JP2009271971A - 記録再生装置及び記録再生方法 - Google Patents

記録再生装置及び記録再生方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2009271971A
JP2009271971A JP2008119699A JP2008119699A JP2009271971A JP 2009271971 A JP2009271971 A JP 2009271971A JP 2008119699 A JP2008119699 A JP 2008119699A JP 2008119699 A JP2008119699 A JP 2008119699A JP 2009271971 A JP2009271971 A JP 2009271971A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
offset value
focus offset
recording
data
recording medium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2008119699A
Other languages
English (en)
Inventor
Fumiaki Nakano
文昭 中野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2008119699A priority Critical patent/JP2009271971A/ja
Publication of JP2009271971A publication Critical patent/JP2009271971A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)

Abstract

【課題】光学記録媒体にデータを記録する際に用いられるフォーカスオフセット値を迅速かつ簡単に算出することが可能な記録再生装置及び記録再生方法を提供すること。
【解決手段】レーザー光を光学記録媒体に照射する照射部102と、光学記録媒体のデータ記録面におけるレーザー光のフォーカスを調節するフォーカス駆動部102と、レーザー光が照射された光学記録媒体からデータを読み出す読み出し部110と、読み出されたデータに基づいて照射部の非点収差と相関の強い所定の信号特性を測定する測定部112と、測定された所定の信号特性に基づいて、光学記録媒体にデータを記録する際に用いられる第1のフォーカスオフセット値を算出する第1の算出部114とを有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、記録再生装置及び記録再生方法に関する。
光ディスク(ドライブ)装置は、光学記録媒体、例えば、CD、DVDなどの光ディスク等のデータ記録面にデータを書き込んだり、データ記録面に記録されたデータを読み込んだりする。
光ディスク装置は、フォーカスエラー信号に基づいたフォーカス制御によって、データ記録面におけるレーザー光のフォーカスを調節するフォーカス制御機構を有する。フォーカス制御機構は、光ディスクとの距離関係であるフォーカスオフセットを調節して、データ再生時の再生特性やデータ記録時の記録特性が最適となるように作動する。
例えば、特許文献1〜3では、再生時の最適フォーカスオフセット値、記録時の最適フォーカスオフセット値を決定する技術が開示されている。
特開2000−285485号公報 特開2006−40372号公報 特開2007−323691号公報
ところで、光ディスク装置においては、再生特性が最適となる再生時最適フォーカスオフセット値と、記録特性が最適となる記録時最適フォーカスオフセット値とが互いに異なる値となることが多い。また、再生時最適フォーカスオフセット値と記録時最適フォーカスオフセット値は、光ディスク装置に設けられた光学ピックアップ装置(光ヘッド)によっても個々に異なる値となる。
再生時最適フォーカスオフセット値と記録時最適フォーカスオフセット値が異なる値となる原因は、主に次の3つの要素が組み合わさって生じるものである。3つの要素とは、(1)光ヘッドが持つ収差(主に非点収差)、(2)光ディスクの物理構造(グルーブ、ランド、ピット、記録膜組成等)、(3)光ディスクのトラック方向の符号間干渉を低減する信号処理方法、例えば、ブルーレイディスク等の高密度記録が可能な光ディスクの再生信号処理で用いられるPRML(Partial Response Maximum Likelihood)等の信号処理方法である。
そして、非点収差が大きい光ヘッドが用いられた場合、フォーカス制御機構が作動して、フォーカスオフセット値が変化すると、例えば、図2に示すようにビームスポット20がトラック12と平行方向に伸びたり、トラック12と垂直方向に伸びたりする。ビームスポット20は、光ディスクのデータ記録面にレーザー光が照射されて形成される。図2は、ビームスポット20及び光ディスク上のトラックを示す模式図であり、非点収差やフォーカスオフセット値によって、ビームスポット20が異なる形状となる様子を示している。
ブルーレイディスク等の高密度記録される物理構造を有する光ディスクの場合、クロストークと、PRMLによる信号処理結果のバランスを考慮すると、再生時、ビームスポットの形状は、トラックと平行な方向に僅かに伸びている方が、再生特性が良くなる。ここで、クロストークとは互いに隣接するトラックによって生じる再生信号のノイズであり、ビームスポットがトラックに対して垂直方向に伸びると生じやすい。PRMLは、符号間干渉の低減を図る信号処理手法であるため、PRMLを使用して再生する場合、ビームスポットがトラックと平行な方向に僅かに伸びていても正確な再生信号を読み取ることができる。一方、記録時、データ記録面に形成されるビームスポットの形状は、トラックと垂直な方向に僅かに伸びているほうが、記録特性が良い。
従って、特に非点収差が大きい光ヘッドの場合、再生時及び記録時のフォーカスオフセット値について同一、即ち共通の値を用いてフォーカス制御がされると、フォーカスずれに対するマージンの確保が困難となる。そのため、光ディスク装置では、光ヘッド毎に、再生時最適フォーカスオフセット値と、記録時最適フォーカスオフセット値とをそれぞれ事前に測定し、保持しておく場合が多い。
例えば、特許文献1に示すように、再生時最適フォーカスオフセット値と、記録時最適フォーカスオフセット値は、それぞれ所定の測定によって決定される。測定は、再生処理(再生シーケンス)、記録処理(記録シーケンス)それぞれについて、実際にフォーカス制御機構のフォーカスオフセットを少しずつステップ状に変化させながら、信号特性(例えばジッター値)が測定される。そして、測定された信号特性に基づいて、再生時、記録時それぞれの最適フォーカスオフセット値が算出される。
