JP2009273290A - モータ駆動用インバータ制御装置 - Google Patents

モータ駆動用インバータ制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】小型・軽量・低コスト化を実現しつつ、飛躍的な高速演算処理によってモータ駆動の最適制御が可能な信頼性の高いモータ駆動用インバータ制御装置を提供する。
【解決手段】モータ相電流やモータ端子電圧やインバータ印加電圧の電気信号をプログラムに従ってデータ処理する中央演算処理装置と、中央演算処理装置からの起動信号によって動的再構成が行われるリコンフィグ回路と、中央演算処理装置とリコンフィグ回路の双方からアクセス可能なデータメモリと、中央演算処理装置からの情報にもとづいてインバータ制御信号を出力するインバータ制御部とを備えることにより、モータの回転数や負荷変動などのさまざまな状況変化に対して柔軟に対応することが可能で、制御性が高くかつ騒音面においても高品位なモータ駆動用インバータ制御装置を実現する。
【選択図】図1

Description

本発明は、再構成が可能なハードウェアを有したモータ駆動用インバータ制御装置に関するものである。
近年、空気調和機における圧縮機などのモータを駆動する装置においては、地球環境保護の観点から消費電力を低減する必要性が大きくなっている。その中で、省電力の技術の一つとして、ブラシレスDCモータのような効率の高いモータを任意の周波数で駆動するインバータなどが広く一般に使用されている。さらに、駆動する技術としては、矩形波状の電流により駆動を行う矩形波駆動に対して、より効率が高く、騒音も低くすることが可能な正弦波駆動技術が注目されている。
空気調和機における圧縮機のようなモータを駆動する場合、モータの回転子の位置を検出するセンサを取りつけることが困難であるため、特許文献1に記載されているような回転子の位置を何らかの方法で推定しながら駆動を行う位置センサレス正弦波駆動の技術も発明されている。
図5に位置センサレス正弦波駆動を実現するためのシステム構成を示す。制御部6内においては、相電流検出手段15で得られるブラシレスモータ3に流れるモータ相電流情報や、インバータ印加電圧検出手段16で得られるインバータ2に印可されている直流電圧情報が電気信号入力部18に入力され、これらの情報と予め判明しているモータ定数を基に中央演算処理装置19で回転子5の磁極位置などのブラシレスモータ3を駆動するのに必要な情報を演算処理し、インバータ制御部22でインバータ2を動作させるPWM信号を生成し、出力する。
出力されたPWM信号に従いインバータ2内の各スイッチング素子13u,13v,13w,13x,13y,13zは動作し、正弦波状の三相の交流電圧が生成され、ブラシレスモータ3の正弦波駆動を実現している。
以上のような構成にて、ブラシレスモータ3の駆動制御が行われるが、一般的に制御部6にはマイコン等のプロセッサが用いられ、大量の演算処理をソフトウエア的に行うことで実現されており、モータ3の回転数や負荷変動などのさまざまな状況変化や、数式演算処理に関しては、ソフトウエアで対応するのが一般的である。
特開2000−350489公報 インバータドライブハンドブック編集委員会編「インバータドライブハンドブック」日刊工業新聞社出版、1995年初版
しかしながら、従来のモータ駆動用インバータ制御装置では、モータの回転数や負荷変動などのさまざまな状況変化に対し、同じアルゴリズムの演算処理を行っているか、もしくは、ソフトウエアで状況変化を判断し、それに対応した演算処理を切替えながら行っている。
しかし、ソフトウエアによる演算処理では、ハードウエアによる処理に比べ時間がかかり、マイコン等のプロセッサではリアルタイム性が要求される演算処理の量も制限されてしまい、最適な高効率運転が実現できない可能性がある。
また、インバータのPWM制御においては、パルス出力の周期(キャリア周期)毎にリアルタイム性が要求される演算処理を終了し、PWM信号を生成、出力するようにしているため、演算処理時間の増大によってキャリア周波数の選択範囲が可聴領域の低周波に狭められると、インバータから発生する騒音が問題となる。
