JP2009270790A - 空調制御の仲介装置、空調制御システム、空調制御方法および空調制御プログラム - Google Patents

空調制御の仲介装置、空調制御システム、空調制御方法および空調制御プログラム Download PDF

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克己 島田
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Abstract

【課題】快適な空調環境の実現を効率よく行うため、既存の汎用のサーモスタットを用いたインバータ制御の空調機を提供する。
【解決手段】仲介装置40a―40cは、自己の温度センサで検知する第1室温値と、自己に設定された設定温度とに基づき接点の状態を動作状態であるONまたは非動作状態であるOFFに変化させる空調インターフェース30a−30cに接続され、空調機10,20a−20cの制御部と空調インターフェースとを仲介する空調制御のための仲介装置40a―40cであって、サーモON状態およびサーモOFFの状態の変化を把握する状態把握部と、検出された接点の状態に変化があった場合に、空調機で検知される第2室温値に基づいて目標温度値を決定する決定処理部と、接点の状態に変化がなく、かつ、空調機状態の変化が複数回把握された場合に、目標温度値を変更する変更処理部と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、空調制御の仲介装置、空調制御システム、空調制御方法および空調制御プログラムに関する。
従来、特に米国の住宅またはオフィスビル等では、汎用のサーモスタットを空調機のマンマシンインターフェース(コントローラ)として利用することがデファクトスタンダードとなっており、当該サーモスタットを用いて、空調機とともに他の暖房用機器やファンを制御し、快適な空調環境を効率よく実現している(例えば、特許文献1)。また、米国の空調システムにおいては、空調機として、熱源となる圧縮機をオン・オフ制御するものが多く用いられており、サーモスタットは、入力された設定温度と室温値とを比較して、接点のオン・オフ制御を行うことで当該空調機を動作させる。
一方、最近では、圧縮機をきめ細かくインバータ制御する空調機も登場してきている。そのような空調機は、制御を行う際に設定温度値が必要となるため、設定温度値を出力できないサーモスタットではなく空調機専用のインターフェースを用意して、利用者がその空調機専用のインターフェースを用いて設定温度の入力をするように促している。
特表平8−505485号
しかし、従来の空調システムにインバータ制御を行う最新の空調機を組み込んだ場合、サーモスタットに加えて空調機専用のインターフェースを使わなければならなくなり、利用者にとって煩雑である。また、従来の空調システムにインバータ制御を行う最新の空調機のみを導入した場合であっても、利用者は、従来から使い慣れているサーモスタットではなく、最新の空調機専用のインターフェースの操作方法を習得し、利用しなければならない。
そこで、本発明の課題は、快適な空調環境の実現を効率よく行うため、既存の汎用のサーモスタットを用いて新たに導入したインバータ制御の空調機を利用可能とする環境を提供することにある。
第1発明に係る仲介装置は、空調インターフェースに接続され、空調機の制御部と空調インターフェースとを仲介する空調制御のための仲介装置であって、検出部と、状態把握部と、決定処理部と、変更処理部とを備える。空調インターフェースは、自己の温度センサで検知する第1室温値と自己に設定された設定温度とに基づき接点の状態を動作状態であるONまたは非動作状態であるOFFに変化させる。検出部は、接点の状態を検出する。状態把握部は、空調機状態の変化を把握する。空調機状態は、サーモON状態およびサーモOFF状態のいずれかの状態である。サーモON状態とは、冷房運転および暖房運転を実施している状態である。一方、サーモOFF状態とは、冷房運転または暖房運転が停止した状態である。決定処理部は、検出された接点の状態に変化があった場合に空調機で検知される第2室温値に基づいて、空調機を動作させる温度値である空調目標温度値を決定する。空調機で検知される第2室温値とは、例えば、室内機に設けられた吸込み温度センサおよび吹出し温度センサ、その他室内機に接続されたリモコンの温度センサ等で検知された値である。変更処理部は、接点の状態に変化がなく、かつ、空調機状態の変化が複数回把握された場合に、空調目標温度値を変更する。
本発明に係る仲介装置では、空調インターフェースにおける接点の状態が検出される。空調機のサーモON状態またはサーモOFF状態のいずれかの状態である空調機状態の変化が把握される。接点の状態に変化があった場合に空調機で検知される第2室温値に基づいて空調機を動作させる温度値である空調目標温度値が決定される。接点の状態に変化が検出されず、空調機状態の変化が複数回把握された場合に、空調目標温度値が変更される。
これにより、既存の空調インターフェースを用いて運転に設定温度値を必要とする空調機を動作させることができる。
第2発明に係る仲介装置は、第1発明に係る仲介装置であって、変更処理部は、第1の不一致の状態あるいは第2の不一致の状態になった後に把握される空調機状態の変化の回数に基づいて空調目標温度値を変更する。第1の不一致の状態とは、接点がONの状態で空調機状態がサーモOFF状態である。第2の不一致の状態とは、接点がOFFの状態で空調機状態がサーモON状態である。
本発明に係る仲介装置では、接点の状態と空調機状態とが一致しない状態になった後に把握される空調機状態の変化の回数に基づいて、空調目標温度値が変更される。
これにより、空調インターフェースの状態に応じた処理を行うことができる。
第3発明に係る仲介装置は、第1または第2発明に係る仲介装置であって、変更処理部は、接点のONの状態またはOFFの状態に応じて、空調目標温度値を所定値増減させる。例えば、冷房運転中に接点がONの状態の場合には、空調目標温度値を所定値下げ、接点がOFFの状態の場合には、空調目標温度値を所定値上げる。また、例えば、暖房運転中に接点がONの状態の場合には、空調目標温度値を所定値上げ、接点がOFFの状態の場合には、空調目標温度値を所定値下げる。
本発明に係る仲介装置では、接点のONの状態またはOFFの状態に応じて、空調目標温度値が所定値増減させられる。
これにより、空調インターフェースの状態に応じて、適当な空調目標温度値を決定することができる。