このように、最適フォーカスオフセット値を算出する作業が、光ディスク装置の製造工程で行われる場合、再生時のデフォーカス特性を測定するシーケンスと記録時のデフォーカス特性を測定するシーケンスとがそれぞれ必要になる。そのため、光ディスク装置の製造にかかる時間が増加し、製造コストも増加してしまう。
また、最適フォーカスオフセット値を算出する作業は、製造工程ではなく、光ディスク装置に新規の光ディスクが挿入されるたびに、再生時のデフォーカス特性と記録時のデフォーカス特性を測定してもよい。しかし、光ディスク挿入後から記録再生可能な状態になるまでの時間(スタートアップ時間)が大幅に増加してしまうため、ユーザビリティを損なうという問題がある。
なお、特許文献2や特許文献3では、記録時のデフォーカス特性の測定を行わずに記録時最適フォーカスオフセット値を算出している。例えば、まず、フォーカスオフセットを少しずつステップ状に変化させながら再生を行った場合に再生特性が最適となるフォーカスオフセット値を測定する。次に、フォーカスサーボON・トラックサーボOFFの状態でフォーカスオフセットを少しずつステップ状に変化させながら、測定されたトラックエラー信号の振幅が最大になるフォーカスオフセット値を測定する。そして、この2つのフォーカスオフセット値の差分によって、再生時最適フォーカスオフセット値と記録時最適フォーカスオフセット値との差分を推定する。
しかし、この方法を用いたとしても、再生時最適フォーカスオフセット値を算出するシーケンスと、フォーカスサーボON・トラックサーボOFFの状態でトラックエラー信号振幅が最大となるフォーカスオフセット値を算出するシーケンスとがそれぞれ必要となる。そのため、光ディスク装置の製造時間や製造コスト、光ディスク装置のスタートアップ時間の改善を図ることができなかった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、光学記録媒体にデータを記録する際に用いられるフォーカスオフセット値を迅速かつ簡単に算出することが可能な、新規かつ改良された記録再生装置及び記録再生方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、レーザー光を光学記録媒体に照射する照射部と、光学記録媒体のデータ記録面におけるレーザー光のフォーカスを調節するフォーカス駆動部と、レーザー光が照射された光学記録媒体からデータを読み出す読み出し部と、読み出されたデータに基づいて照射部の非点収差と相関の強い所定の信号特性を測定する測定部と、測定された所定の信号特性に基づいて、光学記録媒体にデータを記録する際に用いられる第1のフォーカスオフセット値を算出する第1の算出部とを有する記録再生装置が提供される。
測定された所定の信号特性に基づいて、第1のフォーカスオフセット値と異なり、光学記録媒体に記録されたデータを再生する際に用いられる第2のフォーカスオフセット値を算出する第2の算出部を更に有してもよい。
上記照射部がレーザー光を光学記録媒体に照射して、データ記録面にデータを記録する際、フォーカス駆動部は、第1のフォーカスオフセット値に基づいてフォーカスを調節してもよい。
上記照射部がレーザー光を光学記録媒体に照射して、データ記録面に記録されたデータを再生する際、フォーカス駆動部は、第2のフォーカスオフセット値に基づいてフォーカスを調節してもよい。
上記所定の信号特性は、読み出されたデータに基づく信号のデフォーカス特性であってもよい。
上記所定の信号特性は、読み出されたデータに基づく信号のジッター値のデフォーカス特性であってもよい。
上記所定の信号特性は、読み出されたデータに基づく信号の振幅値のデフォーカス特性であってもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、フォーカス制御される光学系がレーザー光を光学記録媒体に照射するステップと、レーザー光を光学記録媒体に照射してデータを読み出すステップと、読み出されたデータに基づいて照射部の非点収差と相関の強い所定の信号特性を測定するステップと、測定された所定の信号特性に基づいて、光学記録媒体にデータを記録する際に用いられる第1のフォーカスオフセット値を算出するステップとを含む記録再生方法が提供される。
測定された所定の信号特性に基づいて、第1のフォーカスオフセット値と異なり、光学記録媒体に記録されたデータを再生する際に用いられる第2のフォーカスオフセット値を算出するステップを更に含んでもよい。
上記第1のフォーカスオフセット値に基づいて、光学記録媒体にデータを記録するステップを更に含んでもよい。
上記第2のフォーカスオフセット値に基づいて、光学記録媒体に記録されたデータを再生するステップを更に含んでもよい。
本発明によれば、光学記録媒体にデータを記録する際に用いられるフォーカスオフセット値を迅速かつ簡単に算出することができる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態に係る光ディスク装置100(記録再生装置)について説明する。本実施形態の光ディスク装置100は、光学記録媒体、例えばCD、DVD、ブルーレイディスクなどの光ディスクにデータを記録する際に用いられるフォーカスオフセット値、例えば、記録特性が最適となる記録時最適フォーカスオフセット値を迅速かつ簡単に算出することができる。その結果、光ディスク装置製造工程にかかる時間を短縮することができる。
本実施形態では、再生特性が最適となる再生時最適フォーカスオフセット値を用いて、記録特性が最適となる記録時最適フォーカスオフセット値を算出する。そして、再生時最適フォーカスオフセット値を測定しておけば、記録時最適フォーカスオフセット値を別途測定する必要がないため、記録時最適フォーカスオフセット値を迅速かつ簡単に算出できる。なお、本明細書で、最適という用語を使用するが、厳密に最も適している場合に限定されず、他の値に比べて適しており最適付近にある場合も含む。なお、記録時最適フォーカスオフセット値は、第1のフォーカスオフセット値の一例であり、再生時最適フォーカスオフセット値は、第2のフォーカスオフセット値の一例である。
ここで、記録特性が良い状態とは、例えば、記録時に形成される記録マークの記録解像度が高いことをいう。マークの記録解像度を高くするには、光ディスク上のビームスポットが、光ディスクのトラックに対して平行方向よりもトラックに対して垂直方向に若干伸びているほうが良い。これにより、記録マークをトラックに対して平行方向にできるだけ短く記録マークを形成することができ、光ディスクに高密度かつ正確なデータを記録できる。
また、再生時最適フォーカスオフセット値は、光ディスクに記録されたデータを再生する際に用いられるフォーカスオフセット値のうち、再生特性が最適となる値である。ここで、再生特性が良い状態とは、例えば、ディスクに形成されたマークに基づく信号の読み取り精度が高いことをいう。読み取り精度を向上させるには、クロストークと、PRMLによる信号処理結果のバランスを考慮すると、光ディスク上のビームスポットが、光ディスクのトラックに対して垂直方向よりもトラックに対して平行方向に若干伸びているほうが良い。