一方、近年多くのインバータシステムに適用されているベクトル制御と呼ばれる数式演算処理に対応したハードウエアを作成するとなると、膨大な量の回路が必要となり、現実的ではない。
本発明はこのような従来の課題を解決するものであり、小規模回路で安価でありながら、状況変化に対して柔軟に対応かつ制御性が高く、高品位なモータ駆動用インバータ制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明のモータ駆動用インバータ制御装置は、モータ相電流やモータ端子電圧やインバータ印加電圧のうち少なくとも一つの電気信号を入力する入力部と、前記電気信号入力部から入力した電気信号をプログラムに従ってデータ処理する中央演算処理装置と、前記中央演算処理装置からの起動信号によって動的再構成が行われるリコンフィグ回路と、前記中央演算処理装置と前記リコンフィグ回路の双方からアクセス可能なデータメモリと、前記中央演算処理装置からの情報にもとづいてインバータ制御信号を出力するインバータ制御部とを備えたことによって、小規模回路でもモータ駆動の状況変化に対して柔軟に対応かつ制御性を高くすることを可能とするものである。
本発明によるモータ駆動用インバータ制御装置は、小規模回路でありながら、モータの回転数や負荷変動などのさまざまな状況に応じた制御を随時変更していくことも可能で、より木目細かな最適駆動が実現でき、その制御を追加するときも、回路(ハードウエア)自体を追加するのではなく、回路データの追加とソフトウエアの書き換えで対応できる。
また、回路(ハードウエア)のみの処理に比べて回路規模の縮小が可能となるとともに、余分な回路を組み込まないのでICの省電力に繋がり、さらには、ソフトウエアのみの処理に比べて飛躍的な高速化も図れるという効果を奏する。
第1の発明は、モータ相電流やモータ端子電圧やインバータ印加電圧のうち少なくとも一つの電気信号を入力する入力部と、前記電気信号入力部から入力した電気信号をプログラムに従ってデータ処理する中央演算処理装置と、前記中央演算処理装置からの起動信号によって動的再構成が行われるリコンフィグ回路と、前記中央演算処理装置と前記リコンフィグ回路の双方からアクセス可能なデータメモリと、前記中央演算処理装置からの情報にもとづいてインバータ制御信号を出力するインバータ制御部とを備えたものである。
これにより、モータの回転数や負荷変動などのさまざまな状況変化に対して柔軟に対応することが可能で、制御性が高くかつ騒音面においても高品位なモータ駆動用インバータ制御装置を実現することができる。
第2の発明は、回路データを格納するコンフィグメモリを更に備え、前記リコンフィグ回路は、前記コンフィグメモリからロードされる回路データに動的再構成されることにより、小規模回路でありながら、第1の発明と同様の信頼性の高いモータ駆動用インバータ制御装置を実現することができる。
第3の発明は、前記コンフィグメモリに、モータの三相電流値を直交二軸座標系に変換する三相二相変換演算処理を行う回路データが格納されるものである。これにより、ソフトウエアによる演算処理の負荷を軽減するとともに、データ処理の飛躍的な高速化により、第2の発明と同様の信頼性を保ちつつ、高性能なモータ駆動用インバータ制御装置を実現することができる。
第4の発明は、前記コンフィグメモリに、直交二軸座標系におけるモータ指令電圧をモータの三相指令電圧に変換する二相三相変換演算処理を行う回路データが格納されるものである。これにより、ソフトウエアによる演算処理の負荷を軽減するとともに、データ処理の飛躍的な高速化により、第2の発明と同様の信頼性を保ちつつ、高性能なモータ駆動用インバータ制御装置を実現することができる。
第5の発明は、前記コンフィグメモリに、指令値と実際の値との誤差にゲインを乗算する比例積分演算処理を行う回路データが格納されるものである。これにより、ソフトウエアによる演算処理の負荷を軽減するとともに、データ処理の飛躍的な高速化により、第2の発明と同様の信頼性を保ちつつ、高性能なモータ駆動用インバータ制御装置を実現することができる。
