JP2009264630A - 空調制御の仲介装置、空調制御システム、空調制御方法および空調制御プログラム - Google Patents

空調制御の仲介装置、空調制御システム、空調制御方法および空調制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】既存の汎用のサーモスタットを用いて新たに導入したインバータ制御の空調機を利用可能とする環境を提供する。
【解決手段】仲介装置40a―40cは、自己の温度センサで検知する第1室温値と自己に設定された設定温度とに基づき接点状態を変化させる空調インターフェース30a−30cに接続され、空調機10,20a−20cと空調インターフェースとの仲介装置であって、接点の変化を検出する検出部と、空調機状態の所定の温度幅ΔDを超過する温度変化があったときに一方から他方へ変化する空調機状態を把握する状態把握部と、接点状態と空調機状態とが一致するか否かを判断する判断部と、温度情報の記憶部と、温度情報と、判断部の判断結果に基づいて、空調機の空調目標温度値を決定する空調目標温度値決定部とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、空調制御の仲介装置、空調制御システム、空調制御方法および空調制御プログラムに関する。
従来、特に米国の住宅またはオフィスビル等では、汎用のサーモスタットを空調機のマンマシンインターフェース(コントローラ)として利用することがデファクトスタンダードとなっており、当該サーモスタットを用いて、空調機とともに他の暖房用機器やファンを制御し、快適な空調環境を効率よく実現している(例えば、特許文献1)。また、米国の空調システムにおいては、空調機として、熱源となる圧縮機をオン・オフ制御するものが多く用いられており、サーモスタットは、入力された設定温度と室温値とを比較して、接点のオン・オフ制御を行うことで当該空調機を動作させる。
一方、最近では、圧縮機をきめ細かくインバータ制御する空調機も登場してきている。そのような空調機は、制御を行う際に設定温度値が必要となるため、設定温度値を出力できないサーモスタットではなく空調機専用のインターフェースを用意して、利用者がその空調機専用のインターフェースを用いて設定温度の入力をするように促している。
特表平8−505485号
しかし、従来の空調システムにインバータ制御を行う最新の空調機を組み込んだ場合、サーモスタットに加えて空調機専用のインターフェースを使わなければならなくなり、利用者にとって煩雑である。また、従来の空調システムにインバータ制御を行う最新の空調機のみを導入した場合であっても、利用者は、従来から使い慣れているサーモスタットではなく、最新の空調機専用のインターフェースの操作方法を習得し、利用しなければならない。
そこで、本発明の課題は、快適な空調環境の実現を効率よく行うため、既存の汎用のサーモスタットを用いて新たに導入したインバータ制御の空調機を利用可能とする環境を提供することにある。
第1発明に係る仲介装置は、空調インターフェースに接続され、空調機と空調インターフェースとを仲介する空調制御のための仲介装置であって、検出部と、状態把握部と、判断部と、記憶部と、空調目標温度値決定部とを備える。空調インターフェースは、自己の温度センサで検知する第1室温値と自己に設定された設定温度とに基づき接点をONまたはOFFの状態に変化させる。検出部は、接点の変化を検出する。状態把握部は、所定の温度幅ΔDを超過する温度変化があったときに一方から他方へ変化する空調機状態を把握する。空調機状態は、サーモON状態とサーモOFF状態とのいずれかである。判断部は、接点の状態と空調機状態とが一致するか否かを判断する。記憶部は、温度情報を記憶する。空調目標温度値決定部は、温度情報と、判断部によって判断された結果とに基づいて、空調機を動作させるための空調目標温度値を決定する。
本発明に係る仲介装置では、検出部によって接点の変化が検出され、状態把握部によって空調機状態が把握される。さらに、判断部によって接点の状態と空調機状態とが一致するか否かが判断され、その結果と記憶部に記憶された温度情報とに基づいて、空調機を動作させるための空調目標温度値が決定される。サーモON状態とは、空調機が冷房運転または暖房運転を実施している状態をいい、サーモOFF状態とは、空調機が冷房運転および暖房運転が停止した状態をいう。また、接点の状態および空調機状態が一致する場合とは、接点の状態がONで空調機状態がサーモON状態の場合と、接点の状態がOFFで空調機状態がサーモOFF状態の場合とをいう。また、接点の状態および空調機状態が一致しない場合とは、接点の状態がONで空調機状態がサーモOFF状態の場合と、接点の状態がOFFで空調機状態がサーモON状態の場合とをいう。
これにより、既存の空調インターフェースを用いて運転に設定温度値を必要とする空調機を動作させることができる。
第2発明に係る仲介装置は、第1発明に係る仲介装置であって、温度情報は、空調機から取得される第2室温値と、空調機を動作させるための第1値とを含む。また、空調目標温度値決定部は、第1決定処理と、第2決定処理とを行う。第1決定処理は、接点の状態と空調機状態とが一致すると判断された場合に第2室温値を用いて空調目標温度値を決定する処理である。第2決定処理は、接点の状態と空調機状態とが一致しないと判断された場合に第1値を用いて空調目標温度値を決定する処理である。
本発明に係る仲介装置では、温度情報には空調機から取得される第2室温値と、空調機を動作させるための第1値とが含まれる。また、接点の状態および空調機状態が一致すると判断された場合には、第2室温値を用いた空調目標温度値を決定する第1決定処理が行われ、接点の状態および空調機状態が一致しないと判断された場合には、第2決定処理が行われる。
これにより、接点の状態および空調機状態に応じた適当な空調目標温度値を決定することができる。
第3発明に係る仲介装置は、第2発明に係る仲介装置であって、タイマー部をさらに備える。タイマー部は、接点の状態と空調機状態とが一致しないと判断された後の時間tを計測する。また、空調目標温度値決定部は、時間tが所定値を超えた場合に第2決定処理を行う。
本発明に係る仲介装置では、タイマー部によって接点の状態と空調機状態とが一致しない時間tが計測され、接点の状態および空調機状態の一致しない時間tが所定値を超えた場合に、第2決定処理が行われる。
これにより、接点の状態および空調機状態が所定時間一致しない場合に、接点の状態および空調機状態を一致させるための制御を行うことができる。
第4発明に係る仲介装置は、第3発明に係る仲介装置であって、第2値決定部をさらに備える。第2値決定部は、空調機状態が一方から他方へ変化するタイミングと、接点の状態が変化するタイミングとに基づいて、第2値を決定する。第2値は、所定の温度幅ΔDを変更するための値である。
本発明に係る仲介装置では、空調機状態が一方から他方へ変化するタイミングと、接点の状態が変化するタイミングとに基づいて第2値が変更される。
これにより、空調機状態が変化するタイミングと、接点の状態が変化するタイミングとを同期させることができる。
第5発明に係る仲介装置は、第4発明に係る仲介装置であって、第2値記憶領域をさらに備える。第2値記憶領域は、第2値を記憶する。さらに、空調目標温度値決定部は、第2決定処理が行われた後接点の変化が検出された場合、第3決定処理をさらに行う。第3決定処理は、第2値を用いて空調目標温度値を決定する処理である。
本発明に係る仲介装置では、所定の温度幅ΔDを変更するための値である第2値が記憶される。また、第1値を用いて空調目標温度値が決定された後は、第2値を用いて空調目標温度値が決定される。
これにより、空調目標温度値の決定方法を適宜変更させることができる。
第6発明に係る仲介装置は、第2から第5発明のいずれか一つに係る仲介装置であって、第2決定処理では、空調機を動作させるための温度の限界値である第1値が空調目標温度値として決定される。
本発明に係る仲介装置では、空調機状態と接点の状態とが一致していない場合、すなわち、空調機状態が接点の状態の変化に追随して変化していない場合、空調機を動作させるための温度の限界値が空調目標温度値として決定される。限界値とは、空調機で制御可能な温度値の上限値および/または下限値であり、例えば、冷房運転モードの下限値および暖房運転モードの上限値は、空調機を最大負荷で制御する際の温度値であり、冷房運転モードの上限値および暖房運転モードの下限値は、空調機を最小負荷で制御する際の温度値である。空調機の最小負荷での制御には、冷媒の流量を最小限にした制御、送風のみを可能とする制御、および圧縮機を停止させる制御等が含まれる。