通常、非点収差が大きい光ヘッドが用いられた場合、フォーカス制御機構が作動して、フォーカスオフセット値が変化すると、例えば、図2に示すように光ディスクのデータ記録面に形成されたレーザー光のビームスポット20がトラック12と平行方向に伸びたり、トラック12と垂直方向に伸びたりする。図2は、光ディスクのデータ記録面に形成されたレーザー光のビームスポット20及び光ディスク上のトラックを示す模式図であり、非点収差やフォーカスオフセット値によって、ビームスポット20が異なる形状となる様子を示している。
例えば、光ヘッドが持つ非点収差が負(マイナス)である場合、フォーカスオフセット値が基準値(ゼロ)に対して負(マイナス)であるとき(光ディスクと光ヘッドとの距離が近付くとき)、光ディスク上のビームスポット20は、光ディスクのトラック12に対して平行方向よりもトラック12に対して垂直方向に伸びている。フォーカスオフセット値が基準値(ゼロ)であるとき、ビームスポット20はほぼ正円である。フォーカスオフセット値が基準値に対して正(プラス)であるとき(光ディスクと光ヘッドとの距離が遠ざかるとき)、ビームスポット20は、トラック12に対して平行方向に伸びている。
また、光ヘッドが持つ非点収差がほぼゼロであって、フォーカスオフセット値が基準値(ゼロ)であるとき、光ディスク上のビームスポットの形状はほぼ正円であって小さい。フォーカスオフセット値が基準値に対して負(マイナス)又は正(プラス)であるとき、光ディスク上のビームスポットは、ほぼ正円であるが、フォーカスオフセット値が基準値であるときよりも大きい。
また、光ヘッドが持つ非点収差が正(プラス)である場合、フォーカスオフセット値が基準値(ゼロ)に対して負(マイナス)であるとき、光ディスク上のビームスポット20は、光ディスクのトラック12に対して垂直方向よりもトラック12に対して平行方向に伸びている。フォーカスオフセット値が基準値(ゼロ)であるとき、ビームスポット20はほぼ正円である。フォーカスオフセット値が基準値に対して正(プラス)であるとき、ビームスポット20は、トラック12に対して垂直方向に伸びている。
(第1の実施形態の構成)
次に、本実施形態に係る光ディスク装置100の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る光ディスク装置を示すブロック図である。
光ディスク装置100は、図1に示すように、光ヘッド102と、光ディスク(光ディスク記録媒体)10を回転駆動するスピンドルモータ104と、送りモータ106と、駆動制御部108と、信号処理部110と、信号変復調部112と、システムコントローラ114と、操作部116などからなる。
光ヘッド102は、照射部、又は光学系の一例であり、光ディスク10にレーザー光を照射したり、光ディスク10で反射した光を受光したりする。また、光ヘッド102は、フォーカス駆動部の一例であり、対物レンズ(図示せず。)、対物レンズを駆動する2軸アクチュエータ(図示せず。)、発光素子(例えばレーザーダイオード)、不揮発性メモリ103などを有している。
対物レンズは、2軸アクチュエータによってトラッキング制御やフォーカス制御されながら駆動される。また、対物レンズは、レーザーダイオードから発光されたレーザー光を光ディスク10に照射する。対物レンズは、光ディスク10上にレーザー光を集光可能である。
2軸アクチュエータは、高速回転する光ディスク10に対物レンズを追従させる駆動装置である。2軸アクチュエータは、駆動制御部108から駆動信号を受ける。2軸アクチュエータは、対物レンズをフォーカス方向とトラッキング方向との2軸方向に駆動可能である。2軸アクチュエータは、光ディスクのデータ記録面におけるレーザー光のフォーカスを調節する。なお、対物レンズの駆動は3軸アクチュエータであってもよく、チルト制御がされてもよい。
レーザーダイオードは、駆動制御部108から駆動信号を受けて、レーザー光を光ディスク10に発光する。
また、光ヘッド102は、レーザー光の反射光を受光する受光素子(図示せず。)を有している。受光素子は、受光したレーザー光を電気信号に変換して、信号を信号処理部110に出力する。
不揮発性メモリ103は、システムコントローラ114から再生時最適フォーカスオフセット値、記録時最適フォーカスオフセット値を受け、これらのオフセット値を記憶する。また、再生シーケンス又は記録シーケンスにおいて、これらのオフセット値が読み出される。
スピンドルモータ104は、駆動制御部108から駆動信号を受ける。スピンドルモータ104は、光ディスク10を載置するディスクテーブル(図示せず。)を所定の速度で回転駆動する。
送りモータ106は、駆動制御部108から駆動信号を受ける。送りモータ106は、送り機構を介して光ヘッド102を光ディスク10の半径方向に移動する。光ヘッド102は、所定の位置に移動されることによって所定データの記録再生が可能となる。
駆動制御部108は、信号処理部110からトラッキングエラー信号やフォーカスエラー信号を受ける。駆動制御部108は、トラッキングエラー信号やフォーカスエラー信号がシステムコントローラ114から受けたサーボ目標値と一致するように、光ヘッド102の2軸アクチュエータの駆動に関する駆動信号を生成する。駆動制御部108は、生成した駆動信号を光ヘッド102の2軸アクチュエータに送る。
駆動制御部108は、システムコントローラ114から制御信号を受け、光ヘッド102のレーザーダイオード、スピンドルモータ104、送りモータ106の駆動に関する駆動信号を生成する。駆動制御部108は、生成した駆動信号をレーザーダイオード、スピンドルモータ104、送りモータ106に送る。
信号処理部110は、読み出し部の一例であり、光ヘッド102から、レーザー光の反射光に基づいた出力信号を受ける。信号処理部110は、受けた信号をアナログ信号からデジタル信号に変換したり、増幅したりするなどの信号処理を行う。信号処理部110は、信号処理して生成した信号を信号変復調部112や駆動制御部108に送る。
信号変復調部112は、信号処理部110から信号を受けて、信号の変調・復調処理を行う。また、信号変復調部112は、測定部の一例であり、受けた信号に基づいて、再生信号のジッター値、RF信号振幅値を測定し、これらの値をシステムコントローラ114に送る。
システムコントローラ114は、操作部116との信号の入出力が行われる。また、システムコントローラ114には、信号変復調部112から出力された出力信号が入力される。システムコントローラ114は、信号変復調部112から出力された出力信号に基づいて、トラッキングサーボ目標値やフォーカスサーボ目標値を生成する。システムコントローラ114は、生成したトラッキングサーボ目標値やフォーカスサーボ目標値を駆動制御部108に送る。
