JP2009272747A - 固体撮像素子及び撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】感度の向上とクランプミスの防止とを両立できる固体撮像素子及び撮像装置を提供する。
【解決手段】被写体からの光に応じた撮像信号を得るための光電変換部が設けられた有効画素領域と、光学的黒レベルの基準信号を得るための素子領域を有するOB画素領域と、有効画素領域とOB画素領域上に設けられ、有効画素領域の光電変換部の上方に開口部が形成された遮光膜とを備え、遮光膜の膜厚が、有効画素領域よりOB画素領域の方が厚くなるように形成されている。
【選択図】図3
【解決手段】被写体からの光に応じた撮像信号を得るための光電変換部が設けられた有効画素領域と、光学的黒レベルの基準信号を得るための素子領域を有するOB画素領域と、有効画素領域とOB画素領域上に設けられ、有効画素領域の光電変換部の上方に開口部が形成された遮光膜とを備え、遮光膜の膜厚が、有効画素領域よりOB画素領域の方が厚くなるように形成されている。
【選択図】図3
Description
本発明は、入射光に応じて信号電荷を生成する光電変換部が配置された有効画素領域と、光学的に黒レベルの基準信号を得るためのオプティカルブラック部(OB部)が配置されたOB画素領域とを有する固体撮像素子及び撮像装置に関する。
固体撮像素子は、半導体基板上に配列されたフォトダイオードなどからなる複数の光電変換部と、光電変換部から読み出された信号電荷を転送する電荷転送電極とを有し、光電変換部の上方が開口して入射光を通過させるとともに、電荷転送電極に入射する光を遮るための遮光膜が形成された画素領域を備えている。
画素領域は、被写体からの入射光に応じて信号電荷を生成することで実際に撮像信号を得るための光電変換部が配置された領域である有効画素領域と、光学的黒レベルの基準信号を得るためのOB画素領域とを有している。
OB画素領域が形成された固体撮像素子としては、例えば、下記特許文献に示すものがある。
特許文献1には、光電変換素子が配列された受光部の周縁に、オプティカルブラック領域が配置された構成の固体撮像素子の構成が記載されている。
特許文献2には、CCD型固体撮像素子の画素配列領域に有効画素領域とオプティカルブラック領域とが形成されている構成が記載されている。
近年、固体撮像素子の多画素化、微細化に伴い、1画素あたりのセルサイズが次第に小さくなっている。セルサイズを小さくすると、光電変換部の上方に形成された遮光膜の開口面積も合わせて小さくなるため、光電変換部で受光される光量が少なくなり、結果として感度が低下し、画質劣化を招いてしまうことが懸念される。そこで、遮光膜を薄膜化して開口面積を大きくすることが考えられるが、OB画素領域においては、遮光膜が薄くなることに起因して光漏れが生じ、この結果、クランプミスが生じ、光学的黒レベルを正常に表示できなくなることがある点で改善の余地があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、感度の向上とクランプミスの防止とを両立できる固体撮像素子及び撮像装置を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記構成によって達成される。
(1)被写体からの光に応じた撮像信号を得るための光電変換部が設けられた素子領域を有する有効画素領域と、光学的黒レベルの基準信号を得るため素子領域を有するOB画素領域と、前記有効画素領域と前記OB画素領域上に設けられ、前記有効画素領域の光電変換部の上方に開口部が形成された遮光膜とを備え、前記遮光膜の膜厚が、前記有効画素領域より前記OB画素領域の方が厚くなるように形成されている固体撮像素子。
(2)前記遮光膜が、前記有効画素領域上に設けられた第1遮光膜と、前記OB画素領域上に設けられた第2遮光膜とを有し、前記第1遮光膜と前記第2遮光膜との間に分離部が形成されることで電気的に分離されている上記(1)に記載の固体撮像素子。
(3)半導体基板に形成された複数の光電変換部と、前記複数の光電変換部から読み出された信号電荷を転送する電荷転送路とを備え、前記OB画素領域において、前記分離部近傍の位置では前記電荷転送路が形成されていない上記(2)に記載の固体撮像素子。
(4)上記(1)から(3)のいずれか1つに記載の固体撮像素子を備えた撮像装置。