これにより、空調機状態と接点の状態とを一致させることができる。
第7発明に係る仲介装置は、第2から第6発明のいずれか一つに係る仲介装置であって、第1決定処理では、2つの第2室温値の平均値を用いて空調目標温度値が決定される。2つの第2室温値とは連続して検出された接点の変化の際に取得された第2室温値である。
本発明に係る仲介装置では、空調機状態と接点の状態とが一致している場合、すなわち、空調機状態が接点の状態の変化に追随して変化している場合、連続して検出された接点の変化の際に取得された、2つの第2室温値の平均値を用いて空調目標温度値が決定される。
これにより、激しい温度変動を抑えた空調目標温度値を決定することができる。
第8発明に係る仲介装置は、第2から第4発明のいずれか一つに係る仲介装置であって、空調目標温度値記憶領域をさらに備える。空調目標温度値記憶領域は、空調目標温度値決定部によって決定された過去の空調目標温度値を記憶する。また、第2決定処理では、過去の空調目標温度値と、任意の温度値である第1値とを用いて空調目標温度値を決定する。
本発明に係る仲介装置では、空調目標温度値決定部によって決定された過去の空調目標温度値が記憶される。また、第1決定処理では、過去の空調目標温度値と任意の温度値とを用いて新たな空調目標温度値が決定される。
これにより、空調目標温度値を適宜見直すことができる。
第9発明に係る仲介装置は、第8発明に係る仲介装置であって、空調目標温度値決定部は、第2決定処理が行われた後接点の変化が検出された場合、第3決定処理をさらに行う。第3決定処理は、過去の空調目標温度値を空調目標温度値として決定する処理である。
本発明に係る仲介装置では、第2決定処理が行われた後に接点の変化が検出された場合には、過去の空調目標温度値が空調目標温度値として決定される。
これにより、激しい温度変動を抑えることができる。
第10発明に係る空調制御システムは、請求項1記載の仲介装置と、空調インターフェースと、空調機とを備える。空調インターフェースは、仲介装置によって空調機との接続が仲介される。空調機は、仲介装置から送信される空調目標温度値に基づき空調制御を行う。
本発明に係る空調制御システムでは、仲介装置において、空調インターフェースの接点の状態と空調機の空調機状態とが一致するか否かが判断され、その結果と記憶部に記憶された温度情報とに基づいて、空調機を動作させるための空調目標温度値が決定される。
これにより、既存の空調インターフェースを用いて運転に設定温度値を必要とする空調機を動作させることができる。
第11発明に係る空調制御方法は、空調インターフェースを利用して空調機を制御するための空調制御方法であって、第1ステップから第5ステップを備える。空調インターフェースは、自己の温度センサで検知する第1室温値と自己に設定された設定温度とに基づき接点をONまたはOFFに変化させる。第1ステップでは、接点の変化を検出する。第2ステップでは、所定の温度幅ΔDを超過する温度変化があったときに一方から他方へ変化する空調機状態を把握する。空調機状態とは、サーモON状態とサーモOFF状態とのいずれかである。第3ステップでは、接点の状態と空調機状態とが一致するか否かを判断する。第4ステップでは、温度情報を記憶する。第5ステップでは、温度情報と、第3ステップにおいて判断された結果とに基づいて、空調機を動作させるための空調目標温度値を決定する。
本発明に係る空調制御方法では、接点の変化が検出され、サーモON状態とサーモOFF状態のいずれかである空調機状態が把握される。また、接点の状態と空調機状態とが一致するか否かが判断され、温度情報と判断された結果とに基づいて、空調機を動作させるための空調目標温度値が決定される。
これにより、既存の空調インターフェースを用いて運転に設定温度値を必要とする空調機を動作させることができる。
第12発明に係る空調制御プログラムは、空調インターフェースを利用して空調機を制御するためにコンピュータに実行させるための空調制御プログラムであって、第1ステップから第5ステップを備える。空調インターフェースは、自己の温度センサで検知する第1室温値と自己に設定された設定温度とに基づき接点をONまたはOFFに変化させる。第1ステップでは、接点の変化を検出する。第2ステップでは、所定の温度幅ΔDを超過する温度変化があったときに一方から他方へ変化する空調機状態を把握する。空調機状態とは、サーモON状態とサーモOFF状態とのいずれかである。第3ステップでは、接点の状態と空調機状態とが一致するか否かを判断する。第4ステップでは、温度情報を記憶する。第5ステップでは、温度情報と、第3ステップにおいて判断された結果とに基づいて、空調機を動作させるための空調目標温度値を決定する。
本発明に係る空調制御プログラムでは、接点の変化が検出され、サーモON状態とサーモOFF状態のいずれかである空調機状態が把握される。また、接点の状態と空調機状態とが一致するか否かが判断され、温度情報と判断部によって判断された結果とに基づいて、空調機を動作させるための空調目標温度値が決定される。
これにより、既存の空調インターフェースを用いて運転に設定温度値を必要とする空調機を動作させることができる。
第1発明に係る仲介装置では、既存の空調インターフェースを用いて運転に設定温度値を必要とする空調機を動作させることができる。
第2発明に係る仲介装置では、接点の状態および空調機状態に応じた適当な空調目標温度値を決定することができる。
第3発明に係る仲介装置では、接点の状態および空調機状態が所定時間一致しない場合に、接点の状態および空調機状態を一致させるための制御を行うことができる。
第4発明に係る仲介装置では、空調機状態が変化するタイミングと、接点の状態が変化するタイミングとを同期させることができる。
第5発明に係る仲介装置では、空調目標温度値の決定方法を適宜変更させることができる。
第6発明に係る仲介装置では、空調機状態と接点の状態とを一致させることができる。
第7発明に係る仲介装置では、激しい温度変動を抑えた空調目標温度値を決定することができる。
第8発明に係る仲介装置では、空調目標温度値を適宜見直すことができる。
第9発明に係る仲介装置では、激しい温度変動を抑えることができる。
第10発明に係る空調制御システムでは、既存の空調インターフェースを用いて運転に設定温度値を必要とする空調機を動作させることができる。
第11発明に係る空調制御方法では、既存の空調インターフェースを用いて運転に設定温度値を必要とする空調機を動作させることができる。
第12発明に係る空調制御プログラムでは、既存の空調インターフェースを用いて運転に設定温度値を必要とする空調機を動作させることができる。
《第1実施形態》
<空調システムの全体構成>
図1は、本発明の実施形態に係る空調システム1の構成を示す。この空調システム1は、例えば、住宅またはオフィスビル等の建物(物件)で用いられる空調システムであり、主として、室外機10および室内機20a−20cからなる空調機と、空調制御のためのインターフェースとして用いる汎用のサーモスタット30a−30cと、仲介装置40a−40cと、から構成されている。
室外機10と室内機20a―20cとは冷媒路88および通信線81を介して接続されている。また、室内機20a−20cは、仲介装置40a−40cと通信線82を介して通信可能に接続されている。2種類の通信線81および82は、同一種類の通信線であっても、異なる種類の通信線であってもよい。さらに、仲介装置40a−40cは、サーモスタット30a−30cと制御線83で接続されている。詳細には、図1に示すように、各室内機20a―20cに、仲介装置40a−40cおよびサーモスタット30a−30cが一対一で接続されている。本実施形態では、サーモスタット30a−30cは、仲介装置40a−40cを介して、それぞれに接続される室内機20a−20cの制御を行う。
<各部の構成>
(1)サーモスタット30a−30cの構成