第6の発明は、前記コンフィグメモリに、モータ相電流やモータ端子電圧やインバータ印加電圧のうち少なくとも一つの電気信号と予め判明しているモータの抵抗値やインダクタンス値や誘起電圧値のうち少なくとも一つのパラメータを併用しながらモータの回転位置を推定する位相推定演算処理を行う回路データが格納されるものである。これにより、ソフトウエアによる演算処理の負荷を軽減するとともに、データ処理の飛躍的な高速化により、第2の発明と同様の信頼性を保ちつつ、高性能なモータ駆動用インバータ制御装置を実現することができる。
以下、添付の図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において共通する要素には同一の符号を付し、重複する説明については省略するものとする。以下、図1乃至図5を用いて本発明の実施の形態について説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
本発明の第1の実施の形態を示すモータ駆動用インバータ制御装置のシステム構成図を図1に示す。モータ駆動用インバータ制御装置は、交流電源1、交流電力を直流電力に変換するダイオードブリッジ7、力率を向上させるためのリアクタ11、平滑コンデンサ12、ブラシレスモータ3に供給する駆動電圧を生成、出力するインバータ2及びインバータ2を制御する制御部6を有する。
ブラシレスモータ3は、中性点を中心にY結線された3相巻線4u,4v,4wが取付けられた固定子4と、磁石が装着された回転子5とからなる。U相巻線4uの非結線端にU相端子8uが、V相巻線4vの非結線端にV相端子8vが、W相巻線4wの非結線端にW相端子8wが接続されている。
インバータ2は一対のスイッチング素子からなるハーフブリッジ回路をU相用,V相用,W相用として3相分有する。ハーフブリッジ回路の一対のスイッチング素子は、小容量コンデンサ12の高圧側端と低圧側端の間に直列接続され、ハーフブリッジ回路に直流電圧が印加される。U相用のハーフブリッジ回路は、高圧側(上アーム)のスイッチング素子13u及び低圧側(下アーム)のスイッチング素子13xよりなる。V相用のハーフブリッジ回路は、高圧側スイッチング素子13v及び低圧側スイッチング素子13yよりなる。W相用のハーフブリッジ回路は、高圧側スイッチング素子13w及び低圧側スイッチング素子13zよりなる。
また、各スイッチング素子と並列にフリーホイールダイオード14u,14v,14w,14x,14y,14zが接続されている。インバータ2におけるスイッチング素子13uとスイッチング素子13xの相互接続点、スイッチング素子13vとスイッチング素子13yの相互接続点、スイッチング素子13wとスイッチング素子13zの相互接続点にブラシレスモータ3の端子8u,8v,8wがそれぞれ接続される。
インバータ2に印加されている直流電圧は、上述したインバータ2内のスイッチング素子のスイッチング動作によって三相の交流電圧に変換され、それによりブラシレスモータ3が駆動される。
また、インバータ2とブラシレスモータ3の接続間には相電流検出手段15が、インバータ2の母線間にはインバータ印加電圧検出手段16が配されている。
制御部6は、電気信号入力部18と、中央演算処理装置19と、リコンフィグ回路20と、データメモリ21と、インバータ制御部22と、コンフィグメモリ23からなる。
電気信号入力部18は、相電流検出手段15で得られるブラシレスモータ3に流れるモータ相電流情報や、インバータ印加電圧検出手段16で得られるインバータ2に印加されている直流電圧情報を入力する。
電気信号入力部18で得られた電気信号は、中央演算処理装置19に送られ、ブラシレスモータ3を駆動するのに必要な情報に信号処理される。
インバータ制御部22では、中央演算処理装置19で得られるブラシレスモータ3を駆動するのに必要な情報を基に、インバータ2を動作させるPWM信号を生成し、出力する。出力されたPWM信号に従いインバータ2内の各スイッチング素子13u,13v,13w,13x,13y,13zは動作し、正弦波状の三相の交流電圧が生成され、ブラシレスモータ3の正弦波駆動を実現している。
また、中央演算処理装置19では、リコンフィグ回路20がコンフィグメモリ23に格納されているさまざまな機能の回路データを読み出し、動的再構成されるように制御している。