(1)被写体からの光に応じた撮像信号を得るための光電変換部が設けられた素子領域を有する有効画素領域と、光学的黒レベルの基準信号を得るため素子領域を有するOB画素領域と、前記有効画素領域と前記OB画素領域上に設けられ、前記有効画素領域の光電変換部の上方に開口部が形成された遮光膜とを備え、前記遮光膜の膜厚が、前記有効画素領域より前記OB画素領域の方が厚くなるように形成されている固体撮像素子。
(2)前記遮光膜が、前記有効画素領域上に設けられた第1遮光膜と、前記OB画素領域上に設けられた第2遮光膜とを有し、前記第1遮光膜と前記第2遮光膜との間に分離部が形成されることで電気的に分離されている上記(1)に記載の固体撮像素子。
(3)半導体基板に形成された複数の光電変換部と、前記複数の光電変換部から読み出された信号電荷を転送する電荷転送路とを備え、前記OB画素領域において、前記分離部近傍の位置では前記電荷転送路が形成されていない上記(2)に記載の固体撮像素子。
(4)上記(1)から(3)のいずれか1つに記載の固体撮像素子を備えた撮像装置。
本発明の固体撮像素子によれば、遮光膜を、有効画素領域上では薄く形成し、OB画素領域上では厚く形成する。すると、有効画素領域の遮光膜を薄膜化することで光電変換部の上方に形成する開口面積の拡大を図ることができる。また、OB画素領域の遮光膜の膜厚は厚いため、クランプミスの発生を防止できる。このため、遮光膜の膜厚を有効画素領域上よりもOB画素領域上の方が厚く形成することで、有効画素領域の感度を向上させつつ、OB画素領域での光学的黒レベルの基準信号を正確に得ることができる。
有効画素領域上に設けられた第1遮光膜と、OB画素領域上に設けられた第2遮光膜とを有し、第1遮光膜と第2遮光膜との間に分離部が形成されることで電気的に分離されている構成とすれば、第1遮光膜のみに電圧を印加することができ、有効画素領域及びOB画素領域のスミア及び空乏化電圧の上昇を抑制することができる。また、第1遮光膜と第2遮光膜とに独立に電圧を印加することができるため、有効画素領域及びOB画素領域から同一条件で信号を読み出すことが可能となる。
OB画素領域において、分離部近傍の位置では電荷転送路が形成されていない構成とすれば、分離部を介して入射した光が、OB画素領域で検出されることを防止でき、光学的黒レベルの基準信号の精度をより一層向上させることができる。
本発明によれば、感度の向上とクランプミスの防止とを両立できる固体撮像素子及び撮像装置を提供できる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1は、本発明にかかる固体撮像素子を備えた撮像装置の概略構成を示す図である。なお、固体撮像素子を備えた撮像装置としては、例えば、デジタルカメラやデジタルビデオカメラなどであり、本実施形態の説明では、デジタルカメラを例に説明する。
図1は、本発明にかかる固体撮像素子を備えた撮像装置の概略構成を示す図である。なお、固体撮像素子を備えた撮像装置としては、例えば、デジタルカメラやデジタルビデオカメラなどであり、本実施形態の説明では、デジタルカメラを例に説明する。
図1に示すように、撮像装置は、撮影レンズ1と、固体撮像素子5と、該撮影レンズ1と固体撮像素子5との間に設けられた絞り2と、赤外線カットフィルタ3と、光学ローパスフィルタ4とを備えている。
また、撮像装置は、電気制御系全体を統括制御するシステム制御部11を備えている。システム制御部11は、フラッシュの発光部12及び受光部13を制御し、レンズ駆動部8を制御して撮影レンズ1の位置をフォーカス位置に調整したりズーム調整を行ったりし、絞り駆動部9を介して絞り2の開口量を制御して露光量の調整を行う。また、システム制御部11は、撮像素子駆動部10を介して固体撮像素子5を駆動し、撮影レンズ1を通して撮像した被写体画像を色信号として出力させる。システム制御部11には、操作部14を通してユーザからの指示信号が入力される。
撮像装置には、固体撮像素子5に接続され、該固体撮像素子5から出力された信号をアナログ処理するアナログ信号処理部6と、該アナログ信号処理部6から出力されたRGBの色信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路7とを備えている。アナログ信号処理部6と、A/D変換回路7とはシステム制御部11によって制御される。