また、システムコントローラ114は、信号変復調部112から出力された出力信号に基づいて、レーザーダイオード、スピンドルモータ104、送りモータ106を制御する制御信号を生成する。システムコントローラ114は、生成した制御信号を駆動制御部108に送る。
更に、システムコントローラ114は、信号変復調部112から出力された出力信号(例えば、RF信号振幅値、ジッター値)に基づいて、後述する再生時最適フォーカスオフセット値FBread、記録時最適フォーカスオフセット値FBwriteを算出する。システムコントローラ114は、第1の算出部、第2の算出部の一例である。システムコントローラ114は、生成した再生時最適フォーカスオフセット値FBread、記録時最適フォーカスオフセット値FBwriteを光ヘッド102の不揮発性メモリ103に送る。
(第1の実施形態の動作)
以下、上記の構成を有する光ディスク装置100の動作について説明する。データ記録時においては、図示しない外部コンピュータからインターフェースに入力されたデジタルデータが、信号変復調部112でエラー訂正符号(ECC)が付加されて変調される。変調されたデジタルデータに基づき、レーザー光を制御するレーザー制御部によりパルスが生成され、光ヘッド102を介して光ディスク10にレーザー光が照射されることで、デジタルデータが記録される。駆動制御部108により、適宜サーボ制御がなされる。
一方、データ再生時においては、レーザー光が光ディスク10に照射されると、その戻り反射光が光ヘッド102の受光素子により検出される。受光素子により検出された反射光は、信号処理部110において増幅、波形等化等が計算されて、再生信号が再生され、再生信号が2値化されたビット列が生成される。生成されたビット列は、信号変復調部112により信号復調及びエラー訂正が行われる。復調された信号から、映像音声処理部により映像データ及び音声データに分離され、D/A変換がなされてアナログ出力される。データ再生の際も、駆動制御部108により、適宜サーボ制御がなされる。
(記録時最適フォーカスオフセット値の算出処理)
次に、本実施形態に係る光ディスク装置100の製造工程における記録時最適フォーカスオフセット値の算出処理を、第1の実施例について説明する。
まず、基準光ディスクに対してレーザー光を照射し、基準光ディスクに記録された基準記録信号の再生時のジッター値及びRF信号振幅値を測定する。再生時のジッター値及びRF信号振幅値は、フォーカスオフセット値を少しずつステップ状に変化させながら測定される。再生時のジッター値及びRF信号振幅値は、システムコントローラ114において測定され、両者は同時並行的に測定可能である。
ジッター値及びRF信号振幅値は、フォーカスオフセット値毎に異なる値となるデフォーカス特性を有する。ここで、ジッター値及びRF信号振幅値のデフォーカス特性は、光ディスクから読み出されたデータに基づく所定の信号特性の一例である。また、ジッター値及びRF信号振幅値は、後述するとおり、非点収差と相関関係がある。
上記のジッター値及びRF信号振幅値の測定によって、図3〜図5に示すように、再生時のジッター値及びRF信号振幅値とフォーカスオフセット値の関係が得られる。図3〜図5は、それぞれジッター値とフォーカスオフセット値の関係を示すグラフ(A)と、RF信号振幅値とフォーカスオフセット値の関係を示すグラフ(B)である。
図3〜図5に示すように、再生時のジッター値及びRF信号振幅値とフォーカスオフセット値の関係は、光ヘッドが持つ非点収差によって異なる。図3は、非点収差が−0.033λrmsのときであり、非点収差が負の値を有するときのジッター値及びRF信号振幅値とフォーカスオフセット値の関係の一例を示す。図4は、非点収差が−0.005λrmsのときであり、非点収差がほぼゼロの値を有するときのジッター値及びRF信号振幅値とフォーカスオフセット値の関係の一例を示す。図5は、非点収差が+0.024λrmsのときであり、非点収差が正の値を有するときのジッター値及びRF信号振幅値とフォーカスオフセット値の関係の一例を示す。
例えば、非点収差が負であるとき、再生時ジッター値が最小となるフォーカスオフセット値は正の方向に移行し、非点収差がゼロに近いとき再生時ジッター値が最小となるフォーカスオフセット値はほぼゼロであり、非点収差が正であるとき再生時ジッター値が最小となるフォーカスオフセット値は負の方向に移行する。また、非点収差が負であるとき、再生時RF信号振幅値が最大となるフォーカスオフセット値は負の方向に移行し、非点収差がゼロに近いとき再生時RF信号振幅値が最大となるフォーカスオフセット値はほぼゼロであり、非点収差が正であるとき再生時RF信号振幅値が最大となるフォーカスオフセット値は正の方向に移行する。なお、図3〜図5に示す値は測定結果の一例であり、測定結果はこの値に限定されない。
次に、ジッター値とフォーカスオフセット値の関係の関係から、再生時最適フォーカスオフセット値を算出する。再生時最適フォーカスオフセット値は、例えば、ジッター値がある閾値を超えるまでのデフォーカス変化量が、正側にデフォーカスした場合も負側にデフォーカスした場合も等しくなるフォーカスオフセット値である。従って、本実施形態では、ジッター値とフォーカスオフセット値の関係から、再生時最適フォーカスオフセット値FBreadは、次式(数式1)で算出できるとする。
[FBread]=([FBjit+]+[FBjit−])/2 ・・・(数式1)
ここで、FBjit+、FBjit−は、再生時のジッター値が、ある閾値(図3〜図5を用いて示す例では13%)となる2箇所のフォーカスオフセット値であり、FBjit+は正側のフォーカスオフセット値、FBjit−は負側のフォーカスオフセット値である。
次に、RF信号振幅値とフォーカスオフセット値の関係から、再生時のRF信号振幅値が最大となるフォーカスオフセット値FBrfを1箇所算出する。図3〜図5に、算出された再生時最適フォーカスオフセット値FBread、再生時のRF信号振幅値が最大となるフォーカスオフセット値FBrfを示す。
再生時最適フォーカスオフセット値FBread、再生時のRF信号振幅値が最大となるフォーカスオフセット値FBrfが算出された後、FBreadとFBrfの差分ΔFBを算出する。差分ΔFBは次式(数式2)で表わされる。
[ΔFB]=[FBrf]−[FBread] ・・・(数式2)
差分ΔFBは、図6に示すように、光ヘッドが持つ非点収差と相関関係を有する。図6は、差分ΔFBと光ヘッドが持つ非点収差との関係を示すグラフである。図6には、図3〜図5におけるΔFBと非点収差の値がプロットされている。
次に、算出された差分ΔFBを用いて、次式(数式3)により記録時最適フォーカスオフセット値FBwriteを算出する。
[FBwrite]=[k1]×[ΔFB]+[FBread] ・・・(数式3)
