JP2009272101A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】反応生成物を触媒層から迅速に排出することの可能な燃料電池。
【解決手段】電解質層と、該電解質層のそれぞれの側に設けられたアノード触媒層およびカソード触媒層と、前記アノード触媒層の前記電解質層とは反対の側に設けられ、前記アノード触媒層に燃料を供給する燃料供給部と、前記カソード触媒層の前記電解質層とは反対の側に設けられ、前記カソード触媒層に酸化剤を供給する酸化剤供給部とを具備する燃料電池において、アノード触媒層と前記燃料供給部との間には、燃料が流通する第1のマクロ空間を形成する第1の導電性部材が、アノード触媒層および燃料供給部と接するように設置され、ならびに/またはカソード触媒層と酸化剤供給部との間には、酸化剤が流通する第2のマクロ空間を形成する第2の導電性部材が、カソード触媒層および酸化剤供給部と接するように設置されている、燃料電池。
【選択図】図3

Description

本発明は、燃料電池に関し、特に固体高分子型燃料電池に関する。
燃料電池は、反応生成物は水のみであり、クリーンな電源として知られている。特に、水素またはアルコールを燃料とする固体高分子型燃料電池(PEFC)は、その高いエネルギー変換効率のため、自動車用電源として、あるいは家庭用電源として期待されている。
一般にPEFCは、アノード極およびカソード極の二つの電極と、これらに挟まれた高分子電解質層とを有するユニット(単セル)を複数積層し、スタック化することにより構成される。通常、アノード極は、アノード触媒層とアノード拡散層とで構成され、カソード極は、カソード触媒層とカソード拡散層とで構成される。また、PEFCは、通常セパレータと呼ばれる、それぞれの電極に反応原料を供給するための流路を形成する燃料供給部材および酸化剤供給部材を有する。すなわち、アノード側のセパレータにより、各セルのアノード極に燃料が供給され、カソード側のセパレータにより、各セルのカソード極に酸化剤(酸素または空気)が供給される。アノード極に燃料が供給され、カソード極に酸化剤が供給されると、それぞれの電極では、燃料の酸化反応および酸素の還元反応等が生じ、これによりPEFC全体として起電力を発生させることができる。
これまでにPEFCの発電性能、耐久性等を高めるため、様々なPEFCの構成が提案されている。例えば、高温作動のPEFCにおいて、気体生成水と空気の混合気体の発生によるカソード側のセパレータでの圧力損失の増大を抑制するため、カソード入口側に比べてカソード出口側において、流路断面を大きくすることが提案されている(特許文献1)。また、セパレータの凹凸形状にバラツキが発生しても、接触抵抗の低減を図ることの可能な燃料電池が提案されている(特許文献2)。
特開2007−115413号公報 特開2006−228580号公報
前述の燃料電池の構成において、アノード極では、燃料の酸化反応により、炭酸ガスが生成され、カソード極では、酸素の還元反応水が生成される。これらの反応生成物(すなわち炭酸ガスおよび水)は、燃料電池の発電反応に直接関与しないため、生成後には、速やかに外部に排出されることが好ましい。
ここで、従来の燃料電池では、アノード極で生じた炭酸ガスは、アノード拡散層およびアノード側のセパレータを介して電池外に排出され、カソード極で生じた水は、カソード拡散層およびカソード側のセパレータを介して電池外部に排出される。しかしながら、一般に、拡散層内に設けられる流体の流通路(隙間)は、微細な小孔(いわゆる「ミクロポア」)で構成されており、多量の流体を高速度で排出することが可能な構造にはなっていない。このため、両拡散層の存在により、反応生成物の電池外部への迅速な排出が妨げられる場合がある。この場合、アノード触媒層の表面に炭酸ガスが停滞し、カソード触媒層の表面に水が停滞するようになる。さらにこのような現象が生じると、両触媒層には、燃料および酸化剤が十分に供給されなくなり、燃料電池の内部抵抗が上昇し、発電性能が低下してしまうという問題が生じる。
本発明は、このような問題に鑑みなされたものであり、燃料電池内で生じた炭酸ガスおよび水のような反応生成物を、触媒層表面から迅速に排出することの可能な燃料電池を提供することを目的とする。