中央演算処理装置19で扱うデータは、データメモリ21に読み書き可能であり、リコンフィグ回路20で扱うデータもデータメモリ21に読み書き可能であるような構成にした。このことは、ブラシレスモータ3の駆動制御における大量の演算処理において、高速性が求められる箇所のみリコンフィグ回路20で処理し、それ以外は中央演算処理装置19で処理するなど、演算処理の分割を任意に行えるということで、リコンフィグ回路20の回路規模最適化を図る上で重要なことである。
なお、本発明における制御部6は、ダイナミックリコンフィギュラブルLSIと呼ばれるデバイスを用いた。このデバイスは、近年、盛んに開発が進む動的再構成回路技術を搭載し、ハードウエア処理の高速性とソフトウエア処理の柔軟性といった両者の長所を同時に持ち、色々な機能への切り替えが極めて高速に行われるものである。
この機能の変更に際して、従来のデバイス、例えばFPGA等ではプログラムの書き換えに時間を要し、高速性が要求されるアプリケーションでは実用化が難しかった。
ところが、ダイナミックリコンフィギュラブルLSIでは、この機能変更が非常に高速に行われるのが最大の特長である。そのため、このデバイスは動的再構成が可能であると言われており、プログラム可能ゲート・アレイの動的再構成システムとして公知である。
ここでいう再構成とは、ハードウエア部の一部、もしくは全体を違う回路に再構成(リコンフィギュレーション)することであり、動的というのは、処理の終わった回路を即消去し、次に必要とされる回路を瞬時に構成できることをいう。
一方、インバータによるモータ制御に関しては、近年さまざまな研究がなされ、システムの品質や性能を向上させる制御方式や機能が開発されているが、特に高周波のキャリア周波数でインバータを制御するようなシステムにおいては、モータ駆動に関わる非常に多いデータ処理量を、短い周期(=キャリア周波数)で処理しなければならず、機能の拡張をソフトウェアのみに依存することが困難となっている。
ソフトウエアによる処理は、コストおよび柔軟性という面においてはそれなりのメリットはあるものの、モータ制御の中で重要な要素の一つである処理速度の点に関しては、ハードウエア処理と比較して、まだ劣っていることは否めない。
一方、ASICやFPGAといった専用ハードウエアによる処理は、ある限定された処理に対しては、非常に優れたスピードで対応できるが、柔軟性を期待することは本質的にできない。
このことは、サービスの改良や新サービスの追加といったことに対しては、ユーザはハードウエアの交換もしくは増設、場合によっては、システムそのものを買い換える必要が出てくるということになる。
そこで、動的再構成が可能で、ハードウエア処理の高速性とソフトウエア処理の柔軟性とを併せ持つデバイスであるダイナミックリコンフィギャラブルLSIを用い、モータ駆動に関わる非常に多いデータ演算を、ハードウエア部の回路を高速に書き変えながら処理すれば、騒音などが問題にならない高周波のキャリア周波数でインバータ制御が可能でありながら、ハードウエアは常に全ての機能に対応した大規模な回路を持つ必要がなくて良いことになる。
そのため、必要な回路規模を従来のASICやFPGAを使った場合に比べて、大幅に小さくすることが可能であり、かつ、高品位なシステムを構築することができるようになる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2では、実施の形態1のモータ駆動用インバータ制御装置において、コンフィグメモリ23に、モータの三相電流値を直交二軸座標系に変換する三相二相変換演算処理を行う回路データと、直交二軸座標系におけるモータ指令電圧をモータの三相指令電圧に変換する二相三相変換演算処理を行う回路データと、指令値と実際の値との誤差にゲインを乗算する比例積分演算(PI演算)処理を行う回路データを格納するようにした。
図2は、ブラシレスモータ3の駆動において用いられるベクトル制御と呼ばれるものの一般的なブロック図である。速度フィードバック演算領域24と電流フィードバック演算領域25によって構成される。