FBreadとFBrfの差分ΔFBと同様に、再生時最適フォーカスオフセット値FBread、記録時最適フォーカスオフセット値FBwriteについても、光ヘッドが持つ非点収差と相関関係を有する。よって、[FBwrite]−[FBread]も光ヘッドと相関関係を有することから上記式が導かれる。
なお、係数k1は、光ディスクの物理構造(例えば、グルーブ、ランド、ピット、記録膜組成)や、光ディスク装置100に搭載されているRF信号処理手法から決定される。例えば、ブルーレイディスクフォーマットの繰り返し記録・消去が可能な光ディスク(記録容量25GB)を、PRクラス(1,2,1)のPRMLを用いて再生・記録する光ディスク装置の場合、k1≒1とするとよい。係数k1は、実験的に導いてもよいし、シミュレーションから導いてもよい。
光ディスク装置製造時に、再生時最適フォーカスオフセット値FBread、記録時最適フォーカスオフセット値FBwriteが算出されたのちは、これらの値を用いてフォーカス制御して光ディスクの記録再生を行う。
例えば、製造時に算出された再生時最適フォーカスオフセット値FBread、記録時最適フォーカスオフセット値FBwriteを不揮発性メモリ103に書き込む。そして、不揮発性メモリ103に再生時最適フォーカスオフセット値FBread、記録時最適フォーカスオフセット値FBwriteが書き込まれた状態で、光ディスク装置を出荷する。
出荷後、一般的な光ディスクに対して再生を行う場合、再生時のフォーカスオフセット値が、不揮発性メモリ103に書き込まれた再生時最適フォーカスオフセット値FBreadとなるようにフォーカスサーボを制御する。一方、一般的な光ディスクに対して記録を行う場合、記録時のフォーカスオフセット値が、不揮発性メモリ103に書き込まれた記録時フォーカスオフセット値FBwriteとなるようにフォーカスサーボを制御する。
以上によれば、基準光ディスクに記録された基準記録信号の再生時のジッター値及びRF信号振幅値を測定すれば、再生時最適フォーカスオフセット値FBreadを算出することができる。そして、再生時最適フォーカスオフセット値FBreadと、再生時のジッター値及びRF信号振幅値とフォーカスオフセット値の関係を用いて、記録時最適フォーカスオフセット値FBwriteを算出することができる。従って、光ディスクへの書き込み処理を行うなどして、記録時最適フォーカスオフセット値を別途測定する必要がない。更に、フォーカスサーボON・トラックサーボOFFの状態でのトラックエラー信号の振幅測定も不要である。その結果、1回の再生時デフォーカス特性の測定で、再生時最適フォーカスオフセット値及び記録時最適フォーカスオフセット値を算出できるため、従来に比べて記録時最適フォーカスオフセット値を迅速かつ簡単に算出できる。
次に、本実施形態に係る光ディスク装置100における記録時最適フォーカスオフセット値の算出処理について、第2の実施例を説明する。
上述した第1の実施例では、記録時最適フォーカスオフセット値FBwriteの算出は、下式(数式3)を用いて算出した。
[FBwrite]=[k1]×[ΔFB]+[FBread] ・・・(数式3)
この式では、差分ΔFBを用いているため、再生時最適フォーカスオフセット値FBreadだけでなく、再生時のRF信号振幅値が最大となるフォーカスオフセット値FBrfを算出する必要がある。第2の実施例では、後述するとおり、再生時のRF信号振幅値を用いないで、記録時最適フォーカスオフセット値FBwriteを算出する。
まず、基準光ディスクに対してレーザー光を照射し、基準光ディスクに記録された基準記録信号の再生時のジッター値を測定する。再生時のジッター値は、フォーカスオフセット値を少しずつステップ状に変化させながら測定される。このとき、第1の実施例と異なり、RF信号振幅値の測定は行わなくてもよい。
上記の測定によって、図7に示すように、再生時のジッター値とフォーカスオフセット値の関係が得られる。図7は、ジッター値とフォーカスオフセット値の関係を示すグラフである。
図7に示すように、再生時のジッター値とフォーカスオフセット値の関係は、光ヘッドが持つ非点収差によって異なる。図7(A)は、非点収差が−0.033λrmsのときであり、非点収差が負の値を有するときの代表的なジッター値とフォーカスオフセット値の関係を示す。図7(B)は、非点収差が−0.005λrmsのときであり、非点収差がほぼゼロの値を有するときの代表的なジッター値とフォーカスオフセット値の関係を示す。図7(C)は、非点収差が+0.024λrmsのときであり、非点収差が正の値を有するときの代表的なジッター値とフォーカスオフセット値の関係を示す。
例えば、非点収差が負であるとき、再生時ジッター値が最小となるフォーカスオフセット値は正の方向に移行し、非点収差がゼロに近いとき再生時ジッター値が最小となるフォーカスオフセット値はほぼゼロであり、非点収差が正であるとき再生時ジッター値が最小となるフォーカスオフセット値は負の方向に移行する。なお、図7に示す値は測定結果の一例であり、測定結果はこの値に限定されない。
次に、ジッター値とフォーカスオフセット値の関係から、再生時最適フォーカスオフセット値を算出する。再生時最適フォーカスオフセット値は、例えば、ジッター値がある閾値を超えるまでのデフォーカス変化量が、正側にデフォーカスした場合も負側にデフォーカスした場合も等しくなるフォーカスオフセット値である。従って、本実施形態でも第1の実施形態と同様に、ジッター値とフォーカスオフセット値の関係から、再生時最適フォーカスオフセット値FBreadは、次式(数式1)で算出できるとする。
[FBread]=([FBjit+]+[FBjit−])/2 ・・・(数式1)
ここで、FBjit+、FBjit−は、再生時のジッター値が、ある閾値(図7を用いて示す例では13%)となる2箇所のフォーカスオフセット値であり、FBjit+は正側のフォーカスオフセット値、FBjit−は負側のフォーカスオフセット値である。
次に、図7で示すジッター値とフォーカスオフセット値の関係を表わすグラフから、再生時のジッター値が、ある閾値となる2箇所のフォーカスオフセット値FBjit+、FBjit−それぞれでの変化曲線の接線の傾きを算出する。接線の傾きは、例えば、γ+、γ−であり、γ+は、正側のフォーカスオフセット値における接線の傾き、γ−は負側のフォーカスオフセット値における接線の傾きである。
ここで、[γ]=[γ+]+[γ−]とすると、γは、ジッター値とフォーカスオフセット値の関係を表わす変化曲線の非対称性(フォーカスオフセット値=0が中心線としたときの非対称性)を表わしている。そして、γは、図8に示すように、光ヘッドが持つ非点収差と相関関係を有する。図8は、γと光ヘッドが持つ非点収差との関係を示すグラフである。図8には、図7から算出されるγと非点収差の値がプロットされている。
次に、算出されたγを用いて、次式(数式4)により記録時最適フォーカスオフセット値FBwriteを算出する。
[FBwrite]=[k2]×[γ]+[FBread] ・・・(数式4)