本発明では、電解質層と、該電解質層のそれぞれの側に設けられたアノード触媒層およびカソード触媒層と、前記アノード触媒層の前記電解質層とは反対の側に設けられ、前記アノード触媒層に燃料を供給する燃料供給部と、前記カソード触媒層の前記電解質層とは反対の側に設けられ、前記カソード触媒層に酸化剤を供給する酸化剤供給部とを具備する燃料電池において、
前記アノード触媒層と前記燃料供給部との間には、燃料が流通する第1のマクロ空間を形成する第1の導電性部材が、前記アノード触媒層および前記燃料供給部と接するように設置され、ならびに/または
前記カソード触媒層と前記酸化剤供給部との間には、酸化剤が流通する第2のマクロ空間を形成する第2の導電性部材が、前記カソード触媒層および前記酸化剤供給部と接するように設置されていることを特徴とする燃料電池が提供される。
ここで、本発明の燃料電池では、第1の導電性部材は、互いに平行に配置された、第1の複数の導電性のワイヤで構成され、および/または
第2の導電性部材は、互いに平行に配置された、第2の複数の導電性のワイヤで構成されても良い。
また、前記第1の複数の導電性のワイヤと、前記第2の複数の導電性のワイヤは、前記電解質層を介して、実質的に相互に重なるような位置に配置されても良い。
また、前記第1の複数の導電性のワイヤの少なくとも一部は、前記アノード触媒層に埋設されており、および/または
前記第2の複数の導電性のワイヤの少なくとも一部は、前記カソード触媒層に埋設されていても良い。
さらに、前記第1の複数の導電性のワイヤおよび前記第2の複数の導電性のワイヤのうちの少なくとも一つは、前記電解質層と接触していても良い。
ここで、本発明では、前記第1の複数の導電性のワイヤおよび前記第2の複数の導電性のワイヤのうちの少なくとも一つは、断面が円形、矩形または三角形のいずれかであっても良い。
特に、前記第1の複数の導電性のワイヤおよび前記第2の複数の導電性のワイヤのうちの少なくとも一つは、断面が三角形状であり、
前記三角形の一つの頂点は、実質的に前記電解質層の方に配向され、前記頂点と対向する底辺は、実質的に、前記電解質層とは反対の方に配向されても良い。
また、本発明では、前記第1の導電性部材および前記第2の導電性部材のうちの少なくとも一つは、白金、金、カーボン、ステンレス鋼、およびこれらの少なくとも一つを含む合金からなる群から選定された材料で構成されても良い。
あるいは、前記第1の導電性部材および前記第2の導電性部材のうちの少なくとも一つは、表面の少なくとも一部が白金、金またはステンレス鋼で被覆されていても良い。
また本発明では、当該燃料電池は、前記電解質層、アノード触媒層およびカソード触媒層を含む、単一の燃料電池セルで構成されても良い。
あるいは、当該燃料電池は、前記電解質層、アノード触媒層およびカソード触媒層を含む燃料電池セルが、複数積層されて構成されても良い。
また本発明において、当該燃料電池に使用される前記燃料は、液体燃料であっても良い。
本発明の燃料電池では、燃料電池内で生じた炭酸ガスおよび水のような反応生成物を、触媒層表面から迅速に排出することが可能となる。
以下、本発明の実施形態を詳しく説明する。
まず最初に、本発明の特徴をより理解するため、従来の固体高分子型燃料電池の構成と動作について説明する。
図1および2には、それぞれ、従来の固体高分子型燃料電池の模式的な断面図および分解構成図の一例を示す。
従来の固体高分子型燃料電池(以下、単に「燃料電池」という)1は、固体高分子製の電解質層2と、この電解質層2の片側に設置されたアノード触媒層3aと、電解質層2の他の側に設置されたカソード触媒層3bとを有する(ただし、図2では、描写角度の関係から、カソード触媒層3bは視認できない)。また、燃料電池1は、アノード触媒層3aの電解質層2が設置された側とは反対の側に設置されたアノード拡散層4aと、このアノード拡散層4aと接するように設置された燃料供給部5aとを有する。同様に、燃料電池1は、カソード触媒層3bの電解質層2が設置された側とは反対の側に設置されたカソード拡散層4bと、このカソード拡散層4bと接するように設置された酸化剤供給部5bとを有する。燃料供給部5aおよび酸化剤供給部5bは、それぞれ、燃料流通路(例えば、溝)6aおよび酸化剤流通路(例えば、溝)6bを有し、これらの流通路6aおよび6bは、それぞれの拡散層4aおよび4bと面するようにして配置される。