速度フィードバック演算領域24では、モータ情報入力部(図示せず)などからの情報から、駆動中のモータの角速度ωを演算し、指示角速度ω*との誤差ω(err)をPI演算することによって指示電流I*を求めている。
電流フィードバック演算領域25においては、電気信号入力部18から得られるブラシレスモータ3の相電流Iu,Iv,Iwを三相二相変換し、d軸電流Idとq軸電流Iqを算出し、それぞれ指示電流I*から求められるd軸指示電流Id*とq軸指示電流Iq*との誤差Id(err),Iq(err)をPI演算することによって指示電圧Vd*,Vq*を求め、さらに、二相三相変換演算によって各相に与えられるべき電圧Vu,Vv,Vwを求めている。
速度フィードバック演算領域24、電流フィードバック演算領域25は、ともにPI演算を含んでいる。PI演算は、制御したい値を目標値に近づける一般的な演算方法で、制御誤差に比例ゲインを乗算する比例演算と、時間的に累積した制御誤差に積分ゲインを乗算する積分演算とによって行われ、システムや環境などによって比例ゲインや積分ゲインを最適値に選択することによって、制御の安定性向上が図れる。
ここで、上記した三相二相変換の演算式は、下記の式(1)式(2)の通りである。
Id=√(2/3)×{Iu×cosθ+Iv×cos(θ−2/3π)
+Iw×cos(θ+2/3π)}…(1)
Iq=√(2/3)×{Iu×sinθ+Iv×sin(θ−2/3π)
+Iw×sin(θ+2/3π)}…(2)
ここで、式(1)に現れてくる乗算に注目すると、d軸電流Idを算出するのに4回乗算処理が行われる。
通常、マイコン等のプロセッサでの乗算は、クロック周波数の10〜30サイクル程度の時間を要し、4回の乗算を順にソフトウェア実行するとなると最大120サイクル程度かかってしまう。
しかし、本発明の実施の形態におけるリコンフィグ回路20で式(1)を演算処理すると、乗算1回で1サイクル、さらに、Iu,Iv,Iwにcos関数が乗算される3回の掛け算は同時に個別演算可能なので、まとめて1サイクル、合計2サイクルと飛躍的なデータ処理の高速化が図れる。
なお、式(2)に関しても同様であることは、言うまでもない。さらに、上記した各相に与えられるべき電圧Vu,Vv,Vwを求めるための二相三相変換演算は、下記の式(3)式(4)式(5)で表され、これに関しても飛躍的なデータ処理の高速化が図れる。
Vu=√(2/3)×{Vd×cosθ+Vq×sinθ}…(3)
Vv=√(2/3)×{Vd×cos(θ−2/3π)
+Vq×sin(θ−2/3π)}…(4)
Vw=√(2/3)×{Vd×cos(θ+2/3π)
+Vq×sin(θ+2/3π)}…(5)
また、速度フィードバック演算領域24と電流フィードバック演算領域25に含まれているPI演算は、上述した通り、制御誤差に比例ゲインを乗算する比例演算と、時間的に累積した制御誤差に積分ゲインを乗算する積分演算とによって行われるため、指示電流I*,指示電圧Vd*,Vq*を求める際に6回の乗算が必要となる。
これらを順にソフトウェア実行すると、最大180サイクル程度かかるが、リコンフィグ回路20で演算処理すると、比例演算と積分演算が同時に実行されるよう回路データを設定しておけば乗算処理で合計3サイクル、その他比例項と積分項の加算などを含めても6サイクル程度でベクトル制御のPI演算を完了させることが可能となる。
図3は、コンフィグメモリ23を示したものである。コンフィグメモリ23には、三相二相変換演算回路データ30と、二相三相変換演算回路データ31と、角速度誤差PI演算回路データ32と、d軸電流誤差PI演算回路データ33と、q軸電流誤差PI演算回路データ34を記憶させ、中央演算処理装置19の制御信号によって、リコンフィグ回路20がこれらの回路データを切り替えながら瞬時に再構成されるようにしている。
電流フィードバック演算領域25における具体的な制御の流れについて、図4を用いて説明する。まず、電気信号入力部18にブラシレスモータ3の相電流Iu,Iv,Iwが入力されると(ステップS1)、中央演算処理装置19はそのデータをデータメモリ21に書きこむとともに(ステップS2)、リコンフィグ回路20がコンフィグメモリ23のなかの三相二相変換演算回路データ30に切り替わり、処理実行するように制御する(ステップS3,S3’)。