まず、図2Aおよび図2Bを用いて、サーモスタット30a−30cについて説明する。図2Aは、サーモスタット30a−30cの表示部の一例を示す。サーモスタット30a−30cは、特に米国で、空調機、ガスファーネス、およびファン等のインターフェースとして多く用いられており、サーモスタット30a−30cに接続される機器のオン・オフ制御機能、温度設定機能、冷暖房の設定機能、除湿設定機能、ファンのオン・オフ設定機能等を有する。さらに、サーモスタット30a−30cは、接続される機器のスケジュール制御が可能である。図2Bは、サーモスタット30a−30cから出力される信号を示す表である。本実施形態では、後述する仲介装置40a−40cが、これらの信号を空調機の読み取り可能な信号に変換して空調機に送信する。
サーモスタット30a−30cは、設定温度の入力部と、室温を検知する温度センサとを有している。サーモスタット30a−30cは、設定温度と温度センサで検知された室温(第1室温値に相当)との関係で、接点をONまたはOFFに変化する。例えば、冷房運転モードで動作している場合、温度センサで検知される室温が設定温度よりも高くなった場合、接点はONに設定され、温度センサで検知される室温が設定温度よりも低くなった場合は、接点はOFFに設定される。反対に、暖房運転モードで動作している場合は、温度センサで検知される室温が設定温度よりも低くなった場合には、接点はONに設定され、温度センサで検知される室温が設定温度よりも高くなった場合は、接点がOFFに設定される。なお、本実施形態で用いるサーモスタット30a−30cは、ディファレンシャル温度値dの設定が可能であり、温度センサによって検知される室温がディファレンシャル温度値dに基づいて決定されるディファレンシャル温度幅Δdを超えた場合に、接点がONまたはOFFに変化する。なお、ディファレンシャル温度幅Δdは、ディファレンシャル温度値d×2で求められる。
(2)空調機の概略構成
次に、本実施形態の空調システム1に用いられる空調機について説明する。
本実施形態で用いられる空調機は、マルチタイプのヒートポンプ式空調機であり、室外機10と、室内機20a−20cとが、冷媒路88および通信線81により接続されている。室内機20a−20cには、ケーシング内に吸込まれる室内空気の温度である吸込み温度値(第2室温値に相当)を検知する吸込み温度センサ21a−21cが設けられている(図1および図3参照)。以下、室外機10と、室内機20aとからなる空調機について説明するが、その他の室内機20b,20cについても室内機20aと同様の構成であるものとする。
本実施形態に係る空調機は、インバータ制御を行う空調機であって、設定温度値に応じて圧縮機の回転数と室内膨張弁の開度とを段階的に調整することで、室外機10から室内機20aに送られる冷媒を流量調整する。
また、本実施形態に係る空調機は、室内環境が設定温度値の近傍で保たれるように、サーモOFFおよびサーモONの運転を自動的に繰り返す。具体的には、空調機周辺の温度が変化し、吸込み温度センサで検知される室温が所定の温度幅ΔDを超過した場合に、空調機のサーモONの状態またはサーモOFFの状態を一方から他方に変化させることで、室内環境が設定温度値近傍で保たれるように制御される。ここで、サーモOFFの状態とは、冷房運転および暖房運転が停止した状態をいう。詳細には、冷媒を流さない送風のみの運転または冷媒を僅かに流す低負荷の運転が行われている状態をいう。一方、サーモONの状態とは、冷房運転または暖房運転を実施している状態をいう。詳細には、ファンを作動させ、さらに冷媒流量などを調整して、室内温度が設定温度に近づくように運転している状態をいう。
本実施形態において、上記所定の温度幅に関する値であるディファレンシャル温度値(D値)(第2値に相当)の初期値は、1.0℃であるが、後述する仲介装置40aから送信されるD値によって上書きされる。仲介装置40aから送られるD値に基づいて制御が行われることで、室内機20aは、サーモONまたはサーモOFFの状態を、サーモスタット30aの接点の変化に追随して変化させる。
また、室内機20aは、サーモONの状態またはサーモOFFの状態を以下のように切り替える。例えば、D値が1.0℃の場合、冷房運転時に吸込み温度値が設定温度値の1.0℃以下になった場合および暖房運転時に吸込み温度値が設定温度値の1.0℃以上になった場合に、室内機20aはサーモONの状態をサーモOFFの状態に切り替える。一方、冷房運転時に吸込み温度値が設定温度値の1.0℃以上になった場合および暖房運転時に吸込み温度値が設定温度値の1.0℃以下になった場合に、室内機20aはサーモOFFの状態をサーモONの状態に切り替える。このように、吸込み温度値が設定温度値とD値とで決定するディファレンシャル温度幅ΔDの間にある場合、室内機20aは、サーモONの状態またはサーモOFFの状態を維持し、吸込み温度値が当該ディファレンシャル温度幅ΔDの幅を超えた場合に一方から他方に状態を変化させる。なお、ディファレンシャル温度幅ΔDは、ディファレンシャル温度値D×2で求められる。
また、本実施形態に係る空調機は、図3に示すように、制御部22に、受信部22aと、温度幅変更部22bとを有する。受信部22aは、仲介装置40aから送信されるD値と、設定温度値とを受信する。温度幅変更部22bは、受信部22aによって受信されたD値に基づいてディファレンシャル温度幅ΔDを変更する。
(3)仲介装置40a−40cの概略構成
次に、仲介装置40a−40cについて説明する。仲介装置40a−40cは、それぞれに接続される一つのサーモスタット30a−30cから入力される各種信号を空調機の読み取り可能な信号に変換し、変換した信号をそれぞれに接続された一つの室内機20a−20cに送信する。また、仲介装置40a−40cは、サーモスタット30a−30cから入力される信号および吸込み温度センサ21a−21cで検知される吸込み温度値等を用いて空調目標温度値を決定し、当該空調目標温度値を設定温度値としてそれぞれに接続された室内機20a−20cに送信する。以下、図4を用いて仲介装置40aの構成について説明するが、他の仲介装置40b、40cも同様の構成であるものとする。
仲介装置40aは、主として、通信部41と、記憶部42と、タイマー部43と、制御部44とを備える。通信部41は、入出力ポートからなり、サーモスタット30aおよび室内機20aからの各種信号を入力し、空調機に対し制御信号を出力する。
記憶部42には、後述する空調目標温度値を決定するために用いられる制御プログラムが記憶されている。また、記憶部42は、吸込み温度値記憶領域42aと、空調目標温度値記憶領域42bと、ディファレンシャル値記憶領域(D値記憶領域)42cと、限界値記憶領域42dとを有する。
吸込み温度値記憶領域42aには、後述する吸込み温度値取得部44cに取得される吸込み温度値が記憶される。なお、本実施形態では、吸込み温度値記憶領域42aには、予め初期値として冷房運転モードの上限値(32℃)および暖房運転モードの下限値(16℃)が記憶されている。吸込み温度値記憶領域42aに記憶された値(記憶値M)は、吸込み温度値取得部44cによって新たな吸込み温度値が取得されるたびに、当該新たな吸込み温度値によって上書きされる。
空調目標温度値記憶領域42bには、後述する空調目標温度値決定部44eによって吸込み温度値を用いて算出された空調目標温度値であって、空調機に設定温度値として送信される値が記憶される。空調目標温度値記憶領域42bに記憶された値(記憶値S)は、吸込み温度値を用いて算出された値が新たな空調目標温度値として決定されるたびに、当該新たな空調目標温度値によって上書きされる。
D値記憶領域42cには、空調機がサーモONの状態またはサーモOFFの状態を継続しうる温度幅ΔDに関する情報が記憶されている。詳細には、ディファレンシャル温度値(D値)(第2値に相当)が記憶されている。D値記憶領域42cには初期値として、上述のように、1.0℃が記憶されており、その後、後述するディファレンシャル値決定部44fによって生成されるD値によって上書きされる。
限界値記憶領域42dには、冷房運転モードおよび暖房運転モードのそれぞれについて、所定の下限値および上限値が記憶されている。ここで、冷房運転モードの下限値および暖房運転モードの上限値は、空調機を最大負荷で制御する際の温度値であり、冷房運転モードの上限値および暖房運転モードの下限値は、空調機を最小負荷で制御する際の温度値である。本実施形態では、冷房運転モードの下限値は16℃、暖房運転モードの上限値は32℃であり、さらに、冷房運転モードの上限値は32℃、暖房運転モードの下限値は16℃である。