さらに、撮像装置には、メインメモリ16と、メインメモリ16に接続されたメモリ制御部15と、補間演算やガンマ補正演算、RGB/YC変換処理等を行って画像データ生成するデジタル信号処理部17と、デジタル信号処理部17で生成された画像データをJPEG形式に圧縮したり圧縮画像データを伸張したりする圧縮伸張処理部18と、測光データを積算しデジタル信号処理部17が行うホワイトバランス補正のゲインを求める積算部19と、着脱自在の記録媒体21が接続される外部メモリ制御部20と、カメラ背面等に搭載された液晶表示部23が接続される表示制御部22とを備え、これらは、制御バス24及びデータバス25によって相互に接続され、システム制御部11からの指令によって制御される。
図2は、固体撮像素子を概略的に示す平面図である。
図2に示すように、固体撮像素子5は、半導体基板の垂直方向と該垂直方向に対して直交する水平方向に正方格子状に配列された、フォトダイオードなどからなる光電変換部51が複数配列されている。半導体基板には、複数の光電変換部51において、垂直方向に並べられた光電変換部51の各列の右側に、各光電変換部から読み出された信号電荷を垂直方向に転送するための垂直電荷転送路52が設けられている。また、半導体基板には、各光電変換部51に蓄積された信号電荷を垂直電荷転送路52に読み出すための電荷読み出し部53と、垂直電荷転送路52を転送されてきた電荷を水平方向に転送するための水平電荷転送路54と、水平電荷転送路54を転送されてきた電荷を電圧信号に変換して出力する出力部55とを備えている。なお、本実施形態では、光電変換部51が半導体基板表面に略正方向子状に配置された、いわゆるベイヤー配列を例に説明するが、光電変換部の配列はこれに限定されず、光電変換部51の各列が、隣り合う列に対して垂直方向に1/2ピッチづつずらして配置されていもよい。
図2に示すように、固体撮像素子5は、半導体基板の垂直方向と該垂直方向に対して直交する水平方向に正方格子状に配列された、フォトダイオードなどからなる光電変換部51が複数配列されている。半導体基板には、複数の光電変換部51において、垂直方向に並べられた光電変換部51の各列の右側に、各光電変換部から読み出された信号電荷を垂直方向に転送するための垂直電荷転送路52が設けられている。また、半導体基板には、各光電変換部51に蓄積された信号電荷を垂直電荷転送路52に読み出すための電荷読み出し部53と、垂直電荷転送路52を転送されてきた電荷を水平方向に転送するための水平電荷転送路54と、水平電荷転送路54を転送されてきた電荷を電圧信号に変換して出力する出力部55とを備えている。なお、本実施形態では、光電変換部51が半導体基板表面に略正方向子状に配置された、いわゆるベイヤー配列を例に説明するが、光電変換部の配列はこれに限定されず、光電変換部51の各列が、隣り合う列に対して垂直方向に1/2ピッチづつずらして配置されていもよい。
固体撮像素子には、被写体からの光に応じて光電変換作用により信号電荷を生成することで、実際に用いる画像信号を得るための素子領域を有する有効画素領域57と、光学的黒レベルの基準信号を得るための素子領域を有するOB画素領域56とが設けられている。図2では、光学的黒レベルの基準信号を得るための光電変換部51には、「OB」を付して示している。本実施形態の固体撮像素子5においては、被写体からの光に応じた撮像信号を得るための光電変換部51が設けられた領域を有効画素領域57とし、光学的黒レベルの基準信号を得るための光電変換部51が設けられた領域をOB画素領域56とする。なお、本実施形態では、図2に示すように、有効画素領域57の垂直方向の一方と、水平方向の一方とにOB画素領域56の光電変換部51が設けられているが、OB画素領域56の光電変換部51の配置はこれに限定されず、有効画素領域57の周囲の他の位置に設けられていてもよい。また、OB画素領域56の素子領域には、光電変換部51が設けられていない構成としてもよい。
図3は、図2に示す固体撮像素子のA−A線断面図であり、図4は、図2に示す固体撮像素子のB−B線断面図である。図3及び図4において、遮光膜の上方の構成(例えば、カラーフィルタやマイクロレンズ等)については図示せず省略している。
半導体基板は、n型基板と、光入射側表面に形成された、pウェル層とで構成され、該pウェル層の表面に光電変換部51を含む画素領域が形成されている。
光電変換部51は、pウェル層の光入射側表面に形成されたp型不純物層51aと、p型不純物層51aの下に形成されたn型不純物層51bとから構成されている。p型不純物層51aは、光電変換部51の表面電位を固定して暗電流を防ぐ機能を有している。光電変換部51で発生した信号電荷は、n型不純物層51bに蓄積される。