γと同様に、再生時最適フォーカスオフセット値FBread、記録時最適フォーカスオフセット値FBwriteについても、光ヘッドが持つ非点収差と相関関係を有する。よって、[FBwrite]−[FBread]も光ヘッドと相関関係を有することから上記式が導かれる。
なお、係数k2は、光ディスクの物理構造(例えば、グルーブ、ランド、ピット、記録膜組成)や、光ディスク装置100に搭載されているRF信号処理手法から決定される。例えば、ブルーレイディスクフォーマットの繰り返し記録・消去が可能な光ディスク(記録容量25GB)を、PRクラス(1,2,1)のPRMLを用いて再生・記録する光ディスク装置の場合、k2≒−0.003とするとよい。係数k2は、実験的に導いてもよいし、シミュレーションから導いてもよい。
光ディスク装置製造時に、再生時最適フォーカスオフセット値FBread、記録時最適フォーカスオフセット値FBwriteが算出されたのちは、これらの値を用いて光ディスクの記録再生を行う。詳細については、第1の実施例と同様であるため省略する。
以上によれば、基準光ディスクに記録された基準記録信号の再生時のジッター値を測定すれば、再生時最適フォーカスオフセット値FBreadを算出することができる。そして、再生時最適フォーカスオフセット値FBreadと、再生時のジッター値とフォーカスオフセット値の関係を用いて、記録時最適フォーカスオフセット値FBwriteを算出することができる。従って、光ディスクへの書き込み処理を行うなどして、記録時最適フォーカスオフセット値を別途測定する必要がない。更に、フォーカスサーボON・トラックサーボOFFの状態でのトラックエラー信号の振幅測定も不要である。その結果1回の再生時デフォーカス特性の測定で、再生時最適フォーカスオフセット値及び記録時最適フォーカスオフセット値を算出できるため、従来に比べて記録時最適フォーカスオフセット値を迅速かつ簡単に算出できる。
次に、記録時最適フォーカスオフセット値FBwriteの算出式について、更に詳しく説明する。
上述した第1の実施例では、記録時最適フォーカスオフセット値FBwriteの算出は、下式(数式3)を用いて算出した。
[FBwrite]=[k1]×[ΔFB]+[FBread] ・・・(数式3)
このとき、係数k1は、光ディスクの物理構造(例えば、グルーブ、ランド、ピット、記録膜組成)や、光ディスク装置100に搭載されているRF信号処理手法から決定される。例えば、ブルーレイディスクフォーマットの繰り返し記録・消去が可能な光ディスク(記録容量25GB)を、PRクラス(1,2,1)のPRMLを用いて再生・記録する光ディスク装置の場合、k1≒1とするとよいと説明した。
以下では、図9を参照して、係数k1、係数k2のその他の例について説明する。図9は、再生時のジッター値とフォーカスオフセット値の関係を示すグラフである。
PRMLは、光ディスクにレーザー光が照射されて形成されるビームスポットが非点収差によって光ディスクのトラックと平行方向に伸びた場合に、符号間干渉を補正することができる信号処理手法である。PRMLは、光ディスクの再生特性に影響を与える。一方、PRMLは、光ディスクの記録特性には寄与しない。
図9では、実線でPRMLを有効にしたときの再生時のジッター値とフォーカスオフセット値の関係を示し、破線でPRMLを無効にしたときの再生時のジッター値とフォーカスオフセット値の関係を示す。PRML有効の状態とPRML無効の状態とを比較してみると、PRML無効の状態の場合、ディスク上に形成されたビームスポットが光ディスクのトラックと平行方向に伸びる側で、ジッター値がより悪化しやすくなる。
具体的には、図9(A)に示すように、光ヘッドが持つ非点収差が負の場合、PRML無効の状態のほうが、PRML有効の状態に比べて、
[FBread]=([FBjit+]+[FBjit−])/2 ・・・(数式1)
で算出される再生時最適フォーカスオフセット値FBreadが負側にシフトする。一方、図9(C)に示すように、光ヘッドが持つ非点収差が正の場合、PRML無効の状態のほうが、PRML有効の状態に比べて、再生時最適フォーカスオフセット値FBreadが正側にシフトする。その結果、
[ΔFB]=[FBrf]−[FBread] ・・・(数式2)
で算出される差分ΔFBは、非点収差が同じ値でも、PRMLが無効の場合、PRMLが有効の場合に比べてΔFBの値が小さくなる。従って、図10に示すように、差分ΔFBと光ヘッドが持つ非点収差との関係を示すグラフの傾きは、PRMLが無効の場合、PRMLが有効の場合に比べて小さくなる。図10は、差分ΔFBと光ヘッドが持つ非点収差との関係を示すグラフである。
上記の通り、係数k1は、PRML有効の状態で決定した場合と、PRML無効の状態で決定した場合とでは異なる値となる場合があることが分かる。
また、係数k2の場合についても同様であり、PRMLが有効であるか、又はPRMLが無効であるかによって、図9に示すように、再生時のジッター値とフォーカスオフセット値との関係を示す変形曲線の形状が変わる。
例えば、γ+とγ−を算出する閾値の設定にもよるが、係数k2は、PRML有効の状態で決定した場合と、PRML無効の状態で決定した場合とでは異なる値となる場合があることが分かる。
以上のとおり、記録時最適フォーカスオフセット値の算出式における係数k1、k2は、例えば、PRMLを用いて再生しているか否かによって異なる値をとりうる。
次に、図11、図12を参照して、係数k1のその他の例について説明する。
上述した第1の実施例では、記録時最適フォーカスオフセット値FBwriteの算出は、下式を用いて算出した。
[FBwrite]=[k1]×[ΔFB]+[FBread] ・・・(数式3)
このとき、ΔFBは、再生時最適フォーカスオフセット値FBread、再生時のRF信号振幅値が最大となるフォーカスオフセット値FBrfが算出された後、FBreadとFBrfの差分として算出される。差分ΔFBは次式で表わされる。
[ΔFB]=[FBrf]−[FBread] ・・・(数式2)
そして、差分ΔFBは、例えば、図6で示したように光ヘッドが持つ非点収差と相関関係を有する。
ところで、非点収差は、光ディスクの物理構造によっても発生する。例えば、図11に示すように、光ディスクにプリグルーブと呼ばれる溝が形成されている場合、光ディスクにレーザー光が照射されると、プリグルーブは入射光に対して回折格子として作用する。その結果、プリグルーブが位相分布を生じさせ、この位相分布が非点収差を発生させる。図11は、断面で表わした光ディスクにレーザー光が照射されている状態を示す説明図である。
上記プリグルーブ構造によって発生する非点収差は、図11(A)に示すように、オングルーブ(On Groove)状態にあるか、又は図11(B)に示すようにイングルーブ(In Groove)状態にあるかによってそれぞれ逆の極性になる。オングルーブ(On Groove)状態とは、ビームスポットがプリグルーブの突起面12に形成される状態をいう。イングルーブ(In Groove)状態とは、ビームスポットがプリグルーブ間の底面14に形成される場合をいう。