燃料電池1は、さらに、アノードシール部材8aを有し、これは、燃料のシールを目的として、電解質層2と燃料供給部5aの間に設置される。すなわち、アノード触媒層3aおよびアノード拡散層4aは、電解質層2に比べて、寸法が小さくなっており、アノードシール部材8aは、アノード触媒層3aおよびアノード拡散層4aの周囲に、このアノードシール部材8aの外周位置が、実質的に電解質層2の外周と揃うようにして配置される。同様に、酸化剤のシールを目的として、電解質層2と酸化剤供給部5bの間、すなわちカソード触媒層3bおよびカソード拡散層4bの周囲には、カソードシール部材8bが、該カソードシール部材8bの外周位置が実質的に電解質層2の外周と揃うようにして、設置される。
燃料供給部5aの外側(アノード拡散層3aとは反対の側)には、さらに、アノード集電板7a、アノード絶縁板9aおよびアノードエンドプレート10aがこの順に積層される。同様に、酸化剤供給部5bの外側(カソード拡散層3bとは反対の側)には、さらに、カソード集電板7b、カソード絶縁板9bおよびカソードエンドプレート10bがこの順に積層される。
燃料電池1の発電の際には、外部から、アノードエンドプレート10a、アノード集電板7a等を介して、燃料供給部5aに燃料が供給される。この燃料は、燃料供給部5aに設けられた燃料流通路6aから、アノード拡散層4aに存在する多数のミクロポアを介して、アノード触媒層3aに供給される。同様に、酸化剤は、外部から、カソードエンドプレート10b、カソード集電板7b等を介して、酸化剤供給部5bに供給される。その後、酸化剤は、酸化剤供給部5bに設けられた酸化剤流通路6bから、カソード拡散層4bに存在する多数のミクロポアを介して、カソード触媒層3bに供給される。
燃料および酸化剤がそれぞれの触媒層3a、3bに供給されると、アノード触媒層3aでは、

アノード反応:CHOH+HO→6H+6e+CO (1)式

が生じ、カソード触媒層3bでは、

カソード反応:6H+3/2O+6e→3HO (2)式

が生じ、セル全体として、

全反応:CHOH+3/2O→2HO+CO (3)式

の反応が生じる。従って、燃料電池の発電により、アノード触媒層3a側では、炭酸ガスが発生し、カソード触媒層3b側では、水が生成する。
アノード触媒層3a側で生じた炭酸ガスは、アノード拡散層4aのミクロポア、および燃料供給部5aを介して、燃料電池外に排出される。また、カソード触媒層3b側で生じた水は、カソード拡散層4bのミクロポア、および酸化剤供給部5bを介して、燃料電池外に排出される。
なお、前述の反応によりアノード触媒層3aで生じた電子は、その後、拡散層4a、燃料供給部5aを介して、アノード集電板7aにまで移動する。また、カソード触媒層3bでの反応に必要な電子は、カソード集電板7b、酸化剤供給部5bおよび拡散層4bを介して、カソード触媒層3bまで供給される。従って、アノード集電板7aとカソード集電板7bの間に外部負荷を直列に接続した場合、電気的な回路が構成され、この外部負荷に給電を行うことが可能となる。
次に、本発明による固体高分子型燃料電池の構成を説明する。図3および図4には、それぞれ、本発明による燃料電池の模式的な断面図および分解構成図の一例を示す。
本発明による燃料電池100は、基本的には、前述のような従来の燃料電池1と同様に構成される。従って、図3および図4に示す本発明による燃料電池100において、従来の燃料電池と同様の部材には、同じ参照符号が付されている。
本発明による燃料電池100は、従来の燃料電池1と同様、電解質層2と、この電解質層2の片側に設置されたアノード触媒層3aと、電解質層2の他の側に設置されたカソード触媒層3bとを有する。また、アノード触媒層3aの外側には、このアノード触媒層3aに燃料を供給するための燃料供給部5aが設けられ、カソード触媒層3bの外側には、このカソード触媒層3bに酸化剤を供給するための酸化剤供給部5bが設けられる。
しかしながら、本発明による燃料電池100は、前述のアノード拡散層4aおよびカソード拡散層4bを有さない点が、従来の燃料電池1とは大きく異なっている。また、本発明による燃料電池100では、アノード触媒層3aと燃料供給部5aの間には、アノード側導電性部材160aが設けられ、カソード触媒層3bと酸化剤供給部5bの間には、カソード側導電性部材160bが設けられている。