半導体基板50において光電変換部51の左側には、少し離間してn型不純物層からなる垂直電荷転送路52が形成されている。光電変換部51と垂直電荷転送路52との間には、光電変換部51のn型不純物層51bに蓄積された信号電荷を垂直電荷転送路52に読み出すため、p型不純物からなる電荷読み出し部53が形成されている。
半導体基板50において、光電変換部51,垂直電荷転送路52及び電荷読み出し部53の上方には、シリコン酸化膜やONO膜等からなる図示しないゲート絶縁膜が形成されている。半導体基板50の上方には、ゲート絶縁膜を介して垂垂直電荷転送路52に電圧を供給して電荷転送動作を制御するための、ポリシリコン等からなる電極58が形成されている。
ゲート絶縁膜及び電極58を覆うように絶縁膜59が形成され、絶縁膜59上に、アルミニウムやタングステンなどからなる遮光膜61が形成されている。遮光膜61は、有効画素領域57の光電変換部51の上方に、入射光を光電変換部51へ入射させるため開口部62が形成されている。
本実施形態の固体撮像素子は、遮光膜61の膜厚が、有効画素領域57よりOB画素領域56の方が厚くなるように形成されている。具体的に、遮光膜61のうち、有効画素領域57上に設けられた第1遮光膜61aの膜厚をaとし、OB画素領域58上に設けられた第2遮光膜61bの膜厚をbとしたとき、第2遮光膜61bの膜厚bが第1遮光膜61aの膜厚aより厚くなるように構成されている。
有効画素領域57の光電変換部51上の開口面積を大きくする場合には、第1遮光膜61aの膜厚aを薄く形成することで、開口部62における半導体基板50の表面に対して平行方向の寸法をかせぐことができ、膜厚aを薄くした分に応じて開口面積を大きくすることができる。一方で、OB画素領域58上の第2遮光膜61bの膜厚bは、第1遮光膜61aに制限されることなく、自由な膜厚で形成することができる。つまり、第1遮光膜61aの膜厚aを薄く形成する場合に、膜厚aにかかわらず、第2遮光膜61bの膜厚bを光漏れが生じない範囲の厚さで形成することで、OB画素領域の光電変換部51によって光学的黒レベルの基準信号を得る際にクランプミスが生じることを防止できる。
次に、遮光膜を形成する手順について説明する。
先ず、半導体基板50に光電変換部51と、垂直電荷転送路52と、電荷読み出し部53とを形成する。その後、半導体基板50上にゲート絶縁膜と、電極58を形成し、ゲート絶縁膜及び電極58を覆うように絶縁膜59を形成する。次に、有効画素領域57とOB画素領域56とに、同じ膜厚で遮光膜61をスパッタリングによって形成する。ここで、遮光膜61の膜厚は、第1遮光膜61aの目標膜厚aとほぼ同じとなるようにする。そして、有効画素領域57の光電変換部51上の遮光膜61の一部をエッチングすることで開口部62を形成する。
次に、有効画素領域57のみを絶縁材料系のレジスト層でマスクし、OB画素領域56上に既に形成された遮光膜61に、同じ材料を用いて積み重ねてより厚い膜厚となるように遮光膜61(第2遮光膜61b)を形成する。こうすることで、有効画素領域57上の膜厚aより、OB画素領域56上の膜厚bが厚い遮光膜61を形成することができる。
先ず、半導体基板50に光電変換部51と、垂直電荷転送路52と、電荷読み出し部53とを形成する。その後、半導体基板50上にゲート絶縁膜と、電極58を形成し、ゲート絶縁膜及び電極58を覆うように絶縁膜59を形成する。次に、有効画素領域57とOB画素領域56とに、同じ膜厚で遮光膜61をスパッタリングによって形成する。ここで、遮光膜61の膜厚は、第1遮光膜61aの目標膜厚aとほぼ同じとなるようにする。そして、有効画素領域57の光電変換部51上の遮光膜61の一部をエッチングすることで開口部62を形成する。
次に、有効画素領域57のみを絶縁材料系のレジスト層でマスクし、OB画素領域56上に既に形成された遮光膜61に、同じ材料を用いて積み重ねてより厚い膜厚となるように遮光膜61(第2遮光膜61b)を形成する。こうすることで、有効画素領域57上の膜厚aより、OB画素領域56上の膜厚bが厚い遮光膜61を形成することができる。
また、別の手順としては、上記と同様に半導体基板50に絶縁膜59まで形成した後、有効画素領域57とOB画素領域56とに、同じ膜厚で遮光膜61をスパッタリングによって形成する。ここで、遮光膜61の膜厚は、第2遮光膜61bの目標膜厚bとほぼ同じとなるようにする。次に、OB画素領域56のみを絶縁材料系のレジスト層でマスクし、有効画素領域57上に既に形成された遮光膜61にエッチング処理を施し、OB画素領域56上の遮光膜61より薄い膜厚にする。こうすることで、OB画素領域56上の膜厚bより有効画素領域57上の膜厚aが薄い遮光膜61を形成することができる。