第4発明に係る仲介装置は、第1から第3発明のいずれか一つに係る仲介装置であって、決定処理部は、過去に検知された第2室温値と、新たに検知された第2室温値との平均値を空調目標温度値として決定する。
本発明に係る仲介装置では、過去に検知された第2室温値と、新たに検知された第2室温値との平均値が空調目標温度値として決定される。
これにより、激しい温度変動を抑えた空調制御を行うことができる。
第5発明に係る仲介装置は、第1から第4発明のいずれか一つに係る仲介装置であって、フラグ変更部をさらに備える。フラグ変更部は、接点の状態に変化がなく空調機状態の変化が把握される場合、空調機状態の変化が把握されるたびに、フラグの状態を変化させる。フラグの状態には第1の状態および第2の状態が含まれ、フラグ変更部は、空調機状態の変化が把握されるたびにフラグの状態を第1の状態および第2の状態のいずれか一方の状態に変化する。また、変更処理部は、フラグが第1の状態から第2の状態に変化し、さらに、第1の状態に変化した場合、過去に検知された第2室温値に所定値を加算した値あるいは過去に検知された第2室温値から所定値を減算した値を空調目標温度値として決定する。
本発明に係る仲介装置では、接点の状態に変化がなく空調機状態の変化が把握される場合に、空調機状態の変化が把握されるたびにフラグの状態が変化される。さらに、フラグが第1の状態から第2の状態に変化し、さらに第1の状態に変化した場合に、過去に検知された第2室温値に所定値を加算した値あるいは過去に検知された第2室温値から所定値を減算した値が空調目標温度値としてさらに決定される。
これにより、空調目標温度値を変更することができる。
第6明に係る空調制御システムは、請求項1に記載の仲介装置と、空調インターフェースと、空調機とを備える空調制御システムであって、空調インターフェースは、仲介装置によって空調機の制御部との接続が仲介される。空調機は、仲介装置で決定される空調目標温度値に基づいて空調制御を行う。
本発明に係る空調制御システムでは、空調インターフェースにおける接点の状態が検出される。空調機のサーモON状態またはサーモOFF状態のいずれかの状態である空調機状態の変化が把握される。接点の状態に変化があった場合に空調機で検知される第2室温値に基づいて空調機を動作させる温度値である空調目標温度値が決定される。接点の状態に変化が検出されず、空調機状態の変化が複数回把握された場合に、空調目標温度値が変更される。
これにより、既存の空調インターフェースを用いて運転に設定温度値を必要とする空調機を動作させることができる。
第7発明に係る空調制御システムは、第6発明に係る空調制御システムであって、仲介装置の制御部と、前記空調機の制御部とが前記空調機に含まれている。
本発明に係る空調制御システムでは、空調機に、仲介装置の制御部と、空調機の制御部とが含まれる。
これにより、仲介装置を設置するための工数を省略することができる。
第8発明に係る空調制御方法は、空調インターフェースを利用して空調機を制御するための空調制御方法であって、検出ステップと、把握ステップと、決定ステップと、変更ステップとを備える。空調インターフェースは、自己の温度センサで検知する第1室温値と自己に設定された設定温度とに基づき接点の状態を動作状態であるONまたは非動作状態であるOFFに変化させる。検出ステップは、接点の状態を検出する。把握ステップは、サーモON状態およびサーモOFF状態のいずれかの状態である空調機状態の変化を把握する。決定ステップは、検出された接点の状態に変化があった場合に空調機で検知される第2室温値に基づいて、空調機を動作させる温度値である空調目標温度値を決定する。変更ステップは、接点の状態に変化がなく、かつ、空調機状態の変化が複数回把握された場合に、空調目標温度値を変更する。
本発明に係る空調制御方法では、空調インターフェースにおける接点の状態が検出される。空調機のサーモON状態またはサーモOFF状態のいずれかの状態である空調機状態の変化が把握される。接点の状態に変化があった場合に空調機で検知される第2室温値に基づいて空調機を動作させる温度値である空調目標温度値が決定される。接点の状態に変化が検出されず、空調機状態の変化が複数回把握された場合に、空調目標温度値が変更される。
これにより、既存の空調インターフェースを用いて運転に設定温度値を必要とする空調機を動作させることができる。
第9発明に係る空調制御プログラムは、空調インターフェースを利用して空調機を制御するためにコンピュータに実行させるための空調制御プログラムであって、検出ステップと、把握ステップと、決定ステップと、変更ステップとを備える。空調インターフェースは、自己の温度センサで検知する第1室温値と自己に設定された設定温度とに基づき接点の状態を動作状態であるONまたは非動作状態であるOFFに変化させる。検出ステップは、接点の状態を検出する。把握ステップは、サーモON状態およびサーモOFF状態のいずれかの状態である空調機状態の変化を把握する。決定ステップは、検出された接点の状態に変化があった場合に空調機で検知される第2室温値に基づいて、空調機を動作させる温度値である空調目標温度値を決定する。変更ステップは、接点の状態に変化がなく、かつ、空調機状態の変化が複数回把握された場合に、空調目標温度値を変更する。
本発明に係る空調制御プログラムでは、空調インターフェースにおける接点の状態が検出される。空調機のサーモON状態またはサーモOFF状態のいずれかの状態である空調機状態の変化が把握される。接点の状態に変化があった場合に空調機で検知される第2室温値に基づいて空調機を動作させる温度値である空調目標温度値が決定される。接点の状態に変化が検出されず、空調機状態の変化が複数回把握された場合に、空調目標温度値が変更される。
これにより、既存の空調インターフェースを用いて運転に設定温度値を必要とする空調機を動作させることができる。
第1発明に係る仲介装置では、既存の空調インターフェースを用いて運転に設定温度値を必要とする空調機を動作させることができる。
第2発明に係る仲介装置では、空調インターフェースの状態に応じた処理を行うことができる。
第3発明に係る仲介装置では、空調インターフェースの状態に応じて、適当な空調目標温度値を決定することができる。
第4発明に係る仲介装置では、激しい温度変動を抑えた空調制御を行うことができる。
第5発明に係る仲介装置では、空調目標温度値を変更することができる。
第6発明に係る空調制御システムでは、既存の空調インターフェースを用いて運転に設定温度値を必要とする空調機を動作させることができる。
第7発明に係る空調制御システムでは、仲介装置を設置するための工数を省略することができる。