リコンフィグ回路20が三相二相変換演算を終えると、その結果Id,Iqをデータメモリ21に書きこむ(ステップS3”)。中央演算処理装置19は、三相二相変換演算結果をデータメモリ21から読み出し(ステップS4)、指令電流との誤差Id(err),Iq(err)を引き算で求め(ステップS5)、データメモリ21に書きこむとともに(ステップS6)、リコンフィグ回路20がコンフィグメモリ23のなかのd軸電流誤差PI演算回路データ33とq軸電流誤差PI演算回路データ34に切り替わり、処理実行するように制御する(ステップS7,S7’)。
リコンフィグ回路20がd軸q軸の電流誤差PI演算を終えると、その結果である指示電圧Vd*,Vq*をデータメモリ21に書きこむ(ステップS7”)。中央演算処理装置19は、d軸q軸の電流誤差PI演算結果がデータメモリ21に格納されているのを認識したら(ステップS8)、リコンフィグ回路20がコンフィグメモリ23のなかの二相三相変換演算回路データ31に切り替わり、処理実行するように制御する(ステップS9,S9’)。
リコンフィグ回路20が二相三相変換演算を終えると、その結果Vu,Vv,Vwをデータメモリ21に書きこむ(ステップS9”)。中央演算処理装置19は、二相三相変換演算結果をデータメモリ21から読み出し(ステップS10)、ブラシレスモータ3の各相に与えられるべき電圧Vu,Vv,Vwとしてインバータ制御部22に出力する(ステップS11)。
以上のような手順で処理を進めていくことによって、中央演算処理装置19のみでモータ制御を行うような従来システムに比べ、飛躍的な高速演算処理を可能としている。
なお、上述において、三相二相変換演算、二相三相変換演算、比例積分演算がリコンフィグ回路20にて動的再構成されながら処理されていくことを説明したが、コンフィグメモリ23に記憶される比例積分演算処理を行う回路データは、ブラシレスモータ3の速度や出力トルクに応じて比例ゲインや積分ゲインといったパラメータが異なったものが複数格納されればと、なお最適制御が可能となる。
また、コンフィグメモリ23に記憶される回路データに、ノイズ除去のためのフィルタ演算や、装置筐体の振動や騒音の共振現象を回避するための指示電流補正演算など、アルゴリズム自体が異なったものを追加しても問題ない。
回路データやソフトウエアの変更のみで機能の追加、変更ができることから、電子制御基板を変更する必要がないため、本発明においては、モータ駆動の状況変化に素早く対応した最適制御が可能であり、ハードウエアは常に全ての機能に対応した大規模な回路を持つ必要がなくて、安価で柔軟なシステム構築が可能となる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3では、実施の形態2のモータ駆動用インバータ制御装置からさらに、コンフィグメモリ23に、モータ相電流やモータ端子電圧やインバータ印加電圧のうち少なくとも一つの電気信号と予め判明しているモータの抵抗値やインダクタンス値や誘起電圧値のうち少なくとも一つのパラメータを併用しながらモータの回転位置を推定する位相推定演算処理を行う回路データを格納するようにした。
位相推定演算処理を行う回路データは、相電流検出手段15で得られるブラシレスモータ3に流れるモータ相電流情報や、インバータ印加電圧検出手段16で得られるインバータ2に印可されている直流電圧情報を電気信号入力部18から入力し、使用しているブラシレスモータ3の巻線抵抗値やインダクタンス値といったモータ定数を併用しながら回転子5の磁極位置を推定演算し、回転速度などを導出するものであり、多数の乗除算が含まれている。
位相推定演算処理を行う回路データをコンフィグメモリ23に格納し、リコンフィグ回路20で動的再構成させながら演算処理することで、モータに位置センサを取り付けないシステムにおいても第2の実施の形態と同様の効果が得られる高品位な装置を実現することができる。
特に、本インバータ制御装置は位置センサの取り付けができないエアコンの圧縮機モータ駆動に適応させることが可能となる。なお、実施の形態1や実施の形態2や実施の形態3で説明した本発明は、インバータ回路を使用してモータを駆動するモータ駆動用インバータ制御装置、全てに適用が可能である。
