JP2009273306A - サーボ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】サーボ装置で駆動される模型飛行機の引込み脚を、停止位置に保持電流を消費せずに維持できるようにする。
【解決手段】サーボ装置10は、出力軸の目標位置信号と、サーボモータ16から得られる出力軸の現在位置信号等との誤差を増幅手段21で増幅し、PWM 波形としてモータに与え、誤差が小さくなる方向にモータを駆動する。不感帯設定手段23は、誤差がフィードバック制御によって修正すべき大きさか否かを判断する基準値を設定する。モータ停止と判断された場合、不感帯は通常の0.4 °から10°に変更される。モータが停止すると外力が加わってもサーボ装置には停止位置で外力に対する保持電流は流れず、電力の無駄な消費が抑えられる。
【選択図】図5

Description

本発明は、モータを用いて被制御対象を所望の位置に設定するために、入力パルスの幅によって与えられる目標位置と、フィードバックされた現在位置との誤差が小さくなるように前記モータを制御するサーボ装置に係り、特に、被制御対象の移動可能範囲の変更調整が容易であり、また被制御対象が停止した位置を保持電流を消費することなく維持できるようにしたサーボ装置に関するものである。
ラジコン操縦の模型飛行機においては、エルロン等の舵を動作させるためにサーボ装置が用いられている。一般にサーボ装置は、モータと、モータを駆動制御するフィードバック機能を有する制御回路と、モータの駆動軸に減速機構を介して連動連結された出力軸と、これらを一体に収納するケースとから構成されており、その出力軸には最終的な被制御対象である模型飛行機等の部品(例えばエルロン等の舵)が連結されている。
サーボ装置は、基準となる所定幅の基準パルスよりも幅が大きい入力パルス又は小さい入力パルスが選択的に与えられ、両パルスの幅の差によって定められる所定方向の目標位置に被制御対象である出力軸が駆動されて位置決めされることにより、出力軸に連動する最終的な被制御対象を移動させて位置設定するものであり、出力軸に連動するポテンショメータからは、直接の被制御対象である出力軸の現在位置に関する情報がフィードバックされており、これによって被制御対象たる出力軸の現在位置と目標位置との誤差が小さくなるようにモータを制御している。
このような従来の通常のサーボ装置によれば、必要なパルス幅の入力パルスをサーボ装置に与えることにより、モータに駆動された被制御対象である出力軸が所望の位置に設定されても、出力軸を当該位置から移動させようとする外力が加われば、出力軸の現在位置を示すポテンショメータからのフィードバック信号にもずれが生じ、入力パルスとの比較結果に誤差が生じるため、当該誤差分に相当するだけの電力がモータに与えられて出力軸を前記当該位置に保持しようとする保持力が生じる。
前記ラジコン操縦の模型飛行機においては、離着陸時に使用する車輪を飛行中は機体内に格納しておく引込み脚機構が採用されることがある。引込み脚機構は、模型飛行機における前述したエルロン等の舵と同様、サーボ装置によって動作されるが、引込み脚機構のサーボ装置の動作態様は、舵の制御に用いられる前述した通常のサーボ装置のそれとはやや異なるのが普通である。
すなわち、舵の場合は操縦のためであるから、エルロン等の最終的な被制御対象の回動角度を調整して随時所望の角度に設定する必要があるため、前述したようなフィードバック制御のサーボ装置によって所定の調整角度範囲内で所望の位置(角度)に自由に設定できるようにする必要がある。これに対し、引込み脚機構の場合は、使用位置と格納位置の間で停止させる必要がなく、両位置の間は移動させるだけでよい。