なお、本実施形態の固体撮像素子において、有効画素領域57とOB画素領域56とで厚さの異なる遮光膜61を形成することができれば、上記手順に限定されない。
このような構成の固体撮像素子によれば、有効画素領域の遮光膜を薄膜化することで光電変換部の上方に形成する開口面積の拡大を図ることができ、OB画素領域の遮光膜の膜厚は厚いため、クランプミスの発生を防止できる。このため、遮光膜の膜厚を有効画素領域上よりもOB画素領域上の方が厚く形成することで、有効画素領域の感度を向上させつつ、OB画素領域での光学的黒レベルの基準信号を正確に得ることができる。
次に、本発明にかかる固体撮像素子の別の実施形態を説明する。
上記実施形態では、有効画素領域57及びOB画素領域56上の遮光膜61が一体に形成された構成であるが、有効画素領域57及びOB画素領域56上の遮光膜61が分離された構成としてもよい。
上記実施形態では、有効画素領域57及びOB画素領域56上の遮光膜61が一体に形成された構成であるが、有効画素領域57及びOB画素領域56上の遮光膜61が分離された構成としてもよい。
図5は、固体撮像素子の別の実施形態を示す断面図である。図5は、図3と同様に図2に示される固体撮像素子のA−A線断面図と同じ断面を見た状態を示している。なお、以下の実施形態の説明において、すでに説明した部材などと同等な構成・作用を有する部材等については、図中に同一符号又は相当符号を付すことにより、説明を簡略化或いは省略する。
図5に示すように、有効画素領域57上の第1遮光膜61aと、OB画素領域56上の第2遮光膜61bとの間に、有効画素領域57とOB画素領域56との境界に沿って、遮光膜61が形成されていない分離部Sが形成されている。遮光膜61は、第1遮光膜61aと第2遮光膜61bとの間に分離部Sを形成することで、電気的に分離することができる。
分離部Sを形成する手順としては、上記実施形態の固体撮像素子のように、有効画素領域57とOB画素領域56とで厚さの異なる単一の遮光膜61を形成した後、有効画素領域57とOB画素領域56との境界に対応する位置の遮光膜61を除去することで形成することができる。また、分離部Sを形成する別の手順としては、有効画素領域57とOB画素領域56とに、順に別の工程で分離部Sを除く領域に第1の遮光膜61aと第2遮光膜61bとを形成してもよい。なお、第1の遮光膜61a及び第2遮光膜61bを形成する手順としては、上記実施形態の手順と同じ手順を用いることができる。
第1の遮光膜61aと第2遮光膜61bとを電気的に分離した構成とすることで、第1の遮光膜61aにのみ所定の電圧を印加することできるようになる。こうすれば、スミアを低減させるために有効画素領域57上の第1遮光膜61aに電圧を印加した場合に、電圧の影響がOB画素領域56上の第2遮光膜61bに影響を及ぼすことで、基準信号が不安定になることを防止できる。
また、第1の遮光膜61aと第2遮光膜61bとのそれぞれに独立した電圧を印加する構造としてもよい。こうすれば、固体撮像素子5の露光期間中に光電変換部51に蓄積された信号電荷を垂直電荷転送路52に読み出す電荷読み出し期間には、各端子にそれぞれ正(+)の電圧を印加することで、光電変換部51の空乏化電圧の上昇を抑制することができる。また、電荷読み出し期間以外の期間には、各端子に負(−)の電圧を印加することで、光電変換部51のp型不純物層51aから垂直電荷転送路52にスミア電荷が移動することを抑制することができる。なお、第1の遮光膜61aと第2遮光膜61bとに電圧を印加する構成においては、OB画素領域56にも有効画素領域57と同様に光電変換部51を設けている。
また、第1の遮光膜61aと第2遮光膜61bとのそれぞれに独立した電圧を印加する構造としてもよい。こうすれば、固体撮像素子5の露光期間中に光電変換部51に蓄積された信号電荷を垂直電荷転送路52に読み出す電荷読み出し期間には、各端子にそれぞれ正(+)の電圧を印加することで、光電変換部51の空乏化電圧の上昇を抑制することができる。また、電荷読み出し期間以外の期間には、各端子に負(−)の電圧を印加することで、光電変換部51のp型不純物層51aから垂直電荷転送路52にスミア電荷が移動することを抑制することができる。なお、第1の遮光膜61aと第2遮光膜61bとに電圧を印加する構成においては、OB画素領域56にも有効画素領域57と同様に光電変換部51を設けている。