第8発明に係る空調制御方法では、既存の空調インターフェースを用いて運転に設定温度値を必要とする空調機を動作させることができる。
第9発明に係る空調制御プログラムでは、既存の空調インターフェースを用いて運転に設定温度値を必要とする空調機を動作させることができる。
≪第1実施形態≫
<空調システムの全体構成>
図1は、本発明の実施形態に係る空調システム1の構成を示す。この空調システム1は、例えば、住宅またはオフィスビル等の建物(物件)で用いられる空調システムであり、主として、室外機10および室内機20a−20cからなる空調機と、空調制御のためのインターフェースとして用いる汎用のサーモスタット30a−30cと、仲介装置40a−40cと、から構成されている。
室外機10と室内機20a―20cとは冷媒路88および通信線81を介して接続されている。また、室内機20a−20cは、通信線82を介して仲介装置40a−40cと通信可能に接続されている。2種類の通信線81および82は、同一種類の通信線であっても、異なる種類の通信線であってもよい。さらに、仲介装置40a−40cは、サーモスタット30a−30cと制御線83で接続されている。詳細には、図1に示すように、各室内機20a―20cに、仲介装置40a−40cおよびサーモスタット30a−30cが一対一で接続されている。本実施形態では、サーモスタット30a−30cは、仲介装置40a−40cを介して、それぞれに接続される室内機20a−20cの制御を行う。
<各部の構成>
(1)サーモスタット30a−30cの構成
まず、図2および図3を用いて、サーモスタット30a−30cについて説明する。図2は、サーモスタット30a−30cの表示部の一例を示す。サーモスタット30a−30cは、特に米国で、空調機、ガスファーネス、およびファン等のインターフェースとして多く用いられており、サーモスタット30a−30cに接続される機器のオン・オフ制御機能、温度設定機能、冷暖房の設定機能、除湿設定機能、ファンのオン・オフ設定機能等を有する。さらに、サーモスタット30a−30cは、接続される機器のスケジュール制御が可能である。図3は、サーモスタット30a−30cから出力される信号を示す表である。本実施形態では、後述する仲介装置40a−40cが、これらの信号を空調機の読み取り可能な信号に変換して空調機に送信する。
サーモスタット30a−30cは、設定温度の入力部と、室温を検知する温度センサとを有している。サーモスタット30a−30cは、設定温度と温度センサで検知された室温(第1室温値に相当)との関係で、接点をONまたはOFFに変化する。例えば、冷房運転モードで動作している場合、温度センサで検知される室温が設定温度よりも高くなった場合、接点はONに設定され、温度センサで検知される室温が設定温度よりも低くなった場合は、接点はOFFに設定される。反対に、暖房運転モードで動作している場合は、温度センサで検知される室温が設定温度よりも低くなった場合には、接点はONに設定され、温度センサで検知される室温が設定温度よりも高くなった場合は、接点がOFFに設定される。なお、本実施形態で用いるサーモスタット30a−30cは、ディファレンシャル温度の設定が可能であり、温度センサによって検知される室温がディファレンシャル温度を超えた場合に、接点がONまたはOFFに変化する。
(2)空調機の概略構成
次に、本実施形態の空調システム1に用いられる空調機について説明する。
本実施形態で用いられる空調機は、マルチタイプのヒートポンプ式空調機であり、室外機10と、室内機20a−20cとが、冷媒路88および通信線81により接続されている。室内機20a−20cには、ケーシング内に吸込まれる室内空気の温度である吸込み温度値(第2室温値に相当)を検知する吸込み温度センサ21a−21cが設けられている。以下、室外機10と、室内機20aとからなる空調機について説明するが、その他の室内機20b,20cについても室内機20aと同様の構成であるものとする。
本実施形態に係る空調機は、設定温度値に応じて圧縮機の回転数と室内膨張弁の開度とを段階的に調整することで、室外機10から室内機20aに送られる冷媒を流量調整する。また、室内機20aは、サーモOFFおよびサーモONの運転を自動的に繰り返し、室内環境が当該設定温度値の近傍で保たれるように制御される。ここで、サーモOFFとは、冷房運転および暖房運転が停止した状態をいう。詳細には、冷媒を流さない送風のみの運転または冷媒を僅かに流す低負荷の運転が行われている状態をいう。一方、サーモONとは、冷房運転または暖房運転を実施している状態をいう。詳細には、ファンを作動させ、さらに冷媒流量などを調整して、室内温度が設定温度に近づくにように運転している状態をいう。本実施形態に係る空調機の運転は、冷房運転時に吸込み温度値が設定温度値の1.0℃以下になった場合および暖房運転時に設定温度値の1.0℃以上になった場合、サーモONからサーモOFFに切り替わる。一方、冷房運転時に吸込み温度値が設定温度値の1.0℃以上になった場合および暖房運転時に設定温度値の1.0℃以下になった場合、空調機の運転は、サーモOFFからサーモONに切り替わる。
(3)仲介装置40a−40cの概略構成
次に、仲介装置40a−40cについて説明する。仲介装置40a−40cは、それぞれに接続される一つのサーモスタット30a−30cから入力される各種信号を空調機の読み取り可能な信号に変換し、変換した信号をそれぞれに接続された一つの室内機20a−20cに送信する。また、仲介装置40a−40cは、サーモスタット30a−30cから入力される信号および吸込み温度センサ21a−21cで検知される吸込み温度値等に基づいて空調目標温度値を決定し、当該空調目標温度値を設定温度値としてそれぞれに接続された室内機20a−20cに送信する。以下、図4Aを用いて仲介装置40aの構成について説明するが、他の仲介装置40b、40cも同様の構成であるものとする。
仲介装置40aは、主として、通信部41と、記憶部42と、制御部43とを備える。
通信部41は、入出力ポートからなり、サーモスタット30aおよび室内機20aからの各種信号を入力し、空調機に対し制御信号を出力する。
記憶部42には、後述する空調目標温度値を決定するために用いられる制御プログラムが記憶されている。また、記憶部42は、吸込み温度値記憶領域42aと、空調目標温度値記憶領域42bとを有する。
吸込み温度値記憶領域42aには、後述する吸込み温度値取得部43cに取得される吸込み温度値が記憶される。なお、本実施形態では、吸込み温度値記憶領域42aには、予め初期値として冷房運転モードの上限値(32℃)および暖房運転モードの下限値(16℃)が記憶されている。吸込み温度値記憶領域42aに記憶された値(記憶値M)は、吸込み温度値取得部43cによって新たな吸込み温度値が取得されるたびに、当該新たな吸込み温度値によって上書きされる。