タイマー部43は、後述する判断部44dが接点(本実施形態ではY1信号)の状態とサーモ信号とを不一致であると判断した時点からの時間tを計測する。ここで、サーモ信号とは、サーモONまたはサーモOFFの状態を示す信号である。なお、Y1信号の状態とサーモ信号の状態とが不一致になるとは、Y1信号がONで、サーモ信号がサーモOFFの場合、あるいは、Y1信号がOFFで、サーモ信号がサーモONの場合をいう。
さらに、タイマー部43は、サーモスタット30aの接点(本実施形態ではY1信号)のONからOFFへの変化が検出されたタイミングで時間の計測を開始する。
制御部44は、CPU等により構成されており、主として、検出部44aと、状態把握部44bと、吸込み温度値取得部44cと、判断部44dと、空調目標温度値決定部44eと、ディファレンシャル値決定部(D値決定部)44fと、信号変換部44gと、送信部44hとを有する。
検出部44aは、仲介装置40aに接続されたサーモスタット30aの接点の変化を検出する。本実施形態では、Y1(コンプレッサ)信号がONまたはOFFのいずれに設定された状態であるか、また、ONまたはOFFのいずれに変化したかが検出される。このとき、サーモスタット30aから出力されるO(冷房)信号およびB(暖房)信号に基づき、冷房運転モードおよび暖房運転モードが区別される。具体的には、O信号がONの場合は冷房運転モードと判断され、B信号がONの場合は暖房運転モードと判断される。
状態把握部44bは、室内機20aがサーモONの状態で動作しているか、サーモOFFの状態で動作しているかを示すサーモ信号を室内機20aから取得し、室内機20aの運転状態を把握する。
吸込み温度値取得部44cは、吸込み温度センサ21aで検知された吸込み温度値を室内機20aから取得する。なお、吸込み温度値取得部44cによって取得された吸込み温度値は、上述の吸込み温度値記憶領域42aに上書きされていく。
判断部44dは、接点(本実施形態ではY1信号)の状態とサーモ信号の状態とが一致するか否かを判断する。
空調目標温度値決定部44eは、判断部44dによって判断された結果とタイマー部43によって計測された時間tとに基づいて、室内機20aを動作させるための空調目標温度値を決定する。例えば、Y1信号の状態とサーモ信号の状態とが一致している場合、もしくは、Y1信号の状態とサーモ信号の状態とが一致しない状態が所定時間(例えば、t0)に解消された場合、空調目標温度値決定部44eは、Y1信号の変化が検出された際に取得される吸込み温度値と、吸込み温度値記憶領域42aに記憶された記憶値Mとの平均値Aを算出し、さらに、当該平均値Aと空調目標温度値記憶領域42bに記憶された記憶値Sとを比較して、今回の空調目標温度値を決定する(第1決定処理)。
また、Y1信号の状態とサーモ信号の状態とが一致しない状態が所定時間(例えば、t0)続いた場合には、空調目標温度値決定部44eは、限界値記憶領域42dに記憶されている限界値(第1値に相当)を空調目標温度値として決定し、当該空調目標温度値が設定温度値として送信される(第2決定処理)。詳細には、Y1信号がONかOFFかに応じて、下限値または上限値が空調目標温度値として決定され、当該空調目標温度値が設定温度値として室内機に送信される。具体的には、冷房運転モードでは下限値の場合に16℃、上限値の場合に32℃が設定温度値として送信され、暖房運転モードでは下限値の場合に16℃、上限値の場合に32℃が設定温度値として送信される。
さらに、空調目標温度値決定部44eは、第2決定処理が行われた後Y1信号の変化が検出された場合に、Y1信号がONかOFFかを判断し、Y1信号の変化が検出された際に取得される吸込み温度値と、D値記憶領域42cに記憶されているD値とを用いて空調目標温度値を決定する(第3決定処理)。詳細には、Y1信号がONの場合には、吸込み温度値からDを減算し、Y1信号がOFFの場合には、吸込み温度値にD値を加算する。第3決定処理によって得られた値は、記憶値Sとして空調目標温度値記憶領域42bに記憶される。
詳細には、下記の<空調機の制御方法>の欄で説明する。
D値決定部44fは、Y1信号がONまたはOFFに変化するタイミングと、サーモ信号がサーモONまたはサーモOFFに変化するタイミングとに基づいて、上述のディファレンシャル温度幅ΔDを変更するための値であるディファレンシャル値(D値)を決定する。具体的には、サーモ信号のサーモONからサーモOFFへの変化が把握される前にY1信号のONからOFFへの変化が検出された場合、上述のタイマー部43によって、Y1信号のONからOFFへの変化が検出された時点からの経過時間が計測される。タイマー部43が計測する経過時間が所定時間(t0)に達するまでにサーモ信号のサーモONからサーモOFFへの変化が把握されない場合には、D値決定部44fは、D値記憶領域42cに記憶されているD値から所定値(例えば、0.2℃)を減算する。
反対に、Y1信号のOFFからONへの変化が検出される前にサーモ信号のサーモONからサーモOFFへの変化が把握された場合には、把握されたサーモ信号の変化の回数に応じて、D値記憶領域42cに記憶されているD値に所定値(例えば、0.2℃)を加算する。具体的には、Y1信号のOFFからONへの変化(第1の変化)が検出された後、Y1信号の次の変化であるONからOFFへの変化(第2の変化)が検出されるまでの時間にサーモ信号の変化が把握された場合、サーモ信号の状態の変化が把握された回数がカウントされる。D値決定部44fは、カウントされた回数が所定回数(例えば、2回)に達した場合にD値記憶領域42cに記憶されているD値に所定値(例えば、0.2℃)を加算する。D値記憶領域42cには、D値決定部44fによって新たに決定されたD値が上書きされる。
信号変換部44gは、図2Bに示した、サーモスタット30aの出力信号を空調機の読み取り可能な信号に変換する。本実施形態では、信号G(ファン)は、運転/停止指令に変換され、その他の信号B(暖房),W1(ヒーター),O(冷房),Y1(コンプレッサ),DHM(除湿)は、それぞれの信号パターンから運転モード(冷房運転モード/暖房運転モード)が判断され、空調機の読み取り可能な運転モードの信号に変換される。
送信部44hは、上述の通信部41を介して、信号変換部44gによって変換された信号および室内機20aの空調停止命令等を室内機20aに送信する。また、送信部44hは、空調目標温度値として決定された値であって、空調目標温度値記憶領域42bに記憶された記憶値Sを設定温度値として室内機20aに送信する。
さらに、送信部44hは、D値決定部44fが決定したD値を室内機20aに送信する。これにより、室内機20aは、サーモONの状態またはサーモOFFの状態をY1信号の変化に追随するように変化させる。また、仲介装置40aではY1信号の変化が検出された後一定時間内にサーモ信号の変化を把握することになる。
<空調機の制御方法>
以下、図5から図8を参照して、仲介装置40a−40cによる空調機の冷房運転時の制御方法を詳細に説明する。なお、以下の説明では、サーモスタット30aおよび仲介装置40aを用いて、室内機20aを制御する際の制御方法を説明するが、サーモスタット30bおよび仲介装置40bを用いて室内機20bを制御する場合、およびサーモスタット30cおよび仲介装置40cを用いて室内機20cを制御する場合も同様であるものとする。
(1)処理の流れ
初めに、図5および図6を用いて、仲介装置40aの処理の流れについて説明する。
まず、ステップS101において、検出部44aによってY1信号の変化が検出されたか否かが判断される。ステップS101でY1信号の変化が検出されない場合は、ステップS108に進む。一方、ステップS101でY1信号の変化が検出されると、ステップS102に進み、空調目標温度値決定部44eによって、吸込み温度値記憶領域42aに記憶されている値である記憶値M(初期値または前回の吸込み温度値T)と、今回の吸込み温度値Tとの平均値Aが算出され、ステップS103に進む。
ステップS103では、空調目標温度値記憶領域42bに記憶値Sがあるか否かが判断される。ステップS103で記憶値Sがあると判断された場合、ステップS104に進む。一方、ステップS103で記憶値Sがないと判断された場合、ステップS105に進む。ステップS104では、平均値Aと、記憶値Sとの差が0.5℃以内か否かが判断される。ステップS104で、平均値Aと記憶値Sとの差が0.5℃以内であった場合には、ステップS106に進む。ステップS104で平均値Aと、記憶値Sとの差が0.5℃を上回っている場合には、ステップS105に進む。