このような動作態様の引込み脚機構を駆動するサーボ装置には、比較的大きい動作角度(通常は±60°〜80°程度)が求められる。また、脚の引込み位置と格納位置では、脚が機構的にロックされる構成とされていることが普通であることから、これら両位置では通常のサーボ装置において停止状態にある出力軸に働く保持トルクを必要としないので、通常のサーボ装置とは異なり停止位置では電力を消費する保持トルクが発生しないようにした引込み脚専用のサーボ装置が用いられている。
図7は、このような引込み脚専用のサーボ装置の構成を示す回路図である。送信機のスイッチ操作に従って、受信機では例えば1020μs又は2020μsのパルスが14.5msの周期で発生し、これが入力パルスとしてサーボ装置に与えられる。この入力パルスと、サーボ装置のパルス発生器100が出力する1520μsの基準パルスとが比較されて誤差パルスが生成され、さらにこの誤差パルスが誤差パルス増幅器101によってパルス幅を100倍に拡大されることにより入力パルスと周期が等しいPWM波形が生成され、これがモータドライブ回路102を介してモータ103を誤差パルスの極性で定められる時計回り方向(CW)又は反時計回り方向(CCW)のいずれかに回転する。
詳細な構造は図示しないが、モータ103の回転軸に連動するサーボ装置の出力軸は、±80°の回動範囲の両端位置に接点をそれぞれ有する回転スイッチ104を減速ギア105を介して回動するように構成されており、回転スイッチ104の両接点106、107は、誤差パルス増幅器101とモータドライブ回路102を接続する駆動方向の異なる2つの回路(CW,CCW)をそれぞれ開閉できるように構成されている。
以上の構成において、送信機の引込み脚用のスイッチ(ギアスイッチ)を操作すれば、受信機側では当該操作に従って1020μs又は2020μsのパルスが14.5msの周期で発生する。これが入力パルスとしてサーボ装置に与えられると、入力パルスと基準パルスとが比較されて誤差パルスが生成され、これが誤差パルス増幅器101で増幅されてPWM波形となり、これがモータ103を誤差パルスの極性で定められる時計回り方向(CW)又は反時計回り方向(CCW)のいずれかに回転させる。
モータ103が回転スイッチ104を回動していずれかの接点106、107に達すれば、当該回転方向の接点の回路が切断され、その後モータ103は自己の慣性によって先方に空転し、接点位置よりも若干進んだ位置で停止する。従って、モータ103が停止した位置で外力を受けて多少の位置ずれを生じてもモータ103が前述したような保持力を発生することはなく、そのための電流の消費はない。
なお、上記のようなパルス幅が入力された場合では誤差パルスは±500μsとなり、それを拡大すればモータの駆動デューティは100%となる。
脚の動作角度範囲の両端位置に相当するサーボ装置の出力軸の位置を、該出力軸に連動する回転スイッチの接点で検出する前述した引込み脚専用のサーボ装置には、次のような問題があった。
このようなサーボ装置では、被制御対象である出力軸の動作角度範囲の両端位置を回転スイッチで検出する構成上、動作角度範囲の角度はスイッチのハード構成で定められる特定値に決まっており、これを簡単に変更することはできない。このため、このサーボ装置を実際の模型飛行機に実装する場合、実機の脚の引出し位置及び格納位置に合せてサーボ装置の動作角度範囲を調整する必要があっても、これが容易には行えなかった。
両端の接点間の回転角度が異なる様々な回転スイッチを用意してサーボ装置のポテンショメータと交換すれば、脚の引出し位置及び格納位置が種々の角度範囲である様々な機種の模型飛行機への搭載も可能になると机上では考えられるが、実際には必要な条件を満たす回転スイッチ自体が容易には見つけられない。すなわち、サーボ装置に組み込む必要上、回転角度の問題だけでなく、回転スイッチの外形がサーボ装置の組み込み位置の形状と完全同一でなければ収まらないという問題もある。つまり、あるサーボ装置でポテンショメータの代わりに組み込むことができた回転スイッチであっても、回転角度の問題は別としても、形状の異なるポテンショメータを使用している他のサーボ装置に当該回転スイッチをそのまま組み込むことはできないのが普通である。また、モータの回転軸と回転スイッチの間には減速ギア機構を介装する必要があるが、その設計が困難であるという問題もあった。