空調目標温度値記憶領域42bには、後述する空調目標温度値決定部43eによって空調目標温度値として決定された値であって、空調機に設定温度値として送信される値が記憶される。空調目標温度値記憶領域42bに記憶された値(記憶値S)は、新たな空調目標温度値が決定されるたびに、当該新たな空調目標温度値によって上書きされる。
制御部43は、CPU等により構成されており、主として、検出部43aと、状態把握部43bと、吸込み温度値取得部43cと、フラグ変更部43dと、空調目標温度値決定部43eと、信号変換部43fと、送信部43gとを有する。
検出部43aは、仲介装置40aに接続されたサーモスタット30aの接点の状態を検出する。本実施形態では、Y1(コンプレッサ)信号がONまたはOFFのいずれに設定された状態であるか、また、ONまたはOFFのいずれに変化したかが検出される。このとき、サーモスタット30aから出力されるO(冷房)信号およびB(暖房)信号に基づき、冷房運転モードおよび暖房運転モードが区別される。具体的には、冷房運転モードではO信号がONであり、暖房運転モードではB信号がONである。
状態把握部43bは、室内機20aがサーモONで動作している状態か、サーモOFFで動作している状態かを示す信号(サーモ信号)を室内機20aから取得し、室内機20aの運転状態を把握する。
吸込み温度値取得部43cは、Y1信号の変化が検出された際に吸込み温度センサ21aで検知された吸込み温度値(第2室温値に相当)を室内機20aから取得する。なお、吸込み温度値取得部43cによって取得された吸込み温度値は、上述の吸込み温度値記憶領域42aに上書きされていく。
フラグ変更部43dは、Y1信号および/またはサーモ信号の状態に応じてフラグを変更する。具体的に、フラグ変更部43dが変更するフラグには、Y1信号とサーモ信号との状態が一致する状態か否かに応じて状態を変える不一致フラグと、不一致フラグの動きに連動して状態を変える変更フラグと、変更フラグの動きに連動して状態を変える保持フラグとが含まれる。
図4Bは、不一致フラグ、変更フラグ、および保持フラグの変化するタイミングおよび条件をまとめた図である。図4Bに示すように、不一致フラグ、変更フラグ、および保持フラグには、それぞれON時フラグとOFF時フラグがあり、Y1信号のONまたはOFFの状態に応じてON時フラグまたはOFF時フラグが用いられる。例えば、Y1信号がONの場合には、ON時不一致フラグと、ON時変更フラグと、ON時保持フラグが動作する。一方、Y1信号がOFFの場合には、OFF時不一致フラグと、OFF時変更フラグと、OFF時保持フラグが動作する。
不一致フラグは、Y1信号とサーモ信号との状態が不一致の状態になり、かつ、後述する変更フラグが0の場合に、1に変更され、その後サーモ信号の状態の変化が1回把握されると0に変更される。Y1信号とサーモ信号との状態が不一致の状態とは、Y1信号がONでサーモ信号がサーモOFFを示す場合、あるいは、Y1信号がOFFでサーモ信号がサーモONを示す場合である。
変更フラグは、不一致フラグが1から0になるタイミングで、1に変更され、その後サーモ信号の変化が2回把握されると0に変更される。
保持フラグは、変更フラグが1から0になるタイミングで1に変更され、その後サーモ信号の変化が1回把握されると0に変更される。
より詳細に、図4Bを参照して、Y1信号がON(1)の場合にフラグ変更部43dによって変更されるフラグの動きを説明する。
ON時不一致フラグは、Y1信号がONで、かつ、ON時変更フラグが0の場合に、サーモ信号のONからOFFへの変化が把握されたタイミングで、0から1に変更する。その後、Y1信号のONの状態に変化がなく、サーモ信号のOFFからONへの変化が把握されると、ON時不一致フラグは1から0に変更される。さらに、Y1信号の状態がONからOFF(0)に変化した場合、ON時不一致フラグは1から0に変更される。
ON時変更フラグは、ON時不一致フラグが1の場合に、サーモ信号のOFFからONへの変化が把握されたタイミングで、0から1に変更される。その後、サーモ信号のONからOFFへの変化が把握されたタイミングで、ON時変更フラグは1から0に変更される。
ON時保持フラグは、ON時変更フラグが1の場合に、サーモ信号のOFFからONへの変化が把握されたタイミングで、0から1に変更される。その後、サーモ信号のONからOFFへの変化が把握されたタイミングで、ON時変更フラグは1から0に変更される。
空調目標温度値決定部43eは、室内機20aを動作させるための空調目標温度値を決定する。具体的には、空調目標温度値決定部43eは、接点(Y1信号)の変化とサーモ信号の変化とに基づいて空調目標温度値を決定する。詳細には、空調目標温度値決定部43eは、第1処理部431e(決定処理部に相当)と、第2処理部432e(変更処理部に相当)とを有する。
第1処理部431eは、Y1信号の変化が検出されると、保持フラグ(ON時保持フラグまたはOFF時保持フラグ)がOFFである事を条件に、Y1信号の変化が検出された際に取得された吸込み温度値Tと、吸込み温度値記憶領域42aに記憶された記憶値Mとの平均値Aを算出する。当該平均値Aは、空調目標温度値記憶領域42bに記憶された記憶値Sと比較された上で空調目標温度値として決定される。保持フラグ(ON時保持フラグまたはOFF時保持フラグ)がONである場合には、第1処理部431eは、新たに平均値Aを算出せず、空調目標温度値記憶領域42bに記憶されている記憶値Sを継続して空調目標温度値として決定する。
第2処理部432eは、Y1信号の変化が検出されず、かつ、サーモ信号の変化が複数回把握された場合に、空調目標温度値を変更する。ここで、Y1信号の変化が検出されない場合とは、Y1信号がONまたはOFFで安定している状態をいう。また、サーモ信号が複数回変化したことは、上記フラグの状態により判断される。本実施形態では、上記不一致フラグの1から0の変更に連動して変更フラグが1から0に変更されることでサーモ信号が複数回変化したものと判断される。
第2処理部432eは、変更フラグが1のとき、サーモ状態の2回目の変化タイミングで、空調目標温度値記憶領域42bに記憶されている記憶値Sを増減させる。例えば、Y1信号がONの状態で安定しており、変更フラグが1に変更された後サーモ状態が2回変化すると、第2処理部432eは、空調目標温度値を記憶値Sから2℃減算した値(減算値)に変更し、当該減算値を空調目標温度値として決定する。さらに、Y1信号がOFFの状態で安定しており、変更フラグが1に変更された後サーモ状態が2回変化すると、第2処理部432eは、空調目標温度値を記憶値Sから2℃加算した値(加算値)に変更し、当該加算値を空調目標温度値として決定する。より詳細には、下記の<空調機の制御方法>の欄で説明する。