アノード側導電性部材160aは、アノード触媒層3aおよび燃料供給部5aの双方と接するように配置され、アノード触媒層3aおよび燃料供給部5aの間には、燃料が流通するマクロ空間165aが形成される。同様に、カソード側導電性部材160bは、カソード触媒層3bおよび酸化剤供給部5bの双方と接するように配置され、カソード触媒層3bおよび酸化剤供給部5bの間には、酸化剤が流通するマクロ空間165bが形成される。導電性部材160a、160bは、いかなる導電性材料で構成されても良いが、導電性部材160a、160bを、例えば金属で構成した場合、拡散層4a、4bに比べて高い導電性を得ることができる。
ここで、「マクロ空間」という用語は、拡散層4a、4bのような多孔質部材が有するミクロポアにより形成される空間とは異なり、肉眼で認識することができる程度の大きな空間を意味することに留意する必要がある。
また図4の例では、アノード側導電性部材160aは、アノード触媒層3a上に、相互に平行に配置された複数の導電性ワイヤで構成され、カソード側導電性部材160bは、カソード触媒層3b上に、相互に平行に配置された複数の導電性ワイヤで構成されている。しかしながら、導電性部材160a、160bは、このような態様に限られるものではない。例えば、導電性部材160aは、
(i)従来の拡散層4aと同等のまたはこれよりも高い導電性を有し、
(ii)アノード触媒層3aおよび燃料供給部5aと電気的に接続され、
(iii)アノード触媒層3aと燃料供給部5aの間に、マクロ空間165aを形成することが可能であれば、いかなる態様で構成されても良い。同様に、導電性部材160bは、
(i)従来の拡散層4bと同等のまたはこれよりも高い導電性を有し、
(ii)カソード触媒層3bおよび酸化剤供給部5bと電気的に接続され、
(iii)カソード触媒層3bと酸化剤供給部5bの間に、マクロ空間165bを形成することが可能であれば、いかなる態様で構成されても良い。
例えば、導電性部材160a、160bは、導電性のネット状部材で構成されても良い。
本発明の燃料電池100では、このような構成のため、アノード触媒層3a、アノード側導電性部材160aのマクロ空間165a、燃料供給部5aにより、燃料の流路が形成され、カソード触媒層3b、カソード側導電性部材160bのマクロ空間165b、酸化剤供給部5bにより、酸化剤の流路が形成される。
本発明の燃料電池100の場合、外部から燃料供給部5aに供給された燃料は、アノード側導電性部材160aにより形成されたマクロ空間165aを介して、アノード触媒層3aまで供給される。同様に、外部から酸化剤供給部5bに供給された酸化剤は、その後、カソード側導電性部材160bにより形成された隙間165bを介して、カソード触媒層3bまで供給される。
ここで、燃料電池のアノード触媒層3aおよびカソード触媒層3bで生じた反応生成物は、燃料電池の発電反応に直接関与しないため、生成後に速やかに外部に排出されることが好ましい。
しかしながら、前述の図1、図2に示すような従来の燃料電池1では、反応生成物(すなわち炭酸ガスおよび水)の燃料電池外部に向かう流れが、アノード拡散層4aおよびカソード拡散層4bの影響を受けやすい構造となっている。すなわち、反応生成物は、これらの拡散層内を通って流通する必要があるが、拡散層内にはミクロポアのような微細な隙間しか存在せず、マクロ空間が存在しないため、反応生成物の燃料供給部5aまたは酸化剤供給部5bへの迅速な流通が妨げられる。さらに、これにより、アノード触媒層3aの表面に炭酸ガスが停滞し、カソード触媒層3bの表面に水が停滞するようになる。このような現象が生じると、両触媒層には、燃料および酸化剤が十分に供給されなくなり、燃料電池の内部抵抗が上昇し、発電性能が低下してしまう場合がある。
また、このような問題を避けるため、両拡散層4aおよび4bを単に排除することが考えられる。しかしながら、そのような場合、各触媒層3a、3bは、それぞれ燃料供給部5aおよび酸化剤供給部5bの凸部(すなわち表面の流通路6a、6bが形成されていない部分)と直接接することになる。従って、アノード触媒層3aと燃料供給部5aの接触部、ならびにカソード触媒層3bと酸化剤供給部5bの接触部では、燃料および酸化剤のような反応原料が、各触媒層に十分に供給されなくなってしまう。さらにこの場合、発電に寄与する触媒層の有効反応面積が実質的に小さくなり、燃料電池から供給される電流量が低下してしまうという問題がある。