ポテンショメータを用いてフィードバック制御を行なう通常のサーボ装置を用いれば、入力パルスのパルス幅に応じて制御角度範囲を調整することは可能であるが、その角度範囲としては120°を越えるものはほとんどなく、選択の余地がなかった。これは、ポテンショメータを用いてフィードバック制御を行なう通常のサーボ装置の適用対象が、その制御にリニアリティを要求されるエルロン等の制御のためであることから、サーボ装置とエルロン等を連結するロッドの寸法等にもよるが、一般には±40°から±60°未満程度の狭い角度範囲のものが適していると考えられていたためである。
本発明は、以上説明した従来の問題点に鑑みてなされたものであり、被制御対象の移動可能範囲、例えば模型飛行機の引込み脚の回動角度範囲の変更調整に容易に対応可能であり、同時に、被制御対象、例えば模型飛行機の引込み脚が停止した位置を保持電流を消費することなく維持できるようにしたサーボ装置を提供することを目的としている。
請求項1に記載されたサーボ装置は、
モータを用いて被制御対象を所望の位置に設定するために、入力パルスの幅によって与えられる目標位置と、フィードバックされた現在位置との誤差が小さくなるように前記モータを制御するサーボ装置において、
前記誤差が所定値よりも小さい時には前記誤差に基づく前記モータの制御を行なわないものとした場合の前記所定値である不感帯を設定するとともに、前記モータが停止したと判断された場合には前記不感帯を前記モータが駆動されている間の不感帯よりも大きくなるように変更する不感帯設定手段を有することを特徴としている。
請求項2に記載されたサーボ装置は、請求項1記載のサーボ装置において、
前記不感帯設定手段は、前記被制御対象の移動範囲の中央位置を含む所定範囲内に前記目標位置が存在する時には、前記モータが停止したと判断された場合であっても、前記不感帯を前記モータが駆動されている間の不感帯と同一に維持し、前記被制御対象の移動範囲の中央位置を含む所定範囲外に前記目標位置が存在する時には、前記モータが停止したと判断された場合に、前記不感帯を前記モータが駆動されている間の不感帯よりも大きくなるように変更することを特徴としている。
請求項3に記載されたサーボ装置は、請求項1又は2に記載のサーボ装置において、
前記不感帯設定手段が、前記モータが停止したと判断し、前記不感帯を前記モータが駆動されている間の不感帯よりも大きくなるように変更した場合において、
その後に前記被制御対象の現在位置と目標位置との差分が前記不感帯よりも大きい場合には前記不感帯を再び前記モータが駆動されている間の不感帯と同じに設定することを特徴としている。
請求項4に記載されたサーボ装置は、請求項1乃至3のいずれか一つに記載のサーボ装置において、
前記不感帯設定手段は、前記モータの回転速度が所定値よりも小さい状態が所定時間を越えて継続した場合に、前記モータが停止したと判断することを特徴としている。
請求項5に記載されたサーボ装置は、請求項4記載のサーボ装置において、
前記目標位置から、前記現在位置とともに、前記モータの前記回転速度に比例した微分制御量を差し引いて前記誤差を得ることを特徴としている。
請求項1に記載されたサーボ装置によれば、モータを用いて被制御対象を所望の位置に設定するために、フィードバックされた被制御対象の現在位置と目標位置との誤差が小さくなるようにモータを制御するので、入力パルスの幅を調整することによって、被制御対象の移動範囲の変更調整を容易に変更することができる。また、被制御対象の現在位置と目標位置との差分に基づいてモータの制御を行なうか否かの基準値となる不感帯を設定する不感帯設定手段が、モータが停止したと判断した場合には、モータが駆動されている間の相対的に小さい不感帯をより大きな不感帯に変更する。このため、被制御対象が停止すると、被制御対象に外力が加わってもサーボ装置には保持電流が流れることはなく、電力の無駄な消費が抑えられる。