ステップS105では、空調目標温度値決定部44eが平均値Aを空調目標温度値として決定し、当該値を記憶値Sとして空調目標温度値記憶領域42bに記憶し、ステップS106に進む。ステップS106では、送信部44hが、空調目標温度値記憶領域42bに記憶されている記憶値Sを設定温度値として室内機20aに送信する。また、今回の吸込み温度値Tが吸込み温度値記憶領域42aに記憶される。ステップS106で空調目標温度値が室内機20aに送信されることで、室内機20aは当該空調目標温度値に基づいた空調制御を行う。
次に、ステップS107において、Y1信号の変化が検出されたか否かが判断される。ステップS107でY1信号の変化が検出された場合には、ステップS102に戻る。ステップS107でY1信号の変化が検出されない場合には、ステップS108に進み、Y1信号の状態とサーモ信号の状態とが一致しているか否かが判断される。ステップS108でY1信号の状態とサーモ信号の状態とが不一致の場合にはステップS109に進む。ステップS108において、Y1信号の状態とサーモ信号の状態とが一致している場合には、ステップS107に戻る。ステップS109では、タイマー部43が時間tを計測する。その後、ステップS110においてY1信号の変化が検出されたか否かが判断される。Y1信号の変化が検出された場合にはステップS102に戻る。Y1信号の変化が検出されない場合にはステップS111に進み、時間tがt0より大きいか否かが判断される。時間tがt0より大きい場合、ステップS112に進む。時間tがt0以下の場合、ステップS110に戻る。
ステップS112では、Y1信号がONか否かが判断される。Y1信号がONの場合にはステップS113に進む。ステップS113では、下限値が設定温度値として送信される。その後ステップS114に進み、Y1信号がOFFか否かが判断される。Y1信号がONの場合は、OFFになるまで待機し、OFFの場合にはステップS115に進む。ステップS115では、吸込み温度値TにD値記憶領域42cに記憶されているD値を加算した値を算出し、記憶値Sとして記憶する。その後、ステップS106に進み、記憶値Sを設定温度値として空調機に指令し、今回の吸込み温度値Tを吸込み温度値記憶領域42aに記憶する。
一方、ステップS112において、Y1信号がOFFの場合にはステップS116に進む。ステップS116では、上限値が設定温度値として送信される。その後ステップS117に進み、Y1信号がONか否かが判断される。Y1信号がOFFの場合は、ONになるまで待機し、ONの場合にはステップS118に進む。ステップS118では、吸込み温度値TからD値記憶領域42cに記憶されているD値を減算した値が算出され、算出された値が記憶値Sとして記憶される。その後、ステップS106に進み、記憶値Sが設定温度値として空調機に指令され、今回の吸込み温度値Tが吸込み温度値記憶領域42aに記憶される。
(2)タイミングチャート
図7および図8は、冷房運転時のタイミングチャートである。図7および図8には、サーモスタット30aで検知される室温値(第1室温値に相当)、サーモスタット30aの設定温度、Y1信号のON/OFF状態、吸込み温度センサ21aで検知される吸込み温度値(第2室温値に相当)、吸込み温度値記憶領域42aに記憶された吸込み温度値である記憶値M、仲介装置40aから室内機20aに設定温度値として送信される空調目標温度値、およびサーモ信号のサーモON/サーモOFF状態が示されている。さらに、サーモスタット30aに設定されているディファレンシャル幅Δdと、空調機20aにおけるディファレンシャル幅ΔDおよびディファレンシャル値(D値)とが示されている。
図7は、設定温度の上昇時を示し、図8は、設定温度の下降時を示す。図7および図8ともに、Y1信号の状態とサーモ信号の状態とが一致している場合には、Y1信号の変化が検出部44aによって検出されるたびに、Y1信号の変化時に取得された吸込み温度値Tと吸込み温度値記憶領域42aに記憶されている記憶値Mとの平均値Aが算出される。また、空調目標温度値決定部44eは、平均値Aを算出した後、空調目標温度値記憶領域42bに記憶された記憶値Sと、新たに算出した平均値Aとを比較し、記憶値Sと平均値Aとの差が0.5℃以内である場合には、空調目標温度値記憶領域42bに既に記憶されている記憶値Sを空調目標温度値として決定する。そのため、設定温度値として先に送信された空調目標温度値に基づく運転が空調機で維持される。
Y1信号の状態とサーモ信号の状態とが不一致になったタイミング(破線71,81参照)からの時間tが所定時間より大きくなった場合(t>t0の場合)、Y1信号のONまたはOFFの状態に応じて、限界値記憶領域42dに記憶されている上限値または下限値が空調目標温度値として決定される(破線72,82参照)。
また、上限値または下限値が空調目標温度値として決定された後、Y1信号の変化が検出されると、Y1信号のONまたはOFFの状態に応じて吸込み温度値TからD値を減算した値または吸込み温度値TにD値を加算した値が算出される。
<特徴>
(1)本実施形態に係る空調システム1において、仲介装置40a−40cはサーモスタット30a−30cから出力される制御信号を空調機の読み取り可能な信号に変換する。また、仲介装置40a−40cは、サーモスタット30a−30cから入力される信号および空調機で検知される吸込み温度値に基づいてサーモスタット30a−30cで設定された温度の近似値である空調目標温度値を決定する。当該空調目標温度値が設定温度値として空調機に送信されるため、サーモスタット30a−30cを用いて運転に設定温度値が必要な空調機を動作させることができる。これにより、インバータ制御を行う空調機を新たに導入する場合であっても、従来から使用する空調インターフェースとしてのサーモスタット30a−30cを新たな空調機のインターフェースとして継続して用いることができる。
また、米国では、地下室等にガスファーネスユニットおよびファンユニットを備える補助ユニットを配置する住宅等もある。ガスファーネスユニットは、主として、ガスの燃焼を行うガスファーネスと、その燃焼量を制御するガスファーネスコントローラとから構成されており、ファンユニットは、主として、シロッコファン等のファンと、ファンコントローラとから構成されている。このガスファーネスユニットおよびファンユニットは、サーモスタット30a−30cを用いて制御され、補助ユニット内の空気を過熱し、室内に送り出すことで、室内の空調制御を行っている。本実施形態に係る仲介装置40a−40cを空調システム1に導入することにより、既存のサーモスタット30a−30cを用いて、インバータ制御を行う最新の空調機とガスファーネスユニットおよびファンユニットとの双方を制御することができる。したがって、ユーザに新たな空調インターフェースの操作方法の習得を強いることなく、従来の空調インターフェースを使用したまま、効率の良い空調制御を行うことができる。
(2)サーモスタット30a−30cは種類によって出力信号も多様であるが、本実施形態に係る仲介装置40a−40cは、サーモスタット30a−30cから出力される基本的な信号を用いて設定温度値の代替となる空調目標温度値を決定するため、大部分のサーモスタット30a−30cに適用することができる。
(3)本実施形態に係る空調システムでは、サーモスタット30a−30cで変更された設定温度を空調機の動作に反映させるために、サーモスタット30a−30cの接点の変化に基づき仲介装置40a−40cで新たな空調目標温度値が決定される。しかし、サーモスタット30a−30cと空調機とが離れた場所にある場合や、季節による空調負荷が大きい場合には、サーモスタット30a−30c周辺の温度変化が生じにくく、接点の変化が起こらない場合がある。そこで、本実施形態に係る仲介装置40a−40cでは、空調機のディファレンシャル温度値Dを変化させ、サーモスタット30a−30c近傍の室温を、接点信号が変化する程度に変動させる。これにより、Y1信号の変化から所定時間内にサーモ信号の変化が生じるように空調機の制御が行われる。