これに対して、本発明の燃料電池100では、前述のように、アノード触媒層3aと燃料供給部5aの間、およびカソード触媒層3bと酸化剤供給部5bの間には、拡散層4a、4bの代わりに、それぞれ、マクロ空間165aを形成するアノード側導電性部材160a、マクロ空間165bを形成するカソード側導電性部材160bが設置されている。
このため、本発明による燃料電池100では、アノード触媒層3aで生じた炭酸ガスは、未反応の燃料の流れとともに、アノード側導電性部材160aにより形成されたマクロ空間165aを介して、燃料供給部5a、さらには外部に排出される。同様に、カソード触媒層3bで生じた水は、未反応の酸化剤の流れとともに、カソード側導電性部材160bにより形成されたマクロ空間165bを介して、酸化剤供給部5b、さらには外部に排出される。この場合、反応生成物の流通路には、従来の拡散層内に形成されたミクロポアのような、反応生成物の外部への流通を阻害する箇所は、存在しない。
従って、本発明では、燃料電池の発電により生じた反応生成物は、未反応の燃料または酸化剤とともに、両触媒層3a、3bから迅速に外部に排出されるため、前述のような、これらの反応生成物がそれぞれの触媒層の近傍に停滞し、燃料電池の発電性能が低下するという問題を有意に抑制することができる。
また、本発明の燃料電池の構成では、アノード触媒層3aで生じた電子、およびカソード触媒層3bで消費される電子は、それぞれ、アノード側導電性部材160a〜燃料供給部5a〜アノード集電板7a、およびカソード集電板7b〜酸化剤供給部5b〜カソード側導電性部材160b、を介して流れる。従って、アノード側導電性部材160aおよび/またはカソード側導電性部材160bを、従来の拡散層4a、4bに比べて、より高い導電性を有する材料で構成した場合、燃料電池内での電圧低下を最小限に抑制することができる。
本発明による燃料電池100において、アノード側導電性部材160aおよびカソード側導電性部材160b(以下、これらをまとめて、「導電性部材」160という)は、前述のように、従来の拡散層4a、4bと同等のまたはこれよりも高い導電性を有する、いかなる材料で構成されても良い。導電性部材160は、例えば、白金、金、カーボン、およびこれらの少なくとも一つを含む合金からなる群から選定された材料で構成されても良い。あるいは、導電性部材160は、SUS304のようなステンレス鋼で構成されても良い。なお、本願において、ステンレス鋼は、SUS306、SUS310等、主添加元素として鉄、ニッケルおよびクロムを含む、いかなる合金をも含むことに留意する必要がある。導電性部材160を、このような材料で構成した場合、導電性部材160の電気抵抗を小さくすることができるとともに、導電性部材160の耐食性、安定性が向上するため、燃料電池の特性を長期にわたって安定に維持することができる。
あるいは、導電性部材160は、非導電性材料(または導電性材料)のコア部に、別の導電性材料がコーティングされて構成されても良い。コーティング材料は、特に限られないが、例えば白金、金、カーボン、およびこれらの少なくとも一つを含む合金からなる群から選定された材料で構成されても良い。あるいは、コーティング材料は、ステンレス鋼で構成されても良い。
また、導電性部材160が、前述のように、相互に平行に配置された複数の導電性ワイヤで構成される場合、アノード側導電性部材160aは、図3および図4に示すように、電解質層2を介して、カソード側導電性部材160bと実質的に相互に重なるような位置に配置されても良い。このような構成では、アノード側導電性部材160aに対する燃料供給部5aの側からの押し付け力と、カソード側導電性部材160bに対する酸化剤供給部5bの側からの押し付け力が、電解質層2を介して、バランスされる。従って、各部材の組み立て時に、各部材同士の位置ずれや、押し付け圧力の不均一化の発生を抑制することができる。
