膜6を形成し、マイクロ光偏向器を構成するようにしてもよい。
ここで、質量部9は少なくとも磁性体5を含む構成を備えている。
また、可動板3には質量調整用の部位が構成されていてもよい。
前記可動板3は、前記基板2に対して、トーションスプリング4によって該トーションスプリングのねじり軸まわりに揺動可能に支持されている。
前記可動板3と前記トーションスプリング4と前記基板2の材料は、高い疲労限度をもつ、単結晶シリコンで形成されることが望ましい。
つぎに、本実施例における揺動体装置の製造方法について説明する。
図3に、本実施例における揺動体装置の作製工程を説明する作業フロー図を示す。
まず、図3に示す、可動板とトーションスプリングの作製工程において、前記基板2と前記可動板3と、前記トーションスプリング4は一枚の板状材料から、バルクマイクロマシニング技術によって作製される。
次に、図3に示す、反射膜の堆積工程において、少なくとも前記可動板3の片面の一部に、反射率の高い金属膜を反射膜6として堆積させる。
前記反射膜6は、前記トーションスプリング4と前記基板2に堆積していてもよい。
次に、図3で示す、外部入力による可動板とトーションスプリングの振動、及び共振周波数測定工程において、前記したトーションスプリングによってねじり軸まわりに揺動可能に支持されている可動板を備えたマイクロ構造体1の共振周波数を測定する。
すなわち、前記質量部9を前記可動板3に固定する工程以前に、外部から入力を与えることにより、前記可動板3を備えたマイクロ構造体1がねじりモードで運動する際の、共振周波数を測定する。
外部から前記マイクロ構造体1に入力を行う方法として、例えば、スピーカーなどによって発生させた音波を前記可動板3に照射する方法等を用いることができる。
共振周波数の測定は、レーザー光などによって、前記可動板3の変位を測定すればよい。
前記質量部9を前記可動板3に固定する工程以前に、前記可動板3の共振周波数を測定することで、前記基板2と前記可動板3と前記トーションスプリング4を作製する際の加工誤差による共振周波数の、設計値との差を求められる。
次に、図3で示す、質量部の質量調整工程において、つぎのように質量の調整をすることで、前記可動板3を備えたマイクロ構造体1の共振周波数を調整することができる。
前記質量部9を固定する前の前記マイクロ構造体1が、所定よりも高い前記共振周波数を持つ場合は、前記可動板3と前記トーションスプリング4の質量が設計値よりも不足している。
前記質量部9を固定する前の前記マイクロ構造体1が、所定よりも低い共振周波数を持つ場合は、前記可動板3と前記トーションスプリング4の質量が設計値よりも過剰である。
前記質量部9を固定する前の前記マイクロ構造体1が、所定の値に近いねじりモードの共振周波数を持つ場合は、質量部の質量を調整しなくてもよい。
前記質量部9を固定していない状態での前記マイクロ構造体1の質量の過不足を、前記質量部9の質量で調整すればよい。
前記磁性体5の質量調整方法として、前記磁性体5の一部を除去して所定の質量をもつ前記磁性体5を作製する。
スポット径が小さく、一度の加工による除去量が小さな、レーザー加工機を用いてもよい。若しくは、質量の異なる数種類の前記磁性体5をあらかじめ用意しておいてもよい。
予め用意した質量の異なる数種類の前記磁性体5を用いることで、前記マイクロ構造体1の共振周波数を所定の範囲内に収めることができる。
次に、質量部の固定工程において、前記磁性体5を固定する。
前記磁性体5の固定手段には前記接着剤7を用いても良い。
前記接着剤7を用いて前記磁性体5を固定する場合は、前記磁性体5の質量と前記接着剤7の塗布質量の両方をそれぞれ所定の質量に調整してもよい。
前記接着剤7の塗布には微量の塗布が可能であるノズルを用いてもよい。
前記磁性体5は、前記可動板3の両面若しくは片面に一つ以上を固定する。
前記基板2の前記反射膜6が堆積している面に、前記磁性体5を固定する場合は、前記磁性体5を前記反射膜6の上に固定してもよい。
図3で示す、外部入力による可動板とトーションスプリングの振動、共振周波数測定、質量部の質量調整、質量部の固定、の工程は必要に応じて繰り返して行ってもよい。
次に、図3で示す、コイルの設置工程において、可動板3と距離をあけた位置に、コイル8を設置する。
コイルを設置する工程は図3で示す他の工程と前後してもよい。
前記コイル8は図示しない電源に接続されており、周期的な電圧を印加できる構成となっている。