さらに、本空調システムにおける空調機がサーモONの状態またはサーモOFFの状態をY1信号の変化に追随して変化させる状態において、本発明に係る仲介装置40a−40cは、Y1信号の変化が検出された後、Y1信号の変化に追随して変化するサーモ信号を把握できない場合に、サーモスタット30a−30cの設定温度が変更されたものと判断し、改めて空調目標温度値を決定するための制御を行う。これにより、サーモスタット30a−30cで設定温度が変更された場合にも、適宜、設定温度値として送信される空調目標温度値が変更される。これにより、サーモスタット30a−30cに設定された温度の近似値で空調機を制御することができる。
(4)本実施形態においては、空調目標温度値決定部44eが平均値Aを算出すると、空調目標温度値記憶領域42bに記憶された記憶値Sと平均値Aとを比較し、その差が0.5℃を越えていた場合に限り、新たに算出された平均値Aを空調目標温度値として決定し、当該空調目標温度値を室内機20a−20cの制御に用いるように設計されている。これにより、室内機20a−20cにおいて頻繁に温度を変更する必要がないため、空調機の処理負荷を抑えることができる。
《第2実施形態》
次に、本発明の第2実施形態に係る空調システムの構成について説明する。なお、仲介装置400a−400cの構成を除いては第1実施形態に係る空調システム1の構成と同様であるため、全体構成、サーモスタット30a−30cの構成、及び空調機の概略構成については説明を省略する。
(1)仲介装置400a−400cの構成
仲介装置400a−400cは、それぞれに接続される一つのサーモスタット30a−30cから入力される各種信号を空調機の読み取り可能な信号に変換し、変換した信号をそれぞれに接続された一つの室内機20a−20cに送信する。また、仲介装置400a−400cは、サーモスタット30a−30cから入力される信号および吸込み温度センサ21a−21cで検知する吸込み温度値等を用いて空調目標温度値を決定し、当該空調目標温度値を設定温度値として、それぞれに接続された室内機20a−20cに送信する。以下、図9を用いて仲介装置400aについて詳細に説明するが、他の仲介装置400b、400cも同様の構成であるものとする。
仲介装置400aは、主として、通信部401と、記憶部402と、タイマー部403と、制御部404とを備える。なお、通信部401およびタイマー部403は、第1実施形態に係る通信部41およびタイマー部43と同じであるため、説明を省略する。
記憶部402には、後述する空調目標温度値を決定するために用いられる制御プログラムが記憶されている。また、記憶部402は、吸込み温度値記憶領域402aと、空調目標温度値記憶領域402bと、ディファレンシャル値記憶領域(D値記憶領域)402cとを有する。なお、本実施形態に係る吸込み温度値記憶領域402a、空調目標温度値記憶領域402bおよびディファレンシャル値記憶領域(D値記憶領域)402cは、第1実施形態に係る吸込み温度値記憶領域42a、空調目標温度値記憶領域42bおよびディファレンシャル値記憶領域(D値記憶領域)42cと同じであるため、説明を省略する。
制御部404は、CPU等により構成されており、主として、検出部404aと、状況把握部404bと、吸込み温度値取得部404cと、判断部404dと、空調目標温度値決定部404eと、ディファレンシャル値決定部(D値決定部)404fと、信号変換部404gと、送信部404hとを有する。本実施形態に係る検出部404a、状況把握部404b、吸込み温度値取得部404c、判断部404d、D値決定部404f、信号変換部404g、および送信部404hは、第1実施形態に係る検出部44a、状況把握部44b、吸込み温度値取得部44c、判断部44d、D値決定部44fと、信号変換部44g、および送信部44hと同じであるため説明を省略する。
空調目標温度値決定部404eは、判断部404dによって判断された結果とタイマー部403によって計測された時間tとに基づいて、室内機20aを動作させるための空調目標温度値を決定する。例えば、Y1信号の状態とサーモ信号の状態とが一致している場合、もしくは、Y1信号の状態とサーモ信号の状態とが一致しない状態が所定時間に達する前に(例えば、t0)解消された場合、空調目標温度値決定部404eは、Y1信号の変化が検出された際に取得される吸込み温度値と、吸込み温度値記憶領域402aに記憶された記憶値Mとの平均値Aを算出し、さらに、当該平均値Aと空調目標温度値記憶領域402bに記憶された記憶値Sとを比較して、今回の空調目標温度値を決定する(第1決定処理)。
また、Y1信号の状態とサーモ信号の状態とが一致しない状態が所定時間に達するまで(例えば、t0)続いた場合には、空調目標温度値決定部404eは、任意の温度値D′(第1値に相当)と現在の空調目標温度値とに基づいて新たな空調目標温度値を決定する(第2決定処理)。具体的には、Y1信号の状態とサーモ信号の状態とが一致しない状態が所定時間に達するまで続いている際にY1信号がONの場合には、空調目標温度値記憶領域402bに記憶された記憶値Sから任意の温度値D′を減算した値が空調目標温度値として決定され、Y1信号の状態とサーモ信号の状態とが一致しない状態が所定時間続いている際のY1信号がOFFの場合には、空調目標温度値記憶領域402bに記憶された記憶値Sに任意の温度値D′を加算した値が空調目標温度値として決定される。
さらに、空調目標温度値決定部404eは、第2決定処理が行われた後Y1信号の変化が検出された場合には、空調目標温度値記憶領域402bに記憶された記憶値Sを再度空調目標温度値として決定する(第3決定処理)。
詳細には、下記の<空調機の制御方法>の欄で説明する。
<空調機の制御方法>
以下、図10から図13を参照して、仲介装置400a−400cによる空調機の冷房運転時の制御方法を詳細に説明する。なお、以下の説明では、サーモスタット30aおよび仲介装置400aを用いて、室内機20aを制御する際の制御方法を説明するが、サーモスタット30bおよび仲介装置400bを用いて室内機20bを制御する場合、およびサーモスタット30cおよび仲介装置400cを用いて室内機20cを制御する場合も同様であるものとする。
(1)処理の流れ
まず、ステップS201において、検出部404aによってY1信号の変化が検出されたか否かが判断される。ステップS201でY1信号の変化が検出されない場合は、ステップS208に進む。一方、ステップS201でY1信号の変化が検出されると、ステップS202に進み、空調目標温度値決定部404eによって、吸込み温度値記憶領域402aに記憶されている値である記憶値M(初期値または前回の吸込み温度値T)と、今回の吸込み温度値Tとの平均値Aが算出され、ステップS203に進む。
ステップS203では、空調目標温度値記憶領域402bに記憶値Sがあるか否かが判断される。ステップS203で記憶値Sがあると判断された場合、ステップS204に進む。一方、ステップS203で記憶値Sがないと判断された場合、ステップS205に進む。ステップS204では、平均値Aと、記憶値Sとの差が0.5℃以内か否かが判断される。ステップS204で、平均値Aと記憶値Sとの差が0.5℃以内であった場合には、ステップS206に進む。ステップS204で平均値Aと、記憶値Sとの差が0.5℃を上回っている場合には、ステップS205に進む。
ステップS205では、空調目標温度値決定部404eが平均値Aを空調目標温度値として決定し、当該値を記憶値Sとして空調目標温度値記憶領域402bに記憶し、ステップS206に進む。ステップS206では、送信部404hが、空調目標温度値記憶領域402bに記憶されている記憶値Sを設定温度値として室内機20aに送信する。また、今回の吸込み温度値Tが吸込み温度値記憶領域402aに記憶される。ステップS206で空調目標温度値が室内機20aに送信されることで、室内機20aは当該空調目標温度値に基づいた空調制御を行う。
次に、ステップS207において、Y1信号の変化が検出されたか否かが判断される。ステップS207でY1信号の変化が検出された場合には、ステップS202に戻る。ステップS207でY1信号の変化が検出されない場合には、ステップS208に進み、Y1信号の状態とサーモ信号の状態とが一致しているか否かが判断される。ステップS208でY1信号の状態とサーモ信号の状態とが不一致の場合にはステップS209に進む。ステップS208において、Y1信号の状態とサーモ信号の状態とが一致している場合には、ステップS207に戻る。ステップS209では、タイマー部403が時間tを計測する。その後、ステップS210においてY1信号の変化が検出されたか否かが判断される。Y1信号の変化が検出された場合にはステップS202に戻る。Y1信号の変化が検出されない場合にはステップS211に進み、時間tがt0より大きいか否かが判断される。時間tがt0より大きい場合、ステップS212に進む。時間tがt0以下の場合、ステップS210に戻る。