請求項2に記載されたサーボ装置によれば、請求項1記載のサーボ装置による効果において、被制御対象の移動範囲の中央位置を含む所定範囲内に目標位置が存在する時には、モータが目標位置に停止した場合であっても、不感帯は、モータが駆動されている間の相対的に小さい不感帯と同一に維持されるので、この範囲内では通常のサーボ装置としての使用が可能である。また、前記所定範囲外に目標位置が存在し、モータが目標位置に停止した場合には、不感帯は、モータが駆動されている間の相対的に小さい不感帯よりも大きくなるように変更されるので、目標位置で停止した被制御対象に外力が加わってもサーボ装置には保持電流が流れることはなく、電力の無駄な消費が抑えられる。
請求項3に記載されたサーボ装置によれば、請求項1又は2に記載のサーボ装置における効果において、不感帯設定手段が、モータが停止したと判断し、不感帯をモータが駆動されている間の不感帯よりも大きくなるよう変更して保持電流が流れないようにしたが、被制御対象の現在位置と目標位置との差分が前記不感帯よりも大きい場合には、不感帯を再びモータが駆動されている間の比較的小さい不感帯に設定するので、被制御対象は支障なく移動することができる。例えば、ラジコン制御のサーボ装置において、モータが停止して不感帯が広げられた状態にあるが、送信機のスイッチが操作されて新たな目標位置が与えられた場合にはモータは動作を開始することができる。また、モータが停止して不感帯が広げられた状態において、外力によってその不感帯の範囲外へ動かされた場合に、再び小さい不感帯に戻って動作を開始するので、元来の目標位置に正確に戻ることができる。
請求項4に記載されたサーボ装置によれば、請求項1乃至3のいずれか一つに記載のサーボ装置における効果において、不感帯設定手段は、モータの停止を判断するために、モータの回転速度が所定値よりも小さい状態が所定時間を越えて継続するか否かを判断基準としているので、モータの状態を的確に判断することができる。
請求項5に記載されたサーボ装置によれば、請求項4記載のサーボ装置における効果において、不感帯設定手段がモータの停止を判断するために利用しているモータの回転速度から微分制御量を求め、これを前記現在位置とともに前記目標位置から差し引いて誤差を得ているので、現在位置に関する情報のみをフィードバックして行なう場合に比べて制御の精度が一層向上する。
本発明を実施するための最良の実施形態を図1〜図7を参照して説明する。
図1は、第1実施形態のサーボ装置の最終的な被制御対象である引込み脚機構を備えたラジコン操縦の模型飛行機の正面図であり、図2は、同模型飛行機の引込み脚機構の格納状態を示す模式構造図であり、図3は、同模型飛行機の引込み脚機構の使用状態を示す模式構造図であり、図4は、第1実施形態のサーボ装置の回路図であり、図5は、第1実施形態のサーボ装置の制御動作を示す流れ図である。
図6は、第2実施形態のサーボ装置の制御動作を示す流れ図である。
(1)第1実施形態(図1〜図5)
図1に示す模型飛行機1はラジコンによって操縦され、本例のサーボ装置の最終的な被制御対象である引込み脚機構を備えている。引込み脚機構は、離着陸時に使用する車輪を飛行中は機体内に格納しておくための機構である。
図2及び図3に示すように、本例における引込み脚機構は模型飛行機1の主翼2内に設けられている。主翼2内の所定位置には、飛行方向に平行に第1回動軸3が設けられている。第1回動軸3には、主翼2内の格納位置と主翼2外の使用位置との間の約90°の回動範囲で揺動できるように支持板4が設けられており、この支持板4の先端に模型飛行機1を地上で滑走させるための車輪5が取り付けられている。前記第1回動軸3には、支持板4と直交する向きで操作アーム6が固定されている。一方、前記第1回動軸3の近傍には第1回動軸3と平行に第2回動軸7が設けられ、この第2回動軸7には駆動アーム8が回動可能に取り付けられている。駆動アーム8の先端は、図2及び図3に示す車輪5の格納位置及び使用位置において、車輪5を支持する支持板4と駆動アーム8が平行になるように、前記操作アーム6の先端に移動可能に係合している。そして、駆動アーム8の略中央部分が、主翼2内にあるサーボ装置10の出力軸に設けられたホーン9に対してロッド11で連動連結されている。