周期的な電圧の印加により発生した磁界によって、前記磁性体5を含む前記質量部9に駆動力が加わり、前記トーションスプリング4の軸方向を中心として前記マイクロ構造体1の前記可動板3は揺動運動を行う。
前記コイル8に印加する周期的な電圧の周波数は、前記マイクロ構造体1の可動板3が揺動運動する共振周波数である。
次に、図3で示す、共振周波数の再測定工程において、質量部を可動板に固定した後に、共振周波数を再測定し、所定の共振周波数になっていることを確認する。
次に、図3で示す、共振周波数の再調整工程において、共振周波数の再測定後、再び共振周波数の調整をする。
可動板3に設けた質量調整部もしくはマイクロ構造体の一部を除去して質量を減少させてもよいし、別の物質を付加して質量を増大させてもよい。
共振周波数を再調整する工程により、共振周波数を高精度に調整することが可能である。
なお、以上の説明では、本発明のマイクロ構造体及びその製造方法を、揺動体装置及びその製造方法に適用した構成例あるいはマイクロ光偏向器について説明したが、本発明はこれらに限られるもまではない。
これら以外にも、マイクロアクチュエーター、マイクロ力学量センサや、これらの製造方法、等にも適用することができる。
[実施例2]
実施例2においては、本発明のマイクロ構造体及びその製造方法を適用して構成した揺動体装置及びその製造方法について説明する。
図4に、本実施例における揺動体装置の構成例を説明する模式図を示す。
図4において、1000は揺動体装置、110は揺動部、101は可動板、105は質量部、102はトーションスプリング、103は固定部ある。
本実施例の揺動体装置において、揺動部110はトーションスプリング102により固定部103に支持されている。
トーションスプリング102は、揺動部110をA軸中心に弾性的に、ねじり振動自在に支持している。
図5は図4のB−B断面、図6は図4のC−C断面を示す。
可動板101は、厚さ300μm、ねじり軸Aの方向の長さが1mm、幅が3mmとされている。
揺動部110は可動板101と可動板の両面に固定された磁性体を含む質量部105aおよび105bとからなる。
質量部105aおよび105bは直径150μm、長さ2mmとされている。
揺動体装置1000は、ねじり軸Aまわりにねじり振動の固有振動モードを有する。
その周波数fは、つぎの(式1)で表される。

f=1/(2・π)・√(2・K/I) (式1)

ここで、Kはトーションスプリング102のねじり軸Aまわりのねじりバネ定数、Iは揺動部110のねじり軸Aまわりの慣性モーメントを示している。
また、質量部105は磁性体を含み、図の長軸方向に着磁されている。そして、図示しない電磁コイルにより、交流磁界を印加し、トルクを発生することができる。
交流磁界の周波数を固有振動モードの周波数f付近とすることにより、共振現象を利用した揺動を行うことが可能となる。
つぎに、本実施例における揺動体装置の製造方法について説明する。
本実施例においては、以上のような揺動体装置を製造するに際し、以下に示す方法により、慣性モーメントを調整することで、固有振動モードの周波数を高精度に調整可能な揺動体装置の製造方法を実現することができる。
まず、実施例1と同様の方法を用い、外部入力による質量部を取り付ける前の可動板とトーションスプリングと固定部のみからなる振動系の共振周波数を、音波などの外部からの振動を加えることにより測定する。
測定された共振周波数と見込みの共振周波数との差から、質量部の固定位置を算出する。質量部の揺動軸回りの慣性モーメントImagは、つぎの式2に示すように算出される。
Figure 2009274154
ここで、Igは質量部の重心における長手方向に直行する軸回りの慣性モーメント、mは質量部の質量、lは図6に示す様に質量部の重心と揺動軸との距離である。
式2に示されるように、質量部の重心と揺動軸との距離lを大きくすると慣性モーメントは大きくなり、小さくすると慣性モーメントは小さくなる。
したがって、測定された共振周波数と見込みの共振周波数より高い場合は、質量部の重心を揺動軸と離して固定することで、固定後の共振周波数を補正する。
また、測定された共振周波数と見込みの共振周波数より低い場合は、質量部の重心を揺動軸と近づけて固定することで、固定後の共振周波数を補正する。
この様に、質量部の位置を調整することで、揺動体装置の共振周波数を調整することが可能である。