また、導電性部材160が、相互に平行に配置された複数の導電性ワイヤで構成される場合、導電性部材160は、図3に示すように、触媒層3a、3bの内部に一部が埋設されるようにして、触媒層に設置されることが好ましい。これにより、触媒層3a、3bと導電性部材160との間の接触抵抗を、低減させることができる。なお、そのような導電性部材160が埋設された触媒層は、例えば、触媒層の硬化処理前(すなわち、触媒層が比較的柔らかい段階時)に、ある硬質担持板上に、導電性部材160を構成する複数のワイヤを予め平行に配設しておき、この上に触媒層を均一に押し付けることによって、簡単に得ることができる。
さらに、そのような導電性部材160が埋設された触媒層に対して、ワイヤの露出部に、さらに触媒層の原料を塗布し、この原料を固定化させても良い。この場合、導電性部材160と触媒層の間の接触抵抗をより一層低減することが可能になる。ただし、この構成を採用する場合、触媒層に含まれる材料に対して、導電性部材160が十分な耐食性を有することが必要である。
また、一部が触媒層の内部に埋設された導電性部材160において、導電性部材160のこの埋設部分は、さらに、電解質層2と接触しても良い。このような形態の導電性部材160を形成する際には、例えば、前述のような、ワイヤが配設された硬質担持板が、触媒層と電解質層の組立体に対して圧接される。この際、圧接力のほとんどは、触媒層ではなく、電解質層の方に加わることになる。従って、導電性部材160を触媒層に埋設させる際に、クラックの発生等により、触媒層が破損することを抑制することが可能となる。
また、導電性部材160が、相互に平行に配置された複数の導電性ワイヤで構成される場合、そのような導電性ワイヤの断面形状は、特に限られず、円形の他、楕円形、矩形、正方形、三角形等のいかなる形状であっても良い。
例えば、導電性ワイヤの断面を円形にした場合、触媒層と導電性ワイヤとの接触面積を小さくすることができるため、反応原料(燃料および酸化剤)が触媒層と接触する面積が大きくなる。従って、この場合、燃料電池の出力電流を有意に向上させることができる。
また、導電性ワイヤの断面を三角形状にする場合、三角形の一つの頂点が実質的に電解質層2の方向に配向され、この頂点と対向する三角形の底辺が、実質的に電解質層2とは反対の方向に配向されるようにして、導電性ワイヤを配置することが好ましい。この場合、三角形の一つの頂点を電解質層2の反対方向に配向する場合に比べて、触媒層と導電性ワイヤとの接触面積をより一層小さくすることができるため、反応原料(燃料および酸化剤)が触媒層と接触する面積が増大する。その結果、取り出すことの可能な電力が大きくなる。
導電性部材160の断面寸法は、特に限られない。例えば、導電性部材160の断面形状が円の場合、その直径は、0.2mm〜2mm程度であっても良く、例えば1mmである。また、導電性部材160の断面形状が三角形の場合、その高さは、0.2mm〜2mm程度であっても良く、例えば1mmである。
なお、以上の記載では、燃料電池がアノード側導電性部材160aおよびカソード側導電性部材160bの双方を有する場合を例に、本発明の特徴を説明した。しかしながら、本発明において、燃料電池は、アノード側導電性部材160aまたはカソード側導電性部材160bの一方だけを有しても良いことは、当業者には明らかであろう。この場合、導電性部材が存在しない部分には、従来の拡散層が設置される。
また、前述の記載では、単一のセルで構成された燃料電池を例に、本発明の特徴について説明した。しかしながら、本発明は、複数のセルが積層されたスタック型の燃料電池においても適用することができることは明らかであろう。
本発明は、固体高分子型燃料電池のような燃料電池に利用することができる。特に、本発明は、従来の拡散層を有するいかなる燃料電池にも適用することができ、例えばアルコールのような液体燃料を燃料とする固体高分子型燃料電池に適用することができる。
従来の固体高分子型燃料電池の断面を模式的に示した図である。 従来の固体高分子型燃料電池の分解構成図の一例を模式的に示した図である。 本発明による固体高分子型燃料電池の断面を模式的に示した図である。 本発明による固体高分子型燃料電池の分解構成図の一例を模式的に示した図である。
符号の説明
1 従来の燃料電池
2 電解質層
3a アノード触媒層
3b カソード触媒層
4a アノード拡散層
4b カソード拡散層
5a 燃料供給部
5b 酸化剤供給部
6a、6b 流通路
7a、7b 集電板