ステップS212では、Y1信号がONか否かが判断される。ステップS212においてY1信号がONの場合にはステップS213に進む。ステップS213では、空調目標温度値決定部404eが現在の空調目標温度値、すなわち、空調目標温度値記憶領域402bに記憶されている記憶値Sから任意の値D′を減算した値を算出し、算出された値が記憶値Sとして空調目標温度値記憶領域402bに記憶される。その後、ステップS206に進み、記憶値Sが設定温度値として空調機に指令され、今回の吸込み温度値Tが吸込み温度値記憶領域402aに記憶される。
一方、ステップS212において、Y1信号がOFFの場合にはステップS214に進む。ステップS214では、空調目標温度値決定部404eが現在の空調目標温度値、すなわち、空調目標温度値記憶領域402bに記憶されている記憶値Sに任意の値D′を加算した値を算出し、算出された値が記憶値Sとして空調目標温度値記憶領域402bに記憶される。その後、ステップS206に進み、記憶値Sが設定温度値として空調機に指令され、今回の吸込み温度値Tが吸込み温度値記憶領域402aに記憶される。
(2)タイミングチャート
図12および図13は、冷房運転時のタイミングチャートである。図12および図13には、サーモスタット30aで検知される室温値(第1室温値に相当)、サーモスタット30aの設定温度、Y1信号のON/OFF状態、吸込み温度センサ21aで検知される吸込み温度値(第2室温値に相当)、吸込み温度値記憶領域402aに記憶された吸込み温度値である記憶値M、仲介装置400aから室内機20aに設定温度値として送信される空調目標温度値、およびサーモ信号のサーモON/サーモOFF状態が示されている。さらに、サーモスタット30aに設定されているディファレンシャル幅Δdと、空調機20aにおけるディファレンシャル幅ΔDおよびディファレンシャル値(D値)とが示されている。
図12は、設定温度の上昇時を示し、図13は、設定温度の下降時を示す。図12および図13ともに、Y1信号の状態とサーモ信号の状態とが一致している場合には、Y1信号の変化が検出部404aによって検出されるたびに、Y1信号の変化時に取得された吸込み温度値Tと吸込み温度値記憶領域402aに記憶されている記憶値Mとの平均値Aが算出される。また、空調目標温度値決定部404eは、平均値Aを算出した後、空調目標温度値記憶領域402bに記憶された記憶値Sと、新たに算出した平均値Aとを比較し、記憶値Sと平均値Aとの差が0.5℃以内である場合には、空調目標温度値記憶領域402bに既に記憶されている記憶値Sを空調目標温度値として決定する。そのため、設定温度値として先に送信された空調目標温度値に基づく運転が空調機で維持される。
Y1信号の状態とサーモ信号の状態とが不一致になったタイミング(破線121,131参照)からの時間tが所定時間より大きくなった場合(t>t0の場合)、Y1信号のONまたはOFFの状態に応じて、空調目標温度値記憶領域402bに記憶されている記憶値S、すなわち、現在設定されている空調目標温度値から任意の値D′を減算した値あるいは現在設定されている空調目標温度値に任意の値D′を加算した値が空調目標温度値として決定される(破線122,132参照)。
また、空調目標温度値と任意の値D′とに基づいて算出された値が空調目標温度値として決定された後のY1信号の変化を検出した際は、前回決定された空調目標温度値(空調目標温度値記憶領域402bに記憶された記憶値S)が空調目標温度値として決定される(破線123,133参照)。
<特徴>
本発明に係る仲介装置400a−400cにおいても、Y1信号の変化にサーモ信号の変化が追随していない場合に、サーモスタット30a−30cの設定が変更されたものと判断し、改めてサーモスタット30a−30cに設定された温度の近似値である空調目標温度値を決定するための制御を行う。これにより、サーモスタット30a−30cで設定温度が変更された場合にも、変更内容に併せて空調機を動作させることができる。
<変形例>
(1)第1および第2実施形態では、マルチタイプのヒートポンプ式空調機を用いたが、シングルタイプのヒートポンプ式空調機を用いても構わない。また、ヒートポンプ式空調機に限らず、インバータ制御される空調機であれば、その他の空調機にも適用できる。
(2)第1および第2実施形態では、冷房運転を例に挙げていたが、暖房運転においても同様に適用できる。なお、上述したように、冷房運転モードおよび暖房運転モードの区別は、O信号およびB信号のいずれがONになっているかで判断される。
また、設定を変更することにより、暖房運転モードで用いる信号をW1(ヒーター)信号にすることもできる。この場合、冷房運転モードではY1信号が用いられ、暖房運転モードではW1信号が用いられる。
さらに、図2Bに示すような、他の出力信号を用いて空調目標温度値を決定しても構わない。
(3)第1および第2実施形態に係る空調システムにおいて、室内機20a―20cのそれぞれが、個別のリモコンを備えていてもよい。室内機20a―20cにリモコンが設定された場合は、室内機20a―20cの制御がサーモスタット30a−30cからの出力信号に基づく空調目標温度値および個別のリモコンで入力された設定温度値のいずれか一方を選択できるようにしてもよい。これにより、快適な空調環境の実現を柔軟に行うことができる。
(4)第1および第2実施形態に空調機において設定温度値として用いられる値が、空調目標温度値決定部44e,404eによって決定された空調目標温度値そのものではなく、当該空調目標温度値を補正した値であっても構わない。
(5)第1および第2実施形態において、空調目標温度値記憶領域42b,402bに記憶されている値(記憶値S)があるか否かを判断しているが、予め初期値(例えば、0)を与えておき、記憶値Sが初期値(例えば、0)に等しいかどうかを判定してもよい。
(6)第1および第2実施形態では、仲介装置40a−40c,400a−400cにおいて、摂氏(℃)を用いて空調目標温度値の決定等を行っているが、摂氏に代えて華氏(°F)を用いても構わない。
(7)第1および第2実施形態に係る空調システム1では、仲介装置40a−40c,400a−400cは、室内機20a―20cが検知する吸込み温度値Tを用いて空調目標温度値を決定したが、仲介装置40a−40c,400a−400cは、吸込み温度値の代わりに、室内機20a―20cが把握する他の温度センサで得られた値を用いて空調目標温度値を決定することもできる。例えば、室内機20a―20cの吹出し温度センサや、室内機20a―20cのそれぞれに接続されたリモコンの温度センサ、室内機20a―20cの本体からそれぞれ延長して設けた温度センサであるリモートセンサ等によって得られた値を用いることによっても空調目標温度を決定することができる。
(8)第1および第2実施形態では、複数のサーモスタット30a−30cおよび複数の仲介装置40a−40c,400a−400cが室内機20a―20cと一対一で接続され、仲介装置40a−40c,400a−400cで変換されたサーモスタット30a−30cからの制御信号が、それぞれに接続される一台の室内機20a―20cに送信されることにより個別空調を行っているが、図14に示すように、サーモスタット30および仲介装置40が、物件内にそれぞれ一台設置され、サーモスタット30からの制御信号が仲介装置40で変換され、変換された制御信号が室内機20a―20cに送信されてもよい。この場合には、サーモスタット30を用いて複数の室内機20a―20cの集中制御を行うことができる。さらに、物件内にサーモスタット30および仲介装置40がそれぞれ一台設けられる空調システムにおいて、図15に示すように、サーモスタット30からの制御信号が仲介装置40で変換され、変換された制御信号が室外機10に送信されてもよい。この場合にも、サーモスタット30を用いて複数の室内機20a―20cの集中制御を行うことができる。なお、1台のサーモスタット30で複数台の室内機20a−20cを制御する場合は、代表機として設定した室内機のサーモ信号を、室内機20a−20cのサーモ信号として取得する。