以上の機構において、サーボ装置10の出力軸が回動して駆動アーム8が揺動すれば、支持板4を揺動させて車輪5を格納位置又は使用位置に選択的に位置決めすることができる。
次に、サーボ装置10の構成について図4を参照して説明する。
図4に示す本例のサーボ装置10は、モータ16と、モータを制御する後述する制御回路と、モータ16の駆動軸にギア17を介して連動連結され、本サーボ装置が直接的に位置制御を行なおうとする被制御対象である出力軸と、該出力軸に連結され、フィードバック情報を生成して前記制御回路に提供するポテンショメータ18等を有している。
本例のサーボ装置10は、小型MCUで構成されデジタル演算を行なう所謂デジタルサーボであり、目標位置を与える入力パルスの幅を計測して数値化する計測カウンタ15を備えている。また、モータ16の回転軸がギア17を介してポテンショメータ18を回動するようになっており、ポテンショメータ18の出力がAD変換器19によって数値化され、計測カウンタ15が出力する数値化された目標位置との差分が算出されるようになっている。また、PWM波形によって駆動されるモータ16では、その駆動休止時間に出力される逆起電力からモータ16の回転速度を知ることができるので、この逆起電力をAD変換器20で数値化し、それを微分制御量として、計測カウンタ15が出力する数値化された目標位置との差分が算出されるようになっている。
このようにして、ポテンショメータ18の出力による出力軸の現在位置と、モータの逆起電力により検出した回転速度に比例した微分制御量とを、計測カウンタ15が出力する出力軸の数値化された目標位置信号から差し引いて誤差を得るとともに、この誤差を誤差増幅手段21で増幅し、さらにPWM生成手段22で誤差の拡大値に比例したPWM波形を生成してモータ16に与えることにより、誤差の絶対値が小さくなる方向にモータ16を回転することができるように構成されている。
図4に示す本例のサーボ装置10は、通常のサーボ装置では固定値である不感帯(デッドバンド)の大きさを変更して設定できる不感帯設定手段23を備えている。不感帯とは、前記誤差が所定値よりも小さい時には、前記誤差に基づく前記モータ16の制御を行なわないものとした場合の前記所定値であって、サーボ装置10において出力軸の目標位置と実位置との誤差に基づくフィードバック制御を行なうか否かを決定する際に、その誤差が修正すべき大きさであるか否かを判断するための基準値としての意味を有するものとも言える。
この不感帯設定手段23は、目標位置信号と現在位置信号の差分である位置差と、設定された不感帯との大小を比較する演算を行なうとともに、モータ16の回転速度信号を見ながら所定の条件でモータ16の停止を判断し、停止と判断した場合には不感帯の値を通常動作時の値よりも大きい所定の値に設定する制御動作を行なうため、図示しない比較演算手段やタイマを内蔵している。
次に、図5を参照し、不感帯設定手段23における不感帯設定と、モータ16の停止の判断及び不感帯変更の各動作について、その手順乃至作用効果について説明する。
図5に示す不感帯設定の繰り返し手順は、入力パルスが入力されている間は、本例では例えば2.6msごとに繰り返されている。まず、S1にて不感帯設定が開始されると、S2にてモータ16の回転数が2300rpm以下であるか否かが判断される(S2)。なお、モータ16の回転数が2300rpmである場合、本例のギア17における減速機構の減速比が906:1であるとすれば、サーボ装置の出力軸は約15°/secで回転していることとなる。