図12を参照して、ΔFBと光ヘッドが持つ非点収差の関係を説明する。図12は、ΔFBと光ヘッドが持つ非点収差の関係を示すグラフである。
例えば、図12(A)に示すように、オングルーブ状態の場合、差分ΔFBが0(ゼロ)となるのは、光ヘッドが持つ非点収差がマイナスにオフセットしているポイントである。これは、オングルーブ状態の場合、プリグルーブ構造によってプラスの非点収差が発生することによる。即ち、光ヘッドとしては、マイナスの非点収差を持っていれば、トータルで非点収差が打ち消しあうため、差分ΔFBがゼロとなるためである。
一方、図12(B)に示すように、イングルーブ状態の場合は、オングルーブ状態の場合と反対であり、差分ΔFBがゼロとなるのは、光ヘッドが持つ非点収差がプラスにオフセットしているポイントである。これは、イングルーブ状態の場合、プリグルーブ構造によってマイナスの非点収差が発生することによる。即ち、光ヘッドとしては、プラスの非点収差を持っていれば、トータルで非点収差が打ち消しあうため、差分ΔFBがゼロとなるためである。
従って、光ディスクの物理構造に応じて、また光ディスクに照射されるレーザー光が溝(プリグルーブ)の底面14又は溝(プリグルーブ)間の突起面12に形成されるかに応じて、ΔFBと光ヘッドが持つ非点収差の関係が異なる。そして、記録時最適フォーカスオフセット値FBwriteは、上述のとおり
[FBwrite]=[k1]×[ΔFB]+[FBread] ・・・(数式3)
の式によって算出される。よって、係数k1は、光ディスクの物理構造に応じて、また光ディスクに照射されるレーザー光が溝(プリグルーブ)の底面14又は溝(プリグルーブ)間の突起面12に形成されるかに応じて異なる値を有する。
また、例えばBD−ROMなどのグルーブ(溝)を有する構造を持たない光ディスクの場合は、上述したオングルーブ・イングルーブの中間付近の特性を有する。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、所定の信号特性として、フォーカスオフセット値を変化させたときのジッター値又はRF信号振幅値という評価尺度が測定されるとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、1回の再生シーケンス中に測定が可能で、光ヘッドの非点収差と相関の高いものであれば、かかる評価尺度が測定されるとしてもよい。また、評価尺度は、フォーカスオフセット値を少しずつステップ状に変化させることで、フォーカスオフセット値毎に異なる値となる、デフォーカス特性を有しているとよい。例えば、エラーレートが測定されてもよい。
また、上記実施形態では、光ディスク装置の製造工程において、記録時最適フォーカスオフセット値を算出する処理が行われるとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、光ディスク装置に光ディスクが挿入されるスタートアップ時に記録時最適フォーカスオフセット値を算出してもよい。これにより、光ディスクごとの特性に応じた記録時最適フォーカスオフセット値が算出されるため、より精度の高いフォーカスオフセット値を取得することができる。また、従来と異なり、光ディスクへの書き込み処理を行うことなく、再生時最適フォーカスオフセット値の測定によってのみ記録時最適フォーカスオフセット値が得られるため、スタートアップ時間を従来に比べて短縮することができる。
また、不揮発メモリに記録しておく再生時最適フォーカスオフセット値と記録時最適フォーカスオフセット値は、それぞれ1つずつでなく、それぞれ複数の値が記録されるとしてもよい。例えば、2層以上の信号記録層を有する光ディスクや、DVD−RAMなどのランド・グルーブ双方で再生・記録が行われる光ディスク等の物理構造に対応して、再生時最適フォーカスオフセット値と記録時最適フォーカスオフセット値が複数記録されてもよい。再生時最適フォーカスオフセット値と記録時最適フォーカスオフセット値は、光ディスクの信号記録層の各層ごと、又はランド・グルーブそれぞれに応じて異なる値となるためである。これにより、光ディスクの信号記録層の各層ごと、又はランド・グルーブそれぞれに応じて、適切な再生時最適フォーカスオフセット値と記録時最適フォーカスオフセット値を用いて、光ディスクの記録・再生を行うことができる。
本発明の第1の実施形態に係る光ディスク装置を示すブロック図である。 光ディスクのデータ記録面に形成されたレーザー光のビームスポット及び光ディスク上のトラックを示す模式図である。 ジッター値とフォーカスオフセット値の関係を示すグラフ(A)と、RF信号振幅値とフォーカスオフセット値の関係を示すグラフ(B)である。 ジッター値とフォーカスオフセット値の関係を示すグラフ(A)と、RF信号振幅値とフォーカスオフセット値の関係を示すグラフ(B)である。 ジッター値とフォーカスオフセット値の関係を示すグラフ(A)と、RF信号振幅値とフォーカスオフセット値の関係を示すグラフ(B)である。 差分ΔFBと光ヘッドが持つ非点収差との関係を示すグラフである。 ジッター値とフォーカスオフセット値の関係を示すグラフである。 γと光ヘッドが持つ非点収差との関係を示すグラフである。 再生時のジッター値とフォーカスオフセット値の関係を示すグラフである。 差分ΔFBと光ヘッドが持つ非点収差との関係を示すグラフである。 断面で表わした光ディスクにレーザー光が照射されている状態を示す説明図である。 ΔFBと光ヘッドが持つ非点収差の関係を示すグラフである。
符号の説明
10 光ディスク
100 光ディスク装置
102 光ヘッド
103 不揮発性メモリ
104 スピンドルモータ
106 送りモータ
108 駆動制御部
110 信号処理部
112 信号変復調部
114 システムコントローラ
116 操作部

Claims (11)

  1. レーザー光を光学記録媒体に照射する照射部と、
    前記光学記録媒体のデータ記録面における前記レーザー光のフォーカスを調節するフォーカス駆動部と、
    前記レーザー光が照射された前記光学記録媒体からデータを読み出す読み出し部と、
    前記読み出されたデータに基づいて前記照射部の非点収差と相関の強い所定の信号特性を測定する測定部と、
    測定された前記所定の信号特性に基づいて、前記光学記録媒体にデータを記録する際に用いられる第1のフォーカスオフセット値を算出する第1の算出部と
    を有する、記録再生装置。
  2. 測定された前記所定の信号特性に基づいて、前記第1のフォーカスオフセット値と異なり、前記光学記録媒体に記録されたデータを再生する際に用いられる第2のフォーカスオフセット値を算出する第2の算出部を更に有する、請求項1に記載の記録再生装置。