(9)第1実施形態において空調目標温度値決定部44eが行う第2決定処理では、空調機を最小負荷で制御する際の温度値として、冷房運転モードの上限値または暖房運転モードの下限値が空調目標温度値として決定されるが、これにかえて、圧縮機を停止させる制御が行われても構わない。
〈他の実施形態〉
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
本発明は、快適な空調環境の実現を効率よく行うため、既存の汎用のサーモスタットを用いて新たに導入したインバータ制御の空調機を利用可能とする環境を提供するという効果を有し、空調制御の仲介装置、空調制御システム、空調制御方法および空調制御プログラムとして有用である。
本発明の第1実施形態に係る空調制御システムの概観図である。 本発明の第1実施形態に係るサーモスタットの例である。 本発明の第1実施形態に係るサーモスタットから出力される制御信号を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る室内機の概略構成図である。 本発明の第1実施形態に係る仲介装置の概略構成図である。 本発明の第1実施形態に係る仲介装置の空調機の制御方法を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る仲介装置の空調機の制御方法を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る冷房運転時のタイミングチャートである。 本発明の第1実施形態に係る冷房運転時のタイミングチャートである。 本発明の第2実施形態に係る仲介装置の概略構成図である。 本発明の第2実施形態に係る仲介装置の空調機の制御方法を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る仲介装置の空調機の制御方法を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る冷房運転時のタイミングチャートである。 本発明の第2実施形態に係る冷房運転時のタイミングチャートである。 本発明の実施形態の変形例(8)に係る空調制御システムの外観図である。 本発明の実施形態の変形例(8)に係る空調制御システムの外観図である。
符号の説明
1 空調制御システム
10 室外機
20a−20c 室内機
30a−30c サーモスタット(空調インターフェース)
40a−40c,400a−400c 仲介装置
81,82 通信線
83 制御線
88 冷媒路

Claims (12)

  1. 自己の温度センサで検知する第1室温値と自己に設定された設定温度とに基づき接点をONまたはOFFの状態に変化させる空調インターフェース(30a−30c)に接続され、空調機(10,20a−20c)と前記空調インターフェースとを仲介する空調制御のための仲介装置(40a―40c,400a―400c)であって、
    前記接点の変化を検出する検出部(44a,404a)と、
    サーモON状態とサーモOFF状態とのいずれかである空調機状態であって、所定の温度幅ΔDを超過する温度変化があったときに一方から他方へ変化する空調機状態、を把握する状態把握部(44b,404b)と、
    前記接点の状態と前記空調機状態とが一致するか否かを判断する判断部(44d,404d)と、
    温度情報を記憶する記憶部(42,402)と、
    前記温度情報と、前記判断部によって判断された結果とに基づいて、前記空調機を動作させるための空調目標温度値を決定する空調目標温度値決定部(44e,404e)と、
    を備える、
    仲介装置。
  2. 前記温度情報は、前記空調機から取得される第2室温値と、前記空調機を動作させるための第1値とを含み、
    前記空調目標温度値決定部は、前記接点の状態と前記空調機状態とが一致すると判断された場合に前記第2室温値を用いて前記空調目標温度値を決定する第1決定処理と、前記接点の状態と前記空調機状態とが一致しないと判断された場合に前記第1値を用いて前記空調目標温度値を決定する第2決定処理とを行う、
    請求項1に記載の仲介装置。
  3. 前記接点の状態と前記空調機状態とが一致しないと判断された後の時間tを計測するタイマー部(43,403)をさらに備え、
    前記空調目標温度値決定部は、前記時間tが所定値を超えた場合に前記第2決定処理を行う、
    請求項2に記載の仲介装置。
  4. 前記空調機状態が一方から他方へ変化するタイミングと、前記接点の状態が変化するタイミングとに基づいて、前記所定の温度幅ΔDを変更するための値である第2値を決定する第2値決定部(44f,404f)をさらに備える、
    請求項3に記載の仲介装置。
  5. 前記第2値を記憶する第2値記憶領域(42c)をさらに備え、
    前記空調目標温度値決定部は、前記第2決定処理が行われた後前記接点の変化が検出された場合、前記第2値を用いて前記空調目標温度値を決定する第3決定処理をさらに行う、
    請求項4に記載の仲介装置。
  6. 前記第2決定処理では、前記空調機を動作させるための温度の限界値である前記第1値が前記空調目標温度値として決定される、
    請求項2から5のいずれか一つに記載の仲介装置。
  7. 前記第1決定処理では、連続して検出された接点の変化の際に取得された、2つの前記第2室温値の平均値を用いて前記空調目標温度値が決定される、
    請求項2から6のいずれか一つに記載の仲介装置。
  8. 前記空調目標温度値決定部によって決定された過去の空調目標温度値を記憶する空調目標温度値記憶領域(402b)をさらに備え、
    前記第2決定処理では、前記過去の空調目標温度値と、任意の温度値である前記第1値とを用いて前記空調目標温度値を決定する、
    請求項2から4のいずれか一つに記載の仲介装置。
  9. 前記空調目標温度値決定部は、前記第2決定処理が行われた後前記接点の変化が検出された場合、前記過去の空調目標温度値を前記空調目標温度値として決定する第3決定処理をさらに行う、
    請求項8に記載の仲介装置。
  10. 請求項1記載の仲介装置(40a−40c,400a―400c)と、
    前記仲介装置によって空調機との接続が仲介される空調インターフェース(30a―30c)と、
    前記仲介装置から送信される前記空調目標温度値に基づき空調制御を行う空調機(10,20a−20c)と、
    を備える空調制御システム。
  11. 自己の温度センサで検知する第1室温値と自己に設定された設定温度とに基づき接点をONまたはOFFに変化させる空調インターフェース(30a−30c)を利用して空調機(10,20a−20c)を制御するための空調制御方法であって、
    前記接点の変化を検出する第1ステップと、
    サーモON状態とサーモOFF状態とのいずれかである空調機状態であって、所定の温度幅ΔDを超過する温度変化があったときに一方から他方へ変化する空調機状態を把握する第2ステップと、
    前記接点の状態と前記空調機状態とが一致するか否かを判断する第3ステップと、
    温度情報を記憶する第4ステップと、
    前記温度情報と、前記第3ステップにおいて判断された結果とに基づいて、前記空調機を動作させるための空調目標温度値を決定する第5ステップと、
    を備える、
    空調制御方法。
  12. 自己の温度センサで検知する第1室温値と自己に設定された設定温度とに基づき接点をONまたはOFFに変化させる空調インターフェース(30a−30c)を利用して空調機(10,20a−20c)を制御するためにコンピュータに実行させるための空調制御プログラムであって、
    前記接点の変化を検出する第1ステップと、
    サーモON状態とサーモOFF状態とのいずれかである空調機状態であって、所定の温度幅ΔDを超過する温度変化があったときに一方から他方へ変化する空調機状態を把握する第2ステップと、
    前記接点の状態と前記空調機状態とが一致するか否かを判断する第3ステップと、
    温度情報を記憶する第4ステップと、
    前記温度情報と、前記第3ステップにおいて判断された結果とに基づいて、前記空調機を動作させるための空調目標温度値を決定する第5ステップと、
    を備える、
    空調制御プログラム。
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