信号変換部43fは、図3に示した、サーモスタット30aの出力信号を空調機の読み取り可能な信号に変換する。本実施形態では、信号G(ファン)は、運転/停止指令に変換され、その他の信号B(暖房),W1(ヒーター),O(冷房),Y1(コンプレッサ),DHM(除湿)は、それぞれの信号パターンから運転モード(冷房運転モード/暖房運転モード)が判断され、空調機の読み取り可能な運転モードの信号に変換される。
送信部43gは、上述の通信部41を介して、信号変換部43fによって変換された信号および室内機20aの空調停止命令等を室内機20aに送信する。また、送信部43gは、空調目標温度値として決定された値であって、空調目標温度値記憶領域42bに記憶された記憶値Sを設定温度値として室内機20aに送信する。
<空調機の制御方法>
以下、図5から図11を参照して、仲介装置40a−40cによる空調機の冷房運転時の制御方法を詳細に説明する。なお、以下の説明では、サーモスタット30aおよび仲介装置40aを用いて、室内機20aを制御する際の制御方法を説明するが、サーモスタット30bおよび仲介装置40bを用いて室内機20bを制御する場合、およびサーモスタット30cおよび仲介装置40cを用いて室内機20cを制御する場合も同様であるものとする。
(1)処理の流れ
初めに、図5から図7を用いて、仲介装置40aの処理の流れについて説明する。
まず、ステップS101でY1信号が変化したか否かが判断される。ステップS101でY1信号が変化した場合には、ステップS102に進む。ステップS101でY1信号が変化しなかった場合には、ステップS111に進む。
ステップS102では、ON時保持フラグまたはOFF時保持フラグが1か否かが判断される。ステップS102で、ON時保持フラグまたはOFF時保持フラグが1の場合には、ステップS103に進み、フラグ変更部43dによって、ON時保持フラグまたはOFF時保持フラグが0にされた後、ステップS109に進む。
ステップS102で、ON時保持フラグまたはOFF時保持フラグが1ではなかった場合、ステップS104に進み、空調目標温度値決定部43eによって、吸込み温度値記憶領域42aに記憶されている記憶値Mと今回の吸込み温度値Tとの平均値Aが算出される。その後、ステップS105に進み、空調目標温度値記憶領域42bに記憶値Sがあるか否かが判断される。ステップS105において、記憶値Sがあると判断された場合には、ステップS106に進み、ステップS104で算出された平均値Aと記憶値Sとの差が0.5℃以内か否かが判断される。ステップS105において記憶値Sがない場合には、ステップS107に進む。
ステップS106で、平均値Aと記憶値Sとの差が0.5℃以内である場合には、ステップS108に進む。一方、ステップS106で、平均値Aと記憶値Sとの差が0.5℃以内でない場合には、ステップS107に進む。ステップS107では、平均値Aが空調目標温度値記憶領域42bに記憶され、その後、ステップS108において、送信部43gによって記憶値Sが設定温度値として空調機に指令される。その後、ステップS109で今回の吸込み温度値Tが吸込み温度値記憶領域42bに記憶される。
次に、ステップS110に進み、Y1信号の変化が検出されたか否かが判断される。ステップS110で、Y1信号の変化が検出された場合には、ステップS102に戻る。ステップS110で、Y1信号の変化が検出されなかった場合には、ステップS111に進み、Y1信号が1か否かが判断される。
ステップS111において、Y1信号が1である場合、ステップS112に進む。ステップS112では、サーモ信号の状態が変化したかどうかが判断される。ステップS112で、サーモ信号の状態が変化したと判断された場合には、ステップS114に進み、サーモ信号の状態が変化しなかったと判断された場合には、ステップS110に戻る。
ステップS114では、サーモ信号の状態がサーモONであるか否かが判断される。ステップS114で、サーモ信号がサーモONであった場合には、ステップS117に進み、サーモ信号がサーモOFFであった場合には、ステップS115に進む。
ステップS115では、ON時変更フラグが0か否かが判断される。ステップS115で、ON時変更フラグが0であった場合には、ステップS116に進む。ステップS116で、フラグ変更部43dによってON時不一致フラグが1に変更される。また、ON時保持フラグが0にされる。その後ステップS110に進む。ステップS115で、ON時変更フラグが0でなかった場合にも、ステップS110に進む。
ステップS117では、ON時変更フラグが1か否かが判断される。ステップS117で、ON時変更フラグが1でなかった場合には、ステップS120に進む。ステップS117で、ON時変更フラグが1であった場合には、ステップS118に進む。ステップS118では、フラグ変更部43dによってON時変更フラグが0に変更され、また、ON時保持フラグが1に変更される。さらに、空調目標温度値記憶領域42bに記憶されている記憶値Sから2℃減じた値を記憶値Sとする。次に、ステップS119に進み、記憶値Sが設定温度値として空調機に指令される。その後、ステップS110に進む。
ステップS120では、ON時不一致フラグが1か否かが判断される。ステップS120で、ON時不一致フラグが1である場合には、ステップS121に進む。ステップS121では、フラグ変更部43dによって、ON時不一致フラグが0に変更され、また、ON時変更フラグが1に変更される。その後、ステップS110に進む。ステップS120でON時不一致フラグが1でない場合には、ステップS110に進む。
一方、ステップS111において、Y1信号が1でなかった場合には、ステップS113に進む。ステップS113では、サーモ信号の状態が変化したか否かが判断される。ステップS113で、サーモ信号が変化したと判断された場合には、ステップS122に進む。ステップS113においてサーモ状態が変化しなかったと判断された場合には、ステップS110に戻る。
ステップS122では、サーモ信号の状態がサーモOFFであるか否かが判断される。ステップS122で、サーモ信号がサーモOFFであった場合には、ステップS125に進み、サーモ信号がサーモONであった場合には、ステップS123に進む。