モータ16の回転数が2300rpm以下である場合(S2、YES)には、タイマによる加算(時間積算)を開始し(S3)、次ステップに移行する。モータ16の回転数が2300rpmを越える場合(S2、NO)には、タイマの加算(時間積算)を開始することなく、次ステップに移行する。
次ステップでは、目標位置信号と現在位置信号との差分から位置差を算出し(S4)、当該位置差と10°の大小を比較する(S5)。10°よりも位置差の方が大きければ(S5、YES)、タイマがリセットされる(S6)。
タイマがリセットされた場合(S6)には、次ステップにおいてタイマの積算時間は0.5秒未満となり(S7、NO)、不感帯は0.4°に設定され(S9)、通常のフィードバック制御が行なわれる状態とされて一連の不感帯設定の手順を終了する(S10)。
このように、回転数が2300rpm未満の状態であるが(S2、YES)、位置差が10°以上であるため(S5、YES)、不感帯が0.4°に設定されて(S9)、通常のフィードバック制御が行なわれる場合とは、出力軸が目標位置より10°以上離れた位置で引込み脚のリンケージが拘束されて動作できなくなった場合などである。
モータ16の回転数が2300rpm以下であり(S2、YES)、タイマによる加算(時間積算)を開始した後(S3)、S4で算出された位置差と10°の大小を比較した場合において(S5)、位置差が10°未満の場合(S5、NO)、タイマはリセットされず、一連の不感帯設定の手順を終了するが(S10)、この状態が継続してタイマの積算時間が0.5秒以上となると(S7、YES)、不感帯は10°に設定され(S8)、モータ16は容易には消費電流が流れない状態で停止する。これは、出力軸が目標位置に達してモータ16が自ら停止した場合や、出力軸が目標位置の手前10°未満の位置(例えば目標位置の5°手前の位置)で引込み脚のリンケージが拘束されて動作できなくなった場合などが相当する。
モータ16の回転数が2300rpm以下でない場合(S2、NO)には、タイマ加算は行なわれないので、位置差(S4)と10°との比較(S5)の結果によってタイマがリセット(S6)されるか否かに係わりなく、タイマの積算時間が0.5秒を越えることはなく(S7、NO)、不感帯は0.4°となり(S9)、設定動作は終了して(S10)2.6ms後に次の制御動作を開始する。すなわち、サーボ装置10ではフィードバック制御が行なわれる。
但し、モータ16の回転数が2300rpm以下でない場合(S2、NO)には、必ず不感帯が0.4°になる訳ではなく、一旦停止して不感帯が10°に設定されている時に、外力によって2300rpm以上の速度で動かされても(S2、NO)、位置差が10°以上にならない限りタイマはリセットされず、不感帯は10°のままである。
また、一旦停止して不感帯が10°に設定された後、回転数が2300rpm未満の状態で(S2、YES)、位置差が10°以上の場合(S5、YES)には、不感帯が0.4°に設定されて(S9)、通常のフィードバック制御が行なわれる状態とされる場合となるが、これは、モータ16が停止した後、送信機の引込み脚用のスイッチ(ギアスイッチ)が操作されて新たな目標値が与えられた場合や、外力等で目標値から10°以上移動させられた場合である。
本例のサーボ装置10によれば、パルス幅によって目標位置を与える入力パルスをモータ16に入力して出力軸を回動させ、これによって引込み脚を所定位置に設定するために、出力軸のフィードバックされた現在位置と目標位置との誤差が小さくなるようにモータ16を制御するので、入力パルスの幅を調整すればモータ16に連動する出力軸の回転角度範囲を容易に変更することができる。
また、多くのラジコン送信機にはギアスイッチにも角度調整機能が付いているが、本例のサーボ装置10であれば、その設定に対応した動作角度を持つ引込み脚用のサーボ装置として利用することができる。また、送信機側で速度設定が可能であれば、それに対応した任意の速度で作動する引込み脚用のサーボ装置として使用できる。