本発明の実施例1における揺動体装置の構成例を説明する斜視図。 図1の100−100部を示す断面図。 本発明の実施例1における揺動体装置の作製工程を説明する作業フロー図。 本発明の実施例2における揺動体装置の構成例を説明する模式図。 本発明の実施例2における揺動体装置を説明するための図4のB−B部を示す断面図。 本発明の実施例2における揺動体装置を説明するための図4のC−C部を示す断面図
符号の説明
1:マイクロ構造体(揺動体装置)
2:基板
3、101:可動板
4、102:トーションスプリング
5:磁性体
6:反射膜
7:接着剤
8:コイル
9、105a、105b:質量部
100:断面図の位置を示す指示線
103:固定部
1000:揺動体装置

Claims (11)

  1. 基板に対し、トーションスプリングによってねじり軸まわりに揺動可能に支持されている可動板に、少なくとも磁性体を含む質量部が固定された揺動部を備え、
    前記揺動部をねじり軸まわりに共振周波数で電磁駆動する構造を有するマイクロ構造体の製造方法であって、
    前記揺動部に前記磁性体を含む質量部が固定される以前の段階において、該揺動部に外部から振動を与えることによって共振周波数を測定する共振周波数測定工程と、
    前記共振周波数測定工程の後に、前記揺動部に質量部を備えた他の部品を固定するに際し、該共振周波数測定工程における測定結果に基づいて、前記揺動部と前記他の部品との組み合わせによる質量調整によって、前記共振周波数を調整する共振周波数調整工程と、
    を含むことを特徴とするマイクロ構造体の製造方法。
  2. 前記共振周波数調整工程における前記質量の調整が、前記他の部品が有する質量部における質量の大きさを調整することによって行われることを特徴とする請求項1に記載のマイクロ構造体の製造方法。
  3. 前記共振周波数調整工程が、揺動部と該他の部品との組み合わせによる質量の調整と、前記他の部品における質量部の前記揺動部への固定位置の調整と、を含むことを特徴とする請求項1に記載のマイクロ構造体の製造方法。
  4. 前記質量部は、少なくとも2つの質量部からなり、前記揺動部の重心が前記ねじり軸上となるように、前記2つの質量部を前記揺動部に固定することを特徴とする請求項3に記載のマイクロ構造体の製造方法。
  5. 前記質量部は、少なくとも2つの質量部からなり、前記揺動部における前記ねじり軸に対称な位置に、前記2つの質量部の重心を固定することを特徴とする請求項3に記載のマイクロ構造体の製造方法。
  6. 前記揺動部と組み合わされる前記他の部品が、前記少なくとも磁性体を含む質量部であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のマイクロ構造体の製造方法。
  7. 前記質量部が、複数の質量の異なる質量部であり、その中から選択された質量部と前記揺動部における可動板との組み合わせによって前記共振周波数を調整するための質量の調整を行うことを特徴とする請求項6に記載のマイクロ構造体の製造方法。
  8. 前記質量部が、磁性体と接着剤とを含む質量部であり、前記磁性体の質量と前記接着剤の質量をそれぞれ調整することによって、前記共振周波数を調整するための質量の調整を行うことを特徴とする請求項6に記載のマイクロ構造体の製造方法。
  9. 前記磁性体の一部を除去することによって質量を調整することを特徴とする請求項6に記載のマイクロ構造体の製造方法。
  10. 前記可動板は、当該可動板の一部を除去することにより質量の調整が可能に構成された質量調整用の部位を備え、前記揺動部に他の部品を固定した後に該揺動部の共振周波数を測定し、
    前記測定した結果に基づいて、前記質量調整用の部位による質量の調整により、前記共振周波数を調整することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のマイクロ構造体の製造方法。
  11. 前記揺動部に他の部品を固定した後に該揺動部の共振周波数を測定し、
    前記測定した結果に基づいて、前記揺動部に質量調整用の物質を付加することにより、前記共振周波数を調整することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のマイクロ構造体の製造方法。
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