ステップS123では、OFF時変更フラグが0か否かが判断される。ステップS123で、OFF時変更フラグが0であった場合には、ステップS124に進む。ステップS124では、フラグ変更部43dによってOFF時不一致フラグが1に変更される。また、OFF時保持フラグが0にされる。その後ステップS110に進む。ステップS123で、OFF時変更フラグが0でなかった場合にも、ステップS110に進む。
ステップS125では、OFF時変更フラグが1か否かが判断される。ステップS125で、OFF時変更フラグが1でなかった場合には、ステップS128に進む。ステップS125で、OFF時変更フラグが1であった場合には、ステップS126に進む。ステップS126では、フラグ変更部43dによってOFF時変更フラグが0に変更され、また、OFF時保持フラグが1に変更される。さらに、空調目標温度値記憶領域42bに記憶されている記憶値Sに2℃加算した値を記憶値Sとする。次に、ステップS127に進み、記憶値Sが設定温度値として空調機に指令される。その後、ステップS110に進む。
ステップS128では、OFF時不一致フラグが1か否かが判断される。ステップS128で、OFF時不一致フラグが1である場合には、ステップS129に進む。ステップS129では、フラグ変更部43dによって、OFF時不一致フラグが0に変更され、また、OFF時変更フラグが1に変更される。その後、ステップS110に進む。ステップS128でOFF時不一致フラグが1でない場合にも、ステップS110に進む。
(2)タイミングチャート
図8から図11は、冷房運転時のタイミングチャートである。図8から図11には、サーモスタット30aで検知される室温(第1室温値に相当)、サーモスタット30aの設定温度、Y1信号のON/OFF状態、吸込み温度センサ21aで検知される吸込み温度値(第2室温値に相当)、吸込み温度値記憶領域42aに記憶された吸込み温度値である記憶値M、仲介装置40aから室内機20aに設定温度値として送信される空調目標温度値、およびサーモ信号のサーモON/サーモOFF状態が示されている。さらに、Y1信号とサーモ信号との関係で動作する不一致フラグ、変更フラグ、および保持フラグの状態が示されている。
図8および図9は、サーモスタット30aにおける設定温度が一定である場合の制御を示す。なお、図8は、Y1信号がONで安定した状況でサーモ信号が変化した場合を示し、図9は、Y1信号がOFFで安定した状況でサーモ信号が変化した場合を示す。図10は、設定温度が下降した場合の制御を示し、図11は、設定温度が上昇した場合の制御を示す。
図8から図11に示すように、Y1信号の状態とサーモ信号の状態とが不一致になった場合、不一致フラグが1にされる(破線801,901,1001,1101参照)。ここで、Y1信号がONで安定している場合には、ON時不一致フラグが1にされ、OFFで安定している場合には、OFF時不一致フラグが1にされる。さらに、ON時およびOFF時不一致フラグは、その後サーモ信号の状態の変化が検出されると、フラグ変更部43dによって0に変更される(破線802,902,1002,1102参照)。
不一致フラグが1のとき、サーモ信号が変化すると、変更フラグは1にされる。ここでも、Y1信号がONで安定している場合には、ON時変更フラグが1にされ、OFFで安定している場合には、OFF時変更フラグが1にされる。変更フラグは、その後サーモ信号の状態の変化が2回検出されると、0に変更される(破線803,903,1003,1103参照)。
変更フラグが0に変更されると、保持フラグが1に変更される。ここでも、Y1信号がONで安定している場合には、ON時保持フラグが1にされ、OFFで安定している場合には、OFF時保持フラグが1にされる。その後サーモ信号の状態の変化が把握されると、保持フラグは0に変更される(破線804,904,1004,1104参照)。
空調目標温度値決定部43eは、上述の変更フラグが0の状態で、Y1信号の変化が検出された場合に、記憶値Mと吸込み温度値Tとの平均値Aを算出する。また、ここで、先に設定温度値として空調機に指令された空調目標温度値である記憶値Sと平均値Aとが比較され、平均値Aと記憶値Sとの差が0.5℃以上であった場合に限り、新たに算出された平均値Aが空調目標温度値として決定される。
さらに、空調目標温度値決定部43eは、変更フラグが1のとき、サーモ状態の2回目の変化が把握されるタイミングで記憶値Sに所定温度(本実施形態では2℃)を加算あるいは減算し、新たな空調目標温度値を決定する。
さらに、空調目標温度値決定部43eは、保持フラグが1の状態でY1信号の変化を検出した場合には、記憶値Sを空調目標温度値として維持する。
<特徴>
(1)本実施形態に係る空調システム1において、仲介装置40a−40cはサーモスタット30a−30cから出力される制御信号を空調機の読み取り可能な信号に変換する。また、仲介装置40a−40cは、サーモスタット30a−30cから入力される信号および空調機で検知される吸込み温度値に基づいてサーモスタット30a−30cで設定された温度の近似値である空調目標温度値を決定する。当該空調目標温度値が設定温度値として空調機に送信されるため、サーモスタット30a−30cを用いて運転に設定温度値が必要な空調機を動作させることができる。これにより、インバータ制御を行う空調機を新たに導入する場合であっても、従来から使用する空調インターフェースとしてのサーモスタット30a−30cを新たな空調機のインターフェースとして継続して用いることができる。
また、米国では、地下室等にガスファーネスユニットおよびファンユニットを備える補助ユニットを配置する住宅等もある。ガスファーネスユニットは、主として、ガスの燃焼を行うガスファーネスと、その燃焼量を制御するガスファーネスコントローラとから構成されており、ファンユニットは、主として、シロッコファン等のファンと、ファンコントローラとから構成されている。このガスファーネスユニットおよびファンユニットは、サーモスタット30a−30cを用いて制御され、補助ユニット内の空気を過熱し、室内に送り出すことで、室内の空調制御を行っている。本実施形態に係る仲介装置40a−40cを空調システム1に導入することにより、既存のサーモスタット30a−30cを用いて、インバータ制御を行う最新の空調機とガスファーネスユニットおよびファンユニットとの双方を制御することができる。したがって、ユーザに新たな空調インターフェースの操作方法の習得を強いることなく、従来の空調インターフェースを使用したまま、効率の良い空調制御を行うことができる。