例えば、インバータ回路を搭載した空気調和機、冷蔵庫、電気洗濯機、電気乾燥機、電気掃除機、送風機、ヒートポンプ給湯器などの家庭電化製品に適用できる。
いずれの製品についても、中央演算処理装置のみでモータ制御を行うような従来システムに比べ、飛躍的な高速演算処理によってモータ駆動の最適制御が可能であり、ハードウエアは常に全ての機能に対応した大規模な回路を持つ必要がなくて、安価な製品を提供することができる。
以上のように、本発明にかかるモータ駆動用インバータ制御装置は、小型・軽量・低コストで実現できるため、小型のモータ駆動装置を必要とする情報機器、特に、ハードディスクなどのストレージユニット等にも広く用いることができる。
本発明の第1の実施形態を示すモータ駆動用インバータ制御装置のシステム構成図 本発明の第2の実施形態における制御ブロック図 本発明の第2の実施形態におけるコンフィグメモリの構成を示す図 本発明の第2の実施形態をにおける制御フローを示す図 従来のモータ駆動用インバータ制御装置のシステム構成図
符号の説明
1 交流電源
2 インバータ
3 ブラシレスモータ
4 固定子
4u〜4w 巻線
5 回転子
6 制御部
7 ダイオードブリッジ
8u〜8w 端子
11 リアクタ
12 コンデンサ
13u〜13w 上アームスイッチング素子
13x〜13z 下アームスイッチング素子
14u〜14w、14x〜14z フリーホイールダイオード
15 相電流検出手段
16 インバータ印加電圧検出手段
18 電気信号入力部
19 中央演算処理装置
20 リコンフィグ回路
21 データメモリ
22 インバータ制御部
23 コンフィグメモリ
24 速度フィードバック演算領域
25 電流フィードバック演算領域
30 三相二相変換演算回路データ
31 二相三相変換演算回路データ
32 角速度誤差PI演算回路データ
33 d軸電流誤差PI演算回路データ
34 q軸電流誤差PI演算回路データ

Claims (6)

  1. モータ相電流やモータ端子電圧やインバータ印加電圧のうち少なくとも一つの電気信号を入力する入力部と、
    前記電気信号入力部から入力した電気信号をプログラムに従ってデータ処理する中央演算処理装置と、
    前記中央演算処理装置からの起動信号によって動的再構成が行われるリコンフィグ回路と、
    前記中央演算処理装置と前記リコンフィグ回路の双方からアクセス可能なデータメモリと、
    前記中央演算処理装置からの情報にもとづいてインバータ制御信号を出力するインバータ制御部と、
    を備えたことを特徴とするモータ駆動用インバータ制御装置。
  2. 回路データを格納するコンフィグメモリを更に備え、前記リコンフィグ回路は、前記コンフィグメモリからロードされる回路データに動的再構成されることを特徴とする請求項1記載のモータ駆動用インバータ制御装置。
  3. 前記コンフィグメモリに、モータの三相電流値を直交二軸座標系に変換する三相二相変換演算処理を行う回路データが格納されていることを特徴とする請求項2記載のモータ駆動用インバータ制御装置。
  4. 前記コンフィグメモリに、直交二軸座標系におけるモータ指令電圧をモータの三相指令電圧に変換する二相三相変換演算処理を行う回路データが格納されていることを特徴とする請求項2記載のモータ駆動用インバータ制御装置。
  5. 前記コンフィグメモリに、指令値と実際の値との誤差にゲインを乗算する比例積分演算処理を行う回路データが格納されていることを特徴とする請求項2記載のモータ駆動用インバータ制御装置。
  6. 前記コンフィグメモリに、モータ相電流やモータ端子電圧やインバータ印加電圧のうち少なくとも一つの電気信号と予め判明しているモータの抵抗値やインダクタンス値や誘起電圧値のうち少なくとも一つのパラメータを併用しながらモータの回転位置を推定する位相推定演算処理を行う回路データが格納されていることを特徴とする請求項2記載のモータ駆動用インバータ制御装置。
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