本例のサーボ装置10によれば、モータ16に連動する出力軸の現在位置と目標位置との位置差に基づいてモータ16の制御を行なうか否かの基準値である不感帯を不感帯設定手段23が設定しているが、この不感帯設定手段23がモータ16が停止したと判断した場合には、モータ16が駆動されている間の相対的に小さい不感帯を、より大きな不感帯に変更する。従って、モータ16が停止すると、引込み脚を介して出力軸及びモータ16に外力が加わってもサーボ装置10には外力に対する保持電流は流れず、電力の無駄な消費が抑えられる。なお、不感帯が大きく設定された後、これを越える位置差となるような入力があれば不感帯は元の値に戻され、モータ16は駆動される。
図7に示した従来の引込み脚専用のサーボ装置では、電源電圧に比例して動作速度とトルクが変化するので、高トルクを得るために電圧を高くすると空転で進む角度が増え、動作の度に動作範囲終端のストッパに引込み脚が衝突して破損の機会が増大する恐れがある。ところが、本例では、動作速度に係わらず、所定の目標位置で停止するので、ストッパに引込み脚が突き当たって破損するおそれは小さい。
本例のサーボ装置10によれば、所定のトルクがある通常のサーボ装置から、機構部品を特に変更することなく、引込み脚用のサーボ装置を構成することができる。
(2)第2実施形態(図6)
第2実施形態は、第1実施形態のラジコン操縦の模型飛行機1に搭載される引込み脚用の他の構成例のサーボ装置である。第2実施形態のサーボ装置は、その回路構成は第1実施形態の図4に示したものと同一であるが、図6に示すその制御手順は第1例とは異なる部分がある。以下の説明では、本例の図6及び第1例に係る図4を参照し、第1実施形態と同様の構成部分(図6中の工程を含む)については、図面中に第1実施形態における図示及び説明におけるものと同一の符号を付してその説明を省略する他、その他の共通部分についても第1実施形態の説明を援用するものとする。
本例のサーボ装置では、計測カウンタ15が出力する数値化された目標位置信号が、不感帯設定手段23に入力されるように構成されている。不感帯設定手段23は、与えられた目標位置が所定の範囲内にある場合には、タイマをリセットすることとし、これによってモータ16が停止状態にある状態であっても時間の積算が行なわれないようにし、目標位置が所定の範囲内にある場合にはモータ16が停止状態にあっても不感帯が拡大されないようにしている。すなわち、目標位置が所定の範囲内にある場合には本例のサーボ装置は通常のサーボ装置として使用できるが、目標位置が所定の範囲外に来ると、当該領域で停止状態となれば、第1実施形態と同様に不感帯を10°に拡大して容易には消費電流が流れない状態でモータ16を停止させる。
図6に示す不感帯設定の繰り返し手順において、制御開始後(S1)、計測カウンタ15が出力する数値化された目標位置信号が不感帯設定手段23に入力され、不感帯設定手段23は目標位置がモータ16に連動する出力軸の回転角度で中心位置(ニュートラル位置)から60°以内であるか否かを判断する(S1−1)。目標位置がモータ16に連動する出力軸の回転角度で中心位置(ニュートラル位置)から60°以内であれば(S1−1、YES)、タイマがリセットされ(S1−2)、以後は第1実施形態の場合と同様の制御が行なわれる(図5及び図6、S2〜S10参照)。但し、2.6msごとに繰り返される制御フローにおいて目標位置がモータ16に連動する出力軸の回転角度で中心位置(ニュートラル位置)から60°以内であれば毎回タイマがリセットされるので、図6のS2以降の制御においてモータ16の回転数が2300rpm未満である状態が0.5秒以上継続して不感帯が10°に変更されることは起こらず(S7でNO)、不感帯は0.4°で維持される(S9)。