(2)サーモスタット30a−30cは種類によって出力信号も多様であるが、本実施形態に係る仲介装置40a−40cは、サーモスタット30a−30cから出力される基本的な信号を用いて設定温度値の代替となる空調目標温度値を決定するため、大部分のサーモスタット30a−30cに適用することができる。
(3)本実施形態に係る仲介装置40a−40cは、Y1信号が安定している状態でサーモ信号が複数回変化した場合に、サーモスタット30a−30cで設定されている温度と、室内機20a−20cに設定温度値として送信された空調目標温度値とが一致していないものと判断して、その時のY1信号のONまたはOFFの状態に応じて空調目標温度値を所定温度(本実施形態では2℃)増減させる。これにより、サーモスタット30a−30cで設定温度の変更があった場合にも、適宜、空調目標温度値をサーモスタット30a−30cに設定された温度の近似値に変更することができる。
(4)本実施形態においては、空調目標温度値決定部43eが平均値Aを算出すると、空調目標温度値記憶領域42bに記憶された記憶値Sと平均値Aとを比較し、その差が0.5℃を越えていた場合に限り、新たに算出された平均値Aを空調目標温度値として決定し、当該空調目標温度値を室内機20a−20cの制御に用いるように設計されている。これにより、室内機20a−20cにおいて頻繁に温度を変更する必要がないため、空調機の処理負荷を抑えることができる。
<変形例>
(1)本実施形態では、マルチタイプのヒートポンプ式空調機を用いたが、シングルタイプのヒートポンプ式空調機を用いても構わない。また、ヒートポンプ式空調機に限らず、インバータ制御される空調機であれば、その他の空調機にも適用できる。
(2)本実施形態では冷房運転を例に挙げていたが、暖房運転においても同様に適用できる。上述したように、冷房運転モードおよび暖房運転モードの区別は、O信号およびB信号のいずれがONになっているかで判断される。
また、設定を変更することにより、暖房運転モードで用いる信号を、サーモスタット30a−30cのコンプレッサ信号(Y1)の代わりに、ヒーターの制御信号(W1)にすることもできる。すなわち、冷房運転モードではY1信号が用いられ、暖房運転モードではW1信号が用いられる。
さらに、図3に示すような、他の出力信号を用いて空調目標温度値を決定しても構わない。
(3)本実施形態に係る空調システムにおいて、室内機20a―20cのそれぞれが、個別のリモコンを備えていてもよい。室内機20a―20cにリモコンが設定された場合は、室内機20a―20cの制御がサーモスタット30a−30cからの出力信号に基づく空調目標温度値および個別のリモコンで入力された設定温度値のいずれか一方を選択できるようにしてもよい。これにより、快適な空調環境の実現を柔軟に行うことができる。
(4)本実施形態に係る方法で決定した空調目標温度値を補正し、補正後の値に基づいて空調機が動作するように設計しても構わない。例えば、Y1信号の変化が検出された際に取得された吸込み温度値Tと、吸込み温度値記憶領域42aに記憶された記憶値Mとの平均値Aを算出し、平均値Aに所定温度を加算した値、あるいは平均値Aから所定温度を減算した値を空調目標温度値とし、空調目標温度値記憶領域42bに記憶されている記憶値Sと比較してもよい。
(5)本実施形態において、空調目標温度値記憶領域42bに記憶されている値(記憶値S)があるか否かを判断しているが、予め初期値(例えば、0)を与えておき、記憶値Sが初期値(例えば、0)に等しいかどうかを判定してもよい。
(6)本実施形態では、仲介装置40a−40cにおいて、摂氏(℃)を用いて空調目標温度値の決定等を行っているが、摂氏に代えて華氏(°F)を用いても構わない。
(7)本実施形態に係る空調システム1では、仲介装置40a−40cは、室内機20a―20cが検知する吸込み温度値Tを用いて空調目標温度値を決定したが、仲介装置40a−40cは、吸込み温度値の代わりに、室内機20a―20cが把握する他の温度センサで得られた値を用いて空調目標温度値を決定することもできる。例えば、室内機20a―20cの吹出し温度センサや、室内機20a―20cのそれぞれに接続されたリモコンの温度センサ、室内機20a―20cの本体からそれぞれ延長して設けた温度センサであるリモートセンサ等によって得られた値を用いることによっても空調目標温度を決定することができる。
(8)仲介装置40a−40cは、タイマー部をさらに備えていてもよい。タイマー部は、サーモスタット30a−30cのY1信号の変化が検出された後の経過時間をカウントするように設定する。具体的には、タイマー部が、サーモスタット30a−30cのY1信号の変化が検出された時点から開始する経過時間をカウントするように設定する。これにより、検出部43aが検出するY1信号の状態が所定時間変化しない場合には、第2処理部432eによって空調目標温度値を変更するように設計することができる。これにより、ユーザによって設定温度が変更された場合にも、比較的早期に、ユーザの所望する室内環境を提供することができる。
(9)本実施形態では、複数のサーモスタット30a−30cおよび複数の仲介装置40a−40cが室内機20a―20cと一対一で接続され、仲介装置40a−40cで変換されたサーモスタット30a−30cからの制御信号が、それぞれに接続される一台の室内機20a―20cに送信されることにより個別空調を行っているが、図12に示すように、サーモスタット30および仲介装置40が、物件内にそれぞれ一台設置され、サーモスタット30からの制御信号が仲介装置40で変換され、変換された制御信号が室内機20a―20cに送信されてもよい。この場合には、サーモスタット30を用いて複数の室内機20a―20cの集中制御を行うことができる。さらに、物件内にサーモスタット30および仲介装置40がそれぞれ一台設けられる空調システムにおいて、図13に示すように、サーモスタット30からの制御信号が仲介装置40で変換され、変換された制御信号が室外機10に送信されてもよい。この場合にも、サーモスタット30を用いて複数の室内機20a―20cの集中制御を行うことができる。なお、1台のサーモスタット30で複数台の室内機20a−20cを制御する場合は、代表機として設定した室内機のサーモ信号を、室内機20a−20cのサーモ信号として取得する。
(10)さらに、本実施形態に係る仲介装置40a−40cは、空調機と別体の構成であったが、仲介装置の構成が空調機内に設けられる構成であってもよい。これによっても既存のインターフェースである汎用のサーモスタットを用いてインバータ制御を行う空調機を制御させることができる。
≪他の実施形態≫