さらに、第1の遮光膜61aと第2遮光膜61bとのそれぞれに独立した電圧を印加する構造では、有効画素領域57上の第1遮光膜61aの構造と、OB画素領域56上の第2遮光膜61bの構造は異なるため、各端子に同じレベルの負の電圧又は正の電圧を印加した場合には、有効画素領域57とOB画素領域56とから同一条件で信号を読み出すことができない。そこで、固体撮像素子5に全く光を入射させない状態で撮影動作を行い、撮影によって有効画素領域57の光電変換部51から得られた信号電荷とOB画素領域56の光電変換部51から得られた信号電荷とがほぼ同一となるような、電荷読み出し期間に各端子にそれぞれ印加する電圧、電荷読み出し期間以外の期間に各端子のそれぞれに印加する電圧を予め測定し、設定する。そして、撮影時には、予め測定された値に基づいて各端子に電圧を印加することで、有効画素領域57とOB画素領域56とから同一条件で信号を読み出すことが可能となる。このため、光学的黒レベルの基準信号を精度良く得ることができる。
遮光膜61に分離部Sを形成した構成では、分離部Sを通過した光がOB画素領域側に進入するとに起因して、OB画素信号で誤信号が検出されることが考えられる。このため、図5に示すように、OB画素領域56において、分離部S近傍の位置では電荷転送路52を形成しない構成とすることが好ましい。こうすれば、分離部を介して入射した光が、OB画素領域で検出されることを防止でき、光学的黒レベルの基準信号の精度をより一層向上させることができる。
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜な変形、改良などが可能である。
例えば、上記実施形態では、固体撮像素子としてCCD型イメージセンサの構成を例に説明したが、本発明にかかる固体撮像素子はこれに限定されない。例えば、固体撮像素子とては、CMOS型イメージセンサであってもよい。
例えば、上記実施形態では、固体撮像素子としてCCD型イメージセンサの構成を例に説明したが、本発明にかかる固体撮像素子はこれに限定されない。例えば、固体撮像素子とては、CMOS型イメージセンサであってもよい。
5 固体撮像素子
51 光電変換部
52 電荷転送路
56 OB画素領域
57 有効画素領域
61 遮光膜
61a 第1遮光膜
61b 第2遮光膜
62 開口部
51 光電変換部
52 電荷転送路
56 OB画素領域
57 有効画素領域
61 遮光膜
61a 第1遮光膜
61b 第2遮光膜
62 開口部
Claims (4)
- 被写体からの光に応じた撮像信号を得るための光電変換部が設けられた素子領域を有する有効画素領域と、
光学的黒レベルの基準信号を得るため素子領域を有するOB画素領域と、
前記有効画素領域と前記OB画素領域上に設けられ、前記有効画素領域の光電変換部の上方に開口部が形成された遮光膜とを備え、
前記遮光膜の膜厚が、前記有効画素領域より前記OB画素領域の方が厚くなるように形成されている固体撮像素子。 - 前記遮光膜が、前記有効画素領域上に設けられた第1遮光膜と、前記OB画素領域上に設けられた第2遮光膜とを有し、前記第1遮光膜と前記第2遮光膜との間に分離部が形成されることで電気的に分離されている請求項1に記載の固体撮像素子。
- 半導体基板に形成された複数の光電変換部と、
前記複数の光電変換部から読み出された信号電荷を転送する電荷転送路とを備え、
前記OB画素領域において、前記分離部近傍の位置では前記電荷転送路が形成されていない請求項2に記載の固体撮像素子。 - 上記請求項1から3のいずれか1つに記載の固体撮像素子を備えた撮像装置。
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JP2008119714A JP2009272747A (ja) | 2008-05-01 | 2008-05-01 | 固体撮像素子及び撮像装置 |
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-
2008
- 2008-05-01 JP JP2008119714A patent/JP2009272747A/ja not_active Withdrawn
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