従って、本例によれば、目標位置がモータ16に連動する出力軸の回動範囲で±60°以内であれば、すなわち回動範囲の±60°に対応する入力パルス幅の例で言えば1150μsから1890μsの間(他の例として1190μsから1850μsでもよい)であれば、本サーボ装置は不感帯が例えば0.4°程度の通常のサーボ装置として使用できるので、ラジコン操縦の模型飛行機1の引込み脚を駆動するサーボ装置ではなく、模型飛行機1であればエルロン等の舵の駆動制御や、その他の一般的なサーボ装置としての用途に当てることができる。
また、モータ16に連動する出力軸の回動範囲で±60°よりも外でモータ16が停止状態となった場合には、第1実施形態と同様に不感帯を10°に拡大して容易には消費電流が流れない状態でモータ16が停止することとなるので、模型飛行機1の引込み脚を駆動するサーボ装置として用いれば第1実施形態と同様の効果が得られることは言うまでもない。
図1は、第1実施形態のサーボ装置の制御対象である引込み脚機構を備えたラジコン操縦の模型飛行機の正面図である。 図2は、同模型飛行機の引込み脚機構の格納状態を示す模式構造図である。 図3は、同模型飛行機の引込み脚機構の使用状態を示す模式構造図である。 図4は、第1実施形態のサーボ装置の回路図である。 図5は、第1実施形態のサーボ装置の制御動作を示す流れ図である。 図6は、第2実施形態のサーボ装置の制御動作を示す流れ図である。 図7は、従来の引込み脚専用のサーボ装置の構成を示す回路図である。
符号の説明
4…最終的な被制御対象である引込み脚の支持板
5…最終的な被制御対象である引込み脚の支持板に設けられた車輪
10…サーボ装置
15…計測カウンタ
16…モータ
18…ポテンショメータ
19,20…AD変換器
21…誤差増幅手段
22…PWM生成手段
23…不感帯設定手段

Claims (5)

  1. モータを用いて被制御対象を所望の位置に設定するために、入力パルスの幅によって与えられる目標位置と、フィードバックされた現在位置との誤差が小さくなるように前記モータを制御するサーボ装置において、
    前記誤差が所定値よりも小さい時には前記誤差に基づく前記モータの制御を行なわないものとした場合の前記所定値である不感帯を設定するとともに、前記モータが停止したと判断された場合には前記不感帯を前記モータが駆動されている間の不感帯よりも大きくなるように変更する不感帯設定手段を有することを特徴とするサーボ装置。
  2. 前記不感帯設定手段は、前記被制御対象の移動範囲の中央位置を含む所定範囲内に前記目標位置が存在する時には、前記モータが停止したと判断された場合であっても、前記不感帯を前記モータが駆動されている間の不感帯と同一に維持し、前記被制御対象の移動範囲の中央位置を含む所定範囲外に前記目標位置が存在する時には、前記モータが停止したと判断された場合に、前記不感帯を前記モータが駆動されている間の不感帯よりも大きくなるように変更することを特徴とする請求項1記載のサーボ装置。
  3. 前記不感帯設定手段が、前記モータが停止したと判断し、前記不感帯を前記モータが駆動されている間の不感帯よりも大きくなるように変更した場合において、
    その後に前記被制御対象の現在位置と目標位置との差分が前記不感帯よりも大きい場合には前記不感帯を再び前記モータが駆動されている間の不感帯と同じに設定することを特徴とする請求項1又は2に記載のサーボ装置。
  4. 前記不感帯設定手段は、前記モータの回転速度が所定値よりも小さい状態が所定時間を越えて継続した場合に、前記モータが停止したと判断することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載のサーボ装置。
  5. 前記目標位置から、前記現在位置とともに、前記モータの前記回転速度に比例した微分制御量を差し引いて前記誤差を得ることを特徴とする請求項4記載のサーボ装置。
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