9a、9b 絶縁板
10a、10b エンドプレート
100 本発明による燃料電池
160 導電性部材
160a アノード側導電性部材
160b カソード側導電性部材
165a、165b マクロ空間。

Claims (12)

  1. 電解質層と、該電解質層のそれぞれの側に設けられたアノード触媒層およびカソード触媒層と、前記アノード触媒層の前記電解質層とは反対の側に設けられ、前記アノード触媒層に燃料を供給する燃料供給部と、前記カソード触媒層の前記電解質層とは反対の側に設けられ、前記カソード触媒層に酸化剤を供給する酸化剤供給部とを具備する燃料電池において、
    前記アノード触媒層と前記燃料供給部との間には、燃料が流通する第1のマクロ空間を形成する第1の導電性部材が、前記アノード触媒層および前記燃料供給部と接するように設置され、ならびに/または
    前記カソード触媒層と前記酸化剤供給部との間には、酸化剤が流通する第2のマクロ空間を形成する第2の導電性部材が、前記カソード触媒層および前記酸化剤供給部と接するように設置されていることを特徴とする燃料電池。
  2. 第1の導電性部材は、互いに平行に配置された、第1の複数の導電性のワイヤで構成され、および/または
    第2の導電性部材は、互いに平行に配置された、第2の複数の導電性のワイヤで構成されることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
  3. 前記第1の複数の導電性のワイヤと、前記第2の複数の導電性のワイヤは、前記電解質層を介して、実質的に相互に重なるような位置に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池。
  4. 前記第1の複数の導電性のワイヤの少なくとも一部は、前記アノード触媒層に埋設されており、および/または
    前記第2の複数の導電性のワイヤの少なくとも一部は、前記カソード触媒層に埋設されていることを特徴とする請求項2または3に記載の燃料電池。
  5. 前記第1の複数の導電性のワイヤおよび前記第2の複数の導電性のワイヤのうちの少なくとも一つは、前記電解質層と接触していることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一つに記載の燃料電池。
  6. 前記第1の複数の導電性のワイヤおよび前記第2の複数の導電性のワイヤのうちの少なくとも一つは、断面が円形、矩形または三角形のいずれかであることを特徴とする請求項2乃至5のいずれか一つに記載の燃料電池。
  7. 前記第1の複数の導電性のワイヤおよび前記第2の複数の導電性のワイヤのうちの少なくとも一つは、断面が三角形状であり、
    前記三角形の一つの頂点は、実質的に前記電解質層の方に配向され、前記頂点と対向する底辺は、実質的に、前記電解質層とは反対の方に配向されることを特徴とする請求項6に記載の燃料電池。
  8. 前記第1の導電性部材および前記第2の導電性部材のうちの少なくとも一つは、白金、金、カーボン、ステンレス鋼、およびこれらの少なくとも一つを含む合金からなる群から選定された材料で構成されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一つに記載の燃料電池。
  9. 前記第1の導電性部材および前記第2の導電性部材のうちの少なくとも一つは、表面の少なくとも一部が白金、金またはステンレス鋼で被覆されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一つに記載の燃料電池。
  10. 前記電解質層、アノード触媒層およびカソード触媒層を含む、単一の燃料電池セルで構成されることを特徴とする、請求項1乃至9のいずれか一つに記載の燃料電池。
  11. 前記電解質層、アノード触媒層およびカソード触媒層を含む燃料電池セルが、複数積層されて構成されることを特徴とする、請求項1乃至9のいずれか一つに記載の燃料電池。
  12. 前記燃料は、液体燃料であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一つに記載の燃料電池。
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