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
本発明は、快適な空調環境の実現を効率よく行うため、既存の汎用のサーモスタットを用いて新たに導入したインバータ制御の空調機を利用可能とする環境を提供するという効果を有し、空調制御の仲介装置、空調制御システム、空調制御方法および空調制御プログラムとして有用である。
本実施形態に係る空調制御システムの概観図である。 本実施形態に係るサーモスタットの例である。 本実施形態に係るサーモスタットから出力される制御信号を示す図である。 本実施形態に係る仲介装置の概略構成図である。 不一致フラグ、変更フラグ、および保持フラグの変化するタイミングおよび条件をまとめた図である。 本実施形態に係る空調機の制御方法を示す図である。 本実施形態に係る空調機の制御方法を示す図である。 本実施形態に係る空調機の制御方法を示す図である。 冷房運転時のタイミングチャートを示す図である。 冷房運転時のタイミングチャートを示す図である。 冷房運転時のタイミングチャートを示す図である。 冷房運転時のタイミングチャートを示す図である。 本実施形態の変形例(9)に係る空調制御システムの外観図である。 本実施形態の変形例(9)に係る空調制御システムの外観図である。
符号の説明
1 空調制御システム
10 室外機
20a−20c 室内機
30a−30c サーモスタット(空調インターフェース)
40a−40c 仲介装置
81,82 通信線
83 制御線
88 冷媒路

Claims (9)

  1. 自己の温度センサで検知する第1室温値と自己に設定された設定温度とに基づき接点の状態を動作状態であるONまたは非動作状態であるOFFに変化させる空調インターフェース(30a−30c)に接続され、空調機(10,20a−20c)の制御部と前記空調インターフェースとを仲介する空調制御のための仲介装置(40a―40c)であって、
    前記接点の状態を検出する検出部(43a)と、
    サーモON状態およびサーモOFF状態のいずれかの状態である空調機状態の変化を把握する状態把握部(43b)と、
    検出された前記接点の状態に変化があった場合に前記空調機で検知される第2室温値に基づいて、前記空調機を動作させる温度値である空調目標温度値を決定する決定処理部(431e)と、
    前記接点の状態に変化がなく、かつ、前記空調機状態の変化が複数回把握された場合に、前記空調目標温度値を変更する変更処理部(432e)と、
    を備える、
    仲介装置。
  2. 前記変更処理部は、前記接点がONの状態で前記空調機状態がサーモOFF状態である第1の不一致の状態、あるいは、前記接点がOFFの状態で前記空調機状態がサーモON状態である第2の不一致の状態、になった後に把握される前記空調機状態の変化の回数に基づいて、前記空調目標温度値を変更する、
    請求項1に記載の仲介装置。
  3. 前記変更処理部は、前記接点のONの状態またはOFFの状態に応じて、前記空調目標温度値を所定値増減させる、
    請求項1または2に記載の仲介装置。
  4. 前記決定処理部は、過去に検知された前記第2室温値と、新たに検知された前記第2室温値との平均値を空調目標温度値として決定する、
    請求項1から3のいずれか一つに記載の仲介装置。
  5. 前記接点の状態に変化がなく前記空調機状態の変化が把握される場合、前記空調機状態の変化が把握されるたびに、第1の状態および第2の状態を有するフラグの状態をいずれか一方に変化させるフラグ変更部(43d)をさらに備え、
    前記変更処理部は、前記フラグが前記第1の状態から前記第2の状態に変化し、さらに、前記第1の状態に変化した場合、過去に検知された第2室温値に所定値を加算した値あるいは前記過去に検知された第2室温値から前記所定値を減算した値を前記空調目標温度値として決定する、
    請求項1から4のいずれか一つに記載の仲介装置。
  6. 請求項1に記載の仲介装置(40a−40c)と、
    前記仲介装置によって空調機の制御部との接続が仲介される空調インターフェース(30a―30c)と、
    前記仲介装置から送信される前記空調目標温度値に基づき空調制御を行う空調機(10,20a−20c)と、
    を備える空調制御システム。
  7. 前記仲介装置の制御部と、前記空調機の制御部とが前記空調機に含まれている、
    請求項6に記載の空調制御システム。
  8. 自己の温度センサで検知する第1室温値と自己に設定された設定温度とに基づき接点の状態を動作状態であるONまたは非動作状態であるOFFに変化させる空調インターフェース(30a−30c)を利用して空調機(10,20a−20c)を制御するための空調制御方法であって、
    前記接点の状態を検出する検出ステップと、
    サーモON状態およびサーモOFF状態のいずれかの状態である空調機状態の変化を把握する把握ステップと、
    検出された前記接点の状態に変化があった場合に前記空調機で検知される第2室温値に基づいて、前記空調機を動作させる温度値である空調目標温度値を決定する決定ステップと、
    前記接点の状態に変化がなく、かつ、前記空調機状態の変化が複数回把握された場合に、前記空調目標温度値を変更する変更ステップと、
    を備える、
    空調制御方法。
  9. 自己の温度センサで検知する第1室温値と自己に設定された設定温度とに基づき接点の状態を動作状態であるONまたは非動作状態であるOFFに変化させる空調インターフェース(30a−30c)を利用して空調機(10,20a−20c)を制御するためにコンピュータに実行させるための空調制御プログラムであって、
    前記接点の状態を検出する検出ステップと、
    サーモON状態およびサーモOFF状態のいずれかの状態である空調機状態の変化を把握する把握ステップと、
    検出された前記接点の状態に変化があった場合に前記空調機で検知される第2室温値に基づいて、前記空調機を動作させる温度値である空調目標温度値を決定する決定ステップと、
    前記接点の状態に変化がなく、かつ、前記空調機状態の変化が複数回把握された場合に、前記空調目標温度値を変更する変更ステップと、
    を備える、
    空調制御プログラム。
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JPWO2012077712A1 (ja) * 2010-12-07 2014-05-22 日本電気株式会社 リチウム二次電池
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