  3. 前記照射部が前記レーザー光を前記光学記録媒体に照射して、前記データ記録面にデータを記録する際、前記フォーカス駆動部は、前記第1のフォーカスオフセット値に基づいてフォーカスを調節する、請求項1又は2に記載の記録再生装置。
  4. 前記照射部が前記レーザー光を前記光学記録媒体に照射して、前記データ記録面に記録されたデータを再生する際、前記フォーカス駆動部は、前記第2のフォーカスオフセット値に基づいてフォーカスを調節する、請求項2又は3に記載の記録再生装置。
  5. 前記所定の信号特性は、読み出されたデータに基づく信号のデフォーカス特性である、請求項1〜4のいずれかに記載の記録再生装置。
  6. 前記所定の信号特性は、読み出されたデータに基づく信号のジッター値のデフォーカス特性である、請求項1〜4のいずれかに記載の記録再生装置。
  7. 前記所定の信号特性は、読み出されたデータに基づく信号の振幅値のデフォーカス特性である、請求項1〜4のいずれかに記載の記録再生装置。
  8. フォーカス制御される光学系がレーザー光を光学記録媒体に照射するステップと、
    前記レーザー光を前記光学記録媒体に照射してデータを読み出すステップと、
    前記読み出されたデータに基づいて前記照射部の非点収差と相関の強い所定の信号特性を測定するステップと、
    測定された前記所定の信号特性に基づいて、前記光学記録媒体にデータを記録する際に用いられる第1のフォーカスオフセット値を算出するステップと
    を含む、記録再生方法。
  9. 測定された前記所定の信号特性に基づいて、前記第1のフォーカスオフセット値と異なり、前記光学記録媒体に記録されたデータを再生する際に用いられる第2のフォーカスオフセット値を算出するステップを更に含む、請求項8に記載の記録再生方法。
  10. 前記第1のフォーカスオフセット値に基づいて、前記光学記録媒体にデータを記録するステップを更に含む、請求項8又は9に記載の記録再生方法。
  11. 前記第2のフォーカスオフセット値に基づいて、前記光学記録媒体に記録されたデータを再生するステップを更に含む、請求項9又は10に記載の記録再生方法。
JP2008119699A 2008-05-01 2008-05-01 記録再生装置及び記録再生方法 Withdrawn JP2009271971A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008119699A JP2009271971A (ja) 2008-05-01 2008-05-01 記録再生装置及び記録再生方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008119699A JP2009271971A (ja) 2008-05-01 2008-05-01 記録再生装置及び記録再生方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009271971A true JP2009271971A (ja) 2009-11-19

Family

ID=41438395

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008119699A Withdrawn JP2009271971A (ja) 2008-05-01 2008-05-01 記録再生装置及び記録再生方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009271971A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4407623B2 (ja) 再生装置、球面収差補正値及びフォーカスバイアス調整方法
JP2008059686A (ja) 球面収差及びフォーカスオフセット調整方法、それを用いた情報記録再生装置
US7436742B2 (en) Optical recording device and aberration correction method
JP4581825B2 (ja) 光ディスク装置、フォーカスバイアス及び球面収差補正値調整方法
JP3902595B2 (ja) レーザパワー調整方法および光記録再生装置
US20080298181A1 (en) Optical disc apparatus and optical disc apparatus control method
JP4580367B2 (ja) 記録パワー調節方法および光記録再生装置
JP2011018388A (ja) 記録再生装置、レーザ駆動パルス調整方法
US20070230301A1 (en) Optical disc apparatus and optical disc discriminating method
JP4381456B2 (ja) 光ディスク装置及び光ディスク記録再生方法
US8027236B2 (en) Recording and reproducing apparatus, method of calculating temperature characteristic compensation operation coefficient, and reproducing apparatus
JP2008027501A (ja) 光ディスクおよび光ディスク装置
JP2008159195A (ja) 光ディスク装置及びその記録パワー設定方法
JP4264653B2 (ja) 光ディスク装置、フォーカスバイアス及び球面収差補正値調整方法
JP2007157196A (ja) 光ディスク装置および記録パワー設定方法
US20080285401A1 (en) Optical disc apparatus and optical disc recording and reproducing method
JP2009271971A (ja) 記録再生装置及び記録再生方法
US20070263507A1 (en) Optical disc apparatus and method of determining writing power of the same
JP4470896B2 (ja) 光ディスク装置
JP2007220152A (ja) 光学的情報記録方法および光学的情報記録装置
JP2007102854A (ja) 光ディスク装置、最適記録パワー決定方法
JP4036061B2 (ja) ディスクドライブ装置、サーボゲイン調整方法
JP4479750B2 (ja) 光ディスク記録再生装置
JP4553869B2 (ja) 光情報記録再生装置、光情報記録処理方法、光情報記録媒体、プログラム、及びプロセッサ
JP2006099903A (ja) 光ディスク装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20110705